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岩動道行君 時間もありませんので私のほうからまとめて申し上げますから、それに対して簡潔に明確なお答えをいただきたいと思います。
まず、いま
鈴木委員からも明らかにされましたように、
東京等の繁忙庁に対する配慮、これが今回の
法律改正の
一つのポイントであろうと。これはこれなりに私ども了承をいたします。しかしながら、小規模庁に対する配慮ということについて私は
法務省のお考えをこの際明らかにしていただきたい、かように考えて質問申し上げるわけであります。
まず第一に、
登記所の適正配置、小規模庁の整理統合、こういうことについて答申が四十七年に出てまいったわけでありまするが、その答申の小規模庁の廃止の基準であります。答申の当時の
昭和四十七年一月一日現在で一人庁は五百庁、二人庁は四百五十五、三人庁二百三庁、合わせますと千百五十八庁。全体で三人庁まで入れますと七八・三%、こういうように小規模庁の割合が非常に大きいわけであります。しかも一人庁が五百庁。この一人庁が実は問題であろうと特に思うのであります。一人庁でありますると、一日じゅうとにかく一人の
職員が
登記事務に従事をする。しかしながら、
登記所の中に、出張所の中に引きこもっているわけにはいかない。現地も見に行かなければいけない。その間に
登記を要請するために人がやってくる。奥さんがそこで受け付けをしてみるとか、あるいは待ってもらうとか、とにかく買いものにも出られない。自分の用事も足せない。土曜、日曜もない。あるいは大事な国民の権利である
登記台帳の保管についても不安が生じる等、いろいろ一人庁等については問題があり、人権上の問題もある。こういうことから、私どもは
登記所の整理統合については慎重にやっていかなければいけないという基本的な
考え方を持っておるわけであります。
先ほど
鈴木委員からも、岩手のような場合には非常に不便な
地域が多いと。これは交通の便あるいは離島、そういったようなところで十分な配慮をさらにしていかなければなりませんけれども、整理統合ということをあまり急いでやるということは大きな問題がある。そしてまた今日におきましては
地域開発であるとか、あるいは宅地の造成であるとか、あるいは自動車道、新幹線等々、国土の総合開発、これらに伴う
登記事務は非常に激増しているわけであります。
川島局長からも先ほど
件数が出ておったわけでありまするが、そのような状態において、一人庁といえども、これは人道上の問題もありまするし、したがって、むしろ廃止よりも
増員を考えていく、こういう方向も私は
法務省としては積極的に考えていただかなければならない、かように思うわけであります。それが本年度純増百八十人になってあらわれたと思いまするが、まだまだ不十分であります。繁忙庁を加えて小規模庁等を考えた場合には大幅な
登記職員の
増員ということが必要ではないか、かように考えるわけであります。
なお、私どもは
機械的に適正配置基準――答申によりまするとおおよそ五百カ所ぐらいあるというふうに聞いておりまするが、これを
機械的にそのままやりますると非常に問題が起こってまいる。したがいまして、これらについては一体今日の
地域住民の要請等々から考えて、どの
程度のところが大体考えられるのか、これをひとつお伺いしたいと思います。
その次に、
地域的な摩擦を少なくしながらやっていくという点から、特に
地域社会との調和、この点については私どもは、特に
登記所が長い歴史を持っております。しかもその町村においては
土地、
建物等を寄付したような事例が数多く残っております。そういうことによって、政府のほうもここに
登記所を置きましょうと、
登記所を置くについては
土地や
建物を寄付してもらいたい、こういったような
地域住民との話し合いによってつくられたものがある。それをにわかにやめてしまうということになりますると
地域住民としては耐えられないものがある。かつまたその
地域における唯一の国家機関、その町、村の誇りでもあると、こういうような感情も無視はできない。こういう点からも
地域社会との調和の中において適正配置を考えていかなければならない、かようにも考えるわけであります。この点についての基本的な姿勢も
大臣から伺いたいと思います。
また、
登記行政のサービス、もしも一人庁等を廃止した場合には非常な不便が起こると、こういうことからアフターサービスをどのようにやっていかれるか、この点も私どもの関心の深いところでございます。したがいまして、私どもは特にきめのこまかい諸方策、たとえば
登記相談所の開設であるとか、
登記抄本の交付申請書用紙の市町村役場への備えつけであるとか、
〔
委員長退席、理事岡本悟君着席〕
電話の予約制度の導入であるとか、
登記巡回サービス、
能率機器の全庁配付、あるいは司法書士、
土地家屋調査士の活用等、いろいろな面からのアフターサービスというものを考えていかなければなりませんが、これらの点についての配慮がどの
程度になされており、また今後どういうふうにこれを進めて、そうして調和のとれた
登記所の適正配置というものをお進めになるのか、これをお伺いいたしたいと思います。