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1974-05-21 第72回国会 参議院 運輸委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年五月二十一日(火曜日)    午前十時四分開会     —————————————    委員異動  五月十四日     辞任         補欠選任      寺下 岩蔵君     岩本 政一君      長屋  茂君     松平 勇雄君      木村 睦男君     長谷川 仁君      黒住 忠行君     田中 茂穂君      橘  直治君     源田  実君      杉山善太郎君     戸叶  武君      中村 利次君     田渕 哲也君  五月十五日     辞任         補欠選任      長谷川 仁君     木村 睦男君      源田  実君     橘  直治君      戸叶  武君     杉山善太郎君  五月二十日     辞任         補欠選任      田中 茂穂君     黒住 忠行君      小柳  勇君    茜ケ久保重光君  五月二十一日     辞任         補欠選任      渡辺一太郎君     桧垣徳太郎君      松平 勇雄君     藤田 正明君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         宮崎 正雄君     理 事                 黒住 忠行君                 山崎 竜男君                 杉山善太郎君     委 員                 木村 睦男君                 橘  直治君                 桧垣徳太郎君                 藤田 正明君                茜ヶ久保重光君                 阿部 憲一君    政府委員        運輸政務次官   増岡 博之君        運輸省鉄道監督        局長       秋富 公正君    事務局側        常任委員会専門        員        池部 幸雄君    説明員        日本国有鉄道総        裁        藤井松太郎君        日本国有鉄道理        事        伊江 朝雄君    参考人        日本鉄道建設公        団理事      池原武一郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○参考人出席要求に関する件 ○運輸事情等に関する調査  (日本国有鉄道運営に関する件)     —————————————
  2. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  小柳勇君が委員辞任され、その補欠として茜ケ久保重光君が選任されました。     —————————————
  3. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) 次に、委員異動に伴い、理事に欠員が生じておりますので、この際その補欠選任を行ないたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) 御異議ないと認めます。  それでは理事黒住忠行君、杉山善太郎君を指名いたします。     —————————————
  5. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) 次に、参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  運輸事情等に関する調査のため、本日参考人として日本鉄道建設公団理事池原武一郎君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) 御異議ないと認め、そのように決定いたします。     —————————————
  7. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) それでは運輸事情等に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  8. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 私は昨年十月の時刻改正時から非常な急行に対する国鉄当局の理不尽な処置についてと、それからもう一つは上越新幹線の工事について、群馬県下におけるもろもろの問題点にしぼってお伺いしたいと思っております。  最初に、国鉄急行特急あるいは超特急等のクラスを持っておられますが、急行というものが生まれたのはいつか、どういう趣旨急行というものをつくられたのか、さらに急行普通列車とどういう点が違うのか、これは端的にこの場で最初にお伺いしたいと思います。
  9. 藤井松太郎

    説明員藤井松太郎君) 主として急行料金並びに急行サービスについての御質問と存じますが、御承知のように急行普通列車とは料金が違うので、急行はなぜ高いのだということを端的に言いますと、そういうことになると思うのでございますが、これは急行普通列車よりもスピードが速い、スピード利用である、それから急行の客車は普通のよりも上等なものを使っているということ。並びに急行は非常に都合のいいような時間帯に設定されておるということで料金をちょうだいしておるということでございますが、たびたび時刻変更なんかをいたしますと、ローカル列車スピードアップしたりサービスをよくするということで、ある区間だけをつかまえれば大差ないのに金を取るのは何事だというようなおしかりをこうむっているのでございますが、この件に関しましては担当の理事出席いたしておりますので、詳しく御説明申し上げることにいたします。
  10. 伊江朝雄

    説明員伊江朝雄君) ただいま総裁が御答弁申し上げたことが原則でございますが、若干ふえんさしていただきますならば、急行列車は中長距離という、つまり都市間を結ぶということを主たる使命にいたしております。したがいまして、普通列車は、御承知のとおり一駅一駅を結んでまいります列車で、急行以上は特急も含めまして中長距離を結ぶ、そのためにはやはり普通列車よりは終点におきまして時間が非常に短縮するということでございますので、総裁が御答弁申し上げましたとおり、列車のアコモデーションにつきましても、あるいは始点から終点までの時間距離を見ました場合には、普通列車がその区間を運転するよりは早く到達する。こういうことで料金をちょうだいいたすのが特急急行の性格でございます。
  11. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 質問しているのは、いつからつくったのかと、いつから生まれたのかということです。料金の算定はどういう基準でやっているか。急行普通列車と比べて速いにきまっている。どのくらいスピードが速いのか。たとえば下関から東京まで、あるいは鹿児島から東京まで、その区間普通列車——最近は長距離の普通はありませんが、この急行列車ができた当時は、私生まれは九州ですが、宮崎から普通列車に乗ってこられる長いのがあった。それに対して急行列車はどのくらいのスピードアップしておるか、スピードアップどのくらいしたから料金はどうなったか、こういうことを聞いているのです。
  12. 伊江朝雄

    説明員伊江朝雄君) 御質問趣旨はよくわかるわけでありますが、たとえばあまり長距離普通列車は現在ございませんけれども、近間の普通列車をとってみますと、たとえば上野から長野までの列車でございますと、普通列車ですと大体六時間から六時間半ぐらい。それが急行列車ですと四時間ぐらい、特急ですと三時間ぐらいと、こういう大体速度になります。したがいまして、現在はやはり時間距離の短縮ということがお客さまの御要望が強うございますので、長距離にわたっての普通列車というものをすべて急行列車あるいは特急列車に置きかえると、で長距離普通列車というのは現在なくしていると、こういう状況でございます。したがいまして、スピード一時間につき幾らというふうな急行料金の取り方じゃございませんで、遠隔的なこれは料金でございまして、二百キロの場合は幾ら、それから四百キロの場合は幾らと、こういうふうに区間的にキロ別急行料金あるいは特急料金を定めておると、こんなような状況でございます。
  13. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 だからね、いわゆる普通列車に対して急行列車は何十%ぐらいのスピードアップをしているんですか。いまあなたは長野からのを言われたが、六時間かかるのが四時間だと、そうするとこれは約三〇%のスピードアップをするんだね。あなた方が急行列車と言われる場合には普通列車にどのくらいの割合の時間かけてきているのか、そこです。平均して。
  14. 伊江朝雄

    説明員伊江朝雄君) 急行列車は全平均いたしますと、大体平均速度でございますが六十キロ以上の速度でございます。
  15. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 普通列車に対する時間のアップの率。
  16. 伊江朝雄

    説明員伊江朝雄君) 普通列車平均速度にいたしますと大体五十キロ以下、これが普通列車平均速度でございます。これは全部ならしての話でございます。したがいまして、平均でも二割程度はスピードアップをいたしておると、こういうことでございます。で、私ども急行列車なり、あるいは普通列車なり平均速度を計算いたします場合には、ある区間じゃございませんで、やはり始発から終着までの動きます距離、それを時間で割った、これが平均速度でございまして、これでいきますと先ほど御答弁申し上げたような状況になると思います。
  17. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 昨年の十月の時刻改正で、これは私が調べた高崎線が中心ですが、特急はふえております。それまでは高崎に停車した臨時を除いた常時運転の特急が昨年九月までは二十本、十月から二十四本にふえておる。その結果、特急はふえたんですが、急行列車が軒並みおくれておる。これ幾つも例がありますが、ひどいのは高崎上野間で二十四分も急行列車をおくらしている。こういうダイヤを編成してしまって、あなたは普通列車急行列車は二〇%ぐらいのいわゆるスピードが違うということをおっしゃっているが、一番ひどいのは、総裁高崎上野間で急行列車普通列車が一分しか違わぬのがある。こんなばかなことがあるか、総裁。これでも急行列車か。あなたどう思う。普通列車高崎上野間で一分しか違わぬというこの事実はあなたどう思う。これでも急行列車と言い得るのかどうか。
  18. 藤井松太郎

    説明員藤井松太郎君) 御指摘列車長野発でございまして、長野から上野ということになると決して一分じゃございませんけれども高崎からは御指摘のとおり一分ということにたまたま相なったと、これも先ほど申しましたように、その急行列車を落としたということよりも、現在線のローカル線スピードアップをやった結果近づいたというふうに私どもは考えておるんでございますが、これも詳しいことは伊江常務理事説明させます。
  19. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 冗談じゃない、総裁普通列車が上がったんじゃないんですよ。現に九月以前の時間と十月は二十四分違っている、高崎上野間で。落ちている、落としておいて、普通列車が上がったなんて、あんた白々しい答弁承知できませんよ。これはあんた、長野上野は違わぬとおっしゃるが、急行列車長野始発でも長野からだけのものじゃありませんよ。高崎からも急行料金払って乗っている。一分しか違わぬ急行、それをぬけぬけと総裁答弁するんじゃ国民は納得しませんよ。非常な非難があるんです。先生はパスだからいいかもしれぬが、われわれ料金を払う者はこういうことをされちゃ困るという苦情が非常に多い。私は去年の十月から質問をするチャンスを願ったが、なかなかそのチャンスがなくて、やっときまった。それだってどれだけ私どもはいわゆる利用者から苦情を受けたか。藤井総裁はとにかくいろんな事情がわかって、しかもあらゆる意味で人間的な運用をされているということを伺っている。そのあなたが、この事実に対して私はつべこべ釈明できないと思う。はっきり国民にあやまって、その非を認めて、次の十月の改正時にはもとに戻すという努力までしろと言うんだ。  常務理事も何人おるか知らぬけれども、変な私はここであなた方の釈明を聞こうと思わぬ。国民はおこっている。おこるはずだと思う。スピードアップしたんなら話は別だ。特急を何本も動かすためにスピードを落としている。普通列車と一分しか違わぬ急行列車に乗せて料金を取っているのはどろぼうみたいだよ。私そう思う。詐欺だよ、こんなこと。私はもうとにかく怒りにふるえておる。こんなことをしてあなた方はサービスと思っているのか。幾らかでもお金がよけい入ればいいと思っているのか。国民にこういうむちゃなことをしいておいて、国鉄運営がうまくいっていると思ったら間違いだ。  私はここで藤井総裁に変な釈明をしてもらおうと思わぬ。あなたがほんとうに国民のための国鉄として運営されるならば、こういう現実に対して率直に非を認めて国民の前にあやまって、そうして次の機会には必ずこういったものは訂正する、こういうことでなければならぬと思うんだが、常務理事釈明を聞く前に、国鉄総裁のやっぱりそういったことに対する私は率直なひとつ御意見をお願いしたいと思う。
  20. 藤井松太郎

    説明員藤井松太郎君) その間の詳しい事情には、はなはだ申しわけがないんでございますが、私はあまりつまびらかじゃございませんので、常務理事から詳しい説明をいたしまして、先生の御指摘のごとく国鉄がおわびすべきものならばおわびいたします。
  21. 伊江朝雄

    説明員伊江朝雄君) 先生におしかりをいただきましたけれども釈明をさしていただくというかっこうになるかと思いますけれども、直接の御質問に対するお答えからちょっと迂遠なお答えを申し上げることになると思いますが、お許しいただきたいと思います。  高崎線は、先生よく御承知のとおり、もう高崎あたり東京までの通勤圏でございまして、高崎大宮との間にいま急行がとまっております駅が熊谷、深谷、本庄と、こう三つの駅がございますが、この駅からも東京方面へは非常に通勤客が多うございます。しかし御承知のとおり、高崎を通過いたしまして、上越線信越線と非常に——線路容量と申しておりますが、一ぱい列車が密に入っている線区でございまして、したがいまして、長年地元からの御要望は、東京あるいは大宮あたりへの通勤電車増発しなさい、あるいは増発が不可能ならば車両編成を増大しなさい、こういう御要望が非常に強うございまして、私どもは逐年そういう努力をしてまいったわけでございますが、高崎から経由いたします上越線新潟方面、あるいは信越線長野方面へのまた長距離お客さまも非常に多うございまして、この方面への特急急行増発もしなきゃならない。一つ線路でもって多目的の御要望にこたえるようにいたしますためには、非常にダイヤ上の無理がございます。ところが従来そういう長距離お客の需要が非常に多うございましたために、急行特急の待避をローカルにしわ寄せしたという非難がございまして、そうしてローカル列車特急を何本も駅では待避しなきゃならないので、非常に不便である。こういう御要望あるいはおしかりを受けまして、これを四十八年の十月の時刻改正におきましてローカル列車優先と、特に通勤時間帯には急行あるいは特急をその時間帯に入れないという時間を二時間ほどつくりまして、そうして通勤列車優先ダイヤと。それから、また急行特急に追い抜かれるようなダイヤをなるべく避ける、こういう配慮をいたしました結果、御承知のとおり高崎までのローカル列車急行特急に二本も追い抜かれるというダイヤはいまございません。そのかわり急行が待避する回数が多くなりました。  そのために区間的に見ますと高崎大宮、かりに上野は別にいたしまして、高崎大宮区間をとりますと、先生指摘のような一分しか違わないという速度急行列車がございます。しかし先ほどもお答え申し上げましたとおり、急行列車というのはある区間において断面をとりますと、先生指摘のようなローカル列車と大きな差ございませんけれども、やはり長距離の終着駅までの時間差を縮めると、こういう目的のためにつくってございますので、近距離お客さまの御利用をむしろ排除するという言い方は非常になまな言い方でございますけれども高崎までのお客さまはローカル列車増発をいたしておりますし、通勤列車もそういうふうに考慮いたしておりますので、大宮から高崎までの間の短距離お客さまは急行を御利用にならないと、こういう前提でもっての急行設定でございます。あるいは特急設定でございます。したがいまして、くどいようでございますけれども大宮高崎間については、御指摘のとおりの列車があることは事実でございますが、これはそういうふうな事情が沿革になっていると、こういうことでございます。
  22. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 そういう詭弁を弄しちゃいかんよ。前橋上野間、九時八分発、これは去年の九月までは九時八分発、十時三十六分上野着、これは前橋始発。今度は八時五十分発と十八分早くしておいて上野到着が六分おくれておる。合計二十四分おくれている。これはどう説明するんです。これはあかぎ2号、これはどう説明するんです。急行を二十四分早めるなら話はわかる。十月から二十四分おくらしている。一時間半ぐらいの行程のものを二十四分おくらしたらどうなると思う。そういうことをしておいて、全般を見れば違わぬというのはどうなんだ。そんな人をばかにした答弁するんじゃないよ、先ほど言ったように国民を愚弄している。これはどう説明するのですか、前橋始発のあかぎ2号。
  23. 伊江朝雄

    説明員伊江朝雄君) 非常に先生におしかりを受けますけれども急行列車というのはやはり相当の長距離でなくちゃならぬと思っております、特急を含めまして。前橋上野、あるいは大宮の間というのは、それはそう長距離ではないということでございますけれども、じゃ、そういう短いところに急行をつくっておくらせるというのは何だと、こういう御質問かと思いますが、これは御指摘のとおりだと思います。御指摘のとおりだと思いますけれども、やはり私ども地元の御要望というのがございまして、近距離については観光地方面につくっている短距離急行もございますけれども、できるだけ急行列車というのは二百キロ以上あるいは三百キロ。それから特急につきましては四百キロ、五百キロと、こういう大体の私ども基準がございますが、なるべくならスピードをあげてほしいということで、急行列車というものをその基準にこだわりなくつくっているというのが現状でございます。  したがって御指摘のこのあかぎ2号、これはウイークデーについては座席指定を安くしているぐらいで、まあ実はあまり効率がようございません、率直に申し上げまして。この列車は御指摘のとおり、時間が普通列車とあまり変わらない、あるいはおくれているということでございますけれども、こういったものは将来はやはり快速列車なりに私ども改正していきたいと、なるべく近距離のものは長距離優先あるいはローカルの御利用に供するように改めていきたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
  24. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 よくぬけぬけとそういうこと言えますね。昔はこれはみんな快速だったんです。桐生を発して前橋、新前橋高崎、それから本庄熊谷と、それを途中で急行にしたわけだ。二百円の急行料金取っている。地元要望があったと言ったって、何も地元から急行列車をおくらしてもらいたいというような要望はなかったと思う。急行でもいいから、料金取ってもいいから、ちゃんと普通列車より二割ないし二割五分のスピードアップしてくれ。この間諸君の職員が来たときに、急行列車は車はいいですと言う。いいのもある。しかし高崎線の中にはスリードア急行もあるんです、知ってるかどうか知らないけれども総裁常務は。そういうのをつくってちゃんと二百円取っている。こういうことをしておいて、ぬけぬけとそんな言いわけは承知しませんよ。絶対に承知できない。二時間もかからぬところに二十四分もおくらしてしまって、しかも途中で特急を二本も追い越さしておる。  あなたがそういうことを言うんなら、まあこの場は時間が来れば終わるけれども、これは国会としては絶対許せぬ。いいですか、もっとすなおになっていい、すなおに。悪いと思わないんですか、こんなことをして常務は。お客さんに対して申しわけないと思わぬか。そういうことだから国鉄はがたがたしている。総裁は何をしているのか、組合にノルマを押しつけておいて——国民ばかにし国会ばかにしていると、あなた方大きな問題になってくるよ。私は私なりにあなたの御説明で納得するけれども国民は納得しませんよ。——総裁が発言したいというから総裁に。
  25. 藤井松太郎

    説明員藤井松太郎君) まず私どもとしては御利用になる方の御要望をできるだけ充足したいというたてまえでやっておるんでございますけれども急行列車ということになれば料金が高くなるということで、御指摘のように一分しか違わぬのに急行だというんじゃ、理屈はともかくとして国民感情上はおさまりがたいだろうということは重々にわかりますので、先生指摘のようなことは次のダイヤ改正とかで、そういうおしかりを受けぬような形に修正していきたいと、しかし私どものやっていることは国民の大多数の方の御利便をはかろうといったようなことが主眼になってその急行料金の、高崎から何か一分違いでえらくもうけたというようなことでもないんで、そういうことも御理解願って、次の機会にはそういうおしかりのないようなふうに考えていきたいと思います。
  26. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 総裁、あなたはそういう御答弁をされたことはけっこうですよ。いま総裁が、そういうまことに総裁らしい答弁をいただいた。その答弁に私は決して満足しないわけではありません。  しかし去年の十月こういうことをした、これは何と弁解されても私は弁解にならぬと思いますよ。これをこの時間のままで快速にするとおっしゃるならまた別だ。急行として急行料金をお取りになる以上は、これは少なくとも私は去年の九月以前の状態に返す責任があると思う。いま総裁答弁常務理事はお聞きになっている。おそらくことし十月また時刻改正がありましょう。そのときにどういう形でか国民に対してこの状態を改善する意思と努力をされるあれがあるかどうか、常務理事にお聞きしたい。
  27. 伊江朝雄

    説明員伊江朝雄君) 総裁お答え申し上げました趣旨に基づいて努力をしてまいりますが、先生指摘のとおり、やはり沿線の御利用にいかに便利に輸送力を提供するかというのが私ども使命でございますので、急行に限りませず、ローカル列車との調整の問題もございますので、そういった技術的な問題もこれから検討いたしますが、急行だけじゃなくてローカル列車増発使命ということとの調整をしながら急行その他も考えなければならぬと、これを私どもは今後のダイヤ改正にときは検討をしてまいりたいと存じております。
  28. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 国鉄——全国ずいぶんありますが、高崎線ドル箱とは言わぬけれどもこれは黒字の路線ですね。皮肉を言えば、こんなことすれば黒字になるにきまっているのだ。黒字必ずしもけっこうと思わない。私は国鉄国民のやはり利便に供せられるべきで赤字が出てもやむを得ないと思う。そこに国鉄の私は本旨があると思う。もちろん総裁以下、経営陣とすればなるだけ赤字は出したくない、これはもう当然です。  しかし国民のために、利便をはかるために苦労した結果が赤字、これは私はやむを得ぬと思う。それはいま言ったように国鉄使命であります。時間もありますので、総裁の私はいまのおことばを一応すなおに受けて、十月の時刻改正をひとつ期待して、もしまた十月に変なことがあったら今度は私はもう承服しないです、私でない、国民が。私は心してひとつお願いしたいと思う。  それからもう一点は、常務理事急行料金は二時間おくれると払い戻しますな。これは何を基準に二時間おくれたら急行料金を払い戻すことにしたのか、この説明をお願いしたい。
  29. 伊江朝雄

    説明員伊江朝雄君) 科学的、算術的に何時間のところをおくれたら何ぼというふうな実は基準はございませんで、この二時間というのはやはりスピードメリットを著しく減殺するというのが沿革的にはこの二時間でございます。したがって相当前から急行列車につきましては、あるいは特急列車につきましては二時間ということで、ずっと古い沿革的な制度でございますが、当時、おそらくは大阪だとか、あるいは九州でありますとか、長距離列車の本数が少なくてわりに中距離急行列車が多かったために、その到達時間の中に占める割合が二時間もおくれますと急行利用スピード効果がなくなるというところから、この二時間というのはきまったと存じますが、これは古い沿革でございまして、先ほど申しましたように、算術的に計算しました結果ではございません。したがいまして、現在急行特急につきましても二時間以上おくれました場合には、特急料金急行料金の払い戻しをやっている、こういう制度的な沿革でございます。
  30. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 二時間というようなことは、いま言ったように前橋から上野まではこれは二時間かからない。改正以前は一時間二十八分、あかぎ2号をとってみると。改正後は一時間五十二分かかっている。これはほとんど普通と変わらない。これが二時間おくれるとどうなる。私は、かつて衆議院を落選して切符を買って乗った時代、昔の「あかぎ」に乗って上野駅まで三時間かかった、急行の倍かかった。それでも国鉄は一銭の払い戻しもせぬ。全行程が二時間もかからぬようなところで一時間おくれても返さない。これはまさに総裁どろぼうだよ、そうじゃないか。二時間というのは、いまある最高のものは、九州の西鹿児島あるいは鹿児島から出る列車、あれは急行かな、これは「高千穂」と「桜島」、「桜島」が二十四時間あまり、「高千穂」は二十八時間あまり東京までかかっている。こういう列車なら二時間おくれたら返しても当然、ところが全行程二時間かからぬ急行列車をつくっておいて、これが二時間おくれなければ払い戻ししない、こういうことはどこをどう押すと出てくるのか。少なくとも一時間半で着くものが三十分おくれればこれは普通列車並み、あるいは普通列車以下なんです。それなのに国鉄料金を返さないで知らぬふりしておる。これはどう説明する、常務理事
  31. 伊江朝雄

    説明員伊江朝雄君) 先ほど申し上げましたとおり、急行列車利用スピードメリットというのが厳密に申しまして二時間がいいかどうか別でございますが、沿革的に二時間おくれた場合にはスピードメリットがない、この一本の列車に対しまして。そういうことできめてございます制度でございますので、先生いま御指摘の二時間しかかからない列車が二時間おくれた場合には、これは二時間というのはまるまる二時間かかるのだから、これはもっと縮めて一時間なら一時間ということで急行料金なら急行料金の払い戻しをすべきじゃないか、こういう御趣旨でございます。したがいまして、私どもいま申し上げております急行料金の払い戻しというのは、距離によりまして、あるいは運転時間によりまして、幾ら幾らお払いをするという厳密な結果に基づいた二時間ではございませんで、やはり急行利用特急利用というものは、どの区間を御利用になってもその列車が二時間おくれた場合には、急行料金特急料金を払い戻しする、こういう制度でございますので、乗った距離に比例しましておくれを算定するということはとても私どもの事務能力としては、現場の作業といたしましては対応できないのじゃないか。  やはり制度一本といたしまして、二時間なら二時間おくれたというふうな現在の制度のほうが、やはり現場の作業能力からいいましても、それからお客さまの利用の実態から申しましても妥当ではないかということでございまして、この二時間がいいのか悪いのかという御指摘は別にあろうかと思いますけれども距離比例によって料金差をつけてお払い戻しをする、こういうことには現在考えておらないわけでございます。
  32. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 そういうところがどうもおかしいと思うのだな。総裁はどういうふうにお考えになるか知らぬが、二十八時間かかる列車に乗って、二時間おくれて三十時間かかるわけだ。これはたいしたことないと思う。しかし一時間半で着くべき急行が一時間もおくれて着いた。あんた全然問題にならぬと思うのですよ。それを自分たちの事務的能力のために国民に対してはえらい損害を与えている。近距離急行列車はざらにあるでしょう。二時間おくれなければ払い戻ししない、こういう不親切というか、国民ばかにしたことはないと思う。これをふしぎに思わぬところに国鉄当局の、私はやはり経営に対する何というか、傲慢さというか、昔のことばでいえば親方日の丸の私は思想が流れていると思う。  これは総裁、あなたは全然矛盾を感じませんか。あなたは国鉄に入って以来、切符買ったことがないからわからぬだろうと思う。私どもは一応パスをもらっている。それはわかっていますよ。しかし国民はみな買っているのだ。急行料金を払うものと思って乗るのですよ。ところがそれが一時間半かかるところへ一時間おくれてもがまんをしている、普通だと思っている。私はどうにも合点がいかない。またいろいろ聞いてみると皆さんそうおっしゃる。  また国民の皆さん方はそういうことに対する発言の機会がないから、私がかわってお尋ねし、あなたの御意見を聞くのです。これはやはりいままでのことはいままでとして、今後事務的な関係でできないとおっしゃるが、これはやはり、たとえば全走行過程から何十%おくれた場合には返すと、こういったシステムをつくるべきだと思うんです。それがやはり国民に対する親切と思うが、先ほどの時刻改正と同様に急行料金に対する処置について、総裁はどのようにお考えか率直な御意見を伺いたい。
  33. 藤井松太郎

    説明員藤井松太郎君) 確かに払い戻しの議論を理論的と申しますか、筋を通すと、一時間かかるところが三十分おくれて五〇%おくれたから払い戻すとか、あるいは二十時間かかるところが五時間おくれたから払い戻すとか、やはり正規の運転時間とおくれた時間との比率に上ってやるということが一応の理論ではございますけれども、これは先ほど申しましたように、なかなか事務上できぬからというふうな、国民を侮辱したという言い方もありますけれども、これは非常にむずかしい仕事であるということで、結局は急行がおくれて払い戻すのは、二時間か一時間か三時間か知りませんけれども、やはり急ぎの旅行をそういうふうにおくれたら御利用者はかなわぬので、しいて言えば、払い戻しというのはおわび料の一部というぐらいに御観念願うべきものじゃないかと私は思うんでございます。  しかし、いずれにしましてもおわび料を払わぬほうがいいんで、事故とかなんとか不可避的なことが起これば別だけれども、それ以外はひとつなるたけそういう払い戻しをしないようなことに努力すべきである。なおかつ何か事情によりましておくれた場合に、事実上可能だということならば、先生のおっしゃったように、二時間のところ三十分おくれたから四分の一払い戻せといったような議論にもなると思いますけれども急行料金とは何だというようなことになると、それが何というか、早く行くことによって旅行の目的を達したということなんで、一時間かかるところを一時間半かかることと、二十時間かかるところが二十二時間かかって会議に間に合わなかったとか、朝めしがいただけなかったとか、そういったような御不便がどうだというような議論になってくると、これは純然たる理屈ではないのでございまして、いろいろな議論がある。したがいまして、私はやはりできるだけ努力をしておわび料みたいな払い戻しをしないように努力をしてもらいたい、かように考えているのでございますが、いかがなものですか。
  34. 伊江朝雄

    説明員伊江朝雄君) ちょっと先ほどの答弁を補足さしていただきたいと存じますが、急行料金あるいは特急料金は、先ほど冒頭にもお答え申し上げましたとおり、スピードアップという要素だけでもって料金をいただいているわけじゃないということでございまして、やはり長距離お客さまの、もちろんスピードアップということが一つの要素。それから普通列車よりもやはり車の構造をよくしている、あるいはまた接続の有効時間帯を考えて設定しているというふうなもろもろの要素を入れましての料金でございます。その中にはスピード要素も確かに入っておりまして、このスピードメリットを落とすということでいま払い戻しをいたしておりますけれども料金とはそもそもそういうふうな性格であるということが一つございます。  それからもう一つ、十二時間あるいは二十四時間の列車が走っておりましても、御利用になるお客さまは二時間だけ御利用になるお客さまもいらっしゃいますし、それからまた一時間だけ御利用になるお客さまも乗っていらっしゃると思います。で、そういう方々にもやはりその時点で二時間おくれました場合には二時間でお払いするというかっこうでございますので、先ほど先生指摘のように、二時間乗ってれば一時間おくれれば払い戻すのだということになりますと、二時間乗っていらっしゃるお客さまに対する支払いというものは駅々でたいへんなことになるということで、実際問題としてその時間差によるところのものだけを注目いたしました料金の支払いというのはできない、これが現状だということを先ほど申し上げるつもりでおったのが、ちょっと舌足らずでございましたので補足をさしていただきたいと思います。
  35. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 総裁、いまあなた、払い戻ししないほうがいいのだということをおっしゃったような気がするが、おくれても、乗った者が損をしっぱなし……。
  36. 藤井松太郎

    説明員藤井松太郎君) そういう意味じゃないです。
  37. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 そういうふうに聞いたが。
  38. 藤井松太郎

    説明員藤井松太郎君) 正規の十時間で走るべきものを十時間で走れば払い戻しする必要がいささかもないのが、二時間おくれるから払い戻しをするということであって、いわば御利用者に御不便を与えたということで払い戻しをしているという、いわばおわび料みたいなものだ。だからわびずに済むような運転をいたしたいと、こういう意味でございます。
  39. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 そうあってほしいです。ただし現実はそうじゃないのだな、あなた御承知のように。おくれたりする、これは事故もありましょうし、いろいろなことがある。それは伊江常務理事説明利用者にはわからぬと思うのだな。やはり急行列車にはいろいろなあれがありましょうが、主眼はスピードアップでしょう。早く行きたい、だから利用する。それは夏になれば冷房もある、普通列車は冷房がないということもある、それも一つサービスでしょう。それよりも何よりもやはり速いことが大事なんだ、急行列車は。その速いのがやはりおくれた場合には、現にあなた方は二時間おくれると払い戻していらっしゃる。これは急行列車急行列車の意味がなくなったということだと思う。  もしそのほかにいろいろな条件があって、少しぐらいおくれたって払い戻ししない。払い戻しをつくったということは速いはずの急行列車が速くなかったから払い戻した。それなら一時間半の急行列車が一時間もおくれれば当然払い戻しすると思っている。この点についてはちょっと意見が、これは常務理事の頭がなかなかそこまでいかぬものだから、ちょっと水かけ論になっちゃうかもしれない。ぼくはやはりこの理論には総裁は固執してないので、またひとつ機会を得てやりたい。  それから、これは総裁、この点についてちょっとお伺いしたいのだが、やはり国鉄というものが国民に愛され親しまれるということが運営をうまくしていく原因なんだ。ところがいまわずかに二つのことしか指摘しないけれども、たくさんあると思うのだ。きょうは先ほど言ったような急行だけに限ってお尋ねしたのですが、この一つとってもこれだけ問題がある。あなた方はもうマンネリというか、最初から国鉄にいるからお感じにならないかもしれない。利用者——国民はそう感じている。たとえば料金値上げについても、国民にもっとサービスが徹底していればああいう抵抗はないかもしれないが、やはりいろいろな問題点がたくさんあり過ぎるから、国民はやはり値上げに対して抵抗を感じる、そういうことなんだ。  したがって、こういうことを含めて、総裁、もっとやはりあなた方は、これは経営者として赤字が出ないように、少しでも文句が来ないということで一ぱいでしょうけれども、それはそれとして、その以前にやはり利用する国民の立場に立って、国民から親しまれ愛される国鉄運営に向かって努力すべきと思う。それにはやはりこういったことも、小さい問題かもしれぬけれども、こういう小さい問題がたくさんあるところにいままで申し上げたことが起こっていると思う。  こういうことは初めてかもしれないけれども、ひとつ総裁のお気持ちを、これは決して私も先ほどみたいに四角ばったことじゃなくて、私ども藤井総裁はそういうお気持ちを持っていらっしゃる方と伺っていた。しかし具体的に言うといまのような問題がある。ひとつお気持ちお聞かせ願いたい。
  40. 藤井松太郎

    説明員藤井松太郎君) いろいろ御注意を賜わりまして、まことにありがとうございますが、われわれは国民の足を預かって輸送しているのが仕事でございまして、御利用になる方にいかなるサービスをすれば御満足が得られるだろうということが主眼であるべきである。したがいまして、先生もそういう意味合いにおいて急行列車の一分しか違わぬのに料金を取るなんて国民が一体納得できるのかどうかというような御議論でございまして、そういったことを忌憚なくお聞かせ願って、できるものはあらためて、できるだけ御利用者が御満足のいくようなサービスを提供したい、かように考えておりますので、ひとつその辺を御了承願います。
  41. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 政務次官見えていますね。きょう大臣が来られないようですが、あなたも政治家ですな。いわゆる国民の代表でいらっしゃるんだが、いま問題は小さいような問題だけれども、これは国民にとっちゃたいへんな問題なんです。いま質問答弁をお聞きになって、あなたは運輸政務次官としてどういうお感じをお持ちになり、これに対してどういうふうにしたらいいと思われたか。ひとつ率直なあなたの御意見を伺いたい。
  42. 増岡博之

    政府委員(増岡博之君) 先生の御指摘のような乗車時間に対する比率という考え方もございましょうし、また私承っておりまして、乗る場合には到着時間ということを乗客は頭に入れておると思うんです。ですから何時何分に着くはずのところが、特急料金を払い、急行料金を払ったにもかかわらず二時間おくれたという考え方に立てば、いまの制度もまた合理的であろうというふうにも思うわけでございまして、そこらをどちらかに割り切るかという非常にむずかしい問題であろうと思いますけれども、まあ当面は乗車時間に比例してという問題は、国鉄当局の言っておりますように事務的な面で非常に困難であろうというふうに思います。
  43. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 まだいろいろあるんですが、これやっていると時間がなくなりますので、次に上越新幹線についてお尋ねいたしますが、総裁もぜひこれは聞いていただきたいと思います。  上越新幹線はそれぞれの場所で仕事がされておりますが、大体現在の工程は予定どおり進んでいるのか。いまどういうような状態なのか。これについてひとつ簡潔にお聞きしたい。
  44. 池原武一郎

    参考人池原武一郎君) 工事工程でございますが、昭和四十九年三月末、すなわち先年度末で用地買収は買収必要面積の約三二%を買収いたしましたし、それから工事発注は全延長の約四五%の区間の工事発注をすることができました。そして工事発注はトンネル工事及び超大橋梁等の工期を要するものを中心に出しましたんで、この区間はすべて発注されたということになります。  で、今後の工事は主としてあかりの高架橋区間でございます。四十九年度予算において総需要抑制ということでかなり工事の発注が制限を受けておりますけれども、いま申しましたとおり高架橋区間は技術的な工程が短うございますんで、四十九年度は用地買収取得を主眼にして進めるということにいたしまして、五十年度以降の予算の調整を得て、当初完成目標として五十一年度内ということにしておりましたんですが、これに対する影響を与えることを極力少なくなるようにいま努力している段階でございます。
  45. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 大体当初予定だと五十二年度開通ですか。
  46. 池原武一郎

    参考人池原武一郎君) 五十一年度末完成ということです。
  47. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 大体現在の予定では可能の状態にありますか。
  48. 池原武一郎

    参考人池原武一郎君) 技術的には可能な状態でございます。
  49. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 これはいろいろ問題点がありますけれども、いま御承知のように、これは衆議院でも指摘されたことでありますが、さらにそれが拡大しつつあります。というのは、群馬県内における榛名隧道、中山隧道の建設に伴う付近の井戸がれ、あるいは農業用水のかれ、こういったものがかなり出ているようであります。  最初にお伺いしたいのは、十九日付の読売新聞の群馬版によりますと、吉岡村ではあなた方といろいろと折衝したけれども、なかなか要望がいれられないということで、吉岡村の村議会では十八日に村議会の全員協議会を開いて「六月一日までに鉄道建設公団が村の水枯れを解決しない場合、トンネル工事中止を求める仮処分申請を前橋地裁にする」と、こういう決定をしたようでありますが、このことは御承知ですか。
  50. 池原武一郎

    参考人池原武一郎君) その記事は私も見ましたんですが、具体的の内容についてはまだ現地の建設局長から報告がございませんし、現在まだ関係の次長以下現地におりますから、どういう進展になるか、それは正式の報告を受けてからということになると思います。ただこれを機会にちょっと渇水の問題の説明をいたしたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
  51. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 端的に。
  52. 池原武一郎

    参考人池原武一郎君) トンネル工事に起因する渇水に対しては当然原因者である公団が補償する義務がございますので、工事の着手以前に今回の吉岡村も含めまして現地の市町村と話し合って水源の現状並びに今後の観測等の打ち合わせを行ないまして、地元の方々にできるだけ迷惑を及ぼさないように心がけているわけでございます。トンネル工事と渇水の因果関係のはっきりしております、トンネルのごく近くに接近しているところ、あるいはトンネルのすぐ上に水源があるようなものについては事前に予防措置を講じて工事をするわけですけれども、一般にトンネル工事によりどこが渇水するかということは予測することが現在の技術の段階では非常に困難でございますんで、現実の問題として渇水によって御迷惑をおかけしているところが多々出てまいりました。このような場合にはトンネルの湧水を浄化しましてそれを直接給水するとか、あるいは新しく井戸を新設するとか、いろいろやっておりまして、できるだけ御迷惑のかからないように努力している次第でございますが、今回のように、地下水で各関係の市町村のあるところについて、現在最終的の問題に関しましては話し合いの途中でございます。
  53. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 各市町村ごとの井戸がれ、あるいは農業用水の枯渇状況についてあなたはどのように集約しておられるか。各町村ごとに戸数なり、あるいはたんぼなんかのあなたの集約しているところをひとつ御説明願いたい。
  54. 池原武一郎

    参考人池原武一郎君) 主として榛名トンネルのことだと思いますんで榛名トンネルの実情について御説明したいと思います。  榛名トンネルの関係しているのは主として榛東村、それから吉岡村、それから渋川市というようなところでございますが、昨年の十一月ごろからいろいろ渇水がございまして、もっとも昨年は非常に冬場雨の少ない年でございましたが、榛東村では約百戸、応急的にはタンク車のお世話になったりなんかしましたけれども、四十九年三月までに飲料水に関しましては滝沢川浄水場だとか水出貯水池などにトンネルの水を直接送くりまして給水してもらっておりますし、吉岡村については榛東村の水道をやるというようなこともしておりますし、それから渋川市につきましては渋川が上水道の拡張計画がございましたので、その拡張計画に公団として負担させていただいて、減水が起きたつど市の水道に切りかえていただくというような措置をしておりまして、一応飲料水に関して応急の措置はやってあると思っております。  それからなお田植えの時期でございますし、そのかんがい用水につきましては、トンネルから出る水を地元の方々とお話し合いをいたしまして地元の自害沢と申すんですか、あるいは午王頭川とか、そういう川に直接送るなり、あるいは吉岡村に関して言いましたら、これは一丁堤貯水池というんでしょうか、そういう地元と打ち合わせした上に応急的には水を送っておりまして、地元の方々の話し合いの上にやっているということでございます。
  55. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 ぼくが聞いたのはそういうことではなくて、各市町村の井戸がれないしは水道被害が何戸くらいあるかと、こう聞いている。建設公団で把握しているのは渋川市が幾ら、榛東村が幾らと、それを聞いているんです。
  56. 池原武一郎

    参考人池原武一郎君) 渋川市関係で約百戸、それから榛東村で約八十戸、群馬町で約十戸というところでございます。
  57. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 吉岡村は幾ら
  58. 池原武一郎

    参考人池原武一郎君) 吉岡村は約十戸でございます。
  59. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 どういうそれは調査ですか。私の調査によりますと榛東村が約五百四十三戸、吉岡村が井戸がれが九百十一戸、水道の被害が六百戸、渋川市が御幸田地区で三百六十戸と、こうなっておりますね。それから十九日付の読売新聞の記事によりましても吉岡村でいわゆる「同村に水枯れ公害が出始めたのは、昨年春、村と接する同郡榛東村長岡地区で榛名トンネルの斜坑工事が始まってから。水枯れはトンネル工事が進むにつれてひどくなり、同村の調べによると、十八日現在で、村の二千二百七十九戸の約半数に当たる九百十一戸の井戸が水枯れ状態となり被害は日ごとに広がっているという。」、こう出ておりますね。あなたの把握によると榛東村が八十戸、吉岡が十戸、渋川が百戸ですか、あなたのおっしゃるようにそんなに少ないなら村議会が全員協議会を開いて話し合いがつかなければ工事中止の仮処分申請をするというようなことにはならぬと思うのですが、あなた方の被害の把握状態は過小に過ぎるんじゃないですか。この点いかがですか。
  60. 池原武一郎

    参考人池原武一郎君) 私の手元に参っている資料は現地の建設局を通じてことしの四月ごろきた結果をいま申し上げたわけでございます。それで新聞に出ている戸数がそのまま確かかどうかというものは、これは私もつまびらかにいたしませんが、現在先ほど御説明しましたような方針に基づいて、きょうもまだ現地に建設局の幹部がいて地元の方々と話し合いをしておる段階でございますので、私どもとすれば精一ぱい地元の方々の御満足のいただくように努力しておる段階でございます。
  61. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 私の調査によりますと、建設公団は四十八億九月に渋川市に工事に着手するにあたって一億円支出している、こういう事実を私は得たんですが、これについてはありますか。
  62. 池原武一郎

    参考人池原武一郎君) 先ほどの概括的な説明の中でも申し上げましたが、渋川市は水道の増強計画をお持ちでございまして、それであのトンネルで渋川市内で渇水も想像されますので、一応想像される渇水の量を考えまして応分の分担金として出資いたしましたけれども、これは渋川市との間に、もしトンネルによってそれが減水しない場合には、逆に分担したお金を返していただくという約束のもとに、ちょうど計画をお持ちだったものですから分担させていただいた次第です。確かに先生のおっしゃるとおり一億二、三千万円だったと思いましたけれども負担いたしました。
  63. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 渋川市には工事着手以前にそういうことをなさっておいて、吉岡村、榛東村等は現に被害が出ている、困っている。それに対していわゆるいろいろと要求があるにかかわらず、いまあなたがいろいろな対策をおっしゃったけれども、何もなさらぬ、どういうことなんですか。渋川市にだけは事前に、たとえ水道の計画があったにしても一億数千万円という金を出しておきながら、片っ方の村には何もしないでおいた。事が起こってからもあまり誠意のある対処をなしていらっしゃらない、これは不公平と思われませんか、それでいいと思うのですか。
  64. 池原武一郎

    参考人池原武一郎君) 渋川市に分担をいたしましたのは、実は分担した水道増強工事というのはまだでき上がっているわけではございません。それで分担いたしましたのは、将来ともトンネルを掘ったことによって水が減ったり何かしては困るということがございましたので、いま言いましたようなお約束のもとに分担したわけでございまして、工事実施中のテンポラリーな渇水に対しましてはそれぞれに応じまして、先ほど申しましたとおりトンネルの斜坑から出てくる水だとか、あるいは新たに深井戸を掘って対応するとか、そういうふうにして対応しているわけでございます。  それから将来の問題については、吉岡村も榛東村も現にどういうことをしたらいいかということを地元の方々と協議している段階でございます。
  65. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 私は渋川市にお出しになったことを悪いと言っているのじゃない、それはそれでけっこうなんです。それはけっこうだが、渋川市にお出しになるならすでに被害を受けている榛東村や吉岡村みんなすばやく対処して金を出すなり、あるいは施策を講じるなり、村民の納得のいく処置をしなくちゃいけない、片手落ちでしょう。片っ方には事前に一億数千万円、そして工事はまだ進捗中。片っ方は現にもう被害を受けている。六月の田植えを前にして農業用水もどうなることかと心配している、農民にとってはたいへんですよ。井戸水もかれるということはたいへんですが、それに対してあなた方が対処するとかおっしゃりながら一向に具体的な解決策をなさらぬから、先ほど指摘したように村議会はたまりかねて全員協議会で、幾つかの要求が達しなければ仮処分するという決定をなさった。これは容易ならぬと思うんですよ。何か早急に仮処分の申請をしなくても済むような対処をする自信がおありですか。先ほど来いろんなことをおっしゃったけれども、それはあなた方の一方的な考え方であって、村民と具体的に打ち合わせをして、それではっきりできるかどうか。どうです、自信がありますか。
  66. 池原武一郎

    参考人池原武一郎君) 先ほどの説明でも申しましたが、飲料水並びにかんがい用水についてもすでに榛東村関係では自害沢あるいは午王頭川というところに、また吉岡村関係には貯水池等に約五トンの水を、すでにトンネルから出る水を分けておりまして、それによって当面のかんがい用水に使っていただいている段階でございます。それでいま吉岡村や榛東村でいろいろおっしゃっているのは、やはりいまはそれで応急的にふさがるとしても、今後工事が進んだり何なりする段階で、先行き非常にいろんな問題があるから何とか恒久的な問題をやっていただきたいという申し入れを受けていることも聞いております。そういうことにつきましては、将来の問題でもございますし、トンネルの地下水だけでもいろいろ問題ございますし、それについてはいま村当局と話をしている段階でございますので、私は何とか地元の方々との妥協点を見出すことができると思っております。
  67. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 藤井総裁お聞きのように、いまの時点は鉄建公団の責任ですね、工事は。しかし新幹線は国鉄の責任ですから、上越新幹線をおつくりになる、これはまあけっこうでしょう。しかし上越新幹線ができましても、いま問題になっている地区の人たちはこれを利用することがほとんどない人たちなんだ。利用することのない人たちが、自分の村を通るために、いま言ったようにもうすでに工事中に問題が起こっておる。非常な騒ぎをしているんです。鉄建公団が別にほうっておいているとは思いませんけど、しかし実際は話が進められて、いまお聞きのように村議会当局は全員協議会でこういう決定をしておる。となりますと、これはなかなか容易じゃないと思うんですよ。  いま理事は解決できるとおっしゃるけれども、できるんならいままでもうできているわけなんです。なかなか誠意が届かぬからこういうことになっているんです。総裁は、あなたの新幹線が名古屋——向こうのほうでもすでに既設の新幹線が問題になっていますが、あなたもだいぶ頭痛いと思いますが、新しく方々にできる新幹線もいろんな問題が出ている。私がいま総裁にお聞きしたいのは、まあ直接的には鉄建公団であるけれども、最終的にはあなたの責任なんだから、こういうことは、まあ五十一年末の開通もけっこうでしょうけれども、しかし、それを急ぐあまりこういうもろもろに起こってくる問題を放置して工事を先に続けますと、これは私はさらにまた禍根を残すと思う。  それで、むしろ工事を委託させた鉄建公団に対して、こういう場合には一時工事を中止して、相手方から工事中止の仮処分申請を受けて裁判所に持ち込む前にちゃんと姿勢を正して中止をして、中止した中で話をしますと話もスムーズに進む場合が多いんです。ところが一方ではどんどんどんどん工事をしておいて、盛んにやっておいて、そして話がもとへとなりますと、これはますますどうもならぬ。そこで私は、今後のために国鉄総裁としてひとつ鉄建公団に対して、あまり無理をしないで、この辺でひとつ工事を一ぺん中止して話し合いをして、話し合いを終わった時点でスピードアップの工事をするような御処置はできぬものかどうか、これをひとつ伺いたいと思う。
  68. 藤井松太郎

    説明員藤井松太郎君) 私は、いまどういういきさつになっておるかは実は詳しくは存じないのでございますが、ただいま池原理事のお話を伺いまして、そのトンネルを掘ることによって現実の井戸水がかれたとか、かんがい用水がかれたとかいうことに対しては、別個のポンプアップするとか、何とかの水源を持ってくるとかなんとかで各村とも手を打たれておるということでございますし、その将来の問題はどうかということになると、もし将来水道の水が枯渇するというようなことになれば、そいつを確認した上で水道料金の分担をいたしましょうということに相なり、それから先ほどの村の——これは渋川の話でございますけれども、奥のほうの村もやはりそういうような事態があれば、将来の被害に対して恒久的な手を打って、これはまあ建設公団が手を打ってくださると、かように考えるのでありますが、事の性質上それでももとのとおりにならぬということになれば、これは金銭でもって損害の補償をするというのがたてまえになっておるんでございまして、私は必ずしも工事を中止するとかなんとかいうことじゃなくして、やはり被害者である地元の方々と工事担当者とがよく——まあ先ほどおっしゃったことがどの程度行なわれているか、私は確認しませんけれども、そういう話し合いをしばしばやって御了解を得て仕事をやるということであって、いささかまあ相手と意見の相違があるから工事を押えちまえという御議論も一応の御議論でございますけれども、片や先のほうは、おまえらそんなのはその地元と話し合いすりゃ仕事やめなくたって仕事はできるはずである、仕事をやめるようなことによって将来の完成をおくらす気かというような御非難もあり得るというようなことでございますが、力づくで押すということは、これはとんでもないんだが、まあ御了解を得ながらひとつ仕事を進め、将来もその恒久的なものに対しては手を打っていただき、なおかつ十分打てないということであれば損害の補償をするというのが私は常道だと、かように考えております。     —————————————
  69. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) この際、委員異動について御報告をいたします。  渡辺一太郎君、松平勇雄君が委員辞任され、その補欠として桧垣徳太郎君、藤田正明君が選任されました。     —————————————
  70. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 総裁ね、それはあなたのおっしゃるとおりだけれども、そういっていないところに問題があるんですよね。いいですか、そういっていないところに……。こういうことになるのも、これがいきなりいったんじゃないんです。前々から問題がありまして、その問題がなかなか解決しないからこうなったので、いいですか、そうあなたのおっしゃるようにいくんなら、これはもう別に何でもないんですが、そこらにやっぱり何と申しますか、特に国というものをバックにしているいろんな公企業体などはそうなんですが、どうもこういう場所ではあなたのおっしゃったような答弁になるんだが、実際はそうでないことが多いんですよ、これは。そこに問題がやっぱり生ずるわけだ。  いま担当理事のお話を聞いているとやっぱり通り一ぺんのお話ですね。そんならそれでもういま解決していなくちゃならぬ、すでに。いまだ解決しない。これはあり得ますよ、仮処分申請が出ますよ。みっともないじゃないですか、総裁、こんなことをされたら。だから、これはないようにしてもらわなくちゃならぬ。たとえば渋川市の場合もちゃんとやっていらっしゃるんだから、前もって一億数千万も金を出して。まあ吉岡村や榛東村が金を要求しているかどうかは別として、このぐらいな誠意をお示しになったならこんな問題も起こらなかったはずだ。片一方は市だから、片一方は村だからという区別をなすったのかどうか知らぬけれども、片一方ではなかなかじょうずな手を打っておいて、片一方は手を抜いたために問題が起こっている。まあ吉岡村や榛東村の方が渋川にお出しになったお金のことを知っているかどうか私はいま承知しません。しかし、こういうことがまたわかったらおこりますよ、榛東村や吉岡村は。何だと、渋川には前もってやっておきながら、おれたちの村には出さぬどころかこういう被害を受けてもまだぐずぐずしている。こうなることは当然だと思うんです。これに対してお答えを願いたい。
  71. 池原武一郎

    参考人池原武一郎君) 私の説明が若干舌足らずだったとと思いますが、実は吉岡村、榛東村とも応急の処置はただいま私が御説明したとおりのことなんですけれども、将来の恒急対策についての案についていま交渉中でございまして、先生のおっしゃるとおり、交渉を全然してないからそういう話が出たということでは私はないと思います。現に、現地にまだ建設局の幹部が行っておりまして交渉の段階でございます。ただ地下水を使いますことは、関連の市町村がたくさんございますので、いろんな点について県の調整をお願いしたり、いろいろ関連の方々と御相談しなきゃいけませんので、そういう点についてまだ話がまとまってないのも事実でございますが、現に交渉は継続中でございます。
  72. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 ぼくはほうってあるとは言ってないんですよ。もちろん折衝していらっしゃる。していらっしゃるが、その折衝はなかなか地元の納得を得てないんでしょう。納得を得ないからここまできている。折衝してないとは私も言っておりませんよ。していらっしゃることは私知っている。しかし、やはりあなた方の誠意が地元に全然通じてないということなんです。その点、やっぱり通じさせ方が、たびたび指摘するけれども、渋川は手回しよく去年の段階でちゃんと手を打っていらっしゃる。ところが吉岡や榛東はそうじゃない。これはほかにも小野上も高山もいろいろあります。これは時間がありませんから私言いません。  したがって、なかなかこのままいってもきょうの結論はむずかしいと思いますが、まあ理事さんね、ひとつ早急に、これはやっぱり、ただ単に普通の場合と違うから、話をひとつ進めて、仮処分申請などが出ないようなひとつ処置をやってもらいたいと思う、納得させるだけの努力を。じゃないと、そのうちには実力で工事を阻止するというようなこともこれはないとは限らぬと思う。私どもも最終的に相談されると、これは実力でもひとつとめようじゃないかということにならざるを得ないと思う。あなた方にあんまり誠意がないと、これはやはりそういう結果も出てくると思う。あんまり地元民をなめられると、裁判所への仮処分申請が出る前に実力阻止もこれは起こり得ると私は心配している。それほど地元ではかなり激高している。  したがって、まだまだ問題は続きますから、今後たびたび当委員会におじゃまして指摘するようになると思うが、とりあえずきょうは、もっと誠意ある態度でこの問題に処してもらいたいと思う。これを要望し、あなたがひとつ鉄建公団を代表して、地元の人たちを必ず納得さして、要望に沿うだけの努力をするという決意があるならば、その決意を表明していただいて、終わりたいと思う。
  73. 池原武一郎

    参考人池原武一郎君) 先ほど来申し上げましたとおり、私どもも誠心誠意、吉岡村並びに榛東村当局と交渉している段階でございますので、新聞記事に一部報道されたような、全員協議会だとかというような事態の起こらないように、これからも誠心誠意交渉していくつもりでございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
  74. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保重光君 鉄監局長、いまお聞きのように、問題はあるわけだ。まあ総裁にも言っているけれども、あなたは直接の監督者でもあるから、こういうことは相当考えてもらわぬといかぬので、総裁もああいうことをおっしゃったが、直接責任者として、あなたのひとつ御意向を伺いたいと思います。
  75. 秋富公正

    政府委員秋富公正君) この上越新幹線につきましては、運輸省といたしましては鉄道建設公団に建設の指示をいたしておる次第でございます。で、ただいまの榛東村あるいは吉岡村の問題につきましても、私のほうも承知いたしておりますが、これはただいま鉄建公団の理事からるる御説明申し上げましたように、鋭意鉄建公団においていま現地でさらに地元と話し合いを進めておりますけれども、私たち運輸省といたしましても十分地元とさらに話し合いを進めて、円滑にこの工事が進捗していくように指導してまいりたいと考えております。
  76. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) 本件に対する本日の調査はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時二十七分散会      —————・—————