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1974-05-14 第72回国会 参議院 地方行政委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年五月十四日(火曜日)    午前十時四十七分開会     —————————————    委員異動  五月九日     辞任         補欠選任      寺下 岩蔵君     永野 鎮雄君      古賀雷四郎君     斎藤 寿夫君      高橋 邦雄君     郡  祐一君  五月十日     辞任         補欠選任      郡  祐一君     高橋 邦雄君      西村 尚治君     安井  謙君  五月十三日     辞任         補欠選任      加瀬  完君     安永 英雄君  五月十四日     辞任         補欠選任      片山 正英君     柴田  栄君      斎藤 寿夫君     増原 恵吉君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         久保田藤麿君     理 事                 高橋 邦雄君                 原 文兵衛君                 占部 秀男君     委 員                 柴田  栄君                 柴立 芳文君                 鍋島 直紹君                 増原 恵吉君                 藤原 房雄君                 村尾 重雄君    国務大臣        自 治 大 臣  町村 金五君    政府委員        自治政務次官   古屋  亨君        消防庁長官   佐々木喜久治君        消防庁次長    森岡  敞君    事務局側        常任委員会専門        員        伊藤  保君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○消防法の一部を改正する法律案内閣提出、衆  議院送付)     —————————————
  2. 久保田藤麿

    委員長久保田藤麿君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る五月九日、寺下岩蔵君及び古賀雷四郎君が委員辞任され、その補欠として永野鎮雄君及び斎藤寿夫君が選任されました。  また、五月十日、西村尚治君が委員辞任され、その補欠として安井謙君が選任されました。  また、五月十三日、加瀬完君が委員辞任され、その補欠として安永英雄君が選任されました。  本日、片山正英君が委員辞任され、その補欠として柴田栄君が選任されました。     —————————————
  3. 久保田藤麿

    委員長久保田藤麿君) 理事補欠選任についておはかりいたします。  高橋邦雄君の委員異動に伴い、理事に欠員が生じておりますので、この際、理事補欠選任を行ないたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 久保田藤麿

    委員長久保田藤麿君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事高橋邦雄君を指名いたします。     —————————————
  5. 久保田藤麿

    委員長久保田藤麿君) 消防法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 占部秀男

    占部秀男君 今度の改正について二、三質問をしたいんですが、第一に、防火管理に関する事項ですけれども、八条で今度カッコ書きにして「政令で定める大規模小売店舗を含む」と、こう書いてありますが、この政令でどういうような内容のものを規定しようとしているのか。さらにまた、複合用途防火対象物について、二つ以上の用途に供されるものというのは、これは一体具体的にはどういうようなものなのか、その点をお聞きしたい。
  7. 佐々木喜久治

    政府委員佐々木喜久治君) 第八条に、特定防火対象物名前を例示をいたしております。その中で百貨店という概念は、従来、百貨店法がありました時期におきましては、その百貨店ということが、百貨店法にいう百貨店ということでよかったわけでありますけれども、現在は百貨店法が廃止をされまして、現在、他の法律におきまして百貨店というものの概念がないわけであります。ただ、第八条にきめておりますものは、社会通念として百貨店ということが定着をいたしておりますので、百貨店という名前防火対象物名前を掲げておるわけでありますが、従来の百貨店法は、現在は「大規模小売店舗」というようなものに名称が変わっております。したがいまして、政令では、この百貨店を含めまして、大規模小売り店舗というものの範囲を明確にしておきたい、こういうことでございまして、大体政令では千平方メートル以上の小売り店舗を大規模店舗というふうに定めていきたいというふうに考えております。  それから「複合用途防火対象物」でございますが、これは、実はこの法律に出てまいりましたのはいわば初めてでございます。これまで複合ビルとか、いろいろな名前で呼ばれておったわけでありますが、最近の火災状況等から見まして、やはり複合用途防火対象物というものを明確にする必要がある、こういうことでここに掲げたわけでございます。そこで、この複合用途防火対象物も、たとえば私ども通常ターミナルビル等で見られますような、店舗飲食店を含むような複合用途防火対象物もございますし、あるいは事務所を中心にしたような複合用途防火対象物もございますので、やはり不特定多数の人が常時出入りするような内容用途に使われております複合用途ビルというものと、ある程度特定の人が出入りをする、利用をする複合用途防火対象物と、こう二つに分けていきたい。それで、片一方の不特定多数の人が出入りするような複合用途防火対象物につきましては規制を厳格にしていきたい、こういうことで、政令では、用途内容によりまして二つに分けて規定をしていきたいというふうに考えております。
  8. 占部秀男

    占部秀男君 次に、防火管理者はいま全国でどのくらい届け出た者があるんですか。また、その中で問題の、たとえば防火管理者業務上の過失あるいは防火計画不備その他また現実に問題が起こった問題、そういうような中で、責任問題が起こっているものがあるかないか、あるとすれば一年間にどのくらいあるか、その点をわかっていたら——わからなきゃいいですよ。
  9. 佐々木喜久治

    政府委員佐々木喜久治君) 現在、不特定多数の人が出入りをしあるいは勤務をする、こういう防火対象物の数が百二十七万ございます。そういう意味で、大なり小なりこの防火管理者防火管理内容というものに差はございますけれども防火管理者というものはこうした防火対象物につきまして置かなければならない、こういうことになっておるわけでございます。  それから、防火管理者責任問題というものが出ました実例は、実は昨年の大洋デパート火災がその例でございますけれども……。
  10. 占部秀男

    占部秀男君 具体的はいいですよ。数がどのくらいあるか。
  11. 佐々木喜久治

    政府委員佐々木喜久治君) 現在、数がどのくらいあるかという点は明確な調べはございませんけれども、おそらく明確に責任問題が出てまいりますものは、年間数件であろうというふうに考えております。
  12. 占部秀男

    占部秀男君 というのは、この四項で、今度その管理者業務が「法令の規定又は同項の消防計画に従って行われていないと認める場合には、」つまり、「必要な措置を講ずべきことを命ずることができる」ということになるわけですね。そこで、私は今回のこの改正は一応これでわかるのですけれども、もっと一歩を進めて、防火管理者のこうしたような状態の場合には、消防署長なり何なりの権限を強化して、「命じなければならない」というふうにはっきりさして、同時に消防署長その他の責任も明確にさせる。つまり、防火管理者責任も、またこれを取り締まるというか、行政指導するというか、指導する政府側のほうの責任も明確にする必要があるのじゃないか。というのは、いま大洋デパートの話が出たけれども、相当大きな被害を生んでおるということが一つと、それからもう一つ、今回のこの改正の中に、十六条の三では、「応急措置」というものを管理者等に義務づけているわけですね。さらにまた、十四条の三では、定期的に保安検査をすることを義務づけておる。こういうような非常に重大な義務づけも行なわれているのであるから、したがって、そういうようなことに従わないようなものについては、この署長なり消防長なりの権限を強化していかなければならないというふうに私は考えるのですけれども、この点はどういうふうに考えておられますか。
  13. 佐々木喜久治

    政府委員佐々木喜久治君) 御承知のとおり、消防事務というものは市町村固有事務であるというふうに考えられております。したがいまして、消防に関しましては、各市町村火災予防条例というような条例規定をもちまして、ある程度の住民に対する火災予防のため必要な措置を、条例規定をもって命じておるという例が通常でありますけれども、さらにそれ以上に、たとえ一部の人でありましても、相当な強制的な権限というものを規定いたします場合には、やはり法律規定をもってその事務について強制する権限というものを与えておかなければならない。その根拠を明らかに法律できめなければならない。こういう立場に立ちまして、この八条の四項の規定は、そうした措置命令権というものを消防長または消防署長付与をしたということでこの規定を設けておるわけでございます。したがいまして、これは、権限が、こういう命令権限がある、付与したという規定でございます。国の立場市町村事務についてどうしてもこれをやってもらわなければならないというような場合におきましては、非常に限定された例になると思いますけれども、「しなければならない」というようなことになるかと思いますれども通常権限付与規定というものは、このような立法の形態が通例であろうというふうに考えます。したがいまして、こうした権限付与されております以上は、市町村におきまして、消防長消防署長というものは、こういう事案が出ました場合には当然措置命令をすべきであるというふうに考えて、そういう考え方のもとに運用すべきものであろうというふうに考えるわけでございます。
  14. 占部秀男

    占部秀男君 わかりました。  それから、何といいますか、移送取り扱い所についての市町村長危険発生を予想した場合の扱い方の問題ですが、十二条の四に、市町村長は「都道府県知事又は自治大臣許可に係る移送取扱所の」云々について「災害発生するおそれがあると認めるときは、当該知事等に対し、必要な措置を講ずべきことを要請することができる。」と、こういうことになっているのですね。これは私はおかしいと思うので、もし災害発生するおそれがあるというような場合には、それぞれ市町村の区域内でそういう問題が起こるわけですから、特に災害発生をするという緊急な事態も考えられるので、また、市町村消防関係は、あなたの言われておるように固有事務でもあるし、この場合には、知事要請はせずとも、市町村長権限でこれができるようにストレートにしたらどうかと思うのですけれども、どういうわけで知事要請をして一つのクッションを置いたか、その点をお伺いしたい。
  15. 佐々木喜久治

    政府委員佐々木喜久治君) この第十二条の四の規定に該当いたします移送取り扱い所は、二以上の市町村にまたがりますいわゆるパイプラインに関する規定でございます。したがいまして、そうした二以上の市町村にまたがります施設につきましては、知事または自治大臣がその許可をする。したがいまして、その許可にあたりまして、その移送取り扱い所内容等につきましては十分承知をして許可をしていくということになるわけでありますので、そうした許可権限と、いわばその施設内容について十分知っておる知事または大臣に対して必要な措置要請をするという形をとったわけでありまして、これは許可権限との関係でございます。もちろん、十二条の四は、いわば災害防止のための事前措置でございますので、許可にあたりましては、知事あるいは自治大臣が地元の市町村長十分協議をしてこれは設置許可することになると思いますけれども、さらに市町村長としましては、当該市町村関係について必要な措置要請をしていくということをここに規定をしたわけでありますが、移送取り扱い所は、最初のいわば石油タンクからそれを受け入れるタンクに至るまでの一連の施設でございますので、やはり知事なり自治大臣が、その全体の危険物施設としてとらえて、その防災に関して必要な措置を講ずるのが適当であろうというふうに考えたわけでございます。
  16. 占部秀男

    占部秀男君 どうもそこのところが解せないんですが、許可事項の関連と、実際に災害発生するというその問題とは、私はまるきり別じゃないかと思うんですよ。災害発生するおそれのある場合というんですから、そういうときには、そのおそれに対する予防的な措置というものは、当該市町村長——かりに二つ市町村にまたがる場合でも、市町村長にまかせるだけの権限というか、それを与えるのが、私は予防をスムーズにさせるもとじゃないかと思うんですが、そういう点については考えてみなかったんですか。
  17. 佐々木喜久治

    政府委員佐々木喜久治君) こうしたいわば長さを持っております危険物施設の場合におきましては、その市町村災害防止のために、他の市町村にあります部分についてもいろいろ措置をしなければならない場合も出てくるわけでございます。そういう意味におきまして、やはり、その危険物施設を全体として判断ができる知事または自治大臣要請をするというのが、いわばこれが、災害発生時の問題ではございませんで事前措置になるわけでございますから、そのほうがむしろ適当な措置がとれるのではないだろうか、こういう考え方であります。
  18. 占部秀男

    占部秀男君 それから緊急時の措置の中で、特に十六条の三で、危険物が流出した、その他事故が発生した、危険の場合には応急措置を講じなければならないというように、管理者には相当はっきりした義務規定を置いているわけです。そこで、これは私はいいと思うんですけれども、義務づけた以上は、応急措置について、管理者に、訓練なり学習なり、そういうような点をささなきゃならぬと思うんですよ。これがなければ、いまの大洋デパートじゃないけど、いろんな実例から見ても、単なる法律で書いただけだと言っちゃ悪いんですが、どうもそういうふうになりがちになると思うんですが、こういう点については何か消防庁として考えておる、あるいは計画しておる、そういうことがありますか。
  19. 佐々木喜久治

    政府委員佐々木喜久治君) 当然、こうした災害時において応急措置を講ずるためには、その事前訓練というものは必要なわけでございまして、この規定の中には、当然、そうした訓練というものを予想しているということでございます。この法律の十四条の二項には、こうした危険物施設管理者はその施設にかかわる予防規程をつくれということになっています。この予防規程は、いわゆる通常建物における防火管理者がつくる消防計画と同じ内容のものでございまして、当然に、この予防規程の中には訓練計画というものは入っておらなきゃならない。したがって、この予防規程を定める段階におきまして、これは十分その中に訓練規定は織り込ませるというのを予定をいたしておるわけでございます。
  20. 占部秀男

    占部秀男君 最後に、この消防用設備に関する問題ですが、今度の改正では、十七条の二ですか、これで、既存特定防火対象物ですか、これについても、いままでは適用除外みたいになっていたやつを、今度の改正では、現行法どおり、十七条の技術上の基準に従って設置しなければならない、こういうぐあいに変わるわけですね。そこで、既存建物ですから、新しい建物なら別ですが、既存建物なんですから、はたしてこういうとおりいったかいかないか、これは非常に具体的には問題のあるところだと思うんですが、そういう点をやはり改善したかどうかということを、どういう形で確かめ、どういう形で実現させていくのか、そういう点について、消防庁としての考え方あるいは計画があったら知らしていただきたい。
  21. 佐々木喜久治

    政府委員佐々木喜久治君) 現在、特定防火対象物につきましては、各消防機関が重点的に予防査察というものを毎年計画をきめてやっておるわけでございます。それは消防法の第四条に基づきまして、その立ち入り検査権限がございますので、それに基づきまして、特定防火対象物につきましての予防査察を実施するということで行なっております。今回の法律改正に基づきまして、どういう防火対象物についてどれだけのいわゆる既存適格建物があるかということにつきましては、すでに各市町村消防機関においていわば調査は終わっておるのでございます。したがいまして、今度はこの法律が成立いたしました場合には、それぞれ各防火対象物につきまして、具体的な設置計画というものにつきまして十分御相談をいたしまして、三年なりあるいは五年なりの間にそうした計画が実現いたしますように、具体的な指導をしていきたいということでございます。  さらにまた、今回の法律改正におきましては、設置をした場合には、消防用設備等について消防長または消防署長検査を受けなければならないという規定もございますので、その検査規定というものを働かせながら、具体的にそうした消防用設備が十分な技術上の基準に適合した施設となっているかどうかという点を具体的に検査をいたしまして、それによって、この消防法改正が十分実現いたしますように指導していきたいというふうに考えております。
  22. 占部秀男

    占部秀男君 この点、答弁は要らないんですが、きょうは大臣がいないから、特に次官にお願いをしておきたいんですが、今度の改正で、いまのようなぐあいに既存建物の問題がなる。このことは非常にいいことであって、一歩前進なんですけれども、何年くらいの計画で何年くらいまでにという期限がないわけです、おそらく政令でもしないと思うんですよ。ところが、災害というものはいつ起こるかわからない。そこである程度、ひとつ消防関係のほうとしてはおおよそめどをどのくらいに置いて、これを一〇〇%できたとは言わなくても、まあまあだいじょうぶだというようにしていくのに、めどをどのくらいに置いてやるかというような点について、緊急にひとつ具体的に話を進めて、そうしてできればこの次の国会にでも報告をしてもらいたいと思っておるんですが、これは要望です。
  23. 藤原房雄

    藤原房雄君 消防法の一部を改正する法律案につきまして、二、三点お伺いしたいと思うのでありますが、最初に総括的に、ここ数年の間、大阪の千日デパートですか、熊本の大洋デパートの悲惨な惨事が繰り返されました。さらに、最近の大きな経済発展に伴いまして、生活様式建築用材、すべてのものが非常に大きなテンポで変わりつつある、こういう時代に即応して消防法も変えなきゃならぬということは私どもわかるわけで、今回のこの法改正というものは当然のことだろうと思います。何といいましても、今回の法改正は、ここ数年、悲惨な惨事が起きたことが一つの大きな教訓となって、もっともっときびしくあらなきゃならないものもあったろうと思うんでありますが、最小限度今回の法改正となったんじゃないかと思うんであります。今度のこの法改正にあたりまして、過去の千日デパート大洋デパートの悲惨な惨事の中からどういう点を教訓としてくみ取って織り込んだのか、その点についての考え方、どうでしょうか。
  24. 佐々木喜久治

    政府委員佐々木喜久治君) 過去の悲惨な火災事例というものは、ただいま御指摘のように、私どもにとりましても非常に大きな教訓を与えられたわけでございます。やはり一つは、そうした防火対象物所有者あるいは管理者というものが、いわば安全というものに対する投資というものを非常に惜しんでおるのではないかというような感じが一つあるわけでございます。この点につきまして、やはり法律をもって明確にそうした安全投資基準というものを明らかにしていく、こういうことが必要であろうと、こういう考え方のもとに、この消防法改正お願いをするということにいたしたわけであります。そうしたいわば消防用設備という物的なものの投資が行なわれましても、やはりそれを運用するものは人であります。こうした消防法規定ができましても、単に施設つけっぱなしのままであります場合におきましては、いわば一たん火災発生の場合に、それが十分に機能していくかどうかという点は問題でございまして、いわば消防法改正と、それと同時に、そうした物的な設備というものを運用する人間の面の考え方というものを今度ははっきりさしていかなきゃならない。この人の面の問題は、一つはその建物自体責任者管理者並びに防火管理者が、その建物についてどうこれを、災害発生を防除していくかという点についての設備運用の問題でありましょうし、それからまた、消防機関にいたしましても、こうした消防用設備不備に対してもっと厳正な姿勢をとるべきであろうし、そしてまた、必要な指導というものを十分行なっていく必要があるであろうというふうに考えるわけでありまして、いわば物的な面の制度ができました段階におきましては、それを具体的に運用していく人の面というものについて今後は十分考えていかなきゃならないというふうに思っておるわけでございます。
  25. 藤原房雄

    藤原房雄君 まあ長官のおっしゃるように、確かに物的な面と運用面について、こういうことの整備というものは急がれることだと思います。  最初に、物的な面についても現在早急に変えなきゃならぬ点多々ありまして、今回の法改正になったわけでありますが、その中でスプリンクラーですか、この設置につきまして、百貨店地下街等については三年以内、旅館とか病院等については五年以内ということでありますが、この物的なものについては、当然、財政的な問題も伴ってまいりますので、すぐできるものとできないものがあろうかと思います。この三年以内と五年以内にしたということについての、これは何を基準にお考えになっているかということと、それから、三十六年の消防法改正以前の建物についても規制することになったわけでありますが、およそこれはどのぐらいの面積ですか——全国でなっているのかということと、これを消防法の新しい改正によりまして改めますとどのぐらいの費用になるのか、それとともに、大体新しいものに建てかえ得ないでもとのままできているという、こういう建物は、およそ中小企業、そういう方々が多いんじゃないかと思うのでありますけれども、こういう方々に対しての融資ですか、こういう面を見てあげませんと、当然、法だけで規定いたしましても実行不可能——先ほど長官のお話で、いろいろ具体的な問題については話し合うということでありますから、その話し合い——施設についての話し合いとともに、こういう経済情勢の中にあるわけでありますから、十分な配慮があってしかるべきだと思うのでありますが、こういう点についてはどのようなお考えで、今日まで話し合いが進んでおれば進んでおる、これからどうしようというんだったらどうしようと考えているのか、そういう点についてお伺いしておきたいんですが。
  26. 佐々木喜久治

    政府委員佐々木喜久治君) 今回の消防法改正におきまして、既存防火対象物遡及適用をしていくという消防用設備でございますけれども、この既存防火対象物二つグループに分けておるわけでございます。一つグループは、百貨店地下街複合用途防火対象物、この三つのものにつきましては三年以内にスプリンクラー設備を取りつけろということになっております。それから、その他の病院でありますとか、旅館ホテル等につきましては五年間ということにいたしております。この理由は、百貨店地下街複合用途ビルというものは不特定多数の人が常時出入りをしている、非常に人の出入りが多い、それからまた可燃物が非常に多量にあるというようなこと、特にまた、複合用途防火対象物につきましては、防火管理の権原が分散をされておるというようなことで、その危険度が非常に高い、そういう意味で、緊急に消防用設備設置してもらいたいと、こういうような考え方でございます。それから病院とか旅館というものは、これはどちらかといいますというと不特定の人でありますけれども、ある程度の定員がございますし、それほど多数の人が出入りしているという状態ではございません。それからもう一つは、二十四時間使われておるということのために、このスプリンクラー設備をつけます場合には、どうしても壁、天井あるいは床というものについて改造を行なわなきゃならない。そういたしますと、常時使用されております場合には、どうしてもその準備期間というものあるいは設置するための計画というものが要るであろうし、また、工事期間がどうしてもそれに伴って長くなるおそれがある。こういうようなことから三年のグループと五年のグループに分けたと、こういうことでございます。  それから、今回の改正によりましてスプリンクラー設備設置しなければならない建物の総数は六百六十一でございます。現在の調査では六百六十一でございます。その面積は五百三十四万平方メートルということでございます。  それで、スプリンクラー設備が一体どのくらい金がかかるかということになりますと、大体標準的に申しますというと、一平方メートル当たり一万円というのが標準的な工事費でございます。したがいまして、五百三十四万平方メートルでありますから、スプリンクラーの工事費は、これをかけますと五百三十四億金がかかる、こういうことになるわけでございます。ただ、政令で具体的な工事のしかた等につきまして規定をしていくわけでありますけれども、特に病院でありますとか、旅館ホテル等におきましては、防火区画の設置のしかたあるいは内装物につきまして不燃性の資材を使うとかいうようなことで、必ずしもスプリンクラー設備設置する必要がない部分も出てまいりますので、そういうようなものを考えてみますというと、大体現在時価で三百四、五十億の金が要るというような形になるのではないだろうか、こういうことを考えております。  それから、こうした六百六十の建物の中で、一番対象の数が多いものを見ますと、複合用途ビルが二百六十九、それから病院が百三十二、面積的には、この病院が二百二十四万平方メートルでございます。病院が一番面積的には多うございます。それから旅館ホテル等でございますが、旅館ホテル等が百二十四、面積的には百五十二万平方メートル、こういうような状況でございます。  もちろん、この中には中小企業というものもあるかと思いますけれども、現在こうしたものに対する融資制度としましては、旅館ホテル等に対しましては、これは飲食店も含めまして、環境衛生金融公庫というものがございます。それから病院等につきましては医療金融公庫、それから中小企業一般につきましては中小企業金融公庫、あるいは国民金融公庫というようなものが、すでにこうした消防設備につきましての融資をこれまで実施をいたしております。特別な安い金利を設定いたしまして、特利をもちまして融資を実施いたしておりますが、今回の改正によりまして、さらに百貨店等もふえてまいりますし、あるいは複合用途ビルも対象になってまいりますので、開発銀行からの融資もことしから特利で実施をするということになってまいっておりますので、大体、ただいまの総体として三百四、五十億程度の金を三年ないし五年間ということで投資をしていくということになりますというと、これらの現在定められております融資ワクの中で十分対処し得るというふうに考えられますので、具体的に、各地方団体の消防機関防火対象物の管理責任者との話し合いによりまして、それぞれ具体的に計画を立てて消防用設備設置していくということを、これから指導してまいりたいというふうに思っております。
  27. 藤原房雄

    藤原房雄君 中小企業に対しましては、通産省ですか、これからいろいろ各省との話し合い、また具体的な問題についての討議もなされるでありましょうが、こういう異常な経済状況の中にあるわけでございますので——だからといって、こういう施設がおくれて、また大きな惨事を起こすようなことがあってはなりません。相当努力をし、話し合いを進め、一日も早くこの施設が充足されるように願うのであります。  それとともに、先日、地方交付税法の改正のときに、附則のところで、消防施設強化促進法の一部改正ですか、この問題がちょっと出ておったわけでありますが、これは、「昭和四十九年度から昭和五十三年度までの各年度に限り、人口が急増している地域として政令で定めるところにより自治大臣が指定する地域内に設置され又は配置される消防施設政令で定めるものに係る第四条第一項の規定の適用については、同項中「三分の一」とあるのは、「二分の一」とする。」という、人口急増地帯については三分の一から二分の一ということで、これはまあ当然過ぎるほど当然のことだろうと思います。しかし、この災害——先ほど長官の話にもありましたように、こういう大きな惨事が起きてから、にわかにいろいろなことが討議され、反省され、そして対策が講じられるということでありまして、どうしても後手後手に回るきらいがあるわけでありますが、何といってもお金のかかることでありますから、こういう措置が必要になってくると思うのでありますが、人口急増地域についてとともに、やはり財政力のない過疎地域についても配慮をしなければならないのじゃないか。どうしてもこういう物的な面につきましての整備につきましては、これは緊急を要することは当然のことでありますが、必ずそれに対して金がついて回るということで、なかなか充足率というものが満たされないという問題も出てくるわけでありますが、人口急増地域については、これはもう緊急を要することだと思います。それとともにやはり過疎地域についても配慮をする、こういう考え方も必要だということを私は痛感するわけでありますが、消防施設強化促進法の一部改正の問題と、過疎地域についての配慮のあり方、この間のことについてちょっと説明をいただきたいと思うのであります。
  28. 佐々木喜久治

    政府委員佐々木喜久治君) 消防施設強化促進法のいわば原則的な補助率は三分の一ということになっております。今回、人口急増地域につきましては、その原則三分の一に対しまして、二分の一ということにいたしたわけでございます。そのほか、他の立法措置によりまして、実は消防施設に対しての補助率が引き上げられているものがすでにあるわけでございまして、いわゆる過疎法に基づきましての過疎市町村、それから離島振興法等の規定に基づきますところの離島の地域、それから同和対策法に基づきますところの同和地域、それから沖繩県、あるいは新東京国際空港周辺の市町村、それから防衛施設周辺地域と、これらのものにつきましては、それぞれの立法措置によりまして、現在三分の二の補助率が、いわば消防施設強化促進法の例外措置として規定をされ、適用をされております。今回、人口急増地域につきましては、特別な法律がないものでございますから、この消防施設強化促進法の一部改正という形で、二分の一の特例率を設けたということでございます。
  29. 藤原房雄

    藤原房雄君 次は、病院がやっぱり多いわけですが、特に自治体病院、これはただいま問題になった赤字の自治体病院がたくさん——たくさんというかほとんどで、財政的な問題についてもいまいろいろ論議されておるところでありますが、赤字をかかえた自治体病院に対しまして、地方自治体では、今度の法改正がありまして、それに対して対処しなければならないわけでありますけれども、この消防用施設の資金について相当な配慮がなければこれもまたできないのじゃないかと思いますが、この問題についてはどのようになっておりますか。
  30. 佐々木喜久治

    政府委員佐々木喜久治君) 先ほど申し上げました対象病院百三十二の中の相当部分というものは、国立病院、公立病院であろうというふうに考えております。御承知のとおり、公立病院はただいま非常な赤字をかかえておるわけでありますけれども、やはり必要な防災の施設というものはしてもらわなければなりませんわけでありますから、これは財政当局のほうとも十分打ち合わせをいたしまして、必要な資金につきましては、現在の病院債の中で優先的に措置をしていく、こういうことでやってまいりたいというふうに考えております。
  31. 藤原房雄

    藤原房雄君 まあ考え方はわかりましたが、ひとつ強力に——病院火災なんていうのは非常に悲惨なものでありますから、お話し合いをしてきめて、一日も早く推進していただきたいと思います。  どうしても財政的な問題が多くなるわけですが、さっき大体二、三問問題を申し上げましたが、いずれにしましても、この民間につきましても、また公的なものにつきましても、今度の改正によりまして相当な、合計しまして三百億、四百億というお金がかかるわけでありますから、その点についてはひとつ十分な御配慮をいただいて、今回の法改正が大きな効果をもたらすという、こういうことでひとつ長官がんばっていただきたいと思うんです。  ちょっと話は変わりますが、コンビナートの防災について、デパートとかそれからビル等の火災対策、こういうものはもちろんのことでありますけれども、コンビナートの防災について、企業側の責任といいますか、これを明確にさせなければならないと、最近コンビナート等においてもときおり問題が起きておりますけれども、この責任体制という問題については現在どうなっておりますか。また現在、何かお考えがありましたらひとつお伺いしたいと思うんですが、どうでしょうか。
  32. 佐々木喜久治

    政府委員佐々木喜久治君) まあ、この石油コンビナートのいわゆるコンビナートというものはどういうものかという点につきまして、若干考え方に差があるかと思いますけれども、私ども、コンビナートを比較的広くとりまして、現在二十八都道府県において六十の石油コンビナート地帯があるというふうに算定をいたしておりますが、これらの石油コンビナート地帯の防災体制の強化という点につきましては、実は昭和四十五年以来、石油コンビナート地帯防災対策要綱に基づきまして、関係の地方団体、それから企業、それから海上保安官署というものが、それぞれ地元におきまして三者の協議会を構成をして、相互協力を行なう、あるいは計画の整備あるいは資機材の備蓄というようなことをやっておるわけです。しかし、昨年秋ごろ、石油コンビナート地帯におきまして、爆発火災事故というものが頻発をいたしまして、こうしたいままでの防災計画というものについてやはり見直しをしていかなきゃならないということが要請をされるようなことが出てきたわけであります。それに伴いまして、昨年は消防審議会におきまして、当面措置すべき石油コンビナート地帯の防災対策に関する意見というものが出されまして、消防庁といたしましても、この石油コンビナート地帯についての防災対策を見直すという意味におきましての作業をいま始めておるわけでございます。別途、通産省におきましては、それぞれこの石油コンビナート地帯における、いわば内部の設備、機械等につきましての見直しということを、昨年暮れから実施をいたしておりますけれども消防庁といたしましては、いわば地域の防災危険度というようなことで、そのコンビナートの設備、機械というものと、それから地域の住民との関係において、その地域の災害危険度をどう測定をしていくか、そしてまたそれに対応して総合的な防災計画をどう立てるべきかという点を見直していきたいと、こういうことで、本年度、石油コンビナートの防災診断を実施をしていったらどうかと、こういうことをいま考えておりまして、その防災診断委員会というものをすでに発足をさせまして、本年夏ごろから秋口にかけまして、具体的な防災診断の作業を行なうためのいま準備委員会といいますか、準備の意見交換会をいまやっているところでございます。そういう意味におきまして、その地域社会との関係における石油コンビナート地帯の防災計画というものをもう一ぺんこれをつくり直していこうと、こういうことを考えておるわけでございます。  なおまた、企業側に対しましては、やはり設備の安全操作のための技術者の配置という点について、十分この人的な面の充実を要請するとともに、自衛消防力なりそれからまた安全設備なりというものについて再点検をするように要請をいたしておるわけでありますが、また別途、消防機関におきましても、そうした石油コンビナート自体の安全点検を行ない得るような技術者の養成ということは当然必要でございますし、現在、そういう技術者を逐次充実をしつつあるという段階でございます。いわばコンビナート地帯の防災対策というものは、総合的に実施をいたさなければならないという面を持っておりますので、私どもも地元市町村とも十分協議をいたしまして、こうした防災対策について万全の見直しを行なって措置してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  33. 藤原房雄

    藤原房雄君 それから、いつも問題になるんですけど、この予防査察ですね、まあさっきもちょっとお話あったかと思うんですが、去年一年間、この予防査察をなさった結果等出ておりますかね。去年、おととし——まあこれは非常に大事なことだと思います。予防査察がこれ十分になされることが、また大きな悲劇を防ぐ一つの大きな問題になろうかと思うのでありますが、まあもし去年のデータがあれば、去年なさったその予防査察の中で、どういう問題がその中で提起されたかという、こんなことを、もしおわかりになりましたらお伺いしたいと思いますけれども
  34. 佐々木喜久治

    政府委員佐々木喜久治君) 予防査察につきましては、市町村消防機関におきまして、その防火対象物の危検度等に応じまして、年間二回あるいは三回、ものによりましては一回というようなことで、計画を定めて予防査察を実施いたしておりますけれども、その査察の結果がどういうふうであったのかという点につきまして、全体の予防査察の結果の集計は特にとっておらないのでございますけれども、たとえばこの事例として申しますと、昨年の百貨店に対する予防査察というものを一斉に行なわせまして、その結果を報告を求めております。  この事例だけについて申しますと、百貨店予防査察の対象になりましたものが九百十二件、そのうち、たとえば防火施設といたしまして避難階段というものを見ますというと、避難階段の施設がついているかついてないかという点を見ますと、ほとんどのものは避難階段はついておるということになりますけれども、この約九百件の中でまだ違反のものが九件ある。あるいはまた、この既存不適格のために四十四件というものはついておらない。これは別途、建築基準法の改正によりまして、今後これはつけるというような形になるわけでありますけれども、やはり若干のものには違反のまま放置されているものがあるというような事例がございます。  それから、たとえばスプリンクラー設備につきましても、九百十二件の中で三十八件という違反が指摘されておるわけであります。  それから、火災報知機につきましても、自動火災報知機が四十七件違反であるというような報告が届いております。それからまた、こういう施設がついておるといいましても、たとえば自動火災報知機の電源がつながっておるかどうか、あるいはまた予備電源が不足していないかどうかという、この維持管理の面を見ますというと、維持管理について非常に不適当である、いわば非常事態において作動しないという状況にあるものが百四十五件見つかっておるわけであります。これはせっかくこうしたものをつけておりましても、いざという場合に動かないわけでありますから、つけていないと同じような状況である。こういうようなことで、それぞれこうした予防査察の結果につきましては、その後どういう措置をとったかという点につきましては、これは間もなく報告が来ることになっておりますが、その結果によりまして、また必要な指導をしていきたいというふうに考えております。
  35. 藤原房雄

    藤原房雄君 いま長官の報告聞きまして、ほんとうに背筋の寒くなるような思い——階段のことにいたしましても、またスプリンクラーにいたしましても、ついてないところがあり、そしてまた、ついていても実際に作動しないものもあるという。これは過去の大きな災害のときにも、やはり施設があっても十分な働きをしなかったということもしばしばあったわけでございまして、まあこういう問題、せっかく具体的なそういう実例をつかんでおるわけでありますから、ひとつ強力に、大惨事の二度と起きないように措置をしていただきたい、こう思います。  まあ時間もありませんので、最後に、過日静岡県の伊豆半島沖で地震がございましたが、多くの死傷者を出しました。これも同時に火災発生いたしまして、よけい惨事を大きくしたのではないかと思うのでありますが、この伊豆半島沖の地震、マグニチュード六・八と、こう言われておりますけれども、この問題で特に防災対策についてはどうなっておったか、もし報告が来ておりましたら、その間のことについてお伺いしたいと思います。
  36. 佐々木喜久治

    政府委員佐々木喜久治君) 先般の伊豆半島沖地震におきまして、防災対策がどういう状況にあったかという点は、まだ十分なこの調査報告がまいっておりませんので、具体的な対策状況がわかっておりませんけれども、全体的に見ますならば、この地震におきまして非常に被害が出ましたのは、いわば山くずれによる被害というものが死傷者を多く出す原因になったということでございます。この山くずれの問題につきましては、急傾斜地のいわゆる法律がございますけれども、その地域指定は行なわれておったようでございますけれども、その危険度はBランクということで、具体的な工事がまだ行なわれる地域になっておらなかった、こういう点に一つ問題があったような感じがいたします。  それから家屋の損壊の状況は、非常に局地的な直下型地震でありました関係から、比較的家屋の損壊が多かったということが言えると思います。そしてまた、家屋の半壊というようなことで報告されておりますものも、現地へ行って見た者から報告を受けますというと、全部建て直さなければ使えない状況にあるというようなことで、家屋の被害が比較的多かったということが言えると思います。  そのほか、道路の損壊あるいはがけくずれというような個所が相当数ございまして、この防災対策というものが、こういう地震を想定してつくられておったかどうかという点になりますと、きわめて現在の状況から判断いたしまして問題があるような感じがいたしております。
  37. 久保田藤麿

    委員長久保田藤麿君) 速記をちょっととめてください。   〔速記中止〕
  38. 久保田藤麿

    委員長久保田藤麿君) 速記を起こして。
  39. 藤原房雄

    藤原房雄君 むずかしいことじゃないんですけれども、これは、いまお聞きしましたのは、静岡県の伊豆半島の地震でこういう惨事が起きたっていうことですがね。これがもし東京都のような大きな人口の密集した地域で起きたらどういうことになるかということですが、これはまあ山くずれとか、こういう条件はいろいろありますけれども、しかし、大都市では、地下街とかなんか、ああいう伊豆半島にはないまた別な要件もございますし、また高層住宅がたくさん建っておりますし、これもいつも当委員会で論議されておることですけれども、こういう東京都のような大きな都市について、いまいろんなこと言われているわけですけれども、一たび大きな地震があったら、相当な死傷者を出し、被害を受けるだろう。そのためにいろんな会議または防災対策が考えられているようでありますけれども、そういうようなことについて、現在どういう機関でどんなことが話し合われているかということだけでけっこうです。
  40. 佐々木喜久治

    政府委員佐々木喜久治君) 地震対策につきましては、御指摘のとおり、確かに大都市地域におきまして地震が発生いたしました場合には、今回の地震のような被害にとどまるということはとうていこれは考えられないわけでございまして、特に私どももこうした地震対策を、人口の過密になっております東京の地域、大阪の地域、それから名古屋の地域というものを中心にして、具体的な防災計画というものをつくってもらっておるわけでございます。ただ、この防災の地震対策というものを見ますと、やはり総合的な防災計画というものを立てられませんというと、消防の面だけで処理するという範囲はきわめて限定される問題になるわけでございまして、やはり防災対策の基本は都市計画にあるだろうというふうに考えております。消防が担当いたします面は、地震に際しましていかに火災発生を押えていくか、そしてまたその火災の延焼をいかにして最小限に食いとめるかということと、それから住民の避難をいかに迅速に安全に避難態勢をとらせるか、これがまあ消防の担当する分野であるというふうに考えております。したがいまして、本年度の消防庁の予算におきましても、必要な地震対策の経費を、前年に比べますというと数倍増額いたしまして、対策を講ずることにいたしておるわけでございますけれども、こうした対策というものは、もちろん中央には中央防災会議というものがございますけれども、具体的には、各府県におきましてそれぞれの地方の防災会議におきまして具体的な計画を策定をし、実施をしてもらう、こういうことになっておるわけでございます。この防災会議には、単に地方の府県市町村の機関のみならず、中央関係の出先機関というものも参加をしていただきまして、具体的な計画を策定し、必要な事業を実施をするという形になっておるわけでございます。     —————————————
  41. 久保田藤麿

    委員長久保田藤麿君) 委員異動について御報告いたします。  本日、斎藤寿夫君が委員辞任され、その補欠として増原恵吉君が選任されました。
  42. 久保田藤麿

    委員長久保田藤麿君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
  43. 久保田藤麿

    委員長久保田藤麿君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 久保田藤麿

    委員長久保田藤麿君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  消防法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  45. 久保田藤麿

    委員長久保田藤麿君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 久保田藤麿

    委員長久保田藤麿君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十三分散会