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田中寿美子君 いまのようにパーセンテージでおっしゃいますけどね、大臣、私きょうはそういう中身に入りたくなかったのですけれども、一言申し上げておきますが、(1)〜(6)
分類という中に、その生活環境整備という中に、都市開発というのに相当な額をとっていて、これは
日本開発銀行が受け持っているんです。それから船舶整備公団、あるいは国土総合開発公団、その他、これどこからどこまで
国民みんな生活に関係あるということに違いはありませんけれども、まだまだそういうものがみんな入り込んでいるということなんであって、その数字だけで言わないで、私は全体としてこれまでの
財投のあり方というものが、確かに
日本の
経済を今日まで高度に発展させるのに非常に大きな役を引き受けてきたけれども、いまや
日本の
経済全体が
福祉型に変わらなければならないときに、思い切って
一般会計予算もそうですけれども、
財投なんというのは、その原資を出す人の
立場をよく考えてもっと
姿勢を変えていっていただきたいということを最初に申し上げたかったわけなんです。それでまたしさいにごらんいただいてほしいと思います。
それからもう一点申し上げたいことは、私どもが求めたものは白書だったわけですが、
大蔵省の官僚の方の書かれた「
財政投融資」というこの厚い本、私もたいへん参考になりますから、とらの巻のようにしょっちゅうのぞきますけれども、そこを、つまり
政府の考えておることは正しいんだと、私たち野党のものが提起した問題なんかそれはみんな当たっていないと、まあ
繰り越し不用額の問題も、私は繰り越しがあることはある程度よくわかりますけれども、そういうものは、もうそもそも
財投というものは
国会の
審議になじまないんだというような
立場で書いておられる。
それから行政の
立場と私は政治の
立場と違うと思うのですね。ですから
資金運用部資金の場合も、
資金運用部資金法によって統合
運用の原則があるから、あくまでも
大蔵省がにぎってやらなけりゃいけないんだという
立場の
説明である。私たちは
資金運用部資金をつくった、
国会でつくったものであっても、法律はそのときに必要なように改正していくわけですから、ですから政治的な
立場に立ちますと、
国民の側からすれば
資金運用部資金の使い方も変える私たちもその主張をする権利がある。だから一方的にまあお上が正しいというような考え方で対していただかないように、これはもうお答えを要求いたしません。私はそういうふうに考えているということを最初に申し上げて次の問題に入りたいと思います。
一月二十五日ですね、例の一兆円余のかけ込み融資というふうなことばで呼ばれましたところの大量の融資をなさいましたですわね。これは参議院の
予算委員会で三月十三日に私どものほうの
羽生委員からこの点を指摘いたしました。その要旨はもう繰り返さないでもいいですけれども、
政府は総
需要抑制という
立場に立って
財投の伸び率も押えたと、それから繰り延べも四千九百六十四億円、八%をきめていると、ところが
資金運用部資金の金利が六・七五から二月一日に〇・七引き上げて七・五になると、そこでその直前に一兆九百七十二億円を貸し出したと、しかもそれはおもな
政府機関に集中して貸し出している。でこれは
羽生さんの議論は、
資金運用部資金にもしそのまま二月一日以降貸し出すことをすれば約七十五億円は利息がよけい入ったはずだと、利子がよけい入ったはずだと、その利子収入を失わせたということが一点。それからそういうばく大な金を一月二十五日一日で動かすということはそれは金融市場あるいは証券市場にも混乱を引き起こしたではないかと、それからそれに関連した
鈴木強さんの発言で、そういう
資金運用部資金が輸銀や開銀を通じて反社会的な
企業に融資されてきたことに対してどうするつもりかというようなこと、規制をせよというような意味の発言がありました。これに対して
大蔵大臣は、あれは金利操作なんだと、安いうちに貸してやらないと
政府機関が困るから前もって貸してやったんだというようなことをおっしゃって、だけれどもその使い道に関しては厳重に
管理をするんだというふうにおっしゃった。
で、午後になっていわゆる統一見解みたいなものをお出しになって、その一月二十五日に集中貸し出ししたことは認めますと、で二月一日からは金利引き上げ幅が大きいから
政府関係機関に、
財投対象の機関の経理に大きな影響を及ぼすから前もって貸し出したんだと、しかしこの貸し出し金はすぐ支出するものじゃない、内部に置いとくんだと、で、小出しに金利を上げていくのに使うというふうに
大蔵大臣はおっしゃっています。それから各機関の貸し付けの繰り延べですね、八%といわれた、これは従来どおり行ないますと、だから総
需要抑制とは反しないと、それから
資金運用部資金の原資は
郵便貯金、
国民年金であるから今後とも慎重に運営をはかると、「今後とも」というふうに書いてあります。それから反社会的な
行為のあった
企業への輸銀、開銀からの貸し出しに対する規制は現在
各省と交渉調整中ですというふうにお答えになっておりますね。
これらの点で私はお尋ねしたいんですが、どうもその
財投対象機関が困る困るという
立場ばっかりが強調されておりましてね、私なんかは、いつもその原資を拠出する
庶民の
立場のほうが忘れられているんじゃないかということが一点です。それから厳重に
管理するというのはどういうことをなさるのか、これは具体的に伺いたいわけなんです。つまり、その安く貸し出した分を各対象機関に置いておいてそれを厳重に
大蔵省が
管理できるのかどうか。それからどういうふうにして安く、つまり六分七厘五毛で貸した分、二月一日から七分五厘になる分を、安く貸した分、一兆円余という金をそれが
庶民に還元されるようなどういう監督ができるのか、どういう保証があるのかということなんです、具体的に伺いたいんですね。全く
財投の
運用というのは普通だれにもわからないんですよ。ですからわかるように言っていただきたい。
それから一月二十五日一日で一兆円を動かすというのは並みたいていのことじゃなかったと思うのですが、それの貸し付けを受けた機関というのは大部分が
大蔵省と非常に関係の深い機関ばっかりなんですね。それで私がふしぎに思いますのは、非常に大きく借りておりますのは国鉄ですね、千七百八十八億。それから住宅公庫が二千五百六十億ですね。
中小企業金融公庫なんかは二百五十二億。農林公庫が九百六十億ですね。
日本開発銀行千百五十億。
日本輸出入銀行千四百五十億ですね。道路公団百七十九億。地方公共団体は三百九十一億、非常に少ない。そうして私がふしぎに思ったのは
国民金融公庫がゼロなんですね。それで私はどうもおかしい、輸銀や開銀にたくさん出しているのに何で
庶民の小口の金融をする
国民金融公庫には安いうちに貸してあげるということをしなかったのか。もし安いうちに貸してあげることが必要だと考えられたのなら、当然そうすべきだったと思ったわけなんです。それで
国民金融公庫のほうに私は連絡して、なぜあなた方はあのとき借りなかったのかというふうに尋ねまして、初めて内容がわかった。だから
財投のことというのはほんとうに突っ込んでいかなければ
一つもわからないようにできているわけです。よく聞いてみますと、
国民金融公庫は四十八年度の
資金運用部資金の借り入れをもうすでに第三四半期の終わりまでで四千二百五億円やっている。小口だから何回も何回も分けて借りるので、それで毎年年度末に全部まとめて長期の借り入れに書きかえるというわけなんですね。ですから、四千二百五億円というものをほんとうなら三月末に書きかえるべきところを二月一日から利息が上がるというのでたいへんびっくりしてあわてて一月末にそれだけの借りかえをしたというわけですね。ですから
国民金融公庫はその借りかえをしたので、新たな借り入れはしなかった、ゼロにした。そこで私はたいへん疑問に思うのは、輸銀や開銀は
大蔵省から経理担当者がみな天下っていらっしゃる。いまここにいらっしゃる
総裁なんかもみんなかつての
大蔵省の高官なわけですね。そういうところは非常に手回しよく早く貸して、
国民金融公庫の場合はもうすでに第三・四半期までに貸し付けたことになっているものを単に借りかえしただけのことなんです。新たな分を
あとまた千二百十八億、三月に借りているんですよね。それはみすみす高い金利で借りているわけです、
国民金融公庫は。だからどうしてそういう扱いをなすったかということ。私は
大蔵省が
国民金融公庫に対しては、おまえはもう借りかえをしたから貸し付けることはできないというふうに言われたのか、あるいはどうしたのかということがまず一点。時間の関係でもう
一つついでに申し上げます。
地方公共団体ですがね、地方公共団体はもうほんの少し三百九十一億しか借りていないわけです。これも私自治省のほうに電話をして聞いてみたら、自分たちは関係しないで、
大蔵省の財務局とそれから各地方公共団体が直接交渉してきめるそうですね、
財投借りるときに。それでまあ一体これはどういうことなんだろう。公社、公団はたいへん情報が早くて手続も早い。地方公共団体はいまたいへん
財政的にも困っている、交付金も制限されたりしている。それで毎年地方公共団体が五月ごろに借りることは私も承知しております。年度内に借りないで次の年度の初めに借りるということは承知しているんですけれども、まあみすみす金利が高くなる。で、非常な一兆円近いですね、地方公共団体の借りる分は。そうすると、たいへんな利子負担をさせる。こういうようなことは地方公共団体をあずかる自治省が全然知らぬ顔をしているのか、あるいは地方公共団体がそういうことはもうどうせ税金でやることだからあんまりさとくないのか、あるいは
大蔵省のほうがそういうことについての指導を非常にアンバランスに、不公平にやっているんじゃないか、こういうふうに思うんですけれども、まとめて申しましたので、それらの点について
総裁からと大臣からと御
説明をいただきたい。