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寺前分科員 私は、特にこの刊行物目録を重視してもらわなければ、図書館へ行って、一体どういう本が出ているのだろうか、確実に納本されているのかどうかということを調べに行っても、調べようがないという実態に直面したわけです。たとえば、防衛庁お見えになっていますか。防衛庁の図書の状況なんです。この間私どもの党の松本議員が、防衛庁にあるところの支部図書館について、ぜひ見せていただきたいということをお願いしたわけです。そうしたら、どういう話になったのかよくわかりませんけれども、一週間たって連絡を入れたところが、
長官の決裁がなければ見てもらうわけにいかぬということでおくれているということが、秘書さんを通じて入ってきたわけです。何でそういうことになるんだろうか、
国会議員が気楽になぜ借りられないのだろうか、一体どうなっているんだろうか。第一点に、私はこれが疑問でかなわないのです。ですから、
国立国会図書館長に、支部図書館についても、当然のことながら、
国会議員に自由に見せるんでしょうねということをあえて第一問、聞きたいと思います。
次に、その防衛庁の出しているところの図書目録、この図書目録に基づいて、一体納本の状況はどうなっているのだろうかというのを、
国立国会図書館のほうに調べていただきました。私はここに、手元に持っています。これを見ると、たとえば「陸上自衛隊公報」というのが
昭和三十六年に納まっています。三十九年以後ずっと納まっています。ところが「航空自衛隊公報」というのが図書目録で四十七年、四十八年に出てくるのですが、それまではない。海上自衛隊の公報というのは図書目録に出てもこない。これは一体どういうことなんだろうか。あるところは公報がちゃんと載っているのに、あるところでは載ってもいない、載っているところでも、航空自衛隊は四十七年、四十八年納本されていない、こういう実情がこの調査結果を見ると出てくるわけです。特にこれは二枚の表で出ているのですが、防衛局第二課の「調査資料」というのは、図書目録に
昭和三十三年から三十七年まで載っているが、以後図書目録から姿が消えている。海上幕僚監部調査部の「調査月報」というのは、三十五年から三十七年まで図書目録に載っているが、以後消えてしまっている。陸上自衛隊幹部学校の「幹部学校記事」というのが三十四年から四十四年まで載っていて、四十一年に消えて、四十二年、四十三年に出て、
あと消えてしまう。「航空自衛隊幹部学校記事」というのが、同じく同じ学校から出ていますが、これが三十四年から四十三年までの図書目録に出ていて、消えてしまう。しかもこれらの本は一冊も
国会図書館に入っていない。あげたらきりがないのですよ。
あと二、三十ずらりと図書目録に載っている本が、一冊も納本されていない。図書目録に載っている本が
国会図書館の中に届けられないということについては、一体納本の義務という問題についてどのように考えているのか。
国会図書館長は、長期にわたって、図書目録に載っている過半数の防衛庁の図書が納本されていないことに対して、一体どのように責任を感じておられるのか、これを第二番目に聞きたいと思うのです。特に公報というものが、陸上は載っていて、航空は載っていて、海上は載っていないという事実。公報というものは納本の義務がないのかどうか。特にこの問題について、防衛庁の納本の義務問題について、図書館長としてどういうふうにお感じになっているのか、これを第二番目に聞き、公報の問題を聞きたいと思います。
引き続いて、警察庁です。警察庁は、ここでは今度は図書目録もないのですか。これはないようですね。どういうことになっているのだろうか。
昭和四十年版までは、警察庁図書館の所蔵状況は、同庁の図書総合目録によってわかるということが書いてありますね。これは四十四年以来、どうも警察庁の図書館では蔵書目録が出されていないようですよ。しかも、目録に載っていずして納本されているという状況が、ここではたくさん出てきますし、従来出ておることが明確になっている本が、半数以上全然出てきません。たとえば「警察広報」というのは三十七年でストップ、「保安局報」というのが三十六年でストップ、「犯罪統計月報」というのが三十九年でストップ、それから「警察通信」というのが三十五年だけ、「教養時報」、警務局教養課のが三十七年以後なし、警務局教養課の「教養旬報」というのが三十八年以後なし、「図書目録」は四十四年以後なし、「刑事部報」というのが三十二年で終わり、「防犯資料」というのも三十二年で終わり。これは一体、警察庁というのは
国会にちゃんとそういうものを出すというのがないのかどうか、これは私はどうもふしぎでならない。
だから、ここで第三番目に、
関係の官房長から、この納本の義務問題はどう考えているのか。特に警察庁にはそれに加えて、この間
国会で問題になりました海上自衛隊の訓育参考資料目録の中に、警察庁がつくったところの「共産主義運動と警察の
立場」という本が、使命の自覚ということで、資料として全部隊に、
関係のところに配られているけれども、警察庁が防衛庁のほうに渡しているものが、
国会図書館に納本されていないということに対して、一体どういうことになっているのか、あわせて報告を願いたい。