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矢山有作君 まあ、なかなか
労働省も慎重で、その実体、実体ということで、実体論にすりかえておられるようですが、そうおっしゃるならね、私は労政局を通じて津山高専北辰寮における
労使紛争についての
調査を取っております。これはあなたのほうから県の労政課に言って、
調査をさして、そして先方の学校側当事者から事情聴取した結果ということで
報告になっておりますが、その中でこういっております。いろいろありますが、(六)に、「こうした中で使用者側は学校長が予算の裏づけのない食堂の運営に私人としての資格で参加、使用者として炊事婦を雇用しておる点に疑問を持ち、学校後援会に話を持ちかけ新たに寮利用者の父兄団体を結成することとし、三月二十四日北辰寮後援会を設立し、同会が四月以降北辰寮の食堂運営を引き受けることをきめた。」——したがって、こういう
報告でいうなら、四月の初めに北辰寮が食堂経営に切りかわるまで、それまでは校長が私人としてではある。学校長という資格ではないということをいっておりますが、私人としての校長と炊事婦との間にみずから使用者としての
関係を認めております、雇用
関係を。認めた回答になっておるわけです。そうすれば、私は津山高専の場合に、私人として坂手という人が炊事婦を雇った。
労働争議が起こった。団体交渉が繰り返された。問題が
解決しない。そこで、
自分が使用人としてこういう学校の食堂経営に携わっておることは都合が悪いからというので後援会に働きかけて、後援会総会を三月二十四日に招集をして、そしてその総会の決議で食堂経営を今後は後援会が引き受けますということで規則をつくって、それをやり始めたということです。これは私は校長なるものの資格が私人であろうが公人であろうがそんなことはどうでもよろしい、もうここでの議論になれば。つまり、組合との間の
労働争議が
解決しない最中に、
自分が団交拒否を、団体交渉に応じないという手段としてこれ、逃げたんじゃありませんか。こういうようなことがはたして許されるのか。文部省は私人としての校長がやったと言うかもしれない。しかし、このような現在の
労働常識に反するようなことを平気でやるような校長を文部省は任命しておるのか。これは文部省もそういうような不明な校長を任命したという責任は免がれぬ。それから、
労働省もあまりことばの先の議論でなしに、こういう点を見られて、これはやっぱり
労使間の正常化のために
努力をする責任がある。ことばの遊戯ではないと思うんです。実体論云々を言われますけれ
ども、炊事婦のほうは明らかにそういう任命辞令によって、校長から任命されたと思っておる。その校長の資格について、いわゆる校長という公人としての資格か私人としての資格かはいま論議がある。しかし、いずれにしても坂手なにがしという者から雇われたという認識を持っておるわけです。それを全然一方的に変えてしまって団交から逃げていくというこういう
状態というのは、私はこれは明らかに不当
労働行為であるし、こういうようなことについては私はその権限のあるなしの議論でなしに、
労働省としてはそれ相応な
処置をとるように文部省との間の話し合いを進めるとか、何らかの
処置をせにゃいかぬのじゃないか。そんなことは実体論で、どうか調べてみなきゃわからぬから、なんていうのはね、それはここであなた方がわれわれの言いよることに全面的にそうだと言いたくない手段、方便で言いよるんだろうけれ
どもね、そういうことでなしに私は問題を
考えてもらいたいと思うのです。何も私は
労働省の欠陥を追及し、批判しているのじゃない。こういうようなでたらめな、二十世紀の今日の高度成長のときに、
労使関係が近代化されたといっておるときにこのような非近代的な
労使間のやり方というものが残っておりますよと、これを
労働省にはしっかり認識をしてやはり
労働関係の問題についてはそれ相応な
自分たちのできることを
考えてもらいたい、こういうことで私は持ち出した。決して
労働省を批判しているわけでもなければ追及しておるわけでもない。そういう立場であなたもものを言っていただきたいし、大臣のお
考えも聞きたいのです。