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1974-04-04 第72回国会 参議院 建設委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年四月四日(木曜日)    午前十時十九分開会     —————————————    委員異動  三月二十八日     辞任         補欠選任      寺下 岩蔵君     大谷藤之助君      中村 禎二君     川上 為治君      沢田 政治君     上田  哲君  三月二十九日     辞任         補欠選任      大谷藤之助君     青木 一男君      川上 為治君     船田  譲君      古賀雷四郎君     桧垣徳太郎君      上田  哲君     沢田 政治君      前川  旦君    茜ヶ久保重光君  三月三十日     辞任         補欠選任      桧垣徳太郎君     古賀雷四郎君      青木 一男君     寺下 岩蔵君      船田  譲君     中村 禎二君     茜ヶ久保重光君     前川  旦君  四月二日     辞任         補欠選任      中村 禎二君     田中 茂穂君      前川  旦君     中村 波男君  四月三日     辞任         補欠選任      田中 茂穂君     中村 禎二君      中村 波男君     前川  旦君     —————————————  出席者は左のとおり。     委員長         野々山一三君     理 事                 大森 久司君                 古賀雷四郎君                 中村 禎二君                 前川  旦君     委 員                 熊谷太三郎君                 寺下 岩蔵君                 山内 一郎君                 春日 正一君                 喜屋武眞榮君    国務大臣        建 設 大 臣        国 務 大 臣        (近畿圏整備長        官)        (中部圏開発整        備長官)        (首都圏整備委        員会委員長)   亀岡 高夫君    政府委員        沖繩開発庁振興        局長       渥美 謙二君        建設大臣官房長  高橋 弘篤君        建設省計画局長  大塩洋一郎君        建設省都市局長  吉田 泰夫君        建設省河川局長  松村 賢吉君        建設省道路局長  菊池 三男君        建設省住宅局長  沢田 光英君    事務局側        常任委員会専門        員        村田 育二君    説明員        警察庁交通局参        事官       寺尾  繁君        防衛施設庁施設        部首席連絡調整        官        奈良 義説君    参考人        日本道路公団理        事        吉兼 三郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○参考人出席要求に関する件 ○建設事業並びに建設計画に関する調査  (建設行政基本施策並び建設省関係予算に  関する件) ○日本道路公団法の一部を改正する法律案(内閣  提出)     —————————————
  2. 野々山一三

    委員長野々山一三君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  三月十八日、中村禎二君が委員辞任され、その補欠として川上為治君が、三月二十九日、川上為治君が委員辞任され、その補欠として船田譲君が、三月三十日、船田譲君が委員辞任され、その補欠として中村禎二君がそれぞれ委員に選任されました。  また、三月二十九日、古賀雷四郎君及び前川旦君が委員辞任され、その補欠として桧垣徳太郎君及び茜ヶ久保重光君が、三月三十日、桧垣徳太郎君及び茜ヶ久保重光君が委員辞任され、その補欠として古賀雷四郎君及び前川旦君がそれぞれ委員に選任されました。     —————————————
  3. 野々山一三

    委員長野々山一三君) 次に、理事補欠選任についておはかりいたします。  ただいま御報告いたしましたとおり、委員異動によりまして、理事が三名欠員となっております。  理事補欠選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 野々山一三

    委員長野々山一三君) 御異議ないと認め、それでは、理事古賀雷四郎君、中村禎二君及び前川旦君を指名いたします。     —————————————
  5. 野々山一三

    委員長野々山一三君) 次に、参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  日本道路公団法の一部を改正する法律案の審査のため、必要に応じて日本道路公団役職員参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 野々山一三

    委員長野々山一三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  7. 野々山一三

    委員長野々山一三君) 建設事業並びに建設計画に関する調査を議題とし、建設行政基本施策並び建設省関係予算について質疑を行ないます。  この際、亀岡建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。亀岡建設大臣
  8. 亀岡高夫

    国務大臣亀岡高夫君) 去る三月二十八日の本院建設委員会における春日委員発言趣旨に関しましては、同日中に田中総理報告をし、さらに公営住宅の払い下げに関する私の方針を説明いたした次第であります、その結果、この件については、かねてから建設大臣において検討中の問題でもあるので、その実施建設大臣にまかせるという、当委員会で御報告申し上げたとおりでありましたので、この旨御報告申し上げます。  なお、総理に説明した私の方針は、一つ、三大都市圏にある低層公営住宅は、原則として建てかえにより立体化し、戸数の増加及び都市環境整備をはかる。二、この際、既入居者のうちの希望者に対しては、当該建てかえ団地にこれにふさわしい中高層の住宅建設し、長期分譲するものとするというものであります。  以上、御報告申し上げます。
  9. 野々山一三

    委員長野々山一三君) それでは、質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  10. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 建設大臣所信表明の中に、社会資本整備を通じて国土全体の均衡ある発展をはかり、豊かな住みよい国土建設すると、こう述べておられます。  そこで、お尋ねしたい第一点は、総予算における建設関係社会資本整備費の占める率は幾らでしょうか。
  11. 高橋弘篤

    政府委員高橋弘篤君) 御質問の趣旨は、国の全体の予算の中でのという御趣旨考えますと、大体例年二〇%弱というのがその関係に当たるところでございます。
  12. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 いま二〇%とおっしゃいましたが、全体から見て、どれぐらいが適当と考えておられるか。いわゆる均衡ある発展という立場からどれぐらいが適当と考えておられるか。
  13. 高橋弘篤

    政府委員高橋弘篤君) 御承知のように、社会資本整備公共施設中心としましたその見通しにつきましては、政府におきまして、経済企画庁が中心になりまして、経済社会基本計画、そういうものをつくって、そこにおきまして五ヵ年におきますところの大体の見通し、これは九十兆というものがきまっておる次第でございます。そういう中期的な長期計画見通しに基づきまして各種の五ヵ年計画もきまっている次第でございまして、そういう道路とか治水とか住宅、それぞれのそういう五ヵ年計画に基づきまして施設整備され、そのための予算当該年度にそれぞれ計上されてくるということになっている次第でございまして、見通し目標といたしましては、経済社会基本計画の五ヵ年間の九十兆というものが、建設省のみならず、各省の分を含めまして見通しとなっている次第でございます。
  14. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 わが国GNP高率であるということをよく言うのであります。それに対して、社会資本整備という面とのバランスにおいて、いわゆる欧米先進国比較いたしまして非常に低位で、低い。その面ではいわゆる後進性を多分に持っているのではないかと、こう思うのでありますが、いかがでしょうか。
  15. 高橋弘篤

    政府委員高橋弘篤君) おっしゃるとおり、わが国社会資本公共施設整備状況は、毎年の予算計上、いわゆるそういう予算を戦後におきましてどんどん通してきました。その面におきましては相当な努力が払われていると思います。しかし、戦前におきますところの蓄積の不足、また、戦後におきますところの努力にもかかわらず、公共投資よりも民間の投資のほうが非常に計画を上回って伸びてきた。したがって、そういうアンバランスがある。その他そういうようないろんな事情のために、現状におきましての整備水準というものが諸外国比較しまして非常に低いということは、おっしゃるとおりでございます。したがいまして、この整備水準を向上させるためにいろんな努力を払っておる次第でございますけれども、なお現状におきましても世界的な水準に達していないという次第でございまして、私どもは、昭和六十年を目標長期の構想を考えまして、少なくとも欧米先進国現状に六十年には達したいということで今後の見通し考えている次第でございます。
  16. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 なお、一、二いまの御答弁の裏づけとしてお尋ねしたいんですが、文化国家のバロメーターの一つと言われておる下水道普及率あるいは都市公園、また、道路整備状況あるいは高速道路、この点について、欧米すべての国というわけにもいきませんので、注文をつけますが、西ドイツアメリカイギリススウェーデン、この国々と比較して、一体、わが国とその下水道普及率あるいは都市公園道路整備高速道路整備、結論だけ、パーセントでけっこうですから、それをひとつ発表願いたい。
  17. 吉田泰夫

    政府委員吉田泰夫君) まず、下水道普及率は、世界では、総人口に対する処理人口普及率統計がございますので、総人口普及率について申し上げますと、わが国の四十七年度末の状況が一九%でありまして、それに比べまして、アメリカは約七〇%、西ドイツは約八〇%、スウェーデンも約八O%ということでございます。
  18. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 イギリスはどうですか。
  19. 吉田泰夫

    政府委員吉田泰夫君) イギリスは約九四%でございます。
  20. 喜屋武眞榮

  21. 吉田泰夫

    政府委員吉田泰夫君) スウェーデンは約八〇%でございます。  次に、都市公園都市内人口一人当たり面積で申し上げますと、わが国は一人当たり二・九平方メートルでございます。それに対しまして、アメリカのたとえばワシントンは四十・八平方メートル、ニューヨークで十九・二平方メートル、ロスアンゼルスが十八・九平方メートル、こういう数字です。それからイギリスのロンドンでは二十二・八平方メートル。スウェーデンのストックホルムは六十八平方メートル。ちょっと西ドイツの資料はございません。
  22. 喜屋武眞榮

  23. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) 高速道路比較をいたします場合に、これは面積なり人口なり、いろいろございますが、一番はっきりいたしますのは、高速道路延長比較を見ればいいと思います。たとえば西ドイツでは、現在約五千三百キロぐらい高速道路がございます。それからイタリーで四千六百キロ、それからフランスで二千二百キロ、イギリスで千六百キロ、それに対しまして日本が千二百キロちょっというところでございます。
  24. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 いまの御答弁によりましても、いかに——いま二、三の項目についてお尋ねしたのですが、GNP高率比較して、いかに低位にあるかということがもう明確になっております。下水道日本全国の一九%に対して、最高といわれるイギリスが九四%、スウェーデンが八〇%、こういうことからいたしましても、私が先ほど、一体どれくらいが適当であるか、あるいは欧米先進国状況との比較をお尋ねしたのも、もっともっと社会資本整備充実に大きなウエートを置かなければいけないのではないかと、こういうことが数字的に、具体的にこのことからもはっきり言えるのであります。そのことに対して、大臣はどう考えますか。
  25. 亀岡高夫

    国務大臣亀岡高夫君) 喜屋武先生も御承知のとおり、日本はこの百年間の間に、戦争ばかりやっておったと、十年に一ぺんずつ大きな戦争をやったということで、いわゆる民生方面に国費を厚く充当するという考え先進国に比べて非常に少なかったということは、歴史の証明するところでございます。私も、欧州の各国をそれぞれいま御指摘いただいたような立場から見て来たわけでありますけれども、やはり先進国には先進国にふさわしい都市づくり人間性中心にした都市づくりというものがあったという感じを私は受けたわけでございます。そういう面から考えてみますと、日本の場合には富国強兵策で、せっかく国民が汗と努力によって築きあげた富を戦争によってこれを消費せしめたということで、大東亜戦争という大きな戦争で初めて戦争のむなしさ、戦争の無意味さ、戦争の悲惨さ、戦争ほんとうに人類としてはなすべきではないということを悟った日本国民は、御承知のように、平和憲法をつくって、もう外国との問題を解決するためには武力は絶対使いませんという誓いをしたわけであります。それ以来、都市づくり等につきましても、ほんとう人間性中心にした、人間生活中心にした政治がより強く展開をされてきておるわけでございまして、極端に申せば、下水道のごときは、ほんとうに三十年の歴史しかないと言っても過言ではないような現実を踏まえまして、御指摘のように、日本国憲法に基づいた国内整備政治というものが展開されておりますために、道路等整備下水道等整備の各年次間における伸び率というものは、先進国に比べて非常に急速に伸ばさしていただいておるということでございまして、しかし、現実時点先進国比較しますと、御指摘いただきましたとおり、非常な格差があるわけでございます。それだけに、建設省といたしましても、この事業がなかなか進みにくいというような隘路をどうして埋めていくかということで、昭和四十九年度の予算編成当たりましても、下水道のごときは、各地方自治体の負担が重かったということが下水道事業の伸長を阻害しておるという面もございましたので、四十九年度におきましては、補助率をアップをしてこれが推進をはかるということ、また、五十年度には、この下水道関係の五ヵ年計画も新たに改定をしていきたいという考えも実は持っておるわけでございます。道路にいたしましても、十九兆五千億という五ヵ年計画もつくっていただいておるわけでございますので、これの計画実施をなし遂げていかなければならない。また治水計画にいたしましても、また住宅計画にいたしましても、やはり計画どおりに実行されていきますように、全力をあげていきたいと考えておる次第でございます。
  26. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 いま大臣が述べられたことからも裏づけられますとおりに、いかにGNP高率を示しても、平和のとうとさ、戦争のむなしさ、このきびしい反省の上に立って、憲法二十五条が空文化してはいけない。すべて国民は健康にして文化的な最低限の生活を営む権利があると、こううたいあげられておるこのことが空文化したのじゃ、いかに経済成長が、GNPが伸びたって、これは意味のないことである、こういうことがつくづく思われてなりません。そういう意味から、もう加速度的にと言いたいほど、これは社会福祉の面でも言えることでありますが、特に社会資本社会福祉充実の面では、もう加速度的に国の政治の中に反映されていかなければ、憲法二十五条がまことにこれまたむなしいものにしか過ぎないと、こう思われてならないわけであります。  そこで、次に沖繩国道についてお尋ねいたしますが、なるほど復帰いたしまして、沖繩道路はほとんどが軍用道路であったために、舗装率の上からは一応平均的に高率を示しておるということになっておるわけですが、ところが、単にこれは軍用道路国道に切りかえたという名義変更の域でありまして、安全対策の不備、こういう点から、もう復帰後二ヵ年たちましたけれども、非常に取り残されておるわけなんです。たとえば歩道の問題あるいは地下道の問題、ガードレールの問題、こういうことが遅々として進まないために日夜事故が多発しておる。このことについて、大臣はどのように理解しておられるか。
  27. 亀岡高夫

    国務大臣亀岡高夫君) 私も沖繩本島並びに各島々を視察したことがございます。確かに、いま御指摘のとおり、道路面におきましても、内地本土比較いたしまして、統計上から見ますと、たいへんおくれておるということは、もう御指摘のとおりでございます。そこで、予算措置を講じます際にも、また大蔵といろいろ折衝をいたします際にも、いろいろ沖繩に対する特別措置ということで、道路に限らず、住宅の面におきましても、公共事業一般、具体的な問題については局長から答弁させますけれども、私の気持ちとしては、とにかく一日も早く本土並みになるように努力をしなければならない、こう申しておるわけでございますので、詳しいことにつきましては局長からお聞きとりいただきたいと思います。
  28. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) ただいまお話のように、沖繩におきましては、舗装は相当進んでおりますけれども交通安全施設が非常におくれております。復帰当時は、横断歩道橋も全島でほとんど三つか四つぐらいしかなかったということでございます。そこで、私どもも、できるだけ交通安全を早急にやるべきであるということで、実はただいまの道路整備五ヵ年計画の終わります昭和五十二年度までには、本土と同じぐらいの歩道設置あるいは人道橋設置等をしたいと、そこまで持っていきたいというふうに考えております。  ただ、非常にそこで問題になりますのは、沖繩の場合は道路の路側の駐車がたくさんございます。その駐車を排除いたしませんと歩道ができないというようなことで、実は、歩道はどんどんつくろうとしながら、やはりまだ駐車の退治ができませんためにできないというようなところもあるわけでありますけれども道路の用地がすでに確保されていながら歩道がないというところもたくさんございますので、そういうところからまっ先に手をつけて歩道整備をしたい。また同時に、ガードレール設置等につきましても、それからもう一つ側溝の問題がございます。これは交通安全とは直接関係はございませんけれども排水設置沖繩道路にはほとんどございません。したがいまして、そういう歩道をつくると同時に、排水設備もして、排水設備がないものですから、人が道路のわりあい高い、水のたまっていないところを歩くというようなことによる事故も相当ございますので、そういうものもあわせて整備したいというふうに考えております。
  29. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 さっき、舗装率においては高率を示しておると、こういうことを私は申し上げておるわけですが、沖繩道路率はどうなっておるのでしょうか。
  30. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) 沖繩道路率の場合に、先ほどもちょっと申しましたけれども面積当たり道路延長という考え方がございます。それからもう一つ人口当たり道路延長という考え方もございます。いろいろございますけれども……
  31. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 面積に対する……。
  32. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) 面積当たり道路延長てまいりますと、国道県道——幹線道路につきましては、全国平均より若干落ちるということで、さほどの大きな差はございません。ただ市町村道沖繩の場合は非常に少なくて、これはまた逆に全国市町村道の認定が多過ぎると、まだ交通の通れない市町村道がたくさんございます。そういうことで、実際通れる延長ということになりますとまた変わってまいりますけれども、一応道路に認定している延長から比べますと、沖繩の場合、市町村道の場合は、おそらく全国平均より半分かあるいは三分の一ぐらいの市町村道延長でないかと思います。幹線道路につきましては少し下がっているというぐらいでございます。これが面積当たりでございます。  それから、人口当たりに見ましても、市町村道は同じように全国平均より下がっております。それから国府県道につきましてもやはり若干下がっておるというところでございます。
  33. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 若干とかいう表現は非常に抽象的なお答えにしか過ぎませんが、私がお聞きしたいことは、この国、府県、市町村ということは別にして、いわゆる沖繩の全面積に対する道路延長の比率ですね。これからしますと、私の調査によりますと〇・六%、〇・六%という率は全国四十七都道府県で最下位であると判断いたしておりますが、いかがですか。
  34. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) 面積でいきますと、〇・六%はそのとおりでございます。全国から見て確かに一番低くなっております。それから先ほど私が若干低いという、若干ということばを申し上げましたけれども、たとえば面積当たり見まして、国府県道につきましては、全国平均が〇・四三でございます。それに対して沖繩は〇・四七でございますので、これはほぼ同じでございます。市町村道につきましては、全国が二・三一に対して一・三七でございますから、市町村道が半分ぐらいということで、合わせますと、先ほどの〇・六〇という先生数字になるわけでございます。
  35. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 このように沖繩道路状況というのは質的にも量的にも非常に取り残されておるのが現状であります。これは四半世紀にわたる断層があったわけでありますので、そういう意味からも、いわゆる本土並みにというこの立場からも、どうかひとつ特別に配慮していただかないといけない、こういうことを強く要望いたします。  次に、大臣は、諸事業に必要な建築資材の確保については需給調整安定化につとめると、こう述べておられます。このことについて、ひとつもう少し具体的にお聞きしたい。
  36. 亀岡高夫

    国務大臣亀岡高夫君) 私が大臣就任いたしました時点におきましては、きわめて異常なる物価の上昇という情勢にもございましたし、また、建設公共関係におきましても入札がなかなか容易じゃないと、不調になりそうなケースもできかかっておると、資材高騰によるという原因で。そういう話も聞いておったわけでございます。そこで、就任早々建設省技監中心にいたしまして資材対策委員会というものを建設省内に設置をいたしまして、特にセメント、鋼材等につきまして、通産と常時密接な連絡をとると同時に、業界との関係連絡等も密にいたしまして、そうして、少しずつでも買い占めますと、これまた暴騰に拍車をかけるというようなことで、そういう面からの業者の指導というようなものも行ないますと同時に、一月に入りまして——一月に入る前に、もうすでに私の前任者金丸大臣のときに、あっせん所というものをつくりまして、そうしてその資材あっせんと、こういうふうに取り組んでおり、すでに零細建設業界で特に困っておりました丸棒ですか、あれを十六万トンの放出というようなことも具体的に実行いたしましたりしてきておったわけであります。それで、さらに年を越して一月には、各地建ごと建設資材需給の動向、価格の上昇の度合い、そういうものを地建ごと調査をして本省に報告をさせ、その実態をつかんだ上で通産と特に密な連絡をとって、地域ごとにだいぶばらつきがございましたのを是正いたしましたりいたしてきておるわけでございますと同時に、石油二法に基づきますもろもろの行政措置をいたします際にも、建設資材高騰をできるだけ押え、そうして減産による値上がりというようなことの起こらぬように、通産省を通じて、また建設からも直接各建設資材のメーカーに対して強力に申し入れをしてきておるということでございます。特に実は二月の初めころから半ばにかけましてアスファルトをトン当たり三月一日から一万円上げたいというようなメーカーの実は意向もあって、業界もたいへん動揺しかけたわけでありますが、少なくとも三月中は、もうわれわれとメーカーとの間においては、値上げはしないというような紳士協定的なものもあったわけでございますので、いま年度末にきてアスファルトを上げられたんでは業者がまるかぶりになってしまうというようなことになりますので、その点については、絶対にもう上げてもらっちゃ困るということで、中曾根通産大臣にじかに私は何回か会いますと同時に、やはりアスファルトメーカーにも建設省から強力に申し入れをいたしまして、どうにか年度末をしのいだというような措置を講じておるところでございます。
  37. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 なお、沖繩の場合、海洋博の影響から民間企業、公共事業に非常に大きな影響を及ぼしております。そういった立場から、沖繩のことについても具体的にお尋ねしたいんですが、これは後に譲ることにいたしまして、特に沖繩の場合、そういった特殊事業がありますので、御配慮してもらわなければいけないと、こういうことをいま申し上げて、具体的にいま問題となっております沖繩の縦貫道路、北部縦貫道路、この縦貫道路については、これは外務、防衛施設庁に最初に尋ねますが、昨年六月二十八日の日米合同委員会沖繩縦貫道路に対する日米合意メモの取りきめが行なわれておるわけですが、その内容をまず明らかにしていただきたい。
  38. 奈良義説

    説明員(奈良義説君) 御説明申し上げます。  先生ただいま御指摘のとおり、四十八年の六月二十八日に合同委員会で最終的に合意を見たものでございまして、縦貫道路建設のために道路公団がキャンプ・シュワーブとキャンプ・ハンセンの土地を必要とするということて、その返還——これは道路が完了した暁において返還、それからそれまでの間は地位協定の第二条四項(a)に基づきます共同使用のことで処理したいと。それからそこに道路をつくられるについては、米軍の施設についていろいろの都合がありますので、たとえばその道路によって影響を受けます工作物、建物等がございます。これをしかるべきところに移動するとか、それから特にキャンプ・ハンセンにつきましては駐屯地の部分——これはキャンプ・ハンセンといいますのは、演習場部分とそれから駐屯地部分とがございますが、キャンプ・ハンセンにつきましては、駐屯地部分と演習場とのちょうど境目を走るような形になります。特に駐屯地から演習場のほうに行く演習車両等についてたいへん不都合が生じますので、この道路の下を通る、あるいは上を通るといったような横断道路をつくるということが条件になっております。それからその他、従来から電気でありますとか水道でありますとか、その他ユーティリティー・ラインを走っておりますので、これをそのままに残すか、残せない部分は経路で残すか、こういうような条件になっております。それから、その最終的に返還となります面積は、キャンプ・シュワーブが八万七千平方米、キャンプ・ハンセンが六十一万三千、合計七十万平米でございます。
  39. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 そうすると、いまのお答えと、それからこれまで衆議院でも論議されたんですが、その論議によると、大体、こういうふうに——一つは、将来米側の新しいユーティリティーの要求に対し日本側は好意的に考慮する。第二点は高速道路、いわゆる縦貫道路の路線権は将来新規または追加のユーティリティー施設設置する目的で米軍が保有すると、こういう論議の中から出てきておると思いますが、それは間違いありませんか。
  40. 奈良義説

    説明員(奈良義説君) 現在ありますユーティリティーについては、先ほど申しましたように、そのまま残すか、あるいは経路を変更するということでございます。それから将来もし米軍が新しくユーティリティーを布設しなければならないような事態が生じましたときには、そのために道路の下を横断するとか、あるいは上を横断するというようなことは好意的に考えましょうと、こういうふうなことになっております。これが実はライト・オブ・ウエイ・イーズメントを保持するというような形になっておりますので、ちょっと誤解を招いたようでございますけれども、将来布設するために必要な横断等を認めましょうと、こういう意味でございます。
  41. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 その場合にユーティリティーの内容ですね、はっきりこれこれというふうに限定されているのであるか、あるいはまた将来いろいろな発展していく可能性があるのであるかということも気になるわけですが、そのユーティリティーの内容は限定されているかどうか。
  42. 奈良義説

    説明員(奈良義説君) 特に電気であるとか水道であるとかいうような、具体的なことは書いてございません。ユーティリティーということだけでございます。ただ、私どもユーティリティーと言いますというと、ガスでありますとか、あるいは電気でありますとか水道でありますとか、そういったような生活施設に限られるという理解がございますので、ユーティリティーを認めるためのイーズメントということになりますと、おのずから限定されてくるというふうに理解しております。
  43. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 それから路線権の問題でありますが、この路線権はユーティリティーを設置するためのその範囲の路線権として解釈していいか。もっと別のことばで言いますと、基地通過部分に対する路線権なのか、それとも基地外にも、すなわち全線にその路線権というものが及ぶ危険があるか、可能性があるかどうかということ。
  44. 奈良義説

    説明員(奈良義説君) この合意でライト・オブ・ウエイ・イーズメントと言っておりますのは、今後、いま申し上げましたようなユーティリティーを布設するための路線権、イーズメントということでございます。道路全線とか、その他云々ということとは全然関係はないわけでございます。
  45. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 そうしますと、この道路の管理権は米軍の路線権によって規制される心配はないと、こういうことになりますか。
  46. 奈良義説

    説明員(奈良義説君) これは先ほど申しましたように、工事が完了いたしますと、全部この敷地を返してよこすと、こういうことになっておりますから、完全に日本側の財産でありまして、それ以上に米軍がそれをどうこうできる性質のものではないというふうに私どもは理解しております。
  47. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 そうしますと、いま基地に関係沖繩部分のキャンプ・ハンセン、シュワーブありますね、これはいわゆる完全解放されたという前提に立ってそれが施設されておるのであるか。また、軍の権限内にあるといういま立場なんですか、どうですか。
  48. 奈良義説

    説明員(奈良義説君) 道路に関する限りは完全に解放されるということになります。
  49. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 もう一つ聞きたいのは、完成後、そこの道路、これは管理権とも関係があると思います。そこを通過するいわゆる車両の種類、何々は通してはいけない、何々は通してよろしいという、そういった通過車両の内容についての制限もありますか、ありませんか。
  50. 奈良義説

    説明員(奈良義説君) そういう条件は一切ついてございません。
  51. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 たとえば、いままでの高速道路の場合であっても、オートバイとか自転車とか、これは禁止されておるんじゃありませんか。
  52. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) それは私のほうからお答えいたします。  高速自動車国道あるいは自動車専用道路の場合は、これはいまの別のほうの体系から自転車とかあるいは歩行者の通行を禁止するというようなことが行なわれております。
  53. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 特に沖繩の場合予想されることは、基地とのかかわりのあるといういきさつからも、いわゆる軍用道路的性格、いわゆる戦車をそこから通すとか、さらにそれに関連して、いま県道一〇四号線の封鎖問題がたびたび問題になっておりますね。アメリカの演習によって封鎖されておる、県道が。これがいま大問題になって、それを繰り返しておるわけでありますが、この縦貫道路もそういう懸念が、場合によってはそれが予想されないこともない。そういうことであるので、私、それをいま明確にしておかなければいけないと、こう思ってそれを聞くわけですが、そうすると、完成した暁には完全にその基地も解放、そうして、その管理権も——これは管理権は道路公団に一応なりますか。
  54. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) はい。
  55. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 道路公団ですね。ということで、一切米軍の干渉にはかかわりないと、こう解釈してよろしいですね。
  56. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) 道路管理者は道路公団でございますし、これはもうそのまま道路法が優先する、道路法によって行なわれるということは、そのとおりでございます。ただ、先ほども防衛施設庁のほうからお話がございました地位協定というようなものにつきましては、この前、県道の一〇四で交通をとめたことがございます。そういうようなことは、いまの防衛施設庁のお話ですと、それもこれには行なわれないということでございますので、そうだとすれば、向こうの米軍の云々によってその道路の管理が左右されるということはございません。
  57. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 いま私が尋ねていることが杞憂であれば幸いですが、今後は、いかなることがあっても、そういうことがあっては許されないことでありますので、その点強く述べておきます。  次に、開発過程において縦貫道路工事にあたっては、沖繩縦貫道路建設の特長の一つに、建設工事に際し海洋の保護をはからなければならない、さらに沖繩の自然と調和のとれた高速道路にすると、こういう開発過程におけるいわゆる注意といいますか、配慮といいますか、そういうことが明確にうたわれておりますね。そういうことがいま守られておるかどうか、どう受けとめておられるか。
  58. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) そういう海の汚れあるいは地元に対する被害がないように、これはもうすべての道路工事がそうでありますけれども、厳重にそれを注意しながら、できるだけの措置をとりつつ仕事をしておるということでございます。
  59. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 できるだけの処置をとっておられるというのにもかかわらず、現実はたいへんな事態が起こっておるということを私は指摘いたします。それは突貫工事的性格を帯びておるという面からもくるでありましょうが、あるいはそういった取りきめを守っていない、こういう配慮が足りないという点からでもありましょうが、金武村から宜野座村あたりの東海岸は赤土が流出して、すでに海洋が汚染されておる、この事実は御存じでしょうね。  それからもう一点、この前、私、沖繩に帰りまして直接その被害者の方から聞いたんですが、訴えられたんですが、名護市の幸喜の区民の水田の被害、水田地帯が約一ヘクタール、三十戸の農家、そうして流出した赤土が厚さ三センチから十センチ、そしてその幸喜の区民は対策委員会を結成して、道路公団に一体どうしてくれるのだということで強い抗議を行なっておる事実、さらに、いま沖繩では稲作の植えつけ時期であります。今期作の植えつけがもう不可能になっておる、こういう事態が発生しておるが、これは御存じであるか、それに対してどういう対策をとろうとしておるのであるか。
  60. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) ただいまお話の金武と宜野座の間の赤土の流出の問題、それから後段にございました幸喜地区で赤土が流れてたんぼが汚染されたという話、これは私も聞いております。ただ、公団といたしましても、やはり土工工事をやりますと、切った土を今度別のところへ持って行って盛るという切り土、盛り土の工事、どうしても土工工事が伴いますので、そういう赤土をいじること自身はやむを得ないかと思います。ただ、それがあるいは雨が降ったときに流され、そしてそれが谷間を流れ、あるいはたんぼのほうへ流れるというようなことがあっていろいろ被害が出ているということのようでございます。公団といたしましても、そういう場合に、たとえばシガラを組みまして、シガラというのは、粗朶とか、そういう雑木で塀みたいな形のものをつくったものですけれども、そういうことによって上から流れてくる土をとめたり、あるいは沈でん槽というか、そこで赤土を底へ沈でんさせるというような沈でん槽をつくって、そうしてうわ水だけを流すというようなことをやったり、また、いまのシガラにいたしましても、そういうものをつくりますと、水の流れの速度が鈍りますので、土を運ぶ力がなくなるというようなことで、そういうような工法をやりながら、そしてまたカットしたところには緑の、早くのり面の手当てをするというようなことをやっておるわけでございます。現在のところ、もう土工工事が約八割方終わっておりますので、今後さらにひどくなるということはないと思いますけれども、そういうすでに切ったところののり面の手当て等をなるべく早くやらなければいけないというようなことを考えて、いま実施しておるところでございます。
  61. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 今後の起こり得る事態に対して十分な配慮をされるということは、これは当然、いわばこれは後手である、これは当然。ところが、いま起こっておる赤土の完全に除去される状態までの損害補償、それから幸喜区民に対する今期植え付けの不能に対する補償、これは当然なさるべきであると、私は強くこう要求しますが、いかがですか。
  62. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) それが原因で稲作ができない、あるいは減収になるということがわかれば、当然補償等の問題になると思います。ただ、この幸喜地区につきましては、ほかにもいろいろ何か宅地開発等の造成もそこら辺で行なわれておりますので、それがどの辺がどの程度の原因者であるかというようなことにつきましては、やはり今後もう少し突き詰めて調べてみないといけないと思いますけれども、それが原因であるということがはっきりすれば、当然これは補償するようなことになると思います。
  63. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 これもいままでの例からしましても、もう小田原評定といいますか、大体これは役人のやる仕事の手ぬるさといいますか、非常に手の打ち方がおそいということで、ぜひひとつその事態に対する処理、もう即戦即決でしませんと、特に沖繩の場合、一つの問題が起こってその処理もできぬうちに、しないうちにまた次の問題が起こる、また次の問題こうして連鎖反応的に問題に追い詰められている明け暮れである。これが沖繩の特殊事情であることを特に踏まえて、この起こった問題に対する対処、解決を早急にやっていただきたい。そうしなければ、また、この被害者も承知しません。そのようにひとつ強く申し入れておきます。  次に、住宅建設計画についてと水資源の確保の問題についてお尋ねいたしますが、昭和四十九年は第二期住宅建設五ヵ年計画の四年度として、建設省所管の住宅が約五十二万戸の建設計画になっておりますね。沖繩の分は、そのうちの幾らになっておりますか。
  64. 沢田光英

    政府委員沢田光英君) いま四十九年度は調べてお答えいたしますが、四十九年度の前提になります沖繩の五ヵ年計画は、御存じのように、四十七年度から五十年度までという四ヵ年で本土水準に戻す、こういう方針でございまして、全体が七万六千戸、その中、公的なものが半分、民間が半分、三万八千戸ずつ、かようなことになっております。その中、四十七年度におきましては、これもまたちょっと蛇足でございますが、一万六千九百戸ということでございます。四十八年度は、いま進行中でございますが、計画がややおくれるというふうなかっこうになってございます。四十九年度におきましては、公営住宅がいまのところの配分計画におきましては一千戸程度、これはまだ最終決定しておりませんが、それから沖繩振興開発公庫の住宅、これが六千戸、こういうふうな予定でございます。これが公的なものでございます。  民間のほうは、戸数が比較的伸びておりまして、おそらく一万五千戸から二万戸の間が自力建設として建つだろうという予想が立てられております。
  65. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 実際の状況が、結論的に申し上げて、うまくいっていない、計画と実際とうまくいっていない、こう聞いておりますが、そのように理解してよろしいですか。
  66. 沢田光英

    政府委員沢田光英君) 仰せのとおりの状況が起こっております。これは本土のほうにおいても同様でございますけれども、特に沖繩におきましては、物価問題が激しゅうございまして、入札の困難、そういうことでおくれております。その状況は、たとえば四十八年度に例をとりますれば、公営住宅は千三百戸計画をいたしました。しかし、これが千六十六戸程度にとどまるのではないか、こういうふうな現在の見込みでございます。  片や、もう一つの施策でございます沖繩の公庫の住宅でございますが、当初五千戸という計画を組みました。しかし、民間のこれは自力建設に対する融資でございますが、これが二千三百七十九戸というふうな戸数にこの四十八年度はとどまるだろう、かような状況でございます。
  67. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 いまあげられた数字の中でもわかりますように、特に四十八年の開発金融公庫関係のが五千戸が二千三百七十九戸、約半分の二千六百二十一戸もまだ未解消ということになっていますね。こういう状態、ただでさえも建設がおくれておる中で、しかも、こういった計画されたことさえもさらにおくれるということになりますと、これはいよいよ問題であるわけですが、その原因はどこにあると踏まえておられますか。
  68. 沢田光英

    政府委員沢田光英君) いろいろな原因があろうかと思いますが、公的なものがおくれていくということは、一つには土地の値上がりの問題も先ほどの資材と同様にございます。そのほか、やほり立地の際に、家を建てるだけではなかなか困難で、やはり道路の問題がございます。それから水道の問題その他関連公共施設の問題があって、いわゆる公共団体が公営住宅などを建てるということの困難があります。これは本土と同じ状況だと思います。沖繩におきまして非常に困難だというのは、特に単価の点であるというふうに思います。一時ほとんど入札ができなかったような状況もございます。最近は少しよくなりました。その点が本土よりは非常にシビアであるというふうなことで建設がおくれたと思います。  それから公庫の住宅のほうは、これは申し込み者が来れば、この用意をいたしました五十戸というものは全部出すはずだったわけでございますが、これは非常に出おくれております。これもやはり建設費が高騰いたしまして、住宅建てる方の意欲が薄れてきた、かようなことで、結果におきましては半分以下というふうなかっこうになったわけでございます。その辺のところを四十九年度の予算でやはり単価のいままで以上の増強と、あるいはさっき言いました関連公共、これは私どもだけではできません。建設省全体の話になりますが、そういうことをからめて、沖繩の場合には特に手厚く推進する必要があるというふうに考えております。
  69. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 大体、その原因は大まかに理解しておらるると受けとめていいかと思いますが、何としても、日本全体の中でも言えるんですが、さらに沖繩は輪をかけた形での資材不足、これは当然海洋博との関連も出てくるわけなんです。資材不足、それから異常な労賃の上昇、これも海洋博とのとばっちり、それから坪当たり単価の予算も、これは全国的にも一応是正されたことになっておりますが、さらに沖繩の場合にはそれに輪をかけた現象が起こっておる。これは物価高とも関連しておるんです。こういう二重三重に輪をかけておる。さらに貸し出し条件の手続といいますか、これもまた輪をかけておる。こういう状態がからみ合って落札しない、入札でも。だから、こういうことなんです。再再再入札、一回やって落ちない、二回やって落ちない、三回やっても、四回やっても、再再再、それでも落札できないで、とうとうそれを流さなければいけないと、こういう状態が沖繩の建築事情であります。こういうことを特に配慮されて、私が冒頭に申し上げたこの民間工事、公共工事が海洋博のとばっちりを受けて、それから土地買い占めのとばっちりを受けまして、もう異常の現象を呈しておると、こういうことを特に配慮してもらわないというと、沖繩住宅建設はもうますます取り残されてくる。こういうことをひとつ特に念頭に置いてもらわなければいけない。  最後に、水資源の確保について、現在の需給関係は一体どうなっておるか。特に沖繩の水資源についての需給関係と、そして完全供給の見通し、もう時間もありませんので、その二点の立場からのひとつ御計画を承っておきたい。
  70. 亀岡高夫

    国務大臣亀岡高夫君) 私から概略申し上げますが、沖繩の水の問題はもうきわめて重要な問題でございます。本島はもちろんのこと、各島嶼における水の問題、これはもう何としても積極的に解決をはかっていかなければなりません。そこで、建設省といたしましても、復帰以来、ダム等の建設可能なところは逐一調査をし、これを取り上げて、三月に福地ダムができ上がりまして貯水を始めておるわけでございます。現在工事実施中の新川ダム、さらには普久ダム、安波ダムというようなダムの建設というのに全力をあげておるわけでございます。と同時に、また水路の改良というような面についても積極的にやっていかなければならないということで、河川局を督励をいたしまして、とにかく雨は相当降ってもすぐ海に流れてしまうというような特性にかんがみまして、いかに今後やはり沖繩におけるいろいろな産業あるいは農業の振興等から考えましても、やはり水という問題はもっともっと積極的に開発していかなければならないという感じで取り組んでおります。なお、沖繩県のほうともしっかりと連絡をとって進めてまいっておるわけであります。
  71. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 いま福地ダムの完成と大臣おっしゃいましたが、福地ダムを完成しただけでは沖繩の水問題解決しませんが、そのほかの計画はございませんか。
  72. 渥美謙二

    政府委員(渥美謙二君) 現在非常に沖繩は渇水状態で、皆さん困っていらっしゃるという事実でございます。その原因といたしましては、昨年の夏以降非常に雨が降りません。沖繩県の場合には、いわゆるダムの能力、貯水をしておくという施設が従来ございません。このために、雨が降りませんと、たちまち困ってしまう。例年ですと一日に二十五万トンぐらい水が取れていたのが、現在のところ、十七万程度しか取れない、こういうふうな状況でございます。こういったような基本的な施設を整えまして解決しなきゃならないということで、先ほど建設大臣がおっしゃいましたように、福地ダムをはじめといたしまして、北部に新川ダム、安波ダム、普久ダムという四つのダム群をつくって水をためると、そしてこれを中南部のほうに送水する、あるいは本部半島にも送水するという計画をもちまして、現在、ダム工事も、その導水工事も実施中でございます。特に問題になりますのは、せっかくできまして湛水を始めました福地ダムからの水を一日も早く中南部のほうに送りたい、こういうことでございますが、これは当初四十七年から五十一年完成と、こういう予定で工事を進めておりましたが、最近の状況にかんがみまして、一日も早くこれを通したいということで、四十九年度予算におきましても、その送水関係に百三十五億、これは昨年の五四%増しの工事費でございますけれども、さらに二十何億かの五十年度への国庫債務負担行為、こういうものもとりまして、これは県の企業局がその導水管、送水管を工事しておりますけれども、私ども見通しでは五十年の夏の渇水期までにはこの送水パイプを通って福地の水が中南部へ供給されるようにしたい。そういたしますと、大体水の需給はそれでまかなえるのではないかというふうな見通しでございます。
  73. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 ずいぶん気の遠くなるような御計画ですが、もう一ぺんお聞きしますが、沖繩県民の水の完全解決を実現するのは五十一年ですか。
  74. 渥美謙二

    政府委員(渥美謙二君) 五十年です。来年です。
  75. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 来年、その場合の一日の需要量は幾らを押えておられますか。
  76. 渥美謙二

    政府委員(渥美謙二君) 五十年におきましては、大体水道用水として一日三十二万トンぐらいではないかというふうに見込んでおります。
  77. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 それはどうも非常に怪しい数字だと、こう思っております。三十二万トン五十年に送水できるという見通しは非常に甘いと思っております。それについてはもう論議する余裕はございませんが、ここで申し上げておきたいことは、水と光は文化の源泉、しかも命の水、その命の水が、沖繩の断水事情は御存じと思いますが、たいへんないま深刻な状況であります。  まず、経過をざっと申し上げますと、去年の十一月二十一日から夜間断水、八時間断水が始まりました。越えて一ヵ月あとの十二月二十二日から夜間毎日ですよ、十時間断水、朝まで十時間断水に移ったんです。それでもなお水問題は解決どころかますます深刻になりまして、ことしの一月十一日から隔日断水、一日越しに断水、そして現在に至っておる、これが実情であります。  そこで、私、企画部長にもいろいろ会って将来の見通しも聞きましたら、福地ダムは完成したとしても、この貯水量、現在は四〇・二%しか貯水されておらない。五〇%をこえて、しかも将来の降雨状況を見て緩和策をとっていきたいと、こういう考えを持っておる。しかしながら、残念なことに今年じゅうは、四十九年じゅうは全面解除の見通しはない、ことし一ぱいこの隔日断水あるいは時間断水が続くということ、これはもうたいへんなことじゃないかということなんですね。一体、これで人間の日常生活あるいは文化生活どころの話じゃない。毎日の命につながる生活が、この水がことに今年じゅうは全面解除の見通しがない、こう非常に悲観的に私に語ってくれたのでありますが、こういう現状を踏まえて、どうしてもこの現状を一日も早くよくしていく、あるいは完全解消していくという、このことが当面の問題です。五十年とか五十五年に沖繩の水問題の完全解決、いわゆる飲料水、工業用水含めて一日六十万トンの水が要ると、こういう計画なんですよ、現地の計画は。これは昭和五十五年めどにそういう解決をする段階になっておるということを私に述べておるわけですが、非常に深刻であるだけに、いま御答弁は非常に甘い私は御計画であると、こう思われてなりません。もう命につながる深刻な問題でありますので、ひとつ一日も早く抜本的に、そうして現実的にこの問題を解決していってもらわなければいけない、こういうことを強く要望しまして、私、時間参りましたので、また後の機会に詰めていきたいと思いますので、その深刻な水事情に対するひとつ大臣の所信と申しますか、決意と申しますか、それを承りまして終わりたいと思います。
  78. 亀岡高夫

    国務大臣亀岡高夫君) 先ほど申し上げましたとおり、沖繩の水事情はまことに深刻なものがあることは私も十分承知をいたしております。そこで、ダムの建設につきましても、できるだけ早く完成をするようにということで、一つのダムを三月に竣工ができた。しかし、私もよく事情を聞いておりますが、それでも水が満ぱいになるには、たまるにはもう一年ぐらいかかるというような情勢もありまして、たいへんお困りになっておるということでございます。いろいろ考えます際には、緊急措置としてはやはり簡易水道というようなことも実は考えられるんじゃないかと。私どものほうでは、国場川、安里川、中小河川が相当あるわけでございますので、こういうものの開発と利水措置と簡易水道というようなもの、おそらく沖繩県で考えておられるんじゃないかという感じもいたすわけでございますが、そういう面について、私の所管じゃございませんけれども政府といたしましても、その水対策については私も責任を持って関係省とも連絡をとりまして、できるだけの措置を尽くすというふうに努力をいたしたいと考えます。
  79. 野々山一三

    委員長野々山一三君) 他に御発言もなければ、本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。     —————————————
  80. 野々山一三

    委員長野々山一三君) 次に、日本道路公団法の一部を改正する法律案を議題とし、本案の質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  81. 前川旦

    前川旦君 ただいまから日本道路公団法の一部を改正する法律案の審議に入るわけですが、最初に大臣にお伺いしますが、将来の総合的な交通体系の中で、たとえば鉄道もあれば、航空機もあれば、内航船もありますが、高速自動車道路というものが総合的な交通政策の中でどういう役割りをになって、どういう役割りを果たしていくのか、将来の見通し計画をお伺いしたいと思います。
  82. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) いまの日本の経済活動がわりあいに集中して過密状態ということが起こっております。そこで、私どもは、この高速道路のみに限りませず、一般国道等の幹線道路も一緒に合わせてでありますけれども、やはり全国的な高速道路のネットワークをつくり、それを補う意味国道があり、そうして生活道路があるという道路網の体系からやはり高速道路整備を早急に行ないまして、国土の普遍的な利用あるいは過疎過密の解消というようなことを考えてまいりたいと思っております。先ほども出ましたけれども、これは日本ばかりではございませんで、諸外国におきましても、いま高速道路建設は各国とも非常な勢いでやっておりますが、わが国におきましては、まだそれまで整備がされておりませんので、今後もできるだけ進めていきたいということでただいまの五ヵ年計画考え方もあるわけでございます。
  83. 前川旦

    前川旦君 交通網にはいろいろありますね。国鉄もあるし、それから船もありますから、たとえばよく言われているのは、遠距離は何々でとか、飛行機でとか、近距離は何々でとか、いろいろ言われておりますが、建設省建設省なりに、昭和四十六年九月ですか、総合交通政策に関する基本的な考え方というのを打ち出されておられますが、高速道路による輸送というのはどういうものをになうのかということですね。  それから、もう一つの面で、最近の高速道路の利用の傾向を見ると、貨物輸送が非常に多くなっているという話も聞いておりますが、人と貨物の面からも、これから将来高速道路はもう貨物輸送を重点に、人は大量輸送機関にしていくのだとか、何か人と貨物との面が一つあります。それからもう一つは距離の面があります。そういう面でどういうことをになっていくのか。いろいろ競合する交通機関がありますから、その辺の基本的な将来の見通しをどうとらえていらっしゃるのか、伺いたいわけです。
  84. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) 総合交通の問題でございます。たいへんむずかしい問題でございます。実は先ほどお話のとおり、建設省におきましても、四十六年の十二月には臨時総合交通問題閣僚協議会がございまして、そこで将来の交通体系はどうあるべきかということをきめております。それによりまして、大都市の交通の問題、それから地方中核都市の都市内の交通の問題あるいはその相互を結びます都市間交通の問題というようなことを、先生のお話のとおり、距離あるいは品目というようなことによりまして、これは本来は利用者が選択するものでありますけれども、その選択ということを頭に置きながら、今後どういうものをどこで分担するかという一つ考え方が出ております。それによりますと、大都市の通勤交通、これはもう大量輸送機関ということが絶対でありますけれども、そのほかの昼間の業務交通あるいは特に百キロメートルぐらいの区間の域内の貨物輸送、鉄道あるいは船舶等の端末輸送としての道路の分野というものは今後ますますふえていくであろうというような考え方。そして、さらに中長距離になりますと——これは品目によっては、たとえば生鮮食品等につきましては、これは少しぐらい距離が遠くてもこれは道路の受け持つ分野でありますけれども、一般的に言いまして、中長距離の貨物輸送になりますと、やはりフレートライナーあるいは鉄道、あるいは船というようなものがそのウェートを占めるであろうというようなことが示されております。私どももそれに基づきまして、道路道路としての受け持つ分野ということをわきまえながら道路整備を進めていくべきであるというふうに考えております。
  85. 前川旦

    前川旦君 閣僚協議会で出したこの総合交通体系、幾ら読んでも抽象的でわけがわからぬのですね、具体策がないんです。ですから、いまのあなたの御答弁もあまり具体的じゃないんですね。一体、この狭い国土ですから総合的に利用していかなければいけない、計画的に利用していかなければいけないと私は思いますが、そうすると、いまあなたの言われたことは、この高速自動車道路の果たす役割りというのは主として短距離百キロ以内の輸送を重点に将来考えるべきだということなんでしょうか。それから中長距離については内航船とか鉄道に輸送をまかせるという、そういう基本的な考え方なんでしょうか。
  86. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) 私は、全部もう高速道路も一般道路もひっくるめた総合交通の問題として御答弁申し上げたので、ちょっとおわかりにくくて申しわけございませんが、高速道路だけに分けますと、高速道路は、やはり中長距離の旅客も高速道路を利用するということがこの中にも入っております。ただ、現実には、いま東名高速道路あるいは名神高速道路等を例にとりますと、これは旅客あるいはトラックも入れてでございますけれども、小型のものが約八五%占めております。これが大体平均の走行距離が五十キロでございます。それから残りの一五%のうちのほとんどが普通トラックでありますけれども、この平均走行距離が百キロでございます。それでトレーラー等につきましては、平均走行距離が百五十キロになっておりますけれども、これはまだいまの段階では全体の占める割合は少のうございます。したがいまして、高速道路といって、非常にわれわれは長い距離の利用というものが相当あるような感じもいたしておりますけれども、実態はそういうふうな、ほとんど八十数%が五十キロぐらいの平均の距離であるということでございますので、あるいは高速道路も短距離から中距離にかけての利用というのが多いのが実態ではないかと思います。ただ、これから九州の鹿児島までずっと全部延びますと、これは特に大型のトレーラー等というようなものがふえまして、これは若干距離が延びるということになろうかと思います。
  87. 前川旦

    前川旦君 そうしますと、この法案の中にも関係が出てくるのですけれども、五十キロから百キロが一番利用度が高いという実態を見ると、そうすると、五十キロから百キロの何といいますか、短距離が——これは普通の道路をのけて、高速道路と国鉄と内航船と、あるいは航空機ですね、この四つに分けてみて、短距離の輸送はつまり自動車の利用だと、中距離、長距離は国鉄である、あるいは特に長距離は飛行機であると、こういうような大きな分け方というのは具体的に考えられるのかどうか、いかがでしょうか。
  88. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) おっしゃるとおり、そのとおり分けられると思います。総合交通体系におきましても、やはり道路の受け持つ分は、これは貨物のトン数でまいりますと、九〇%ぐらいが道路に依存しております、これは量でまいりますと。というのは、非常に短い距離も入りますとそうなるわけでございます。そういう意味では、道路の受け持つシェアというものは非常に大きいわけでありますけれども、見方を変えまして、中長距離ということになりますと、どうしてもこれは鉄道であり、フレートライナーであり、あるいは内航船であるということになります。あるいはまた、旅客の場合には航空機というものも出てまいります。道路の受け持つ分野というのはやはり原則的には中距離までであり、高速道路の場合であっても、たまに長距離はありますけれども、一般的に見ますと中小距離ということがその分野になると思います。
  89. 前川旦

    前川旦君 それでは、いままでの経済の成長と貨物の輸送量の伸び、これはどういうふうに関連をしてきておるのか。たとえば経済成長率が一%伸びると貨物輸送量が幾ら伸びるといったような、そういう相互の連関というのはどういうふうにとらえていらっしゃいますか。
  90. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) お話のとおりに、経済が伸びますと当然物資の輸送が伸びてまいります。ただいまの五ヵ年計画のもとになっております経済社会基本計画におきましても、昭和五十二年の経済の伸び、それに合わせた物資の輸送量というものをきめまして、それが道路と、あるいは鉄道と、あるいは船というような分野をきめて、それにまた合わせた形で道路整備を進めていこうということになっておりますが、建設省におきましても、昭和六十年時点というものの経済の伸びを想定いたしまして、それに合わせた道路——道路というよりも物資の輸送がとうなるかと、また、それを道路がどの程度受け持つであろうかというようなことを想定いたしまして、昭和六十年時点道路とそれから交通の状態ということを合わせた一つ目標というものをきめていこうということで長期の構想も立てておるわけでございます。
  91. 前川旦

    前川旦君 そこで、予算委員会でも問題になりましたけれども昭和六十年までの日本経済成長をどういうふうに建設省は押えていらっしゃるのか。いままでのような経済成長率でいくと、まあ昭和六十年にいくと、列島改造論じゃありませんけれども、三百兆のGNP、車の台数も四千何百万台かという数字が列島改造論に出ておりますが、これからのそれじゃ昭和六十年までの経済成長率というものをどういうふうに押えての計画を立てていらっしゃるのか。そのときの貨物の輸送量あるいはそのふえ方、具体的な数字がありましたらお出しをいただきたいと思います。
  92. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) これは実は試算でありますので、建設省だけの問題で、まだオーソライズされておるわけではございませんが、かりに数字があれば言えということでございます。私どもは、昭和六十年度にGNPが百九十兆円になると、そうした場合に、それに伴う工業生産がどうなり、それに応じた貨物の輸送というものをつかまえ、それをまた道路のシェアというような分け方でやっております。そういたしますと、昭和六十年時点で車が四千二百五十万台になるであろう。ただいまのところは二千二百万台をちょっとこえたところでございますが、四千二百五十万台になるであろうというふうに考えております。
  93. 前川旦

    前川旦君 そうすると、輸送をしなければいけない貨物の量は、この百九十兆円、昭和六十年ということになりますと、どういう数字を押えておられますか。この百九十兆円というのは、田中さんにしかられませんか。田中さんは三百兆で日本列島改造をやっておられますけれども建設省は値切った。それはまあいいでしょう、われわれは列島改造論反対ですから、それはいいと思いますけれども、この百九十兆円に対応する貨物の量というのは、いま数字がありますか、あればちょっとおっしゃってください。
  94. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) たいへん失礼いたしました。私も少し低過ぎるなと思いながら、数字があったものですから申し上げたのですけれども昭和六十年のGNPは二百三十兆円から二百五十兆円でございます。これは四十五年の価格で二百三十ないし二百五十でございます。たいへん基本的なことを間違えて申しわけございませんでした。  それに伴いまして、昭和六十年の輸送も、たとえば数字があればということでございますが、輸送のこれはトン数でいきますと、先ほど申しましたように、八〇%も九〇%も占めておりますので、道路の問題のときにはトンキロ、やっぱり走る距離も入りますので、トンキロで申し上げたほうがはっきりおわかりやすいかと思います。トンキロでまいりますと一兆三千八百億トンキロと、昭和六十年でございます。現在——現在と言っても、これは昭和四十五年度の数字でございますけれども、三千四百億トンキロでございます。現在はこれよりもう少し上回って、四千ぐらいでしたか、そういうことでございます。それに対して自動車の受け持ちます分が四千五百億トンキロ、シェアとしては、私どもは、三三%ぐらいのシェアになるであろうと想像しております。現在のところはトンキロで四三%ぐらいを道路が受け持っております。経済社会基本計画におきましても、昭和五十二年度で、たしか四三%というシェアでございますが、昭和六十年度には自動車の受け持ち分は若干減るのではないかというような想像をしております。
  95. 前川旦

    前川旦君 そうしますと、まず一つ問題が出ますのは、三三%をトラックで受け持つということになりますから、三分の一になります。三分の二はほかに持ってもらうということですね。それじゃ、ほかに持ってもらうというのは、これは内航船舶と、それから鉄道だろうと思いますけれども、一体それだけを持てるだけの能力が六十年までに身につくのかどうか。内航の場合は船を建造して港湾をある程度きちっとすればできるかもしれないけれども、国鉄はいまどれぐらいでしょうか。フルに運転しても六百億ぐらいじゃないでしょうか、輸送量フルにやっても。そうなると、これは国鉄のほうにもたいへん負ってもらわなきゃいけないということになりますが、その辺の相互の計画ですね。そういうのはうまくいっているんですかね、一体。どうなんでしょうか。
  96. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) ただいまの六十年時点の問題であります。本来ならば、これは道路の問題、鉄道の問題、総合的な問題でこれは経済計画という形でつくられ、それがオーソライズされてやるのが一番いいわけでありますけれども、まだそれはないわけでございます。したがいまして、私どもは、やはり建設省としての考え方でこういう数字を出しておりますので、これがそれでは残りの分が国鉄なり、あるいは船舶なりで持てるのか持てないのかというところまでのチェックはこれまだいたしておりません。それからもう一つ、持てないとすればさらにそれに向かって整備をすべきでないかという問題、これは政策の問題も出てまいりますので、そこまではやっておりません。私どもは、一つの目安という考え方で組み、そしてまたその中から現在の第七次道路整備五ヵ年計画、これは五ヵ年計画でございますので、わりあい近い将来の問題でございますので比較的推定も正確にできるということでございまして、そういう意味で、いまの経済社会基本計画も一応五ヵ年までということしかオーソライズされていないわけでございます。そんなことで、まだほかの分野がそれに対して受け取れるかどうかというところまではいっていないんで、たいへん申しわけございませんが、そういう状態でございます。
  97. 前川旦

    前川旦君 私は、この交通の問題でも矛盾が出てきて、それに対症療法というんでしょうか、目張り、つぎはぎを一生懸命しているという感じがします。これは現在は経済成長がものすごく激しかったからやむを得ないかもしれませんけれども経済成長といっても、いままでのようにむちゃくちゃな目標のない高度経済成長なんてもうできっこありませんね。これはもう資源の面から不可能であるし、第一原油の生産量からして制限があります。これは外貨の面からの制限もあるでしょうけれども、もっと深刻なのは生産量の問題からくる制限がありますから、そうなりますと、エネルギーの輸入量もおのずから限られてくる。そうすると、それに応じての経済成長率というものもかなり低く、しかも計画的にしていかなきゃいけない。それに応じて道路や国鉄の果たす役割りもかなり長期な目でちゃんと計画的に見ていかないといけない時代にきていると思うんですね。そういうことを考えますが、長期目標はよくはずれるというけれども、一応そういう長期目標をきちっと立てるべきではないか、これが一つです。  もう一つは、四千五百億トンをトラックで輸送を担当するとすれば、そのときには、トラックはだんだん大型化するとはいっても、どれぐらいの台数が想定されますか、トラックの台数というのがどれぐらい必要だというふうに想定されますか。
  98. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) トラックの台数は、現在の台数の大体四〇%増し、一・四倍というふうに考えております。トンキロのほうは……
  99. 前川旦

    前川旦君 あらかじめその数字のことを言ってなかったから、無理ないと思います。
  100. 亀岡高夫

    国務大臣亀岡高夫君) 一問目についてお答えをいたしたいと思います。  御指摘のとおりのような考え方を持っていかなければならぬと私自身は考えます。と申しますのは、今回、昨年の十一月から石油問題が起きたわけでございますが、これはもう地球の上における人類が初めて経験したことでございまして、この有限な地球上の資源をどのように有効にできるだけ長期間にこれを活用していくかというような観点から考え直していかなければならぬという御指摘があったわけでございますが、私もそのとおりであろうと思います。そういう立場からまいりますと、最もこのエネルギー資源を効率的にすべての面で活用していかなければならないということになりますと、トラック等の自動車交通の受け持つ部門、国鉄の受け持つ部門、それから航空機でありますとか、船でありますとか、それぞれの受け持つ部門というものができるだけ総合的に計画され施設されていかなければならないのではないかと、そういう立場から考えましたときに、今日までいろいろそういう立場から計画はされてはおりますものの、資源問題がこれほどきびしい問題として今回初めて取り上げられておるわけでございますので、そういう立場からの総合交通問題というものは、やはり新たな立場から考え直さなければならぬのではないかという感じを私は持つわけでございます。したがいまして、五十年度の予算編成も間もなくまいるわけでございますので、そういう際にはどういう考え方を基本にしてやってまいるか、政府のもろもろの計画というものに対してどのような考え方を基礎にして立案をしてまいるかというようなことをおいおい企画庁のほうにおいても検討中でございます。そういう計画とも合わせまして、この交通対策の問題につきましても、御指摘のように、過剰投資にならぬように、また、ほんとう国民本位の立場の制度なり、施設なりが整備されていくというふうに持っていかなければならぬと思うわけでございます。特にこの高速道路の完成とともに国鉄とのシェア関係が云々されて、国鉄関係に大きな影響を及ぼして、赤字で苦しむ国鉄がなおさら苦労するような状況に置いておるではないかという説も聞くわけでございますけれども、私はそうじゃないと思います。国鉄においても、やはり国民の要請から人員を中心にした戦後の再建がはかられ、充実が期されてきておりまして、特に貨物の面についても積極的にいろいろ整備をしてきておるわけでございますが、やはり貨物の面においての国鉄の対策というものも、さらに今後は道路交通以上に積極的にこれは解決していかなければならぬ問題であろうと思うわけでございます。特に私が感じますことは、この国鉄の貨物輸送と自動車の貨物輸送とは、これはもう切っても切れない密接な関係を持たなければならぬわけであります。その密接な関係をどのような施設によって、どのような方法によってぴったりとさしていくかというようなことについても、やはり多量の、また、きわめて多種類の貨物輸送に当たらなければならぬ要請になってくるわけでございますから、そういう面についての今後の検討ということも、私どもは、自動車交通の面からも、道路行政の面からも考えていかなければならぬと、その一つとして今回御審議をいただく考え方を打ち出したというふうなことをひとつ御理解いただきたいと思うわけでございます。
  101. 前川旦

    前川旦君 いま大臣言われました過剰投資ということは、私も実は非常に気になるんです。そこのところが非常に気になるものですから、こういうことを聞き出したんですけれども。それで、先ほど四千五百億キロトン、これはトラックの台数が幾らかということでいきなり言いましたから、一・四倍、これはどのぐらいになりましたか。
  102. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) これは昭和四十七年度に対しまして一・四倍と申し上げましたが、一・三倍でございます。それで千二百四十万台になるであろうということでございます。これはトラックでございます。
  103. 前川旦

    前川旦君 日本列島改造論、われわれ反対しております日本列島改造論を見ると、陸上輸送で六千六百億トンキロを処理すると、それには二千七百万台のトラックが要るというのがこれは田中総理の本の中にありますが、六千六百億トンキロで二千七百万台ということになると、車が大型化するといっても、四千五百億トンキロであれば千二百四十万台ぐらいで済むのかどうか、ちょっと疑問な点がありますが、それにしても、千五百万台のトラックが走る、あるいは二千万台のトラックが走る、私は、あれこれ言って二千万台ぐらい要るんじゃないかと思いますがね。そうしますと、どうなんでしょうね、二千万台のトラックが貨物輸送に必要になる、これはどうなんでしょうかね。国民十人のうち二人までが、子供も年寄りも含めて、トラックの運転手でなけりゃ動きませんわな。働いている人が六千万としたら三人に一人がトラックの運転手だということになっちまう、そんな労働力なんか出っこありませんね。その辺のことはどういうふうに考えていらっしゃるんでしょうかね。これはいろんなことから計画的に考えないと、ただ、もう幾らになるだろう、幾らになるだろう、幾らになるだろうといったって対応できない場合が出るんじゃないでしょうか、その辺はいかがですか。
  104. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) 先ほどの四千五百億トンキロに対して、私どもは千二百八十万台ということでやれるという計算にしております。そういたしますと、昭和四十七年度の一・三倍でございますので、実はドライバーがそういうふうに確保できるのかという問題ございますけれども、三〇%、三割増しということであれば可能であろうと、そのかわり車はどんどん大型化していくであろうという、これは車の大型化と同時に、それから輸送の効率というのがよくなって、稼働がよくなるというようなことも念頭に入れまして三割増しということでございますので、運転手の確保はできるであろうと。それから先ほど日本列島改造で六千億トンキロとかいうようないろいろな数字出ましたけれども、これはまたその推定の根拠が違いますので、いろんな数字があろうかと思います。たとえば産業計画懇談会といいますか、そこでは、将来三千五百万台ぐらいになるであろう、車の総数が三千五百万台と言っております。私どもは四千二百五十万台と言っております。あるいは日本列島改造では五千万台というような、これはいろんな予測でございますので、予測のやり方によっては違いますけれども、しかし、そうべらぼうに大きな差はないと思っております。  そんなことで、将来の大型化ということにより、あるいは効率化ということによって貨物輸送のシェアが確保されるのではないかと思っております。
  105. 前川旦

    前川旦君 これは大臣にお尋ねしたいんですけれども、いままでは、とにかく車はどんどん、どんどんふえると、その車が道路を求めますから、車の道路需要に合わせて道路をどんどん、どんどん通したり、つくったりするのに追われてきた。しかし、どうでしょうね、昭和六十年にいまの車の倍にもなると、道路を幾らつけても、狭い国土なんですから、そんなに多くの車を日本に走らす必要があるんだろうかということを私はいつも考えるんですよ。  これは政治家としての大臣のお考えを聞きたいんですけれども、なるほど、道路は知ってのとおりですけれども、たしか可住面積——人の住める面積で一平方キロ当たりで割りますと、日本が世界最高の台数になっているんじゃないでしょうか、いま現在。アメリカの八倍ぐらいになっているんじゃないでしょうか。ちょっと数字がありましたら教えていただきたいですが、それだけの密度でいまあって、それをさらに六十年にはその倍のトラックと乗用車が走り回るなんというのは、ちょっと想像を絶することだと思うのですね。ですから、その辺で、建設省の分じゃないかもしれませんけれども、車の台数をどうするこうするというのはね。しかし、これは道路関係のあることですから、どういうふうにお考えになっていらっしゃるか、大臣の意見を聞きたいんです。
  106. 亀岡高夫

    国務大臣亀岡高夫君) 国民の知的水準上昇し、常識が豊かになってまいりますと、多様な国民の要求というものが限りなくふくらんでまいるだろうということは、これはもうだれしも否定のできないところであろうと思います。したがいまして、その多様な国民の要望の中に、ここ十数年の間に示されておりますとおり、車に対する国民の要望というものがきわめて熾烈にこれがあらわれてきておるわけでございます。やはりこの傾向というものは、今後相当な勢いで伸びていくのではないかという感じがいたすわけであります。そういう国民の熾烈なる要望に対してブレーキをかけるようなことは、なかなかこれは実際むずかしいことであろうと思います。やはりある時点に達しても、これに支障を来たさないような道路交通の体制というものも、政治の場にある者としては十分考慮して計画をして進めてまいらなければならないのではないかと、こんなふうに私としては考えておるわけでございます。
  107. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) ただいま可住地面積当たりの保有台数が出ましたので、実は可住地面積当たりの保有台数は、日本の場合は一平方キロに対して百七十五台でございます。これがアメリカですと十分の一の十七台、それからイギリスが六十一台、西ドイツが九十五台ということで、日本は、比較いたしますとイギリスの約三倍、それから西ドイツの約二倍ということで可住地面積当たりは確かに車が多いと思います。ただ、今度逆にその可住地面積当たり人口密度を考えますと、日本の場合は人口密度が可住地面積当たり九十一という数字に対しまして、イギリスが二十五、西ドイツが三十三でございますので、約三分の一ぐらいでございます。したがいまして、可住地面積からいきますと日本はたいへん車が多いということになりますけれども、その可住地面積人口密度が非常にたくさんありますので、人口密度の考え方人口という考え方を入れると、やはりイギリス西ドイツと大体同じぐらいのところでないかというふうな数字になると思います。
  108. 前川旦

    前川旦君 その人口密度の非常に高いところを多数の車が走り回るということに問題を感じるんですよね。この車の数を行政指導で規制するというのはわけないことなんですね、無理に計画経済でなくてもですね。これは一台廃車しなければ一台新規はできないというふうにすればふえませんわ、現状からね。それから、車も一時は珍しかったけれども、もうそんなに一軒の家に二台も三台も車がほしいというようなことは許されない時代ですからね。私は、道路行政の面からも車の台数を制限しろというような声があなた方のほうからあってもいいじゃないかという思いがいたしますね。それはなぜそういうことを言うかというと、私は、この間高速道路をじっと見ていたんですけれども、四車線の高速道路で幅が二十二メートルから二十五メートルぐらいありますね。新幹線が複線ですが、じっと見ていますと、うんと幅が狭いんです。鉄道で調べてみますと、複線で八メートル四十ぐらいでしょうか。複々線で十七メートルぐらいですね。そうすると、四車線の高速道路面積で複々々線ができますね。そうすると、輸送もはるかにこのほうが効率は高いですね、貨物輸送をそれでやると。ですから、同じ投資効果として一体どっちが国益に合うのか、メリットがあるのか、これは一ぺん基本から考えてみる必要があるんじゃないかという思いが実はしたんです。もちろん道路は必要だということはわかりますよ。しかし、同じその資本を投下して、高速道路七千六百キロメートルですか、昭和六十年までに。複々々線が七千六百キロメーターできますね、これだけの土地があればですね。そうすると、どちらがほんとうに何というか、国益に合するのかというふうに疑問に思う場合があるんです。この点についてどういうふうにお考えなんでしょう。もちろん道路が必要でないとは言いませんが、何を急ぐのかという思いがいたしますがね、これはいかがでしょう。
  109. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) ただいまのお話ごもっともなことでございます。ただ、この総合交通問題閣僚協議会のときにも、やはり一番輸送の考え方として、この輸送というものは利用者が自分の一番いいものを選んで、それが一つのシェアという形になっているという考え方でございます。たとえば日用雑貨品あるいは生鮮食品というものはやはり戸口から戸口へというふうな問題あるいは量の少ない貨物というものがなかなか鉄道に入りにくいというようなこともあって、実は選ばれてそういうようないまのシェアになっていると思います。  確かに建設の面でいきますと、道路の幅と鉄道との幅の問題はあろうかと思いますけれども、いまの高速道路七千六百キロというものの位置づけが、全体の道路延長ということから見ますと、全国道路のネットワークということからまいりますと、これは道路そのものが複線になり複々線になりというようなネットワークが混んでまいりますと、当然そういう問題が出てまいりますけれども、現在のところは、高速道路につきましても七千六百キロできた暁に、どこからでも高速道路へ二時間あれば出れると。七千六百キロでもまだ二時間あっても高速道路へ出れないところが若干残りますけれども、おおむね二時間あれば出れるというだけの精一ぱいのネットワークができるわけでございますので、やはりこの貨物の動きということだけから高速道路というものあるいは道路整備という考え方があるのではなくて、やはりそういう過疎地域の開発というようなこともひっくるめてそういう考え方が出てまいると思いますので、必ずしも鉄道と道路とどっちが有利だということではなくて、やはり両方が相まった分野において成り立っていくものではないかというふうに考えております。
  110. 前川旦

    前川旦君 そういう御答弁だと思いますけれども、ただ高速道路というのはみんなきらうんです。というのは、たいへんな公害なんですよ、これは。そばへ立ってごらんになると、飛行場と同じぐらいな騒音がしますね。しかもインターチェンジは、これは十キロに一つですか、その計画は。この解説見ると七千六百キロで五百ヵ所のインターチェンジといいますから、十五キロに一つぐらいの平均になりますか。普通の産業道路生活道路と違って、家からすっと高速道路に上がれませんね、インターチェンジまで行かなくちゃいけない。さくがありますから入れません。しかも有料である。これは将来はやっぱり無料になるにしても、有料である、しかも騒音はものすごい。住民にとってそんなにプラスになるものはないんです。インターチェンジの付近は地価が上がるかもしれません。それは土地持ちの人はそれで得をするかもわかりませんがね。しかし、それはすでにもう投機の対象になって大きなところが買い占めている。ですから、高速道路網をつくってびゅんびゅん車を飛ばしてどんなメリットがあるんだろうか、私は、もう絶えずその疑問がのきません。しかも貨物の動きが非常に激しくなる。国鉄や代行線では追いつかない。したがって、その部門を道路輸送で、高速道路で分担する、これなら福祉につながることですからわかりますが、レジャー用の車がどんどん走る。走り過ぎて一家全部死んでしまうというような事故もたびたびある。ですから、そういう点に非常に疑問を感じるんです。  それはそれとして、警察庁の交通担当の方がお見えになっていらっしゃると思いますけれども、いらっしゃいますか。——アメリカでは、この石油の危機が始まって、あれはスピード制限しましたね、ハイウエイの。五十マイルでしたかしら、数字ちょっと覚えておりませんが、五十マイルだったと思いますが、日本の場合はやっていませんね、全体としてのスピード制限を。これは警察庁としてはどういうお考えなんでしょうか。一つは省資源という面もあります。もう一つはスピードを制限することで事故が減りましたね、十二月段階に。非常に減ったというように聞いておりますが、事実、そのスピードを制限することで事故が減るという因果関係があるのかどうか、それから高速道路のスピード制限をやるというお考えがあるのかどうか、その辺についての御見解どうですか。
  111. 寺尾繁

    説明員(寺尾繁君) お答えいたします。  先にスピードの関係で申し上げたいと思いますが、スピードと事故関係は確かにあると思います。現に西独あたりも制限をしてから事故が減ったという報告も出ております。また、わが国の場合でも、警視庁で昨年十二月から一月にかけての速度調査をやったわけでございますけれども、約一〇%程度の速度ダウンをしております。これは経済速度ということを広報されてからスピードのダウンにより事故が減ったのではないだろうかというふうに私ども考えておるわけでございます。  そこで、高速道路の問題でございますけれども、石油危機が問題になりまして、諸外国とも高速道路の速度制限をする。第一、今日に至りましても、すべての制限を除いた後においても、オランダ等におきましては高速道路の制限だけは存置しておるというような状況でございますので、先生のおっしゃる点、まことにごもっともだと思うわけでございます。しかし、私どもとして考えましたことは、法律上の問題もあのときはあったわけでございますが、石油の節約ということだけではいまの法律ではできないということのほかに、諸外国と比べまして、日本の場合は高速道路で百キロという制限をしてございます。諸外国の場合は従来もうほとんどノーズロで百五、六十キロでどんどん飛ばしておるという実績がございますので、わが国の場合はこれを百キロに押えている。と同時に、法律におきましても百キロ出せるのは軽自動車を除いた普通自動車以上の乗用車に限ってございます。のみならず、現在名神高速道路を例にとりますと、約半分の距離はすでに八十キロの制限をしてございます。そうしたこともございまして、とりあえず高速道路は八十キロでということ、あるいは一般道路は四十キロでといったようなことで行政指導あるいは広報といったような形で現在実施しておるわけでございます。  したがって、将来の問題につきましては、先ほど申し上げました諸外国がノーズロであると、しかも、いま制限したといっても約百キロであるということ、それから諸外国の一般道路も今日なお八十キロであるといったような情勢も踏まえ、わが国の一般道路が現在六十キロを最高速度にしておりますけれども、こうした一般道路との関係考えて、できるだけ早くこうした問題についてもっと研究をいたしまして将来の対策を立ててまいりたい、かように考えておるわけでございます。
  112. 前川旦

    前川旦君 私は、もう二十年以上も前に免許を取りまして、いまでもくにに帰りましたら毎日自分で運転するんです。国会議員が法に触れるようなことをしたら恥ずかしいですから、道交法を一生懸命守ろうと思って努力しているんですけれども、それでもスピード制限のあるところは見落とすことがよくあるんですよ。五十キロという制限があっても、うっかりしていると六十キロで走っていたりなんかするんです。ですから、高速道路を部分的に速度制限をしているとおっしゃるけれども、あまり実効があがらぬのじゃないでしょうか。たとえば四十キロなら四十キロのスピード制限のあるところをきちっと四十キロで私いつも走ります。全部の車に追い抜かれます。追い越し禁止であってさえ追い抜いていくんですね。ですから、これはもうあっさり高速道路は全部八十キロなら八十キロに落とす、一般道路は五十キロなら五十キロに落とす、こういうことを法律できちっとしてもいいんじゃないでしょうか。一般道路の六十キロと高速道路の百キロというのは、日本のようなところではちょっと大き過ぎるのじゃないでしょうか。そのことで人命がうんと助かり、あるいは省資源にもなるということになればたいへんいいことだと思いますが、そういう方向で検討されますか、どうですか。
  113. 寺尾繁

    説明員(寺尾繁君) それに近いことを申し上げたわけでございますが、諸外国高速道路と一般道路、そこへもってきまして、都市内といいますか、そういう三つのスピードゾーンというものがございます。わが国の場合、先ほど申し上げましたように、高速道路と一般道路の六十キロと二つだけでございますので、こうした一般道路関係も踏まえまして、全体の道路体系の中でどのようにスピード制限を持っていくかということについて検討してまいりたい、かように考えております。
  114. 前川旦

    前川旦君 私に割り当てられた時間がまいりましたので、法案の内容はこの次に入らせていただきたいと思います。きょうはこれで保留します。
  115. 古賀雷四郎

    古賀雷四郎君 時間の関係がございますので、簡単に道路公団法の一部改正の問題につきまして御質疑を申し上げたいと思います。  まず、ただいま前川先生から総合交通体系等の問題につきまして詳しい御質問がございました。たいへんけっこうな御質問でございますし、私ども、総合交通体系をどうしていくかということは、今後の日本の省エネルギー問題あるいは公害問題というふうな観点におきましても、当然考えていかなければいかぬ問題です。また、労働力の問題も多分にあるだろうと思います。そういう意味で、政府として十分ひとつ御検討くださるように私もお願いしておきたいと思います。  まあ、そういった問題は取り上げずに、今日、高速自動車国道建設されておりますが、今後どういう見通しでおやりになるのか。特に最近公害問題等いろいろ起きております。もちろん事故の問題もございましょうし、公害問題もあります。そのために各地区でいろんなトラブルが出ていることは、もう御承知のとおりでございます。そういった今日までの高速道路建設にあたって直面された問題につきまして所見をお伺いしたいと思います。
  116. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) 高速自動車国道は七千六百キロがもう法定されておりますが、現在のところ、九〇%近くがもうすでに基本計画が出され、六〇%近くがもう整備計画が出されて工事に着工しておるところでございます。今度の五ヵ年計画におきましては、いままですでに供用しておりますところもひっくるめて約三千百キロ供用をしたいというような考え方で、二兆六千億の事業費が計上されてございます。ただ、お話のとおり、総需要抑制というようなことでございますので、四十九年度は若干当初考えておりました計画ベースより下がることになるわけでありますけれども、これは今後また景気が回復すればそれを補えるということもございまするので、いまのところはやはり三千百キロを供用したいというふうに考えておるわけでございます。  ただ、いまお話のとおり、この高速道路をつくりますにつきましては、いろんな騒音あるいは排気等によります公害の問題で、地元からやはり随所で計画に対する批判が出ております。私どものほうも、できるだけ地元の方に事前に計画を了解していただきまして、また、どうしても道路をつくりますと公害が伴うことはもうやむを得ませんが、できるだけそういう公害について、環境基準を守るというような形で道路の選定、ルートの選定あるいは構造的な問題をひっくるめまして、できるだけ環境の悪化しない形で建設を進めてまいりたいと考えております。
  117. 古賀雷四郎

    古賀雷四郎君 先ほどいろんな問題を提起いたしましたけれども、最近、国道等におきまして道路環境を整備するということを考えられまして、それに対する幾らかのいろんな規定を整備されたことは非常にけっこうなことだと思います。あれで十分かどうかは別としまして、私は、そういう道路に対する考え方、新しい地域社会のいろんな問題とマッチしながら進めていこうという考え方については大賛成でございます。ところで、高速道路につきましてはこういった考え方を導入される考えはないかどうかということをひとつお伺いしたいと思います。
  118. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) 公害に対します環境上の対策ということにつきましては、先ほど申し上げたとおりでございますが、特に高速道路あるいはまた国道にいたしましても、やはり通過交通を主体とした、どちらかというと、地元と関係のない車がたくさん通るところにそういう問題が出てまいります。したがいまして、そういう高速道路をはじめ、そういう道路をつくります場合に、良好な住居環境を守るというような場所を通りますときには、ただいまのところ、両側に二十メートル、場合によっては十メートルというような形で道路敷をよけい買いまして、そこに緑を植え、あるいは防音壁を立てるというようなものをつくろうということで通達を間もなく出すところでございます。実は今度の五ヵ年計画にもそういう費用として五千億ほどみております。そのほとんどは高速道路であり、一般国道になるわけでありますけれども、十九兆五千億のうちの五千億でございますので、これは今後やりますものにつきましてはもちろんですが、既存の道路につきましても、さらに用地を買ってそういう場所をつくることが地元の方からも賛成されれば、既存の道路にもそれを及ぼしていきたいと考えております。ただ、先生言われましたように、この道路だけではなかなかその基準を完ぺきに守るということはやはりむずかしいこともございますので、やはりこれは発生源である自動車の交通規制とか、そういうような総合的なものをやりませんと、なかなか基準を守れないと思いますけれども、そういう基準を守るというような形でつくっていかなければ、やはり今後はできないのじゃないかというふうに考えております。
  119. 古賀雷四郎

    古賀雷四郎君 高速道路は、いままで高速道路オンリーで仕事をやってこられたというのは十分反省されているようですから、非常にけっこうなことだと思いますが、私、この前の質問で川崎のインターチェンジの付近における問題を提起いたしておきました。ところで、私もこの前二、三日ちょっと病気で休みまして、いろいろと部屋を変えてみまして、そして高速道路の音を聞いてみました。しかし、なるほど朝四時ごろひょっと目がさめてみますと、非常に音がやかましいですね。私のところは五百メートルぐらい離れている。それでなかなかそういう音が耳について寝られない。あそこは住居のところですが、非常にそういったところにいろいろな新しい住宅が建っている。しかも高速道路のできたあとに建っているという問題で、その土地利用計画とこの高速道路計画をどうするのかということをこの前質問した。そこで、それに対して今後どういう方針でおやりになるのか。たとえば公園地帯にするのか、相当幅を公園地帯にしましてやっていくとか、あるいは緑地にするとか、あるいは住宅建てるなら少なくとも三百メートル以上は離せとかいうことで、私は、今後の高速道路の両側を十分ひとつ考えていくという考えを導入されなくてはいかぬのじゃないかという気がするのです。三百メートルにするとか、いろいろなことは騒音の問題と関連してきます。したがいまして、これらは技術的な検討をぜひお願いしたいと思うのです。私も資料をもらったのですが、これはちょっと私にはよくわかりませんので、自動車が高速道路を相当スピードで連続的に走りますと、かなり大きな音が出るということだけはひとつ御記憶願いたい。実験式をいろいろ書いてありますが、これは実験室でおやりになったことだと思います。それから十メートルの何とかということですから、もっと遠いところを実際にはかってみると、もちろん地域的な制約もございますから、いろいろと問題のとらえ方がむずかしいと思いますけれども、やはりそういった国民生活、住居の環境をよくするためには、やはりそういった広い地域まである程度問題の資料を集めてもらって、それを土台にして納得いけるような高速道路をつくるときの説明も必要でしょうし、そういうやり方をやらなくちゃいかぬだろうと私は思います。たとえば、このごろ住宅地を通る高速道路がかなりあっちこっちで問題になっていることも聞いております。そういった場合に、やはり住環境のところに高速道路を通すのは原則として私はやらないほうがいいと思います。そういう意味で、やるとしても騒音を最低限に押えるというようなことを考えていかないと、たとえば金がかかるからトンネルはやめたとか、そういったことじゃなくて、やはりトンネルでもやっていくというようなお気持ちで新しい地域社会をりっぱにつくっていくという考え方が必要じゃなかろうかと思います。そういう意味でぜひひとつ、この騒音問題というのはお願いしたい。私もこの前初めて一日じゅうずっと聞いてみましたから、相当深刻なものだなあということを感じたわけです。  それからもう一つは、都会に近いところは、たとえば川崎インターの例ですが、非常に自動車がインターチェンジに滞留する、滞留しますと自動車が速度がゆるんで、行ってはとまり行ってはとまりとやる。そうしますと、どうしても不完全燃焼が起きてくるという気がするのですよ。そこで、私が四年前に住みました時代と比べまして、あの辺の空気があまりよくなくなっているのじゃないかという気がするのです。そこで、そういった問題もやはりある程度、そういう過密のインターチェンジですか、そういったところにおけるいろいろな公害問題を両面からひとつぜひ検討しておいていただきたい。特にあそこに住宅公団とか、あるいはいろいろなところで団地住宅建ててあるわけですね。だからそういったところを今後どうしていくかという問題の参考資料にもなる。ぜひぜひお願いしたいと思うのです。そういった意味で、高速道路の周辺には住居を建てないとか、ある程度の距離を置いて建てるとか、あるいは病院は絶対建てられない区域にするとか、そういった心を配ったいろいろな今後の行政措置が必要ではなかろうか。河川法には、堤防のそば五十メーターはたとえば永久構造物は建ててはいけないとか、倉庫は建ててよろしいとか、いろいろな建築制限令がございます。これは実際守られているところもありますし、守られていないところもございますが、国民ほんとうのそういった住環境をよくするためのいろいろな考え方をもう少し高速道路の中にも入れてほしいという感じでございます。これは今度どうされるか、十分ひとつ御検討くださいまして、またお教え願えればありがたいと存じます。  そこで、先ほど道路局長からのお話で、高速自動車国道の目的は過密過疎の解消だというお話がございました。なるほど、私も、過密を促進するのか、過密を解消できるのか、ちょっとわからない点がございます。ただ、先ほど前川先生のお話によりますように、七千五百キロの中で五百ヵ所ですか、インターチェンジをつくると、十五キロに一回、十五キロを一またぎしますと、大体いなかの市町村だと三ヵ町村ぐらい一またぎ、あるいは二ヵ町村ぐらい一またぎ、そうしますと、実際利用面におきまして非常にいろいろとトラブルが起きてくる。高速道路の説明会等におきまして、インターチェンジをつくってくれという要請がかなりあるだろうと思うのです。そういう意味で、過密過疎地域社会の発展とか、いろいろなことを考えてみますと、やはりインターチェンジというものは、そんなに数を少なくしなくてもいいんじゃないか。通過交通主体のものならば、それはインターチェンジは少なくてもいいと思うのですが、ほんとうに地域を育成していこうと、過疎地域を育成しようという高速道路の目的ならばもっと親切なやり方があってもしかるべきだろうと。私もいろいろ聞いてみました。ところが非常にインターチェンジに金がかかると、金がかかるから採算上困るのだというお話です。しかし、金をかけてもそれが地域社会の発展に役立つならば、それは目的達成したことになるのじゃなかろうか。そういう意味で、高速道路のインターチェンジのいわゆる間隔の問題につきまして、実情に沿った考え方を入れていただけるかどうか、その点につきましてひとつ御所見をお伺いしたいと思います。
  120. 亀岡高夫

    国務大臣亀岡高夫君) 私、大臣に就任しまして、各局長に申したわけでありますが、せっかく建設省という一つの建物の中におって仕事をしておりながら、道路局の人は道路のことしか考えない、住宅局の人は住宅のことしか考えない。それが現実に大阪にある高級マンションを建てた、非常にながめがいい、静かであるということでみんな入った、それはもうおそらく一戸千五百万円以上ぐらいのだろうと思うんです。そこへ入った人たちが共産党の議員に案内されて建設省に陳情に来た。真下を高速道路を通す、けしからぬ、こういう事態に私何回かぶつかるわけです。いろいろ申請書が上がってきた場合に、やはり建設省の公務員であるという立場から、これは道路がどうなって、河川がどうなって、あと回りがどうなるんだということをしてからその書類にサインをするという習慣は、やっぱりこれは建設省の方々一人一人に持ってもらわなければいかぬなということで、実は大臣になって、石油問題が非常に激しゅうございましたから、石油問題はとにかくこれはもう公務員としては知らなければどうにもならぬのだから、せめて局長さん方でも知るようにというので、新聞のピックアップをして読んでもらっているというようなこともしたわけですけれども、そういう面においても、確かにいま古賀先生から御指摘いただいたように、住宅地も、ほんとうに都市計画なり、あるいは土地利用なりという問題がすかっとできておれば、もうそういうことはないわけでありますから、やはりわれわれ執務する際に、道路の路線決定の際あるいは住宅団地を選定する際、これから宅地開発等を積極的にやります場合には、特にそういう面に心して、将来この地区に高速道路なり、あるいは県道なり国道なりという計画はないのかどうかというようなこと、これは調べればわかることでございますから、そういうものを精査した上において立地をしてまいるというようなことは、もう御指摘のとおりでございます。環境問題等もそういう意味において、やはり立地という立場からも環境問題を考えていかなければならないということでやかましく各局に指示をいたしておるところでございます。  それから、都会の音と申しますか、赤坂見附のところで毎日私見ていくわけですが、あそこは案外音がないようでも七〇ホンを下らないわけです。何であそこの音が、測量するホンの指示器が七〇近いものを出しているのかと思って、時々あそこにとまってあれしているのですが、やっぱり自動車、特に高速道路を走っておる自動車の流れが切れますと低くなるのですね。そして流れがまた進むと高くなる。下の自動車よりもむしろ高速道路を走っているほうが機械に鋭敏なような感じを受けているわけです。確かに都市計画をつくる際におきましても、また住宅団地の立地をする際におきましても、公害、騒音というような点を十分に考えていかなければならぬと思いまするし、また道路建設してまいります際にも、私、ほんとうにこういう道路だけならうらやましいなと思った道路は、実は北京の飛行場から北京市街に入る道路でございます。こんなにほんとうに人のことをよく考え道路はちょっと見たことないなと思ったわけでありますけれども、車道の両脇に、あれは並み木が四列くらいにこう植わっておりましょうか、その両脇に自転車の道路がありまして、その先にまた並み木が相当幅であるわけでありますね。その並み木の外に果樹園がずっと並んでおる。ですから、農道なんかつくらなくても、それが直ちに農道にも適用されるというような、なるほどうまいこと考えてつくってあるなと、あそこまでいけなくても、せめてほんとうにこれからの環境というものを考え道路というものの事業を進めてまいらなければならぬのではないかということは、もう御指摘のとおりでございます。  それと、やはりこの渋滞することは、もう確かにこれは技術的にも不燃焼、それから燃料をよけい食うということはわかっておるわけでありますから、公害の面から見ても、また資源を大事にする面から見ましても、やはり渋滞をさせないような配慮というものが必要ではないか。これは私も技術者じゃありませんので、実は道路公団にも、道路局のほうにもいろいろ検討をしてもらっているわけですが、東京のあの高速道路にしても、おり口はもっとつくってもいいんじゃないかと、人間がいるわけじゃありませんし、おり口をできるだけ大きな道路にあれしたら、おり口だけつくれば、ある一ヵ所におりていくものだから渋滞になってしまうと。おりたいところでおりていければ非常にもう渋滞を防止することができるんじゃないかなと。ばかの一つ覚えのように上がり口とおり口、上がり口とおり口、同じ数しかつくってないというところに考え直す必要があるんじゃないかなという感じも持ちます。これは高速道路におきましても、幸い私どもの東北高速自動車道路計画をしていただいた際にも、あすこは十キロ間隔くらいでたいへんインターチェンジを近距離に置いていただくという配慮をいただいたわけですが、非常にこれは地域住民は喜んでおります。高速道路においており口だけをよけいつくるというようなことがいいのかどうか、これは検討の要があろうかと思いますが、都市高速道路においてはそういう考え方もいいんじゃないかということでいま検討をしていただいております。  以上、古賀先生から御指摘いただいた点、ごもっともな点ばかりでございますので、私、つくづく考えるわけですが、高速道路日本にはそんなに必要ないんじゃないかなとも思うし、人が、とにかく国道は五十四番目の広さしかないのに、先ほど人間が住める面積といったらこれはほんとうにもう国土面積の三割足らずと、そういうところに一億百万、というと世界で七番目の人口の多いさでございますから、一人当たり高速道路延長を計算してみると、ほんとうにドイツやフランス、英国なんかと比べますと、一人当たり道路というものの延長というものは非常に短くなるような感じがいたすわけです。そういう面から考えますと、これはやはり伸び伸びと一人の人間が社会活動をするためには、一人当たり道路の持つ意義というものから考えますと、やはり積極的に進めなければならぬのではないかというような感じも持っておるわけでございます。しかし、私、何せしろうとでございますので、いま申し上げたような点も諸先生方からいろいろ御指導いただきまして、道路行政、建設行政に間違いのない体制をとっていきたいと考えるわけでございます。
  121. 古賀雷四郎

    古賀雷四郎君 ただいま大臣から貴重な御意見を賜わりまして、ありがとうございました。どうかひとつそういった意味で今後とも進めていただきたいと思います。道路人間が利用するためにあるわけです。したがいまして、利用されないような高速道路というのは価値がないと思います。実は、私の郷里に菊池さんの御提唱によって有料道路をつくりました。これは福岡県と佐賀県の間に一つゲートをつくるだけであります。あとは全部主要道路と立体交差にしましてやってもらったわけであります。これがなかなか評判がいい、非常に地域社会も喜んでおります。用地買収もすぐ解決した。料金も百円で安いですから非常に喜ばれております。いまでもものすごい交通量で、三号線のバイパスは一万五千台近く通っているというような状況でございます。計画が八千台ですが、もう約倍近く通っているということでございます。そういった意味道路を利用できるような道路にしてもらいたいし、しかも公害の少ない道路にしてもらいたいし、高速道路も当然それぞれの役割りに応じてやっていただくようにぜひお願いしたいと思います。  そこで、先ほど前川先生から速度問題が出ました。私もこの問題を少し御質問申し上げたいと思っておりましたけれども、実はやはり速度は制限しなくちゃいかぬのじゃないかという気がいたすわけでございます。たとえば先ほど大臣からお話がありました都市高速道路、これはやはり制限すべきじゃなかろうか。というのは、たとえば用賀のインターを出ましてあすこでたまっている、それが出てくる、それがたまるからこちらがすいてきます、都内のほうがすいてくる、そうするとインターから出てくる車がものすごいスピードで走ってくる、とても六十キロどころじゃない、百キロ近くスピードを出しておる。そういう意味で、すいてくるとスピードを出してくる。たとえば、あすこの赤坂見附のところで、この前、トラックが魚もろとも落ちましたが、そういったやつもかなりスピードを出しておると思うんです。したがいまして、あのカーブはかなりきついカーブだと思うんですが、そういったところの制限速度を六十キロというのは無理じゃないか。やはり都内における、特に道路の上を通っているような高速道路からもしもトラックもろとも落ちてきたら、それこそたいへんな被害になる。だから人間が常識的にスピードをもって行けば、これだけなら十分処理できるというスピードに私は都市内は制限すべきじゃなかろうかと思います。あいたときにはものすごいスピードで走るということも一つ事故の原因ですし、それらに連関してやっぱりやっていかれなくちゃいかぬ問題だと思いますので、大臣の御意見のとおりだと思います。  それから、道路公団法の一部改正につきまして簡単に御質問申し上げたいと思いますが、新しい輸送体系の移行が進んでおります。たとえば長距離化とかトレーラー化とかがございます。今後高速道路におきましてもトレーラーという問題が相当大きくウェートを占めてくるだろうと思います。アウトバーン等におきましてもトラック、トレーラーがものすごい大きなものが走っておりますし、そういったものができてきますと、どうしてもトラックターミナルというものが要る。実は私の郷里もトラックターミナルというものの予定地になっておるそうでございます。これらの問題に関連しまして非常に関心を持っております。そこで、今後このトラックターミナルというのをどういう御計画でお進めになろうとされているのか、全国で何ヵ所ぐらい展開されるのかということをちょっとお伺いしたいと思います。
  122. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) ただいまお話しのとおり、高速道路の最近貨物輸送が大型化されてきております。これは今後ますますこの傾向が続くと思います。そうした場合に、高速道路のインターチェンジをおりましてそれから都市内に入るというときに、やはりそういう非常に大きな車が入ることは都市内の交通に非常に障害になるわけでございます。交通事故もたくさん発生いたすわけでございます。そこで、そういうインターチェンジの周辺にターミナルをつくりまして、大きい車はそこでとまる、そして小さい車が町の中から来てそして荷物を受け取って配送するというようなことで、これはそういう大型車を都市内に入れないということ。同時に、また大きい車がいままで東京から大阪まで行きますと、そのまま泊って翌日帰るという形態をとっておりましたが、そういうインターチェンジのところでドッキングができますと、お互いに東から来た車と西から来た車とが荷物を交換して帰れば、その日のうちに出発地へ帰れるということになりますので、そういうような意味から、やはりインターチェンジの周辺にはこういうトラックターミナルというものがもう必要であろうという考え方で、いま法律の改正をお願いしておるところでございます。  それで、いま先生のお話の、そうした場合に、どういうところにどのくらいつくるのだろうというお話がございました。インターチェンジは全国で先ほどの五百という数字になりますけれども、その中でやはり都市内の流通との関連がございますので、やはりある程度大きな都市になろうと思います。たとえば二十五万以上の都市あるいはまあ都市群というような考え方もございますけれども、そういうような場所あるいはその中継地点になるような、地形的に荷物の発生と到着がある程度分けられますので、その場合の中継地点になりそうな場所というようなところを選んでまいりますと、大体全国で六十ヵ所ぐらいそういう場所が必要であろうと考えております。その中で、いまお願いしておりますターミナル、公団が出資してやろうというターミナルは、大体そのうちの四十数ヵ所ぐらいが公団でやれるものではないかと思います。あと残りのところにつきましては、すでにもうターミナルの施設が発足してやってるところもございますし、またそのインターチェンジの周辺にどうしても用地の入手が困難であるというふうなことで、機械的には非常にむずかしいという場所がございますので、どちらかというと、これは今後用地買収をしますときに、一緒に買って一緒に初めからやらないとむずかしいと思いますので、大体四十数ヵ所というふうに考えていただきたいと思います。
  123. 古賀雷四郎

    古賀雷四郎君 そこで、そのトラックターミナルになる中継基地として、あるいは流通センターとしてのそういったターミナルをおつくりになるのですが、これは非常に公共的な性格を持ってるわけですね。そこで、公団みずから施設整備されてもけっこうだと思いますし、特にドッキングヤードとなれば、当然道路の目的として一つ考え方があるわけですね。それを第三セクターが施設をおやりになるという理由というのはどういうことでしょうか。
  124. 菊池三男

    政府委員菊池三男君) お話のように、道路公団みずからがやるべきなのが一番たてまえだと思います。ただ、現在は、道路公団におきましてはまだ高速道路建設が途上でございます。したがいまして、これから新しい道路をどんどん建設しなければなりませんし、同時にでき上がっていく道路も毎年数百キロありますので、そういう管理の面の拡充ということもやらなきゃなりません。この関連施設もみずからやるのが一番よろしいわけですけれども、やはり本来の建設、管理ということの充実ということを考えてまいりますと、現在の道路公団の人員その他ではなかなかできない。そうかといって、それをやらずにおきますと、野放図にばらばらにインターチェンジの周辺にそういう施設ができるということになりますので、そこで一つの一貫した関連施設をしたいということで、やむを得ず、じゃそれでは公団が出資をして、そしてそのかわり十分指導監督ができるという、全国的な視野に立った監督ができるという体制でやりたいということに考えておるわけでございます。
  125. 古賀雷四郎

    古賀雷四郎君 まあ、時間の関係もありますので、これで質問を終わりますけれども、私ももっといろいろとひとつ問題を質問したかったのですが、一般質問のときにまた御質問するとしまして、きょうはこれで終わらせていただきます。  どうか高速道路がいろいろと問題点をたくさん含んでいることを十分ひとつ御理解を願って、今後とも高速道路の円滑な建設のために御尽力くださいますように、あらゆる点から御検討をお願いしたいと思います。よろしく。
  126. 野々山一三

    委員長野々山一三君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。   午後一時散会      —————・—————