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和田(耕)
分科員 大臣、ここでひとつ率直に今後の外務省の機構の改革という問題を考える場合に、たとえば
日本で
石油があれば
石油を
外交に使うということもあるのですけれども、そういうふうなものが一つもない場合は、やはり非常に周到な情報収集の活動というものをもって
日本の平和
外交というものを推進していく以外に方法がないわけです。ところが率直にいって、これは戦後の事態からいうてやむを得ない事態だと思うのですけれども、
日本の外務省や
政府がその情報に基づいてやっている政治、あるいは安全保障
関係の情報は、ほとんど九九%までアメリカの情報に依存せざるを得ない。アメリカは確かな情報を持っておるわけですね。しかし、アメリカの情報によって行動して八〇%は間違いなく
日本の国益――アメリカと
協力しているわけですから、間違いなくいくとしても、今度のような
石油の問題とかあるいは二、三年前の繊維の問題とかいうことになると、アメリカの国益と
日本の国益とが突き当たってくる。こういう場合に、
日本が独自の情報収集能力を最低限度でも持たないと、この数カ月のように、数カ月のうちに百億ドルも損してしまうというようなことになってしまう。そこのところが私は問題だと思うのです。
つまり、政治あるいは
外交、安全保障等の情報をアメリカにほとんど依存していると私は見ておるわけですけれども、経済的な情報は、世界をまたにしている大企業の、大商社の情報に依存をしている。
石油であれば、
石油業界あるいは
メジャーの情報に依存している。これは事実じゃないですか。そういう状態を脱却しないと、ただ国際物価が上がるのだから
日本の国内の物価に影響して上がってもしようがないのだというふうに見ておると、いま問題にしておるような例の
石油製品の値上げの問題に対しての
メジャーの圧力があるとかないとかということに、いつまでたってもほんろうされることになる。また、この数年来、たとえば木材の問題であれば、カナダあるいはアメリカの市場で、
日本の大商社が現地の市場で価格をつり上げるという要素がある。あるいは豪州の羊毛の場合に、豪州の羊毛を買いつけるところに
日本の商社が出張って、現地の価格をつり上げているという要素がある。
そういうふうで、
日本のおもに買う原料の国際価格が上がったからしようがないわということでは済まされない。もう少し
日本の
外交機関がもっと目を光らせておれば、豪州における羊毛の値上がりというものの
実態はどういうことなのか、
日本の商社がどういう働きをしているのか、あるいは
日本の木材業者がどういう働きをしているのか、過当な競争がありはしないか、あるいは思惑でつり上げておりはしないか、そういうことを
政府が知っておればそれらしい対策が打てるわけです、あなたまかせじゃないのですから。実際の
内容を見てみれば、
日本の大きな商社が片棒をかついで現地の相場を上げているという要素もあるわけですから、そういう事例は時間がありませんからあげませんけれども、そういうふうな場合に、
日本の
政府として、特に外務省だけじゃないと私は思う、通産省も農林省も
関係あると思いますけれども、何といっても外務省がそういうふうなことについての的確な情報を知る必要があるのじゃないか。そうでなければ
日本の大事な国益というものは守られない。先ほど言ったように、大商社の情報を信じておれば八〇%くらいはうまくいくかもしれません、経済は商社にまかしているような面がありますから。しかし、こういうふうな大事なときには
日本の国益を損することになってくる、そういうことじゃないかと思うのです。小さい問題は別として、大体の判断として私の見当が間違っておれば
指摘していただきたい。