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成瀬幡治君 私も、
預金金利の
引き上げなり、あるいは
公定歩合を、
物価が二〇%、三〇%上がったから二二%上げなさい、そういう極論を言うわけじゃございません。そうじゃなくて、いまはあまりにも
預金金利が安いと思います。諸
外国等に比較しても、
公定歩合その他から見ても二けた台だと、
日本は一けた台だと、そういう
問題等がございますから、
一つは、
宝くじつきの
預金を
考えようじゃないかというのも
一つの案だろうと思います。と思いますが、それをもう少し進めて、もっと進めて、ほんとうに
過剰流動性というものをチェックすると申しますか、それを吸い上げるためには、やはり物にするよりも、
預金にしておくという、そういうふうに
国民が思わなければなってこないと思うんですよ。いまは
預金しておくよりも、物にしておいたほうがいいと思うから、せい
一ぱいトイレットペーパーの
買い占めをやってみたり、あるいは洗剤の
買い占めというところにいくと思うのです。もっとある人は、土地やいろいろのところに行くと思うのです。ですから、そういうことを防ぐためにも、この際、あなたがおっしゃる
短期決戦というなら、ある一定の期間を切って、何か
預金金利というものをこの際検討してみる必要があるじゃないか、
大臣としては、
片方で
宝くじつきの
預金の法案を提案をして
みえる、そこへまた別なひとつ
預金金利を上回った
預金のことを
考えようじゃないかというとですね、何かこう、アブハチとらずのようなことになって、言いにくいかもしれませんと思うんですが、しかし、
宝くじつきのほうは、それはそれとして、もう少しあれなんかで言うと、はずれたものが
金利がただになったり、あるいは一分ついたり二分ついたりすることになっている。これははずれたらどうなるんやということになって、まあ
一つはギャンブルのほうのかっこうを見れば、非常に魅力がありそうで見えるし、またそういうことを
考えるとなかなか乗っていかぬという点も
心配なんですから、そういう
人たちまで救い、
預金に持ってくるようなことが
考えられぬものだろうか。まあ、その
貨幣価値の維持というものは
日銀が責任を負うと、こう言いますけれ
ども、あるいは
政策委員会が云々と、こういうことになっておりますけれ
ども、現実には、
大蔵省と
日銀との相談であり、いやもっと言えば、
大蔵省の
政治的発言のほうが力が強くて、
貨幣価値の安定ということがおろそかがちになっているというのが実態だと思う。しかし、だからそういうことをせないためにも、この際
預金金利を
引き上げていこう、
公定歩合を
引き上げていこうというのが
一つということだと思うんですね。これは
対策の
一つだと思う。ですから、それが行なわれない限りにおいては、私はそう、その
大臣の熱意とかなんとかいう、そういうものを疑うわけじゃございませんけれ
ども、もっとそういうようなところに真剣に取り組んでいかれる必要があるじゃないか。それとともに、
金融面のことについて
資本金の二〇%とかなんとかいうような
貸し出し制限の問題も、ずっと以前に
中小企業金融との関係で、当
委員会等でも議論したことがございますけれ
ども、こういうようなこともやれば、何かまたそれに対するしわ寄せと申しますか、悪い点が出てくることはあると思います。ちょうど薬と一緒みたいに、
片方にきくかもしれぬけれ
ども、
片方には害をと申しますか、そういうところがあると思う。そのときに、害のほうをあまりに大きく言ってしまうと、せっかくきく薬を使わずに、みすみす
対策がおくれてしまって
後手後手となると思いますので、重ねて
大臣にその
決意と申しましょうか、まあそれじゃあしたからとは言えないですけれ
ども、しかし、早急に手を打っていかないと、両三ヵ月とおっしゃるけれ
ども、私はそう簡単なものじゃないじゃないかと、このごろの卸の上がりを見ておると
心配でございますから。
それからもう
一つは、
片方の三法の問題について、実際は通産行政なり、あるいは
経済企画庁等がやるべき
相場にひとしい
物価の問題については、相当
立ち入り調査等の、強権を伴った
立ち入り調査をやってもらわなければだめだと思いますし、また、
公正取引委員会が
——資本主義のよさというものは
買い手市場だからいいわけです。ところが、いまは
売り手市場なんですね。それは
公正取引委員会は働きが鈍いと申しますか、
売り手市場にしてしまったことは、独禁法が事実骨抜きになってしまった。
資本主義経済が、
買い手市場だから自由な
競争、公正な
競争があるといったのが、いまはそうじゃなくて、
売り手市場だから、自由な公正な
競争じゃなくて、庶民はメーカーから押しつけられておるという形になってしまっているわけです。ここらあたりにもメスを入れていただかなけりゃなりませんが、
大蔵委員会として議論すべき点は、
金利政策だと思っていますから、そういう点についての
大臣の、私は、前向きなひとつお
考えが承りたいと思います。