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説明員(
服部経治君) まず第一点、このようにして
防止対策を
強化したことによって
ハイジャック事件というものを
未然に防止し得たかどうかという点でございますが、これは非常に
お答えがむずかしい点でございますけれ
ども、従前、たとえば昨四十八年におきましては、年間に全国の
空港で一万四千件強のいわゆる
凶器ないしは
凶器たり得るような物件を発見いたしておりますが、
新型の
検査機器を導入いたしましてからの実績でございますが、ちょっと全国的には数字を私
承知しておりませんが、たとえば羽田の
空港だけで見ましても、月に約一千件のそういった
凶器等を発見しております。したがいまして、これから類推いたしますと、かなり
凶器等の
発見率は大幅に向上しておるというふうに申し上げてよろしいんではないかと思います。
それから、この
ハイジャック防止対策の
盲点ということでございますが、これはあまり詳しく申し上げることもあるいはかえってどうかというふうにも考えられるのでございますが、私
ども一番いま心配いたしておりますのは、
先生もうよく御
承知のことと思いますが、本年の三月に日航の
沖繩線で
ハイジャックが起こりました。あの
ケースに見られますように、あの場合、
犯人は一切
凶器を所持しておりませんでしたが、あたかも自分が
凶器を持っているがごとくに装いましてあの
乗務員等を脅迫して
奪取に成功したわけでございまして、ああいうふうな形で起こってまいります
不法奪取につきましては、現在のところちょっと有効な
防止策がないのではないかというふうに心配いたしております。
それから第三点でございます。私
どもこれからも一そうあらゆる方面でこういった
防止対策の
強化をはかってまいりたい所存でございますけれ
ども、何ぶんこの
防止対策と申しますのは、御
承知のように
お客さまそれぞれ個人の
所有物である手荷物を開披する、あるいはそのからだに触れるようなかっこうでボディ・チェックを行なって
所持品の有無を確かめるというような方法でありますために、
お客さま方の中にはそれをかなり不愉快にお
感じになる方が当然多いだろうと思う次第でございまして、そういう
意味から申しましても、こういった
防止対策を一そう徹底するためには、こういった
ハイジャック防止対策の実施の
重要性ということにつきまして国民の皆さまの深い理解と協力を得ることが何よりも必要であるというふうに考えておるところでありまして、この面につきまして今後とも
特段の努力を続けてまいりたいというふうに考えております。