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1974-03-01 第72回国会 参議院 災害対策特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年三月一日(金曜日)    午後一時十二分開会     —————————————    委員の異動  二月十九日     辞任         補欠選任      星野  力君     塚田 大願君  二月二十七日     辞任         補欠選任     茜ケ久保重光君     松本 英一君  三月一日     辞任         補欠選任      松本 英一君    茜ケ久保重光君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         秋山 長造君     理 事                 川野辺 静君                 中村 英男君     委 員                 久保田藤麿君                 古賀雷四郎君                 柴立 芳文君                 濱田 幸雄君                茜ケ久保重光君                 沢田 政治君                 杉山善太郎君                 宮崎 正義君                 藤井 恒男君                 塚田 大願君    国務大臣        国 務 大 臣        (総理府総務長        官)       小坂徳三郎君    政府委員        農林大臣官房審        議官       松本 作衛君        水産庁長官    内村 良英君        通商産業大臣官        房会計課長    大永 勇作君        建設省河川局長  松村 賢吉君    事務局側        常任委員会専門        員        村田 育二君    説明員        経済企画庁総合        開発局山村豪雪        地帯振興課長   岩渕 道生君        科学技術庁研究        調整局総合研究        課長       石渡 鷹雄君        国税庁直税部所        得税課長     水口  昭君        文部省管理局教        育施設部技術参        事官       柏木健三郎君        文部省管理局教        育施設部指導課        長        大井 久弘君        厚生省公衆衛生        局地域保健課長  山本 宣正君        厚生省医務局総        務課長      金田 一郎君        農林省農林経済        局保険業務課長  山村弥五郎君        農林省畜産局牛        乳乳製品課長   佐野 宏哉君        林野庁経理課長  川合 英一君        運輸大臣官房参        事官       佐藤 久衛君        運輸省港湾局計        画課長      鮫島 泰佑君        建設大臣官房建        設機械課長    上東 公民君        建設省道路局企        画課長      浅井新一郎君        自治大臣官房参        事官       栗田 幸雄君        消防庁防災課長  藤江 弘一君        日本国有鉄道施        設局長      篠原 良男君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○災害対策樹立に関する調査  (昭和四十九年度防災関係予算に関する件)  (派遣委員報告に関する件)  (豪雪被害対策に関する件)     —————————————
  2. 秋山長造

    委員長秋山長造君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  昭和四十九年度における防災関係予算について政府当局からその概要説明を聴取いたします。小坂総理府総務長官
  3. 小坂徳三郎

    国務大臣小坂徳三郎君) 昭和四十九年度防災関係予算の御説明に入るに先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げます。  去る十一月、総理府総務長官を拝命いたしまして、災害対策の重責に携わることとなりました。今後委員長をはじめ委員皆さま方の格別なる御指導を仰ぎつつ、国民の生命、身体の安全を確保することを第一義の目的として、暴風、豪雨豪雪地震等各般災害に関する施策に積極的に取り組んでまいる所存であります。  何とぞよろしくお願いを申し上げます。  それでは、昭和四十九年度における防災関係予算概要について御説明申し上げます。  政府といたしましては、各種災害に対処するため、防災基本計画に基づき、防災に関する科学技術研究推進災害予防強化国土保全促進並びに災害応急対策及び災害復興迅速適切化の諸点に重点を置いて防災に関する施策推進することといたしておりますが、昭和四十九年度におきましては一この基本方針に基づき、お手元に配布しております資料にありますような予算措置を講ずることといたしております。  まず、科学技術研究につきましては、各省庁防災担当研究機関強化拡充をはかるとともに、風水害、震災、雪害火災危険物災害農林水産業災害等各般災害防止のための研究及び各種構造物危険物施設安全性等に関する研究推進することとし、総額百四十八億六千七百万円を計上しております。  次に、災害予防につきましては、各省庁防災に関する教育訓練につとめるものといたし、また、気象観測地震観測雪害予防通信運輸水防消防等についての施設及び設備整備充実をはかるとともに、さきに制定されました活動火山周辺地域における避難施設等整備等に関する法律に基づく避難施設等整備等実施することとし、また、防災のための集団移転促進事業防災拠点整備等災害予防事業推進することとしており、総額一千二百十億六千四百万円の予算を計上しております。  次に、国土保全につきましては、国土保全防災基本であることにかんがみまして、防災上緊急を要する地域災害防除重点を置き、治山治水海岸保全農地防災等各種事業実施するものといたしまして、これに要する予算総額四千九百三十四億六千五百万円を計上しております。  次に、災害応急対策といたしましては、災害が発生した場合において、迅速かつ適切な救助活動実施できるよう防災体制等を確立し、応急救助その他の災害実情に応じた応急対策を講じることといたし、総額六億七千七百万円を計上しております。  また、災害復旧事業につきましては、直轄事業については二カ年で復旧を完了させる方針に基づき、昭和四十八年発生災害復旧事業はこれを完了させることとし、補助事業については三カ年で復旧を完了させる方針に基づき、昭和四十七年発生災害復旧事業はこれを完了させるとともに、昭和四十八年発生災害復旧事業所要進捗をはかることとし、所要復旧費を計上しております。また、昭和四十九年に発生する災害復旧に関しましても、当初予算に一定の復旧費を計上し、復旧事業の迅速かつ効果的な施行をはかることといたしております。  このほか、災害融資及び地方債の起債許可等必要な金融措置を講じ、復旧資金等の調達の円滑化をはかることとしており、これらの災害復旧等には、二千八百九十九億六千八百万円を計上しております。  以上、総額九千二百億四千百万円の予算をもって昭和四十九年度の防災対策を講ずることといたしておりますが、これらのうち、おもな新規予算等特記すべき事項をあげますと、第一に、第三次地震予知計画の初年度として、地震予知に関する研究観測充実強化をはかること。  第二に、気象業務充実をはかるため、気象観測施設等整備強化をはかること。  第三に、大震火災発生時における災害防止軽減するため、耐震性貯水槽及び小型動力ポンプ整備強化等をはかること。  第四に、個人災害救済措置として、さきに制定されました災害弔慰金支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律に基づき、災害弔慰金支給及び災害援護資金貸し付けに対する補助等予算化したこと。  第五に、火山対策推進をはかるため、火山噴火予知に関する研究避難施設整備等推進すること等があげられます。  以上、昭和四十九年度における防災関係予算概要について御説明申し上げたところでありますが、これらのほかにも、防災拠点整備を除く市街地開発事業都市公園事業街路事業、住宅地区改良事業等間接的には防災に寄与するところが大であっても直接的には防災目的としていないためにその予算額を計上していないもの、あるいは特別研究促進調整費による防災科学技術研究等実行上の配分額が未定のため、その予算額を計上していないものがあることを特に付言いたします。  なお、公社、公庫等政府関係機関におきましても、お手元資料の末尾にありますように、それぞれ所要予算措置を講じているところでございます。  最後に、この際、今冬の北日本における豪雪による災害について御報告申し上げます。  今冬は、北陸地方中心に例年より早く大雪がありましたが、その後十二月末のいわゆるクリスマス寒波、一月末の寒波等により局地的、集中的に降雪が続き、北日本の各地に大雪をもたらしました。  その一般被害は、県の報告によりますと、現在のところ、死者三十二人、住宅全壊十六棟となっております。  また、施設等被害につきましては、果樹等農作物中心相当被害がある模様でありますが、これらの被害につきましては、現在鋭意調査中であります。  この災害に対して、秋田県をはじめ五県、百五十四市町村に豪雪災害対策本部を設置し、豪雪による災害予防災害応急対策及び復旧について必要な情報の収集、対策樹立並びに連絡調整に当たっております。  政府といたしましては、昨年末以来数回にわたり、関係省庁連絡会議を開催し、災害実情に応じ迅速、かつ、適切な措置を講じ得るよう連絡を密にし、対策に遺憾なきを期しているところであります。  中でも、豪雪地帯において民生の安定、正常な産業経済活動確保するために最も重要な道路鉄道等交通確保につきましては、関係機関に対し、機械、人員を総動員して除雪排雪につとめるよう指示するとともに、延べ約一万七千人の自衛隊を派遣して交通確保につとめた結果、現在では、主要な国道、県道については、一部なだれの危険のため交通どめの区間はあるものの、積雪による交通の不能はなく、また、鉄道の不通もなくなっております。  また、農林業関係につきましては、果樹等農作物中心相当被害が予想されますので、これに対する技術指導果樹共済共済金早期支払い等について適切な措置を講じ、自作農維持資金等農林漁業金融公庫災害関係資金の活用をはかるとともに、被害調査を急ぎ、調査の結果をまって、天災融資法等関係法令の発動についても検討をすることといたしております。  中小企業関係につきましても、被災中小企業者に対して、適切な融資が行われるよう政府関係金融機関指導しているところであります。  さらに、地方公共団体における除雪費大幅支出等の特別の財政需要につきましては、これに特別の配慮を加えて特別交付税を算定いたしており、近くこれを関係地方公共団体に交付することといたしております。  また、今後予想される融雪時における災害につきましても、各省間の連絡を密にし、災害を未然に防止すべく努力するとともに、万一災害が発生した場合は、被災者の救護、被災施設復旧財政金融上の措置等を迅速適切に行なう所存であります。  なお、以上の緊急対策のほか、今冬の豪雪の状況にかんがみ、豪雪地帯における恒久対策につきましてもその改善をはかるべく各方面から要望が出されておりますが、これらの点につきましては、今後、経済企画庁等関係省庁において鋭意検討を進めてまいる所存であります。
  4. 秋山長造

    委員長秋山長造君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止
  5. 秋山長造

    委員長秋山長造君) 速記を起こして。  続いて、関係省庁から補足説明を順次聴取いたします。石渡科学技術庁総合研究課長
  6. 石渡鷹雄

    説明員石渡鷹雄君) 科学技術庁関係防災関係予算について補足説明申し上げます。  科学技術庁関係予算科学技術研究及び災害予防の二本からなっております。  まず、科学技術研究でございますが、四十九年度予算は百四億八千九百万円を計上しております。この内容は、まず国立防災科学技術センターに関する予算、及び原子力関係の安全に関する科学技術研究予算の二本立てでございます。  まず、国立防災科学技術センター予算について御説明申し上げます。
  7. 秋山長造

    委員長秋山長造君) ちょっと途中です  が……。ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  8. 秋山長造

    委員長秋山長造君) 速記をつけて。
  9. 石渡鷹雄

    説明員石渡鷹雄君) それでは要点だけ御説明申し上げます。  防災科学技術センター予算につきましては、要点は、地震予知研究強化及び雪害対策技術研究強化の二点に置いております。  それから、原子力関係につきましては、この原子力関係施設の安全の問題が大きな問題になっておりますので、四十九年度におきましては九十六億円を計上いたしまして安全関係研究強化をはかるという方針にしております。  三番目に、特別研究促進調整費でございますが、四十九年度の配分につきましては未定でございます。ちなみに四十八年度につきましては、防災関係八件、二億三千五百万余円を支出しております。  災害予防につきましては、原子力関係といたしまして放射能調査等六億三千七百万円の支出の計上を予定しております。  以上でございます。
  10. 秋山長造

  11. 松本作衛

    政府委員松本作衛君) 四十九年度の農林省所管防災関係予算について補足説明を申し上げます。  四十九年度の農林省関係防災予算は、科学技術研究三億円、災害予防六億円、国土保全一千七十一億円、災害復旧等一千四百四十四億円を含めまして、総額で二千五百二十四億円となっております。  なお、このほか、農林漁業金融公庫災害関係資金といたしまして百七十七億円の貸し付け計画額を計上いたしております。  まず、その内容でございますが、科学技術研究といたしましては、国及び都道府県の試験研究機関において、農作物の冷害、干害等災害防止漁船事故防止治山技術確立等各種災害防止に関する研究等を進めることにいたしております。  次に、災害予防事業としましては、非常災害に備えまして食糧、農作物種子国有林材の備蓄を実施いたしますほか、防火線整備等森林火災防止に必要な施設整備漁船安全操業のための教育訓練等を行うことといたしております。  なお、四十八年に成立した活動火山法に基づきまして桜島地区において防災営農事業を引き続き実施することといたしました。  次に、国土保全関係といたしましては、まず治山事業におきましては予防治山復旧治山地すべり防止等事業を積極的に実施するとともに防災林の造成、保安林整備事業等充実をはかることといたしました。  農林省所管海岸保全事業といたしましては、農地海岸漁港海岸にかかる事業を引き続き行なうことといたしまして、また、農地防災事業といたしましては、防災ダム湛水防除ため池整備地すべり防止等事業実施することといたしております。  それから災害復旧事業でございますが、農地農業用施設、林道、治山施設海岸保全施設漁港施設等復旧事業につきまして、直轄事業については二カ年、補助事業については三カ年で完了するようそれぞれ事業進捗をはかることといたしております。  農林漁業関係災害補償制度につきましては、年々制度拡充改善をはかっておるところでございます。  まず、農業災害補償制度におきましては、四十九年度から畑作物及び園芸施設共済試験実施を行ない本格的な制度についての検討を進めることといたしております。  また、漁業災害補償制度につきましてもてん補内容改善赤潮特約創設等を新たに行なうことといたしました。  そのほか、森林国営保険漁船損害補償及び四十八年の十月から試験実施に入りました漁船積荷保険を引き続き実施いたしまして、不慮の事故による損失を補てんし農林漁業経営の安定をはかることといたしております。  最後に、被害農林漁業者等に対する融資措置でございますが、天災融資法に基づきまして引き続き農林漁業経営等に必要な資金の融通に関する利子補給措置等を行なうとともに、農林漁業金融公庫農地等災害復旧資金自作農維持資金について所要融資ワク確保しているところでございます。  以上、農林省関係防災予算補足の御説明を申し上げました。
  12. 秋山長造

  13. 大永勇作

    政府委員(大永勇作君) 通商産業省所管予算につきまして、お手元に配付してございます資料に基づきまして簡単に御説明さしていただきます。  三ページの科学技術研究関係でございますが、六億七千九百万円を計上しております。そのおもなものは、六行目にございます爆発防止等のための研究でございまして、内容といたしましては、火薬類取り締まりの基準をつくるための爆発実験高圧ガス爆発防止に関する研究等でございます。その予算といたしましては、総額四億六千百万円を計上しております。  次に、五ページの災害予防関係につきましては、予算融資額合わせて四十億六千二百万円を計上しております。目新しいものといたしましては、最後の行にございます可燃性天然ガス噴出防止対策事業費補助でございますが、このため三千七百万円を計上しております。また、その上の液化天然ガス用貯槽の一そうの保安確保をはかるため、液化天然ガス漏洩拡散実験調査費一千三百万円を計上いたしております。  次に、危険物災害対策としましては、五行目にございますが、高圧ガス輸送保安対策等を行なうこととしまして、合わせて三千二百万円を計上いたしております。また、八行目、石炭鉱山における重大災害防止するため、保安専用機器整備等補助金を交付することにしております。この関係予算につきましては、補助金二十五億三千八百万円、融資ワク十億八百万円を計上いたしております。  次に、七ページの国土保全関係につきましては、三十一億二百万円を計上しております。まず、地盤沈下防止のための工業用水道整備を引き続き促進することとし、国庫補助を行なうことにしております。このほか、地盤沈下対策事業としては、総額二十六億九千二百万円を計上しております。このほか、石炭鉱山ボタ山による災害防止するため国庫補助を行なうこととしております。  また、八ページでございますが、激甚災害などによりまして中小企業が被災した場合には、政府関係中小企業機関から通常よりも有利な貸し付け条件融資を行なう措置を講ずることとしております。なお、特に被害の著しい特別被害者に対する商工組合中央金庫の貸し付けにつきましては、利子補給を行なうこととし、経費といたしまして七百万を計上しております。  以上、簡単でございますが、御説明を申し上げました。
  14. 秋山長造

  15. 佐藤久衛

    説明員佐藤久衛君) 運輸省関係昭和四十九年度の防災関係予算につきまして、概要説明申し上げます。  資料につきまして御説明申し上げますと、まず第一ページでございますが、その中ごろにございますように、運輸省海上保安庁気象庁、三行政機関関係で三百七十二億二千五百万円の予算を計上してございます。  その次が三ページでございます。三ページにつきましては、科学技術研究の点でございますが、運輸省におきまして、港湾及び海岸における防災技術研究開発、それから大型専用船等安全対策に関する件、海上保安庁におきまして、地震予知に資するための海底地形地質構造測量等及び海底火山噴火予知に関するための観測技術研究実施することといたしております。また、気象庁におきましては、経常研究のほかに、国際地球大気開発計画に基づく総合研究静止気象衛星に搭載する機器研究地震予知に資するための海底地震常時観測システム研究及び国際地球内部ダイナミックス計画に基づく総合研究と、火山噴火予知に関する研究を行なうこととしております。  次が、五ページでございます。下のほうの欄でございますが、運輸省におきまして、鉄道施設防災防火対策調査をやります。それからそのほか空港におきます除雪機械化学消防車整備を行なうということといたしております。また、海上保安庁におきましては、巡視船、航空機、通信施設航路標識等海難救助のための施設整備流出油火災防止のための設備整備並びに海難救助体制強化をはかることといたしております。  気象庁におきましては、気象大学校における教育訓練のほか、気象観測施設地震検潮観測網と、火山観測施設等整備を行なうことといたしております。  そのほか、国土保全災害復旧等につきまして、所要措置を講じておる次第でございます。
  16. 秋山長造

  17. 松村賢吉

    政府委員松村賢吉君) 昭和四十九年度建設省所管防災関係予算概要について御説明申し上げます。  建設省所管にかかる昭和四十九年度防災関係予算は、お手元資料の一ページにございますように、総額で五千五百六十一億七百万であり、その内訳を項目別に見ますと、科学技術研究六億二千五百万円、災害予防関係八百二十一億八千百万円、国土保全関係三千六百八十八億四百万円、災害復旧等千四十四億九千七百万円となっております。  これら各項目についてさらに詳しくその内容を申し上げますと、まず科学技術研究では、資料の三ページから四ページにありますように、一、風水害に関する各種研究、二、地震予知に関する研究、三、耐震設計法等地震災害対策に関する研究、四、道路雪害に関する研究、五、建築物耐火設計等に関する研究、六、地盤沈下に関する研究実施することにしております。  次に、災害予防関係では、資料の六ページにありますように、一、防災に関する土地条件調査、二、津波高潮に対する沿岸海域基礎調査、三、水防施設建設機械等整備、四、がけ地近接危険住宅移転事業、五、防災拠点整備等、六、都市防災対策緊急事業計画作成指導、七、道路崩壊防止等事業、八、官庁施設防災点検実施、九、道路雪害防止、十、防災建築街区の整備、十一、特殊建築物等防災改修促進事業、十二、工業地帯市街地との間の緩衝緑地整備事業実施することにしております。  また、国土保全関係につきましては、資料の七ページにありますように、一、河川改修事業、二、ダム事業、三、砂防事業、四、急傾斜地崩壊対策事業、五、海岸保全事業、六、災害関連事業、七、特殊地下壕対策事業実施することにしております。  さらに、災害復旧等につきましては、資料の八ページにありますように、河川ダム海岸砂防設備及び道路等災害復旧事業実施することにしております。  建設省といたしましては、以上のような防災関係予算を組み、被災施設早期復旧及び災害予防になお一そうの努力を傾注する覚悟でおりますので、よろしくお願いいたします。
  18. 秋山長造

  19. 栗田幸雄

    説明員栗田幸雄君) 自治省関係防災関係予算について補足説明を申し上げます。  まず防災集団移転促進事業についてでございます。昭和四十七年七月の集中豪雨による災害を契機といたしまして、災害による住居の移転促進をはかるべきであるという機運が高まりまして、去る第七十回臨時国会におきまして、防災のための集団移転促進事業に係る国の財政上の特別措置等に関する法律議員立法により制定されたところでございます。この防災集団移転促進事業は、災害が発生した地域または発するおそれのある地域のうち、住民の居住に適当でないと認められる区域内にある住居の集団的移転を促進するために、市町村が行なう集団移転促進事業国庫補助対象事業といたしまして、国庫補助率四分の三といたしているわけでございます。昭和四十九年度の予算計上額は十五億九千四百万円でございまして、移転戸数は千五百戸を予定しているところでございます。  次に、地方団体の管理する公共施設にかかる災害復旧事業費の財源といたしまして、昭和四十九年度の地方債計画におきまして、災害復旧事業債三百八十二億円を計上いたしております。これは、すでに発生いたしました災害にかかる所要額及び四十九年度中における災害発生見込み分でございます。また、小災害債の元利補給金七億六千四百万円を計上しておりますが、これは激甚指定を受けました地域における公共施設等の小規模な災害につきまして発行を許可されました地方債昭和四十九年度分の元利償還金に対する補給金として交付するものでございます。  以上でございます。
  20. 秋山長造

  21. 藤江弘一

    説明員(藤江弘一君) 消防庁の防災関係予算案の概要について御説明申し上げます。  来年度におきましては、特に大震火災対策重点を置き、消火対策と避難の安全対策中心として、前年度対比で約六倍強の十億二千万円を計上いたしております。  その内容といたしましては、第一に大震火災時に予想される同時外発火災の延焼防止と住民の避難の安全をはかるため、飛行艇による空中消火の有効性について実験を行なうことといたしております。  第二に、大震火災発生時における被害防止、軽減のため、各種の施設設備整備することとしており、前年度に引き続いて耐震性貯水槽及び小型動力ポンプ整備を進めるほか、新たに空中からの被害状況の把握及び避難誘導を行なうためのテレビ電送システムの整備、夜間における消火救急活動及び避難の安全確保のための電源車の整備、住民の地震に対する知識の啓発のための地域防災センターの整備等推進することといたしております。  第三に、大震火災とその対応策についての知識等、国民の防災知識の啓発をはかるため、テレビ、ラジオによる放送、映画の作成等も行なうことといたしております。  次に、石油コンビナート地帯の防災対策といたしましては、前年度に引き続いて、巨大石油タンク群の火災対策研究を行ないますとともに、化学消防車、あわ消火剤貯蔵施設等防災資機材施設整備いたしますほか、新規に、コンビナート地帯における災害危険度の評価、防災対策強化をはかるため、総合的な防災診断を行なうことといたしております。  また、活動火山対策推進をはかるためには、避難施設整備を行なうこととし、所要の経費を計上いたしております。  さらに、林野火災対策につきましては、四十九年度からヘリコプターによる空中消火が実施されることに伴い必要となる資機材の整備促進することとし、都道府県に対する補助金措置するほか、従来の林野火災特別対策事業についても一そうの充実をはかることとしております。  また、消防施設等整備につきましては、補助単価の大幅な引き上げ、人口急増市町村に対する補助率の引き上げ等をはかることとし、前年度と比較いたしまして七億九千万円増の四十一億五千万円余を計上いたしております。  なお、以上のほか、都道府県と市町村とを結ぶ消防防災無線通信施設整備をはかる経費として、前年度対比二億円強増額をはかることとし、また各種火災に関する一般的な研究を行なう経費として五千五百万円、消防大学校における消防職団員等の教育訓練に要する経費として、二千五百万円、をそれぞれ計上する等、防災対策の全般的な充実強化をはかっております。  以上でございます。
  22. 秋山長造

    委員長秋山長造君) 以上で説明聴取を終わります。  なお、本件に関する質疑は、後日に譲ります。     —————————————
  23. 秋山長造

    委員長秋山長造君) 次に、派遣委員報告に関する件についておはかりいたします。  先般当委員会は、豪雪地帯における雪害実情調査のため、第一班として山形県及び秋田県に、第二班として新潟県及び福島県へそれぞれ議員派遣を行ないました。  これら派遣委員の口頭報告は、時間の都合により省略することとし、報告書は本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 秋山長造

    委員長秋山長造君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     —————————————
  25. 秋山長造

    委員長秋山長造君) 次に、豪雪災害対策に関する件を議題といたします。本件に対し、質疑のおありの方は順次御発言願います。
  26. 川野辺静

    ○川野辺静君 私は第一班に加えさしていただきまして、山形、秋田に参りました。それぞれの委員の皆さまから、それぞれのお立場で御質問があると思いますので、私はもっぱら保健、医療について二、三御質問をきしていただきたいと思います。  まあ、医療は受ける者とそしてそれを供給する者と、それらを結びつけます媒体者の関係からなっているものでございまして、これら三者の関係は現実にはその地域の条件によりまして大きくいろいろに変わっていくものでございます。私がたずねました山形、秋田地方におきましては、近年まれに見る豪雪でございましたのにもかかわらず、たいへんに医療問題、また人命その他につきましてそういった災害がわりあい訴えられておりませんでしたことは、不幸中の幸いと思ったのでございますけれども、まあこういった際に、こういうことにつきましてもいろいろ考えておかなければならないんじゃないかと思うわけでございます。  つきましては、まずその医療を供給する側の問題点といたしまして、こういった豪雪地帯における医療の確保についてどんなふうに考えておられるか。  またその第二点は、こういう豪雪などがございます場合には、何としてもその行動力が非常に鈍りますけれども、そういった際の雪上車とかあるいは患者の輸送車とか、あるいはスノーボート等々につきまして、どんなふうに対策しておられるか。  また第三点は、こういう地方は医療の技術者の確保ということがたいへんにむずかしいわけでございます、人件費等もかかりますし。しかし、といってそれを放置するわけにはいきませんが、そういうことに対してどんなふうに考えておられるか。また財政的な援助でございますが、これはあらゆる方面に考えなければならないんですが、特に老朽の病院とか保健所とか、あるいは福祉施設等々、そういうものに対してどんなふうに考えておられるか等につきまして、まず、伺いたいと思うわけでございます。
  27. 金田一郎

    説明員(金田一郎君) 豪雪地帯を含みます僻地医療対策といたしましては、昭和三十一年以来、三次にわたりまして計画を策定いたしております。その内容といたしましては、僻地診療所の建設、患者輸送車、輸送艇、あるいは雪上車の整備、それから巡回診療車、巡回診療船あるいは巡回用雪上車の整備、国立病院の医師の派遣、親元病院に対する医師派遣の協力助成等の施策推進してまいったところでございます。特に、昭和三十九年度からは、巡回診療用雪上車の整備をいたしました。また、四十五年度からは、豪雪地帯の僻地診療所に対する医師往診用小型雪上車の整備をいたしました。また四十七年度からは、患者輸送用雪上車の整備及び巡回診療用雪上車の運営費の助成を行なってまいったところでございます。今後はこれらの施策を一そう推進いたしますとともに、地域の医療機関、保健所、市町村等の連携体制の確立、また四十九年度から新たに、僻地勤務医師等確保修学資金貸与制度を予定いたしておりますが、これによります医師等の確保施策等を強力に推進してまいりたいと考えております。  ただいま先生おっしゃいました行動力の問題につきましては、これは雪上車等の補助によっているわけでございます。また、老朽の医療施設につきましては、診療所に対する建設費の補助を行なっているところでございます。
  28. 川野辺静

    ○川野辺静君 大体わかりましたけれども、それは実際、こちらでそういうふうに考えておりましても、受けます地方自治体のほうではなかなか困難を覚えているようでございますので、これは実際、積極的におやりいただかなくちゃならないと思います。  続きまして、医療媒体者側の問題でございますけれども、患者と医者を地域社会で結びますその働きは、何としても政府とか地方自治体の責任であると思います。したがいまして、地域医療の体制の確立というものは、やはり、人間の生存の一番根本の問題でございますので、非常にこれは重大な使命があると思います。つきましては、地域の医療の質の向上でございますね、これに対する公共的の投資につきましてどんなふうに考えていらっしゃいますでしょうか。いまもまた、僻地の医療につきましては最近総理もテレビなどでもおっしゃっていらしたようでございますが、この僻地の医療問題についても、現在、どんなことをいま考えていられるか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  29. 金田一郎

    説明員(金田一郎君) 地域医療の医療体制の向上と言われたわけでございますが、私どもただいま各都道府県を行政指導いたしまして、各県におきまして、これは僻地だけではございませんが、僻地をも含めましたガン対策あるいは救急医療対策、休日急患対策等包括いたしました地域医療計画を作成するよう指導をいたしております。僻地医療につきましても、この一環として、今後強力に指導し、また助成等を行なってまいりたいと考えております。
  30. 川野辺静

    ○川野辺静君 ぜひ、よろしくお願いいたします。  それから最後に、これは保健婦の問題でございますけれども、今回わりあい、これだけひどい災害を受けながら、非常に、人命に害がなかったことは、幸いだと思うんです。  私の伺いました山形、秋田の問題ですけれども、しかしある町、これは山形の西川町でございましたが、そこは大体人口が一万四百人ぐらいのところで、出かせぎが五百人の余ございます。したがって、保健婦が現在二名でございます、この地方は。しかし、こういった豪雪災害の起きたときには何としても第一線でこれにすぐ当たらなければならない、まあ保健管理などに当たるのはこれは保健婦の立場でございますが、非常に数が少なくて困る。しかし、自分たちの地方としては、規則としては二人なんだけれども、事実町の財政で六人を用意してあって、それがフルに活躍しているという話でございましたけれども、こういった僻地とかあるいは災害地にすぐそういう場合に必要なその措置でございますね、こういった保健婦の対策についてお考えいただかなければならないんですけれども、それはいかがでございましょうか。
  31. 山本宣正

    説明員(山本宣正君) 私のほうでは保健所の問題を所管しておりまして、豪雪地方を含みます過疎地域におきましての地域の保健指導ということにつきまして、昭和四十六年から年次計画をもちまして全国の過疎地域を所管しております九十三の保健所に対しまして年次的に保健婦の重点的な配置をしております。現在、四十八年までに百三十六名を配置いたしました。昭和四十九年につきましても、さらに配置を計画しておりまして、四十九年度におきましては、国の補助金といたしまして一億二千五百万を計上しております。これは、保健所における保健婦の、豪雪地を含む過疎地におきます保健婦の人件費及びその訪問指導という仕事の活動旅費、こういったものを含んだものでございます。  なお、先生御承知のように国民健康保険の関係で各市町村にも保健婦を持つように指導しておるわけでございまして、私どもの保健所の保健婦、あわせて国民健康保険の保健婦と協力いたしまして、豪雪地域におきましてもその地域の保健指導の遺憾がないような指導をしておるわけでございます。
  32. 川野辺静

    ○川野辺静君 ありがとうございました。  まあとにかく災害とかこういう特別の事態が起きましたときには、一応規則は規則ですけれども適当にそれはひとつ心を配ってやっていただきたいということを痛切に今度感じました。  それにあわせまして、まだ無医地区がずいぶんたくさんございますので、ぜひともこういう際に、無医地区というのは即僻村、僻地になるわけでございますし、そういうところにもし災害が起きた場合にはたいへんなことになると思いますので、この全体からいきましても無医地区対策につきましてまた積極的の方策をおとりいただきたいことをお願い申し上げまして終わらしていただきます。ありがとうございました。
  33. 沢田政治

    ○沢田政治君 一体この雪というのは災害であるかどうか、これは非常に問題だと思いますが、一般的に雪の降らない地方の方々、そこで生活をした経験のない方々は、非常にロマンチックにとられがちであります。まあ雪は白いからのせいかもわかりませんが、まあ雪見で一ぱいとか非常にロマンチックにとる。川端康成の、トンネルを出たら雪国であった——とかね。ところが、そこに現存して生活をしている人方には、これは大きな災害なわけです。ところが、行政の取り組む姿勢というものも、これは災害とはあまりとっておらぬですね。  ちなみに、先ほど御説明のあった「昭和四十九年度における防災関係予算概要」、これを見たら一目りょう然だと思います。何百項目ある中にわずかに雪に関連するものは建設省道路除雪、それから国鉄の除雪機械とか、こういう項目しか載っておらぬわけであります。一般の民生に対する配慮、こういうものは全然考慮されておらぬ。これから私は推測してみますとい雪というものはこれは災害じゃない、これは天然に耐えなくちゃならないものである。こういう行政の姿勢が私はうかがわれて非常に残念だと思っております。先ほど同僚議員の川野辺さんもお話しになられましたが、幸い死者があまり問題にならなかったということでありますが、中央防災会議の事務局の調査によりましても、二月十三日現在で青森は六名、秋田九名、山形四名、新潟六名、福島一名計二十六名の方々がなくなっておるわけであります。これはたいへんだと思うわけであります。まあ多く死亡したからたいへんだというわけじゃありません、人間の重さは地球よりも重いといわれておりますから。こういう事実を見てもこれは災害なんです、明らかに。   〔委員長退席、理事中村英男君着席〕  そこで、私は経済企画庁にお伺いしたいわけでありますが、特別豪雪地帯措置法律の主管が経済企画庁であるようでありますが、一体この特別豪雪地帯の指定基準、これが現状に合っておるものかどうか、私は非常に疑わしいと思うわけであります。過去の累積積雪量をとっておるわけでありますが、雪は過去の忍耐度じゃない。今日の雪に対する戦いをどうするか、そうしてその生活をどういうように打開してやるか、これが雪対策の私は目的でなければならぬと思うわけであります。現に秋田県は、去年鹿角市の八幡平と矢島という町が指定になって、十七市町村が指定になっておるわけでありますが、   〔理事中村英男君退席、委員長着席〕 ところが、今年の雪の状態を見ますと、指定になっておるところよりも指定になっておらぬところが豪雪なわけですよ。でありますから、過去がこうであったから今日どんな雪が降ろうがそれはもう豪雪地帯じゃないということは、まことにこれはお役所らしい発想でけっこうかもわかりませんが、地域住民にとっては、これはたいへんな矛盾を感ぜざるを得ないと思うわけでございます。でありますから、この豪雪地帯、特別豪雪地帯の基準というものを現状に合うようにやはり手直しする、こういう考えがあるのかどうかですね。なければ、どういう根拠でないのか、この点をお聞かせ願いたいと思います。
  34. 岩渕道生

    説明員(岩渕道生君) 特別豪雪地帯の指定につきましては、豪雪地帯対策特別措置法によりまして指定をしておるわけでございますが、この法律は、積雪が特にはなはだしくて産業の発展が停滞的でありますとか、あるいは住民の生活の向上を阻害されているというような地域につきまして、雪害の防除そのほか産業等の基礎条件の改善に関する総合的な対策樹立しまして、そして地域産業の振興と民生の安定向上に資するということが目的でございます。したがいまして、簡単に申しますと、雪害の恒常的対策というものと、地域振興という二つの観点があるわけでございます。したがいまして、この法律は長期的視点からいたしました雪国に対する対策である、こういうふうに考えております。このような考え方から申しますと、基準もかなり長期な立場から定めておるということに相なっております。  そこで指定の要件といたしましては、簡単に概略申し上げますと、豪雪地帯として指定された都道府県の一部であるということと、それから積雪の度が特に高く、かつ積雪により長期間自動車の交通が途絶するなど住民の生活に著しい支障を生ずることということが、その三つが要件であります。この三つは同時に満たす必要がございますが、この趣旨といたしましては、積雪が高いだけではなくて、その結果生活に非常に支障があるということでございます。そこで、従来、特別豪雪地帯の指定に関しまして指摘されました問題点ということは、指定基準の内容そのものよりも、むしろ既指定地域と未指定地域との間の公平性の確保に疑問があるということでございました。したがいまして、私どもといたしましては、既指定市町村と同様の積雪の状況にある町村については、現行の基準を満たしているというふうに考えまして、指定できますよう指定基準を一部変更いたしまして、二十六市町村を四十八年の四月に指定したわけでございます。  いま申しましたように、指定基準の中には交通の途絶など流動的な要件もございますので、私どもは今後一そう関係資料整備いたしまして実態をフォローしてまいりたいというふうに、いまのところ考えているわけでございます。
  35. 沢田政治

    ○沢田政治君 この要件としては、積雪量ですね、過去にさかのぼった。それから生活に及ぼす条件ですね、この二つの要素に分かれておるわけですね。しかもこれが、昭和二十五年から四十四年まで二十年間の累年の平均積雪量が一万五千センチ以上、それとか、さらにはまた昭和八年から昭和三十七年まで三十年間の累年平均積雪が一万五千センチ以上ですね、こういうことになって、生活支障要件としては自動車の不能日数が何十日とか——三十日ですか、まあたくさんあるわけですが、昭和二十五年から四十四年まで、あるいは昭和八年から三十七年まで、この基準のとり方ですね、実際どの地点をはかったのかということは、非常に今日でも疑問視されておるわけであります。ある場合は、学校ではかったものを聞いたとか聞かぬとか、非常に科学的ではない面も一部にはあるやに私は理解しております。そういうことから考えて、たとえば同じ秋田県の仙北郡の仙北平野と称されておるわけですが、西木村が該当になる、同じ条件にある角館町が該当にならぬ、こういうことは、住民のだれが見ても納得いかぬわけであります、積雪の問題からいっても、生活に対する支障条件からいっても。でありますから、私もここでこれをどうこうせよということを回答を求めているわけじゃありませんが、いずれにしても、現実問題として非常に不条理だ、常識では判断できぬと、こういう生活実感が、県当局やあるいは該当町村から出ておることはこれは事実であります。でありますから、この点を踏まえて、抜本的に実情に合うように考うべきじゃないかと思っております。私は、いま地球上の気象条件は非常に変化しておると言われております。はたして変化するのかどうかは、これはだれも予測できません。こう言われている今日でありますから、単に過去の累積したものがこうであったからこれでいくのだということになりますと、たとえば気象条件がほんとうに一部の学者が言われておるように変化しておるのであるならば、二十年待たなければこの条件に満たぬ、三十年たたなければ特別豪雪地帯になれないということであります。その間はこれはもうずっと忍耐の子ということ、こういうばかなことはないと思うのであります。理屈としては通っても、私は現実の政治としてはそういうばかなことはいかぬと思うのであります。でありますから、私はここで即答を求めませんが、そういうような事情を踏まえて、現実を踏まえて、やはり早急にこれを再検討する意思があるのかどうか、この点をお伺いしたいわけです。
  36. 岩渕道生

    説明員(岩渕道生君) 先ほども申し上げましたように、この法律が恒久的対策地域振興を目的としておりますために、やはり長期的観点から基準が定められてしかるべきかと、こういうふうに思っておりますが、まず第一は、先生御指摘のとおり、実態を十分把握するということであろうかと思います。したがいまして、先ほど申しましたように、資料整備につとめまして実態をフォローしてまいりたい、こういうふうに思っておりますが、御承知のとおり、法律を改正いたしまして特豪制度を設けました際には、いろいろと基準につきまして御議論があったわけでございます。したがいまして、その御議論、御意見を十分配慮しながら、今後関係各方面と意見の交換をしてまいりたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
  37. 沢田政治

    ○沢田政治君 この問題ではそれ以上は、後日に譲りたいと思いますが、ともかく雪というものは毎年降るんだから、その地方に生まれて不幸だけれどもがまんしてもらわなくちゃならぬ、こういうことじゃ私は政治じゃないと思います。やはり恵まれておるところまではいかぬけれども、そういうように非常に忍耐とか、経済的にも、肉体的にもいろいろな意味で劣悪な土地におる者に対しては、少なくともそれを最低限緩和してやるというところに私は政治のねらいがあると思います。そういう意味からいって、行政の姿勢は、どうもがまんすべきだというようなことに、具体的な政策を見てもとられがちなわけであります。これはとらざるを得ないわけであります。そういうことで、今日雪が降ったらどうするかという対策しか何もないんであります。降ってからの措置しかないわけであります。もし降るならば、その事前に備えをしておこうという一歩踏み込んだ行政というものは、今日までなかったと思います。これは私は過去は決して責めません。したがって、おそくてもいいんだから、やはりひとつこれは新潟県でもけっこう、山形県でもけっこう、秋田県でもけっこう、少なくとも豪雪地帯と目される自治体に、県に少なくとも、こうして雪というものは克服していくんだと、こういうことに私は着手すべきだと思います。言わんとするところは、これはどういう名称になるかわかりませんが、防雪モデル都市といいますか、そういう研究なり、準備なりを実際に開拓していく必要があるんじゃないか、私はこういうように考えています。  しかし、これは初めから人口が三十万以上とか、二十万以上とかという大都市では、これは経済的な問題もあります。しかも、これはまだ初めての試みなので、人口四、五万の都市において、こうして雪からくるところの災害というものを除去をしていく。融雪溝をつくるとか、消雪パイプを設けるとか、家屋構造もこうすべきだとか、やはりそういうことをひとつ一歩行政の面から踏み込んでやってもらいたい、こういうように考えるわけであります。  秋田県の県当局でも、また市当局でも、秋田県の横手市をそういうモデル都市に選びたい、こういう積極的な前向きな打開策を検討されておるやに私は聞いております。でありますから、経済企画庁としては、そういう企画を推進して実施していくと、こういうような決意があるのかどうか。私は経済企画庁を決して非難するわけじゃありませんが、まあ、大体何もやってない官庁のように一般国民からとられるわけであります。これは企画でありますから、最初の試みでありますから、多少の試行錯誤は行政上あってもしょうがないとしても、やはり現実に雪は災害であるという前提に立つならば、その災害というものは甘受しなくちゃならぬという行政の態度ではなく、これを打開、緩和しなくちゃならぬという一歩踏み込んだ行政の姿勢というものは、当然私は必要だと思います。そういうことでありますから、どうですか、これをもう来年度あたりから、そろそろ出発してみたらどうですか。そういう決意がありますか。必要性を感じませんか。
  38. 岩渕道生

    説明員(岩渕道生君) 先生が御意見のとおり、非常にはなはだしい積雪というのは、その地域におきます産業発展の停滞をもたらしますし、また住民の生活水準の向上の阻害要因となっておりまして、長い間にわたる深い雪というのは、そういう意味で私どもはまさに雪害であるというふうに考えておるわけであります。そのような認識に立ちまして、法律の運営にもあたっておりますし、長期的観点からいたします雪害の防除対策をやっておるわけでございます。  三十八年豪雪を契機といたしまして、雪の対策が十分とも言えないまでも、かなり進んだことは事実でございまして、ようやく世間の方々の認識もそれにあたたかい目を向けていただき始めたということで、私ども非常にうれしく思っているわけであります。  そこで、先ほどのモデル事業でございますが、私どもも従来からそういうことについてはよく勉強しておかなければならないというふうに感じておりまして、たまたま三年前から防雪都市モデルに関するいろいろな研究をやっております。これは私どものほうの後進地域開発計画調査費というのがございまして、その予算でもちまして、建設省に移管がえをしていろいろと委託をやりまして研究をしております。それで、一応四十八年度でもちまして、約千九百万程度の予算研究したのでありますが、報告書はでき上がっております。現在建設省のほうでいろいろとその後の御研究など進んでいるかと思いますので、建設省ともいろいろと相談をしながらどのように取り扱うべきか検討をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
  39. 沢田政治

    ○沢田政治君 まあ、経済企画庁は実施官庁じゃありませんから、自分で何でもやれったって、これはできっこないと思います。これは関係省庁と相談してどういう方法でやるのかですね。やはり四十九年度の予算でこれは間に合いませんから、少なくとも五十年度の予算年度からやっぱり実施に移るような準備をすることを私は強く希望しておきます。  ともかく雪の生活は、私は誇張するわけじゃないが——よく建設省道路の危険個所に「落石頭上注意」なんてある。人間の頭のてっぺんに目玉がないのに「頭上注意」なんてあるわけでありますが、道路を歩いても電線に注意ですよ。電線が歩く下にあるわけですからね。こういうように雪の生活というものはこれはたいへんだと思います。これはもう災害以外の何ものでもないのです。ロマンチックじゃないのです、これは。  そういうことで、自治省にお伺いしますが、二、三日前に特別交付税が発表になって、積雪地帯にはそれぞれ前年度比のある程度のアップがあったことは、これは当然だし、私どもも好意をもってこれを迎えたいと思っております。どだい雪がなければこんなのは要らぬわけであります。  それで、私は、雪が降っておるからもうかるのもいかぬのであります、雪の対策のために。また損するのもいかぬと思います。やはり行政の平等化という観点から、この原則というものは私はいずれに片寄ってもいかぬと思います。  そこで、はたして一般交付税、特別交付税でこの除雪の費用というものは一〇〇%これで雪の降らぬところと同じように処理できるのかどうか。雪が降るために一般の予算に食い込んで民生のほうの予算に食い込む、こういうことははたしてないのかどうかですね。努力はわかるが、私は非常に疑問だと思っております。どうですか、この点は。
  40. 栗田幸雄

    説明員栗田幸雄君) 四十八年度の特別交付税におきまして、お手元資料が配付されていると思いますが、総額六十四億円を豪雪対策費として特別交付税措置をすることにしたわけでございます。普通交付税で四十八年度百九十九億措置がされておりますので、合計いたしますと二百六十三億除雪のために必要な経費として四十八年度措置されたということになるわけでございます。  で、いま御指摘のありました、こういった措置によって豪雪地帯除雪費がまかなえたかどうかという問題でございますが、今後三月にどの程度支出があるかといったようなこととも関連いたしますが、私たちといたしましては、こういった特別交付税と普通交付税の措置によりまして、市町村から苦情の出ることのないような措置を講じたと、このように考えているところでございます。
  41. 沢田政治

    ○沢田政治君 まあ、特別交付税をもらう立場の自治体としては、些少の不満があっても不満だとは言えないと思います、前年度から少なくともアップされると。私はやはり相当の持ち込みがあると思います。たとえて言うならば、現実に業者に頼んだりなんかして除雪したものについては、これははっきりした積算が出てくるわけでありますが、その間にあまた無数の町村民を動員して無料で働いてもらったことを含めたならば、これはたいへんです。個人の負担もたいへんです。もう一家で十万円の除雪費がかかったというのはざらですよ。でありますから、雪の降らぬところと雪の降っているところの行政水準が違うというのは、単に官庁の報告だけで計算しちゃいかぬと思います、それが一般交付税になると思いますが。したがって、ことしの雪はこれでケリがついたということじゃなく、来年度の交付金においても、そういう町村の微に入り細に入った実情を聞いて考慮すべきだと思いますが、いかがですか。
  42. 栗田幸雄

    説明員栗田幸雄君) 普通交付税におきましては過去二十年の平均的な積雪の度合い等を勘案いたしまして措置をしているわけでございまして、やはりその年々によりまして、豪雪の年もありますし、そうでない年もあるということでございますので、現在の法制度をたてまえといたします場合には、やはり特別交付税でできるだけ措置をしていくということで進んでいきたい、このように考えております。
  43. 沢田政治

    ○沢田政治君 私どもが調査に参って、一体除雪費が幾らで一般の年度の町村の予算がどれだけで、どれだけかかっているのかと、こういういまをして思えば愚問であったと思いますが、これは雄勝町の町長さんであったと思いますが、そんなことは考えていないと言うんです。町の予算がどうであろうがこうであろうが雪に一週間も埋もれてみんなもうぼう然自失としておる、予算がどっちであろうがこっちであろうがとにかく雪と戦いをいどまなくちゃならぬという心境がわれわれの心境だと、こう言われて、私どもはっと驚いたわけです。でありますから、特別交付税で一切がケリがついた、こういうような役所的な答弁ではなく、やはり来年度の交付税についても積み残された諸問題について十分配慮をすべきだと思います。と同時に、また、県あるいは市町村が市町村税、県民税の減税あるいは延納、徴収猶予、こういう措置を秋田県においてはかなりとっております。そのことがとりもなおさず、町村、県財政の財源のこれは欠落になってくるわけであります。でありますから、こういうものは来年度のやはり交付税の際に十分考慮を払わなければ、先ほど言いました雪が降るために行政水準が下がるということにこれは必然的になるわけでありますから、行政の本質からいってもおかしいわけでありますから、そういう点は当然考慮すべきだと思いますが、いかがですか。
  44. 栗田幸雄

    説明員栗田幸雄君) 除雪費以外に、いま御指摘のありました税金の減免によります減収、これにつきましては現在一定の方式で特別交付税措置をいたしておりますが、今後もこういったものにつきましてはできるだけ措置をするという方向で進んでまいりたい、このように考えております。
  45. 沢田政治

    ○沢田政治君 次に大蔵省にお伺いしますが、所得税その他の税金があるわけでありますが、生活には税金をかけない、これは税の鉄則であります。ところが、現実に積雪寒冷地帯なるがゆえに相当の経費がかかることは、これは事実であります。たとえば今年は多いところは五回も屋根から雪おろししたといわれております。雪おろさなくても死なぬじゃないかといっておりますが、これは体育館の、学校の問題であとで議論しますが、うちが倒壊したと、こういうところも出てくるわけであります。これは生活じゃない、生活よりもっとレベルの下の生存のために、身の危険のために雪おろしをしなくちゃならぬ。一日人夫を頼むと三千五百円、まあ非常に人手の足りないときには四千円、そして飲ませ食わせなくちゃならぬ。これはまあ農家も非常に労働力が減少いたしまして、これは何も積雪時に限らぬ、そういうことになるわけでありますが、そういうものはこれは明らかに生活費以下の生存費なわけですね。しかも雪おろししたってかまわぬでおけない。鳥海村だったと思いますが、人手が足りないんで、自分で雪おろしてかまわぬでおいているうちに、火事になって出る場所がなくて、うちの中で焼け死んだなんていう悲劇が今度ありました。それもまた取り片づけなくちゃならぬということになると、人と家屋の規模、大きさによって違うわけでありますが、多い人は十万円、それ以上の人もあるようであります。そういうものは当然私は税の控除の対象にすべきだと思います。しかもこれは東京等では厚ぼったいオーバーなんか必要ないでしょう。下着を五枚も着なくちゃならぬということもない。私は食生活の面まで言いません。寒いからカロリーがどうとかこうとかってけちなことは言いませんが、暖房費にしても暖国——東京等からみたら三倍も四倍もこれはかかる。当然税の公平という面からいくと、クロヨンとか何かむずかしい議論もあるようでありますが、明らかにそれは生活費だということはこれははっきりしているわけです。ある場合は生存費だということははっきりしているわけであります。豪雪地帯審議会の答申もこれはあったわけでありますから、やはりこの点は階層の問題じゃない、地域の問題です、これは。ですから、早急にこれは考えなければならぬ問題だと思いますが、いかがですか。
  46. 水口昭

    説明員(水口昭君) ただいまの先生のお話は、雪の深いところは生計費についていろいろよけいな金がかかるから、所得税法の中にいろんな諸控除と並んで何らかの特別控除を設けるべきではないかと、こういうお話だと思います。それでこれは立法の問題でございますから、本来主税局がお答えすべきかもしれませんが、私どもも深い関係がございますので、考えを申し上げますが、確かに雪国のほうで雪の降らないところとは違ったいろんな金が生計費の上でかかるということはよくわかります。ところが、現在所得税法の中でいろんな控除がございますけれども、たとえば寡婦控除であるとかあるいは障害者控除であるとか、勤労学生控除であるとか、そういったいわば人的な区別に基づく控除はございますけれども、地域の差によっていろいろ特別の控除を設けているという例はないわけでございます。なぜかと申しますと、確かに雪の降るところはよけいな金がかかるわけでございますが、たとえば東京とか大阪のような大都会でございますと、生計費が非常にたくさんかかるとか、あるいは鹿児島とか宮崎でございますと、台風がよく来るとかあるいは地域によっては地震が多いとか、いろんなあれがございまして、それを全部取り入れますといろいろ支障があるというふうなことがございまして、御主張はよくわかるわけでございますが、なかなかこれを法制化することがむずかしいというふうな経緯がございます。そこで税制調査会あたりでも、そういったものをすべて制度として取り入れることはむずかしいので、やはりある程度基礎控除を上げるとかして、その中でそういうふうな問題を解決すべきであると、こういうふうな意見のようでございます。
  47. 沢田政治

    ○沢田政治君 私は大蔵省の議論は議論としてはないわけじゃない。議論としては議論でしょう。しかし珍妙な議論だと思いますね。というのは私は公平の原則が保たれなければ税金というのは矛盾があると思います。これはいま税全体が公平だと思っていません。これは株主配当とか、クロヨンとかあるわけでありますが、少なくともはっきりしているわけですね。理屈としては、暑いところは暑い控除、寒いところは寒い控除、物価が高いところは物価の控除、私はやはり先ほど前提として、雪っていうのは災害だと、天然現象ではあるけれども、毎年出てくるところの災害だと、モグラのような生活ですから、こういうはっきり顕在化しているものはやはり税の平等という原則からいって、やはり生活費がかさむし、忍耐度も多いし、暑くて死んだ人はありますか、日本に。日射病でからだの弱い人は倒れる人があると思いますが、三十名も死んでいるでしょう、これは。明らかに災害とこれは定義する以外ないでしょう。まあ死なぬ人はめっけもんであって、そういうところに生活しているわけでありますから、やはりあなたに即答を求めてもこれは無理ですよね。これはもう税法改正しなくちゃならぬから、でありますからこれは即答求めるのは無理だということを思いつつも、そういう矛盾を感ずるか感じないかということですよ。これはやっぱり将来検討すべき問題だと思いますね。あなたには即答求めません、これは無理ですから、大臣じゃないから。どうですか。
  48. 水口昭

    説明員(水口昭君) 所得税の上におきましても、たとえば先生おっしゃいましたように雪の深いところは、たとえば農業をやる場合、あるいは事業をやる場合、いろいろよけいな金がかかるわけでございます。そういう場合には国税庁といたしましても、そういうかかった経費は費用として見ておるわけでございます。ただ問題は、その生計費の上で、事業とは関係なしに生計費の上でよけいな金がかかる、こういうのをどうすべきかという問題があるわけでございますが、これにつきましては、地域的な差というものは先ほども申し上げましたような理由によって、よくわかりますがなかなかむつかしいということを申し上げておきたいと思います。
  49. 沢田政治

    ○沢田政治君 むずかしい議論をあなたから聞いておってもしょうがありません。それでちょっと話を砕いて、これは将来の課題だと思っております。これは私どもこの議論はしたいと思っておりますが、特にそういう事情で所得税とかそういうものもなかなかこれは急場には間に合わぬ、延納してもらいたい、こういう場合は利子とか加算税とか取らぬで、そういう措置ぐらいは少なくともやっぱり講ずべきだと思いますが、いかがですか。
  50. 水口昭

    説明員(水口昭君) いま先生のおっしゃいました点は、国税通則法にもそういうふうな規定がございまして、たとえば雪の場合に納税者が相当な損失を受けたような場合に納税をすぐにすることは困難である、こういうふうな場合には、原則として一年間を限りましてこの納税の猶予を認める。しかも、その一年たちましてまだ特別の事情があるという場合にはさらに猶予を認める。そしてその間の延滞税は取らないというふうな規定がございますので、こういった規定をできるだけ活用いたしたいと思います。
  51. 沢田政治

    ○沢田政治君 まあそうしていただきたいと思いますが、実際にはそういう原則があったとしても、全部税務署員が悪いというわけじゃありませんが、やっぱり徴税競争じゃありませんが実績をあげるという観点から、窓口ではなかなかそういうわけにもまいらぬわけであります、スムーズにですね。そういう点は少なくとも親切に通達をして、そういう事情を十分聞いてあげなさいというように通達してください。  それから建設省にお伺いしますが、道路局来ていますか。——バイパスというのは何のためにつくるのか、まず聞きたいと思います。
  52. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 道路をつくります場合に、都市周辺で非常に既存の道路が込んでいるというようなことで、そういう渋滞状況を避けるために通過交通を町からはずして流すような形で道路をいわゆるバイパスさせるというような形でやられる事業のことを一般的にバイパス工事というふうに言っております。
  53. 沢田政治

    ○沢田政治君 まさにそのとおりであって、自動車の流れの渋滞を緩和する、まあ危険防止とかいろんな面が、公害とかもあるわけでありますが、そういうことが目的になると思いますが、実際にバイパスをつくる場合その原則だけではないんですよね、事実を見ますと。これは何も建設省だけ私は悪いと言っているわけじゃありません。ともかく市の財源あるいは町の財政が豊かじゃないので、あわせて市街地を改良してもらいたいなんて、おんぶした要望があるわけであります。でありますから、市街地を本来ならばよけて住宅のないところをバイパスを通すのがほんとうなんですよ。ところが実際はそうじゃない。大館バイパスもそのとおり、さらには能代バイパスもそのとおり、町の既成住宅街をやって土地買収にてこずっている例を見てもそうでしょう。これは何もそこの市町村長さんが悪いとは言いません。これは背に腹はかえられないでやるんでしょうからね。そうじゃなくて、私はそういう意味のバイパスじゃ用をなさぬと思います。それはまあいいんでしょう、将来気をつけてください、そういうことをやらぬように。  そこで問題は、交通渋滞を緩和するということじゃないんですよ、積雪地帯は。道路確保するためにバイパスが必要ですよ。というのは、除雪できないでしょう、市街地の、両側にあるんだから雪の投げ場所がないんです、これは。でありますからバイパスの優先順位、着工順位はこれはあるでしょう、渋滞度がどうとか、交通の流量がどうとか。ところが、積雪地帯における、豪雪地帯における状態は渋滞緩和じゃないんです。交通がまずとまるわけであります。でありますから、従来の順位ではなく、今日のこの現状にかんがみ順位というものを変えて、やはり積雪の交通確保というところに重点を置いて着工してもらいたいと思います。それは秋田県は昭和町ですか、飯田川町のバイパス、もう一つは十文字のバイパス、湯沢のバイパス、これは早急に着工することを約束してもらいたいと思います。そうでなければ、ことしのたいへんな事態をまた来年も迎えるということになると、これは来年は完成は間に合わぬと思いますが、早急に繰り上げて着工することを地域住民も要望しておるので、この点を早急に着工するように、いかがですか。
  54. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 先生おっしゃいますように、確かにこういう雪国におきまして雪が降った際の交通確保という面でバイパスが非常に効果を発揮するということは私ども十分承知しておりまして、これはやっぱり交通確保の一つの大きな要素というふうにこのバイパスは認識しております。そういうことで全国的にバイパス事業がかなり進んでおります中で、やはり雪国でのそういう特殊性を考慮いたしまして十分今後バイパス工事も進めてまいりたいと思います。御指摘の能代バイパス、十文字バイパスでございますが、これらはすでに現在鋭意工事中でございまして、能代バイパスにつきましては昭和五十年度末ぐらいには大体建設を終わる予定で一応進めております。それから十文字バイパスは五十一年度末ぐらいになろうかと思います。それから湯沢のバイパスでございますが、これは現在道路現況が比較的良好でいままでありましたために、まだバイパス事業としてはスタートしておりませんが、昭和四十九年度からは調査実施する予定にいたしております。
  55. 沢田政治

    ○沢田政治君 湯沢バイパスが案外これは車の流れが順調だというようなのんきなことを言っておるわけでありますが、道路は車だけの道路じゃないんですよ。市街地内のああいう国道は歩道確保できないんですよ、歩道を、まず第一にね。というのは、歩道まで確保するということになると、除雪機械で住家の家屋をこわしますよ、これはね。でありますから、車の流れがよかったということだけで安心してもらっては困る、これは児童の何というか、通行の危険にもなるわけでありますから。そういうゆうちょうなことを言っておらぬでもう少し繰り上げてやりなさいよ。あなたわからぬと思いますね。これは昭和町と飯田川町のバイパスでもそうですよ。これは検討できないですか。そういう何というか、もっともらしい答弁だけれども、事実を知らぬと思いますね。車が流れたら道路確保できたと思ったって大きな間違いなんですよ。どうですか。
  56. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 先生おっしゃいますように、どか雪を受けますと、まず町並のところでは屋根から雪をおろすということで、この雪おろしの雪にじゃまされて交通がストップするという実態がいろいろ幹線道路であるわけでございます。したがいまして、それを避けるためにはバイパスというものが必要であるということは私どもも十分認識いたしておりまして、十分そういう方向で建設を進めてまいりたいと思っておりますが、一応そういうことで緊急を要する区間から逐次着工いたしておりますので、もうちょっと能代バイパス、十文字バイパスについては目安はついておりますが、湯沢バイパスにつきましても、多少現在おくれておりましたが、四十九年度から調査実施して、調査を完了次第着工するというようなベースでまいりたいというふうに考えております。
  57. 沢田政治

    ○沢田政治君 五十年度に着工しますか。
  58. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 調査の状況を見ませんと、現在ここで五十年度着工という形になるかどうか、まだここで即答申し上げかねる次第でございます。
  59. 沢田政治

    ○沢田政治君 なぜ、ことしなんかあんなに雪が降って歩道が確保できないというのは明らかじゃないですか、なぜ調査しないのですか。
  60. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 実は、四十九年度から一応調査費を計上する予定にしておりますので、調査を急ぎまして早く結論を出したい、こういうふうに考えております。
  61. 沢田政治

    ○沢田政治君 まあバイパスの問題はそういうことですが、悪いことばかりじゃない、建設省は案外点数が高くなっているわけです。というのは、国鉄が全部岩手県にも出られない、青森県にも行かれない、山形県にも行かれない。秋田県辺境自治区になったわけですが、ある期間ですね。そういうように非常に交通が孤立したという状態の中において、少なくとも一国だけは非常に確保できた。夜間もパトロールしておる、人工なだれもやる、こういうことで感謝されておるわけですが、その面はいいと思いますが、やっぱり問題はバイパスの面を早く解決してほしいと思います。  それから、雪上車ですが、これは各省にまたがっておるようですが、今度雪上車、特に平鹿郡の山内村、東成瀬とか、たいへんな孤立部落ができたわけです。そういうことで、いろいろな問題が出ているわけでありますが、雪上車も今度は補助の対象になる——三分の二ですね。これは人命にかかわる問題です。ヘリコプターで行くといってもヘリポートがなければ行けぬでしょう。まあそうなるとどうしてもこの雪上車、こういうことになるわけですが、しかしこの雪上車を必要とするような町村は、市ぐらいになったら別として、非常に財源の乏しい町村が多いわけであります。でありますから、そういう補助制度があると知りつつも、なかなか購入できぬ。こういう場合もあるので、これはまあ県のほうと相談して、人命とかそういうように関係あるような地区だ、常時孤立の危険性がある、こういうところの町村については、やはり県でも若干出してもらって、建設省も出して、これは準備したほうがいいじゃないかというようにむしろ督促をしてそういう措置を講ずる気があるのかどうかいかがですか。
  62. 上東公民

    説明員(上東公民君) ただいまのお話のございました雪上車の件でございますが、従来豪雪地帯におきます地方公共団体に対します雪上車の補助は、まあ民生の安定等を目的といたしまして、経済企画庁でおやりになっていたわけでございます。たまたま四十九年度から道路交通確保の面につきましては道路事業費の中でやってくれというようなお話がございまして、現在そういう計画で予算要求その他をしているわけでございます。ただいま先生からお話がございました雪上車の必要性が非常に高い、しかも、その機械そのものが非常に高いわけでございますので、まあその保有が非常に困難な町村、こういうものにつきましては、これは国としましては法律で三分の二ということになっておりますので、どうすることもできないわけでございますが、県費等による援助につきまして県等に対しましてよく御相談していきたいというふうに考えております。
  63. 沢田政治

    ○沢田政治君 そうですね、いま言ったようにその町がどうしても財政貧困で持てないというふうな場合には、持てないといって孤立部落が出て急場の病気にも間に合わなかったということじゃたいへんですから、その点は県のほうと相談してやってくださいね。  それから幹線道路除雪は、おそい早いは別としても時間とともにこれは確保できたわけでありますが、一歩、市街地ですね。俗にいう小路、こういうところは雪の投げ場所がないのです。しかも大型の機械じゃ入れないわけであります。秋田市等で一番困ったのは屎尿処理ですね。衛生上の問題です。これはあまり降らなかった地帯でございますので、便所の構造もなかなかそう半年もためるような構造じゃないと思いますので、ひどい人はドラムかんにくみ取ってため込む。まさに黄金のにおいのただよう、何というか市になっちゃうわけでありますが、そういう深刻な事態があるわけであります。そういうことでありますから、従来の下水道事業は比較的人口の密集地帯ですね。工業地帯、こういうところで下水道が普及したわけでありますが、やはりああいう積雪寒冷地帯は屎尿を投棄できないのですよ。運ぶことができないのです。いくこともできないわけでしょう。そういうことだから、下水道を確保する、開発する、こういう点に留意していくべきだということが一つと、もう一つ、小型の除雪車ですね。従来の国道、県道のようなものではなくて、もっと別のやはり開発をすべきじゃないかとこれは思っています。これは何も秋田県に共通することじゃなく、これはどこの、各市に共通することだと思いますが、こういう点に対する見解はいかがですか。
  64. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 先生おっしゃいますように確かに市街地の、特に狭い街路での除雪はたいへんな問題で、今回の豪雪にかんがみましても私も実は視察のお供でいろいろ十分体験してまいったわけでございますが、あの除雪の問題は今後非常に大きな研究課題であろうかと思います。特に機械の開発ということは十分これから考えていかなければならぬと思います。それからあわせまして側溝の、条件の許すところでは流雪溝等の側溝の整備も十分考えていかなければならぬと考えております。
  65. 沢田政治

    ○沢田政治君 住宅構造を、最近中央業者が非常に地方にも入ってまいって、住宅の専門家ではありませんが、設計等が現地の事情に合わぬような住宅が非常に多くなっているわけです。たとえばカラートタンぶきの屋根に雨どいなんかをつけて、あんなものはへの役にも立ちません。これはもう雪の圧力で全部こわれちゃうわけですね。しかも非常に何というか屋根が低い。しかも、屋根の勾配が非常に何というかゆるい、こういうことで非常に何といいますか住宅構造、設計、そういうものがやはり雪の降らぬ暖国ナイズ化されている、こういうことでありますから、この点は答弁は要りませんが、住宅建築業者等にやはりその土地に合うような住宅構造の研究ということも考えてほしいと思います。  次に市町村道の、いま、国道、これは別として、県道の場合は補助制度でやっているわけでありますが、これを市町村にも適用してもらいたい、というのは、川・水系一貫ということばがあるわけでありますが、道路も、これは国道だけが道路じゃないのであります。どこかに入って、行き着くところに行かなくちゃならぬわけであります。でありますから、国、県道だけ確保できても道路確保にならぬ。結局分岐点にいって停滞すると国道そのものが停滞する、こういうことになるわけでありますから、これは交付税との関係もあるわけでありますから、そういう地帯における道路補助制度ですね。市町村道の場合でもこの手法のほうがかえって道路交通確保とか渋滞緩和からいっていいじゃないか、こういう観点からこれは一応検討課題として検討してもらいたいと思います。時間がありませんので、これは答弁を聞いていると長くなりますから、これは検討課題としてひとつ要望をしておきます。  次に、農林省でありますが、特にリンゴの被害とか果樹被害が非常に多いわけであります。これから、融雪期になると、農業土木の被害も出てくると思いますが、これは全般にわたるわけですね。しかも、この果樹の被害というのが融雪と同時にこれは顕著になってくるわけであります。推定どれくらいであるかわかりません。ところが、衆議院の災害対策特別委員会で何か天災融資法、農産物の、これに該当になるというような地方の新聞に出ておったわけでありますが、きのうお聞きしますと、いや、これから調査してみなくちゃわからぬと、こういうことであったわけでありますが、地域住民、特に農家の方々は天災融資法の適用になるというように、もうはっきり一〇〇%確信しておるし、期待しておるわけです。でありますから、この点がどうなるのか。雪が解けてみなくちゃわからぬ、自然を待ってみなくちゃわからぬということじゃ、これも非常に行政の怠慢とは言わぬけれども、芸のない話だと思いますが、これはいかがですか。
  66. 松本作衛

    政府委員松本作衛君) ただいまの天災融資法の発動でございますが、先生のお話にございましたように、実は、天災融資法の発動をいたします災害の規模の基準がございまして、それはやはり災害の実態が明らかになった段階で確定をいたすということになっておるわけでございます。ただ、そういう意味では雪が解けてみないと、実は雪の下に入っておる果樹等被害が明確にならないという問題があるわけでございますが、農林省といたしましても、ただ、それを待つというだけではなくて、できるだけ早く被害の見込み額をつけまして、天災融資法の発動ができるかどうかという判断はいたしたいと思っておりますが、そのために統計調査組織を使いまして、現在被害の大かたの調査をいたしておるところでございます。ただ、やはり雪の中の被害でございますので、あるいはその調査を待ってしても額が明確でないというような問題も出てくるかと思いますが、われわれのほうといたしましては、できるだけ早く被害の実態を把握いたしまして、天災融資法の発動の方向づけを判断をしたいというふうに思っておるところでございます。
  67. 沢田政治

    ○沢田政治君 完全に融雪してからでなくちゃわからぬということじゃなく、逐次調査をして、その基準に達したならばすぐ発動できるような、査定といいますか、調査ですね、これは進めていただきたいと思います。  それともう一つは、果樹共済ですか、そういう農業共済ですね、これについても仮払いといいますか、先払いといいますか、こういうものの制度はどしどしやってもらいたいと思います。特にリンゴの被害等では樹体の保険ですね、樹体の場合と実際の実の場合と、これは二つあるわけでありますが、実にしたほうがいいのか、樹体にしたほうがいいのか、非常にデリケートな問題もあります。これは樹体がだめになったのは廃木ですから、ただ、樹体じゃない主枝ですね、おもな枝、これは三分の二欠けるとどうとかこうとかいうことがあるわけでありますが、たとえば、何というか、リンゴの木は三本の主枝が大体普通あるわけでありますが、その場合でも、二本が残って一本がなくなったという場合でも、その主枝の太さによって違うんですよね、実際に結実するこの枝と。そういうことだから、それは実にしたほうがいいのか、樹体にしたほうがいいのかというのは、有利な方法をやはり対象にとるべきだと思いますが、いかがですか。
  68. 松本作衛

    政府委員松本作衛君) 果樹共済につきましては、御案内のように樹体の保険と果実の保険と両方ございまして、それぞれあらかじめ保険に加入をいたしまして、その共済金を支払うことになっておりますので、その契約の内容によりまして共済金が支払われるというふうに考えております。
  69. 沢田政治

    ○沢田政治君 それはわかっています。わかっていますが、これは実にも影響あるわけだ。因果関係なんですよね、枝と実が。だから、どっちをとるかというデリケートな立場になると思います。同じ樹体であっても、たとえば三本ある主枝が二本は残ったけれども一本はやられたという場合、それは枝によって違うんですよね、くろうとが見るならば。片一方にはリンゴが十箱結実する枝、片一方は二箱ぐらいしかならぬ、結実しない枝があるわけだから、だから、三割枝が欠けなくちゃどうとかこうとかいうこの観点が非常にむずかしいんです。その場合には実情に沿うような査定をすべきだということを言っているわけですよ。もう少しこまかい説明してくださいよ。
  70. 山村弥五郎

    説明員山村弥五郎君) 樹体共済は自然災害等によりまして、枯死、流失、滅失、埋没、損傷という五つの損害を受けた場合に支払いの対象になるわけでございます。で、損傷につきましては、木の姿の三分の二以上が被害を受けるというような状態でございますので、いま先生が御質問になったようなかっこうで、幹、枝等に関係なく樹冠の容積が損害を受ける直前の容積に比べまして三分の二以上の被害を受けた場合には損傷という被害の部類に入るというような損害評価をいたすことになっております。  それから、樹体共済と収穫共済は同じ木におきまして別々に契約が結ばれておりますので、樹体共済の損害で共済金をいただくし、また収穫期にはその木につきましても減収があったということで収穫共済でも共済金をいただくという仕組みになっておるのでございます。
  71. 沢田政治

    ○沢田政治君 国有林材の延納ですね。これは二月の十九日ですか、二カ月以内に限って延納する。これは四カ月の余裕期間が従来あるわけでありますから、さらに二カ月で六カ月ということになると、たいがいいいと思いますが、しかし十二月に支払うべきものを、四カ月でしょう、さらに二カ月でしょう。そうなると原材を山から運んで加工して売って代金を取るということになると、この二カ月以内に納まるかどうか。これ例外だと思いますが、非常に疑問な面もあるんですが、大体これで落ち着くと思いますが、もし個々のケースでこれに当てはまらぬ、もう一カ月ぐらい延納しなくちゃならぬという場合には実情に即したようにやってもらいたいと思いますが、いかがですか。
  72. 川合英一

    説明員(川合英一君) 国有林材の延納につきましては、ただいま先生御指摘ございましたように、原則といたしまして、立木については従来四カ月という延納期間になっておりますし、また素材については三カ月ということになっておると言いますが、今回、ただいま申されましたように、二月十九日付で営林局長あて通達を出しまして、二カ月の範囲内で延納を延ばす、延納の履行期間をさらに延ばすというような措置をとることにいたしたわけです。今回の措置をとるにあたりまして、やはり期限の延長期間としましては、鉄道貨物の受託の制限とか、あるいは道路運行の阻害とか、あるいは伐採作業が雪が深くてできないとかいう期間に着目いたしまして、その期間が十五日あれば一カ月延納してやるとか、また、さらに二十日以上あればいまの二カ月以内の範囲内で、いわゆる中止期間よりもだいぶアローアンスをつけてやっておりますので、大体それで影響を受けるものは何とか救えるだろうというふうに考えておるわけでございます。そこで、さらに、先生のおっしゃいましたような実情につきましては、さらに営林局のほうからよく事情を聴取いたしまして十分検討いたしたいと考えております。
  73. 沢田政治

    ○沢田政治君 今度の豪雪によって特に開拓地帯の酪農ですね、これは牛が死んだわけじゃありませんが、なま乳ですね、これの集乳ができなくて相当投棄したものも現地ではあるわけであります。特に、開拓農家に非常に多いので、これは非常にお気の毒なわけでありますが、西仙北町の上野開拓とか鹿角市の十和田開拓、これは秋田県全部で十二・五トン、十和田開拓の場合は八トン、これはたいへんな額です、農家にとっては。こういうものについてどういう対策をとるかといっても、これは交通確保できないんだからしょうがないといえばしょうがないわけですが、その期間は十日とか二十日間にはならぬですよ、多くとも一週間ぐらいだと思いますね。そういうことでありますから、その期間、やっぱり変質させないような設備をぜひともという強い要望があるんです。対策もそれしかないと思いますね。雪というのは、非常に寒いように感じますが、温度というのはそう低くないんです、雪の中は。雪中に埋没しても、これはどうしても二、三日で、ある場合は変質します。でありますから、そういう地帯に農林省がある程度の冷蔵施設ですか、こういうものをつくってやるべきだと思うんですが、これはいかがですか。これは農林省の何か模範牧場かなんかも、十和田の場合はそばにできておりますからね。どうですか、これは。
  74. 佐野宏哉

    説明員(佐野宏哉君) 農林省といたしましては、従来から農家の段階における牛乳の冷却施設でございますバルククーラーの設置に対して補助をいたしております。それで四十九年度におきましては、四十八年度に比べまして、補助の台数も大幅にふやす予定をいたしておりますし、それから国の予算のほかに畜産振興事業団からも同様の補助をいたしておりますので、できるだけ御趣旨に沿うように処置いたしたいと考えております。
  75. 沢田政治

    ○沢田政治君 私は、まあ一般的なことを言っているんじゃない、こういう個所があるということを言っているわけですから。で、あなた、御趣旨に沿うように考えますということだから、一般的なことじゃなくなく、こういうケースがあったんだということを現実問題で私は提起しておるから、それを一応検討して了解したというように解します。時間がありませんので。  次に、医療関係ですが、川野辺先生もおっしゃられましたが、これはもうたいへんなんですよ。山内村という村があるわけでありますが、そこの小松地区がたいへんなことになった、八名もお年寄りがあって、一人が倒れておる、また学生さんだと思いますが、十二歳になる方が四十度の熱を出してもだれも来てくれぬ、県も町も来れない、あるのは富山の売薬だけだと、まさにもう絶望だと、こういうことが地方の新聞に載っていますが、先ほどこの厚生省の答弁は、全く辺地医療にそごなくやっているような答弁に聞こえたわけですが、現実に当たると、孤立部落はこういうところがあるわけですね。そういうことだから、これも雪上車が必要になります。これは建設省とまた相談してください。厚生省にも雪上車の予算があるようですが、そういうところには早急に雪上車を——ヘリコプターといったってヘリポートをつくらなくちゃならぬし、これはもうなかなかだめです。視界ゼロの場合はだめですし、でありますから、雪上車を考えていただくことと同時に、もう一つは、救急薬というのが、けがが出たと、熱が出たと、こういうものにあらかじめ薬の蓄積を、常識的な範囲でけっこうだから、そういうものを設備してやるほどの仏心があってもいいと思いますね。これはもうやむを得ないんだ、そういうところに生まれたのは身の因果だということじゃ、これは行政というものは何のためにあるかわからぬわけでありますから、そういう点をどう考えていますか、もう少し身近にこまかく考えてほしいと思います。あとの一般辺地の医療問題については、これは大きな問題がありますから、ここで簡単に結論が出ませんが、それぐらいのことはやってもいいじゃないかと思いますが、いかがですか。
  76. 金田一郎

    説明員(金田一郎君) ただいま先生言われましたまず雪上車の件でございますが、予算の上では、四十九年度、ただいま御審議をお願いしております予算の上では、特に、僻地、豪雪地帯を含めました僻地の患者輸送用の雪上車が非常に御要望が多いわけでございますので、実は四十八年度は九台国庫補助がございましたのを、今回は約五割増し程度の十四台にふやしております。その他、医師往診用の小型雪上車三十六台、巡回診療雪上車三台、こういったものも予算でお願いしているわけでございます。そういったことで、特に豪雪地帯の患者のためには、私ども補助の上でもいろいろ配慮をいたしていることを申し上げたいと思います。  それから次に緊急薬のことでございますが、先生も御承知かと思いますが、現在たしか私の聞いておりますところでは、新潟県等県単事業でこういった僻地に対しまして医薬品の配置をやっておられます。約四百五十万ばかり予算を計上されているようでございます。なお、現在のたてまえを申し上げますと、緊急の場合に医薬品を使用いたしました場合には、医療保険制度、たとえば健康保険とか国民健康保険でございますが、無医村である場合とか、往診が全く不可能なような場合におきましては、あとで医療費の支給がその分につきましては現金給付で行なわれることになっております。これにつきましては、先生も御承知のとおり、市町村で実施しております国民健康保険でこの医療費が支給されました場合には、その四五%は国庫で負担しているわけでございます。こういったことで、間接のような形ではございますが、国も負担はいたしているわけでございます。  なおもう一つ申し上げたいと思いますのは、僻地の医療対策といたしまして、私ども厚生省の医務局で実施いたしておりますのは、「へき地医療地域連けい対策」ということで、三千三百万の予算を計上しているわけでございますが、ここでは各地域の特殊性に応じまして、診療所を設置したほうがよろしいか、患者輸送車を配置したほうがよろしいか、あるいは巡回診療をしたほうがよろしいかと、こういったことにつきまして、保健所あるいは市町村、医師会その他の医療関係者が集まりましていろいろ検討し、また健康管理のカードをつくったり、あるいは遠隔地の場合、医師の往診を、特に遠いところは医療保険では経費が足りませんので、こういったところにつきましてやってもらったり、そういった場合の経費を見るために、一地区当たり私の記憶では約五十万程度だと思いますが、配賦いたしております。こういったことをそれぞれやっておるわけでございますが、国、地方公共団体の分担関係につきましては、なかなかむずかしい問題もあろうかと思いますが、先生おっしゃいました点をよく検討いたしまして、今後なお対策を進めてまいりたいと考えております。
  77. 沢田政治

    ○沢田政治君 運輸省と国鉄にお伺いしますが、非常に国鉄始まって以来だと思いますが、秋田県は完全に他の県と独立国家のようになったわけです。隣の県の三県の県境があるわけでありますが、どこにも行かれぬという状態が一週間も十日も続いたわけですね。これは国鉄でも遺憾だと思うわけですが、少なくとも太平洋岸は豪雪であっても、おそい早いは別として、若干の遅延があったとしても鉄道確保されるわけであります、立地条件からいって。少なくとも秋田県から一つの県、太平洋岸にだけは行くぐらいの国鉄を確保しなければ、国鉄は何のためにあると、こういう怨嗟不満の声が出ておるわけです。そういうことで、まあ考えられるのは、これは盛岡です。これは最短距離は田沢湖線。これを角館から羽後境というところを通って秋田に短絡する直接の短絡線をつくってほしいと、こういう声が非常に強いわけです。昭和四十五年だったと思いますが、時の国鉄総裁が、それは検討に値すると答弁をしたとかしないとかと言われておりますが、これはもちろん法律改正しなくちゃなりません、別表に載せなくちゃならぬということはわかっておりますが、これの可能性がどうなのか、これは検討課題です、これは即答を求めません。それと同時に、早急にあそこの峠ですね、田沢湖線の改良の場合も、電化はもちろん、複線化はもちろんのこと、勾配改良しなければ、やっぱりこれも雪であぶない、こういうことで、少なくとも太平洋の一県にだけは秋田から通れると、こういう万全の態勢を築いてほしいと思うことが第一点。  もう一つは、奥羽南線でも北線でも、路線が確保できた。ところが秋田駅の構内が操車がつかぬわけですよ。これは非常に私は手抜かりだと思いますね。秋田駅の二つ手前で八時間、二十時間とめられたなんて、こんなばかなことはあり得ないと思いますね。これはやっぱり何といっても国鉄のミスですよ。でありますから、どういう消雪方法をするか、これは排雪溝をつくるといったって、あそこはなかなか立地条件がない。まあポイントの消雪もあるでしょう。ポイントの事故が非常に多かったんですね。これを早急に来年度からこういう事態を再び繰り返さないような対策を講ずべきだと思いますが、いかがですか。——ちょっと待ってください。ぼくは時間が十分までと制限されていますから。  次に、文部省にお伺いします。二月十二日の午後三時二十五分ですか、秋田市の市立太平中学校、これは六百十六平方メートル、これが一瞬のうちに倒壊したわけです。十五分前までは生徒がおった。そしてさらに五分後にはまたその体育館に入ることになっておったわけです、予定としては。これは二百十六名が全員おったならば、一瞬のうちにもう完全に一人残こらず圧死したということは、私どもは現場を見てこれははっきりしてます。しかもこれは、何といいますか、かまぼこ型ですね。昭和四十年の一月につくったわけでありますからそう老朽校舎ではないと思いますが、構造上の問題があるんじゃないかと思います。これはかまぼこ型の建築様式、鉄骨モルタルですね。これはもう工事が安くつくというのが利点、雪のすべりがいいというのが利点、こういうことで安上がり行政と私はきめつけるわけじゃありませんが、こういう建築様式がはやってきておる。そのほかに、秋田県にはこういう型のものは十校ある。これはたいへんなことだと思います。勾配の関係からいって、雪おろしもこわがってだれもやらぬわけですよね。でありますから、これは従来の三角形のものにかえるべきだと思うのですね。文部省は予算さえつけてつくればいいんだということじゃ、これは事人命の問題ですよ。科学技術庁が実験をやって、若干の人が死んだということで技術庁長官の首が飛んだわけでありますが、二百名も殺してみなさいよ、私は大臣の首とここで対比をして議論をするわけじゃありませんが、こういう薄氷を踏むようなことをやっているわけですね。でありますから、老朽校舎という観点は、単に建築の何といいますか経た年月ですね、そればかりじゃなく、構造上の問題から徹底的に点検してみてほしいと思います。老朽校舎あるいは危険校舎の基準というものを、積雪荷重、構造という両方の角度から検討すべきだと思います。どういうように考えていますか。そういう基準でいくならば、秋田県にどれだけの老朽校舎と危険校舎がありますか。しかも予算配分等で、命にかかわる問題でありますから、予算がこれだけだ、各県にこれだけ配分しなくちゃならぬという角度じゃなく、事人命の問題ですから。これは秋田県ばかりじゃありません。山形、あるいはまた青森、新潟、こういう積雪地帯については、事児童の生命の問題でありますから、そのときになって手おくれであったと言われぬような態勢を築くべきだと思います。これはもう優先順位があったとしたならば、そういうものも考慮に入れるべきだと思いますが、いかがですか。  まず最初運輸省から。
  78. 篠原良男

    説明員(篠原良男君) お答え申し上げます。  最初の問題は、現段階におきましては、奥羽南線、北線、いわゆる秋田と太平洋岸とを結ぶ北上線と田沢湖線が今年の雪に弱かった、これを雪に対して強くしろ、こういうことだと思います。お説のとおり、先生おっしゃいますとおり私のほう、国鉄始まって以来の記録的大雪でございます。私も昭和元年からずうっと雪の統計をとっておりますが、秋田地区で三十年確率を五割上回る降雪量であり積雪量でございます。したがって、先生おっしゃるとおり、峠のところで非常に難渋いたしたことは事実でございます。今後こういう雪を想定しましてスノーセッド、あるいは除雪機械というものを今回見直そうと、このように考えております。  それから第二点の、秋田操車場の中におけるいわゆる車両基地から秋田駅への車の操配がポイントあるいは豪雪のために非常に難渋して列車を渋滞させるということは事実でございます。御承知のとおり秋田というのは昔から風が強くてあまり雪が積もらないというようなことで、確かに米沢とか横手に比べますと雪害に対する設備が弱かったということは今回見直すべきだと私らも思っております。  これを流雪溝で処置するか、あるいは融雪装置で処置するか、消雪装置で処置するかという非常にむずかしい問題がございます。流雪溝ですと水の問題がございますし、水の回収あるいは端末の捨て場問題がございます。消雪でございますと道路と違いまして私どもの線路は下が土でございますので一ぺんに水をかけますとどろどろになる。しかも一日に五十センチも降雪のあった今回を考えますと、水で溶かしますと、これは雨に換算しますと、比重を〇・二としましても百ミリぐらいの雨に相当する。とすると今度は構内が水びたしになる。したがってその水をどう排水するか、また水をかける温度を上げてやらなければならぬということで現在還流式と申しますか、北海道、新潟でいろいろ勉強しております。  こういうものも総合的に考えまして、この秋田の構内の貨車の操配、客車の操配に支障を来たさないような技術的な開発をいたしまして、これを現地にどう採用をしていくかということを今後検討していきたい、かように考えております。
  79. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) 文部省といたしましては防災業務計画を定めまして学校建物については不燃堅牢化をはかるという方針のもとに年々整備をはかってきたところでございます。建物の鉄筋化の状況につきましても、十年前との比較で見ますと一八%であったものが現在五七%というような状況になっておるところでございます。  豪雪地帯における学校施設に対する文部省の従来の指導でございますが、これにつきましては公立文教施設の国庫負担事業にかかる学校施設につきましては、「学校施設指導要領」というものを定めまして、設計内容指導を行なっておるところでございますが、積雪地帯における学校施設の設計にあたっても配慮すべき問題について従来指導しております。  このほか毎年公立学校の技術職員を対象にいたします研修会でありますとか、あるいは主任技術者を対象といたしました連絡会議でありますとか、そのようなものを開催いたしまして、建築技術上の諸問題について指導を行なっているところでございます。このほか一般の建築技術者を対象にいたしまして、日本建築学会と共催いたしまして、学校建築技術講習会を随時開催して、積雪寒冷地における学校施設についても指導を行なっているところでございます。  御指摘のかまぼこ型校舎の屋根の形態の問題でございますが、これにつきましては従来かまぼこ型のものは雪が落ちやすいということで、むしろ積雪地においては推奨される型ではないかというふうにいわれていたと聞いております。しかしながら、これにつきましては、雪が落ちる際に非常に遠くへ四散しやすいというような欠点もあるわけでございまして、これにつきましても従来対策については指導をしていたところでございます。  それから、危険校舎のことでございますが、豪雪地帯における耐力度点数の問題でございますが、木造校舎につきましては現在四千五百点以下の建物について補助をする、危険改築について補助をするというたてまえをとっているわけでございますが、四十九年度の予算の要求にあたりましては一応五千点に引き上げるというようなことで要求をいたしたところでございます。しかしながら、四千五百点以下の建物がまだ小中学校で六百万平方メートルもあるということで、当面これの解消に力を注ぐべきではないかということで、今回はやむを得ず見送らざるを得なかった、こういう状況でございます。しかしながら、四千五百点から、五千点のものでありましても、特別豪雪地帯につきましては特に必要と認められるものは危険改築を採択して、問題の実質的な解決をはかるということで、弾力的に執行上取り扱うということで考えているところでございます。
  80. 沢田政治

    ○沢田政治君 はい、終わりました。
  81. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 私は二十七日、二十八日と出形県下を、特に農村地帯を回ってまいりました。私は群馬県でありますが、群馬県もかなり雪が降る。特に山間部は二メーターぐらいの雪が降るのであります。山形県に参りまして、全県もう土の出る場所がない。これは全部雪におおわれている。しかも、平地であっても現在二メートル近い雪の中に埋まっている。あの状態を見まして、端的に申し上げて、よくまあこういうところに住んでおれるものだという実感をつくづく持ちました。土地の人は、これはもう、生まれたときからそういう状態でありますから、いわゆるあきらめといったこともありましょうが、われわれ、降っても五センチか十センチといったようなところに住んでいる者に比べると、いま申しますように、ほんとうによくまあ、ああいう場所にがまんをして住んでそれぞれの業務に精励をしておられるという気持ちを持ったわけでございます。と同時に、政治家としてそういう点を見ながら考えることは、何とかこれはやはり、積雪という——群馬、栃木あたりを中心に北と南に分かれますが、栃木、群馬から南のほうに参りますと、これはまあ、部分的にはございましょう。しかし大体豪雪地区ではありません。そういうところに住んでいる同じ日本人であるという中から、これはやはり特別な地帯であるから、政治はこれに対して特別な計らいをすべきであるということを感じるわけです。豪雪地帯指定市町村というのがありますけれども、これは、指定はしておるけれども、国はこれに対して大した措置をしておりません。今度も特別交付金が出ましたが、私の実際見ました町村におきましても、二千万円——その町の除雪費は四千万円かかっている——除雪費の半分にしか至らない、こういう実態であります。したがいまして、これはまあ、きょうは大体答弁者が課長級の諸君のようでありますから、基本的な問題は、これは別に論議をします。大臣なり局長諸君にひとつ出てもらって、基本的な問題は別途論議をするし、いろいろ要望したいと思いますが、まあきょうのところは、そういった点を踏まえながら、具体的に、当面しているいろいろな問題点をついて、端的にそれぞれの担当の省庁の諸君にお尋ねしたいと思うし、また、要望もしたいと思っております。  いま、沢田委員からいろいろとお尋ねがありましたが、雪というものは毎年降るもんでありまして、風水害等とはその質が違うわけであります。と同時に、風水害などは、現に家が倒れる、あるいはがけがくずれる、あるいは水によってたんぼや家が流される、こういった被害がすぐに出てまいります。これは一目りょう然。ところが、雪は解けてみないと実際の被害がわかってこない、こういう点があります。したがって、融雪期に具体的な被害がどんどん出てくるということでありますので、この対策が毎年毎年非常におくれるわけですね。ひどいのになると、夏ごろにしかその対策が出てこない。  そこで、冒頭にお尋ねしたいのは、これは自治省か農林省か、どちらかわかりませんが、雪は毎年降っているし、毎年被害が出ている。特に豪雪といわれた時期、最近では昭和三十八年と四十二年のようであります。ことしはその昭和三十八年、四十二年の豪雪を上回るようであります。したがって、三十八年、四十二年というような豪雪といわれたときがあるのでありますから、これに対する一つの被害の実態や記録はあるわけですね。そこで、そういうものを基準にして、国は、融雪期を待たずにそれぞれのいわゆる被害に対して——あとからいろいろと具体的なお尋ねをしますが、あらかじめ支出をする用意が私はあってしかるべきと思う。でないと、いま言ったように、融雪期を経ましてから調査をしていろいろとするんでは、非常に時期を失して、同じ補助金なりあるいは特別交付金なり、そういったものを入手しても手の打ちようがなくなってしまうという実態がある。したがって、まだ雪の解けない現時点において、そういった前例による一つの調査基準によってそれぞれの施策が講じらるべきだと思うんだが、そういったことをやる——現在の状態ではできなければ、そういったことを今後、これはもちろん立法の措置が必要ならば、われわれが議員立法なりその他のことを考えて当然立法化することもいたしましょう。当局としては、そういうことは現時点ではなし得るかどうか、また将来そういったことを考慮して対策を立てる意思があるかどうか、そこをお伺いしたいと思う。
  82. 松本作衛

    政府委員松本作衛君) ただいまお話がございましたように、雪害につきましては、最終的な被害の結果は融雪期を待たなければ明確にならないわけでありますけれども、農業面におきましては、やはりその時期以前にとるべき措置が必要でございますので、たとえば樹体等、果樹の被害についての応急な対策なり、それから稲苗の確保の問題なりというようなことにつきましては、現在県とも連絡をとりながら技術指導等も行なっておるわけでございますが、その被害の程度が、国が助成をいたすべきほどの大きなものであるかどうかというようなことにつきましては、いまお話がございましたように、三十八年、四十二年の前例等もございますので、鋭意検討を続けてまいりたいというふうに思っております。
  83. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 それと関連して、山形県に参りましたら、山形県では農政課の中に農業災害対策費として、予備費ではないんでありますが、そういったものを組んで今度の雪害等に対してかなり積極的に対処している、こういう事例があるわけなんです。きのうも知事その他といろいろとお話をしてまいったんでありますが、山形県としては、私どものこの事例を誇張するんじゃありませんけれども、農林省にこういった一つの費目を設けていただいて、いわゆるそういう今度のように豪雪被害が起こっている場合には、名目はいかようであれ、被災者に対してその機を逸しない対策費の支出を考慮してもらいたいという強い要望があったわけなんです。県でやっているんですから国でもできないはずはないわけですね。今日はまだそういうものはないんでしょう、農林省には。なければそういうものを将来設定して、これは雪害だけじゃありませんが、その他の災害等にもいち早く善処できるという体制ができるかどうか、いかがでしょうか。
  84. 松本作衛

    政府委員松本作衛君) 災害対策につきましては、一般的に災害が発生し次第、所要の必要な助成措置を講ずるというようなたてまえになっておりまして、あらかじめ予算災害を想定いたしまして、計算をするということは、なかなかむずかしい問題があるわけでございますが、私どもといたしましては、必要がありました場合には、できるだけ機を失せずに予備費等の措置によって財政措置を講ずべく今後努力したいというふうに考えております。
  85. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 それから私は、これはまあいわゆる、先ほど申しますように、雪のないところにいるもんですから、ちょっと驚いたんですが、非常な豪雪のために野ネズミがたいへんな被害を与えている。食糧がないために野ネズミがリンゴの幹をかじっているし、例年はリンゴの幹はかじったが、ブドウは固いのでブドウの幹はかじることがなかったそうでありますが、ことしはいわゆる非常な豪雪でありますので、ほとんど野ネズミの食糧がないためにリンゴはもちろんブドウまでかじっている。私きのう行きましたところでは、ブドウだなが約一メートル九十センチだそうですが、その上にまたここに十センチ、二十センチ上回った雪が残っている。一番多いときにはたなの上に百センチも上に積もったそうでありますが、したがって、三メートルぐらいでございましょう。聞いてみますと、積もった雪と雪の間に何かすき間があるそうです。そのすき間を伝って野ネズミが非常にばっこして、山形県の高畠という町ではブドウ園の八〇%が野ネズミのかじりと、それから枝の分岐点が雪のために割れていくという被害で困っております。野ネズミというものを私はどういうふうにして退治したらいいのかわかりませんが、県でも野ネズミ退治の薬品とか、その他の対策を立てているようでありますが、これは当然国としても野ネズミ対策というものは、何らかの対策があってしかるべきと思うんですが、こういうことに対する何か対策は考えておりますか。
  86. 松本作衛

    政府委員松本作衛君) ただいまのお話のように、果樹の地帯におきまして野鼠の被害が懸念されるわけでございますが、対策といたしましては、殺鼠剤を使用するとか、幹の周辺の雪を踏み固めるとか、金網、竹等で樹体を保護するとかいうような、いわば管理をよくするというようなことによりまして被害を食いとめるというような方法が考えられますので、こういうふうなやり方等につきまして関係県等に対しましてもまあ技術指導の一環といたしまして適切な指導をするということで、現在その指導につとめておるところでございます。
  87. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 幹のところを踏み固めるとおっしゃるが、これはあなたここにいてそんなことを言っている。二メートルも雪があるんでしょう。入ったら今度出られませんよね。人間がすっと入っちゃったらもう全然動けないですよ。それはできないですよ、事実上そういうことは。それはまあ五十センチか三十センチのところならそれはできるでしょう。まだあなた、百九十センチのたなのところまで雪があるのですから、いま言ったようなことはできない。これはひとつよほど考えてもらわぬと、そういう答弁ではこれは話にならない。まあ殺鼠剤ですか、殺鼠剤はこれはまあやりようによっては有効かもわかりません。この辺もひとつもっと検討してもらいたい。  それからもう一つ、いわゆるいま言ったように、ある場所では八〇%もこれはだめだろうといっている、特にブドウですが。そうしますと、苗木の対策、それから一方では鉄線が非常にこわれている。十四番とかいう針金だそうですが、これの入手に非常に困難をしている。針金の入手対策に対して、農林省はかなりこれはいまから手当てをしてもらわぬと融雪期になって急に間に合わぬ。  それともう一つ、いま言った苗木の対策とともに、苗木を植えた場合には数年間はブドウの出荷ができないということがある。そうするとブドウ、ほとんど山形県の高畠町は大部分が果樹栽培の専業地であるようであります。そうなりますと、数年間の収穫皆無ということで非常な困難を予想される。これに対するやはりいろいろな対策がこれはもう非常に必要になってくる。  こういった苗木の対策、たなをつくるための針金の対策、さらには新しく苗を植えた場合に数年間のいわゆる無収穫の場合における農家へのいわゆるあたたかいひとつ施策がどのように講じられるか。この点についてのひとつ農林省の対策をお伺いしておきます。
  88. 松本作衛

    政府委員松本作衛君) やられました果樹の苗木の対策なり、それから果樹だなの針金等の対策でございますが、苗木の対策につきましてはできるだけその手当てをはかるように考えておりますし、また、必要によりましては今後共同育苗施設のような育苗施設整備措置も必要になってくるかというふうに考えております。  また、針金等、鉄線等につきましては、必要によりましてその確保についての措置をとるべく、現在通産省に対しましても、所要の資材の確保方について要望をいたしておるところでございます。  なお、こういうふうな場合に、当然農家の負担が出てまいりますので、現在農林漁業金融公庫資金におきまして果樹の植栽につきましては果樹植栽資金という低利資金がございますので、この資金の活用をはかっていくというようなことを進めてまいりたいというふうに思っております。
  89. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 まあこれはぜひやってもらわぬと困ると思うのですよ。これはまああらためて大臣その他にまた強く要望しますが、当面はあなた方が責任者なんだから、あなた方がやる気でいないと大臣がどういう答弁をしてみても始まらないのだから、したがって、一番実際の責任を負っている皆さん方がひとつ実情をよく把握して対処してもらいたいと思います。  続いて、建設省道路局の諸君にお伺いしたいのですが、向こうへ行ってまいりまして、非常に私が感じたのは、いま沢田議員も申しましたように、国道はまあかなり除雪が進んでいる。これはまあけっこうだね、重要なところは。ところが歩道、歩道が全部雪に埋まっている。これはいま自動車は非常に優遇されているが、人間疎外だな、むしろ人間無視だ。歩道はそのままで雪がたまって人間の歩く余地がない。学校の、通学児童などは非常に困っておる。幸いにしてまだ、まあ雪の中に生まれた子供でありますから雪の上の歩き方じょうずなんでしょう。われわれまあ雪になじまない者が参りましても、おそらくあれ、すべってころんで車道に落っこって車にひかれるというのが落ちでしょう。ただあのままじゃいかぬと思いますよ。歩道の除雪に対して建設省はどういう対策施策を持っているか、お伺いしたいと思います。
  90. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 歩道の除雪の問題につきましては、御指摘のように、確かに大雪が降りますと、まず最初に屋根雪をおろして、それから道路のほうは、まあ車の通れるような車道の交通確保を優先しますので、どうしてもその雪を一時歩道の上に積み上げるというような形にどうしてもならざるを得ない。それでさらに余裕ができたときに徐々に歩道を広げていくというような順序になってまいるわけでございますが、まあ従来、確かに車道の除雪に追われて歩道のほうまで手が回らなかったというのが実態でございます。また歩道の除雪につきましては、その中にガードレールがあったり、それからいろんな路上の施設がありまして、なかなか機械除雪がしにくい面もございまして、非常にその除雪の範囲とか、やり方、機械の開発、非常にいろいろ問題がございます。そこで、まあ逐次必要な歩道の除雪確保の体制を確立したいということで、まあどういう形で除雪を進めていったら一番いいかというようなことを十分調査したいということで、実は四十九年度調査費を計上いたしておりまして、これで歩道除雪機械の問題、それから範囲の問題、手法の問題、それからさらには除雪単価の問題を十分これから検討いたしまして、逐次そういう体制に持っていきたいというふうに考えております。
  91. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 あなたのいまの答弁は市街地の屋根の雪をおろしたことがその歩道を埋めているという、それもある。しかし、市街地でない、いわゆるたんぼや、はずれを通っている道路でもみんな埋まっている。全然処置してない。もう二メーター、二メーター五十の雪がたまっている、歩道に。これ全然、いわゆる車道のをあげて歩道に積んでそのまま。何ら対策してない。これが問題なんだ。先ほど言った車道優先、人間の歩道を全然無視している。これはやっぱりあなた問題だよ。と同時に、いま何か四十九年度に、きのう聞いたら二百七十万円とかの人道除雪機械調査要求——二百万、三百万でね、あなたこの大事な問題が解決するものでないんだ。これは誠意がない。建設省は少なくとも降雪地帯へ行ってみると、車優先、人間無視の、これがはっきり出ている。これはまあ亀岡君にあらためて聞きたいし、また強く要望したいと思っているのだ。しかし、先ほども言ったように、あなたがたがその気でないと、大臣がどんな答弁してみてもなかなかうまくいかぬから、まあきょうは言っておきます。これは早急にやらぬことには、幸いに先ほど冒頭言ったように、まだそのためによる人的被害が出てないのはもっけの幸いです。これはほうっておきますとかなり出てきますよ、今後。したがって、まあひとつ二百七十万なんというけちなことを言わないで、相当ひとつ思い切った費用をかけて、早急に調査をして歩道除雪の実をあげてもらいたいと思う。  もう一つは、私は行ってきまして感じたことは、ガードレールとか、それから場所によってはコンクリーのあれがありますね。コンクリーは別として、ガードレールを冬期降雪時には取り除くようなことができれば、これはいまの除雪機でできるわけだ、そういったことまで研究の余地があると思う。なかなかこれは問題だと思う。費用もかかるかもしれぬが、しかし最初つくるときにそういったことを考慮してやっていけばできるわけだ。この辺は考えたことないですか、建設省
  92. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) ガードレールの問題は雪国では非常にいろいろ問題がございまして、いま先生おっしゃった除雪のじゃまの問題と、それからまたガードレール自身が春の沈降圧によりまして雪がだんだんセットしてまいったときに、ガードレールが折り曲げられるというようなこと、それからブルドーザーで、除雪機械で一応傷つけられるというようなことで、非常に冬期間はいろいろな障害になるわけでございます。そこでいま先生のお話のように、取りはずしのできるような形も従来実験的には検討いたしておりまして、今後大いにそういうものを開発していきたいというふうに考えております。
  93. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 それはたまたまあなたの答弁だけでなくて、実際やってだね、検討して、これはやっぱし非常に大きな問題ですからね。  それから町村に参りますと、除雪機械の購入維持に非常な金を使っているのだな、各町村とも、非常に悩んでいる。ところが数が少ないために民間の業者に委託をしてやっている、非常な金を食うということで困っているのですが、何か聞きましたら、市町村のそういう除雪機械購入費はあまり補助がないそうじゃないですか。これはどこに入る、これは自治省、この関係は——、農林省……。
  94. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 建設省でございます。
  95. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 建設省でしょう−。それは県に対するかなり補助はあるが、市町村の機械購入はあまり補助はないと、あるいは全然ないといったようなことも聞いたのですよ。これはもしないなら、これもぜひ、大したものじゃないと思うから、将来かなりの補助を出して、各市町村に、市町村道が完全に除雪できるような状態にするための努力が必要だと思うのですが、いかがでしょうか。
  96. 上東公民

    説明員(上東公民君) 除雪機械につきまして、直轄それから府県のほうのその道路除雪というのが早かったわけでございます。市町村にりきましては、昭和三十八年から始まってまいりまして、現在の除雪機械補助の状況を申し上げますと、かなりの数を各市町村に補助いたしております。四十八年度までの実績を申し上げますと、大体市町村のほうからその除雪の援助もしくは雪の状況等に応じまして、要望のありましたのに対しましてはほとんど要望を満たしてきておるというような状況でございます。まあ今回の雪につきまして、除雪機械の、特に市町村のほうの要望が非常に強いわけでございますが、それにつきましては雪の状況等をよく考えまして、それからまた将来の機械の持ち方その他いろいろ問題もあるわけでございますので、それらを検討いたしまして、財政当局その他とも十分協議してまいりたいと思っております。
  97. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 いろいろまだあるのですが、委員長から時間の指定を受けておりますので、きょうは最後に、市街地における流雪効果、流雪溝の問題がだいぶんやはり聞きたかった、先ほど指摘したように、どんどん落としますと、どうにもならなくなってくる、なかなかトラックの手当てもできない、やはり何といっても市街地では流雪溝が一番いいんじゃないか、これは非常に金を食う。地方自治体ではなかなかできない。これは、流雪溝ですね、国の責任でぜひやってもらいたいという要望が、これは回りました各市町村全部出たわけです。何かやっぱり水を揚げて流さなくちゃならぬものですから、そういった費用かなりかかるということなんですが、どこか日本で、そういう豪雪地帯で流雪溝の完備した場所がありますかどうか。あるいはまた、いま言ったように国の責任として流雪溝を今後つくっていくというような考え方があるかどうか一言お伺いして私の質問を終わります。
  98. 浅井新一郎

    説明員浅井新一郎君) 流雪溝につきましては、大体新潟県下がかなり整備が進んでおりまして、完全とは申せませんがかなり整備が進められております。流雪溝とあわせて消雪パイプも新潟県下のほうは大体全国の五〇%程度のものがあるわけでございます。これは何といいましても、十分な量の水が、しかも比較的温度の高い水が十分得られるということと、それから気温が比較的あたたかいというか、というようないろんな条件を満たさないとなかなかできないわけでございます。そういう意味から北のほうの気温の低い秋田、青森等ではあまりそういう設備の実態が十分でございませんが、まあそういうことで流雪溝も条件が許せばなるべくこれは整備するというのは、これはもう除雪には非常に大きな効果を発揮するものでございますので、そういう条件を求めてなるべく積極的に整備してまいりたいというふうに考えております。
  99. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 水産庁長官がお見えになっておられますので、先にそのほうから質問をいたします。それと運輸省港湾関係の方、ひとつ一緒にお願いしたいと思います。  御存じのように岩手県の宮古あたりは三十年ぶりの豪雪があったわけであります。特にいままでの豪雪雪害対策につきましては、私の前の三人の委員の方からそれぞれの立場で質問をされておりますので、私は水産関係の問題、それから港湾関係の問題につきまして質問をしたいと思います。  私のほうからあらましの経緯といいますか、様相といいますか、そういうことを申し上げておきまして、それに対するお考えの御答弁を願いたいと思います。  まず、場所が宮古の、岩手県宮古市でありますが、宮古市の津軽石、   〔委員長退席、理事川野辺静君着席〕 高浜港、高浜湾といいますか、金浜もありますし、それから白浜もかかえた一つの湾になっております。そのところはノリ、ワカメの主要な養殖産地であります。いつも被害をこうむるのは、その高浜とか金浜のほうが最もひどい被害を受けている。といいますのは、現在運輸省のほうで藤原岸壁を、五万トンの岸壁をつくっている工事を五カ年計画でやっております。それをやったために潮流が一部変わってきていて養殖の問題に、湾の状態に影響されているところもあるわけです。ですから、潮流が変わってきますと勢い養殖する種類も考えなきゃならないと思います。まあそれはそれとして、岸壁工事が五カ年計画で進んでおりまして、津軽石というところの高浜にノリ舟の避難港をつくるために計画を立てているようでございますが、これはまだ具体化していないわけであります。これは地元の漁民は、もう再三再四ノリ舟の避難を、ノリ舟を安全に運航するために、漁業が操業ができるように、何回となく県にも陳情しているわけですが、依然としてできていない。漁民の人たちは、それで何とか自分たちの力でできる範囲のことをやって、自分たちの生活権、漁業操業を安全にやっていこうというふうに苦労しているわけです。   〔理事川野辺静君退席、委員長着席〕 この豪雪の前には、やはり風浪が——さっき申し上げました岸壁をつくっている関係で風浪の関係の潮流が変わってきているわけです。それで、その土のうの防波堤までつくろうとしているんですね。  こういうものですね、こういう袋にどろんこを入れて、小砂利を入れて、土のうを築いていた。写真をお見せしますけれども。お見せすれば一番よくわかる。これは、港湾関係の人も一緒に見てください、こちらへ来て。  これがいまのこの袋でございます。これに砂を入れているわけです。そして、沖合いのほう、ここのこの辺から湾を出そうという計画はあるようなんです。それができてないんです。ちょうどこれもこれも同じです。こっちのほうですね、こういう形で五百メーターと百五十メーターの避難港をつくるという形で、つくろうとしているわけです。それがなかなか進まないために、自分たちがもう安全操業ができないために、こういう袋をつくって、針金で結んで防波堤にしようとして、彼たちのなけなしの金で——百五十万といえば国家予算から見ればほんとうに少ない金でありますけれども、彼たちにはたいへんなものです。こういう思いをして、ノリ、ワカメの養殖をやろうとしているわけです。で、いま申し上げたこの地域が水門になっているわけです。雪が降って風浪がすごいものだから、舟をみんな中へ入れちゃったわけです。中に入れたら、今度はこういうふうに土砂が波で送られてきて、そして水門を埋めてしまって、出ることが出られないで、ノリ舟がずっとあるわけです。こういう事態で操業が全然できないという形が現状なんです。これが水門の出たところです。こういう状態で砂がまた今度は一ぺんに海を、湾を埋めてしまうものですから、ノリもワカメもできなくなってくるわけです。それで、今年度のノリ、ワカメの養殖が壊滅であるということを、現地に行って見てきました。これはネガが私のほうにありますから、これは参考に置いていきます。これも参考に置いていきます。こんな布で砂利を入れて置いたって、一挙の波で全部取られます。だから、もう手の施しようがない。これは、港湾事業として大いに私は考えてもらいたい。  そこで、いま申し上げましたように、この被害額につきまして、長官の知っておられる範囲のことを御答弁願いたいと思います。
  100. 内村良英

    政府委員(内村良英君) 私のほうで県から聞いておりますところによりますと、たしか資料といたしまして先生に二月十三日現在のやつを差し上げてございますが、その後、二月末現在、一番新しい数字で申し上げますと、若干被害額がふえております。ただ、これは宮古市全体でございまして、津軽石だけではございませんので、あるいは津軽石につきましてはさらに津軽石だけの被害を調べなきゃいかぬわけでございますが、私どもの持っておるのは宮古市の被害でございます。それによりますと、漁船被害が約百八十九万円、それから漁具の被害が三十一万円。それから施設被害、これは養殖の施設でございますが、被害が、ノリが千六十五万、カキが百四十二万、ワカメが七千九百五十二万ということで、合計九千百六十万円の施設被害が出ております。  それから、養殖物の被害でございますが、これはノリが二千三百八万円、カキが六百四十万円、それから、ワカメの被害が十三日の数字に比べますと非常にふえまして一億九千七百四万円と、こういうことになっております。それから、ホタテの被害が六百六十八万円、合計養殖物の被害が二億三千三百二十万円と、合わせまして三億二千七百二万円の被害になっておるというふうな数字を持っております。これは、繰り返して申しますが、宮古市全体でございます。
  101. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 大体おもな養殖場というのはこの地域でやっているわけなんです。したがって、この被害額というのは、これの九〇%ぐらいはほとんどこの地域になっておるわけであります。そういうわけで、漁民は何とかしていっときも早く操業ができるようにという、これが何よりの願いなんです。ところが、先にやらなきゃならないのは港湾関係の避難港といいますか、それらに対する計画がどんなふうになっているのか、そしてまた、いま水産庁長官御多用なことだと思いますので、これの補償につきまして、いま数字が出てまいりましたけれども、どういうふうに善処されていかれようとしておられるのか、そのことの親元だけお伺いすれば、あとは関係課長さんなり、審議官の方の御答弁を、今度技術的な面で御相談をしたいと思いますので、その責任ある、先ほどの全部の被害が四億円に近いという、これに対する補償の考え方をどんなふうにしてやってやろうかというお考えを承っておきたいと思います。
  102. 内村良英

    政府委員(内村良英君) まず漁港施設でございますが、漁港施設災害復旧につきましては、現地の準備が整い次第査定を実施することで進めたいと思っております。  それから、養殖物の被害に対する対策でございますが、まず第一に、いわゆる漁業の災害補償制度、すなわち共済がございます。これをまあ共済に加入している人たちにはこの共済金をなるべく早く払うようにしたいということで対策をとりたいと思っております。  それから、さらに、個々の養殖漁家の損害でございますけれども、この施設につきましては、さらにいわゆる公庫資金の主務大臣災害復旧資金というものがございます。さらに、ことしは漁業の近代化資金のワクも少し残っておりますので、養殖施設被害につきましては近代化資金である程度対応できるわけでございます。そこで、ワカメならワカメ、物の被害につきましては、実は沿岸漁業経営安定資金というものが、これが公庫資金の中に、農業の自作農維持資金みたいな資金でございますがございますので、この資金融資いたしまして対応したい。この資金は従来貸し付け限度額が一漁家五十万円でございましたけれども、ことしの四月一日から今度百万円になりますので、そうした資金を使って災害漁家の経営の安定に資したいと、こう思っておるわけでございます。
  103. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 その共済に加入している者、また加入しない者もまちまちでございますが、大体二百戸ぐらいございますから。そして、何よりも金を貸す制度は、先ほど近代化資金等のお金は余裕があるとおっしゃっておられますけども、この事務的なことが非常にやっかいなんでございます。それでまた、自分の手元へ来るまでに容易じゃないわけです。こういう点なんかは、まあ長官が直接関係じゃございませんから、所管が違いますけれども、やはりせっかく長官がお見えくださったんですから、その関係所管の人に、特にやってやるようにお骨折りを私は願いたいと思います。いろんな制度がございますけれども、なかなか漁家の人たちは、漁業組合を通じてやれる人はいいんですけれども、組合に入っていない個人の人っていうのは、どう手を打っていいかわからない人が多いわけなんです。そういう点につきまして、県なり市なりの関係所管のほうに行政指導、あるいは通達なり何かを出して、こんなふうにしてやってくれと、こんなふうにしてやれと、そして、あそこに住んでいる漁民は、一年間だめなんですから、生活の保障というものをしてやって、来年は操業ができるように、このいま御答弁がありましたように施設関係も、こんなふうにいつごろまでにはしてやるから来年はひとつ安心して操業できるようにしてやると、こんなようなことを長官の立場から機関を通じてお骨折りを願えれば私は非常によろしいんじゃないかと思うんですが、この点いかがでございましょう。
  104. 内村良英

    政府委員(内村良英君) 県当局ともよく相談いたしまして、対策に遺憾なきを期したいというふうに思っております。  それから災害資金につきましては、先生の御指摘のあったように、なかなか出ないという面もございました。しかし、私の聞いているところでは、最近かなり事務手続も簡素化されて早く出るようになっているようでございますが、なお一そうの努力をしたいと思っております。
  105. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 それじゃ長官、どうもありがとうございました。  いまの点で、運輸省港湾関係の方にお伺いしますが、藤原港湾の問題ですね。あれはいつ完成しますか。そしてもう一つは、いま申し上げましたこの津軽石の高浜の出っ鼻のところですね。どんなふうな計画立てておやりになっていこうとするのか御説明願いたい。
  106. 鮫島泰佑

    説明員(鮫島泰佑君) まず、藤原地区でございますけれども、現在まで工事を進めてまいっておりますけれども、この地区につきましても、宮古港全体の将来ということを考えますと、さらに事業というものを進めていかなければいけないというふうに考えておりまして、したがいまして、何年までにこれが完了するというような見込みをいまつけることはちょっと不可能かと思っております。  それから高浜地区のことでございますけれども、これは先生御承知のとおり、現在は港湾区域の中に入っておりません。しかしながら、県がいろいろ考えてまいりまして、このたび港湾区域を拡張いたしまして、まあ県がたまたま港湾管理者でもございますので、こちらのほうの整備に着手をしたいという計画を立ててまいったわけでございます。で、これ、宮古港、重要港湾でございますので、運輸大臣が港湾管理者に計画の提出を求めることができる、そしてそれを審査するという仕組みになっておりますので、実はこの高浜地区の港湾計画は、そういうことで非常にまとまってまいったというふうに聞いておりますので、二月の二十日付をもちまして、運輸大臣から港湾管理者に対しまして港湾計画の提出を命じたわけでございます。これは間もなく提出されてくると思いますけれども、それに従いまして、まあ私どもの予定といたしましては、今月中と申しますか、今年度内にその計画の審査を終えまして、四十九年度予算からこの地区に着工したいというふうに現在では考えているところでございます。
  107. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 なお、いまの御答弁で非常に私は意を強くしたわけですが、ただ、言われて県のほうから来なければそれをやっていかないというふうな制度の形になっているから待っているんだというふうなことでなくて、私は現地見ましてすぐにおたくのほうへ電話をしたわけです。それから水産庁のほうにも電話をしたわけです。現場見てきたからひとつこの問題についても十二分に善処してもらいたい、進めてもらいたいということ、そのことを申し上げた。そのときにもいまのようなお話がございまして、県のほうの要請があって、早く言えばこっちが動くんだという、そういうたてまえにはなっていますけれども、何も待たなくても、現実の事実を認めていきながら進めていくのがほんとうの意味の行政のあり方じゃないかと、こう思うわけなんです。そこでいまお話伺えば二月一ぱいに、きのう一ぱいに大体その話が審議会のほうにいくということでございますので、で、年内にできるということであれば——年内に完成しますか。
  108. 鮫島泰佑

    説明員(鮫島泰佑君) 最後のところから申し上げますけれども、先ほど申し上げましたのは、この年度内に運輸大臣としてのこの港湾計画の審査を終えたい、そして四十九年度からこの地区に着工したいと現在考えているということを申し上げたわけです。完成とは全然違います。  それから、最初のほうの点でございますけれども、これは港湾法のたてまえから、すべての港というのは主として地方公共団体である港湾管理者が計画を立て、それをおつくりになるにつきまして国が補助、助成をしていくという立場でございます。この高浜地区の計画につきましては、一、二年前からだと思いますけれども、この地区の天然の船だまりであったわけでございますけれども、その辺の事情の変化等ということから県がいろいろお考えになりまして、それがようやく地元の関係の方々とも了解がついたというのが現時点でございまして、それに伴いまして私どもは計画の提出を求めたと、こういう手続になっております。
  109. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 補助事業でありますから、いまこれから四十九年度の予算が衆議院通過して、そして予算通過した段階で四十九年度に入るわけですね。じゃそれからということなんですね。そうしますと、来年の操業ということはこれはまだできないというふうに思わざるを得ませんですね。そうなりますと、水産庁長官お帰りになりましたけれども、漁民の生活ということが、今度操業ができないということになるわけですね、来年も。そうすると、どうして生活権を守ってやるかという問題になってくるんですがね。漁民の人でさえお見せしました袋をこしらえて土のうをつくってまで何とかして自分たちの生活を守ろうとしているんですから、そこのところをお役所考えでなくっていけないものかということで、わざわざ水産庁長官にも来ていただいて御答弁願ったわけなんですが、どうなんですか。
  110. 鮫島泰佑

    説明員(鮫島泰佑君) まず、このたびの県が考えております高浜地区の港湾というのは相当大規模なものでございます。したがいまして、これが完成するのはとても一年とか二年というようなもので完成するような計画ではございません。したがいまして、現実の問題としては、この工事の完成ということと並行いたしまして、現実にもまだ天然の船だまりを形成をしているわけでございますから、そのあたりを考え合わせまして、現実の完成までの期間というものの手当てを考えていくべきことかと思っております。
  111. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 そのとおりだと思います。三カ年計画でやるわけなんです。それにしましても、三カ年計画だというふうに聞いておりましたけれども、それはどうかわかりませんけれどもね、完成するのはそうでありましょうけれども、操業のできる範囲のことはしてもらいたい、こういうわけなんです。そういうふうなことをここでお約束するというわけにもなかなかいかないでありましょうけれども、意のあるところをくんでいただきたいと私は思うのですがね。
  112. 鮫島泰佑

    説明員(鮫島泰佑君) 先ほど申し上げましたように、四十九年度の予算これからでございますけれども、それの特にやり方等につきましては、まだ実はこまかい打ち合わせをしているわけではございません。その過程におきまして先生お話の点、非常に重要なことでございますから、よく港湾管理者のほうと相談いたしましてこの事業実施していくようにいたしたいと思います。
  113. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 どうかひとつ御配慮を願いたいと思います。  次は、先ほど文部省関係の学校体育館の倒壊の話が出ておりました。文部省の大井指導課長さんでしたね、御答弁がございました。秋田県の話でございましたので私は山形県の話をしてまいります。山形県の倒壊のことにつきまして御質問しますけれども、先ほどの御答弁の中にいろいろ建築技術のことに対して指導をしているところであると、また指導していると、また設計上については日本建築学会とかあるいはその他の専門の学会等において設計上の研究もしているという御答弁がございました。そこでお伺いをしたいのですが、まず文部省の義務教育諸学校施設費国庫負担法という法がございますね。私ここに持ってきておりますが、これで木造または寄宿舎耐力度というものが昭和四十一年四月十八日の文部省令ですか、二十六号によって出ております。まあだんだんだんだん変わってきて昭和四十一年の四月十八日に第二十六号で変わってきていると思いますが、それからもう一つは、木造屋内運動場の耐力度のことにつきましても調査票というものができておりますね。鉄骨についてはどんなふうに考えておられるのですか。鉄骨についてはその基礎の積算量のこういう調査一覧表というものがございますか。軽鉄骨あるいは鉄骨そういうものに対して積算の基礎になるものの点数の計算型というものが出ておりますか。
  114. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) 木造につきましては、省令によって危険建物の点数を計算するという方式がつくられておるわけでございますが、鉄骨につきましてはそのようなものは現在ございません。
  115. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 そこが問題だと思うのです。そのようなものがない。木造についてはそういう積算の基準の点数を四千五百点とか五千点とかという先ほどの答弁の中にもありました、ことしから五千点にしたいという御答弁等もありましたけれども、鉄骨はやらなくてもよろしいんですか、まずそれ聞きましょう。
  116. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) 鉄骨につきましては、木造と基本的に違う点がございますわけでございまして、木造の場合は経年とともに腐朽をいたすというような点がございます。鉄骨につきましては塗装等によって維持管理を適正に行なうとすれば、かなりの年数に耐えられるというようなことがございまして、これにつきましては現在定めてないという実情でございます。
  117. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 その塗装によって長年のカバーができるなんて、それはちょっと私は責任ある人の答弁とは受けとめがたいのですが、今度は鉄骨の体育館が倒壊したのじゃないでしょうか、どうですか。
  118. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) 鉄骨につきまして、さびなどで著しく腐朽をいたしておるものにつきましては、そのつど調書を出していただきまして、実情に応じた補助をいたすというたてまえになっておるところでございます。
  119. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 木造に耐力度調査票というものをこしらえておって、鉄骨につくってないという、そこから問題が出ておるんです。基本的な法に対する考え方というものは改めなければならない重大な時期に私はきていると思うから申し上げるのであって、今回の、一緒にあなたも私も同じ現場へ行って同じように見てまいりました。ですから、ことさらに私は申し上げたくありません、現場のことにつきましては。あのときにあなたも一緒においでになられて、私は図面を参考に見たいと委員長に申し入れて、委員長も要請をして、その図面が私のところへ送って届けられました。図面だけきましたので、今度は当時の積雪量と比重というものはどうなったのかということが出ていませんでしたから、また問い合わせしたんです。そしたら昨日、おそくなりましてそれが届けられてまいりました。で、一応私は図面を検討いたしました。検討ったって長い時間じゃございません、きたのが間近ですから。ですから、構造問題というものはこれからやらなければなりません。はたして構造がいいとか、悪いとかということは、これは何とも言えません。何とも言えませんけれども、一応当日の積雪量というものははっきりしてまいりました。その荷重計算によりまして、張力のモーメントの問題等いろいろございます、技術上の問題とすれば。そういうふうな計算はこれからしなければなりません。私はきょう、この際、委員長にお願いしたいのでございますが、構造計算と、それから積雪量の比重計算、それがどのように鉄骨の建物に対して与えているかという、それでまたあの建物、豊田小学校でございました。豊田小学校体育館倒壊事故、豊田小学校のことにつきましてのみしか図面がきておりませんので、先ほどの秋田のほうのあれはまだ届いておりませんのでわかりませんけれども、それも同じように取り扱っていかなければならないと思いますが、この構造計算をしていかなければ将来の大きな問題になるやもわかりません。また、積雪というものに対してどうあるべきかということもこの際徹底的にメスを入れて、二度と事故のないようにしなければならないと思いますと同時に、この日は豊田小学校はちょうど休みの日だった。一人もいなかった。休みの日だったから、一挙にして倒壊したのですけれども、人的被害がなかった。先ほども沢田委員がわずか十五分、あと倒壊したあとの五分後、この短い時間の中にあの事故が起きたために助かったんだというお話がありました。これも同じように、非常に文部省といいますか、全人類的に考えれば、人間尊重ということに考えれば、人命の被害を与えなかった、損害を与えなかったということはたいした不幸中の幸いだったわけです。こういうことが続けられると困りますので、どうかこの際委員長、これを専門家に計算させるように、文部省は文部省でやるだろうと思いますが、委員会は委員会としてやれるかどうか、ひとつ御研究願って、もしできるならば別途の立場で専門の学会のほうに出して調査をしてもらうというふうに私は委員長にこの際お願いしておきたいと思うんです。あとでお考えをお願いいたします。
  120. 秋山長造

    委員長秋山長造君) ちょっと委員長から申し上げますが、いまの点は、私どもも現地を見まして非常に重要な点だと思いますので、ただいまの宮崎委員の御提案については、後刻理事会で善処したいと思います。御了承願います。
  121. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 そういうことで、構造計算ということも確かに大事なことになってまいりますが、基本的な立法上、行政上問題なのは、いま私が申し上げました鉄骨に対する考え方というものが非常に甘いということです。しかも、もう一戸倒れているのは建って十年でしょう。建設して十年ですよ。十年でつぶれているという形のところもございました。それは先ほどの話の中のものです。そういう点から考えまして、この文部省の義務教育諸学校施設費国庫負担法という中の別表ですか、別表のことにつきましては法を改正するとか、何か考えていかなかったならば、鉄骨に対する考え方をこの際明確にする意思があるかどうか、専門家の技術屋さんとして、担当者としてのお考えを伺っておきたいのです。またお考えが即文部大臣の考え方に私はなると期待しておりますので、よろしく御答弁を願いたいのです。
  122. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) 従来の施設整備の経緯から申しまして、戦後非常に木造建物が圧倒的に多かったというようなことがございまして、当面木造建物を鉄筋化するということで従来整備を進めてきたところでございます。屋内体育館につきましても木造のものを鉄骨に整備をいたすということで進めてきているところでございまして、鉄骨の建物につきましては比較的新しいものが多いという状況にございます。今回の倒壊の原因等につきましては、現地の調査あるいは専門家の御調査によらなければならないと考えられますが、これらの問題点につきましては、私どもとしては十分解明をして、今後の対策を立てるということに役立てたいと考えております。しかしながら、この鉄骨の建物につきまして何か基準をつくるということにつきましては、かねがね鉄筋等も含めましていろいろ検討しているところでございますが、技術的に非常にむずかしい点もございまして、今後の検討課題であろうかと考えているところでございます。
  123. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 やはり今後の研究課題だと、それは確かに研究課題にしていただかなければなりませんけれども、とにかくないのですから、まだ立法の、施行のあれがないのですから、木造につきましても私は問題が一ぱいあるんです。言いたいことが一ぱいあるわけです。と申し上げるのはこれの基準でございますね。一万点を立てて、それで現在は四千五百でございますね。今度それを五百ふやして五千にしていこうという、先ほどの五千にしたいという、四十九年度からするとおっしゃいますけれども、外から形見たんじゃわかりゃしませんですよ。それから特に申し上げたいことは、積雪地帯の校舎と分類できてないんですよ、これ。これはもう私がお見せする必要がないんです、お手元にありますからね。お手元にございますね。これは木造校舎または寄宿舎の耐力度の調査票というのが出ております。これは出ております。ずっとこまかい計算が一ぱいできるようにできているんです。ですから、もうそれこそコンマのコンマの何かというぐらいのことしか違いのないところだってあるんです、計算出てきますよ。それとこれの中には積雪に対する腐朽率というものの算定をどのくらいにみていかなきゃならないのかということが具体的に明記されているかどうかということ。積雪地帯じゃないところと同じような考え方、また積雪地帯でも指定地域になっているようなところは特に違うわけです。この尺度の、同じ土台の腐っているという見方でもずいぶん違うわけなんです。こういう点から考えまして非常に危険校舎が多いわけです。先ほど御答弁にございましたね、六百万平米と御答弁ございましたね。たしか私そう聞いていましたけれども。危険校舎だというところにまだ手が伸びてないんだというような御答弁だと思うんですがね。これは重大な問題だと思うんですよ。この際、私の申し上げたいのは、全国の小中学校の総点検をやるべきだと。そしてわれわれの次の世代をになっていく児童に安心して学校教育が受けられるようにしていかなければいかぬと思いますね。どうなんでしょうか。
  124. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) 学校施設の建設に際しましては、建設基準法その他の法令の規定に従いまして、私どもとしましては新しく建てられるものにつきましては、適正な建設が行なわれているというふうに考えているところでございます。しかしながら、古いもの、先生の御指摘になりました非常に老朽化いたしたもの、これにつきましてはやはり児童生徒の生命の安全を確保するということが第一義でございまして、そういった見地から積極的に危険校舎の解消ということに取り組みたいという姿勢で従来対処してきているところでございまして、この問題につきましては、今後ともより一そうの努力をしていきたいというふうに考えております。
  125. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 努力していきたいというだけで、これはもう済まされないと思うんです。確かに努力しなくちゃいけませんけれども、非常に心配です。  で、もう一つ、非常に木造校舎の火災が多いということなんです、全国的に。私がかつて地方議会の議員をやっているときでも、その地域でもだいぶん火災がございました。原因不明の火災が非常に多いんです。小学校、中学校の木造校舎の火災というものが非常に多いんです。この火災件数なんかもお調べになって、これは消防庁じゃございませんので、その直接の原因とか、どうだとかこうだとかということはおわかりにならないかもわかりませんけれども、火災で木造校舎がどれだけ焼けているか、その内容ですね。放火とかあるいは原因不明であるとか、漏電によるものだとかというようなこともお調べになったことございますか、文部省で。
  126. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) 文部省が補助金を出しました建物につきまして火災が発生したものにつきましては、県のほうからそのつど報告を受けるというたてまえになっておるところでございますが、しかしながら火災の実態がぼや程度というような非常に小さな事故で済んだものにつきましては、必ずしも報告が参ってないというようなこともございまして、正確な数字ということになりますと、ここで幾らということで申し上げられないという実態であろうかと思います。  学校関係火災につきましては、公有物件災害共済団体火災予防事務協議会というのがございまして、そちらのほうで防火講習会などを行ないまして、防火知識の普及をはかっておるということで、文部省といたしましてそういった行事に対しまして後援をしておるということでございます。そちらのほうで調べました原因別の件数などにつきましては私のほうで聞いておるところでございます。
  127. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 これはまた資料として委員長、お願いいたしたいんですが、いまの全国的な、木造校舎が火災によるものがずいぶん多いんです。いまお調べになった資料があるそうですから、これはあとでまた資料提出をお願いいたしたいと思います。豪雪のほうの問題ですから、火災のほうはあと回しにしたいと思いますけれども、その御答弁がずれているんですね、一つは。  豪雪地帯の学校の耐力度点数というものと、それからそうでない地域の学校の耐力度点数というものの差はどんなふうにしてつけておられますか。
  128. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) 耐力度点数のとり方といたしましては、構造耐力、それから保存度、外力条件と、この三つの要素を組み合わせて点数を出すという仕組みになっておるところでございます。そこで積雪地帯の問題といたしましては外力の条件が問題になるわけでございまして、建設省の告示による多雪地区のところにおきましては、それなりの点数の計算上考慮が払われるというたてまえになっておりまして、具体的に申しますと、大体一般地区に比較いたしまして五百点程度の差が出るという結果になっております。
  129. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 その点数で、これはありますよ。ぼくも持って一生懸命見てますよ。この点数の計算の見方、しかたというのはこれは問題がずいぶんあるんです。口で一言で五百点というとずいぶん多いようですけれども、実際問題いうと、こんなつめの先のあかみたいなところまでの点数が出るようになっている。そうかと思うとごく大きいところもある。ですから、これは一がいに言えないと思うんです。五百点の立て方がこれはどことどこだということになるわけです。こういう議論をしていきますときょうじゅうやったってこれ終わりません。  じゃ積雪量の計算のしかた。さっきの問題もこうなってるんですよ、鉄骨の、あのときの豊田の小学校の分は、端的に言いますと、一平米当たりに四百五十キロですよ。ですから、三尺、三尺平方ですね。一平米当たりに四百五十キロの比重だっていうんですね。そういうやつが降っているわけです。先ほどほかの委員の方々からお話がありましたように今回の雪なんというのは、雪の下にうちがあって、雪からうちが出てるんじゃないんです。ですから、早く言えば雪にうちが埋もれているということなんです。除雪すればするほど、さっきもいろいろ答弁がありましたけれども、除雪すればするほど屋根の上まで雪がおおいかぶさってくるんです。それを取りのければまたその分だけまたおおいかぶさってくるんです。そういうところでですね、それじゃどういうふうな今度その土台の計算をしていくか、はりの計算をしていくか、筋かいをじゃどんなふうにして計算していくか。これは設計上の構造上の問題ですから、そのいろいろ構造上の問題で、建築基準法によって行なうということは、私も少しはかじっておりますからわかりますけれどもね、その点数をどうして見るかというこの積算表が出てるんですよ。この積算表でこと足りると思ったら私は間違いだということを言っているわけです。参事官もおいででございますので、どうでしょう。参事官のお考え。
  130. 柏木健三郎

    説明員柏木健三郎君) お答えいたします。  木造の校舎及び体育館等につきましての点数制度でございますけれども、まあこれは構造上、耐力上のことを主眼にしてつくりまして多少ずつ手直ししてきた制度でございまして、まあ建築というもの、いろんな面から御存じのように検討しなきゃいけないところが非常に数多い要素がございまして、いまの票が決して耐力をあらわす最高の方式であるというふうにはそこまでは考えておりません。御指摘のようにある部面、ある部面では比重の、あと先の問題といいますか、取り上げるべき比重の問題等もいろいろ御意見もございましょうし、またものによりましてはなかなか議論も分かれるところでございます。そういうことでございますので、こういった今回のような体育館の災害ということを考えまして、われわれとしましてはこれをひとついい方向にあとに持っていくための足がかりとして今後とも十分検討を続けてまいりたいとこう思います。
  131. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 それは確かにそうお願いしたいのです。というのはこれをつくったのは古いんです、もう。基準が変わってくるんですね。ですから今回の一つを契機にしてひとつもう一回これを、別表ですね、別表を見直していただきたい。そうしなきゃ私は今後積雪地帯の建築というものに対して非常に心配です。この点は建設省のほうともやらなきゃならないのですけれども、まあいずれにしましてもこういう建築のほうのことにつきますれば建設省が全部やればいいんです、窓口一つで。各省に建築の関係がみんな分散されているわけですよ。文部省は文部省でやっている。大蔵省は大蔵省で公務員住宅をやっているとかね。いろいろ各省機関の中に建設関係をやっているふうに分かれていますが、いまさらそれを一元化しろとは私はいまここで言ってもしようがありませんので申し上げませんけれども、いずれにしろこれは委員の間で十分に御検討願って、検討していただきたい。それを要望をもう一度申し上げておきます。  それから次に補助金の問題でございますが、要するに負担額ですね。負担額は今年度は、四十九年度小中学校の過疎地に対する危険校舎、危険改築に対しては三分の二に引き上げようとするというようなお考えですね。四十九年度、そうですね。
  132. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) 三分の二に引き上げる対象になりますものは過疎地帯のほうでございます。
  133. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 そこで、いま昨年、七十一国会でしたか、七十一国会で新築、増築については二分の一になったんですかね。そうじゃなかったでしょうか。
  134. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) そのとおりでございます。
  135. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 なぜ改築だけやらないのですか。改築だけなぜやろうとなさらないのですか。ただ、いま私のほうから申し上げたその小中学校の過疎地域に対するものは、改築に対しては四十九年度に三分の二をやろうということなんですが、過疎地帯でなくてなぜ一般にやれないのですか。
  136. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) 危険校舎の現状につきましては先ほど御説明申し上げましたとおりでございまして、なお危険校舎の面積が相当残っているという実情にございます。そこで、当面この補助の対象になる危険校舎の解消に努力するということで現在考えているところでございまして、とりあえず当面は財政力の低い過疎地帯、学校統合がすでに三分の二に補助率になっているという面もあわせ考慮いたしまして、三分の一のところを三分の二に引き上げるということで考えておるところでございます。
  137. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 学校統合等でと言うけど、それは、統合問題ではいろいろな角度でまた違いますけれどね。私のほうは私なりの考え方がありますので、これまた論議をすれば長くなりますので、これはまた後日にゆっくりやりたいとは思いますがね。いずれにしましても地方自治団体はお金がないんですよね。危険校舎だとわかっていながらも手つけられないんですよ。特に今回のような豪雪地帯になりまして、倒壊したあとの対策もすぐ立てたいわけなんです。すぐ金が要るわけなんです。それに対する指示をどんなふうに与えたか、それが問題なんです。
  138. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) 災害復旧につきましては、義務教育施設災害復旧費国庫負担法という法律がございまして、これに基づきまして三分の二の補助をいたすというたてまえになっております。今回の豪雪被害を受けた建物につきましては、現地から早急に復旧計画書を出していただきまして、直ちに現地調査を行ない、早急に金額の査定をいたしまして補助金支出するという手続をとりたいというふうに考えているところでございます。
  139. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 念を押すようですけれども、室内運動場ですからね、法律のほんとうの別表の名称というものはそういうふうになってますわね。それがすぐ要るわけなんですよね。すぐに使わなきゃならないんです、雪国のほうは。ですから、それがなければできないということなんです。児童の体育を持てないというわけなんです。ですから、要求があるとかないとかじゃなくて、すぐ手を打ってあげるという行き方でなければいけないということを私は言うているんです。その点についてどうなんですかということを伺ったわけです。ですから、この点について責任ある御答弁といっても、大臣がおいでになりませんので非常に残念なんですが、この災害委員会というのはよく各省の大臣が見えないんです。関係の事務の一番直接担当している方々ばかりがお集まりになるんです。これは災害対策委員会の特質だと思うんですが、それだけにまた一つ、私としてみれば強い訴え方ができると思うんです、実務をやっておられるんですから。実務をやっておられる皆さんの筆先でもって大臣が動いていくとすれば、皆さんの立場は非常に私はありがたいとも思っているんです。だけど、さてどうするかという責任問題となってきますと、これはなかなか一ぺんに御答弁できないので、またこちらも聞けないのがその点いささかちょっと悲しい思いをするわけなんです。ですから私はこういう技術的なこまかい問題を申し上げて、そうして二度と倒壊事故なんか起きて人的被害が起きないように、専門なら専門の立場でどこまでも掘り下げていって問題を究明していかなきゃならないという考えで申し上げているわけなんです。
  140. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) 豪雪によって屋根、外壁等被災した建物もたくさんございます。これらにつきましては、早急に復旧工事を実施しないと授業に著しく支障を来たすというようなこともございます。したがいまして、これらにつきましては国の現地調査前でありましても工事を現に実施しております。こういうものにつきましても国庫補助の対象とするということで処置しているところでございます。  また、豪雪地帯におきましては冬季工事が非常に困難であるというような面もございます。したがいまして、事業認定前の段階でございましても着工を認めるというたてまえにいたしておりまして、また面積の非常に多いもの、たとえば二千平米をこえるような程度のものにつきましてはあるいは二カ年に工期がまたがるというようなこともございます。このような場合でありましても、国庫債務負担行為を活用するということにいたしまして翌年度の事業分も合わせて交付を行なう、決定を行なうという措置を講じているところでございます。
  141. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 もう一つ申し上げておきたいと思うのは、豊田小学校の現実のつぶれた姿ですね、あれ専門家派遣なさいましたか。文部省から専門家を派遣して現実に写真なら写真をとってきて、そしてその積雪量なんかを計算なさいましたか。
  142. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) 現地調査は早急に行なうという予定と申し上げましたけれども、具体的に申しますと、新潟県につきましてはもう済んでおりますし、秋田県につきましては三月の一日から二日、山形県については三月の下旬に行なうという日程を立てているところでございます。
  143. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 いろんな御都合がありまして日が先になるのはわかりますけれども、実際問題として、倒壊したときに行って、ポストがどうなっているとか、あるいは筋かいがどうなっているとか、足の折ればどの辺の足の折れがあって、梁がどんなふうな形になっているか詳細な写真もとらなければなりません。日がたっていきますと形態がくずれていくんですよ。われわれが入っていくだけでも形態くずれていくんです。ですから、早く言えばもうすぐに行って現実の写真をとって、そうして二日目はこうだ、一週間日はこうだ、十日日はこうだというふうな動きをフィルムにおさめなければほんとうの精密な考え方というのはできないと思うんです。私ならそうするんですけどね。そういうふうに指示するんですけれども。  三月のいつお行きになるんですか、山形は。聞き漏らしましたけれども。
  144. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) 秋田県は三月一日、二日、山形県は三月の下旬でございます。
  145. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 ぼくは聞き漏らしたというのは、もう一度確かめたいと思って伺ったんですがね。
  146. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) 現地の写真につきましては、すでに県の教育委員会に対しまして詳細な写真をとるように指示をしてございます。
  147. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 三月下旬に行かれると言ったでしょう。きょうは三月一日でございますから今月の末に山形のほうは行く。なぜそういうふうに緩慢なんでしょうかね。緩慢と言わざるを得ないですよ。現地にまかせて——先ほどの沢田委員に対する御答弁の中にも、指導しているということをおっしゃったんですよ。指導しているといったらば、じゃ、指導しているんだから、向こうが悪いんだから、向こうがやったんだから、おれのほうは、指導したとおりやっていかなかったんだから責任は向こうだなんという、そういうふうにとれますよ。こういうふうなことが私は大事なことだと思うんです。  たとえば農林省のほうの場合には、融雪期が来なければわからないという逃げ手があるわけなんです。これは一つの逃げ手ですよ。実際やろうと思えば農林省の問題でもやること一ぱいあるんですよ、私から言わせれば。  委員長のほうから、時間を五時十分ぐらいを目途にしてくださいときましたからね。これはたいへんですよ。私は時間は二時間要求してあるんですが、きょうはもう五時だし、皆さん方もお疲れでございましょうし、ほかの関係の方もお疲れでございますから、一時間程度できょうはやめさせていただきますけれども、農林省の問題取り上げましてもこれは一ぱい問題ありますよ。いま文部省のほうですからね。申し上げましたように、向こうにまかしているからいいんだというんじゃなくて、先ほどの御答弁がありましたように、建築学会なら建築学会に設計書を見てもらうとか、こうだとかああだとかという御答弁があったんですから、こういう事故があるからどうかすぐ行ってもらえないだろうかといって技術者を派遣して、みずからの手によって調査するのがほんとうじゃないでしょうか。どうなんですか、参事官
  148. 柏木健三郎

    説明員柏木健三郎君) 御指摘のことでございますが、文部省としまして、おっしゃる現地にさっそく技術者を派遣してということでございます。そうすべきでもあるし、したいとも思ったわけでございますが、これはあとの言いわけにきりならないでたいへんしようがないんでございますけれども、どんな立会査定につきましても文部省、大蔵省の双方の立ち会いが要るというふうなこともございまして、いま大井指導課長から申し上げましたような日程を組まざるを得なかったわけでございます。これとは、おそらく先生の御趣旨はそういったこととは別に、非常の事態に応じて正式じゃなくても技術者を派遣して写真をとるなり、原因の究明の一助を自分たちで、文部省の立場で把握せいという御趣旨かと思います。これにつきましては、いろいろ私のほうでも考えてもいたんですが、結果として行っておりません。御指摘のこと、今後われわれもよく御注意として肝に銘じたいと思います。
  149. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 大蔵省と相談してということを言われておりますね。それも確かに法文の中にはございますね、施行細則にありますね。それはまあいいや——時間がもう限られてだんだんきちゃったものですから、法律の点からでももっと申し上げたいことがあるんですよ。大蔵省と文部省と相談してというのは、違う案件に触れると思うんですよ。それは別として、その論争をやるとまた長くなりますから、端的に言いまして、いま御答弁がありましたから私了承しますけれども、三月の末は了承できないんですよ。というのは、あそこの豊田小学校の場合、同じ形で全部腰が折れているんですよ。片方が全部同じ形態の筋かいのもとになるところが全部折れている。全部ずっとですよ。普通じゃないんですよ。ぺっちゃんこになるのが普通なんですけど、ぺっちゃんこにならないで片側だけの足が折れているわけですよ。で、よく南が解けて北が残って北がつぶれるということはあるんですが、木造の古い建築物になりますと、あったかいほうが日に当たって解けてきまして、寒いほうだけが残りまして、そして重量がかかって北のほうがつぶれるということはあるんです。だけれども、それとは私はいささか現場を見て違うんじゃないかと思っておるんです。そういういろんな災害時の事情というのがありますから、だから早くフィルムならフィルムにおさめて、一つはそういうことをやりながら、一つはその積雪量の比重計算をやり、建築物の構造計算をして、今度は二度と、すぐ建てる場合でもそういうふうにならないようにしなければならない、基礎をつくらなければならない、だから急がなきゃいけないんじゃないかと言っているんです。どうかその点を御配慮していただけるように、また、いやな言い方をしますと、文部大臣がそれを認めないというなら、文部大臣にこれから参りますよ。指導課長さんと参事官さんと一緒に私行って、現場になぜ三月の末じゃなきゃいけないんですかと、一緒に参りましょうか。そうして、いっときも早くやっていくことが対策じゃないんでしょうか。この災害対策は、先ほど長官の御答弁がありましたよね、総理府長官が。災害が起きたら二年以内に大体おさめていきたい方針である——長官はおいでにならないからこれは幾ら言ってもしようがないんですけれども、じゃいままでの水害なんかが起きた、集中豪雨で起きた四十七年の問題、江川だとか川内川だとかの復旧はどの程度できておるかということなんです。それは調査の段階がおそいし、また補償の段階がおそいし、やらせることが見積もりとったり、いろんな計画要素等がずれていくからおくれてくるわけなんです。だからいまここでおくれれば、一日おくれれば一日おくれるだけそれだけ延びるわけなんですから、どうか現地民の立場に立ってお考え願いたいと思うんです。皆さんがその立場で、皆さんが被害を受け、皆さんがその実際の立場になったらどう言われるかというんです。まだ、私はこんなことを言っておりますけれども、まだまだこれじゃ足りないと思うんです。現地の人の立場になってみれば、もっとおまえ強く言え、もっとおまえ強く言えってうしろからつつかれているような思いがするんです。そういうふうなことから申し上げているわけなんですがね。これは、ひとつお考え直しは願えないんでしょうか、どうですか。
  150. 柏木健三郎

    説明員柏木健三郎君) 御指摘いただきました現地調査の件でございますが、山形県の三月下旬の調査につきましては、部内に持ち帰りましてもう一度検討しまして少しでも早くできるように部内で検討いたしたいと思います。
  151. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 そういうことでひとつ持ち帰りまして文部大臣のところへすぐ行って、これはあした行かなければいけないと言ってくださいませんか。現地の人はもう——日にちは幾日だと思うんですか、あの倒壊したのは。いやあたいへんですよ。やっきとなっているわけですから。ですからその点をひとつお含み願ってどうかひとつお願いいたします。  それで文部省のほうの関係は終わりたいと思うんですが、ついでに国庫補助の件でございますが、先ほどちょっと言い残している点がございますが、改築のほうの過疎の地帯に対しては四十九年度に三分の二にするとはおっしゃいましたけれども、危険校舎ということが明々白々としておりながら、しかもどれだけあるということを文部省ではおつかみになっていながら改築の問題についてなぜもう少し強く大蔵省に要請できないんですか。きょうは私は大蔵省来なくてもいいと言ったものですから大蔵省の人来ていないのが残念ですけれどもね。この点なんかもひとつどんなふうにお考えになっていますか。
  152. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) 危険改築の補助率につきましては一応法律に基づく補助率でございまして、これにつきまして改めるということにつきましてはいまここで即答申し上げるわけにはまいらぬような状況にございます。先ほど御答弁申し上げましたとおり、危険改築につきましては予算のワクの拡大をはかるということでこれからも精一ぱいの努力をしていきたいというふうに考えております。
  153. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 その努力を私はうんと期待しておきます。もうエキスパートの皆さんがお集まりなんですから、申し上げるほどのこともないのでございますので、どうかひとつ積極的に取っ組んでいただいてその追加措置か何かできるようなひとつ行き方をお願いいたしたいんです。そうしませんと、皆さんのお子さまも私たちの子供たちも安心して学校にやれないということになるわけですから、どうかひとつその点を御留意を願って、きょうのことをひとつ大臣にようくお伝え願いたいと思います。大臣にお伝えしたかどうかということは、今度大臣にお会いして質問をするときに大臣が聞いたか聞かないかすぐわかるように質問をしてまいりますので、意地の悪い言い方をしておりますけれども、これは本心でございます。どうぞひとつよろしくお願いいたします。  それから、課題として経企庁のほうに、岩手県の湯田ですね、あそこに克雪センターというのがあるんです。御存じでしょう。克雪センターというのがある。あそこでせっかく克雪センターというものをつくっておきながら機能が発揮できなかった問題があるんです。その問題をいま御答弁を願ってもあまり私の期待できる答弁ができないと思います。そう断定しちゃいけませんと思いますが、おそらく私の期待する御答弁はなかなかできないと思いますので、今度六日の日の委員会のときにこの点について質問を申し上げます。  それから、農林省の方のほうに質問をいたしたいと思うこともございます。北海道の北見地方における飼料の関係、非常に高騰を続けている。しかも、この豪雪で輸送関係が非常に乱れてきた。さらに高騰を重ねているその実情。  それから、先ほども沢田委員のほうからも、またほかの方々からもお話しがございましたけれども、果樹のブドウにしましても、リンゴにしましても、どういうふうな野兎野鼠の対策を講じていこうとするのか、具体的な研究をひとつ御発表願いたいと思います。  そのほか農林関係ではまだございますけれども次回に譲りたいと思います。
  154. 秋山長造

    委員長秋山長造君) 他に御発言もないようですから、本日の質疑はこの程度で終わります。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時十四分散会      —————・—————