○
衆議院議員(木村武雄君) それでは、私の立場から……。
私が
建設委員長になりまして、これを取りまとめる気持ちを起こした
基本的なものの考え方をまず
春日さんに申し上げます。
政府が立案したようなものは、大体
政府の人々は大小を問わず権力的な地位について
おいでになると、したがって、
政府がつくる、そして
提案した
法律はものの考え方が権力的になっておる、立案も権力的である。そういうような立場でつくられた
国総法案に対する野党四派の反対には私は同感するものがあると、それではいけないと、少なくとも
国土は
全国民のものでありまするから、
全国民がそこで住んで、そこで生活しておると、そういうような
国土に対するものの考え方というものはそういう考え方でつくられたものであってはいけない。そこで、各党というもの、おのおの党勢を拡張するために諸般の活動をして
おいでになる、そして各党には何十万、何百万という大多数の支持者が
おいでになりまするから、これらの人々の意見というものを全部この
土地規制法に集約いたしましたならば、ほんとうに国民的な
法律ができ上がるだろうと、喜んでもらえる
法律ができ上がるだろうと、特に国会議員というものは選挙を通してみんな国民に接触しておりまするから、ほんとうに大多数の国民の意見がこの
法律案に反映されるだろう、そういうような作業をすることがいいことだと、こういうように思いまして、私は取りまとめに努力したような次第でなんであります。そして、その各党の意見が全部集約されることをほんとうに懇願した。ほんとうに念願した。そのためには何カ月間も私は待機したのであります。そして、共産党にもこの
法律をつくることに参加してもらいたい、そのためには嘆願するような態度でも共産党に望んだのでありまするけれ
ども、残念ながら、あなたのほうがこの立案には参画されなかった。私は、これは非常に遺憾なことだと思っております。少なくとも法をつくるのだ、国民の法をつくるのだというのであったならば、その全責任は役人が持つよりも国民から選出された国会議員が持たなければならない。この立法に参画されなかったということは、私は、共産党の終生の恨事になりはしないかと自分は考えておるのであります。りっぱな意見を持って
おいでになります。そして、それだけ民衆に接触して
おいでになるのですから、法をつくったならば、つくってそれを施行するにあたりましても、それだけの責任はお持ちになるのに違いない。それで私は非常に望んだのでありまするけれ
ども、非常に残念なことであったと私はいまでも思っておるのであります。
そして、
春日さんの意見なんかを聞いておりますると全くりっぱな御意見でありまするけれ
ども、その御意見は全部三党の人々が、あなたのほうは脱落されましたけれ
ども、三党の人々は強くそれを主張されてこの
法案ができたのでありまして、この立法した法の精神だけは、脱落されたあなたの立場に立って誤解されないように私はお願いしたいのであります。そして、あなたもおっしゃいましたけれ
ども、
政治は芸術だ、そのとおりなんであります。
政治というものは非常に大切なんであります。法というものもまた大切なんでありまするが、やはり法には法のていさいがあるのだと、そのていさいをくずすような法というものはつくれないものなんでありますが、つくった法を今度運用するのは人にあるのであります。人にある、やはり法の運用は人にある。そうでありまするから、私は、百点満点にならなくても七十点でもけっこうでありまするけれ
ども、つくり上げましたその法、その法というものは人の運用を得て、そして国民から望むような、期待できるような法の運営をしてもらいたいと。やはりつくった
法律というものの運用は人にあるのでありまするから、今度は人が大切だ。せっかく国会議員がつくった法でありまするから、運用は人が大切であるといって、私は非常にその点は考えているのでありまして、
政治論も
政治の芸術論もあなたと私は全く同じなんでありまするけれ
ども、こういうことは、私は、これからもあることを非常に期待すると。そういう際は、自分だけの意見が入れられないからといって、大ぜいで相談するのですから、一から十まで自分の意見が入れられなければ脱退するのだとか反対するのだとか、そういう態度をおとりにならないで、私は、こういうような場合には、どうか共産党にも参画してもらいたいということを切にいま望んでおるような次第なんであります。
私たちのこの法と取り組んだ精神だけはどうか誤解なさらないように、一党の立場でお考えにならないで、国民の立場でお考えになって誤解なさらないように、私はあなたに、特に長老でありまするから、年代も同じでありまするし、これからそうお互いに生きられない人間同士でありまするから、どうか人を誤解なさらないように、法の精神を誤解なさらないように私はあなたに特にお願いしておきます。