○黒柳明君 一昨日の衆議院の本会議で本
協定が通過したわけですが、自民党の
先生方がいわゆる反対の意思表示をした、こう報道されている人が五十数人にのぼったと、これは何も今回初めての例じゃありませんけれ
ども、中に政務次官が四人いらっしゃる。しかもこれは、大蔵、通産、建設、農林、いずれも――政務次官、
大臣、どこが閑職でどこが要職ということはありませんけれ
ども、いずれも要職であり、しかも、単なる国会議員がこれに反対して欠席ということじゃなくして、当然、政務次官ですから、
政府の重要な職務にある人です。しかも、
日中航空協定あるいは対
中国との本格的な交流が始まりますと重要なポストにいられる大蔵、通産、そういう方がまっこうから、みずから
辞任をするぐらいの決意です。そんなときは、やめなさいと、むしろこのくらいのある意味で強気でもいいんじゃないんですか。
外務大臣、一番やりにくいんじゃないですか、やっぱり対外的な
交渉の窓口として。まあ、個人のことですから、やめるやめないは、これは自由です。しかしながら、今度は、個人のこととしてではなくて、
政府として、あるいは対外
交渉の窓口、いまのこの
協定を批准に持っていく一番努力もし、
責任もとられる
大臣として、むしろ、そういう
政府の要職にありながら、政務次官というと
大臣とすべて同格です、いろんな営利企業の兼務についても、あるいは国会答弁についても、全部同格です。そういう
政府の要職にある、いわゆる田中内閣の要職にある人が、こうもまっこうから反対するなんということは、非常にやっぱり
外務大臣の
立場としてはやりにくい、まとめられてきた努力、これからもたいへんかと思うんですけれ
ども、どうですか。むしろこんなのは、
外務大臣として、もうやめてもらったほうがいいんじゃないですか、
外務大臣から、主体的に。向こうからやめてくれる、あれがどうなっちゃったんだかわかりません、これは個人の
事情があるんでしょうけれ
ども。
政府の中でこんな反対で、これから
日中間というものが、こういう方がまた要職にあること自体が、これは
中国のほうは非常にやっぱり、公電の粗漏問題、あるいはこういう動きについては寛大ですよね。私たちが思う以上に非常に
中国側の姿勢というのは、これこそ
両国の平和友好、こういうようなことを重んじているような、国際平和というものを重んじているような気がします。であるならばあるほど、やっぱりこちらの姿勢として、
外務大臣の姿勢としては厳格に臨んでいく姿勢があるべきではないですか。その点の
外務大臣の御苦労、これを私たち踏まえた上、知っているからこそ、
外務大臣もなかなか言いにくいとは思うんですが、どうですか、こういう
政府の要職にある人たちがまっこうから反対するということについては、
外務大臣としてやりにくいんじゃないですか。どういう御心境ですか。