○楢崎
分科員 これほどの重傷を負わして――重傷を負っていることは事実なんだ。それをしもなお、当然の行為である、公務の執行の妨害があった――全く私はけしからぬ態度だと思うのです。なぜこれほど機動隊がこのようなむちゃをやるのか。最近いわゆる住民運動に、学生運動ではなしに住民運動でも、機動隊のこの種の介入が非常に多くなった。これが私は特徴であると思うのですよ。じゃ一体なぜ、これほどまで気違いじみた暴行をしてまで、この高浜入り干拓事業を守らなければならないのか。時間がありませんから、私は
指摘だけしておきます。
農林省、来ておられるでしょう。この干拓計画、一番最初は
昭和二十八年七月ですね。まだ米がほしいころです。だんだん世の中が変わってきて、農政も変わってきた。いまや休耕させる、米づくりを減らすというような時代になってきた。今度はその目的を変えてきた。当初はその生産作物は米、大麦であったけれども、現在は蔬菜とかなま乳とか、酪農のことをいいだした。昔は二、三男対策のために干拓するんだといっておりながら、いまはそれは全然いわなくなった。そして昔は主食の農地造成をやるというのが目的だったけれども、いまは大規模
機械化農業というふうに、目的をわざわざ変えてきたのですね。そして何ですか、一方においては田中総理は三十万ヘクタールの農地転用を打ち出しておる。そして水稲の生産調整をしながら、この高浜入りでは千二百ヘクタールの干拓、食糧自給を高める、全くこれは政策の矛盾じゃないかと私は思うのですよ。しかもあの玉造という町では、たんぼが三十四ヘクタール、畑が千四十四ヘクタール遊んでいる、休耕地になって、そのままにされているんですよ。それには手をつけないで、何でその干拓を急ぐのです。そっちのほうへ手をつけるのが先でしょう。茨城県全域では約二万ヘクタールの休耕地、これは全国で九位です。そういう遊んでいる農地を活用しようとしないで、どうしてこんなに無理してまで新規に農地造成をする必要があるんですか。漁業権の問題も起こってもめておる。いまや、かつて昔の時代には賛成だった人も、今日の
事態において反対に回ってきておる人がどんどんふえておるのですね。玉造では半数以上がもう反対に回っておる。それからあなた方がいっておる酪農の問題だってそうでしょう。あなた方のプランによりますと、七・五ヘクタールの土地に五十一頭の乳牛を飼う。そのうちに搾乳牛は四十頭の計算でしょう。年間約二百トンなま乳をあげる。計画のときでは千二百万円の年収でしたけれども、乳価がキロ八十二円になっておりますから、千六百四十万円の粗収入があがることになっている。しかし一体六百万円と見込まれております経営費の内訳というのは全然不明ですね。そして飼料の点から考えると、これは
専門家の試算によれば、二百トンのなま乳を出そうと思うと年間に約三百トン強の飼料を購入しなければならない。この飼料代だけで二千百万円かかりますよ。別の統計ではなま乳一キロに対する飼料代が約十五円と見積もられております。だから二百トンの乳量をあげるためには三千万円の飼料代がかかる。だからもう七・五ヘクタールで搾乳牛四十頭では、どんなにけっぱってみても飼料代が出るのがせいぜいなんです。そのほかにあれでしょう、
機械化しなくちゃいけないから設備費が二千万円か三千万円かかる。そうすると金利だけで年二百万円近くかかってしまいます。これじゃやっていけるはずがないんですね。しかもそのほかに集合住宅の取得費あるいは農業
機械化設備資金、ふん尿処理施設分担金、車両購入費そんなことを加算していきますと、借りた金は返せませんよ。もう目に見えておる、入れてみたら。では一体何のためにこれをするのか。結局、入っていった人がやがてやれなくなって離農する、それを待っている。そしてこれを茨城県内部の内陸工業地帯の中心団地にする。わかりきっているんですよ、筋道は。つまり大企業にやがて占有させる、そういうねらいであることは、いままでのほかの土地の経験からもわかっているのです。つまり大企業と癒着した国家権力の意思がここに動いているのですよ。そこで私は
一つだけ最後に
調査を
お願いしておきたい、いいですか。
最近、玉造町で玉造漁業協同組合所属の各地区の漁民が、干拓に伴う漁業補償金の配分かどうもおかしいということで、組合長と理事に対して漁業補償の配分計画、個人別の支払い明細、基礎資料の説明を求める公開質問状が出されておる、御存じですか。この公開質問状はただいま言いましたように漁業補償の配分計画書、各人別支払い明細書さらに算出の基礎資料を来たる二十八日までに公開し、説明せよ――これは二月のことです、といっておるが、いまだにそれが返答がないという状態のようであります。この漁業組合では二カ年にわたって総会が一ぺんも開かれていない。補償金の配分計画も組合員の議決を経ていない。そればかりか年間を通じて九十日以上漁業に従事しない者まで、つまり漁業組合員の資格がない人まで補償金を受け取った事実があるようであります。そしてこのほかにも漁業補償金の約一〇%を県漁連、霞ケ浦漁連、単協で天引きをしておる。さらに実際に漁業をしていない役場の職員までが補償金を受け取っておる。こういった非常に疑問点がある。で、補償の点をちょっと明確にしておきたいのですけれども、まず漁協が漁業権放棄の決議をしていったですね、これにも問題があるのです。さっき言ったとおり漁協の組合員としての、年間九十日漁業に携わっておるという資格を持たぬ人まで入れて、無理やり決議をしているので、これはまた別個に異議が出ておりますね、つまり漁協総会決議無効確認訴訟が出ておる。このインチキな総会の決議によって総額十二億一千五百万円の漁業補償協定が締結されておる。これは四十五年二月十八日であります。そして四十五年四月三十日にその補償金の一部の七億三千九百万円が県の漁連に支払われております。ところが反対派が三十八人あったためにこれを一応凍結をした。そして四十六年六月二日になって、その補償金をいつまでも凍結するのは会計法上疑問があるということで、反対派の漁民の三十三人――現在では三十一人ですけれども、それの四千三百万円を分離して、総額十一億七千二百万円の協定書に変更して凍結を解除いたしておる。そして四十七年二月九日、県漁連は高浜入干拓漁業被害対策
委員会で補償金の組合別配分額を決定している。その先がいま言ったようないろんな疑問の配分になっておる。そこで、これは国の予算と関係するわけですから
予算委員会の主題です。したがってこの漁業補償の配分計画書、各人別支払い明細書、さらに算出の基礎資料、これを当
委員会に出していただきたい。あわせてこの配分状況を具体的にわかるような説明書を添えて当
委員会に資料として出していただきたい、よろしゅうございますか。