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田中内閣総理大臣 さっきからも間々申し上げておりますとおり、憲法の定むるところによって自衛隊も存在するわけでございまして、憲法の精神を守っていかなければならないことは言うまでもありません。
それから教育に関しては、先ほどから
防衛庁長官からも述べておりますとおり、明確な教育に対する基本的な
考え方は、文書にしていま読み上げたとおりでございます。その他、教育の用に供せられておると思われるもの、また精神修養その他の参考書類として推薦を受けておるもの、また部隊でもって自由に購入し、備品としておるもの、
個人か所有しておるもの
——個人は何を読んでもいいと思うのです、これはね。ですから、推薦とか、それからいろいろな教材に準ずべきものとして扱われたものに対して、いろいろ
指摘し、
批判が存するものがあるということは、いま私も聞いておりましてわかります。わかりますが、それには二十年の
歴史があって、段階的に整理をしてまいっておりまして、一朝一夕にできるわけのものではないので、だんだんと、ほんとうに
国民に
信頼をされるような自衛隊をつくるべく整理はされておりますということを述べているわけですから、これからもすなおな
立場で、真に
国民から
信頼されるように自衛隊を教育し、訓練をし、その職務の遂行に対しては遺憾なきを期するようにしなければならない、こう考えております。
ただ、一つだけ申しますが、あなたは国
会議員の調査権ということで、何でも、各省にすべてのものを要求したら
——出せるものは出す、これはあたりまえです。出せるものは出します。出しますけれども、あなたの話を聞いていると、広範であって、二十年のものを全部出せ、これを各省にやられようものなら、各省の人員は倍にならなければできませんよ、実際。ですから、そこらはひとつちゃんと、国
会議員
活動であっても、三権の中にちゃんとした
制度があるわけでありますし、法律上のものもあるし、またマル秘文書もあるし、そういうものに対しては、私はやはり明確に文書でもって要求して、いままでの
歴史から何からずっとというようなことになるならば、ちゃんと議院の
制度のもとでもって要求してもらって、これにこたえなければ、提出をしないという場合には、
内閣は
国会においてその理由を疎明しなければならぬわけです。そうでしょう。(「現にやっているものだ」と呼ぶ者あり)やっているものであるからといって、行政の全部の書類を出せといって、出せるものじゃありません。そういうことは明確にしてもらわないと、責任論が起こってくるのです。あなたは、いまあるものを、四十五年から、三十何年からずっといま使っているものというふうな区別をされないで、過去、とにかく国
会議員が全部やって、それに行政府はこたえなければならない、その問題を絶えず
国会でもって指弾をされるということになったら、行政は麻痺してしまいますから、そこらは
国会でもって、
委員会の
制度として、ちゃんと法制に基づいて
内閣に要求するものと、それから党でもって要求されるものは要求されるものと、それで
個人が
質問資料、勉強資料として要求されるものと区分をされてやっていただかなければ、いまのように、ここで言われたものは、すべてを二十年にさかのぼって打ち出さなければならないということになったら、これはもう行政は麻痺してしまうわけです。ですから、そういうところもひとつ十分区分をされてお願いいたしたい、こう思います。