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衆議院議員(北側義一君) お答え申し上げます。
先生も御存じのとおり、まず
国土総合開発法案が日本
列島改造計画の
実施法として第七十一
国会に提案されたわけであります。その後、七十一
国会におきましては継続
審議となりまして、そうして昨年の石油危機等もあり、やはりこの際、この七十二
国会におきましては、
土地規制、これはどうしてもやるべきであるというのが五党の
意見であったわけであります。そうして各党それぞれ
土地規制の
法案が出されまして、そうして
社会党、
共産党、民社党、公明党、この四党におきまして、四
野党案という七
項目の
土地対策の骨子をつくったわけであります。
簡単にその七
項目を申し上げますと、まず一番目は、その
土地対策の骨子の
趣旨であります。これはもう
趣旨は、こういう投機的取り引き、または異常な
地価高騰、また
乱開発、こういうものをどうしても防がなければならない、こういうところから根本的な
土地対策、これをつくらなければならないという骨子がうたわれておるわけであります。また二つ目には
土地利用の
基本原則、また三番目には
土地の有効
利用の施策、四番目には
土地利用の
基本計画、五番目には
土地の
許可制と
買い取り請求権の問題、また六番目には
土地の標準価格、七番目には
罰則、これが骨子でございます。
この骨子を
自民党さんに提示したわけであります。
自民党さんのほうは、
理事懇の場におきまして、その骨子を了とされまして、そうしていよいよその七
項目の骨子についての
自民党さんのお考えを私たちがお聞きしたような次第でございます。まず、
社会党の皆さんがその骨子につきましてお聞きになりまして、そのお答えが
自民党さんのほうからあったわけでありますが、そのお答えに対して一応私たちは了としたわけであります。ところが、残念ながら、四
野党のうちの
共産党さんのほうが
自民党さんに対して、
先ほど井上社会党の
理事さんのほうからもお話がありましたとおり、まず第一番目に、そのような中途はんぱなものではなくして
法律を出すべきである、その次に変わりまして、要綱を出すべきである、その次また変わりまして、具体案を出すべきである、こういうぐあいな話しがあったわけであります。
ところが、その当時、いわゆる
土地対策と申し上げるものは、
自民党さんのほうも国総法以外の
土地対策を持っておらなかったわけです。持っておられませんので、そこで、私たち
社会党、民社党、公明党の三
野党は、もしここでそういう具体的なものを出せと言うならば国総
法案が出てくるのではないか、事実、
自民党さんのほうの答えとして、いま出せと言うなら私のほうは国総
法案以外に出せないと、いまないんだから、国総
法案以外には
土地対策がないんだから国総
法案以外に出せないというお答えがあったわけであります。そこで、私たち、それは困ると、そのためにいま四
野党がここで七
項目つくったんだから、国総
法案を直ちに出してくれと言われることにつきましては、これはまことに私たちとしては困ることであると反対したわけであります。そういうことで、残念ながら
共産党さんがそこで離脱なさったわけであります。その後、
自民党さんを加えた社公民の四党でこの
法案作成に全力をあげたわけであります。
まず、その四党が特に留意いたしました点につきましては、
野党四党の七
項目を骨子として何とかつくってもらいたい、このことをまず御提案申し上げたわけであります。
自民党さんのほうも、それに対して、それを了とし、そうしてなおかつ
土地利用計画及び
土地売買
規制、こういうものが中央集権化につながらないような、いわゆる地方自治を守る、そういう
立場でひとつこれをつくっていこうではないか、この点も留意していただいたわけであります。
それから、御存じのとおり、昨年の
地価の公示価格の発表でもありましたとおり、三〇・九%、また、先般の本年の発表の分は三二・四%、こういうぐあいに非常に異常ないわゆる
地価高騰がされておるわけであります。金融引き締め等によりまして、最近は鎮静しておる、値下がりぎみである、こういうことは知っておりますが、一応の昨年までの状況はそういう状況でありますので、私たちがこの標準価格というものを高値安定にしたのでは、これは何にもならないと、せっかく金融引き締め等によりまして
地価が鎮静してきたのをまたここでぶり返すようなことがあるとたいへんである、このような点を特に留意して、
先ほどから答弁ありましたとおり、
取引売買価格の七〇%ないし八〇%、このように一応定めたわけであります。また、なおかつ
共産党さんが特に要望なさっておられました大企業の買い占め禁止、また大企業の買い占めた用地の生活関連事業に使うという問題でありますが、大企業という
規定一これは非常にむずかしいわけであります。また、中小企業はいいのか、こういう問題も触れてまいりますので、
一定規模以上の
土地についての売買については
届け出制、また
遊休土地の
都市計画決定をしたところの収用、こういう方面を私たち考えたわけであります。これにつきましても、この
法案におきましてそういう大企業という文句は抜けておりますが、大企業の
土地の買い占めが非常にやりにくくなる、また、やってもメリットがない、こういうように私たち判断いたしておるような次第でございます。
以上のような
経過でこの
法案を
作成してまいったような次第でございます。