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松村政府委員 東京と大阪を主にいたしましたいわゆる災害
対策、その中でも高潮
対策についての
概要を申し上げます。
東京及び大阪のいわゆるゼロメートル地帯の
河川は、過去幾たびか高潮による甚大な被害を受けてきておるわけです。
それで、東京地区につきましては、高潮
対策といたしまして、実は地区を三つに分けておりまして、
一つは江東地区の
河川、それから二が荒川以東の
河川、それから隅田川以西の
河川というふうに分けておりまして、この江東地区の
河川につきましては、まず高潮が内部
河川に進入するのを防止する防潮
水門を
計画しておりまして、この防潮
水門についてはもうすでに完成しております。
それから内部
河川の内水の排除をするポンプ施設等、それから築堤、護岸、こういうような
関係を現在
整備しつつある
状態でございます。
それから二番目として、荒川以東の
河川、この荒川の東の
河川については、中川、新中川、綾瀬川等の七
河川でございますが、これの外郭堤防である荒川、江戸川、こういうものの堤防をつくるわけでございますが、この外郭堤防はすでに完成しております。
それから高潮が内部
河川に進入するのを防止するために、防潮
水門をつくっておりますが、これもできております。ただ、防潮
水門の閉鎖時、内部の
水位が高くなるということに対して、内部の堤防の増強というものについていま工事をやっておるわけでございます。
それから第三番目として、隅田川以西の
河川、これは新河岸川、神田川等十一
河川でございますが、この地区は前の二地区に比べると比較的地盤が高いわけでございますが、これにつきましても、それぞれ
水田、それから護岸等、あるいは内水排除、こういうような施設をやっていこうということでございます。
これに対します全体の
事業費といたしましては、江東地区の内部
河川、それから荒川以東の
河川、これを両方合わせまして約七百五十億円、全体
計画額でございます。それから隅田川以西の
河川については三百七十億円でございまして、これがおのおの、前者につきましては約六五%、後者につきましては約一八%、四十八年度末で進捗をしております。
ただいまのは高潮
対策でございますが、次に、耐震
対策といたしまして、先ほどの地区でいきますと、江東地区
河川でございますが、この
河川を東と西に二つに分けまして、西の地区は比較的地盤の高いところでございます。東は低い。この低いところにつきましては、内部
河川の
水位を低めるようにいたします。それで地震時にも、たとえその堤防――特殊堤でございますが、こういうものに被害があっても被害を最小限度にしようというような
計画をしております。それから西地区につきましては、比較的高いので、内水を
低下するような方式をとりませんで、これは舟運の
関係もございますが、とりませんで、現在の堤防を増強していくというようなことにしております。
この耐震
対策の工事費が全体で約五百億円でございます。これは四十六年度着手で十カ年
計画でございまして、これが約八%ぐらいの進捗状況でございます。
それから、大阪地区につきましては、まず淀川以北の大阪市、これは神崎川、佐門殿川等五
河川でございますが、これは防潮堤は概成しております。
残っておりますのは、橋梁のかさ上げ工事、それから
排水機場、こういうものが残っておるわけでございまして、全体の
計画額が約二百三十億円、それで現在の進捗率が約六〇%でございます。
それから二番目が淀川以南の大阪市でございます。大阪市の中枢部というか中核部でございます。これは大川、堂島川、土佐堀川等の十三
河川でございますが、高潮を遮断するための防潮
水門をまずつくりますが、これは完成しております。
それから防潮堤そのものは概成している。あと、高さはできておるのですが、補強
関係が多少残っておりますが、概成しております。
それから
排水機場を現在施工中でございます。
それから残工事といたしましては、防潮堤の補強とか
排水機場、橋梁のかさ上げ等がございまして、全体
計画額は約七百億円でございますが、進捗率が約五〇%。
それから、最後に泉州地区でございますが、これは王子川、春木川等の十一
河川、これは比較的地盤が高いわけでございまして、全体の
計画額が五十億円、進捗率が約二〇%というような概況でございます。