運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1974-05-17 第72回国会 参議院 災害対策特別委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年五月十七日(金曜日)    午後二時十分開会     —————————————    委員の異動  五月十日     辞任         補欠選任      松本 英一君     松永 忠二君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         秋山 長造君     理 事                 川野辺 静君                 佐藤  隆君     委 員                 梶木 又三君                 古賀雷四郎君                 柴立 芳文君                 桧垣徳太郎君                 八木 一郎君                 松永 忠二君                 宮崎 正義君    国務大臣        国 務 大 臣        (総理府総務長        官)       小坂徳三郎君    政府委員        総理府総務副長        官        小渕 恵三君        気象庁長官    毛利圭太郎君        自治大臣官房審        議官       近藤 隆之君    事務局側        常任委員会専門        員        村田 育二君    参考人        住宅金融公庫理        事        沖  達男君        環境衛生金融公        庫理事      河原 輔之君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○災害対策樹立に関する調査  (派遣委員報告に関する件)  (一九七四年伊豆半島沖地震対策に関する件)     —————————————
  2. 秋山長造

    委員長秋山長造君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  一九七四年伊豆半島沖地震による被害対策について、本日の委員会参考人として住宅金融公庫理事沖達男君及び環境衛生金融公庫理事河原輔之君出席を求めて意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 秋山長造

    委員長秋山長造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  4. 秋山長造

    委員長秋山長造君) 災害対策樹立に関する調査議題といたします。  まず、一九七四年伊豆半島沖地震による災害等について政府から報告を聴取いたします。小渕総理府総務長官
  5. 小渕恵三

    政府委員小渕恵三君) 去る五月九日午前八時三十三分ごろ発生いたしました一九七四年伊豆半島沖地震について報告いたします。  この地震震源地伊豆半島沖海底深さ二十キロの地点で、地震規模マグニチュード六・八、おもな地点震度震度五が石廊崎震度四が横浜、静岡、三島、館山、震度三が東京、銚子、前橋、浜松、名古屋等となっております。  この地震により静岡県賀茂郡南伊豆町を中心伊豆半島南部に多大の被害発生いたしましたが、その被害は、現在までに判明したところによりますと、まず一般被害といたしまして、死者行方不明者二十九人、負傷者八十二人、建物の全半壊(全焼を含む)三百六十九棟等となっており、施設関係等被害は、公共土木施設二十二億一千万円、農地等二億三千万円、水産物等三億五千万円、中小企業関係四十三億八千万円、その他合わせまして八十三億八千万円となっております。  地震規模に比べて被害がこのように大きくなったのは、震源地が陸地に近く、しかも浅い地点である、いわゆる直下型に近い地震であったこと、南伊豆中木地区において背後の山が一瞬にして大崩落し、一挙に住家等を押しつぶしたこと等が原因であろうと思われます。  この地震による被害に対し、静岡県及び南伊豆町ほか二市町では同日直ちに災害対策本部を設置し、警察自衛隊地元消防団等を動員して被災者の救出につとめるとともに、南伊豆町に災害救助法を適用して応急救助に当たったところでありますが、政府におきましても、同日午後、私の主宰のもと関係省庁連絡会議を開催し、被災状況の把握につとめるとともに、翌十日早朝、私が団長となって関係省庁担当官からなる政府調査団現地に急行し、被害調査対策指導に当たったところであります。  現地では被害の最も著しい南伊豆中木地区及び入間地区を視察したほか、南伊豆役場及び下田市役所において事情を聴取してまいりました。  政府では、これらの調査結果等をもとに十一日及び十五日の両日、関係省庁連絡会議を招集し、関係省庁間の連絡を密にし今後の対策に遺漏なきを期してまいる所存であります。  なお、この際去る四月二十六日に発生いたしました、山形最上大蔵赤松地区における山くずれ災害について報告いたします。  この山くずれは、赤松部落南方の松山が、今冬の豪雪の融雪水等によって長さ約二百メートル、幅約百メートル、厚さ平均七・五メートルにわたり崩壊し、赤松部落の一部が埋没したものであります。  この災害による被害は次のとおりとなっております。  まず、一般被害といたしましては、警察庁で取りまとめいたしたところによりますと、死者十七人、負傷者十三人、家屋の全半壊二十棟となっております。  次に、施設関係被害につきましては、各省庁報告によりますと公共土木施設村道七十メートル、農地二ヘクタール、農業用施設、水路一千メートル、農道五百メートルとなっております。  この災害に対し、山形県及び大蔵村は災害対策本部を設置し、また四月二十六日に災害救助法を適用し、必要な応急救助を実施いたしました。  また、政府といたしましては、直ちに林野庁長官ほか関係係官現地に派遣し、被害状況調査及び応急対策指導等につとめるとともに、関係省庁連絡会議を開催し、対策の推進をはかったところであります。  以上、一九七四年伊豆半島沖地震及び山形最上大蔵村の山くずれについて報告いたしましたが、今後とも、被災現地実情に応じ、被災者の救済をはじめとする災害復興を進めるとともに、災害早期復旧及び必要な財政金融措置等を鋭意推進してまいる所存であります。  以上、御報告を終わります。
  6. 秋山長造

    委員長秋山長造君) 次に、先般当委員会が行ないました一九七四年伊豆半島沖地震による被害実情調査のための委員派遣につきまして、派遣委員報告を聴取いたします。川野辺静君。
  7. 川野辺静

    川野辺静君 伊豆半島沖地震による被害実情調査報告を申し上げます。  五月九日午前八時三十三分、静岡伊豆半島沖震源に、東海、関東、甲信越及び中部地方一帯マグニチュード六・八の大きな地震発生いたしました。  特に、震源に近い伊豆半島南端の加茂郡南伊豆町を中心とした被害嘆きわめて甚大であるため、去る五月十四日、秋山委員長松永宮崎委員及び私は、限られた短時間ではございましたが、現地実情調査してまいりました。  まず、南伊豆役場に設置してあります南伊豆災害対策本部におきまして、諏訪静岡県副知事竹内南伊豆町長から、震災発生当時の状況、県の関係各部長より被害額の概略についての報告並びに今後の対策陸上自衛隊県警下田署長から救助活動、警備の状況等について事情を聴取後、南伊豆中木入間妻良、小浦の各地区に参りました。  今回の震災により被害が特に大きかった南伊豆中木地区で起こった山崩れによる被害状況につきましては、時間が経過し、救助活動が進むにつれて、予想以上に大きいことが判明いたしております。  静岡災害対策本部の調べによりますと、中木地区は総戸数八十戸のうち山すその二十二戸が流出した土砂に埋もれ、五戸が半壊し、二十七名の方々が生き埋めとなり、十五日現在死者二十三名、行くえ不明四名、重軽傷八名、家屋全壊二十二戸、半壊三十四戸、一部被害家屋二十九戸、プロパン爆発による火災で焼失家屋五戸といった全く悲惨な被害に遭遇いたしました。家の働き手である若者は下田方面に出勤、またエビ網漁の用意のため海浜に出ていた人は難を免れましたが、家におりました老人、主婦の方々が事故にあっております。不幸中の幸いと申しますか、幼児を除く子供たちは約五キロメートルほど離れた保育園、幼稚園、小中学校に通学のため、出かけたあとで全員無事でありました。  当地には、静岡県警機動隊下田警察署員ら百五十名の警察官が震災発生四時間後に到着するとともに、御殿場市に駐とんする陸上自衛隊第三十四普通科大隊千百名、地元消防団員百五十名が、一致協力もと救助活動を開始し、昼夜兼行にて現在に至っております。同地区は、いまなお不気味な音を伴った余震があり、ときおり崩れた山はだから小落石があるなど二重災害の危険をはらんでいるため、厳重な警戒体制もとに行くえ不明者発堀作業を進めなければなりません。  災害発生と同時に中木地区は停電、地区に通ずる県道は各所で地割れ、路肩が崩落しましたが、道路、送電も復旧しております。また、崩落現場の東側山はだに亀裂が入っていることがわかったため、民家三戸に避難命令を発し十数名の方々が避難したとのことであります。  なお、静岡県は五月九日午前零時四十五分、南伊豆町に災害救助法を発動しております。  次に県、町の要望事項を要約して申し上げます。  一、被災地における危険急傾斜地緊急崩壊対策事業を一体的に実施できるよう所要の措置を講ずるとともに、当該事業については、特別の高率国庫補助負担その他の財源措置を適用することとされたい。  一、伊豆半島南部地域南伊豆町を中心とする被災市町村について局地激甚災地域指定を行なうとともに、公共土木施設農林水産業関連施設等にかかる災害復旧事業早期着工ができるよう措置されたい。  なお、その他十項目にわたっての要望が出ております。  次に、本調査で特に強く感じましたことは、今回の地震石廊崎南西二十キロから三十キロメートル、深さ二十キロメートル地帯震源であり、中地震の上位に属する地震であるにもかかわらず、規模のわりあいには被害が大きかったことであります。中木入間妻良子浦の各地区につきましては、山はだが海岸にせり出し、狭溢な地に、民宿を経営、半漁半農の静かな町が一瞬にして、生き地獄と化したわけであります。  県の説明によりますと、南伊豆地区危険地帯指定されていない地帯であります。地元町村は、全く不意打ちを受けたわけでありまして、災害規模が判明するにつれて、ショックは大きなものがあります。  過去に直接大きな地震の記録がなかったことと、地質が比載的地震に強いといわれる第三紀層であるため、これらの地域無防備地帯のまま放置したと思われますが、静岡大学の土隆一教授は、南伊豆一帯の地層は、海底火山噴出礫で形成されているが、日本列島破砕帯に属し、岩石は熱及び雨水による変質と風化で、くずれやすい状態になっていると説明しております。犠牲者の多かった中木地区物的被害の大きい入間子浦妻良地区は断崖絶壁の岩場に囲まれた地区であり、十数年前までは道路も通らないほどの陸の孤島で、地区方々は人家を山の斜面に建てたことも大きな原因となったのではないかと思っております。  過去における伊豆半島周辺地震を見ますと、一六三三年の相模湾地震、一七〇三年の房州沖地震、一九三〇年の伊東沖地震、さらに伊豆北部地震とありますが、いずれも南伊豆地区津波被害を除いて直接の災害は免れてきております。さらに昭和四十八年作成した県の「地震の手引き」にも、伊豆三紀層ということで地震危険地帯指定さえしておりません。  通産省地質研究所によりますと、地震に強い三紀層とはいえ、南伊豆のような急峻な地帯では、  一たんマグニチュード程度規模地震発生すれば当然大きな山くずれが発生すると考えなければならないと説明しており、今度の地震が不幸にして、それを裏づける結果となってしまったことであります。  いずれにいたしましても、地震が起こり、被害発生するたびに、どうして惨禍を防ぐ手だてがとれないのかといったもどかしさといら立ちを覚えるのであります。地震対策につきましては、まず第一に予知、第二に、起きた場合に備える防災、そして第三は、制御の三つの手段であろうと思います。第三の対策である地震制御ができたらどれほど安心した日常生活を送ることができるかと思います。しかし現段階ではそれも夢の分野にとどまっております。  そこで実際には、いかにして予知し、災害を最小限にとどめるかの二点にかかっており、予知のための科学的水準が飛躍的に向上するとともに、防災のため、行政当局の勇断をもった対策が何よりも急がれるのであります。  被害の態様がさまざまな地震に対し、万全な対策を講ずることは非常にむずかしいことと思いますが、震災によって被害実情発生後の関係方面連絡の方法、救助活動、住民の避難行動等を具体的にまとめ、あまりにも高価な代償ではありますが、新たに生きた対策を検討することを強く望んで報告を終わります。  最後に、今度の震災により、おなくなりになった方々の御冥福と、負傷されました方々の一日も早い回復を心からお祈り申し上げる次第でございます。     —————————————
  8. 秋山長造

    委員長秋山長造君) 次に、一九七四年伊豆半島沖地震等による被害対策に関する件を議題といたします。  本件に対し質疑のおありの方は順次御発言願います。  ちょっと速記とめてください。   〔速記中止
  9. 秋山長造

    委員長秋山長造君) 速記をつけてください。
  10. 松永忠二

    松永忠二君 私は地元の出身の議員でありますので、いろいろ質問をするだけではなくて、実際にいろいろとお世話を願って、実行してもらうというお願いもあり、まず被害状況はそこに報告がありましたので、いまの被害状況を見ると、今度の伊豆半島沖地震災害局地激甚指定になるというふうに私たち判断するのであります。特に決定的なのは公共土木施設でありますが、農地農業用施設及び林道等中小企業も、ここにある資料を見ますと、おそらく民宿を入れているんでしょうが、非常に大きな被害が出ているわけであります。こうなればいずれも局地激甚災害指定基準に当然当てはまると思うんでありますが、大臣はどういうふうにお聞きをされてるのでしょうか。
  11. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 端的にお答え申し上げますと、南伊豆町は局地激甚災害指定は行なわなければならないというふうに考えております。
  12. 松永忠二

    松永忠二君 そうすると、その一体決定というのはいつ出るんでありますか。
  13. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) この激甚災害指定にはたいへん時間がかかる、評価その他があるので時間がかかるので、普通で申しますと、来年の二月ごろになってしまうということなんです。しかし、それでは今度の災害が非常に巨額であるし、またこういう問題に対してぐずぐずしておっては何にもならぬというので、先般小渕長官以下関係各省方々現地に行っていただいたあとの協議の結果、九月末までには指定を可能にするという方向でいま努力をいたしておるわけでございます。何せ評価をするのにたいへんむずかしい規則がありまして、その評価が出ないとなかなか的確な補償の措置もとれないというようなことでございます。九月末までにはぜひひとつ南伊豆指定をしたいというふうに努力をいたしております。
  14. 松永忠二

    松永忠二君 それは大臣はこまかいことをお知りでないでしょうが、いまの局地激甚災害指定基準というものから、確実になるのは二月であると。ただ、九月とあなたおっしゃったのは、何か自治省が八月の末に年度税収推定標準額を出すそうであります。それが出ると、それをもとにして結局局地激甚災害指定に準ずるような形でそれをきめるということをやっているわけです。そういうふうにきめなきゃできない理由というのは、要するに激甚災害指定基準局地激甚災害指定基準が違っているからである。つまりお話はどうか知りませんけれども、たとえば激甚災害、本激甚のときには「事業費査定見込額が全国の都道府県及び市町村当該年度標準税収入総額のおおむね四%」という、「おおむね」ということばと、前には「査定見込額」というのが出ている。ところが局地激甚のほうへくると「査定事業費の額が」というふうに用語を使ってあるわけです。同時に「当該市町村当該年度標準税収入の一倍をこえる市町村」という、標準税収入というのは二月にいかなければ確定しないものだから、結果的にこの文章基準ではどうしても二月ということが本決定になるというふうにならざるを得ないわけです。それをただいわゆる行政上それじゃ困るというので便宜の措置としていま話のあった八月末の自治省推定標準税収額が出るので、それをもとにして一応これを認めるという形をとるわけです。そこでこの際、やはりこの局地激甚指定ことばを、これは中央防災会議決定するわけですから、これは文章を直せばいいわけなんです。つまりいまのように局地激甚状況ができたら、すぐそれを調べて査定見込みができればそれを指定をする。本激甚はそういうことをやっているわけです。たまたま局地激甚というのはえびの地震のあったときにできたんです。それが二月のころであって、もうすぐ年度末に入るのでこれでよかったわけだけれども、もう局地激甚が次々とそういうふうな状況になってきているのをこの際やはり直すべきだ。直して実態に即すように、あなたもおっしゃったとおり、いまもう局地激甚になると思われるのに見込み額が出てもそれを決定的なことはできない。たまたま南伊豆町の被害というのは、この標準税収入をこえる査定事業費であるとか、あるいは一千万以上のものが一つ以上あるとか、査定事業費総額が一億以上とかいうものと比べて、はなはだ被害が大きいからもうこれはわかるわけです。ところがその境のところになってくるとそれがわからないわけだ。二月までいかなければわかりませんということでは徹底したいわゆる復旧事業ができないわけです。したがってこの際局地激甚文章表現というかことばを直して、そうしてこの実情に即したようないわゆる災害対策が直ちに行なわれるようすべきだと私は思うんですが、大臣のひとつ見解を聞かしてください。
  15. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 松永委員の仰せられたとおりでございまして、われわれがこの九月中にはぜひと申し上げたのは、ただいま松永委員の申されたとおりのやり方で詰めてやってそうだということでございます。しかし、ただいまこの局地激甚災害に関する指定に関する問題を、たてまえから直していけという強い御要望もございますが、われわれといたしましてはともかく事務的にその改正をいたしますのに時間もかかりますが、事務的にもっと早くする。つまり、いまやっているような方式一つの基本的な方式にして行政をやっていくというようなことをもっと詰めてみたい。事務当局もそのつもりでいまやっておるわけでございますが、もちろん将来の局地激甚災害という問題が今度のような地震でまだまだ起こる可能性があるとするならば、もちろん基本的にいろいろと検討しなきゃならぬと思いますが、さしあたりはいまの事務的に繰り上げて前年度の実績というものを基準にして処理をして、災害を受けられた方々になるべく早く復旧の道を講じていくということは進めてまいりたいと考えております。
  16. 松永忠二

    松永忠二君 それは大臣、何というのですかね、フランクに聞いていただけば、要するに九月を待つ必要はないじゃないですか。いまもう現にこの月にこういう状況があって、もうほとんど確定的に出てくるんだから。本激甚の場合にはもうすぐそれを見込み額をとってこれはいついつ指定になりますということで、もうその指定をしてくれしてくれといってみな要請があるわけなんです。なぜ九月にならなきゃできないかというと、いま言うとおりこの基準ことばがそういうようになっているから、結局行政的にも早くやるにしても九月にならなきゃ、八月末に自治省がそれを出さなきゃできないという状況なんです。だから、早くてもそこしかできないような状況になっているのだから、もっと実情に即してそれを直ちに局地激甚が発動できるような状況にこの際直したらどうかと言っているわけです。しかも、局地激甚というのはあなたのおっしゃるようにたまたまできるのじゃないんで、このごろは集中豪雨やなんかで、むしろ広範囲の災害よりも局部的にひどい災害ができて、局地激甚指定を受けることが多いわけなんです。だから、この際何もこだわることはないのであって、本激甚では広範囲だから、市町村について適用する場合に局地激甚にするわけだから、局地激甚用語をそういうふうにすれば査定見込み額ができて、おおむね標準税収入推定できれば直ちにそれを実施できるのだから、そういうやり方をしたほうがいい。これは役人なら何だかんだかと言うだろうけれども、もう政治を——大臣になってみれば、こんなことはそういうものがあることがおかしいということであって、実際そういうふうにやるようにしていますというならば、そういうことが合法的にできるように、もっとすみやかにできるようにおやりになったらどうなのか。この際そういうことを実行することを強く要望するわけなんで、これについて大臣もただこの席で答弁をすればいいということじゃなくて、こういうことをひとつこの際やっていただきたいというふうに私たちは思うんですが、この南伊豆町についてはあなたも言ったし、九月末だという話、九月だというのです。もっと早くだってやってもらいたいわけなんです。そうすりゃ補助率かさ上げだってちゃんとわかってきているわけです。もう地元要望見たって一番先にこれが出ているんですよ。局地激甚指定をしてもらいたいと出ているわけです。だから、それがすぐできるように、実際そういうふうにやるように努力していると、行政的に努力しているなら、行政的にできるように基準を直す。基準防災会議で直せる、法律じゃないんだから。だから、そういうことをおやりになったらどうかと言っているんだが、再度ひとつお考えを聞きたい。
  17. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 中小企業関係につきましてはもっと早くできます。それからまた九月末と申し上げたのは、多少事務当局のことも考えまして申し上げたんですが、これは促進すればさらに前に繰り上げることは可能だと思います。いずれにいたしましても、この南伊豆町に対しての局地激甚災害指定ということは、できるだけ早くやるという方向で具体的な処理を進めてまいりたいと思います。  それから第二点は、いま委員からおっしゃいましたその変更をしろというお話でございますが、これはちょっと単純にここでけっこうでございますとも言いかねる点もあるんでございまして、よく御要望の趣旨を踏んまえまして、防災会議等においても検討いたしてみたいと思います。
  18. 松永忠二

    松永忠二君 事務的な面のほうへも私たちも働きかけをいたします。ぜひひとつ大臣もそういうことを理解していただいて御努力を願いたい。  それから、今度の災害一つの特徴は、非常に急傾斜地崩壊、この対策が非常にやはりこの際抜本的に充実していく必要があるんでないかということが強く言われているわけです。特に県のほうの要望書などでも、危険急傾斜地緊急崩壊対策事業というものを一体的に実施をするように、その措置を講じてもらいたいということに言われているわけです。実は急傾斜地対策事業というのが急傾斜地対策事業という土地を指定してやる金と、それから緊急に傾斜地崩壊したものに対策事業費をつけてやる金と、それから林野庁治山緊急対策費というのがあって、これとを合わせて結局やるわけです。どこの範囲をどの程度みて急傾斜でやって、どの程度治山でやっていこうかということにまあなってくるわけなんです。これは非常に強い、緊急にひとつこれを充実しなければできないというふうに考えているわけですけども、一体この今度の伊豆のこの災害についてどういうふうにしてこれについて対処をしていこうとしているのか。それからまた、これは建設省で……道路局長いないから、総理府のほうから答弁してください。今度災害道路が一番重点的にやられているわけです。中には主要地方道だけでなしに、町道あたりでも非常な被害をこうむっているわけなんだ。だから、交通確保という面から言ってもまず一番先に早くこの道路復旧しなきゃできない。同時にいま言っているとおり、急傾斜地崩壊について徹底した一体的な措置をしなきゃできないと思うのだが、こういう点について一体どういう対策を持っているのか。あわせてまた御承知のとおり伊豆というところはなかなか交通の便が悪いところで、一体これだけの大きな仕事をするのに適当な建設業者があるのかどうなのか。あるいは労働力が確保できるのかどうなのか。そうなってくると、町道あたりで非常にひどい崩壊をしたようなところについては、この際国なり県が工事のほうは請け負ってやってやるとかいうような措置をしていかないと、町の道だから町でおやりなさい、補助はしますよというような程度では、とてもじゃないができないような道路の決壊があるわけだけども、こういう対策については一体どういういま検討と方法を持ってやっていこうとしているのか、それをひとつお答えを願いたい。
  19. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 実は先般竹山知事がいらっしゃいまして、いろいろと事態、事情を御説明いただいたり、またそのときもいま委員のおっしゃいました急傾斜地についての何とかしなくちゃいかぬじゃないかという話をしたわけでございます。ところが、この急傾斜地指定するとやはり地元のほうから指定されては困るという声も出て、現在あそこら辺がたいへん民宿やなんかに使われておって、非常に危険なんだけれども、そこを指定して手をかけるということに住民がむしろ反対しちゃっている面もある。そういうことで非常に危険であるということがわかりながらもなかなか本格的な手が打てないわけだというようなことも承ったわけです。しかし、さればといって今度のような大規模な人身事故や家屋倒壊や道路崩壊ということがあれば、これはやはり多少地元方々がそうしたことに反対されても、やはり伊豆一帯の急傾斜地というものはもう目で見ればわかるわけでありますから、そうしたことに対しての取りきめ方をさらに地元方々、そしてまた町、県、つまり自治体の方々の御協力の中で、むしろわれわれはこうした危険な地域を放置しておくことも許されないわけでありますから、そうしたことがいろいろ手の打てるように自治体においても積極的にひとつ動いていただけないかということについてお話ししていたところでございます。いまこれを明確に急傾斜地指定いたしますということを申しましても、これは逆に住民の非常な反対を食う可能性もあると思います。それらの点につきましてよく当委員会におきましても皆さん方の御意見を承りたいし、また地方自治体においてもそうしたことをわれわれが考えていることをよく踏まえて、地方住民の災害に対する意識をもっと強烈に持っていただいて、協力してもらうような雰囲気がないと非常に困るというふうにも考えております。
  20. 松永忠二

    松永忠二君 全然答弁ができないんですよね。いま私聞いたのはそういうことはかりじゃないんでして、また、いまあなたのおっしゃった急傾斜地指定してそれに対策事業をつげていくというが、この金はいま使えないわけですよ、これは。ことしは八十六億あるといったって六百六十四カ所やることにきまっているわけなんです。この金は使えないんですよ。この金は使えないで、緊急傾斜地崩壊対策事業費というのは五億しかないんです。それから治山緊急対策費林野庁に三十五億あるわけなんですが、これから出していかなきゃいけないわけなんです。だからこれをどういうふうに出していくのかというようなことになるわけなんです。これはみんなほかの各省にまたがっているのでだめなんですよ、全然——みんな来ちゃいないんで、科学技術庁だけじゃないか。総理府で答弁できないことがたくさんあるわけなんですよ、総理府だけじゃ。——どうするんですかね、これは。  ちょっと速記をとめてください。
  21. 秋山長造

    委員長秋山長造君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止
  22. 秋山長造

    委員長秋山長造君) 速記をつけてください。  ただいま委員長、理事の間で種々協議の結果、あらかじめ委員長から強く要求しておいたにもかかわらず政府委員出席状況が非常に悪いため、これ以上審議を継続することは不適当と考えますので、本件に関する質疑は本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後二時五十七分散会