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田中寿美子君 もう一点だけその
定期閣僚会議について私は疑問を投げかけておきたいと思うのですが、さっき
大臣は、これは毎年開くことになっているから開くのだと、だから
年内には開くのだというふうにおっしゃいました。しかし、この
定期閣僚会議というものの始まりがちょっとあやふやなんですね、これは。六六年に佐藤さんが開かれたときは
日韓経済閣僚懇談会だったわけです。そしてそれば何にも別にそのときに交換公文が出たわけでも何でもなくって、両国の総理同士が適当な機会にまたやりましょうという合意をしたという記事だけが残っております。その次に開かれたときに、丁国務総理からの提案で
定期閣僚会議を持つことにしましょうと言って、六七年やその次ですか、毎回毎回、来年また開きましょうというような話し合いをしているわけですね。私は、こういう重大な
会議をそういうふうに簡単に両国の総理同士の話し合いで今後あとは
定期閣僚会議になるというようなことに発展させていっていいものかどうか、疑問を持っております。ですけれ
ども、いまその問題をやっている時間がありませんので、また別の機会にしたいと思いますが。
そこで、海外
経済協力のあり方について私は発想をもう大転換しなければいけないだろうと思います。これは
経済協力白書、通産省の出されたものの中には、もう少し条件を緩和してもっとたくさん貸し付けろと、それからもっと
援助せよと、あるいは質のいい
援助をしろとか、あるいは技術
援助をしろとか、それから
政府開発
援助を拡大しろとか、それから資源問題に関して消費者としての
立場である自分の国中心の
経済協力はいけないと、これはまあ
アラブ外交でさんざんもう痛い目しましたからそのとおりだと思うのですが、それから民間
企業の投資を拡大せよということがあるんですね。これは
外貨事情がこういう
状況になりますと、民間が直接投資してくれて
外貨をかせいでくれるのはいいというのが大蔵省の
考えのようでございます。また
韓国側でも、
政府借款、円
借款というのは、だんだん利子がつくし、そして償還期がくる、焦げついてくる。で、また借金を払うためにいわゆるリファイナンスをしなければならない。これはぜひ
日本としてはそういうことをしないようにしてもらわなければならないと思うんですけれ
ども、借金を返すためにまた貸してやるというようなことになるわけですね。そこで
韓国側も民間の直接投資を歓迎しているんですね。ところがこの民間の直接投資が一番問題を起こしているんでしょう。それで、たとえばこういうふうにも言われているわけですよ。
日本は国内の工場の立地条件が非常にむずかしくなった、公害問題で騒がしい、だから
韓国へ持っていって大きな鉄鋼所を建てましょう、いわゆる公害
企業を輸出しているじゃないかという非難があるわけです。それから
韓国労働者は安い賃金、だからあすこにプラントを持っていって現地でつくれば安く労働力が使える、これは
韓国人の収奪だということで、
韓国の
国民側から非難を受ける。それから、あるいは技術
援助にしましても、問題になったセマウル運動という新しい農村づくりですか、これもちっとも農民のほうにいかないで中間でだれかがさらっていったということで問題になっているわけですね。それから
不実産業のこともたくさん出ました。
韓国電気治金工業、これなんかもお金をつぎ込んだけれ
ども操業を
中止してしまいました。これは丸紅飯田という商社が中間に入っている。あるいは
韓国アルミ、これも衆参の
決算委員会で
もとっても問題になりました。
日本の大商社とそれからアルミメーカーが
協力してプラントをあそこへ持っていって、途中で非常にばく大なお金が消えているのですからね。どこへ行ったかわからないというような
状況、これはもうよく知られていることですね。これは
政府のほうもお認めになっている。そこで、
韓国の新聞によるとどろぼう村に金が流れ込んでいる、
日本がせっせと
経済援助してくれたりなんかしても。どろぼう村というのは国
会議員とか高級公務員とか将軍だとか財閥だとか——。一方、
日本の商社のほうにもリベートが入ってきている。こういう形で
経済協力が使われていくというようなことは重大だし、それから直接投資をする人
たちはまるで
日本の工業地帯のような気持ちで投資をする。こういうごとに対しても、私は根本的に発想を転換しないと、もう
アラブ外交の二の舞いを踏むということになると思うんです。だからタイでもインドネシアでも
反日感情がずいぶん起こっている。これだけ金を出してやっているのに
反日感情が起こるじゃないかという問題は、これは私、
経済協力のしかたが非常に問題だと思う。
それで、飛ばしますけれ
ども、私は
外務大臣が窓口になり通産とそれから
経済企画庁がおもな所管となっている。そしてそのつど、農産物でしたら農林省、それからもちろん大蔵省も
関係してくる、こういうふうなたくさんのそれぞれのところがばらばらに
経済協力だとか
援助だとかいう形の
援助をやっている。こんなことをしていたら私は同じようなことがまた起こると思うんですね。これは何とかもうちょっと統一し、総合し、一貫性を持って、
ほんとうに現地の
民衆の役に立つような
経済援助、
協力、これは私は東南アジアに対しては
日本は責任があると思います、過去の戦争の責任もありますからね。だからその
やり方を根本的に発想転換しなくちゃいけないし、
やり方も私はもっと一貫性を持たせる、ある
意味では
日本の中での強力な
指導性が持てるような行政の一元化というか——一元化ということはなかなかむずかしいかもしれませんけれ
ども、そういう方法はないかどうかということです。
外務大臣は窓口だけれ
ども、
経済は
外務省何も持っていないですね。それをどうお
考えになりますか、何かいい方法はないですか。