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八木(一)
委員 国会に対する大きな侮辱ですよ。衆議院のときには三千五百円でした。このことは不満だけれ
ども、三千五百円で通った。ところが、参議院の修正で四千円になった、そのことは、衆議院のほうでも
確認をしておるわけです。
国会の意思は四千円です。これは衆議院に対しても参議院に対しても、侮辱です、そういうことは。四千円です。四千円のものがバランスがくずれた、それだけ後退をした。谷間の老人の問題について、本気にやる気がなくて、
予算がしんどいということを理由にだんだん少なくしていこう、そういう非常なけしからぬ
姿勢がそこで明らかになったわけであります。
厚生大臣として、六千円にすべきであったけれ
ども、一生懸命やったけれ
ども大蔵省が聞いてくれなくて、閣議でも通らなくて残念でした、何とかしたいと思いますと言うんなら話はわかります。そうではないというところに、谷間の老人なんかどうなってもいいというような根底の思想があるということが、明らかになったわけでございます。重大な反省をしていただきたいと思います。
ところで、時間がなくなりましたが、
委員長、ちょっと中断した時間は加えてください。
急速に申し上げますけれ
ども、今度
厚生省のほうの出しておられる特別児童扶養手当について、二重障害のある人に三千円のプラスアルファをつけた、これはけっこうです。しかし、その金額は少ないわけです。それを種にして、二級障害の子供を持っておる家庭に対する特別児童扶養手当を出してこられなかった。障害福祉年金の金額にマッチをして、いつも特別児童扶養手当については、障害者に対してこれが出たら、障害児を持っておられる家庭にも同じだけの
対処をしなければならないというように連動しておるわけです。障害福祉年金に二級障害福祉年金の支給ができたならば、当然特別児童扶養手当に、二級障害児を持っている人たち、その親たちにそれが
対処をされなければならない。とんでもない怠慢であります。これは
大蔵大臣もよく理解をされて——
厚生省が
要求しなかったんだろうと思います。
厚生省、けしからぬではないかというふうに詰めていただいて、即刻実現のためにやっていただきたいと思うわけであります。
その金額は、二級障害福祉年金の障害児を対象とする金額のほうが、その二重障害の人の、これはいいことですが、プラスアルファよりもずっと金額が多いわけです。ちょっとアクセントをつけて、それはいいことですが、ちょっとの金額でいいかっこうをしようとする。量的に大きな
対処をしなければならないことはなまける、こういう態度があります。これは重大な反省をしていただかなければならないと思います。
ところで、この社会保障問題について、非常に皆さんの
対処が少ないと思います。それで、
総理大臣にも
大蔵大臣にも、ひとつ考え直して、社会保障の問題について
対処をしていただきたいと思うのですが、そこで、
日本国憲法の中で、具体的な
政策を規定しているものはどことどこに幾つあるか、
総理大臣御存じだったら御
答弁ください。——御存じなかったらけっこうです。法制
局長官——けっこうです。御存じはないわけですね。それでは
大蔵大臣は御存じでしょうか。——御存じではないですね。
厚生大臣は知っていますか。——まあ知らなきゃいいです。
それでは、私から申します。ここには、国民主権とか平和主義とか民主主義とか自由とか、大事なことが全部載っております。そこで、具体的な
政策が
憲法に載っているのは五つあります。それは
憲法第九条で、戦力を持たない、陸海空軍その他の戦力を持たない、これが
一つであります。それから
憲法第二十五条であります。「社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」二七五条第二項の規定であります。そしてその次に、
憲法第二十六条であったと思いますが、義務教育無償、その五つだけが具体的な
政策として
憲法に書いてあるわけであります。
そうなれば、
憲法はそれを一番大事にしているわけであります。いろいろな
政策の競合がありますけれ
ども、その
憲法に書いてあることは、まっ先にやらなければならない。ほかの
政策があるから、財源があるから、これはちょっと待ってくれとか、ちょっと延ばすとか、ちょっと減らすとか、そういうことをやられてはならない性格の問題であります。そのことについて、
総理大臣も
大蔵大臣も
厚生大臣も、すぐに御
答弁がありませんでした。ほかの
大臣も御存じないと思う。こういうところに——御存じないと思います。御存じであったら、いま言ったからいいですけれ
ども、いままで聞いて答えられたためしがない。法制
局長官がその次に言って、これも即時答えられないで、五、六分条文を見てから答えるということは、毎回の例であります。
そういうようなことであってはならない。
日本国憲法を大事にして、社会保障の
要求について
大蔵省が断われば、
大蔵大臣であっても主計
局長であっても、これは
憲法違反である。
政治家として、公務員として失格である。
総理大臣がまあまあこのくらいと言っても、
内閣総理大臣は、
総理大臣として、国
会議員として不適格である。そのような態度で社会保障を
推進していかなければならないわけであります。そのことを、あなた方は銘記をしていただきたい。そうなれば、四百億円がたいへんだから、そんなとんでもない発言が出るはずはありません。特に
厚生大臣は肝に銘じてこれを覚えて、四百億円がたいへんだ、そういうような発言は一切出ないような、そういう態度で終始をしてもらわなければならないと思います。
次に、ほかの問題に移ります。
ILO条約の問題について、百二号条約や百二十八号条約やその他の条約が批准をされておりません。批准そのものが大事ではなしに、それに対応する内容に、日本の社会保障がなるということが大切であります。
そこで、百二号条約というのは、非常に程度の低い条約であります。ところが、こんな程度の低い条約も、まあ形式的にいえば重要なものの
一つ、ほかのものを何か四つくらいあれば批准できることになっておりますけれ
ども、それを、各項目が合格をしていない水準にあるものがたくさんある。特にひどいのは児童手当、これは問題にならない水準である。批准を進めなければならないけれ
ども、批准を進める体制をつくっていかなければならないと思う。
経済的にこれだけ発展をしたといわれている日本の国で、南米の、まだ経済的に進んでいない国が批准をしているような条約を日本の国が批准ができない、そういう
状態は非常に怠慢であります。今後それを形式的に、落第点すれすれですべり込むというようなことではなしに、各項目について、少なくとも百点満点くらいとるような
状態をつくって批准を促進する。百二号条約だけではなしに、百三十八号条約なり百二十一号条約なりを促進をするということをやらなければならないと思います。労働省は百二十一号条約を批准する体制を整えて、近く批准をされる予定であるようであります。もう時間がありませんから、
答弁をいただきません。
労働省はやっておられるのに、
厚生省は全くその点で怠慢である。特に児童手当についてはとんでもない。百点満点にしては二点か三点しかない内容である。こんなことをやっておって、福祉国家なんていえる
状態ではありません。今後この問題を
解決しなければ、現
内閣としては福祉国家というようなことばを使う資格がないということを
確認をされて、それをやって福祉国家をつくりたいというふうに、いつも説明をするようにしてもらわなければならないと思う。
児童手当で第三子から支給する。三千円を四千円にする。物価からあたりまえの話であります。それが
改正のように宣伝されている。とんでもないことであります。日本のいまの若い人の家庭で、三人以上子供さんがある家庭はどれだけありますか。ごくわずかであります。たいてい一人か二人の子供、ほとんど大部分の家庭には関係のない児童手当であります。名前だけあって実体がない。もし三人子供さんがおありになっても、そのうちの一番上のお子さんが規定の年限を越えると、二番目のお子さんの分も支給が停止される。全くがんじがらめで、何も支給できないようにわざわざつくった
法律です。三千円を四千円にすることはやられておりますけれ
ども、少なくとも第一子から児童手当ができるように
推進をなさらなければならないと思います。時間がありませんから、この問題を強くおしかりを申し上げて、ほかの問題に移ります。
次に、
経済企画庁長官に伺います。
実は、本年度の
予算をつくるときに、最初十二月二十九日の資料か何かで、これは消費者物価の資料でございますが、ほかの資料も集められまして、閣議の了解事項をされて、一月二十一日ですか、閣議決定されたという
状態であります。そこで、一月の閣議決定のときには、石油の需給の状況なり、あるいは国際収支なり、卸売り物価なりについては調整をされたようでございますけれ
ども、消費者物価が非常に上がっているのに、その問題については調整をされていない
状態で、その経済見通しを使って、そして
予算案を編成されたという
状態であると思いますが、それについて伺っておきたいと思います。