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1974-03-07 第72回国会 参議院 建設委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年三月七日(木曜日)    午前十時九分開会     —————————————    委員異動  二月二十六日     辞任         補欠選任      春日 正一君     岩間 正男君  二月二十七日     辞任         補欠選任      岩間 正男君     春日 正一君  二月二十八日     辞任         補欠選任      古賀雷四郎君     西田 信一君  三月一日     辞任         補欠選任      西田 信一君     古賀雷四郎君  三月五日     辞任         補欠選任      古賀雷四郎君     西田 信一君  三月六日     辞任         補欠選任      西田 信一君     古賀雷四郎君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         野々山一三君     理 事                 大森 久司君                 古賀雷四郎君                 中村 禎二君                 前川  旦君     委 員                 熊谷太三郎君                 寺下 岩蔵君                 山内 一郎君                 米田 正文君                 沢田 政治君                 田中  一君                 高山 恒雄君    国務大臣        建 設 大 臣        国 務 大 臣        (近畿圏整備長        官)        (中部圏開発整        備長官)        (首都圏整備委        員会委員長)   亀岡 高夫君    政府委員        建設大臣官房長  高橋 弘篤君        建設省計画局長  大塩洋一郎君        建設省都市局長  吉田 泰夫君        建設省河川局長  松村 賢吉君        建設省道路局長  菊池 三男君        建設省住宅局長  沢田 光英君    事務局側        常任委員会専門        員        村田 育二君    説明員        大蔵省主計局法        規課長      加藤 隆司君        大蔵省銀行局銀        行課長      清水  汪君    参考人        住宅金融公庫総        裁        淺村  廉君        住宅金融公庫理        事        沖  達男君        日本住宅公団総        裁        南部 哲也君        日本勤労者住宅        協会理事長    中田 政美君        日本勤労者住宅        協会理事     設楽 和夫君     ————————————— 本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○参考人出席要求に関する件 ○建設事業並びに建設計画に関する調査  (建設行政基本施策並び建設省関係予算に  関する件) ○日本道路公団法の一部を改正する法律案(内閣  提出)     —————————————
  2. 野々山一三

    委員長野々山一三君) ただいまから建設委員会開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  二月二十八日、古賀雷四郎君が委員辞任され、その補欠として西田信一君が、また、三月一日、西田信一君が委員辞任され、その補欠として古賀雷四郎君がそれぞれ委員に選任せされました。     —————————————
  3. 野々山一三

    委員長野々山一三君) 次に、理事補欠選任についておはかりいたします。  ただいまの古賀君の異動に伴う理事補欠選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 野々山一三

    委員長野々山一三君) 御異議ないと認め、それでは、理事古賀雷四郎君を指名いたします。     —————————————
  5. 野々山一三

    委員長野々山一三君) 次に、参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  建設事業並びに建設計画に関する調査のため、今期国会開会中、必要に応じて日本住宅公団並びに住宅金融公庫役職員参考人として出席を求めるとともに、本日、日本勤労者住宅協会理事長中田政美君及び同理事設楽和夫君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 野々山一三

    委員長野々山一三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  7. 野々山一三

    委員長野々山一三君) 建設事業並びに建設計画に関する調査を議題とし、建設行政基本施策並び建設省関係予算について質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  8. 田中一

    田中一君 最初に伺いたいのは、四十七年度、四十八年度計画されている第二期住宅五カ年計画のうち——年度、三年度だったかな、これに対して計画並びに完成戸数、これに要する予算の増加と申しますか、追加、あるいは、総予算じゃなく、それによる一戸当たり単価というもの等、前もって調査を要求しておきましたが、その点についての説明を願いたいと思います。
  9. 沢田光英

    政府委員沢田光英君) 第二期五カ年計画の二年目、三年目でございます。四十七年度、四十八年度公営住宅公団住宅計画及び実施、これについての御報告を申し上げます。  四十七年度につきましては、公営住宅につきまして、当初は十一万八千九百戸でございました。これが予算追加をされまして十二万一千九百戸ということになってございます。これが実施計画の段階におきましては、単価増その他ございまして、十万二千戸ということに、繰り越しを含めまして、なる見込みございます。四十七年度の中に発注されました戸数というものは九万七千六百戸ございます。したがいまして、残りの四千戸程度のものが四十八年度に繰り込んでいく、こういう状況でございます。次に、四十七年度公団住宅でございますが、一番当初は八万八千戸の計画でございました。それが事業の遂行ができないということで、年度末に一万八千戸、これを計画変更で落としてございます。したがいまして、七万戸というのが予算戸数、四十七年度予算戸数になってございます。これが実施計画では、四十七年度、四十八年度にわたりまして五万二千戸になるだろう、減るだろう、一万八千戸程度減るだろうということでございますが、これも同様、単価の問題から、かように減ってきておるわけでございますが、年度内発注は三万二百戸ということになってございます。したがいまして、減りましたもののうち、さらに二万戸以上のものが四十八年度に繰り込んできておる、かような状況でございます。  四十八年度につきましては、公営住宅が十二万四千戸の予算計画でございます。これが単価増その他施工能力低下等によりまして、計画戸数といたしましては、現在のところ、十万八千戸になる見込みでございます。その中、年度内発注は九万戸でございます。したがいまして、一万八千戸程度のものが四十九年度事業に繰り込んでくる、かようなことになってございます。次に、四十八年度公団住宅でございますが、計画戸数が八万戸でございます。これが同じ原因によりまして、実施戸数といたしましては五万九千戸になる見込みでございます。これの年度内発注は四万八千戸でございます。したがいまして、一万一千戸程度のものが四十九年度に繰り込んでいく、かようなことが四十八年度予算計画実施状況でございます。
  10. 田中一

    田中一君 では、数字が少し見込みが加わっているので、実態がよくわからないんですが、公団総裁から公団分を詳細に報告願いたいと思います。
  11. 南部哲也

    参考人南部哲也君) ただいま住宅局長のほうから御説明いたしたとおりで現在進めておりますが、すでに本年度につきまして見ますと、いままで一万八千二百戸ばかりの発注をいたしておりまして、この三月、これからが一番山になってくるわけでございます。ただ、御承知のような客観情勢でございまして、たとえば昨年の暮れに五千戸ばかりの発注をいたしましたけれども、このうち落札いたしましたのが七割で、三割ぐらいは不調というような事態も生じております。そういうようなことで、現在の時点におきまして、これから発注いたします四万戸近い戸数の落札その他の状況を見ませんと、はっきりした戸数、何戸年度内発注ができるということは確言できないというのが現状でございます。
  12. 田中一

    田中一君 そうすると、沢田君ね、いま話聞くと、残っている四万一尺これの年度内受注者があるかどうかの問題は保証し切れないと言っている。そうすると、いま住宅局長説明した問題は、希望的な観測数字なわけですね、その点ちょっともう一ぺん。
  13. 沢田光英

    政府委員沢田光英君) ただいま申しましたのは、年度末がまだ来ておりませんし、見込みの問題が入ってございます。ただいまの公団総裁の御報告のように、これからがんばるという見込みでございます。しかし、この見込みにつきましては、たとえば四十八年度につきまして公営住宅が十二万四千戸が十万八千戸という計画になるだろうという、この見込み一つございます。それから年度内発注が九万戸になるだろう、こういう一つの予想がございます。これにつきましては、私どものほうといたしましては、たとえば公営住宅につきましては、全事業主体について一々ヒヤリングをしてございます。個所別にもいろいろ詰めてございます。したがって、最近は入札不調の状態もやや脱してきて、落ちるのがだいぶ出てきております。もちろん単価を上げましたから落ちてきたわけでございますが、そういうことで、私どもは、この計画戸数あるいは年度内発注戸数というものは、この今回の単価増等によりまして、大体これがこのとおりいくんではないか、これ以上の動乱がなければ、このとおりいくんじゃないか、こういうふうな見込みを立てて、私ども十分検討の上きめた数字でございます。
  14. 田中一

    田中一君 じゃ、住宅金融公庫の四十七年度、四十八年度融資貸し付け決定分と、それから解約になったもの、それから完成したもの、それを説明していただきたい。なお、勤住協のほうにどのぐらい金が回っていって、それがどのぐらいになっているか、あわせて。勤住協のほうは勤住協中田さんのほうから伺いますから、説明していただきたい。
  15. 淺村廉

    参考人淺村廉君) 住宅金融公庫の分をお答え申し上げます。  私どもは、四十七年度に、全体の戸数といたしまして二十九万四千戸という決定をいただいておりました。それがいろいろ内容も変わりましたし、申し込みもふえたというようなことで、最後に締め上げましたところが、契約をいたしましたのがふえまして、三十万二千五百三十二戸となったのでございます。それが四十七年度状況でございます。それから四十八年度は、全体のワクが三十万八千戸でございまして、これはただいままだ進行中でございますので、最後にどの程度になりますか、まだはっきりいたしておりませんが、その戸数は十分に達成する見込みでございます。  それから、解約になりました戸数でございますが、これは実は個人住宅関係に一番解約戸数が多うございますので、私どもその戸数を調べたのをいま持ってきておりますので、この全体の分のうちでどれだけということはちょっと資料をいま持っておりませんが、私ども個人住宅融資に対する貸し付け、おおむね半分がそうでございます。そのうち、四十七年度は三千百二十七戸の解約がございました。四十八年度は五千六百六十一戸の解約がございました。  大体そのような状況でございます。
  16. 田中一

    田中一君 個人住宅の完成したものはどれぐらいになっておりますか。完成したもの、四十七年度
  17. 淺村廉

    参考人淺村廉君) 四十七年度は、完成いたしましたのが十四万二千百三十七戸でございます。
  18. 田中一

    田中一君 四十八年度のいままで完成したもの、報告のあったもの。
  19. 淺村廉

    参考人淺村廉君) 四十八年度の分は十四万とんで九十九戸と、ちょっと端数がございます。
  20. 田中一

    田中一君 それで、貸し付けの金の増減——減はありませんけれども、増加したのは四十七年度が百五十万、四十八年度が二百五十万、そうですか。
  21. 淺村廉

    参考人淺村廉君) そのとおりでございます。
  22. 田中一

    田中一君 四十九年度見込みは、三百五十万ですか。
  23. 淺村廉

    参考人淺村廉君) そのとおりでございます。
  24. 田中一

    田中一君 これで土地を除いた二戸当たりの完成する建築費の何パーセントになっておりますか、この三百五十万で。
  25. 淺村廉

    参考人淺村廉君) いろいろいま物価も変動いたしておりますし、私どももそういう点につきましてぴたりとしたお答えがいたしかねるのでございますけれども、実は四十八年度、今年度の二百五十万というのが一体どのくらいな実質の融資率になるかということを、せんだって来、一応出しておったのでございます。去年の六月ごろ出した数字でございますけれど、そのころは、この二百五十万の融資で大体四五%くらい、これは土地は除きまして、上ものの建築費だけでございますけれども、それの四五%くらいにはいっておると、こう見ておったのでございますけれども、その後非常に全体が騰貴してまいりまして、なかなかそういう率には達しないということになってまいりました。四十九年度は、幸いにこれが百万円ふえまして三百五十万に上がりましたので、少しきつい見込みかと思いますけれど、私どもでは、大体四〇%くらいの力にはなるんじゃないかというふうに考えております。
  26. 田中一

    田中一君 これは住宅局長に聞きますが、どっちみち、初めの建設予算にその融資が見合わない不適当なものだから、二百五十万を三百五十万にしても、戸数を減らせば金の限度は一向差しつかえないから、自由にやってもよろしいというようなことを考えておるのですか。たとえば四十七年度で実際に百五十万借りて完成した家というのは、どういう程度比率になっているか検討したことが、追跡したことがございますか。
  27. 沢田光英

    政府委員沢田光英君) 貸し付け率調査は、公庫のほうで逐次やっております。  そして、いま先生お話でございますが、実質的にかなり率が落ちるんではないかということでございますが、公庫総裁からもいま御返事がございましたが、現在、おそらく木造でございますと、坪当たり三十万円をこえると考えます。
  28. 田中一

    田中一君 現在ね。
  29. 沢田光英

    政府委員沢田光英君) はい、現在でございます。  いま公庫総裁はだいぶ前のお話をしましたが、三十万円をこえると思います。そうしますと、大体二十坪で六百万は少なくともかかるだろうということでございますから、三百五十万借りられれば、まあ、半分以上ということでございますが、二十坪でおさまらないとか、こういうものであればやっぱりいまのところ半分ぐらいと、こんな感じになってございます。ただし、やはり土地の問題がございますから、土地から何から買って一戸家を建てますと、おそらく、いまでは千二、三百万以上だろうと思います。それからいうと、実質的にはもっと比率がうんと下がってくる。私どもは、やはり貸し付け率をもちろん増して、できるだけ一ぱい貸したいということでございますが、予算等の制約によってかようなことになってきておるわけでございますが、本年度は全数の一五%ぐらい、四十九年度は一五%ぐらいは確実に区画整理等優良宅地にはさらに百五十万貸そうということでございますから、合計で五百万になるわけでございますが、五百万でも、ただいまの私の申しました千二、三百万以上というものには半分以下になってしまうということでございます。そこで、うんとこれを増せばいいじゃないかということももちろん一方にはございまして、われわれも今後とも努力をしていくわけでございますが、片や物が上がりますれば融資をふやすということで対応しますと、片や償還能力の問題が出てまいります。そこで、私どもは、やはり何といっても土地対策等で安い土地を出し、あるいは建築費のこの三十万とか何とかいうものをできるだけ安定し、あるいは下げるというふうなことに持っていかないと、きりがなくなるんじゃないかと、こういうふうな感じでございまして、いまの実情は確かに建物だけで半分程度土地まで入れますと三割と、こういうふうなことでございまして、あとは自己資金民間融資にたよるというのが実体でございまして、個人住宅を持つということはたいへんな状態になっておるということを十分認識して、今後とも努力していきたいと考えております。
  30. 田中一

    田中一君 中田さん、あなたのほうの扱っておる問題。
  31. 中田政美

    参考人中田政美君) お尋ねの四十七年度と四十八年度計画実績、もちろんこれは住宅金融公庫対象住宅についてお答えをいたします。  四十七年度では、当協会は六千戸計画しましたが、発注その他の実績では五千四百六十四戸。これに対する公庫貸し付け額は百六億余でございますから、一戸当たり平均二百万弱でございます。四十八年度におきましては六千六百戸計画して、いまのところ五千九百八十八戸、約六千戸。したがいまして、六百戸ほどちょっと計画より下回るという見込みでございます。これに対する公庫貸し付け金は百五十一億でございますから、算術平均して、一戸当たり二百五十万円というような融資を受けるというのが現在の実情でございます。
  32. 田中一

    田中一君 勤住協がじかに建てているものと、それから地方住宅生協に再融資しているものとあるはずですが、その比率はどうなっていますか。
  33. 中田政美

    参考人中田政美君) 勤住協で直接——直営事業と申しますか、これは東京周辺共同住宅、いわゆるアパートで、二月建てというのはやっておりません。したがって、生協に委託して地方でやらしておるのが大部分でございます。一五%が直轄、八五%が生協に委託して、いわゆる主として戸建てをやらしておるというのが現在の比率でございます。
  34. 田中一

    田中一君 その中高層の分の家賃算定はどれくらいになっていますか。それは住宅金融公庫から融資したからこうだと、あなたのほうの独自じゃなくて、いままでの公庫のほうから来る家賃家賃だということですか。
  35. 中田政美

    参考人中田政美君) ただいま申し上げたのは全部分譲住宅でございまして、賃貸はやっておりません。これは実は望みたいのでございますが、残念ながら割り当てがございません。
  36. 田中一

    田中一君 公団のほうに。公団のほうで、家賃算定は、やはり建設費から見合う家賃をきめておられると思うけども、四十七年度、四十八年度、これから出発する四十九年度、この見込み等家賃はどのぐらいになりますか。
  37. 南部哲也

    参考人南部哲也君) 家賃が逐次上がっていくということでございますが、四十八年度家賃算定は、これは四分七厘の利率で計算されておりますが、団地中層で二万六千四百円、団地高層で三万一千六百円、一般市街地で二万八千八百円、面開発関係ですと三万八千円というようなものになります。四十九年度でございますが、これは五%の利息がつくということになりまして、大体団地中層で二万八千円程度になろうかと、このように推察しております。
  38. 田中一

    田中一君 そうすると、その分の所得——年収のどのぐらいの人が対象になりますか。
  39. 南部哲也

    参考人南部哲也君) 大体、私どものほうでは、発足以来、月収の——年収を月で割ったものでございますが、一五、六%というのが平均した家賃負担になっております。この一五、六%というのは、それではもとは何かといいますと、これは都市勤労者世帯収入というものとの割合ということで算定いたしまして、そのぐらいになっておるというふうに見ておるわけでございます。最近は、このように家賃が上がってきますので、この一五、六%の維持はなかなかむずかしいということで、傾斜家賃を全面的に採用することによって一五、六%に何とかとどめたいという努力をしているわけでございます。
  40. 田中一

    田中一君 そうすると、年度にでき上がる戸数というものと建設というものとプールして、そうして一定の平均家賃というものをつくり出しているのか、ケース・バイ・ケース一つ一つの地域によって家賃が変わってくるのか、どっちですか。
  41. 南部哲也

    参考人南部哲也君) これは全部原価計算でやっておりますから、各団地団地によって違ってまいります。したがいまして、たとえば安い土地を手に入れたところは安くなりますし、それから高い土地を手に入れた場合には高くなる、このようになってまいるわけでございます。
  42. 田中一

    田中一君 距離の問題は考えていないのですか。
  43. 南部哲也

    参考人南部哲也君) これはその近辺に既存の団地がございます。したがいまして、そういうものとの関係で若干の調整をするということはございますが、大体において原価範囲でやっております。特に遠隔であって希望者が少ないだろうというような場合には、若干調整できる範囲で調整するということはございますけれども、大体はやっぱり原価を中心に考えております。
  44. 田中一

    田中一君 若干調整できる範囲というのは、どんなものなんですか。
  45. 南部哲也

    参考人南部哲也君) 範囲は大体四、五%程度でございまして、大きくは、どうしても償還収入との関係がございますから、できないということになっておるわけでございます。
  46. 田中一

    田中一君 もう一ぺん、公営住宅でちょっと聞いておきます。公営住宅の四十八年度の完成した家賃というものは、それはどんなものになっていますか。それはこういうことなんです。この請負に出して完成した、だから請け負った金額が家賃算定の基礎になるんだという考え方か、実際は一体どうなっているのか。それから、これはあなたのほうできめるんじゃなしに、各都道府県がきめるんでしょうけれども土地価格等についてもどういう基準でその価格を見ているか。たとえば市有のものあるいは県有——公有地ですね、公共用地があったとしても、それをどういう見方をしているのか。償還を確か七十年でしたね、これは耐火建築で。その算定基準
  47. 沢田光英

    政府委員沢田光英君) 平均でございますが、三DKあたり中層耐火構造、これの第一種の全国平均は、四十八年度では一万三千二百六十二円という計算になります。二種のほうは三分の二補助でございますから、安くて一万百三円ということになるわけでございますが、かようになってきます計算は、第一種公営住宅でございますれば建設費の二分の一補助でございますから、いま先生のおっしゃいました請負工事費、これから補助金を差し引いた残りを七十年で六分で償還するようなものが一つ償却費として入ります。それに今度は地代が入ります。土地のほうは、これは補助金がなくて、むしろ利子補給があります。そういうことで、その買った土地に対しまして三分程度地代というふうなことで算入をいたします。  そのほか、いまの原価に基づきます管理費維持費あるいは公租公課、もちろん私営でございますと税金が入ってまいりますが、あるいはそのほか保険料、こういうものを入れましていまのようなことになってくるわけでございます。  第二種のほうは三分の二補助でございますから、標準建設費の三分の二の補助金がいきまして、残り三分の一が家賃計算に入るわけでございます。ところが、まあ完全に標準建設費と同じく入札の価格が、契約価格がなっておりますれば、いまのような原理だけでございますけれども、これが実質的にもう少し契約が高いという場合には、たとえば一種では二分の一の残りが二分の一ではございませんで、これがたとえば六〇%とか、こういうふうなかっこうになります。そうすると、この分は償却されるわけでございますから家賃が上がってくるということで、まあ、四十八年の前半あたりまでは従来どおりきておりますが、ことにその後二回標準建設費を上げております。最近また一回上げております。合計で三五%をこえる値上げをしておる。しかし、それでもまだ負担が多少はみ出てくる。こういう状態でございますので、ただいまの四十八年度平均はいままでのものでございますが、これからのものは特にそういう上がりがひどいので、この平均をかなり上回ってくるだろうと思います。そういうもので一応計算家賃というのはございますが、この計算家賃の中で、地方公共団体、すなわち事業主体家賃をきめるわけでございますが、あまり高いというふうに考えるときには、これは公共団体がそれを減額をいたしまして、政策家賃としてたとえば一万五千円になったものを一万円にするとか、一万五千円になったものを一万三千円にする、こういうふうなかっこうで地域の実情に応じて家賃をきめておるというのが実態でございます。
  48. 田中一

    田中一君 そうすると、せんだってあたり、民間のプレハブ住宅に対して値上げをするのは考慮してくれいという申し入れをしておりましたね。プレハブ住宅の値の上がり方はどんなカーブで上がってきておりますか。ケース・バイ・ケース、いろんなものがあるでしょうけれども、いまおもなるものを説明してください。
  49. 沢田光英

    政府委員沢田光英君) 大体、この一年間、四十八年の中を通じまして——いま四十九年でございますが、現在まで一年間をとってみますと、三〇%から八〇%、おおむね八〇%程度の間にいろいろバラついてございます。傾向といたしますると、いわゆるコンクリート系のプレハブ、低層のプレハブ、こういうものが一番率が高うございます。その次に、鉄骨等の新建材によりますハウス、こういうものが高うございまして、木質系が比較的低い、こういう傾向でございます。たとえば木質系の一つをとってみますと、一月現在では、木質系の代表的なものは三割でございますが、三割程度の値上げ、ものによっては四割、こういうふうなことが出ております。あるいは木質系の中でも、一番高いほうは六割ぐらい一年の間に上がっております。それから鉄骨系のものの中には、大体四〇%から五〇%、この辺のものが多いようでございます。それからコンクリート系でございますが、これが一番高くて、一番高いものは、先ほど八〇と言いましたが、大体九割程度この一月現在で上がっておるというふうなものが実情でございます。
  50. 田中一

    田中一君 公営、公団と比較して、上がる率は逆なんじゃないんですか。
  51. 沢田光英

    政府委員沢田光英君) 公営住宅公団住宅につきましては、私どもいろいろ積算してみておりますが、積算の結果は、おそらく木造とか、あるいはあれによって違いますが、積算結果からいきますと、二〇%台、三〇%台という積算が出てまいります。しかし、一月じゅうの例のあの狂乱的な状況は、入札に際しまして先行きの不安というものが非常に大きく乗っけられておりまして、五割、六割、一般のものでも入札にそういう札を入れてくるというのが状況でございます。しかし、最近、これは少しずつ落ちついてきております。私どもは、これに対処をいたしまして、公営住宅ではいままでに、先ほど申しましたように、三五%以上単価をアップしてきております。公団も同様なことでやってきております。四十九年度予算に際しましては、公営住宅で四六%弱というものを見込んで計画を立てておる次第でございます。プレハブは、それ以上に何か上がったような感じがしております。
  52. 田中一

    田中一君 そこで、そういう経緯で四十七年、四十八年は済んできましたけれども、四十九年度見込み、それから建設省として対処している資材に対する手当て等を説明していただきたいと思うんです。
  53. 沢田光英

    政府委員沢田光英君) 資材の物動計画は非常に重要な要素になってまいりまして、そこで、大体五カ年計画におきましても、私どもは、全住宅についての数量、資材量というものを計算をいたしまして、たとえば鉄鋼でございますと、五カ年の全住宅の需要量というのは二千五百万トン、セメントにおきましては五千五百万トン、木材一億八千万立米、かようなことを計算して、林野庁あいるは通産省のほうと御連絡しておるわけでございますが、単年度でこれをとらえますと、たとえば鉄鋼などにつきましては、生産量が一億トン以上ございますが、その中で住宅用のものは五%程度、五百万トン程度ということになります。セメントにおきましては一五%程度でございます。木材は、非常に使用量が住宅に多うございまして、五六%程度、こういうふうに単年度では考えられるわけでございます。  そこで、いままでの状況からいいますと、鉄鋼につきましては、四十八年六月ぐらいから四十九年一月まで非常に価格が高く、需給が逼迫してまいったわけでございますが、最近におきましては、これが価格の面でもだいぶ落ちついてきております。たとえば四十八年一月が四万五千円、一トンいたしましたものが、それが十二月では九万三千円、十万円近い、これは細ものでございますが、こういう状況でございましたのが現在では量的にも単価的にも、単価で申しますと八万六千円程度までにだんだん落ちついてきております。  それから、木材につきましては、四十八年一月に七万一千円であったものが四十九年の現在で、これは杉の正角でございますが、立米当たり七万一千円が五万五千円までにずっと次第に下がってきております。こういうことで量的にも、あるいは単価的にもだんだん落ちついてきております。  したがいまして、私どもは、四十九年度に際しまして、先ほど言いました総生産の中での比率というものを、あるいは使用数量というものをおのおの連絡をいたしまして、私どものほうは、そういうものの確保を各省にお願いをするという手を逐次打っておる次第でございます。こういうふうになってきましたのは、総需要の抑制あるいは公共事業の抑制、こういうものがずいぶんきいてきたのではなかろうかというふうに思いまして、私どもの来年度予算編成に当たりましては、できるだけのものを完遂するという方向で、たとえば公営住宅は五万九千戸というふうに戸数が大幅に減っております。減っておりますが、これはできる最大限、少しは上のせしてございますが、そういうものを組んだわけでございます。そのほか、そのために単価も四五%以上上げておる、そういうふうなことで、四十九年度公営住宅につきましては、九万五千戸というものが単価的には確保できる、物動的にも確保できる、こういうふうな見通しでおるわけでございます。  公団公庫につきましても同様な見通しでございますが、今後異変がなくて、いまの傾向でだんだんと安定化に向かうといたしますれば、私どもは、十分な完成ができるというふうに考えております。
  54. 田中一

    田中一君 せんだって、私は北海道に行ってきたんです。北海道で旭川の主として石狩川の砂利採取をやっておる協同組合、この理事長と、札幌で砂利採取をやっておる協同組合の理事長が会いたいといって会いました。そうして二時間ばかり話し合ったんですが、結局、こういうことを言っているんです。砂利、砂ももはや生コン業者の手にじかに売られない、大手のゼネコンでも買ってくれないというんです。すべて丸紅とか伊藤忠とかいう大手商社の手を経て買われていくんだ、砂利、砂ですよ。そうしてそれがどうしても二十円、三十円高いというんです。そういう手を経なければそれだけ安い値段で入るのじゃないか、立米二十円、三十円、こういう傾向、木材にしてもセメントにしても、鉄鋼にしても、みんな商社を通っておることは明らかなんです。これはたとえば林野庁が——きょうは林野庁来ておりませんが、林野庁が払い下げをするのにもやはり大手の商社のほうに優先的に流れていってるんです、木材でも。それで大きな利益を林野庁は生んでいるわけです。いままではもう何といいますか、特別会計返上したいという運動もありましたけれども、今度の人為的な値上げからはっきりと黒字になってしまった。それがまた大手に流れていく、大手が押えるという悪循環が今日の大きな悪性インフレを生んでいるわけなんです。ことに品不足等も生んでいるわけなんです。そこで、いま少しは落ちつくであろうという仮定のもとに昨年一年進んできました。もうどうするかということになっていると思うんです。教育の問題にしても、住宅の問題にしても、福祉の問題にしても、すべて建設という声がなければそれが完成しない、充足されないわけなんですから、何とか考えることはできないものですか。  これはかつてこういうことがあるんです。二十八年、九年のころでしたよ。相当大型の水の開発とか道路あるいは建築物なんというものが陸続と計画されている時期に、セメントが一トン当たり一万二千円になったことがあるのです。これは工場も空襲を受けて品物も不足だったんでしょう。こんなことじゃ困るといったって事実そうなんです、需要のほうが多いですから。何かの手を打たなければならぬ。たしかこのとき建設大臣が根本龍太郎君だと思ったけれども、談じ込んでセメント会社と話し合ったんです。そして若干安くなりましたが、その際に、私、手元でもってこういう計画を立てたことがあるんですよ。公営セメント促進法という要綱を書きまして、もうこれは民間の手に預けていたんじゃどうにもならぬから、使うのは公共団体が使うのだから、公共団体独自でもってセメント工場をつくろうじゃないか、セメント工場つくるのは何でもないんです、原料は日本の国内のどこでもあります、石灰はどこでもあるんです、そうしてやろうではないかといって案を出したことがあるのです。当時は、大体月産二十万トンつくるのに、工場が二十億円ぐらいでできたと思うんです。いまはとてもそんなものではできないでしょうが、何か手を打って刺激を与えなければ、これは一昨年の暮れから昨年にかけてずっと調べてみますと、鉄鋼にしてもセメントにしても、極端な操短はしておらない、ちゃんとつくっているんです。木材でも入荷しているんです。どっかで操作されているということがあるわけですから、それを刺激するには何かそうした考え方を持たないかということなんです。砂利、砂にしても、これは昨年でしたね、昨年私が質問したときにも、水の開発をするならば、埋没しているダムの砂利、砂を除去するような、財源は一般会計から出して除去するような方法をとれ、そうすれば一石三鳥じゃないか、こういうことも言っておりました。建設大臣は、砂防事業は大いに行なうということを所信表明でやっておりますが、砂防事業を大いにやると砂利、砂がなくなっちゃうんです。これは妙な循環でして、砂防事業を完全にやると砂利、砂がなくなっちゃって、ダムにみんなたまっちゃうんです。下流には流れてこないんです。そこでダムにたまっている砂利、砂を除去する方法をとれということなんですよ。そうしてすべて商社の手によって資材が握られているということになりますと、この計画は遂行できない、同じことを繰り返すんです。まあ、利得税の問題もきょう自民党が閣議で決定して、後退している案ですが、出そうというかまえ方を持っておりますけれども、何といっても、現在建設の労働者が食うに困っているんですよ。これだけはっきり申し上げたいんです。食うに困っているんです、何にも仕事がない。したがって、建設省は、もっと資材まで及ぶ自給自足体制というものを、自分がつくる必要もございません、促進してつくらせればいいんです。いわゆる高い高度成長によるところの繁栄している企業というやつが建設関係たくさんあるんです。その企業じゃなくて、中間にあるところの商社がそうした操作をやって社会を混乱さしているんです。何か考えはないですかね、そういう考え方に対して。これは局長じゃなく、建設大臣から何か考えを明らかにしてもらったほうがいいんですが。
  55. 沢田光英

    政府委員沢田光英君) まず住宅だけの話から始めさしていただきます。  その前に、ちょっとお断わりしたいのですけれども、先ほど四十九年度予算戸数を五万九千戸と申し上げたそうでございますが、九万五千戸の間違いでございますので……。  私ども、実は福祉関係住宅等につきまして、もちろん全住宅もそうでございますが、とにかくコストを下げなければいけないと、そうしないと住居費負担が上がるわけでございますから。そういうことで、実は工業化等の合理化の線をいろいろ進めておるわけでございますが、これはおもにどんどん上がってきます労務を合理的に使っていくという工場生産その他のやり方でございます。資材のほうは、いままでどうも大産業がいろいろとつくって出してきておりますので、こちらのほうは実はあまり問題になっていない。とにかく大量生産でつくられた資材を使って現場労務というものが問題だから、現場労務を節約していく方法と、こういうことをやっていたわけでございますが、今回そういうふうに資材問題が非常に大きな問題になった。したがいまして、資材のウエートの大きいプレハブなどがよけい上がるというふうなかっこうになります。そこで、実は木材問題、四十七年度から始まりましたが、木材から始まりまして鉄、セメント全般に及んだわけでございますが、こういうものの値上がり、特に木材あたりで感じましたのは、もちろん輸入の量の問題もございますが、入ってからの流通問題、これは非常に大きな問題でございまして、その流通のところでうまくいかないと値段がどんどん上がってくる。こういうふうなかっこうで、実は林野庁等といろいろ打ち合わせております。林野庁のほうでは、たしか住宅関係がおもでございましょうが、私どもの相談をいたしておりますのは、何か要するに明らかな流通段階での備蓄の仕組み、こういうものを研究されて始めようとされております。木材の備蓄というのは一番むずかしいわけでございますけれども、ある程度の備蓄をしておれば、物が世の中に少なくなったときに出すと、多くなれば備蓄にふえていく、こういうかっこうでクッションをとる、こういうことが木材には一番必要だろうということでございますが、ほかの資材につきましても、住宅等では、私どもは、そういうことは望ましいというふうに考えておりまして、流通の近代化ということは、もちろん通産行政として一番大きな大前提でございますが、私ども需要者の立場といたしますれば、その根本的な問題も手をつけていただくというふうなことはありがたいわけでございますが、とにかく流通段階で明らかなストックといいますか、備蓄量、こういうものをある程度持っていただくような仕組み、こういうものをいま各省と私ども相談をしておる次第でございまして、一番最初に先ほど申し上げました木材の問題等が話題にのぼってきております。これは住宅サイドのいままでの考え方と、それから対処のしかたでございますが、全体の問題につきましては、計画局あるいは大臣からお答えしていただきたいと思います。
  56. 田中一

    田中一君 ちょっと大臣、その前にひとつ申し上げておきます。  いままでの政府の高度成長政策というものの間違いはたくさんあるんです。ことに賠償という行為が後進国に対していろいろな投資——投資というか、贈与をしています。フィリピンに行ってみると、ベニヤ工場が二十数社あるのです。これはみんな賠償という形で、日本のメーカーがみんな向こうに持っていって工場をつくってやったわけなんです。資材であるところのラワンは、フィリピンが一番多いわけなんです。自来、もうフィリピンでは原木を日本に売りません。だから、四、五年来、日本のベニヤ産業というものは全部全滅したわけです。いまだに日本に売らない。ことにフィリピン政府が言っているのは、日本の商社に売りたくないということを言っているのです。安く売っても、決してそれを安い値で日本の国民に供給しているのじゃないということを言っているのです。それからセメント工場が十二社フィリピンにあるんです。これは日本の各セメントが賠償という形で持っていっているのです。そのために、いまだにトン三千円です。日本の金ちょっと安くなったから、もっと高いかもしれませんが、トン当たり三千円か四千円です。日本では六千円、八千円と言っているのです。そういうように安いものがあるんなら、刺激さすためには、たとえば韓国から買ったってよろしい。それからフィリピンから買ったっていいんです。そうすることによって、日本の不当につり上げているところのもののコントロールができるのですよ。日本の通産行政というのはそれをしないのですよ。木材にしても、おそらく昨年の暮れあたりは七〇%以上は輸入材です。それにかかわらず、日本の林野庁あたりは、ようやくいまこれでもって黒字になって、各職員もみんなほっとしているのですよ。これも便乗値上げです。あそこも特別利得税取っていいんですよ、しいて言うならば。ほんとうの便乗です。悪質です、こいつは。国、国家という名においてやっているのですから。したがって、どこもここも原料はシャットアウト食っているんです。向こうのほうが安いのですよ。通産行政としてセメントを輸入すればいいんです、あり余っているのですから、フィリピンなどは。事業がないのです。香港とか東南アジアへ全部売っているわけなんです。そういうセメントをですよ、日本じゃ、どっこいしょと言って通産省がシャットアウトしている。まあ、中曾根君というのは金つくるのはじょうずか知らぬけれども、これは日本の国の産業行政といいますか、流通行政に対して大きな犯罪を国民の間に残している、傷あとを残しているということは明らかなんです。そこで、亀岡さんは、何も中曾根君とは関係ないんだから、派閥も関係ないんだから、もう少しものを言うことなんですよ。通産行政の誤りはたいへんあるんです。流通段階は誤りがたくさんあるんですよ。それについては、もう少し真剣に——真剣に考えているんでしょうけれども、まだ就任早々だから、勉強も足りないだろうと思うから、あんまり言いませんけれども、もう少し考えてほしいと思うのですよ。  そこで、ことに住宅問題はどうか、あなたのほうの審議会があって、審議会でどんどん聞いているでしょうけれども、審議会以上にこの国会に相談してください。各党でもって相談しようじゃないですか。住宅なら住宅問題どうするか、福祉施設の問題、教育の問題もからめて、建設の問題はどうしようかというようなことをもっと真剣に持つ会合が必要だと思うのですよ。よく言うんですよ、審議会あたりの、あなたの諮問しているところのあたりから、こうやれああやれという、政策的なものとか立法的なものを持ち込んでくるんですよ。立法権は国会にあるんです。政府にもあるんです。請願、希望はいいです。しかし、こうするんだああするんだと押っつけちゃ困るんですよ、実際言うと。もっと国会を活用すべきなんですよ。何も政府だけが出すんじゃない。政策的に政党が出すんじゃない。国民に向かって、ほんとうに共通の場でもって共通にそうした問題に対する検討をここでしながら、共同の立案をして出すというようなことに発展しなければ、いまのようなことでは、これは住宅問題なんか解決しないです、四十九年では。多少安くなった、落ち着いたということだけであって、解決されないです。もっともっと根本的な問題があるんです。そういう点について亀岡さん、ひとつあなたの、いままでずいぶん党内でも議論になったでしょうから、方向を説明していただきたい。
  57. 亀岡高夫

    ○国務大臣(亀岡高夫君) 御高説よく理解できるわけであります。  私も、就任早々、かつてない石油問題をきっかけとして、きびしい事情の中における建設行政の当面しておる諸問題をいかに解決しなければならないかということを身をもって感じて、現在対処をいたしておるわけでございます。  その中で、ただいま先生から御指摘いただいた資材対策というものが、建設省の機構上も、非常に脆弱であるということを私まっ先に感じたわけであります。いま資材、労務、それを室ですか、それで細々とやっておるということで、現在各地建ごとに——ものがどういうふうに動いておるのかということ自体、建設省にしっかりと把握してもらわないとということで、実は地建ごとに、とにかく一週間おきに、せめておもな建設資材の値動き、需給の動向、価格の推移というやつを収集しなさいということで、それをもとといたしまして、通産省に対しまして、近畿圏あるいは関東圏セメントがほかの地区に比べて非常に需給のバランスがくずれておる、そのためにそれが非常に高騰しておるというような問題を提起いたしまして、通産にはやかましくそういう点を資料を添えて実は今日までやってきておるわけでございます。しかし、もっともっと機構的に整備をいたしまして、特に資材面、それから建設協会を指導してまいります業界の諸君に、ただいまも非常に苦しんでおる諸君に対する適切な行政指導ということをする機構がこれまた非常に脆弱であるということを私感じまして、四十九年度予算におきましても、そういう面の人事機構関係の行政を強化してまいるというような措置もとらしていただいておるということでございます。  ところが、この資材関係につきましては、先行き非常な不安を私感ずるわけであります。建設行政は私勉強中でございますけれども、特に骨材なんか十年後に一体どうなるのだろうかということに対して、これはもう積極的に、仰せのとおりのような具体的な問題を中心にいたしまして、十年後の諸資材、特に骨材、これはもう取ればそのあとはなくなるということがわかっておるわけでございますので、こういう問題については、やはり経験者の方々のお集まりをいただいて、基本的な対策を講じなければなるまいということで事務当局に命じておるような次第でございます。  まあ、いずれにいたしましても、現在建設行政の中で、私の考えの一端を申し上げておるわけでございますが、道路、河川関係、都市計画関係等一応路線がととのっておるわけでございますが、住宅関係につきましては、土地問題が十分に法律的に解決されておらないという感じが強くするわけでありまして、こういう面に対して、建設省といたしましては、土地問題、特に地価、土地の規制、地価の抑制ということができますような方向をとってまいりますとともに、その中で特に地価問題とからんで住宅問題の解決をはかってまいりますためにも、ただいままでいろいろ御指摘いただきましたように、公営住宅にしましても、大阪圏、東京圏というものは予算を消化しきれないというもろもろの原因等をたどってきますと土地問題にぶつかるわけでございまして、家賃の問題にいたしましてもやっぱり地価問題にぶつかるということで、ぜひとも土地規制の方向を速急に講じていかなければならないという考え方を持つものでございます。  と同時に、ただいま御指摘いただきました国会の御意見というものは、これはもう私ども日ごろ当委員会を通じまして御指導いただいております問題については、その線をなるべくできるだけ行政の面あるいは政府が政府提案の立法をする際に諸先生方の御意見等を十分しんしゃくをいたしましてやってきておるつもりでございますが、まだまだ足りないという御指摘でございますので、今後もできるだけ積極的に私どもも国会の諸先生方の御意見を行政の面あるいは政府提案の立法の面において取り入れさしていただくような方向で建設省内を指導してまいりたいと考えるわけでございます。
  58. 田中一

    田中一君 いまのダムの砂利の除去の問題などは、既存の砂利業者、採取業者に何の関係もないんですよ。砂利となりますと、これは通産省の所管になってくる、商品ですから。けれども、河川を守る、ダムを守るということになりますと、これは建設行政で可能なわけなんです。建設行政で可能なわけなんです。いいですか。それで頭へきちゃっているのは、砂利、砂が商社の手を経なかったら国民の手に入らないんだというようなことになると、もうどうにもならないということなんですよ。これは事実ですね。事実はっきりと聞いてきているんです。丸紅に入れてください、伊藤に入れてくださいと、こう言ってくるんだそうです、生コン屋が。だから、砂利の問題などはこうしましょうよ、実際にあなた方ができる——政府じゃなかなかできなければ、われわれみんなで各党で考えようじゃないですか。ダムの中にあるところの砂利、砂というものを除去するという一つの立法です。そしてこれは地方公共団体にやってもいいんです。あるいは協同組合にやってもいいんです、全部売買は。そしてストレートに消費者にいくというような形をとればいいんです。これは採取の権限は建設大臣が持っているんですから、河川行政でもそのとおりでしょう。まあ、都道府県が見ている地方河川もありますけれどもね。建設大臣が大きな川に対する権限は持っているんですから、そうしてやれば発電も余分にできますし、水が確保できますし、砂利、砂が消費者にじかに渡るということになる。砂利、砂というものは取ってほしいところにはたくさんあるんです。それは取らないんですよ、単価が上がってくるから。利根川の河口近くの橋脚のそばにくっついている砂利、砂だと、これ一番取りやすいから取っちゃう、そのかわり災害がある。だから取ってほしいところに砂利はたくさんあるんです。そういうところは採取業者は取らないんです。また、最近は、そういう災害の危険があるからと禁止しています。そこで、もっと根本的にそういう問題に対して必要なもの、計画的に十年間でこうしよう、二十年間でこうしようと、どこそこにどれがある、これをどうしようと、一ぺん建設大臣も木曾川筋を歩いていらっしゃい。まだ川見てないんだろうな、きっと。木曾川筋を歩くとダムたくさんあります。そこにはもう八〇%、九〇%砂利、砂が詰まっているところがたくさんあるんですよ。そういうものを取ろうというんですよ、何億トンです。それはみんな一つのところでもって。何年分とありますよ。そういうものを除去するというような前向きな建設行政をやってほしいんですよ。場合によったら、いま言うとおり、セメント会社つくったっていいじゃないですか。セメントをじかにつくったっていいじゃないですか、自分たちがつくるものは。そして刺激するんですよ、民間に。こういうようなことを考えなければ困ると思うんです。  そこで、次に伺いたいのは——銀行局来ていますね。住宅ローンの現況を説明していただきたいんです。
  59. 清水汪

    説明員(清水汪君) 民間金融機関の行なっております住宅ローンのごく最近の状況でございますが、たとえば昨年十二月末現在で見ますと、全国銀行の住宅ローンの残高は三兆一千八百九十八億円約三兆二千億円になっております。このほか、相互銀行が約五千八百九十億円ございます。そういたしまして、この残高をどういうふうに見るかということでございますが、たとえばその一年前の四十七年十二月末現在の同じ残高と比較いたしますと、おおむねこれらの残高は一年間に約七〇%から八〇%ぐらい増加したことになっております。したがいまして、これらの金融機関の四十八年中におきまする一年間の貸し出し全体の増加率は大体一五、六%ということでございますので、それとの比較においてごらんいただきますと、全体の引き締めの中におきましても、住宅ローンにつきましては、かなりの程度それぞれ努力しているということは言えるかと思います。  ただ、やや詳しくこれを四半期別の推移で見る必要があろうかと思いますけれども、御承知のように、昨年の初めまでは金融は緩和基調をたどっておりましたが、春以降急ピッチで引き締めが強化されました。その関係がやはり多少これにあらわれているということは否定できないと思いますけれども、しかし、たとえば都市銀行の場合で、ちょっとこまかくなって恐縮でございますが、数字的に申し上げますと、去年の一−三月では住宅ローンの、これは純増額の数字でございますが、純増額は約千六百億円、続きまして四−六月も千六百億円台でございました。それが七−九月期には約千四百五十億円、それから一番新しい実績のわかっております昨年の十−十二月期におきましては、これは千三百億円台に下がっております。したがいまして、金額それ自体でフォローしてみますと、やや減少ぎみにあることは否定できないと思います。  ただ、全体の銀行の許されております貸し出しワクも逐次きつくなってきておるというわけでございまして、その点をたとえば申し上げますと、都市銀行の場合ですと、三カ月単位で窓口規制を日本銀行がいたしておりますが、その場合には、銀行それぞれの全体の貸し出しの残高というものは三カ月間に大体三%前後ぐらいしか増加させることが許されていないわけでございます。ところが、そうした全体の苦しさの中にありましても、住宅ローンの部分につきましては、その中で約一〇%ぐらいの伸び率を三カ月ごとに続けてきて、期によってはもちろんもう少し高い期もございましたけれども、一番最近の十−十二月におきましても、増加率は、住宅ローンの場合は一〇%台でございます。全体は三%台でございます。そういうことでございますので、三カ月間におきます純増額の中においては、やはりかなりのものを住宅ローンに振り向けるようにやっているということは言えるかと思います。  しかしながら、全体の総需要抑制の中でまるまるこれを例外というわけにはまいらないと思いますけれども、しかし、やはり先ほど来の御議論にございますように、住宅ローンの重要性ということはよく金融機関に浸透させていきたいと思っておりますし、今後とも、この住宅ローンに対しては、やはりワクの中で可能な限り最優先的に努力するという姿勢でやるようにという点は、引き続き指導してまいりたいというふうに思っております。  なお、金利につきましては、各金融機関とも、今年に入っても引き続き据え置いておる。住宅金融会社だけ別でございますけれども、一般の金融機関は据え置きの努力をしておるということでございます。
  60. 田中一

    田中一君 それから、民間にある四つの住宅ローンの金融機関がありますね、貸し付け機関というかな、この内容について説明してほしいと思います。
  61. 清水汪

    説明員(清水汪君) お尋ねの住宅金融専門会社と言われておりますのが四つございますが、日本住宅金融株式会社、それから住宅ローンサービス、それから住宅総合センター、それから相銀住宅ローンセンター、この四つが現在ございます。これらは預金の受け入れというような資金調達手段はもちろん認められておりません。いわゆる銀行ではございません。もっぱら貸し付けだけをいたしますが、それぞれ四十六年から四十七年に設立されました。現在、昨年十二月末の残高を取ってみますと、一番大きいのは日本住宅金融株式会社でございますが、これが約千五十二億円ということでございます。あとの三つは、やや出発がおくれた関係もございますが、それぞれ六百七億円、五百三十二億円、それから相銀住宅ローンセンターは四百十億円という残高になっております。これらの金融機関におきましては、もっぱら親銀行等からの借り入れ金に原資を依存しておるという関係もございますので、昨年中を通じましてそういう金利が一般的にかなり上がったということもございますので、本年に入りましてから貸し出し金利のほうを新規に貸すものから一・五六%程度引き上げて、現在一一%程度の金利になっているということでございます。
  62. 田中一

    田中一君 そこで、この需要が相当減ってきているという理由はどこにあると思いますか。国民は不安定だからいま買っちゃ損するんじゃなかろうか、だんだん安くなるんじゃなかろうかというようなところから減ってきているんですか、どうなんですか。それとも、めいめいみんな金持っているから借りないでも済むということなんでしょうかね。
  63. 清水汪

    説明員(清水汪君) たいへんむずかしい御質問でございますが、私どもが金融機関から様子を聞いておる範囲あるいは多少個人的な経験も加えて考えてみまするに、一つは金融機関側の全体の貸し出しし得る資金のワクがやはりかなりしぼられてきている。前年同期比で見ますと、たとえば現在でいえば、都市銀行の場合には三割から四割あるいはもう少しきつい程度に貸し出し額そのものが削られておるということがございますので、どうしてもこれが影響せざるを得ないということはあろうかと思います。しかしながら、もう一つ反面では、やはり資材の単価が非常に上がっておるというようなことをよく聞くわけでございまして、したがいまして一件当たりの建築に要する資金がやはりかさがふえている。そういうようなことから、結果として、これを十年なり二十年なりの期間にわたりまして月賦で返すにいたしましても、一回当たりの返済負担額がかなり大きくなっている。そのようなところから、年収との比較等におきまして、やはり借り入れるほうにもある意味で制約が出てきているんじゃなかろうか。そのようなことが折り重なりまして現在のような状況になっているのではなかろうかというふうに考えております。
  64. 田中一

    田中一君 その条件をよくして家を持たすという方向で大蔵省はローンの問題を解決しようとしないのですか。
  65. 清水汪

    説明員(清水汪君) 現在、これらの民間銀行におきましては、一人当たりに対する貸し出しは、おおむね二千万円ぐらいが最高限度ということになっております。住宅専門会社の場合には二千五百万円というものもございますが、ただ、問題は、やはり年収との関係で、大体年の返済額がその人の年収の二割五分ないし場合によりましては四割ぐらいまでというところがやはり貸し出しをする一つの目安になっているということが運用の実情でございます。そういうようなことと、一方におきまして、現在の建築費という問題とのからみ合いでそういうことになろうかと思いますが、この一人当たりの貸し出し限度額につきましても、これはたとえばおととしぐらいに比べますと、昨年の初めからやはりある程度引き上げられた数字になっているかと思います。
  66. 田中一

    田中一君 そうして、この四つの会社並びに一般市中銀行等は、このローンを扱っているところは、その契約する本人の生命保険を全部つけているんですね、その限度額の。
  67. 清水汪

    説明員(清水汪君) 原則として、生命保険を付して貸し付けをするということになっております。
  68. 田中一

    田中一君 生命保険をかけるということは非常におもしろい——おもしろいというか、考えているんだと思いますが、それを拒否する人はありますか。拒否すれば貸さないんですか。
  69. 清水汪

    説明員(清水汪君) 絶対に貸さないかどうかということはつまびらかにしておりませんが、原則として、生命保険付きで貸すということで運用いたしておるように承知しております。
  70. 田中一

    田中一君 二千万の生命保険というと、どのぐらい年額かかるんですか、年齢にもよるでしょうけれども
  71. 清水汪

    説明員(清水汪君) 年齢に関係ございますが、現在、都市銀行は二千万円程度が最高限度であり、かつ二十年が最長でございますが、二十年の場合には金利は年九%ということで昨年の初め以来やっておるわけでございますが、生命保険料保険料部分というのは銀行のほうがその中で負担しているというのが実情でございます。したがいまして、九%にプラスして特に借り入れ者に負担になっているということはないようでございます。
  72. 田中一

    田中一君 こうして住宅供給というものが建設業者の手によって行なわれなければならぬ。いまのような制度では、いわゆる下がるであろうと、安定するであろうという見込みで、これだけの量は消化されるであろうという考えでいるわけなんですが、それには、もはや請負形式というものを変えなきゃならぬのじゃないかと思うんですよ、その段階にもうきていると思うんです、請負というのは、御承知のように、百億で契約したものが六十億ででき上がって四十億もうけても、これは文句ないわけなんです、現在までの通念ではね。いまいろいろ契約の百億のものが二百億になるからスライドしてくれという要求があるんで、そこで、そういう形の施工方法というものを抜本的に変える時期じゃないかと、また、抜本的に変えることが無理ならば、過渡的に現在として何か別の方法を求めなくちゃならないんじゃないかと、じゃなけりゃだれも仕事する者いませんよ、このままじゃ危険で。おそらく公団にしても金融業にしたって、ずいぶん苦労しているんじゃないかと思うんですよ、仕事をさすには。それはもう公団にしても金融公庫にしても、みんな同じだと思うんですよ。そうすると、いろんな形があるんですよ。私は、いままでこの問題についていろいろ議論もしたことがありますけれども、実費清算や、たとえば一番困ったのは資材だから資材だけはひとつ支給しようじゃないかと、これはちっともうまみがないからいやがるんですよ、資材というやつは。おれのところはとんでもない、こういう材料があるんだと、これは安く入るんだと、それを押しつけられたんじゃかなわないということになって、なかなか困難があるんです。主たる材料はいいかもわかんないですよ。ところが、商社というあの中間業者がいる限り、これを排除する形でもって何か考えなきゃならぬものがあると思うんですよ。さっき言っているように、一立米二十円でも三十円でも高いということ、これは一立米で十円、二十円の手数料がほしいというじゃないんですよ。その企業全体を支配しようという考え方が商社にあるんです。十円、二十円のものがほしいというのじゃなくて、その会社全体を支配しようという考え方があるんですよ、商社には。だから生コン業者がそこから買ったほうが得だという計算も成り立つんです。そういう点について、そうしたものを排除するという形の請負契約というものを考えなきゃならぬじゃないかと思うんですが、それはどうですか。
  73. 大塩洋一郎

    政府委員大塩洋一郎君) 確かにこのような異常な時期におきましては、建設の当初の積算の見積もり、あるいは中途においても変動いたしますので、何らかの特別の対策をとらなければならないというふうに考えております。  政府としましても、基本的には価格を早期に安定するということが一番の基本的な姿勢でございますけれども、とりあえず、こういう事態に対しましては、工事の発注に際しまして、なるべく単価の積算を適正化するということのほかに、過般来、数次にわたってスライド制というものを逐次改善してまいってきているところでございます。しかしながら、それでもなおまだ十分でないというので、たとえば実費生産方式であるとか、あるいは現物を支給する方式であるとか、いろいろの提案及び試案があるわけでございますが、私どもの視点からこれをいろいろ検討してまいっておるのでございますけれども、それぞれいろんなまた別の問題が先生御指摘のようにございまして、これらの問題をいま検討はしておりますけれども、これにかかわる抜本的な新しい案というもので、現在のところ、これというものがない。そこで、近々、また、このスライド制につきましてもさらに検討を加えて、四十九年度から新しい方式を確立する必要に迫られておるわけでございまして、目下検討中でございます。  そういう状況お答え申し上げます。
  74. 田中一

    田中一君 スライド制なんて、一つの部分的な現象でもってこうしましょうということでならいいけれども、かりに政策的に政府が立ち上がれば、がたっと下がる場合があるんです。その場合に、それを返してくれということになると思うんですよ。スライドして上限、下限というやつを、どっちみち、何というか、木材がどかっと入ってきて安くなったというのにかかわらず、いままでも金を払いはしないんだよ、結局ね。  そこで考えなきゃならぬことは、過程請負というのがあるんです。過程請負というのは、プロセスですね。百億の仕事を百に切ってみる、切ってしまって一億ずつ契約していくんです。百というものの完成の想定をしながら一億、これが二カ月かかるんです、この一億の消化が。そうすると、もうすぐ見積もりしなきゃならぬ。何月になればまた上がった、これを見積もりをする、それが妥当だといえば、それでもって発注するほうが契約すればいい、受けるほうもできる、一つ一つ切っていくんです。全体を完成するのに一つずつ切っていくんです。二カ月ずつ仕事の進行によって契約をしていく、新規の契約をしていく、継続していくという行き方があるんです。これはインフレのときにはよく使う手、方法なんです。そういうようなものも、資材が高騰するなんという場合には、使ってもいいんですよ。ただ、いまのように一括請負、紙一枚でもってきめるんですから、百億円と書いたら百億円できめるんですよ。内容を調べるわけでも何でもないんです。そういうようなことで、危険でしょうがないんです。だから、大体三月末、今月末から来月初めには、おそらく千件以上の中堅層のゼネコンがつぶれるであろうと言っているんですよ。銀行がすぐつぶせるんです、銀行が。金を返せ返せと、返して——担保とっていきます。この辺でと思うときにはぽいっと百万円の不渡り手形出せばすぐつぶれてしまう。そういう操作をやりつつあるんです、いま金融機関が。いまの日本の金融機関は商社とみな組んでやっている。そこで、いかに建設界から商社を排除するかということ。たとえば計画局がいつも発表している例のゼネコンのランクがありますね、あるいは電気屋とか何とかたくさんあります業種が。そうすると、商社は全部上位にいるんです。何にもしない、仕事のまねはしないで、ただ元請として下請に流してやるきりでもって実績が上位になっているんですよ。そういうことは、この虚構の請負人というものを排除するんですよ、どこまでも。これは金銭の、金の責任持っていますからということを言うのだそうですね。商社が入っていれば心配ないと、そのかわりその仕事の全部の資材というものは商社が扱っているわけなんですよ。この商社の介在というものは、もうどうにもならぬような日本の建設界におけるところの害悪ですよ、これは。そのかわり金をうんと持っている。金の心配要りませんということになるから、商社へみんな納めるわけですよ。ゼネコンへ頼んだら、行ったらば三カ月の手形なんと言うけれども、商社ならば現金でくれるからそっちへ持っていくということがあるんですよ。こういう点を亀岡さん、あなた真剣に取っ組んでごらんなさいよ。また、商社から国民協会に対する献金が多いものだから、どうもあなた方はなかなかそれが踏み切れないんです。そういうことをあなたのように若さを持っている人はやるんですよ、もっとはっきりと。  これに対しては、きょう、いま来てもらっているのは——大蔵省の法規課長来ていますね。ひとつこの契約ですね、会計法あるいは予決令等、制度として何か新しい契約方式を考えたらどうかということなんです、あなたに来ていただいたのは。こういうことでは、日本は正常な社会に戻らない。たくさん建築の職人死んでいるんですよ。それもたいした額じゃないんだ。百万円値上がりしちゃってどうにも返すことができないと言って首くくって死んでいる者もいますし、ひどいものなんですよ。それをなくするのには請負契約という契約そのものをまた問題にしなきゃならぬと思うんです。その点で何かいい考えお持ちでないですか。
  75. 加藤隆司

    説明員(加藤隆司君) 先ほど来、先生のいろいろ御卓見を伺っておりますが、過程契約というようなことばも初めて聞いたようなことでございまして、往時、私、建設の主査をしておりましたときに、スケルトン建築というようなことで非常に悩まされたことがございます。それを思い出して、また、先生が非常に新しい御意見をおっしゃっていること、われわれも勉強しなきゃいかぬというような、たいへん申しわけないような段階なんですが、国の契約制度はやっぱり安定した制度でなきゃいかぬと思うんです。先ほど先生もおっしゃいましたように、現在の情勢が長期的なものなのか短期的なものなのか、短期的なものであれば緊急措置というような観点で整備するのか、ただ、やはり契約制度というのが国が特殊の立場にあるわけでなくて、一般の契約の原則に従ってやるという面と、それから、予算生活をするわけでございますから、予算というほうの制約からくる国の内部の手続をきめていく面と両方がございます。申すまでもないことでございますが、そこいらの調和を臨時緊急的な問題としてどうやって解決するのか、あるいはこういう傾向が長期の問題なのかどうか、そういうようなわれわれのほうから見た問題点があるわけでございます。それから同時に各省の立場における問題点があろうかと思いますが、そういうような問題を一体どう考えたらいいのか、とっさの場合になかなか明快なお答え、私の考えを申し上げることができませんが、スケルトン建築を思い出して、あのとき、結局は、ああいう問題——いまかなり行なわれるようになったやに聞いておりますが、御卓見だと思いますが、早期にはなかなか御返答できない。要するに制度としては、われわれ国の会計制度の分野を担当しております者といたしましては、安定した制度というようなものとしてそれが一体のみ込まれるかどうか、なかなかむずかしい点もあるんではないかというふうに思います。
  76. 田中一

    田中一君 建設省が自民党の中でもって考えられているところの——村上勇君の村上委員会というのがあるわね、これがスライド制をやっているんでしょう。それもだんだん範囲を広げて、百分の二になったのかな、比率は。一件の契約の中でもって一つの建築材料が百分の五比重を占めていれば、その分はスライドしましょう、こういうことをやっている、実行している——実行しているのだな、あれはいま。ところが、それじゃとてもじゃない、土木はいいけれども建築じゃとても該当する品物がもっとこまかいのがあるということなんだ。今度は百分の二に下げたんだね。そうすると、これは法規課長、どう思います、こういうことは。行政措置で、支払い側のほうでこういうことをやっているのですよ。予算でも何でもないが、あとから積み上げましょうということです。といって、これが安くなったからといって、おまえ出せといってしり切りはしないんでしょう、あれは。どうなんです、考え方。
  77. 加藤隆司

    説明員(加藤隆司君) しないです。
  78. 田中一

    田中一君 しないでしょう。上がったものだけは積んでやろうということなんでしょう。これはどうですか、法律的に会計法から、予決令から見た場合には。
  79. 加藤隆司

    説明員(加藤隆司君) 非常に具体的な問題で、いろいろ関連する条件をちょっと承知いたしておりませんので、即答はいたしかねますが……。
  80. 田中一

    田中一君 どうもいま行政府がそういうことをやっているんだ、現在。それを支払い側のほうで、大蔵省のほうでそういうことをやっているのに、これは合法でございますと言うか、違法でございますと言うか、あり得るでしょうと言うのか、その点は何にも連絡ないですか、あなたのほうに。
  81. 加藤隆司

    説明員(加藤隆司君) 法律的な問題としては別でございますが、政策判断としてどう考えるかという問題について即答ができないという意味でございます。
  82. 田中一

    田中一君 そのいまやっている村上委員会の効果というか、実績というか、どんなものになってますか、だれか説明してください。
  83. 高橋弘篤

    政府委員(高橋弘篤君) 先生いろいろお話のとおり、最近の労務賃金だとか資材の高騰によりまして、どうしても土木事業とか営繕事業におきましては、いわゆる標準約款にございますところのスライド条項を適用する必要が出てきたわけでございまして、これは御承知のように、標準約款は昭和二十五年にすでにできておりますが、一度もまだこれが適用されてないわけですが、したがって、四十八年度がいかに日本経済は異常な事態にあったかということがわかろうかと思います。そういうことによりまして、九月、十二月、一月と先生も御承知のようないろいろなスライド制度を次々ととってきたわけです、その情勢に応じまして。その結果、現在のところ、この適用につきましては、大体持ち出し分、請負業者が持ち出す分についても五〇%か六〇%について、こういう措置につきまして補てんできるということになっております。ただ、これは個々の契約、どんな資材がどういりふうに使われているのか、全部それによって違いますものですから、一律に言えませんけれども、そういう状況でございまして、この方式をとるにあたりましては、大蔵省とも十分連絡をとりながら、こういう措置をとっているわけでございます。いわゆる民事上の事情変更の原則という考え方に基づいてやってまいりたいと考えるわけでございます。
  84. 田中一

    田中一君 この村上委員会の設置は、建設大臣が委任した機関ですか。
  85. 高橋弘篤

    政府委員(高橋弘篤君) 村上委員会は、いわゆる自民党の公共事業等に関する調査委員会でございまして、これは自民党のほうでいろいろこういう問題につきまして調査、研究をされる委員会と聞いておるわけでございます。私どもは、政府の責任といたしまして、こういう制度を考えたのでございまして、もちろん、自民党の村上委員会に私どもの意見も申し上げて、また、村上委員会のいろいろな先生方の御意見もいろいろ私どももお聞きしているわけでございますが、政府の責任においてこういう措置をとった次第でございます。
  86. 田中一

    田中一君 私は、そうした機関が自民党の中に設置される、それが行政府と一緒になって、行政府はその指導によってやっているんだということの不合理というものを指摘したいんですよ。そんなことはあり得ないんです。契約約款には、あなた方が持っている標準約款には、台風とか水害とかという場合の改定の問題は明らかになっているけれども、これは加藤さんにもう一ぺん聞きますがね、そうした契約の変更、契約の変更ではないんだ、積み上げだということが一自民党という政党の何人かの中でもってそれがささやかれて、それを政府がそのまま認めて行なっている、実行しているということに対して、あなた、役人として、国家公務員として、ことにそういう方面を担当するあなたとして、奇異な感じを持ちませんか。
  87. 加藤隆司

    説明員(加藤隆司君) そういうことは方々で行なわれておると思いますが、たとえば社会党であれば社会党でそういう勉強会をおやりになり、それを政府に提言するとか、あるいは自民党の場合もそういうこともありましょうし、いま、この本件に関するお話を聞きますと、高橋官房長が申されたように、建設省が独自の立場で、もちろん自民党のそういう勉強会の御意見は聞いて、それを参考にされているとは思いますが、独自の立場でおやりになっておる。これは日本だけじゃなくて、どこの国でもそれぞれ勉強する集団というのはあって、それぞれ知識を出しながらやるという、これは決して奇異ではないというふうに思いますが。
  88. 田中一

    田中一君 いや、高橋君、君のほうはだれが、どういう機関でもって、部署でもってそれをやっているの、政府としては。
  89. 高橋弘篤

    政府委員(高橋弘篤君) いまの御質問は、このスライド制度の措置を考えるのはどこの部局でやっているかという御質問だと思いますけれども、これはそれぞれの公共事業についてこういうスライド制をとるのでございますので、建設省所管の事業につきましては建設省、これは建設省では官房及び計画局が標準約款のことを所掌しておりますから、計画局と相談しながらこういうものを考えております。  それから、ほかの省はどこの部局かわかりませんが、農林省なり運輸省、それぞれの部局で検討して措置をとっておるというふうに私ども受け取る次第でございます。
  90. 田中一

    田中一君 その法律的根拠はどこにあるんです、約款ですか。
  91. 高橋弘篤

    政府委員(高橋弘篤君) この直接は標準約款に基づきまして、それぞれ発注者と請負業者が契約を結んでおります。その契約書の中でこのスライド条項という項目があることは、御承知のとおりでございます。先生の御質問の趣旨は、いわゆる会計法規などにそれがあるのかということだと思いますが、これは会計法とか予決令には、明記されたものはございません。しかしながら、これは事情変更の原則ということで、民事上これは普通のことでございます。同時にまた、予決令の中におきましても、大体これは予想したような規定もあるわけでございます。また、先生御承知の建設業法の中におきましても、そういう事情の場合におきましては、請負代金の変更をどうするかというようなことについての内容だとか、そういうものについてあらかじめきめておく必要があるということは、第九十条にも書いておる次第でございます。  そういうようなことから、このスライド制につきましては、これはいわゆる発注者と請負業者との契約の履行の問題でございますけれども、その業者がきめる内容についての基準を一応中央の行政官庁であるわれわれがつくって、そうして指導しておるという形でございます。
  92. 田中一

    田中一君 これはね、今度の悪性インフレの場合は、いろいろな要因から、つくられたものだと思うのですよ。演出だと思うのですよ。したがって、そのゼネコンも国民も全部が被害者なんです。加害者はどこにいるか、加害者は政府です。政府の指導、政府の見込み、政府自身が何も意思がないからこういうことになったんですよ。野放しになっている。したがって、契約の相手方が、こんなことじゃできませんと言って増額を要求するのは、これは当然だと思うんです。当然だと思うからあなた方がそれを出しているんでしょう。それにしても、そうしたものの抜本的なものをどうするかということを考えながらしなければだめだと言っているんですよ、私が言っているのは。そういうような法的ななにがない。   〔委員長退席、理事前川旦君着席〕 ただ、民法上の契約という面から見てそういうことはあり得るんだということとか、契約約款にはそういうふうに書いてあるとかなんとかと言っておりますけれども、これすら正常な形でもって持たれたものならば、そういう要求は峻拒できるんですよ、一ぺん契約した以上。こういうことがあるんです。戦争中に兵舎をつくる、それで金をもらう。これはもう当然金をもらう。ところが、それを燃しちゃう。これはつくったけれども燃えました。金ももらえるんです。これは罰金を受けたってもらえるんです。それは何もないんです。証拠もくそも何もないんです。これは亀岡さん、あなたもかつてはそのほうだからわかっているでしょうけれども、それはいまのようなそういう非常時という名において、契約上の問題を平気でもって、そうして積み上げたり積みおろしたりするようなことは異常な状態の場合なんです。異常な状態はもっと底辺にたくさんあるんですよ。   〔理事前川旦君退席、委員長着席〕 したがって、加藤課長にもう一ぺん聞きますが、いまのような行為は、これは当然非常時として容認されるんだということでいいのかな。
  93. 加藤隆司

    説明員(加藤隆司君) 繰り返しになりますが、他動的、客観的な要因があって、だれが見てもやむを得ない、まあ事情変更の原則の要件でございますが、そういう場合には認められると思います。
  94. 田中一

    田中一君 そうすると、こうして各労働者がインフレ手当、障害者などがインフレ手当よこせと、春闘でもって四万円よこせ、五万円よこせということも、これは容認されなければならぬでしょうな。
  95. 加藤隆司

    説明員(加藤隆司君) 先ほど申し上げましたように、国の支出の場合には、国会で議決をいただいております予算範囲内とか、それからあまりにも大幅な問題、そういう問題になりました場合には、制度の問題として検討せざるを得ない。ただ、昨年来行なわれておりますような範囲のものであれば、通常の事情変更の原則に合致しているのではないかというふうに考えます。
  96. 田中一

    田中一君 そうすると、今度、インフレ手当なり、春闘で賃金が上がると、あなたも上がるんだよ。あなたもやっぱり被害者の一人なんだから。あなたも上がるんだよ、確かに、そうなると。インフレ手当が認められれば。したがって、いまの非常時ということばでそれをすべて表現するとなると、いろんな事態が——非常時とは何かということになってくるんですよ。そんな議論はここですべきもんじゃないからしませんが、ただ、いま言っておるとおり、根拠が明らかじゃないということが一つですよ。明らかにしなさいということを言っている。  それから、そういう事態が現在も続いているのですよ、現在も。いまここで三月末から四月にかけて倒産がおそらく中級のゼネコンで千件ぐらいをこえるだろうと言われていることも、それは被害者なんですよ。これは残念ながら金融機関というやつが殺すんです。これが直接の下手人です。五十万円の手形一枚不渡りにしたらもうおしまいになるんですから。だから、こういう点で、これからくるところのいろいろな問題に対して、契約上の問題として根本的な考え方を、方向でもお出しなさいということを言っている、方向でも。どのゼネコンでも下請がいるんです。その会社がつぶれれば下請がつぶれる。下請がつぶれれば労働者の賃金も不払いになるんです。これは一番極端な例ですけれども、それがいま現にあらわれつつあるんですよ。だから、おそらく官房長も非常措置としてそういうことをやっているんだろうと思うけれども、これは建設大臣、どうお考えになりますか。契約を更改したらいいじゃないですか、全部更改したら。実態に合うような……。
  97. 亀岡高夫

    ○国務大臣(亀岡高夫君) ただいままでお答え申し上げましたとおり、私としても、商社が建設関係の中にいろいろな形で入ってきておるということは、大臣就任前からも、こういうことは好ましくないじゃないかということを幾例か経験しております。したがいまして、御指摘のように、そういう面でやはり商社が入ってくることによってそれだけ国民の負担がふえてくるわけでありますので、そういう面につきましては、御指摘のような商社を排除するというような方法が具体的にどうしたらいいかというような問題については、これから検討していきたい、こう思っております。  それから、この異常事態に対して、契約した事態をどのような方法でその異常事態に対処してまいるかという、私どもの今日まで戦後初めてやったこのスライド方式のほかに、もっと根本的な方法を考えろということでございますが、私どもといたしましても、こういう経験——戦後初めて、非常な激動の事態に対処して、経験をしたわけでございます。この経験をもとにいたしまして、四十九年度においては、こういうことが適用されなくても済むようにということで、物価安定に対して全力をあげておる次第でございますが、やはり事柄が起きてから対策を講ずるということであっては、これは適切な行政と言えませんので、やはりいまからそういう事態に対処して、もっともっと円滑に、政府としても、また、業界としても、適切な円滑な措置を講ずることができますように検討をしていきたいと、こういう気持ちでございます。
  98. 田中一

    田中一君 これでやめますが、いま公団、それから勤住協公営住宅等、そうした仕事がことしのこの四十九年度予算として出てくるんです。出てくる場合に、実際の契約ができるかどうかということ、見込みでもって高い単価をそのまま容認することも、これは非常に危険だと思うんです。一枚契約ですから、一本契約なんですから。妥当なるものを発見するにはどうするかとなりますと、先ほども言っているように、逐次、時限的に三カ月なら三カ月、四カ月なら四カ月というものをちゃんと検討しながら新しい契約を結んでいくという、この形式はとるべきだと思う。そうしないと、何らかの異常な問題でどかっと物が下がって——上げようと思っておる政府の施策だから下がりっこないと思うけれども、まあ、参議院の選挙でも済んだらきっと下がるでしょう、もう国民協会の金ももらっちゃって済んじゃうから。しかし、それまでの間が一番大事なんです。だから、これは加藤さん、何かの方法を考えて、それが国民の納得する形の契約、たとえば更改契約でもいいですよ、異常なる値上がりがあった場合には一ぺん契約をストップして、その場合に、お互いに双方から申し出れば契約というものは流れるんですから、双方が承認すれば。一ぺんきめたからといって死ぬまでそうであるわけじゃないんですよ。変えられるんですから、契約というものはね、そういう条項を持てばいいんです。そうして変えていくか何とかしなければ、このまま乗り越えることはできないです。まだまだわれわれが考えている安定した物価というものはこないと思うのですよ、いまの施策では。いまの政府の考え方じゃ、こないと思うんです。したがって、この点は、建設省は、とにかく契約の相手方なんですから、行政面じゃない、実施面の相手方、契約の相手方なんですから、行政指導や何かじゃないんです。通産省とちょっと違うんです。それだけに、そういう点についてのほんとうの考え方というものを加藤さん、知恵かしなさいよ、あなたも。そうしてね、大蔵大臣がうんといじめられないようなものを考えてやりなさいよ。そうしなきゃ危険です。  それから、先ほど申し上げたように、まだダム内の砂利の除去の問題にしても、予算上に出しなさいと、そういうことは。出てないじゃないか。出したいということを言っておりましたが、河川局長がこの間ね。通産省は、その方法でいきますなんと言っていましたよ、何とか課長——建材課長か何かがね。いいことはどんどんやるんですよ。物を上げる政策をとっているんじゃないかという疑いはそこに生まれてくるんですよ。一ぺんどなたかフィリピンでベニア板を——政府が買うのはおかしいけれども、フィリピン政府は、商社を通じて取引するのをいやがっているんですよ。政府間でやりたいということを言っているんです、フィリピン政府は。いま原料もあるんです、銅もあれば鉄鉱もあるんです。しかし、日本はフィリピンに対しては警戒してなかなか腰を上げないようなぐあいでいますけれども、セメントでも三千円ですよ、トン当たり。日本のセメントはいま幾らになっているんだ、七、八千円しているの。
  99. 沢田光英

    政府委員沢田光英君) 現在、袋詰めものでトン当り七千円程度でございます。
  100. 田中一

    田中一君 七千円ね。  じゃ、この辺でやめます。
  101. 古賀雷四郎

    古賀雷四郎君 時間もあまり与えられておりませんので、簡単に質疑をいたしたいと思います。  その前に、ただいま田中先生からいろいろとお話があったことに関連することが多いものですから、重複をつとめて避けまして質問を申し上げたいと思います。  まず、土地問題でございますが、最近土地が鎮静化してきた、土地価格が鎮静してきたと。それから、商社等の買い占めの土地が、まあ買ってくれというような話もあるということを聞いております。この土地問題というのを今後どうされていくのか、いろいろと私なりに考えますけれども、いま日本が一番大事なものは何であるかというふうに考えますと、やはり人間の命を維持していく食糧という問題を今後どういうぐあいに把握していくか。その中でいろいろな問題を考えていかないと、石油の削減みたいなことが食糧問題で起こったときにどういうことになるのかということを想像せざるを得ない。そこで、たとえば米を考えれば、米は非常に内地で高いからほかから輸入するとか、いろんな問題がありました。また、休耕田の問題もいままでやられてきた。さような政策が、実際、日本の食糧政策としていいのかどうかという点を非常に私は心配している。幸い、ことしの予算におきましては、そういった点につきまして、ある程度そういった方向に進む、自給度の向上をはかるといったことで進まれておりますので、この政策につきましては、十分ひとつ拡大していただきますように心からお願いしたいというふうに思います。私が土地問題でそういったことをなぜ申し上げるかと申しますと、実は国土総合開発法の問題と関連しまして、まあ、いろいろ難航しているようでございますが、しかし、そういった問題と関連して、土地利用計画というのをはっきりきめてかからなければ、これは日本の食糧問題をどうするかという問題と大いに関連してくる。そういう意味で、私は、この国土総合開発がどういう形にまとまるかは別としまして、そういった計画をはっきりして問題を処理していくべきであろうと思うわけでございます。  そこで、この問題は、一つの前提としていろいろ私申し上げたわけでございますが、さらに食糧問題を解決するためには、水問題の大きなウエートがあるということも一つございます。食糧と水があれば人間の命は一応つなげる。その上に立ちまして、日本は資源が少ない国だから、エネルギー問題をどうしても解決しておかなきゃいかぬというのは、皆さま、当然御理解のできることだと私は思っております。  こういう前置きは別としまして、地価問題が先ほど申し上げたようなことのようでございますが、それについて具体的なお話があればひとつお伺いしたいと思っております。
  102. 大塩洋一郎

    政府委員大塩洋一郎君) 建設省としましては、特に土地問題に対しまして、最近の都市地域における住宅難に対処するためには、金融緩和等とともに、ここ一、二年の間に膨大な投機的な仮需要が増大してまいりました。そこで昨年来、金融の引き締めあるいは土地税制の改善等におきまして、種々の措置を講じてまいったところでございまして、これは御承知のとおりでございます。その結果、昨今、ややその上昇傾向は鈍化のきざしを見せておる。特に大都市地域につきましては、過去の上昇率が高かっただけに、その鈍化の傾向があらわれているというふうな数字を、最近の調査によりましてもそういう数字を持っておるのでございますが、しかし、他面、もっと長期的に見ます場合には、地価の高騰を抑制いたしますためには、今国会に出しておりますような国土総合開発法案におけるような一般的な土地の取引の強い規制ということがやはり必要だと考えておりまして、そのために土地取引の許可制度の創設を予定しております国土総合開発法案の制定、これがありますれば土地の対策はなお一そうの効果があげ得るものと考えております。  また、一方、大都市地域におきます膨大な宅地及び住宅の需要に対処いたしますためには、緊急にやはり大規模な供給をはかっていくことが必要でございますので、いままでのようなやり方にさらにくふうを加えまして、自分で水道あるいは鉄道事業等を行なうとともに、種々の地方公共団体の人口増加に伴う財政負担を軽減する等の措置を講じつつ、宅地開発公団を創設するというような方途を講ずることによりまして、よい環境の宅地を住宅市街地として供給する、計画的な供給をはかるということが現下の異常な宅地難に対処する一つの大きな方向だと考えて、そういう方向で対処してまいりたいと思っている次等でございます。
  103. 亀岡高夫

    ○国務大臣(亀岡高夫君) ただいま御指摘いただいた土地問題につきまして、私の考えをこの際ちょっと申し上げさしていただきたいと思います。  三十七万方キロのこの国土、その中で、約七割ちょっとが山であるというようなこの国土の中で一億一千万近い人間が今後生きていかなければならないという立場から考えますと、この土地の高度利用というものが非常に大事であることはもう申すまでもないところであります。ところが、この国土というものの実態というものがはたして詳細に把握されておるかというと、これがそうじゃないわけであります。これがもう土地政策を立てるための一番大きな障害になっておったというふうに思えてならないわけでありますので、これは国土調査法という法律がございまして、政府としても、この法律に基づいて逐次国土の実態を明らかにする処置をとっておるわけでありますが、これからは、この国土調査というものにもっともっと力を入れて、そうしてこの国土の実態を明らかにする。その国土調査法によりますと、地籍、これはもう人間に戸籍があるごとく、永久不変の土地にも地籍がなければ土地の実態はつかめないわけでありますので、この地籍調査、水調査、土壌調査、土質の調査、そういうものを厳密に調査をして、これを簿冊にして、いつでも国民の目に公表しておかなければならないという法律があるわけでございますので、これらの法律による国土調査を積極的に進めることがもう一番大事じゃないかという感じがいたすわけでございますので、これは私どもの所管ではございませんけれども、経済企画庁の担当になっておりますが、協力をいたしまして、この国土調査ということをまず先行して進めると、その次に、この調査の上に立って土地利用あるいは水資源の活用というものが適切にできてくると、そこで初めて国土の高度利用、均衡ある発展というような計画を進めることができるのではないかという感じを持っておるわけでございまして、そういう基本の上に立って今後の土地行政を進めていかなければならない。  その土地行政を進めてまいりますためには、ただいま計画局長から申し上げましたとおり、やはり土地の規制というものが必要である。これはもうやはり今度の異常な物価上昇という問題の大きな要素の一つにこの地価の高騰というものがあることは、もうこれは否定できない事実でございますので、こういう情勢を放置しておきますれば、住宅行政も、また、道路行政、河川行政にいたしましても、きわめて困難な問題に逢着してくると、こういうふうに考えますので、できるだけこの土地規制の措置を今国会において法律的にきちんとしていただきたいという感じを強く持つわけでございます。
  104. 古賀雷四郎

    古賀雷四郎君 大臣のただいまのお話、どうかひとつそういう方向で土地の利用調整あるいは土地の規制の問題につきまして格段の御尽力をいただきたいと思っております。  そこで、土地問題に関連しましてもう一つ土地を買い占めた人は土地を出したいという希望が相当あるようでございます。公有地拡大法というのもつくられましたし、公的土地の拡大をやっぱり今後やっていかなきゃいかんじゃないかと思うわけでございます。私は、これは聞いた話だから具体的にわかりませんが、たとえばドイツ等におきましては、市街地計画をやるのに相当の私有地を持っている。そこで移転の問題とかいろんなことが起きたら、すぐさま処置ができるといったようなことがございます。ですから、やはり公有地拡大というのは、将来の都市計画のためにも、あるいは公共投資の充実のためにも、ぜひ必要であろうと思いますし、先ほど申し上げました食糧の問題、水の問題、エネルギーの問題、流通の問題、道路にしましても、どうしても土地が要る。この土地を何らかの方法で具体的な用地が進むような処理をしていくためには、公的所有地をできるだけ拡大しておくと、それはどこでもいいと思うんです。それに変換できる可能性のある土地であればけっこうであるし、そういう意味で、公的土地の取得をぜひ急いでいただきたい。ところが、残念ながら地方公共団体が土地を買おうと思っても起債が締められる。いろんな点で、まあ、総需要の抑制ですからやむを得ない点もあろうかと思いますけれども、しかし、その中におきましても、やはり将来の日本の国づくりのために、それらの問題につきましては起債の措置ができるとか、あるいは金融の措置が具体的にできるとかいうことをやっておくのが今後の建設行政における大きな課題であろうというふうに考えております。これは御答弁は要りませんので、公的土地の取得の問題につきまして政府部内で十分詰めていただきまして、この問題をぜひ考えていただきたいと思っております。  もっと話したいことはたくさんございますが、時間の関係もありますので、次に、最近非常に諸資材が上がりまして、中小建設業界の方がたくさん心配されて、また倒産も出ております。私の県では一件だけ倒れておりますが、この内容を聞いてみますと、放漫経営であるというふうに聞いておりますが、まあ、放漫経営ならば、これはしかたがないというふうに思うんですが、しかし、大多数の中小建設業界が四月−六月の手形決済期におきまして、何らかの問題が相当起きるということが一応予想されます。今日までスライド問題で建設省はほんとうに、先ほど田中先生からいろいろお話がありましたけれども、私は、建設省は非常に努力していただいたというぐあいに業界も感謝していることだと思っております。しかし、その感謝が十分であるという感謝であるとは思わないのでありますけれども、少なくとも、私は、建設業法に基づく双務の立場に立つ業界と十分協議が必要であろうと思うわけでございます。そこで、とりあえずの緊急措置につきましては、緊急事態でございますから、やむを得ない措置としてということでしょうが、四月の期にはやはりある程度抜本的な対策を立てていただきまして、ぜひ建設業者が、特に中小建設業者が安心して仕事ができるというような立場をぜひ確保していただきたいと思っております。その問題につきましては、いろいろございますが、たとえばとりあえずスライド問題の計算は忙しいもんですから、概算払いとか精算払いを二回に分けてやるとか、あるいは金融の問題を具体的に考えていただくとか、いろんな問題がございます。これについても、お話はある程度承っておりますので、どうかそういう線でひとつ進めていただきたい。また、年度末金融としまして五百億がきまったように新聞で見ましたが、建設業界のためにも、中小建設業界のためにも、ある程度の措置ができますように、ぜひお願いしたいと思います。  それから、経済変動のこんなにひどいということがたびたび起こってはいけないということでありますが、ただいま建設大臣から、物価の問題につきましては、この物価抑制につきまして全力をあげているという政府の姿勢でございますので、一日も早くこういう事態が解消されることを望んでいるわけでございます。われわれも、それに対して全面的な協力をしなけりゃいかぬと考えております。しかし、やはり契約でございますので、これらの仕事をやるためには経済変動に伴う具体的な措置、抜本的対策がなされなければいかぬということでございます。ことし四十八年度予算は三二%の増強でございましたが、ここで一番問題になるのは資材問題であろうと思うんです。  そこで、資材問題をいろいろつらつら考えてみますと、私は、実はセメントの件を取り上げてみたいと思っております。セメントの生産能力は約一〇%しかない。そして通産省は一〇%のセメントの増産を計画しているということでございます。ところが、公共事業は三二%増である、さらに民間投資は非常にふえたと。それにまた途中のストライキによる油の輸送もできなかった。いろいろな問題がございまして、セメント会社が非常に、たとえばフル操業のために機械がこわれるとか、あるいはセメントの増産ができなかったというような問題を聞いております。そこで、来年度の問題としましては、ぜひひとつ資材を計画的にひとつ考えていただきたい。この資材計画も、やはり地域別、具体的に言うなら県別が一番けっこうですが、公共投資につきましてこれだけの資材が要る、それを地域別に、しかも、県別ぐらいまでひとつ丁寧にしていただきたい。そしてその資材の確保について、具体的には公的資材として関係各省と十分協議されまして、この資材だけはひとつぜひ公共事業向けとして確保するというようなことの取りきめに従ってやっていただきたい。資材を公共事業で品物をやりとりするということも非常にあちこちで起きておりますし、そういう資材の確保という問題につきまして、もっと綿密な具体的なことを私はお願いしたいと思います。実は亀岡大臣も軍隊におられましたから、昔は物動計画等がございました。物動計画とは私は言いたくないんですが、むしろ資材の計画ということでひとつこの問題に頭を突っ込んでいただきたい。資材が足らなくて困るというような状態が起こらないようにぜひしていただきたいと思っております。  それと同時に、資材の価格の安定の問題でございます。この価格安定の問題は、たとえば公共事業の総資材量というのはわかるわけですから、従来はセメント官給とかいろいろなことをやってきたわけです。だから、公共投資の中である程度セメントを通産省と打ち合わせして買っておくとか、そして買っておいて配分をはかっていくというようなことは、できない相談じゃない。この辺の問題をひとつ具体的に突き詰めていただければ非常にありがたいと思います。ただいまは、業界からの反対で一応官給をやめた実績もございますので、この問題について業界と話しますと、業界も困ったような顔しますけれども、資材の問題についてはひとつそれだけの熱意を示していただきまして、資材で困るようなことは絶対ないようにしていただきたいと思っております。  まあ、スライドが非常にめんどうくさい計算になっておりますので、この問題もひとつ御検討を願いたいと思いますし、特にスライドのときに、大手業界はともかくとしまして、中小建設業界にはスライド問題をぐあいよくひとつ配慮していただくようにぜひお願いしたいと思っております。ただ、これらの問題をただいままで私も公共事業執行に関する調査特別委員会で、自民党の中で研究してまいりました。特に問題点を二つほどあげてみたいと思います。  第一は、先ほど亀岡大臣も言われましたけれども建設業界に対する行政の組織なり指導が必ずしも十分ではなかったのじゃないかという気がいたします。いまでも建設業界から、もっと強力な指導行政のできる建設省であってほしいというような御要望がございます。特に建築関係というのは、関係各省が相当ございます。土木工事も相当ございますが、建築関係には相当多い。集まってみますと、もう厚生省から文部省から、どこの官庁でもやっておりますし、そういった建築関係につきましては、設計も違うし、あるいは設計の内容におきまして、スライドを実際やるためにもスライドの基礎となる要件が具備されてないというような設計もございます。そういった点につきまして、たとえば建築関係について赤本をつくるとか、土木工事にいわれている赤本をつくるとか、あるいは設計の統一をそれではかっていくとか、そういった横の連絡をぜひやっていただきたい。建築行政の統一ということは、なかなか役所組織の中ではむずかしいことだと思いますけれども、私は、でき得るならば、そういった問題とあわせてひとつこの問題をぜひときほぐしていただきたいと念願しておるものでございます。御答弁は要りません。  それから、下水道の整備についてでございますが、下水道整備は、おかげさまで五カ年計画の中で補助率のかさ上げもできました。残念ながら事業量は少し減りましたけれども、しかし、私は、非常に適切な下水道整備五カ年計画であったと思います。いま下水道は非常に金がかかります。したがいまして、市町村財政としては、補助率を上げてやることが最も適切な措置であると理解いたしております。ただ、この整備の中で、私が考えておりますのは、補助対象事業の取り上げ方が非常に少ないのじゃないか、もっと拡大してもいいんじゃないかという気がいたすわけでございます。この問題につきまして、ひとつ関係局長から具体的な意見をお伺いしたいと思います。
  105. 吉田泰夫

    政府委員(吉田泰夫君) 明年度予算で、いま言われましたとおり、補助率は相当大幅にアップいたしまして、今後下水道事業を拡大していくにあたりまして地方負担の問題が大幅に解消されたと考えております。したがいまして、五カ年計画の改定こそは見送られましたが、その基盤である地方財政問題というものが一応打ち立てられた、これを基礎に、あとは事業量を伸ばしていくということに専念できるものと思います。  御指摘の補助対象範囲の取り上げ方の問題でございますが、これも補助率と並んで、かねてから問題のあるところでございます。しかしながら、現在、全国の都市を大都市と中小以下の都市とに分けまして、中小以下の都市につきましては全事業の約七四%を補助対象にしているところでありまして、これに比べて、七大都市のほうは四十数%という補助対象率になっているわけでございます。これらについても、将来の問題としては、引き上げていくことが望ましいことは言うまでもありませんが、一方、今年度補助率アップが非常に大きかったこと、今後の事業量の大幅な拡大を見込みましても、この補助率アップによる地方負担の軽減というものが非常に大きいことを考えますと、なお、当面は、補助対象率のアップということは、あまり大幅に考えるのはむずかしいのではないか、また、その必要性も薄いのではないか、こういうふうに考えておりますが、なおよく五十年度以降のあり方につきまして十分検討させていただきたいと思います。
  106. 古賀雷四郎

    古賀雷四郎君 特におくれております社会資本でございますので、ぜひひとつこの整備促進につきましては、さっき申し上げましたようなことも踏まえて、具体的にひとつ進めていただきたいと思います。  ところで、御承知のように、諏訪湖は非常にいろんな問題で水がよごれて困った実例がございます。さらに琵琶湖も最近は南地区が非常によごれてきたということでございますが、これらの問題は、工場の整備と生活下水の問題だろうと思いますが、少なくとも、たとえば一定の規模以上の工場につきましては、下水処理を完全にやって出させるといったような、下水整備の条件つきの工場であるということが今後要件になるんじゃないか。少なくとも有害物質は絶対に工場内で処理して完全に流していくというようなことを、あるいは基準、PPMかどうか知りませんが、その程度まで薄めて流すとかというような処置を完全に考えていただかないと、いままでもたれっぱなしとかいろんな問題があって初めて問題が起きたわけですから、それだけの義務をつけて工場をつくらせる。もちろん工場製品は高くなるでしょう。しかし、そういったことをやっていかなければいかぬだろうと思うわけでございますので、その点につきましてどういうお考えか、お伺いしたいと思います。
  107. 吉田泰夫

    政府委員(吉田泰夫君) まず、有害物質につきましては、現在の下水道処理場は、そのような有害物質を処理する機能を持っておりませんし一それを目的としたものでもないわけでありまして、当然、工場の内部で完全に処理し、下水道には流入させないようにいたさなければなりません。  次に、そういった有害物質以外の一般的な汚濁源につきましては、これは公共下水道あるいは流域下水道の終末処理場によりまして処理することになっておりまして、また、それが下水道の使命でもありますので、これにつきましては受け入れないということは、かえって国家経済的にも不適当ではないか。ただし、一定の量、一定の水質以上によごれた水を流入される工場等の施設、そういった特定の施設につきましては受け入れて処理場で処理いたしますけれども、下水道の使用料の算定にあたりまして、いわゆる水質使用料という割り高な使用料を付加し、普通の場合は、一般家庭下水の場合の使用料は下水道の建設費の償却費までをみておるものではなく、維持管理費に充てる範囲で取っているわけですけれども、こういった特定施設につきましては、施設の償却費相当額も加えたような額で取る、割り高な使用料を取るということにして受け入れることが合理的ではないかと考えておりまして、現在もそういう方向で指導しております。まあ琵琶湖の特に南湖のほうは非常によごれが激しいわけでありまして、琵琶湖の総合開発計画の一環として流域下水道の工事にもかかっておりますし、また、関連する公共下水道あるいは大津市の公共下水道を今後大幅に促進したいと考えております。
  108. 古賀雷四郎

    古賀雷四郎君 答弁はひとつ簡単にお願いします。まだ質問をするようなお話をしておりましたけれども、飛ばしていただきまして、住宅建設五カ年計画の問題は、先ほどお話がありましたので重複を避けます。  そこで、私は、公営住宅の問題について若干お聞きしたいと思います。大都市圏で公営住宅が必要なことは御承知のとおりでございますが、この公営住宅建設がたとえば東京では返納になる、大阪でも返納になるとか、そういった事象がどうして起こるのか、この具体的な理由がおわかりであればひとつお伺いしたいと思います。
  109. 沢田光英

    政府委員沢田光英君) 五カ年計画の問題といたしましても、あるいは単年度事業遂行からいたしましても、一番大きな起こっております現象は、東京、大阪等の大都市、まあこれの周辺もややそういう傾向がございますが、ここにおきます住宅建設の停滞と申しますか、消化できない、かような問題でございます。この原因は、いろいろあるわけでございますが、たとえば東京都に例をとってみますれば、まず四十六年度までは全部消化しておったわけでございます。四十七年度、八年度に至って急激に落ち込んできた。四十八年度に至りましてはまだ一千戸の発注にも達していない、かような状態でございます。これはやはり立地を得られないということでございます。立地を得られないということはどういうことかといいますと、二つございまして、土地がなかなか買えないと、こういう問題が一つございます。しかし、現在東京都は相当部分の土地を所有して買っております。買っておるのになぜ建たないのかというと、たとえば東京都営住宅を足立区に建てようといたしますと、足立区におきましては、これに対する関連の諸施設が不足をする、あるいはその財源がない、あるいはさらにはその地域では、もう足立区ではこれ以上人口をふやしてもらっては困るというような現象が東京都の中で起こってございます。東京都と近県の間でも、公団等では同じ問題が起こっておるわけでございますが、東京都の中でこういう問題が起こっておる。そこで土地を持ちながら建たない、かような状態一つございます。それからもう一つは、たとえば工場跡地等がありましてそれを買う、あるいは研究学園の跡地に住宅建設をしようとする。そうすると、大体これは住民側の問題になりますが、それは緑地にしてもらいたい、公園にしてもらいたいというふうな希望が非常に強く出てまいります、地域の意見として。それを参酌してなかなか計画が進まない。当然緑の足りない都市でございますから、これもやむを得ない事情でございましょうが、しかし、そういうことによってあいた土地に、連檐地の中にあいた土地にも建たないし、新規に買ったところにも建たない、かような状況がずっと出てきたわけでございます。これはやはり過密の問題と、それから地方財政の問題、こういう問題になろうかと思います。  それが理由でございますが、これの対策といたしましては、その中でやはり公営住宅を供給していかなければいけない、かようなことでございますので、私どもは、たとえばA、B農地、これを都市計画の一団地決定をしたりして、半ば強制的と言ってはおかしゅうございますが、強い姿勢で建てていく、こういうふうな話とか、あるいは公営住宅の木造のものが東京都で現在三万戸ぐらいございまして、これは古い時代のものでございますが、場所のいいところにあります。こういうものを建てかえる。大体建てかえますと、立体化していい環境になって、三倍になります。しかし、建てかえようと思っていますが、入居者の方がそういうものを売ってもらいたい、払い下げの陳情が非常に強うございます。しかし、東京都の中の土地はやはりないのでございますから、建てかえを進めていきたい。ただし、住民との話し合いというものは十分やり、あるいはそれを緩和する手段というものをやりながらやる、こういうふうな計画一つございます。さらには、先ほど言いました東京都の中にあいた土地があった場合に、それを直接公園にするのではなしに、そこの半分なり何なり適当な数の公営住宅公団住宅を建てまして、周囲二キロなら二キロの範囲内の地域を指定をいたしまして、そこの木賃に入っておる、悪い住宅に入っておる人たちを優先的に全部入れる、そうしてあきました木賃住宅は、これを東京都が土地ごと買い取って、これを公園にする、いわゆるころがし方式でございます。これの予算も四十九年度にはついてございます。こういうふうな緊急対策を幾つかやりましてつないでいくよりしょうがないと思っております。ただし、基本的には、やはり土地住宅の用地の大量供給ということで、土地関連の一連の政策が遂行される、そうして長期的には安定して公営住宅が供給できるように、かようなことになろうかと考えます。
  110. 古賀雷四郎

    古賀雷四郎君 私は、そこの問題については、よくわからないのですけれども、要するに過密であるということは、もう皆さま、東京は御承知のとおり、大阪もそうであります。  そこで、政府全体としての施策は、要するに過密・過疎の解消をやっていこうという大眼目を掲げる、国土の均衡ある発展をはかっていこうと、国土総合開発法もまさにそのとおり。そういうことを一方やっておられる。この問題との関連をどういうぐあいに考えていかれるのか、あらゆる問題でそういう問題があろうと思います。道路にしましても、東京で一メーターつくれば地方では百メーターできる。そういった問題もありますし、しかも、道路をつくる、過密を増していく、そういった関連において、今後どういうぐあいな——住宅といえども、私は、過密・過疎に非常に影響があるというふうに考えます。そこで、住宅不足の点はよくわかるのですが、しかし、やはり過密・過疎の解消という大前提に立ってどういうぐあいに今後考えていかれるべきであろうか、この点につきまして、ひとつお教えを願いたいと思います。
  111. 沢田光英

    政府委員沢田光英君) 正直なことを申し上げまして、現在の住宅政策はあと追い的になってございます。人がどんどん入ってきて過密になるということは決していい事情をつくりません。しかし、私どもは、現在、東京なら東京に満ちております住宅難世帯をどうするかということで、住宅の水準を上げ、住宅を供給するということにしております。これが足りない、あるいはこれをやらないでも、やはり入ってきた人たち、あるいはその入ってきた人から生まれた人たち、これによりますこの需要に対しまして、東京都には八十万以上の木賃が現在ございます。さらにそれがふえつつある、かような状態でございます。そこで、私どもは一生懸命公営住宅等を建てようということなんでございますが、お説の基本的に過密をどうするのか、こういう話はもう少し高い次元の話でございまして、過密巨大都市がどうかということでございまして、経済企画庁におきまして、新全総の見直し、この中で、たとえば東京に例をとりますれば、一体将来どうするのか、やはり現在の趨勢でふえたんでは三千八百万というふうな人口になる、それでは困るということで発表されましたそのリポートの中には、最低では二千八百万台、この辺に押えたい、こういうふうな考え方があるようでございます。これは水、電気その他の諸元から、そういうふうにしないと巨大都市がもたなくなる、こういうふうなリポートでございますが、二千七百万にしましても、現在二千四百万程度でございますから自然増、外から入る人をとめたといたしましても、生まれる子供のために人口がふえまして、やはりその差額の施設というものは供給しなきゃいけない、かような問題として私どもとらえまして、その階層の中には、一番困るのは低所得者でございますから、公営住宅は必ずいまの水準以上に供給をしなきゃいけない、かように考えておる次第でございます。
  112. 古賀雷四郎

    古賀雷四郎君 よくわからないですが、むずかしい問題ですから、今後ひとつぜひ御検討を願いたいと思います。住宅の問題は、一応時間の関係もありますから、これで終わります。  私は、治水問題につきまして、ひとつお願いしておきたいと思います。具体的な問題について直接お伺いします。  小河川対策というのは、これは非常に都市の過密問題とも関連します。小河川が非常によごれて、しかも、水害が多いという問題を今後どうされるつもりか、具体的にお伺いしたいと思います。
  113. 松村賢吉

    政府委員(松村賢吉君) 都市の非常によごれている小河川の対策、これにつきましては非常に現在緊急を要する事業でございます。しかも、下水道との関連もございまして、これの小河川の対策は緊急に進めていかなければならないということで、建設省といたしましても、治水事業五カ年計画、来年の計画の中におきまして積極的に取り上げて進めていく考えを持っております。
  114. 古賀雷四郎

    古賀雷四郎君 ぼくが聞いているのは、あなた、わかっているはずだけれども、たとえば河川法の適用河川は当然進められる、河川法の適用になっていない河川をどうするのかということを聞いているわけですよ。だから、その答弁は答弁にならないと思うけれどもね。
  115. 松村賢吉

    政府委員(松村賢吉君) 河川法適用以外の河川、これにつきましては、都市小河川につきましては、これは河川法適用河川に昇格さして進めていくという方向で一つは進んでおりますし、また、そのほかの河川につきましても、昨年準用河川制度というのができまして、この準用河川によりましてさらに進めていく、また、さらに普通河川につきましても、これの管理その他につきまして十分市町村等を指導していきますし、また準用河川に編入し、これを進めるように努力を進めている次第でございます。
  116. 古賀雷四郎

    古賀雷四郎君 そういうことは私に向かって言ったってわかっているのだから、そういうことは答えなくたっていいよ。もっと具体的な問題をひとつ取り上げてもらいたい。現在、小規模河川、小河川が——資料で出していただきたい。改修を必要とする小河川が幾らあるのか、それをどういうぐあいに今後するのかというのを資料で提出してください。よろしいですな。
  117. 野々山一三

    委員長野々山一三君) 資料で出してください。
  118. 松村賢吉

    政府委員(松村賢吉君) はい。
  119. 古賀雷四郎

    古賀雷四郎君 先ほど田中先生から砂利開発の問題が出ましたが、砂利資源が非常に不足しているということで、これはどうしても緊急に問題を処理しなければいかぬと思いますが、低水工法等につきましても具体的に建設省で考えてあるようですが、特に、私は、ダムの砂利の開発問題につきまして、私なりにも勉強をいたしておりますが、たとえば泰阜ダム等におきましては四千万トンの砂利がある、その砂利を開発すれば相当役に立つと思うわけでございます。そういう問題を一つ一つ取り上げていって、ひとつ具体的に解決していただきたい。ちょうど私が河川局長をいたしておりますときに、砂利開発公団というのを要請して省議で没になったことがございますが、何らか公的機関によってこれらの問題を解決していくということをぜひ考えていただきたい。たとえば、私は、一番いま砂利があるところは天竜川筋だと思いますが、天竜川筋の砂利を今後どういうふうに解決していくかという問題で、ひとつ具体的な研究を進められていただきまして、たとえば天竜川砂利開発公社とかいうようなものをおつくりになるとか、組織的にもりっぱにする、しかも、公的資金が入られるようなシステムにしていく、そして、その砂利を価格安定の資材として具体的に放出ができたり、いろんなことができるようにしていただければ価格安定にも役立つんじゃないかという気もいたすわけでございます。これは答弁は要りませんから、ぜひ御研究を願っておきたいと思います。なお、低水路開発につきましては、具体的にひとつぜひ進めていただきたいと思います。  ところで、私は、エネルギー問題で、最近水力エネルギーの見直しの問題がいろいろといわれております。このエネルギー問題は、水力にたよるエネルギーというのは、大きな期待はむずかしいであろうと思いますが、ただいまキロワットにおきまして二六%か二七%ぐらいが水力エネルギー、キロワットアワーにしまして二二%ぐらいのようでございます。この水力エネルギーで、もしもエネルギーの三〇%ぐらいを自給できるということになれば非常にいいんじゃないか。それに地熱発電とか、あるいはいろいろ加えまして、自給能力を相当上げていく、まあ、お米ほども上がりませんでしょうけれども四〇%ぐらいでも上げられれば非常にいい。その自給能力を持って、足らない分は原子力とか輸入石油にたよっていく、やはりエネルギーが不足しますと今日のような経済の不安定さえ生じます。まあ少々高くかかりますけれども、私は、水力エネルギー開発をぜひ進めていただきたいと思うわけでございます。  ところで、水力エネルギーの開発にあたりまして、ただいままで建設省でダムはほとんどやっている。農林省でも幾らかやっておりますけれども、ダム計画の中に水力エネルギーをどういうぐあいに織り込んでいくか、しかも、総合開発として建設省が主体的にこの問題を取り上げていくという時代に入ったんじゃないか。たとえばダムの管理にしましても、水資源の問題等、国民の水の問題、エネルギー問題という大きな公共的なエネルギーになるわけですから、そういった意味で、ダムの利用のほうを考えていかなきゃいかぬ。そういうときになると、やはりダムを直接つくり、しかも、ダムを管理している建設省がこのエネルギー問題も当然包含して計画の中で考えていくというようなことにしなくちゃいかぬと思いますが、この点について建設大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
  120. 亀岡高夫

    ○国務大臣(亀岡高夫君) お説、まことにそのとおりでございます。  私から申し上げるまでもなく、従来は、いわゆる低石油時代と申しますか、そういう時代であったわけでございますために、建設省がダム建設計画し、これを実施するにあたりまして、各電力会社、通産を通じて計画の中に一緒に発電という部門を持ったらどうかということを誘いかけてきておったわけでありますが、やはり単価の問題等どうしても高くなるというようなことで、電力会社が乗ってくるというようなところは、よほど条件のいいところしか乗ってこなかったわけであります。今度、こういう石油問題、エネルギー資源、有限のエネルギーということで、非常に高石油時代と申しますか、石油価格の高騰によりまして、こういう時代が将来続く、続かざるを得ないということになりますと、やはり水力を十二分に活用していかなければならぬわけであります。多少高負担というようなことになっても、やはり積極的に各電力会社に働きかけまして、そうして水力発電の開発というものを積極的に進めてまいるという姿勢で、実はもうすでに事務当局をして通産並びに各電力会社等に働きかけさしておる次第でございます。
  121. 古賀雷四郎

    古賀雷四郎君 まあ、エネルギー問題で、たとえば電気会社は一万キロ以上はやってもいいというような御意見もあるのです。そこで、一万キロやるにしましても、今日の石油の値上がり等に対抗していくためには、やはりかなり高いものになるものですから、若干やはり政府資金の導入とか、いろんな問題が今後必要になってくる。電力会社でもそういう関係にある。ところが、今日建設省でやっているダム等におきます電力というのは、私は、小水力と称するものであろうと思います。大体一万キロから千キロワット、そんな程度のやつが今後どうするかという問題であろうかと思います。もちろん非常に電力に対する貢献度というのは低いわけですが、しかし、たとえば五千キロワットの電力を起こせば、五万人の人口、産業を養えるという、非常に地域的に効率のいい電力が得られるというぐあいに理解いたしております。したがいまして、そういうものを一つ一つ丁寧につぶしていくことが今後大事なことであろうと思いますが、何せ小水力になると金がかかります。ただいままで公営企業等で行なわれているところもございます。小水力について、電力会社がやらなければ、やはり公営企業的な立場に立って今後施策を進めていく必要があるのじゃないかと私は思うわけでございます。特にダムをやっておられる建設省におかれましては、その小水力をやるための具体的な計画十分検討できますし、その中でどういうようなときの電力料金とどういうような関係で具体的な財政的な処置をしていけばいいのか、そういった問題とも関連してまいりますので、どうかこの小水力の開発という問題につきましても、ひとつ具体的にぜひ御検討をお願いしたい。おそらく検討をしていただいておると思いますが、これは将来の資金の問題とも関係しますので、この辺の問題がきめ手になるのじゃないかという気もいたします。関係各省と打ち合わせをいただきましてお進めをぜひお願いしたいと思っております。時間が来ましたから、もう二問だけ、ちょっとお時間をお許し願いたいと思います。  そこで、水問題は、最近非常に多うございまして、宅地に渇水が起きております。特に私の経験によりますと——経験と申しちゃなんですが、私の考えによりますと、山が非常に開発されてきた。従来は山に森林がたくさんあったから、水が木の根っこを通りましてじゅくじゅくと出てきて、それが安定した水量になってきた。ところが開発されたために、水害は多くなるし、しかも、渇水量は減ってくる、渇水量が減ってきますと当然水は足らない。土地改良も、従来は十年に一回の渇水を対象にして計画をしておりますが、おそらく渇水流量というものが五分の一ぐらい、五年に一回ぐらいの渇水になるのじゃないかという気がする。だから、干ばつが今後起こり得るという前提に立たざるを得ない。そこで、当然に治山という問題、植林という問題を急速に進めていただきたい。これは国土の緑化の問題と関連して必要であろうと思います。さらに、そういったことを進めることによってまあ水資源の貯留施設もつくりましょう。ところで、そういったできた水を今後どう管理していくかということが大きな問題であろうと思うのです。  ところが、実はいろいろ考えてみますと、木曾川の上流で今渡せきというのがありますが、あれは電力会社等の土地改良区が管理している。そうすると、やはり自分のところが先になる、ところが、片一方、名古屋市には、たとえば非常に水がほしい、生活用水がほしいといっても、土地改良から水が先に行く。そういったことがなかなか調整ができにくくなる。この低水管理というのをほんとうに、渇水管理と申しますか、低水管理という問題をほんとうに真剣に考えなきゃいかぬ時代に来ておる。そのためには管理施設も十分強化しなきゃいかぬでしょうし、それに対する、たとえば水供給の優先度というものもある程度考えざるを得ない。そういう認識のもとに、低水管理を今後進めていく必要があるのじゃないかと思います。それに対しまして、大臣の忌憚ない御意見をお伺いをできればありがたいと存じます。
  122. 亀岡高夫

    ○国務大臣(亀岡高夫君) この水の問題につきましては、お説のとおりでございます。  ところが、この水というのは、昔からの水利権というものがございまして、それとその水を占有したいという地域的な住民の気持ちというようなものが非常に強いわけであります。これは名古屋に限らず、福岡においても九州においても、また東北のもう郡山市等においても、やはり既水利権さらにこれにプラスをしていくということは非常にむずかしい問題の一つになっておることは、もう御承知のとおりでございます。しかし、これはやはり生活優先と申しますか、そういう面について、渇水の時期の対策、使用順序でありますとか、ただいま御指摘になったような点につきましては、十分その措置が講じられるように方法を講じなければならぬわけでありますので、建設省としても、積極的な前向きの方向で検討をしていきたいと考えるわけでございます。
  123. 古賀雷四郎

    古賀雷四郎君 次に、道路問題を御質問申し上げたいと思います。  ことしの予算で、道路環境対策という問題につきまして具体的な措置ができたことは、まことに敬服に値する問題だと思います。どうかそういった問題について具体的に今後進めていただきたいと念願いたしております。  しかし、ここで一つ御質問申し上げたいのは、たとえばバイパスができます。バイパスができますと、すぐ家が建つ。ところが、自動車がバイパスをたくさん通るということになりますと、騒音とか、いろいろな公害の問題が起きます。それが今度はその地域の非常な問題になってくるということでございますが、たとえばバイパスができたときに、住居の適切な地域はどのくらいであるのか、そのバイパスから距離が幾らであるか、その内側は住居地域にしないといったようなことをやはり法律的に整備する必要があるのじゃないか。私は、この前ドイツに行かしていただきましたときに、いろいろと見せてもらったのですが、アウトバーンを通ってみますと、アウトバーンに出口、入口というのが書いてありますが、かなりの距離のところに住宅地がある。そして家が見えない。そういった道路の今後の公害対策のためにも、環境整備のためにも、住宅団地をつくるのに、道路のすぐそばにつくってみたり、いろんなことを都市計画としても許可してやる。これも非常にちぐはぐな行政だと思うのですが、私は、例をあげることができます。私は川崎のインターのすぐそばにおるわけでございますが、川崎インターで、東名高速ができたら、そこに住宅団地がたくさんできてきた。住宅団地はあとでつくったわけですが、団地の皆さん方が、インターのところにドームをつくろうと、公害、やかましくて住めないからだと。しかし、そういったところを住宅団地に指定したところに問題があるし、この辺の行政をどういうぐあいに考えていかれるのか。道路行政とも関連してひとつ具体的にお答え願えれば非常にありがたいと思います。
  124. 菊池三男

    政府委員(菊池三男君) たいへん基本的な問題でございます。道路をつくりますと、当然その横に人家がつくられるわけでありますけれども、私ども、できるだけ道路を、ルーティングを選定いたしますときには、市街地を避けたルーティングをとろうと考えております。また、当然その地区には土地利用計画がございますので、そういう土地利用計画にマッチした道路の配置を考えたいということで、具体的には、たとえば住居地域というようなところはなるべく避けて、工業地域あるいは準工業地域を行く、あるいは山のほうに回るというようなことを考えてまいりたいと思います。それでもなおかつ道路がそういう住居地域を通らなければならないことがございます。そういう場合には、先生御承知のように、道路の両側に環境緑地帯というものをつくりまして、そこに遮音壁を立て、あるいは木を植え、そうして住宅環境と道路環境を分離するというような、いろいろな構造的な面で考えてまいりたいと思いますけれども、やはりまず先生の言われるような土地利用と道路の計画ということをマッチさせなければならないと思います。  また、最近土地利用計画計画決定しておりますけれども、そういういう場合に、道路を含む、特に高速道路あるいは通過交通の大きな道路を含む両側五十メートルは、たとえば回りが住居専用地区であっても、その道路の両サイドは住居地域に指定するとか、そういうふうな現在あるものに対しましても、これから利用計画をきめるときにはそうしておりますし、道路をこれからつくる場合にはそれに合わせた計画をつくるということを考えております。
  125. 古賀雷四郎

    古賀雷四郎君 私は、それでお願いしたいことは、要するにバイパスをつくるならつくってもけっこうですから、要するに、その土地利用計画を明らかにして、そういった点のそごのないようにしていただきたいと思っているわけです。たとえば民間団地をつくるにしましても、川崎インターのは民間団地で、公共団地はだいぶ離れておりますが、民間団地をつくる、そういうものをつくらせることに疑問がある。だから、騒音の非常に高いところにつくらして、おそらくもう住めないと思うのです。そういった住めないようなところに団地を許可すること自体が非常に問題がある。この辺は、土地利用計画あるいは都市計画か知らぬけれども、とにかく密接な関係を有しておるので、そのそごのないようにひとつ行政を連絡していただきたい。同じ建設省の中ですから、この辺はじっくり打ち合わせて、バイパスができてよかったと言われるようにしてもらいたいと思うわけでございます。この辺を私非常に心配しております。  それから、もう一つは住居地域、住民のためのそれの問題と、もう一つは、そういうことに住居地域をきめれば、生活圏道路というものは非常に大きな今後の問題になってくると思う。だから、特に市町村道という問題をぜひ促進していただきたい。ところが、農道等の関係でいろいろもめている。私の県にも例がございます。しかし、政府の行政として、いろいろ地方末端のところに迷惑がかかるようなことは、これはぜひやめていただきたいし、賢明なるひとつそういった点についての御調整をお願いしたいと思っております。道路行政は、今後いろいろそういった点で発展させられるでしょうけれども、そういった摩擦のあるということは、地方住民の不安と不信感、政府当局に不信感を招きます。そこで、もう問題が出た場合には、さっときめるようにしないと、地方住民の方が、あるいは道路であろうか、農道であろうかとか、いろいろの問題ではなくて、政府当局に不信感を招くことが一番私はまずいと思います。だから、そういう意味で、問題点は十分道路局長御存じでしょうから、具体的にひとつ考えていただきたいと思っております。御答弁は要りません。  どうも時間の関係で、走りがけで質問しましたけれども、趣旨のあるところを十分おくみ取りくださいまして、今後行政でひとつ十分処理していただきますように心からお願いしまして、また、委員長には時間を超過したことをおわびしまして、質問を終わらしていただきます。
  126. 野々山一三

    委員長野々山一三君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。     —————————————
  127. 野々山一三

    委員長野々山一三君) 次に、日本道路公団法の一部を改正する法律案を議題とし、本案の趣旨説明を聴取いたします。亀岡建設大臣。
  128. 亀岡高夫

    ○国務大臣(亀岡高夫君) 日本道路公団法の一部を改正する法律案の提案理由の説明を申し上げます。  日本道路公団の発足以来、同公団の管理いたします高速自動車国道の供用区間は、逐年増大しつつありますが、このような供用区間の延伸に伴い、通行車両の長距離化、大型化、トレーラー化の傾向が顕著に見られるようになりました。  一方、都市内におきましては、交通混雑の激化により、高速自動車国道を利用する大型車の都市内流入がきわめて困難となっており、高速自動車国道を利用する新しい輸送形態に対処するために、トラックターミナル等の物的流通施設の設置が強く要請されております。  このような要請に対処して、日本道路公団が高速自動車国道の整備とあわせてインターチェンジ周辺の地域においてトラックターミナル等の施設の整備を行なうことができるものとする等所要の措置を講ずる必要があります。  以上がこの法律案を提出する理由でありますが、次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。  まず第一に、日本道路公団の業務の一部として、新たに、同公団が高速自動車国道と密接に関連し、かつ、自動車交通の能率の増進をはかるために必要なトラックターミナル、貨物保管施設等の施設の建設及び管理を行なうことができるようにいたしました。  第二に、日本道路公団は、トラックターミナル、貨物保管施設等の施設の建設、管理に関し、これらの業務を行なうことを主たる目的とする事業に投資することができることといたしました。  次に、日本道路公団の余裕金の運用につきまして、現在は国債の保有、銀行への預金または郵便貯金のみが認められておりますが、建設大臣の指定する有価証券の取得も行ない得るよう規定を改めることといたしました。  その他、日本道路公団の監事の職務及び権限、役員の欠格条項並びに大蔵大臣または運輸大臣との協議の規定につきまして、所要の改正を行なうことといたしました。  なお、この法律は、公布の日から施行することといたしました。  以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
  129. 野々山一三

    委員長野々山一三君) 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時十二分散会      —————・—————