○楢崎
委員 そういう点からも、公取としては陣容を強化してもらわないとならない。業界がみずから言っておるのですから。だれあろう業界が言っておるのです。これは私は
調査する必要があると思うんですよね。
そこで、時間が限られておりますから、私は、この砂糖産業がどのように商社から
会社ぐるみ、メーカーぐるみ買い占められておるか、砂糖産業に対する大手商社の支配の実態を、以下明らかにしてみたいと思うのです。
ということは、公取
委員会は、一月二十一日に大手商社に対する警告を発せられました。「総合商社に関する
調査報告」であります。その中でどう警告されておるかというと、「取引先企業の系列化を推進し、原材料輸入から製品
販売に至るまでの過程を垂直的に組織化し、関連事業者を結集して、資源開発等の巨大プロジェクトの推進母体となり、」「流通市場の寡占化、取引先企業等の系列強化およびこれに伴う各種物資の
価格形成への影響力の著しい増大等、公正かつ自由な競争秩序の維持の観点から、種々の批判を生んでいるところである。」このように
指摘されておるのですね。そうして商社につきましては、「このような巨額の商社金融は、六社がその業容を拡大し、取引先企業の系列化を推進する原動力となっている」「いわゆる問屋金融の枠を越えた融資的なものがかなり含まれているのではないかと推量」し、大手商社の株式所有についても、「取引拡大や、系列化促進のための手段として行なわれている」と公取は見ております。またさらに、「必要に応じて役員を派遣して相手方の経営に参加する等により、系列化を強める態勢をとっている。」このように
指摘をされております。そして、結論として、「今後も企業の系列化を一層進め、あるいはその属する企業集団に占める地位を高める場合には、競争政策上好ましくない行為が顕在化するおそれがあり、」「ややもすれば、相手方を不当に拘束し、又は、不利益を強制するなど、不公正な取引方法を用いるおそれがある。」こういうふうにずっと警告されておるわけですね。
それで私は、いま、その商社と砂糖産業の関係、これを明らかにして、公取が
指摘されておるそれに全くすっぽり当てはまる姿を浮き彫りにしてみたいと思うのです。
先ほ
ども全日工の会長がちょっとおっしゃっておったとおり、自由化以前は、商社は原糖を橋渡しするだけであった。問題は自由化後ですよ。そこで砂糖産業は非常に過当競争になってきた。そしてだんだん設備投資をやる、それが
生産過剰になる、採算割れする、そして経営が赤字と、こういう
状態になっていくわけでありますけれ
ども、そこで私は、いまから示す
資料の別添
資料の部のところを、ひとつ特に公取
委員長と農林
大臣に見ていただきたいのでありますけれ
ども、精糖メーカーにどれだけ商社が食い込んでおるか、支配をしておるか、別添
資料のところです。ここに私は商社の有価証券
報告書をもとにして仕分けをしてみました。若干私の計算が違っておる面もあるかもしれませんが、大体間違いないと思います。ここで大手商社が砂糖産業に対してどれだけの株を持ち、どれだけ金を貸し
——原糖の買い付けなどはほとんど全部商社が金を出しておる。この姿をはっきりここに
数字的に出しておるわけですね。これが具体的な事実であります。
そこで、私はもう一つ公取
委員長にお
伺いしてみたいのですけれ
ども、需給協議会がガイドポストをつくりますね。その
生産数量を一応きめて、もしそのガイドポストに従って各メーカーが具体的に
生産削減の実行行為に入ったときにはどうなりますか。これは私は、あの四十七年の警告書で見る限りは、独禁法違反の疑いが出てくると思いますが、どうでしょうか。