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松元政府委員 御質問がいろいろ論点を含んでおりますから、答弁を整理して申し上げますと、まず
基本的には、四十九年度のミカンの需給問題、これは御
指摘のように、ミカンの生産量は、四十七年、いわゆる異常な大豊作で異常な量になった、したがいまして、需要が必ずしも即応しなかったので、価格も低落しまして非常に問題があったという四十七年の経験がございますし、さらに四十八年も、いわゆる裏年ではございますが、生産量は予想以上に多かった、こういうことでございまして、したがいまして、これは
基本的には、両年とも気象条件に恵まれまして二年連続豊作になったというわけでございますが、しかし、
基本的には植栽面積がふえておりますし、さらにその中の成園面積がふえておりますから、ミカンの生産量は増大するということは間違いないわけでございまして、四十九年産は、したがって、作柄いかんにもよりますが、これは表年でございますから、かなりの生産増加が予想されるわけでございます。
したがいまして、四十九年産ミカンの需給
対策、これを十分にいたしませんと、またまた四十七年の問題を繰り返してはならぬということで、過去の経験にも徴しまして、生産、流通、加工、各般の面にわたって施策の充実をはかっておるわけでございますが、その要点を申し上げますと、まず、生産面でございますが、これは先ほどいわゆる表、裏ということもございましたが、結局、要は隔年結果を防止いたしまして、需要に見合った安定した生産を推進するということが
基本でございまして、年によって表、裏で生産量ががらっと違うということはいかぬわけでございますから、そういった隔年結果を防止するということで、そのためには、薬剤、摘果等を中心といたしまして、適正な摘果の推進指導を行なう必要があろう。特に四十九年は、このままでまいりますと、天候にもよりますが、非常な生産増が予想されますから、的確に適正な摘果の推進指導をしなければならぬ。そのために推進協議会でございますとか、あるいは摘果の現地展示圃でございますとか、そういうことを行ないまするウンシュウミカン生産安定事業というのを四十九年度
予算に、いま御審議願っております
予算に新たに要求をいたしているわけでございまして、こういうものを運用いたしまして、摘果の適正な実施を期してまいりたい。それからまた、最近、隔年結果が著しくございますが、その原因といたしまして、密植栽培園の間伐のおくれも、
一つの原因ではなかろうかと思われますので、
計画的な間伐の推進についても指導してまいりたい。さらにまた、ミカンが大量生産になりますから、そのためには、
基本的には需要の拡大が必要でございます。したがって、そのためには、ミカンの品質の向上が重要でございますので、不良系統から優良系統への更新をはかることが必要でございまして、そのため、主産地にミカンの共同育苗圃を設置する、そういった事業も新たに実施することで
予算要求をいたしております。
こういうふうに、生産面におきましては、摘果を中心といたしまする生産安定事業、それからまた優良品種への切りかえということで、共同育苗圃というようなことを、従来の
予算に加えましてやっている次第でございます。
それから第二でございますが、いまのは生産面でございますが、次に流通面といたしまして、今度は、ものができましたら、需要の動向に即応いたしまして、
計画的出荷を進める必要があるわけでございます。そのため、従来からも県、生産者団体、市場
関係者等、これを招集いたしまして、時期別、市場別の出荷調整の協議を行なってきたわけでございますが、四十九年度からは、さらに年明け、特に三月以降の出荷割合をふやす必要があろう。全体をならしまして、長期にミカンを消費していただくということで、消費期間を拡大するためのウンシュウミカン長期貯蔵施設を新しく設置する、そうして
計画出荷の一そうの推進をはかる、こういうことも考えているわけでございます。
さらにまた、加工におきましては、加工仕向け量が非常にふえる。これは四十七年もそうでございますし、四十八年もそうだったわけでございますが、さらに四十九年は、生産の増加に対応したりして、加工仕向け量を大幅にふやさなければならぬ、それによって需要に対応していくという必要がございますから、従来もジュース
工場に対しまして、民間で自力でやっているもののほかに、国の助成によりまして
工場を建設してまいったわけでございますが、これをさらに大幅に増加するというので、従来までの助成
工場の実績は七
工場でございますが、それを
予算上、さらに十
工場ふやしたい。さらに実行上の措置も含めまして、十三
工場程度はふやせるのじゃなかろうかと思いますが、そういうふうに大幅にふやす、そのために
予算も非常に拡充いたしておりますが、そういうことで加工
工場をふやして需要に対応していく。それからまた、同時にジュースの一そうの消費拡大をはかるために、これは四十八年度も一カ所設置いたしたわけでございますが、引き続きまして、大消費地に冷蔵果汁の製造、配送を行なう施設もさらに増設をしてまいる。それからまた、こういった施設の設置のほかに、加工原料用の果実価格安定
対策を強化するために、果汁原料用果実の対象数量を大幅にふやすということも措置いたしておりまして、それからまた、中央加工原料用果実価格安定基金協会におきまして、従来から消費宣伝事業等をやっておりますが、それをさらに引き続いて実施していくというふうに考えておるわけでございまして、以上のように生産、流通、加工各方面にわたりまして、既存の
予算に加えまして、いろいろ新しい
予算も御要求申し上げているわけでございますが、これらを有効適切に活用し、かつ、従来の経験も踏まえ、特に本年度、これからの天候
状況も十分留意しながら、適時適切に対処してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
それからまた、もう
一つございました。
地域によりまして、特に輸送問題等ございますこれに御
指摘のとおりでございますが、いわば
基本的には、各
地域で立地条件があるわけでございます。確かに、市場から遠いところは運賃がかさむ点で不利な面もございますが、同時にまた、その他の面もございますし、それからまた品質問題、生産の合理化問題、それからまた、特に地元に、いまのような事情でございますと、果汁
工場がない場合にはよけい不利になるということもございますから、そういう果汁
工場の設置等もするということで、各般の面で生産体制、共同出荷体制を整備いたしまして、そういったハンディキャップを克服するようにいたすということで、全体としまして、所得の確保をはかるようにしていかなければならないのじゃなかろうかというふうに考えている次第でございます。