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田中内閣総理大臣 いま、
国会の御
審議の過程において、いろいろ新しい知識を得たということは、前にも申し上げたとおりでございます。これは海外支店とか、いろんなものはまた別でございますが、そうじゃなく、
通達をお読みになられたときに、私も驚いたんです、千載一遇であるというような。これは、とにかくちょっと私も驚いたわけでございまして、こういうようなものに対して
行政が、やはり皆さんから御指摘を受けるまで、いかに機構が膨大になっておるにしても、そういう問題が、やっぱり御指摘を受けるまで
行政部内でもって把握できなかったというようなものに対しては、これは、これからほんとうに、もっと広範な、新しい視野と
立場と角度から
行政を執行していかなければいかぬなということをしみじみと考え、また決意を新たにいたしたわけでございます。
それから、その他のいろいろな機関を通じての問題これは
違法性があれば、
行政機関の中で、その衝をあずかる
行政機構がございますから、そういう機構で当然処理が行なわれ、税に対して脱漏があれば、それを捕捉するにやぶさかではありませんし、また、
政府が及ばないところであっても、
独禁法の問題に対しては
公取が権限を
発動することになりますし、いろいろなものに対して、倉庫法とかそれから通関の問題とか制度の問題とかいう問題に対しては、いろいろな勉強をさしていただきましたので、これは新しい
事態に対応できるような
行政の対応策ということは十分とらなければいかぬ、こう考えたわけでございます。
それから第二の問題で、商社だけではなく、基幹産業がいろいろな何んでもやっておるということは、これは私たちも知らないわけじゃないんです。このごろはもう宿屋もやっているし、花屋もやっているし、散髪屋からどこまでもやっていて、中小
企業の圧迫になっているという陳情も受けているわけですから、そういうものが、今度の
集中審議の結果相当程度明らかになった。これは結局、株式か自己資本に対して無制限に、担保力があれば貸し出しができるというような、金融の節度というものを、これは一律、画一的な締め方よりも、やはり
企業別の節度というものが必要なのではないかという問題に対して考えております。
それから、いかに引き締めても時価発行をやる、転換社債をやる、いろんな問題がございますから、これに対する問題も、やはり理論だけではいかぬ、これは実情に合わしたものを考えなければならないというようなことを、
政府部内としては勉強もすると同時に、銀行
局長通達も行ない、銀行局もそれに対して検査をやるというぐらいな真ちに反応を示しておるわけでありますから、これらの問題に対しては
政府は非常に努力をしておる、
国会の御
審議に対して直ちに反応しておるということを、ひとつ御理解いただきたい、こう思います。
それから
証人の問題は、先ほどから述べましたように、これはよくひとつ
国会で御
審議いただきたいのです。これは、ただ私もさっきずっと、
国会におけるあれですからよく調べましたら、確かに
行政監察委員会廃止後、衆議院の
決算委員会等で例がございます。ございますが、そのときに、この
法律というのは、ちょうどいまと同じような議論が何回も行なわれた結果、
国政調査権の
発動としては、慎重でなければならないという
結論になったことは事実なんです。それはなぜかというと、多数党がこれを使った場合に一体どうなるのか。これは直ちにそういう例が出てきて、必ずそれはおかしくなって、も
うそれなら
自民党は多数なんだからとにかくこれをやりましょう、やった結果、判断は
国民に総選挙でもって訴えればいいじゃないですかという、それは暴論だというような何回も何回も
事態を経由をして今日まで来ておるわけでありまして、
国会は
国民を処罰をするところではないと思うのです。処罰をするのは、
法律に基づいて
行政府が行なうことになっているわけですから、真実を追求しながら
国政調査を遺憾なく行なうというところに
国政調査の大目的があるわけでございますので、そこらは、
行政府の長である私のあれよりも、これはひとつ
国会で、議会制民主主義をいかにして守るべきか、その中にこの
法律はどのように慎重に配慮すべきかということを、十分お考えいただくということで御理解をいただきたい、こう存じます。