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沖本分科員 威勢よく
総裁お答えになっていただいたのですけれ
ども、前の磯崎
総裁の去年のお答えのときは、スラブ化については相当金がかかるので、地元のほうも応分のことがあればわれわれもやるんだ、色気出さないかという、こういう誘い水があったのです。
地域が発展することでありますから——私はかってにそういうことを言えるわけじゃありませんけれ
ども、やるということがわかり、そこから生まれてくる利益というものがわかってくれば、応分のことはいろいろ考えて、前に進んでいくための相談には乗ってくると思うのですね。ところが、いつやるか、何をやるか、どういう形でやっていくのか、どうなるのか、まだ一切わからないまま、そのうちやります、そのうちやりますというわけで、それで金は出せ出せといって出さして、少なくとも長い間十億に近い金を寝かしてしまってというのじゃ、地元としてもかんべんならぬということになってくると思うのですね。その辺のことをお考えになっていただくと、またここで問題が出てくるのは、
先ほど、いま地盛りの上に線路が敷いてあるのをスラブ化していくと、これは
大阪府の問題だ、だから地方自治体で金を出せ、こういう常
務理事のお話なんです。だけれど、地元がああ言っておるのは、これは当然高架化の問題だから、国鉄のほうで予算の獲得をしてもらわなければならぬ。この辺の話がまたはち合わせしてくることになるわけですけれ
どもね。その辺のことは、いや、おまえのところで考えろというふうに投げるのでなくて、これを解決するためにはどうしたらいいかという話し合いを十分続けていただく必要もありますし、青写真をつくっていただいて、その青写真に載せていただいて、それでこういうことになっていくんだという前向きの十分な話し合いが必要じゃないかと思うのです。
それから駅前の問題、立体交差の問題、いろいろ常
務理事のほうから問題点を指摘されましたけれ
ども、駅前の問題は、これは全国どこへ行っても問題になってくるわけです。国鉄のほうとしてはがんとして譲らぬというようなことがやはり前へ進まない
一つの問題になるわけですから、これが進むようになったきざしには、やはり立体交差の
関係から建設省との話し合いがついたから、国鉄も乗り気になってきてこれをやるような道がついたんだというのがこの前の御
説明なんです。私は毎年
質問していますから経過は一番よく知っているのです。そういうことなんですから、話が途中から変なところで変わってもらったら困ると私は思うわけですけれ
ども、そういう点を具体的に青写真を示していただいてやっていただかなければ、結局あれが
大阪の一番ドーナツの内側をとめてしまっていることになるのですよ。
人口が外へふくれ上がって、車がどうにもならないというような状態で、交通停滞の一番大きな問題になっているわけです。そういう点を考えていきますと、ただ単に国鉄の
事情だけというようなことだけにとどまらず、この点は運輸省のほうと十分御認識いただいて、鉄監
局長のほうも
大臣のほうもこの点もう少し前へ進むように、といって国鉄を信用しないということではないのですけれ
ども、何ぶん赤字財政というにしきの御旗を引っぱり出したりというようなことになってくると問題がおかしくなってくるようなことが多いものですから、その辺を私たちは危惧するわけです。
総裁は、大いにがんばるぞ、五年ぐらいでやろう、こういう目標をつくってくれたのです。五年ぐらいで完成しようと思うということですから、国鉄のほうが総武線をおやりになるときには、あらゆる問題を排除してつくったはずなんです。
大阪の人間が頭へきているのは、地価は二十何億だ、その二十何億の
大阪をストップしておいて、またずっと向こうの目標に向かって一生懸命掘っていって、それで総武線をつくって、エスカレーターまでつくってというふうにしておいて、
大阪はペンペン草はやした土手の上へ貨物線だけぽとぽと走らせて、自動車をみんなとめるのかというのが
大阪の人間の感情なんです。素朴な感情なんですよ。がまんならぬというのが感情なんです。そういうことを考えていただきますと、これはやはり軍配を上げたら
大阪のほうへ軍配が上がります。国鉄のほうが悪いということになります。ということは、何もかも国鉄でやってくれとこう言っているわけじゃないのですよ。われわれも手伝いますと言って、みんなが寄って十億からの金を出しているわけです。ことによれば考えないこともありませんということもちらちらしているわけなんです。そういう点があるわけですから、その点を十分考えていただきたい。非常にいま経済の悪化しているところでこういう御
質問をすることはどうかという面もあるわけですけれ
ども、これはもう
地域住民の生活、経済に一番大きな問題を投げかけますし、公害なり交通停滞なり、いろいろな面に影響を及ぼしているわけですから、一日も早く車がどんどん通れるような形にしなければならない。ただ、スラブ化にするために金がもうずいぶん上のせに二百億も三百億もかかってくる、その金の出しようがないんだ、こういうふうなことが国鉄のほうのおっしゃり方じゃないかと思うのですけれ
ども、国鉄たるものがあの見ばえの悪い土手をそのままほっておくのも国鉄の
やり方ですかということにもなるわけです。そういう点があるわけですから、一方的なエゴにとらわれないようにしてこの問題を十分前向きに進めていただかなければならない、こう考えます。あと五分ほどしか時間がありませんので、鉄監
局長なり
大臣なりの御決意なりについて、また主体者である
総裁の一言をお伺いして、終わりたいと思います。