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茜ケ久保重光君 私は二十七日、二十八日と出形県下を、特に農村地帯を回ってまいりました。私は群馬県でありますが、群馬県もかなり雪が降る。特に山間部は二メーターぐらいの雪が降るのであります。山形県に参りまして、全県もう土の出る場所がない。これは全部雪におおわれている。しかも、平地であっても現在二メートル近い雪の中に埋まっている。あの状態を見まして、端的に申し上げて、よくまあこういうところに住んでおれるものだという実感をつくづく持ちました。土地の人は、これはもう、生まれたときからそういう状態でありますから、いわゆるあきらめといったこともありましょうが、われわれ、降っても五センチか十センチといったようなところに住んでいる者に比べると、いま申しますように、ほんとうによくまあ、ああいう場所にがまんをして住んでそれぞれの業務に精励をしておられるという気持ちを持ったわけでございます。と同時に、政治家としてそういう点を見ながら考えることは、何とかこれはやはり、積雪という——群馬、栃木あたりを
中心に北と南に分かれますが、栃木、群馬から南のほうに参りますと、これはまあ、部分的にはございましょう。しかし大体
豪雪地区ではありません。そういうところに住んでいる同じ日本人であるという中から、これはやはり特別な地帯であるから、政治はこれに対して特別な計らいをすべきであるということを感じるわけです。
豪雪地帯指定市町村というのがありますけれども、これは、指定はしておるけれども、国はこれに対して大した
措置をしておりません。今度も特別交付金が出ましたが、私の実際見ました町村におきましても、二千万円——その町の
除雪費は四千万円かかっている——
除雪費の半分にしか至らない、こういう実態であります。したがいまして、これはまあ、きょうは大体答弁者が
課長級の諸君のようでありますから、
基本的な問題は、これは別に論議をします。大臣なり局長諸君にひとつ出てもらって、
基本的な問題は別途論議をするし、いろいろ要望したいと思いますが、まあきょうのところは、そういった点を踏まえながら、具体的に、当面しているいろいろな問題点をついて、端的にそれぞれの担当の
省庁の諸君にお尋ねしたいと思うし、また、要望もしたいと思っております。
いま、沢田
委員からいろいろとお尋ねがありましたが、雪というものは毎年降るもんでありまして、
風水害等とはその質が違うわけであります。と同時に、
風水害などは、現に家が倒れる、あるいはがけがくずれる、あるいは水によってたんぼや家が流される、こういった
被害がすぐに出てまいります。これは一目りょう然。ところが、雪は解けてみないと実際の
被害がわかってこない、こういう点があります。したがって、融雪期に具体的な
被害がどんどん出てくるということでありますので、この
対策が毎年毎年非常におくれるわけですね。ひどいのになると、夏ごろにしかその
対策が出てこない。
そこで、冒頭にお尋ねしたいのは、これは自治省か農林省か、どちらかわかりませんが、雪は毎年降っているし、毎年
被害が出ている。特に
豪雪といわれた時期、最近では
昭和三十八年と四十二年のようであります。ことしはその
昭和三十八年、四十二年の
豪雪を上回るようであります。したがって、三十八年、四十二年というような
豪雪といわれたときがあるのでありますから、これに対する一つの
被害の実態や記録はあるわけですね。そこで、そういうものを基準にして、国は、融雪期を待たずにそれぞれのいわゆる
被害に対して——あとからいろいろと具体的なお尋ねをしますが、あらかじめ
支出をする用意が私はあってしかるべきと思う。でないと、いま言ったように、融雪期を経ましてから
調査をしていろいろとするんでは、非常に時期を失して、同じ
補助金なりあるいは特別交付金なり、そういったものを入手しても手の打ちようがなくなってしまうという実態がある。したがって、まだ雪の解けない現時点において、そういった前例による一つの
調査基準によってそれぞれの
施策が講じらるべきだと思うんだが、そういったことをやる——現在の状態ではできなければ、そういったことを今後、これはもちろん立法の
措置が必要ならば、われわれが
議員立法なりその他のことを考えて当然立法化することもいたしましょう。当局としては、そういうことは現時点ではなし得るかどうか、また将来そういったことを考慮して
対策を立てる意思があるかどうか、そこをお伺いしたいと思う。