○須原昭二君 そういう点は、これはあくまでも行政の立場で
ものを言うんじゃなくて、やはり一般消費者が迷惑のかからないように、誘引力が起こらないように、まぎらわしくないように、そういう一般大衆の立場から、視野に立って
ものをひとつ判断をして、適切な処置をしてもらたい。
特に私はこの際苦言を呈しておきたいと思うんですが、販売姿勢が特にまた悪いんです。たとえば高麗ニンジン及びこれを主体としたニンジン茶なんか非常にたくさん出ておるわけです、ニンジン製剤が。百貨店の健康食品コーナーへ参りますと、まあチョコリというんですか、チマというんですか、民族衣装をつけて女性が推奨しているわけです。ぼくはこの間、あなた、これどうききますかと聞いたら、これはこれでききますということをさわやかな日本語を使う
ものですから、あなた韓国人ですかと言ったら、いや、私はここの店員で、一週間前からこちらへ回って、これを着て売れというから売っておりますと、こんな調子ですよ。食品で、たとえば健康食品あるいは自然食品のコーナーへ行くと白衣を着ていますよ、女性は。そして、口上で、効能効果は書いてないけれ
ども、実はこれはこういうふうにききますよと言って実は売っている。この白衣という
ものが一般大衆から見た場合に、まあ薬剤師か、あるいはお医者さんとは思わないでしょうけれ
ども、この白衣というのは非常に消費者から見れば私は魔力がある。その女の子も、一カ月前は小間物の売り場におった
ものが先月からは実は白衣を着てこの健康食品を売っているというようなこの販売姿勢、この点を見れば、一般大衆はどこが薬なのか、どこが食品なのか、これはわからなくなるのはあたりまえのことですよ。幸いにして私は薬に多少の関心を持っておりますからわかりますけれ
ども、一般の人ではわかりませんよ。ここにいかに薬効洗い直しをやろうとも、薬に対する信頼感はますます下がっていくといわなければならないわけです。したがって、これらこの悪質な商品の横行、とりわけこの商品の販売姿勢、こうした
ものについて私は何とかしなければならないのではないか、そういうように思います。
いま御指摘を申し上げましたように、健康食品ブームに便乗した不正表示の食品、誇大広告の商品、無許可医薬品、科学的根拠の疑わしい
ものなど、ほんとうにたくさん横行をいたしておるわけで、今後これは取り締まらなければならない、規制を具体的にやっぱり実行しなければならないと思うんですが、こうした行政の無
責任といいますか、放任の
状態にかんがみて、実は昨年春でしたか、関西における健康食品メーカーが自主的に四社集まって、健康食品ベター、ビジネス、ビューローですか、健康食品BBB協会、こういう
ものが設立されたということを私は聞いております。これは自主的に商品を制定し、消費者の信頼を得てその普及をはかることを目的とされた協会だそうでありますが、商品制定にあたっても、これは日本分析センターですか、問題の。日本分析センターに検査を依頼して公正なデータを消費者に提供すること、こうして実施をしている。まあ問題の日本分析センターの権威も落ちましたけれ
ども、これは信頼できるできないはともかくとして、こうした規制は民間ではとうてい私は現状では不可能だと思う。品質がよいのか悪いのか、ほんとうに主成分が入っているのか入っていないのか、その成分が有効であるかどうか、
内容は見ただけで外から
見えない
もの、いわゆるこれらの問題は非明示性物質、外から
ものの本質がわからない物質です。さらに加えて、これらの
ものはすべて有機物です。空間におけるところの湿度、この高低、直射日光が当たっているか当たっていないのか、日光の光のあるなし、温度の上がっている下がっている、いわゆる温度の高低によって、時がたつに従って、その主成分はあるいは栄養分なりという
ものは変化をする
ものです。専門語で言うならば、いわゆる経時変化をするということなんです。三年前に仕入れた
ものでも陳列して置けば売れるという世の中ではならぬと思う。どこで売ってもいいという
ものではないわけです。
ものによっては暖房のコーナーで売っておったら、これはたいへんなことなんです。またたく間にこの
内容の成分という
ものは変質をするもんです。これら健康食品は、表示を明確にするとともに、製造は少なくとも登録制にするとか、製品は許可制にするとか、こういうことが私は必要ではないかと実は思うのです。ドイツはこれら健康食品が非常に盛んなところだと私は聞いておりますが、ドイツでも、健康食品は自然食品――人工を加えない食品、あるいは特殊用途食品、オーガニック食品、この三つに分類をきちんと法的にきめておる。法的にきめておる。そうして、法律によって各州で資格試験を行なって、営業権すなわち製造も販売も資格を与えて、そして取り締まっている。これは、ドイツがやっていることが日本でできないはずがないわけです。まあむずかしいからといって放置しているところに、どんどんどんどんこの品物がふえていくわけです。何としてもこれは処理していただかなければならないわけで、この際、私はあまたの問題を申し上げるよりも、いろいろ言ってもむずかしいような顔をしておられますから、ひとつ
厚生省はこれら製造、流通、販売の規制なり、基準なり、早急に設定をし、はっきりと健康食品なら健康食品の表示を規定して、一般消費者に、的確に、誤解のないように渡すべき秩序ある体制に持っていくのが当然ではないのか。これは農林省だとか、あるいは
厚生省だとかいうようなむずかしい問題になると、よその所管にぶっつけておくというわけではなくして、当然、医薬品と類似的に思われるような食品という立場からいっても、
厚生省自体が直ちに手を入れ、行政をしっかりと秩序ある
ものにするべきだと私は思うんですけれ
ども、まあ厚生
大臣、各
局長に聞いても、これはなかなかむずかしいことですから、厚生
大臣の所見を承って、決意のほどをひとつ最後に承っておきたいと思います。どうですか。