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1974-03-30 第72回国会 参議院 運輸委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年三月三十日(土曜日)    午前九時十一分開会     —————————————    委員異動  三月二十九日     辞任         補欠選任      中村 利次君     村尾 重雄君  三月三十日     辞任         補欠選任      渡辺一太郎君     高橋雄之助君      江藤  智君     竹内 藤男君      前田佳都男君     高橋 邦雄君      山崎 竜男君     中西 一郎君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         宮崎 正雄君     理 事                 黒住 忠行君                 菅野 儀作君                 杉山善太郎君     委 員                 岩本 政一君                 木村 睦男君                 高橋 邦雄君                 高橋雄之助君                 竹内 藤男君                 橘  直治君                 中西 一郎君                 松平 勇雄君                 瀬谷 英行君                 森中 守義君                 阿部 憲一君                 三木 忠雄君                 村尾 重雄君    国務大臣        運 輸 大 臣  徳永 正利君    政府委員        運輸省鉄道監督        局長       秋富 公正君    事務局側        常任委員会専門        員        池部 幸雄君    説明員        日本国有鉄道総        裁        藤井松太郎君        日本国有鉄道副        総裁       井上 邦之君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進  特別措置法の一部を改正する法律の一部を改正  する法律案内閣提出衆議院送付) ○運輸事情等に関する調査  (日本国有鉄道の運営に関する件)     —————————————
  2. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  中村利次君、山崎竜男君、渡辺一太郎君、江藤智君、前田佳都男君が委員辞任され、その補欠として村尾重雄君、中西一郎君、高橋雄之助君、竹内藤男君、高橋邦雄君がそれぞれ選任されました。     —————————————
  3. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  本案に対する質疑はすでに終局しております。  森中君から委員長手元修正案提出されております。  修正案内容は、お手元に配付のとおりでございます。  この際、本修正案議題といたします。  森中君から修正案趣旨説明願います。
  4. 森中守義

    森中守義君 私は、日本社会党公明党民社党及び第二院クラブの四会派を代表して、本案に対する四会派共同提案にかかる修正案趣旨について、御説明申し上げます。  修正案の案文は、お手元に配付してございますので、その朗読は省略させていただきます。  本修正案内容は、昨年第七十一回国会において成立いたしました「国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律」の第一条において国有鉄道運賃法の一部改正規定しておりますが、この第一条の規定を削除するとともに、これに伴い、附則第一項ただし書き及び附則第五項の規定を削ることとするものであります。  以下、その趣旨について簡単に申し上げます。  昨年、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部改正案審査にあたり、野党各派は、こぞって国鉄運賃値上げは、公共料金全体の引き上げを誘発し、諸物価高騰の起爆となり、高物価に苦しむ国民生活をさらに圧迫するものであると反対し、撤回を強く要望したのでありますが、政府及び与党は、今回の運賃改定国鉄財政再建のためやむを得ないもので、消費者物価に及ぼす影響は〇・四三%、家計に及ぼす影響は〇・二%といずれも軽微であるとして、国民の切実な願いをしりぞけて成立に至ったものであります。  しかるに今回、政府はその態度を急変し、物価対策一環として、国鉄運賃改定実施期日を単に六カ月間延期しようとする本案提出してまいったのでありますが、現下のいわゆる狂乱物価状況と、これによります国民の不安と政府不信の実情を考えますとき、今回の運賃値上げ半年延期は、まさに参議院選挙目当て人気取りのゼスチュアにすぎないものと断せざるを得ません。  国鉄運賃値上げが十月から実施されれば、消費者米価のほか、他の足どめを食っていた公共料金の一斉の値上げが行なわれ、現在の物価事情はより悪質な狂乱物価へ転化することは火を見るより明らかであり、今日の現状においては、政府としては単に半年間の運賃値上げ延期ではなく、少なくとも当分は運賃改正実施延期して、物価対策に対する政府の誠意を示すべきであり、根本的には、昨年成立した国有鉄道運賃法の一部改正による国鉄運賃改定を中止し、抜本的な物価対策及び国鉄再建対策確立を先行すべきものであります。  以上申し述べた理由により、本修正案提出したのでありますが、何とぞ各位の御賛成をお願い申し上げて、提案趣旨説明を終わるものであります。
  5. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) ただいまの森中提出修正案予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。徳永運輸大臣
  6. 徳永正利

    国務大臣徳永正利君) ただいま御提案修正案につきましては、政府といたしましては賛成いたしかねる次第でございます。
  7. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) 別に御発言もないようですから、これより原案並びに修正案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  8. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 私は、日本社会党を代表し、修正案賛成原案反対意見を表明するものであります。  反対の第一の理由は、今回の改正案提案経過を見ますと、運賃改定延期基本方針決定にあたって、運輸大臣及び国鉄総裁は全くつんぼさじきに置かれ、大蔵大臣政府の一部首脳によって全く政治的に決定されており、国鉄財政再建責任は、一体どこにあるのか疑わざるを得ないのであります。このことは、国鉄当事者能力を全く否定するものであると同時に、第七十一回国会審議経過から見れば、この提案経過は、国会軽視というよりも、無視したものと言わざるを得ません。それに最近は、田中総理により、運輸省国鉄を飛び越えて、きわめて不用意に国鉄民営論が打ち上げられ、国鉄経営責任体制をますます不明確なものとし、混乱を生じさせております。こういう状態で、国鉄財政再建はとうてい期し得ないということであります。  反対の第二の理由は、物価政策の見地からであります。  今回の提案は、物価政策一環として、運賃改定を半年延期することにしたと言われておりますが、今日の田中内閣物価政策では、半年後に物価が安定をするという見通しと確証は何らないのであります。一時、物価は鎮静するかのごとき情勢を呈しておったとしても、最近の石油製品引き上げ、特に電力料金の大幅な引き上げは回避できず、これらが物価情勢をさらに押し上げるということは明らかであり、電力料金の大幅な引き上げがまた私鉄をはじめ、他の交通機関にも波及していくということは、容易に想像されるのであります。このように、物価動向から見て、半年後に物価が安定するとは考えられず、この際は、むしろ公共料金全面凍結を実行すべきであり、国鉄運賃修正案どおり撤回すべきであることを強く主張するものであります。  反対の第三の理由は、現在の財政再建計画はすでに土台からくずれているということであります。再建計画目標は、昭和四十八年度を初年度として、昭和五十七年度には三千七百九十二億円の黒字を出すということになっておりますが、すでに再建計画が発足をした後、運賃改定実施は一年半おくれており、また最近の物価動向等から、経済社会基本計画の変更が余儀なくされており、その他各般状況から見れば、現行再建計画達成はきわめて困難であると言わざるを得ません。政府としても、この点については認めざるを得ないはずであります。したがって、この際、半年程度運賃改定延期するようなこそくな手段をとることなく、むしろ現行再建計画を全面的に再検討をすることとし、そのための法案提案すべきであります。  それには、まずもって、四会派共同提案による修正案を可決し、現状に即した、すなわち輸送需要に対応できる真の国鉄再建のプランを示すべきであります。  このことを強く要請し、修正案賛成し、原案反対討論といたします。
  9. 黒住忠行

    黒住忠行君 私は、自由民主党を代表しまして、本案に対する四会派共同提案にかかる修正案反対し、原案賛成意思を表明するものであります。  第七十一国会において成立した国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律により、国鉄財政再建対策一環として、国鉄運賃改定昭和四十九年三月三十一日から実施されることとなっています。しかしながら、現下のきわめてきびしい物価情勢下において、物価対策一環として原案提案されたものでありまして、応急かつやむを得ない措置であると考えます。  もとより国民の足である国鉄財政健全化は、その使命遂行のため、きわめて重要な課題でありますから、さき決定された国鉄財政再建十カ年計画目標を達成するよう、政府が万全の措置を講ずべきであることを強く要望するものであります。  以上申し述べました理由により、四会派共同提案にかかる修正案反対し、原案賛成討論を終わります。
  10. 三木忠雄

    三木忠雄君 私は、公明党を代表して、本法案に対し、修正案賛成原案反対する意思を表明するものであります。  反対の第一の理由は、国鉄財政再建に対する政府方針責任ある体制のもとに一貫して行なわれていないことであります。先国会では、国民の切実な願いを裏切り、強行採決をもって成立をはかったかと思えば、物価政策とはいえ、政府の一方的な都合により、このたびはわずか半年延期するというきわめて場当たり的な措置なのであります。しかも、その決定にあたっては、運輸大臣国鉄総裁を除く、政府首脳によって、その方針決定しており、これでは一体、国鉄再建責任はいずこにあるのかと疑わざるを得ないのであります。  本法案反対する第二の理由は、政府物価安定が半年後になされるという、確実な見通しもなく、わずかな期間凍結物価案定策がこと足れりとしていることであります。  高度経済成長政策の破綻によって、戦後未曾有の物価上昇インフレ異常事態を招来しているのであります。また電気、ガス料金非鉄金属大幅値上げも予想される中にあって、十月に国鉄運賃値上げされるならば、ほかの交通料金や諸物価の騰貴を誘発することは明白であり、ただでさえたいへんな国民生活をますます窮地におとしいれるのであります。このような国民を無視した政府態度を断じて許すことはできないのであります。  第三の理由は、現在の国鉄財政再建計画はすでに崩壊しているということであります。  現在の財政再建計画目標は、昭和四十八年度を初年度として諸般の政策を行なうことにより、昭和五十七年度には、三千七百九十二億円の黒字目標としていますが、最近の物価情勢運賃改正ズレ等各般状況からすれば、現行再建計画はすでに崩壊していると言わざるを得ないのであります。わずか運賃改正を半年延ばすというようなこそくな手段ではなしに、運賃改正そのもの撤回し、再建計画を抜本的に改正し、その審議国会に求めるのが筋であり、この点を強く主張し反対するものであります。  最後に、政府は、インフレ物価狂乱から国民生活を守るために、すみやかに本法案撤回要求して、私の反対討論を終わります。
  11. 村尾重雄

    村尾重雄君 私は、民社党を代表して、政府提案国鉄二法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に対し、反対し、森中提出共同修正案賛成いたします。  まず第一の反対理由は、国鉄運賃大幅値上げ物価全体に悪影響を及ぼし、なお一そう悪性インフレ拍車を加えるということであります。  物価安定が国民の切実な要求であるにかかわらず、依然として記録的な物価高騰が続き、悪性インフレが一段と激化しているのであります。しかも、さき石油製品値上げは、行政指導によって極力値上げ幅を抑制しようとするものであって、近い時期に再度の大幅値上げが必至と言わなければなりません。こうして、ことし秋には不況下物価高、いわゆるスタグフレーションという深刻な事態を懸念する声が強まってきております。目下の緊急課題は、悪性インフレを抑制することであり、そのためインフレが収束し、諸物価が安定するまでの間、公共料金凍結すべきであります。  私は、かかる観点に立ち、一段と悪性インフレ拍車を加え、国民生活不安を助長する国鉄運賃値上げは断じて容認できないのであります。  第二に反対する理由は、国鉄経営方針をめぐって政府内の見解が食い違っていることであります。  御承知のとおり、国鉄経営悪化根本的原因は、政府が一方では公共性を強調し、政治路線赤字路線をどんどん建設していながら、他方では独立採算性をたてにとり、思い切った財政負担を怠ってきたことにあります。こうした政府国鉄経営に関するあいまいな方針のもとで、現行再建計画がスタートしたのでありますから、再建計画は必ず破綻することになりましょう。加えて、田中総理は、国鉄民営論を打ち出し、政府内部でさえその真意に関し激しい論議が展開されているのであります。政府の明確な国鉄経営に関する方針なくして、何で国鉄再建がなし得るのでありましょう。政府は、明確な国鉄経営方針に基づいた再建計画確立すべきであります。私は、真の再建計画ないまま国民負担による運賃値上げに断固反対するものであります。  さらに、再建当事者たる国鉄当局姿勢についても、全く積極的な経営姿勢に欠けていることを指摘いたします。こうした当局姿勢が、職場規律を乱していることは周知の事実であります。これでは国鉄再建は不可能であると断ぜざるを得ないのであります。したがって私は、かかる国鉄当局惰性的経営姿勢が改善されないまま運賃値上げ実施することは容認できないのであります。  私は、以上の数点について、政府の反省を強く要求し、反対討論といたします。
  12. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  それでは、これより国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について採決に入ります。  まず、森中提出修正案を問題に供します。森中提出修正案賛成の方の挙手願います。   〔賛成者挙手
  13. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) 少数と認めます。よって、森中提出修正案は否決されました。  それでは次に、原案全部を問題に供します。本案賛成の方の挙手願います。   〔賛成者挙手
  14. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  16. 徳永正利

    国務大臣徳永正利君) ただいまは国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について、慎重御審議の結果、御可決をいただき、まことにありがとうございました。     —————————————
  17. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) 次に、運輸事情等に関する調査議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  18. 森中守義

    森中守義君 予定された時間よりだいぶ余裕が出てきましたので、ちょっと二、三問大事な点を伺いたいと思います。  先日の委員会で、基本方針がきのう閣議決定予定であります、こういう大臣のお話でしたが、経過はどうなりましたか。
  19. 徳永正利

    国務大臣徳永正利君) 基本計画は、御質問の過程で申し上げましたように、非常に抽象的なものにならざるを得なかったわけでございますが、昨日閣議決定を見たわけでございます。
  20. 森中守義

    森中守義君 きょう実は、この前の質疑経過からしまして、出し得るものであればその前にも見せてください、こういう意見を私は出しておいたんです。それはちょっとぐあいが悪いと。しかし決定が行なわれたならば、できるだけ早い機会にということでしたから、本来ならきょうこの委員会でこういう基本方針がきまったということが出されてよかったと思います。  それからこれを受けて、大臣国鉄総裁に通知する、そこで国鉄基本計画をつくるということになりましょうが、その時期はいつごろを予定しているんですか。
  21. 秋富公正

    政府委員秋富公正君) 昨日閣議決定いたしまして、午後この運輸委員会の各委員議員会館のほうにお届け申し上げたような次第でございます。  それから国鉄のほうには、昨日閣議終了後直ちに国鉄総裁に私からこの閣議決定をお伝えいたしました。国鉄といたしましては、すみやかに再建計画運輸省提出する手はずになっております。
  22. 森中守義

    森中守義君 大体想定する時期はいつごろか。
  23. 秋富公正

    政府委員秋富公正君) 本日国鉄から提出される予定でございます。
  24. 森中守義

    森中守義君 わかりました。  それで航空騒音防止法運賃法審議経過の中で幾つか問題を預けてあるわけですね。たとえば各交通機関ごと分担確立をすみやかに検討を加えて作業にかかろう、こういうことですね。それといま一つは、いわゆる再建計画がなるかならないかという、この議論の中から一通りはどうしても見直さざるを得ないだろうという問題が出てきたわけですがね。こういう中の一つであって、分担費の問題と、それから新幹線騒音公害に伴う用地の取得の問題、こういうものなどもできるだけこの会期中に、分担確立の問題は少し無理かもわかりませんね、あと新幹線騒音の買い取ろうとする面積、それに投入すべき予算、こういう程度は輪郭は出るんじゃないかと、こう私は思うんですが、会期中に出せますか。
  25. 徳永正利

    国務大臣徳永正利君) お説のように、分担確立は、これはもう経済社会基本計画とは並行してやらなければならぬ問題でございますし、その中から、むしろ並行というよりも、生まれてくるものでございますから、作業としても大作業になりますし、運輸省だけの作業でもいかぬわけで、経済企画庁が中心になって作業を進める中に織り込んでいくわけでございますから、いま御指摘がございましたように、なかなか早急にというわけにはいかぬと思います。でございますから、これも一日もゆるがせにできぬ問題でございます。明年度は、港湾にしましても、それから空港整備五カ年計画にしましても、初年度を踏み出そうとしているわけですから、その中に一応の、いま御指摘がございましたような、分担役割りといいますか、そういうものを織り込んでいかぬで、かってにてんでんばらばらにこういう計画を立てるわけにはいかぬと思うのでございます。でございますから、その辺は時間を、調整かけて、目安をつけて、来年度の予算概算要求までには一応の目安というものを立てなきゃならぬと、こう思っております。  それから新幹線公害用地をどのくらい買収するか、また戸数はどのくらいになるのか、また予算はどうするかということでございますが、これは国鉄にいま細目検討を指示しているところでございまして、国鉄では大体の要綱は出たようでございますけれども、もう会期あと二十九日間しかございませんし、鋭意努力はしてまいらなければならぬと思います。きょうも、名古屋の新幹線公害に対する訴訟も提起されるようでございます。一日もゆるがせにできない問題でございますが、総体的なそういう細目検討が全部四月二十九日までにでき上がるかどうかということは、ちょっとここでお約束しかねますけれども、事実そういうような背景を踏まえまして、これはもうなるたけ早くやらなきゃいかぬ仕事でございますから、できる限りの、ひとつふんばってもらいまして、努力してもらいまして、報告できる時期が参りましたら、なるたけ早く御報告申し上げたいと思いますが、いまここで時間を切るというだけのまだ段取りにいっておりませんから、その点をひとつ御了承いただきたいと思います。
  26. 森中守義

    森中守義君 なるほど大臣の言われるように、一つ作業の流れもありましょうから、それはそれで、そういう措置をとられることは了承せざるを得ませんが、いま一つ問題なのは、これからいろんな計画を策定しようという段取りですが、空港整備五カ年計画であれ何であれ、おおむね長期性を伴ったものは、五年、しからずんば十年、こういう一定の目標というものが在来の定着した期間になっているのですね。ところが、こういう下年あるいは再建計画のように十年というかなり長期的なものを持っておりますと、どうしても期間中にいろいろな変動が生じてくる。特に今日のように、経済事情の急変を背景にしておりますと、少し、期間設定というものも、五年か十年かというものを一ぺん検討し直す必要が私はあるんじゃないかというように思うんです。  いままで長期計画というものが、たとえば空港整備にしましても、第一次は、五年間継続しないですぐ変更してしまう、こういういままでのいきさつ等考えますと、五年がいいのか十年がいいのか、むしろ今日の趨勢からいくならば、三年とか二年とか、そういう短期のものでなければうまいぐあいにいかぬのじゃないか。そうすると、そのたびごと見直し議論が出てきたり、実態に合わないではないか、計画それ自体がずさんでなかったのではないかとか、いろいろ問題が派生し過ぎてきますし、はたしてその計画どおりにいったという実例があまりないですね。ですから、そういうことを考えると、期間設定については、いま少し検討の必要がありゃしませんか。これも、この際いきなりどうだと、こう聞いてみても、それに対応するだけの準備も大臣のほうにないでしょうから、少々無理なような気もしますが、概念としてはそういうような方向を今後とるべきではないか。長期過ぎてかえって混乱が生ずる、こういういままでの実績を私は危惧するがゆえに、この際、考え方としては、五年とか十年とかというものを持たないで、もっと短期にしたほうがいいというように思うんですが、考え方としてはどうなんです。
  27. 徳永正利

    国務大臣徳永正利君) いまのお説は、私は常識論としてよくわかります、理解できるんです。おそらくいままでの実績にかんがみて、そういうふうなほうがいいかどうかと、私もそういうことを実は考えることがあるんです。事実十年先ということになりますと、なかなかの大計画で、百年の大計というけれども、もう一年先の様子がわからぬような状況でございますから、いろいろな案を立てるのに、これはあくまでいわば努力目標みたいなような一つ路線を敷くという程度に考えるぐらいなら、もう少し何か事情に合った、まともな議論ができるような案をつくってみるのも一案じゃないかと実は私も思うんです。思いますが、まあひとつ、いま唐突な御意見でございますし、そういうことも私の頭の中にないわけではございません。ないわけではございませんが、いろんなそういう御意見もたたき台にさしてもらいまして、一年こっきりの計画というのは、これはまあちょっと事情によっては、あるいは出てくるかもわかりません。ことしなんかもそういう状況でございますから、ことしの予算そのものがですね。したがって、いろんな計画を持っておりましたけれども、その計画自体の初年度はいろんな問題をはらんでおるわけでございまして、十分いまの御意見は御意見として承って、たたき台にさして検討のひとつ資料にさしていただきたいと思います。
  28. 森中守義

    森中守義君 国鉄総裁、実際の再建計画の場合、実施に当たる国鉄としては、十年ということでいままで来ておりますが、国鉄自体としてはどう思われますか。
  29. 藤井松太郎

    説明員藤井松太郎君) お答えします。  非常にむずかしい問題でございますけれども、それを一年とか二年とかいうきわめて短期にいたしますと、その計画それ自身は具体性を帯びますけれども、まあ一年、二年で方向はないという言い方は許されませんけれども、将来一体どんな方向に行くのかという方向論的なところが薄れてくる。十年などというと、相当の長期にわたってこう進むべきだという方向は相当明確にされるけれども、具体性が薄れてくるというようなところで、先生御指摘のように、十年なんというものは、何ら具体性がないじゃないかという御議論も十分わかりますけれども、現実の仕事をいたすのでございますので、やっぱり長期的な見通しも片方に考えながら、現実の問題を処理していくという方向に私は行かざるを得ないんじゃないかと、かように考えます。
  30. 森中守義

    森中守義君 これは大臣ね、一年二年と私は言ったことない、大臣のほうが言われたこと。最低三年ぐらいどうなんだとこう言ったわけです。長期計画一つの構想である。ところが、いままでそういう構想の中に実施計画が全部包括されているところにかなり無理があったような気がするんですね。ですから、一つの基本構想と実施計画というのを分離するというのも一つの方法だと思います。長期計画は十年なら十年、五年なら五年、その中で実施計画はやや短縮したものという、こういうことなども、むしろ私どもが委員会等で絶えず問題にするのは、計画計画どおりいっているのかどうなのかというのが問題であるわけですから、だから十年ないしは五年にものさしを当てていままで来たところに、非常に聞くほうも答えるほうもやるほうも無理が来ているわけですね。実施計画と基本になる構想というものを一ぺん分けてお考えになる必要もあるんじゃないかというようにも思うのですよ。こういうことなども、ひとつ検討をしてもらいたいと思いますね。特にその国鉄の場合、十年間を一つ実施期間に置いて、何もかにも込みにした計画であれば非常に無理が来るんじゃないかというように思うのです。まあ、これはひとつ、これからまた委員会等でもしばしば問題にも提供しなきゃなりませんけれども、検討してもらいたいと思いますね。  それから委員長ね、予算を伴った法案が大体きょうこれで一区切りついたわけです。それで、せんだってですね、ちょっと私は一言委員長に注意を喚起したことがあります。きょう一区切りついたところで、少しく委員及び理事諸君に注文つけておきたいと思います。  せんだっても申し上げたように、三つの予算関係法案ですね、これはまあ昨年からの継続審議であったという無理からぬこともありますがね、しかし問題は衆議院と参議院の関係、まあこれについては各党とも非常に神経を使っている。神経を使うというよりも、このままじゃいかぬと、今度予算関係の日切れ法案というものが大体十一件でしたよ、みんなで。十一件の中で約三分の一運輸が持っていたわけですね。それでいままでの審議経過を考えてみますとね、はたしてこれで十分に審議日数が確保されたのかどうなのか、むろん改選期のことですから、委員の出席状態も必ずしも平常のようにはいってない。しかしこれはあまり実態としては、認識というものになりませんけれどもね、委員あるいは委員会の運営の中にはそういうことはあまり考慮すべきものじゃない。参議院としてどのくらい審議日数を確保すれば一つ法案審議が十二分に尽くされるかということに意を用いる必要があったと思うのですね。ところが、いままで衆議院のそういう問題の参議院とのかね合いについては、全然衆議院側においては配慮されていない。そのことに対して参議院側も特段な意見の表明をしたことがない。結果的に、送られてきたものを短い時間の中でこなしていく以外になかった。これでは参議院の権威を高めるどころか、委員会の品位を保てるどころか、どうにもならないような状態に来ている。こういうところに二院制の今日の問題が、基本的なものとしてどうしても考え直さざるを得ない。こういう経過をつくづく今度感じているわけですよ。  ですから、その三つの予算法案を扱いがよかった悪かったという批判は、これはいたしませんよ。そういうワクの中で消化しようという考え方それ自体が、少し私は適当でないと思う。よって委員長及び与党の理事諸君は、何をそういうことでやっておったのか、あてがわれたものをあてがわれたワクの中で消化していこうという、その発想が私どもとしては適当でない、こういうように思うのです。きょうの委員会等にしましてもね、本会議の緊急上程、これもしかし筋論からいけばね、私ども野党は反対法案ですよ。反対法案を緊急上程ということは、まあ本来としてはあまり考えられないようなことなんですね。それでも、その物価異常に対するこの法案を考えればやむを得ない措置であるというように考える。まあいまここでどういう措置をとったとか、委員長、与党の理事に問おうとは思いませんがね。何もやっていない。そういう意味では、運輸委員会は在来にないやり方をやったというような気がしてしようがない。  ですから、一つにはこういうことが毎国会あろうとは思いませんけれどもね、特殊な法案を特殊な事態の中でかかえようという場合には、もう少し与党の委員長、与党の理事諸君はその辺の配慮が必要ですよ。全然配慮がない。そういう意味では野党側としてはまことに遺憾であります。大いに反省をしてもらいたい。同時にまたこれから先は、今回取り扱ったようなやり方ということが、審議日数が確保されていなかったという点で、これを将来の一つの慣例として残されるということはまことに迷惑である。ですから、各党が持ち時間を十二分に活用しながら問題の解明ができるように、まあそういう方向をとっていかねばならぬし、こういう不測の事態に対応する場合にはよほど慎重に、よく衆議院側との連係等もとりながら、委員会の運営に当たってもらうように、委員長並びに与党の理事諸君に私は厳重に抗議と同時に注意を喚起しておきたい。これはひとつ約束してもらいたい。
  31. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) 委員長として森中君のただいまの発言についてお答えいたします。  ただいま審議日数の確保につきまして、これはもちろん当委員会だけでなしに、御承知のように、議長を中心とする各党の代表者が集まって、その線に向かって非常に努力されておるということは御承知のとおりだと思う。それから、本委員会といたしましても、議案が来ましてから皆さんの非常な御協力によりまして、送付された当日から審議を始めるというように、委員会に最善を尽くしたと思います。それから、委員会に対するこの扱いは与野党の理事でいろいろと御相談願いまして、その決定に基づいて運営するわけですから、この点はひとつ御了解をいただきたいと思います。ただ、今度の場合は日切れという特殊事情があったんですから、これはやむを得ないところの事情であったことをひとつ御了承いただきたいと思います。  それからいま一つは、衆議院と何にもやっていなかったんじゃないかという御指摘でございますが、少なくともわが党の理事はほとんど毎日のように衆議院の関係理事なり、あるいは国対と十分なる連絡をとった上で、一日も早く本院に法案を回してもらうように最善の努力を尽くしたいということだけは申し上げておきます。したがって、ただいまの御指摘の点は十分に尊重はいたしますけれども、事実と反する点につきましては必ずしも御意見のとおりというわけにはまいりませんから、その点を申し上げておきます。
  32. 森中守義

    森中守義君 事実に反するとはどういうことです。事実に反することは私は言っていないんだよ。要するにだね、委員会の運営それ自体がまずかったとは言っていない。衆議院からなぜ早くいま少し参議院の審議日数が確保できるような措置をとらなかったのかと、こう言っているわけだよ。まあそれをやったと、こう言うけれども、結果においては実現していないんだよ。それが問題なんだ。だから、結果的にあてがわれた日数であてがわれたことだけのことしかやっていないじゃないかということが問題になるんだ。それを何も事実に反するようなことを言った覚えもないしだな、そんな理解のないことを言ってませんよ。ただ問題は、衆議院と、三月の末日までにせにゃならぬ、しかも、三月の末日といってみても、たとえば騒音防止法の場合には……
  33. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) その問題ね、あとでまた理事会でよく話しましょうや。
  34. 森中守義

    森中守義君 いや、理事会で話してもらっていいけれどもね、事実に反すると言われるから、事実に反することは私は言っていない。
  35. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) いや、何もしていないということは事実に反しておる。最善を尽くしておるんだから、こっちは。
  36. 森中守義

    森中守義君 それじゃあね、これはひとつ院全体の問題でもあるし、もう少し解明をする必要もありますから、きょうはこの程度でしておきますが、とにかく委員会の日数が確保されなかった、この事実は変わりない。したがって、これからこういう運営については非常に遺憾であるということを表明して、終わります。
  37. 宮崎正雄

    委員長宮崎正雄君) 本件に対する本日の質疑はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前九時五十六分散会      —————・—————