○
黒柳明君
趣旨につきましては、社会党の
竹田先生と同
趣旨ですけれども、いまの
政府からの
説明で、「広い
経験と豊富な
知識」と、まあどういう
経験あるいは
知識があるのか、むしろ当
委員会におきまして
政府に私は質問をして、そして納得した上で
賛成なら
賛成の採決をしたいと思います。当然私ども一はこれに対して
反対であります。しかしながら、あくまでもいまの
小佐野さんをめぐる
うわさ、まあこういういろんな
うわさがあります。しかし、私は単なる
うわさをとらえるのではなくして、
昭和四十一年の当
委員会、なかんずく
決算委員会を
中心としての
国有地問題をめぐったときの
審議において、いわゆる
国際興業の社主としての
小佐野さんが登場したことは、これはもう歴然たる事実であります。しかも、その
国有地をめぐって決して大きな汚点を残さなかったとは言えない
役割りを果たしたわけでありまして、言うならば今日の
国有地問題というものも、本院の
決算委員会を
中心に、大きくやっぱり
国有地についての
取り扱い、あるいは
政府の
行政姿勢というものがもう一歩やっぱり改まらなければならないという
一つの原点をつくったわけです。その中にこの
小佐野さんが登場したことも、これは
既成の事実であります。しかも、こういう事実
関係を踏まえてのこの
人事の
扱い、これは
議運の
理事会でさんざん論議されたことをもう一ぺんここで蒸し返す必要もないかと思いますけれども、いまの
人事に至っては、極端に言えば
閉会後もう
事後承認を前提としてそして
人事の
承認を
政府は求めてくる。これは、この
人事とは
関係ないわけですけれども、
漁港審議会委員、こういういままでの
人事の
扱い方というのは非常にやっぱり不可解なものを感ずるわけであります。今後のこの
人事は、少なくとも
衆参の
同意があった者をやっぱり
政府としては
任命しなければならない。
言うまでもなく、ある
意味においては、
委員会の
委員になると叙勲に対して相当の大幅の裏づけがここでできる。さらには、これは非常勤ですけれども、常勤になりますと、これは相当の月額の手当もつく。さらには、この
電電公社の
経営委員会の場合には、一兆にものぼるといういろんな
電電の
経営に対しての金の配分を決定する力も持つ
委員会でもある。ま
あとかく、私のいままでの九年間の
国会の
審議におきましては、三
公社五
現業、当然
政府機関あるいは
外郭団体というものが、そういう、ともすると
国民の
税金というものを正当に使わないという
ケースがありました。それはいろんな
ケース、ここで順々にあげていきましょう。無制限ですから、この時間はですね。
いろいろな
ケースが考えられるのです。まず第一には、
外郭団体がまた
外郭団体をつくる、そして
天下りのさらに
天下りの
機関をつくる、こういうようなことも行なわれている。しかも、
資材の供給にしましても
発注にしましても、全く架空の
外郭団体、ただ単にその
人事の給料を
政府から
補助金としてもらうと、こういうための
外郭団体をつくって、
トンネル会社をつくって、そして
資材を横流しにするだけの
外郭団体なんというものもこの
外郭のまた
外郭にできている。こういうような不届きなこともあった。
まあ、いま
ゴルフブームです。
ゴルフブームの中で大衆化されていく
ゴルフというものは歓迎されるべきですけれどもね。この三
公社五
現業というものが、
ゴルフ権をしこたま買い込んで、そしてそれに対しては、何のための
ゴルフ権かというと、
お客さんをもてなすための
ゴルフ権なんです。こういう準
政府機関がどこの
お客さんをもてなす必要があるのか、こんなおかしなこともやってきた。
電電公社もその片割れです。私は
委員会において再三再四注意もし、
姿勢が改まりつつあるわけであります。まだまだ完ぺきに改まったと、こう言えません。しかも、先ほど言いましたように、
経営委員会は、
電電公社予算が相当この
経営委員会の
委員の
審議、言うならば
圧力関係、これによって左右される
可能性もあるということは、これは私もいろいろ勉強した中で、その
既成事実というものを知っております。何も
小佐野さんがそれをやるとかやらないとかいうことではありません。であるからには、過去にそういう
国会において一度二度ならず何回も指摘されたんですから、そういうところには少なくとも李下に冠を正さずでありまして、清潔な、決して色がかかっていない、色がかかっていない上にも特にまっ白な人を出すべきであります。しかしながら、いま冒頭に申しましたように、
小佐野さんの場合には、
電電公社の
経営委員、あるいは
電電公社をめぐってということではありませんけれども、非常にやっぱりそういうあらゆるところに
関係をし、幾多の
疑惑、これをまき散らしていることは間違いありません。そういう者に対して、なぜこの
人事の
承認を得る前に、まず
政府がその当否、それをもっと慎重に検討してこなかったのか。過去の
国会において取り上げられた事実、これについて、はたして知らなかったとは言わせません。しかも、
田中総理大臣をはじめ、この
国会におきましても、
日本共産党さんを除いては与
野党、
国土利用法というものをここで制定した。言うならば、それも
国有地問題の発端は、この四十一年の
参議院の
決算委員会、いろいろ問題というものを提起したという、その中で渦に巻き込まれた人である。そうすると、いまのこの
国土利用法にしましても、何のために片っ方では精力的に、ある
意味では、
総理大臣のこの国総
法——全部じゃありませんよ、若干そのほんのちょっぴりでも、
意思を受けて
国民の合意の上において規制をつくった、こういう
国土利用法の法案をつくりながら、片っ方ではそういう
国有地というものについて非常にずさんな行動というものをとってきた。しかも、いまはずさんであるかどうか、私は現実問題を踏まえてやるほうですから、いまわかりません。特別に
小佐野さんを追跡しているわけじゃありません。しかし、外国にまで手広く企業を進出している。一方においてはけっこうです。
日本の
——あるいは外資をかせぐためにはけっこうかもわかりません。しかし、もう一方においては、あくまでもそんなことで、この中正公平である、中立公平である、しかもこの巨額な
電電公社の
経営というものをどうにでもできる
可能性があるポストにそういう人を置くという、まず選択したことに対して大きな
政府の
ミスがあることは間違いありません。これはもう私
たち野党のみならず、
与党の
先生方もこれについては、ある
意味では疑問だと、こうおっしゃった方も現にいらっしゃるわけであります。その方の
発言も、やっぱり最終的になれば
与党自民党であるならば、この
政府の、
幾ら衆議院で
野党が全部そろって
反対した、あるいはいま
竹田先生から指摘されたように、
野党全部こぞって
反対するのは
前例がないへこういう
ケースであっても、やっぱりみずからの不満というものは
自民党という力の中に埋没せざるを得ないという、こういう
人事の
任命です。私は何も
小佐野さんが憎いとか、あるいは
国際興業がどうだとか、こんなことはつゆほども思っていません。あくまでもこういう
——そうじゃなくても、
電電公社に対しては、あるいは
外郭団体に対しては、厳重な上にも厳重なやっぱり
経営の
審査というものが将来要求されます。そういう中において、こういう人物を選んだまず
政府の
姿勢。
第二点は、
電電公社の
有線放送、これはもう言うならば夜のちまたに流れておりまして、
ヒット曲を生む
一つの
媒体になっております。これが
全国各地に張りめぐらされている。東京にも、特に
大阪には有力な
大阪有線という、こういう
会社があります。これも私、
決算委員会で指摘したんです。ともすると、この
有線放送の
あり方というのが非常にやっぱり良心にもとった
やり方をしている。しかも
電電公社自体もこれに対しては非常にやっぱり再三、再四
行政指導をしているけれども直らない、いまもって直らない面もある。こういうことで、
電電公社自体巨額の、
有線放送から
有線放送税、これが出るにもかかわらず、私のいままで
決算委員会で指摘した範囲におきましても、巨額なこの
有線放送から本来国庫に納付できるべきものを取っていない。こういう片っ方では
姿勢もあるのです。これはもう
国民としては、あくまでもおかしな
姿勢であるのです。あくまでも
地方道あるいは国道、それに
有線放送の線を張りめぐらしたからには、当然それに準ずる
税金を取る、支払うべきである。あるいは
電電公社の
電信柱にこれを使用した場合には一本
幾らという当然
使用料を取る。ところがこれもどこからの
圧力か、どういう
関係か、これは私知りません。そういう
道路税、あるいは
電信柱に対しての、
有線を張りめぐらしたあたりの
電信柱の
使用料、こういうものについて取れるにもかかわらず
——まあ私わかりません
——何らかのやっぱり
電電公社として
姿勢を強く示せない、そういう納付できるものも
電電公社としては取れないという体制を再三、再四私は指摘して、あらゆるところからやっぱり激励の応援も得ております。最近やっと、これについて抜本的とは言わないまでも、若干改善の方向に向かったような気がします。
そういう片っ方では一兆
——まあはっきりしません、兆にのぼるでしょう。兆にのぼるであろうそういう
経営に対する、あるいはそれを今度はいろんなところに
発注し、
資材を納入する、購入する、そういう受注、
発注に対しての
権限を持ち、そういう
電電公社を
媒体にして、片っ方では取れるべきものも取れないような、そういう
電電公社であるというのも実態です。むしろ私は、
経営委員として本来の
あり方はそういうところまでやっぱり
審議をし、そして取るべきものは取る。一部の
圧力に、あるいはどこかに気がねし、遠慮してなんという感情も少なくとも与えるような
やり方じゃうまくない。そういうところこそこの
経営委員が全力でやっぱりやらなければならないと思います。ところが、私は、いままでの
経営委員がそういう
観点にタッチしたのかしていないのか、
国会においてあれだげの
発言があったわけであります。郵政省も相当前向きに検討したらしいですけれどもね、まだ最終的な、こうなりましたという結論は出ていない。もし
小佐野さんがこの
経営委員になるならば、使うほうも当然、しかし取るほうも当然力を入れてそしてやってもらわなければ、この
経営委員として
衆参両院が、
野党は
反対し、
与党だけで
任命されるという資格は
欠除をするのではなかろうか、こう思います。こういう点につきましても、はたして私は
小佐野さんがこういう
経営まで
ほんとうに公平に、中立にやってくれる人であるかということまで考えなければならない。
政府がここまで考えて、そして
衆参の
同意を求めたのか求めないのか、こうなりますと私は非常にこの
疑問点がさらにふえると思います。世間では、とかく
経営委員となると、ただ使うほうだけだ、こういうことも考えがちです。そうじゃないんです。
電電公社の場合には使うほうだけではありません、徴収するほうに大きな
ミスがあるんです、欠点があるんです。こういう問題についても
経営委員として、やっぱり厳重に
電電公社の
経営に対して管理をし、そしてそれを十二分に納得できる、こういう
経営委員を選ぶべきだと思います。しかしながら、
小佐野さんの場合には、こういう点まではたして
国民の要望にこたえる人であるかどうかということは非常に疑問とする点が多々あるんではなかろうかと、私はこのように思います。
さらに三番目をあげましょう。とかくこういう世間的なりっぱな人になりますと御多忙であります。御多忙な中でも、この
小佐野さんはさらに一段と御多忙であることは、この
現職の
役職を見ただけでもずらっとこう
重要役職が並んでおります。これはいまも、あるいは私が
議運の
理事になってたびたび渡されるこういう
人事承認の
履歴書の中で、まず一番
現職の肩書きが多いんではないですか、この
小佐野さんの場合には。しかも、これを見ますと非常にやっぱり重責であります。まず御多忙なからだであるんではないか、こう私は察する次第であります。しかも
日本航空の
取締役までも最近なられたわけであります。これはもう力があることですから
航空業務に手を出そうがどうしようが、そんなことはもう当人の自由であります。また
日航の自由であります。ますます多忙を来たした。しかしながら、この
日航の取締になったという裏にも、とかく
週刊誌あるいは一部の
報道によりますと、何らかのこのもやもやとした
報道が行なわれております。私はいま申しましたように、もやもやとした
うわさなんかは信用するほうじゃありません。あくまでも現実の事実
関係というものを自分の手で、足で調査して、そしてその問題を提起するという性質でありますから。しかしながら、この
日航の
取締役に就任するという背景にも非常に何か不明瞭なものがあったというような
週刊誌では
報道もされております。こんなものは信用したくありませんけれども、
小佐野さんの動くところには、とかくそういう
うわさが立っていることは、これはもう私がいまこの場で時間を二時間、三時間かけてやることでもありません。しかしながら、私は、そういうところまでこの際基本的な
人事の
承認ということについて
政府に反省を促さなければならないという立場からここで十二分に時間をとっていま
発言しつつあるわけであります。そういう
観点で、いま三つ。私は十考えたんです。十考えましたけれども、もうそろそろ
議長から何かくるんではなかろうかと。それはもう
議長がここまで
努力して今日を迎えたんですから、
あとの
議運とか、変なところは、もう今日、どう処理したか、むしろ私は腹が立つのがいろいろあるんですから、
議長の
努力というものを買って、
あと七つは以下省略して、もし再度こんな不明瞭な
人事の
運営というものがあったときには、それこそ時間を十二分にいただきまして、この
議運の席上で
自民党の諸
先生方にも、るるやっぱり納得いくようにお聞きいただくために時間をとりたいと、こう思います。
ほんとうに、きょうはわずか三点だけの指摘で申しわけございませんが、また次回の
連続物語にさせていただきます。どうも時間をとりましてすみません。