○西村
関一君 本日はバングラデシュ人民共和国の国会議員さんが本
委員会においでになりましたが、最近私はバングラデシュを訪問いたしました
日本の国会議員といたしまして深く敬意を表する次第であります。先ほど
委員長が御紹介をされ、拍手をもってお迎えをいたしましたが、私は、この質問をするにあたりまして、まずバングラデシュ人民共和国の新しい歩みの上に心から祝福を祈りながら若干の質問を
政府にいたしたいと思います。
バングラデシュ人民共和国は、社会主義、非同盟、中立主義、平和共存政策、議会民主主義、非宗教主義の諸原則をもって建国をせられました。二年数カ月前のあの言語に絶する悲惨な流血の惨事を経て輝かしい建国の宣言をなさいました。そのときシェイク・ムジブル・ラーマン首相がパキスタンから
歴史的な帰還をせられまして演説をなさいました。あの
歴史的な演説は、世界の心ある人々に多くの感激を与えたと思うのであります。われわれは一切を忘れましょう、一切を許しましょうと、こういう趣旨の演説をなさいました、私はその演説の全文を読みまして、いまさらのごとくシェイク・ムジブル・ラーマン首相の人格に対して、あらためて敬意を表さしていただいたものでございます。私
どもの願いは、一日も早くインド亜大陸の三つの
国々に平和と
友好が完全に樹立せられますようにということを願いながら、一月の七日にダッカを振り出しに、ニューデリー、イスラマバード等々を訪問いたしてまいりました。そのときにはまだパキスタンのバングラデシュ人民共和国
承認のこともなかなかむずかしい情勢でありました。
日本の
外務省も、そうにわかにはいかないという御見解のようでございました。しかし、すでに御承知のとおり、この前私がここで質問をいたしましたときには、まだそのことがなっておりませんでしたけれ
ども、ラホールにおいて開かれました回教国首脳会議の招待を受けられまして、ムジブル・ラーマン首相がラホールに行かれて、ブット・パキスタン首相と
歴史的な握手をなされ、抱擁なさった。このことは大きく
日本の
新聞にも取り上げられ、われわれは心ひそかに、そのことのなったことを喜んだのであります。
承認が先か、戦犯の釈放が先かという問題が残っておりましたけれ
ども、パキスタンが、ブット首相がバングラデシュを
承認なされ、そういうような
歴史的な会見がなされたということでございました。こういうふうに、インド亜大陸の平和は著しく進展しておると
考えるのであります。これらの点にかんがみまして、
大平外務大臣は今後どのような、
日本政府としてバングラデシュ人民共和国に対する
協力、援助について
日本政府の政策を進めていこうというお
考えでございましょうか。何しろあれだけの大きな戦禍を受けて、いまなおその傷
あとのいえない状態にあるバングラデシュ人民共和国に対して相当な
協力、援助をすることが望ましいと思うんでございますが、その点、
外務大臣の御所信を承りたいと思います。