○横川正市君 これは私は簡易保険の維持、拡大の
一つの施策として、いま平均寿命がどんどん延びていって、なるほど平均寿命が延びていくことは保健衛生上あるいは生活環境上著しい変化が認められたということになろうと思うのですけれ
ども、実は、
日本の医薬品に依存をする度合いとか、それから病院を利用する度合いとかいうのを先進国と比べてみますと、問題にならないくらい
日本の場合には多いわけなんですね。だから平均寿命が延びるということは必ずしも健康でぴんぴんして延びているのか、それとも死なない程度に延ばしているのか——これは少し言い過ぎかもわかりませんけれ
ども、毎日頭が痛い、けつが痛いというような状態で八十まで生きたなんということになっても、平均寿命のうちには八十歳というものが入ってくるわけですから、やっぱり健康ではつらつとして生活ができるということで平均寿命が延びていくということが私
どもやっぱり好ましいことだと思うのですね。
そのためにも、成人病という病気が非常に数の上でどんどん増大してくるという
傾向がありますから、そのことは私はやはり何らかの形でこの人たちに診療の機会とか、あるいは治療の低廉な提供とか、そういったことが当然与えられていいと思うのですけれ
ども、まずもって自分は一体健康状態としてはどういう状態なのだということを承知する機会を私はできるだけ多くの人たちが安易に受けられる、そういうことをやっておくことが必要なんじゃないか、その面では簡保の貢献する度合いというものはあるのではないかというように思うわけなんです。
そういう点で、たとえば私
どもよく具体的な実施
状況を承知いたしておりませんで、あとから世田谷に成人病センターの土地を購入したというのを聞きまして、ああそうか、それはもういずれ成人病センターが世田谷に開設されるのだなと思っておったのですね。そうしたらいつの間にか敷地はグラウンドか何かに変わってしまいまして、病院はどこかへ消えてなくなっちゃったという、こういうことにぶつかって、目的と結果がだいぶ違うので、非常に残念だと思っておるわけなんです。
しかし、そういう結果にならない方向をとりながら、成人病に対するセンターを、これを施設として一カ所でも二カ所でもつくり上げていく、これは多くを望むことはなかなかできないと思うのですね、資金上の問題もありますから。そういうことをやりながら保険の趣旨というものが
普及される。保険は、保険に加入するのがどうだこうだというので、まず一番問題としては保険加入の思想を
普及することで一生懸命やりまして、いまはもう保険に加入するということについてはあまりトラブルはないと思うのですね。しかし、その保険に入ったことによって非常にこういう利益があったというふうに転換されることは、保険事業を維持するために非常に大切な仕事の一面だと思うので、これを厚生省の所管だとかなんとか、全部を簡易保険がカバーすることはできませんが、しかし簡易保険設立の趣旨にも従って、簡易保険に依存する加入者保護、こういう意味も含めて成人病センターを設立する、こういうことは施策として当然取り入れるべきだと思うのですが、この点についての考え方はどうか。
それから、もしこれをつくるとすれば、団体貸し付けのような貸し付け制度が生かされて、団体貸し付けを受けられるような条件の整ったところにはこの貸し付けを行ない、成人病センターを構成する。と同時に、簡易保険の資金がこの設立に大きな貢献をしているということの表示は当然PRするということで、この種の事業に金を貸すことはできないか。同時に、看板を非常に重く見るのではなしに、日常保険業務に携わっている外務員が顔色を見ながら無診査保険でございますよと言って入らせるというようなことよりか、あなたは一度診療してみたらどうですか、簡易保険に入ればこういうところで診療していただけますよというようなことの委託をできる、安易に提携のできるような状態をつくっていくことが必要なのじゃないか、その両々相まった施策を考える必要があるのじゃないかと思いますが、これは保険局としては私
どもの考え方に対してどう対処されますか、お考えを聞かしていただきたいと思います