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委員長(
野々山一三君) この際、
委員長から
亀岡建設大臣並びに小坂総務長官に閣僚として、私は
委員長として若干の
質問をいたしますので、御了解をいただきたいと思います。
実は五月十六日、本委員会におきまして、
国土利用計画法案なるものを採決いたしました。
当日、総理
大臣は、NHKの「総理にきく」という時間で、国土利用
計画法は内閣が提出いたしております国総
法案と名前が変わっただけで中身は変わっていないと発言をされました。このことが
国会の
審議にたいへんな紛糾を来たしたことは、
政府関係者並びに委員各位十分おわかりのところでございます。まことに立法府たる参議院といたしましても、また提案者たる
衆議院といたしましても、行
政府と立法府との間におきまして全く見解を異にし、
法律の目的及び性格ないしは方策について異にすると委員会で
審議されました
国土利用計画法案でございますものを、名前が変わっているだけで中身は変わっていないと言われたことは、紛糾が起こることは当然であり、憲法の精神に照らしてあるべからざる行為であることは、私が申し上げるまでもないことであります。
本案の採決及び本会議におきます報告が
委員長に一任されておることは、すでに各位御案内のとおりでございます。しかし、問題の性質上、紛糾をいたしました
現状にかんがみて、実は、本日、
建設委員会といたしましては、理事
全員の皆さんに報告書の原文全文をお渡しいたしまして、これは
委員長のかってな裁断による報告書ではないと御了解をいただいたところで、まさに私としては公正を期したつもりでございます。そして、立法府たる院の意思というものを生かすことこそ憲法を守ることである、かように
考えたのは、きわめてまた当然なことだと心得ております。
議院運営委員会は、この紛糾状態にあります
国土利用計画法案を十七日の本会議で採決なすべきものを議長の手元によって後日に譲られまして、その紛糾処理に当たったことは、これまた御承知のとおりであります。本日、議院運営委員会から、建設
委員長として
国土利用計画法案なるものの
審議の経過及び結果について報告をするようにと招致を受けました。
この際、あえて申し上げておきますけれども、その議院運営委員会に対します私の報告なるものも、全文を関係理事諸君の閲覧をいただき
同意を得たものと解して、私は、一言半句間違いなくこれを朗読して報告にかえたのでございます。二階堂官房長官は、この報告に対し、建設
委員長の報告は、まさにそのとおりのものであり、これを確認するとの発言がなされたのであります。
そこで、問題は、ただいまここにございます一部新聞——といっても、このまんまでございます。この中で、本日の閣議におきまして国土利用
計画法と国総法とは名前が変わっただけで中身は変わってない、テレビで発言したことは何が悪いのだという趣旨の記事が載っておるのでございます。
さらに、これは閣議の内部上のことでございますので伺うわけでございますが、閣議内部では両論があったやに報道されております。けれども、田中首相は、ここは新聞を朗読さしていただきますが、「田中首相は二十一日の閣議の席上、「参院選後の夏の臨時
国会は一、二日ぐらいで済むようにしたい。その臨時
国会には、あまり
法案を出さないようにしたい。このため、各閣僚は今の
国会に提出してある
法案は、今
国会中に決着をつけるようにしてほしい」と要請した。これに対し一部の閣僚から「首相のテレビ発言で大変影響を受けている」という発言があり、首相は繰り返して
国土利用計画法案に対する
考え方が変わっていない」との発言があったと報道されておるのでございます。
小坂総務長官並びに
亀岡建設大臣は、関係所管
大臣であると同時に
国務大臣でございます。もちろん閣議に出席していらっしゃったことだと解します。間違っていたら訂正を願います。
先ほど申し上げました
国土利用計画法案に関する総理の発言及び内情は真実であったのかどうかということについて第一、第二は、私は議院運営委員会に招致を受けまして、すでに申し上げましたとおりに、全文を委員会、つまり院の委員会としての意思を体して一言半句間違いなくこれを報告したのでございますが、もし一部新聞に報道されておるような事実が事実だとするならば、一体、院の立場にございます委員会並びに参議院というものは、総理の意思と報道されているのが事実とすれば、総理の意思と立法府たる院の意思とがこれほどにまで紛糾に紛糾を重ねることはまことに残念でございます。おそらく各委員ともどもに
同意されるところであろうと私は信じます。
そこで、両
国務大臣の本件に対する真実の問題と同時に所見を伺い、そしてあえて申し上げますけれども、できるならば、
政府部内及び院としての立場でいま紛糾解消のために努力をされている結果がほんとうにその価値を得られるようになりたいものだと
考えておりますので、第三にその所見について伺いたいわけでございます。
両
大臣の発言を求めます。
亀岡建設大臣。