○
国務大臣(
齋藤邦吉君) まことにごもっともな御
意見を交えての御質問でございまして、まことに感激をいたしておるわけでございます。
まず、重症のほうから申しますと、実は私
どもはこの重複の重症心身
障害児につきましては、全員国の施設に収容するという
方針で施設の
整備をはかってまいっておるわけでございまして、大体
昭和五十
年度までに全員収容ということで
計画を実は進めておるわけでございます。ところが、実際にこれをやってみますと、まあ、いろいろな私反省をさせられたのであります。そういう者も持っている御家庭の方々は施設に入れていただくのもありがたいと。それは、いまお述べになりましたように、十何万円も国が金を出すわけですから、ありがたいと。しかし、どんなに重症の者であっても手元に置きたいんだという父兄のあることを、私
どもはたくさん例として知ったのであります。
そこで、施設にだけ入れればいい人だというのではいけないと、やはりこの辺に
福祉施設に収容する問題について反省をしなければならぬ。そこで、ことし初めて在宅の方々に何かしらの道を開こうではないかということを、実は
考えたわけでございます。ある意味からいうと、この現代でもやっておりまする特別児童扶養手当というのは、まあ、ほんとを言うと、これまた介護料的な
性格のものでありますので、その介護料的なものにまた上のせをするのはどうであろうかといったふうな
法律論的な
意見もありました。しかしそんな
法律論的なへ理屈はどうでもいいんだと。要するにそばに置きたいという親の気持ちを
考えた在宅的な手当を
考える必要があるんだということで、それに上積みするという
制度を新しく創設をしたわけでございます。したがって、この創設ということについては藤原
先生に評価していただけると私は思っているんです、ほんと言うと、いままでこういうことをやっていなかったんですから。しかし、これだけの額で十分かというと私は十分でないと思うんです。今後の
社会福祉施設というものへの入所ということと、入所する
社会福祉施設の拡充という問題と、在宅の問題というものをあわせ
考えていかなければ日本の
社会福祉というものの行政は伸びないんだと私はそう思うんです。そういうわけでございますので、来
年度から十八万円の半分というわけにはいきますまいと思いますが、私はやはり過去のやってきた
福祉施設の運営ということの反省の上に立って今後これを拡充していくと、私は全力を尽くす
考えでございます。御希望のとおりの額になるかどうかは別として、私はこういう
方向をやらなければ日本の
社会福祉施設の運営というものはりっぱにいかないと思っているんです。何でも施設に入れればいいんだというものじゃないんです。やはり親御さんにとってみれば、どんな重複した身体
障害者でもそばに置きたいという方がおるんですよ。そういうことの反省が、そう言っちゃ何ですが、過去の厚生省に足りなかったと私は率直に思っておるんです。でございますから、
国民の要望というのは多様でございますが、やはり在宅者の援護ということにはもう少し力を入れなけりゃならぬ、かように
考えておりますので、来
年度の予算においてできるだけの増額を
努力いたすことをお約束申し上げておきたいと思います。
それからもう一つの児童手当の問題でございますが、これはほんとうにおしかりに値する問題だと思うんですが、私のほうから言わしますと、この三年段階
実施ということがじゃまになっているんですね、ほんと言うと。三年段階
実施、いままで去年、おととしとやったじゃないかと、その
人たちとの均衡をどうするというようなふうな、まあ、へ理屈言うのがおるんですよ、
政府の中では。というわけで、今日までおくれてきておりますが、いよいよ本
年度において曲がりなりにも日本の児童手当がここで定着するわけでございます。お述べになりましたように第三子からやるなんていう国は少ないことは私も十分
承知をしております。せめて二子からというのは私の
願いでございます、さしあたりの。というわけでございまして、全額の大幅な
引き上げと適応
範囲の拡大、この問題についてはいよいよ
実施を完了する来
年度以降において真剣に取り組んでまいりたいと思います。日本の
社会保障で一番おくれておるのは児童手当だと、私も十分
承知しております。御
指摘をまつまでもなく、日本は第三子であり、金額はわずかに四千円、とても話にならぬです。世間にも、先進諸国に対してもお恥ずかしい次第でございますので、明年後以降
実施完了のあとにおいては
範囲の拡大、せめて第二子までくらいは持っていくというくらいの
努力をしなければ児童手当
制度を日本が持っているなんということをあまり大きな声では言えないんではないかと、こう
考えておりますので、お述べになりましたこと
二つともまことに私は同感でございます。力の足らざることを憂えて、来年以降の
努力をお誓いいたしまして答弁にかえる次第でございます。