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1974-01-26 第72回国会 衆議院 予算委員会 第6号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十九年一月二十六日(土曜日) 午後一時四分
開議
出席委員
委員長
荒舩清十郎
君
理事
井原
岸高
君
理事
櫻内 義雄君
理事
澁谷
直藏君
理事
正
示啓次郎
君
理事
細田 吉藏君
理事
小林
進君
理事
田中
武夫
君
理事
辻原
弘市君
理事
林 百郎君
理事
山田 太郎君
上村千一郎
君
植木庚
子郎君
大野
市郎君 北澤 直吉君 倉成 正君 黒金 泰美君
笹山茂太郎
君
瀬戸山三男
君
田中
正巳君
灘尾
弘吉君 西村 直己君
根本龍太郎
君 野田 卯一君
藤井
勝志
君 前田 正男君
松浦周太郎
君 松岡 松平君 渡辺 栄一君 安宅 常彦君 赤松 勇君 多
賀谷真稔
君 中澤 茂一君
楢崎弥之助
君 八木 一男君 湯山 勇君
青柳
盛雄
君
田代
文久
君 岡本 富夫君
坂口
力君
安里積千代
君 小平 忠君
出席国務大臣
内閣総理大臣
田中
角榮
君 国 務 大 臣 (
環境庁長官
) 三木
武夫
君 法 務 大 臣 中村 梅吉君 外 務 大 臣 大平 正芳君 大 蔵 大 臣
福田
赳夫
君 文 部 大 臣 奧野
誠亮
君 厚 生 大 臣 齋藤
邦吉
君 農 林 大 臣 倉石 忠雄君
通商産業大臣
中曽根康弘
君 運 輸 大 臣 徳永 正利君 郵 政 大 臣 原田 憲君 労 働 大 臣 長谷川 峻君 建 設 大 臣 亀岡 高夫君 自 治 大 臣
国家公安委員会
委員長
北海道開発庁長
官 町村 金五君 国 務 大 臣 (
内閣官房長
官) 二階堂 進君 国 務 大 臣 (
総理府総務長
官) (
沖繩開発庁長
官)
小坂徳三郎
君 国 務 大 臣 (
行政管理庁長
官) 保利 茂君 国 務 大 臣 (
防衛庁長官
) 山中
貞則
君 国 務 大 臣 (
経済企画庁長
官) 内田 常雄君 国 務 大 臣 (
科学技術庁長
官) 森山 欽司君
出席政府委員
内閣法制局長官
吉國
一郎
君
経済企画庁調整
局長
青木 慎三君
大蔵省主計局長
橋口 收君
大蔵省主税局長
高木 文雄君
大蔵省理財局長
竹内 道雄君
委員外
の
出席者
予算委員会調査
室長 野路
武敏
君
—————————————
委員
の
異動
昭和
四十八年十二月十一日
辞任
補欠選任
足立 篤郎君
藤井
勝志
君
中川利三郎
君
不破
哲三
君
松本
善明
君
瀬長亀次郎
君 三谷 秀治君
津金
佑近君 同月十二日
辞任
補欠選任
安里積千代
君
神田
大作
君 同日
辞任
補欠選任
神田
大作
君
安里積千代
君 同月十七日
辞任
補欠選任
安里積千代
君
折小野良一
君 同日
辞任
補欠選任
折小野良一
君
安里積千代
君
昭和
四十九年一月十六日
辞任
補欠選任
瀬長亀次郎
君
谷口善太郎
君
津金
佑近君
松本
善明
君
中島
武敏
君 林 百郎君 同月二十六日
辞任
補欠選任
谷口善太郎
君
青柳
盛雄
君
不破
哲三
君
田代
文久
君 矢野
絢也君
坂口
力君 同日
辞任
補欠選任
青柳
盛雄
君
谷口善太郎
君
田代
文久
君
不破
哲三
君 同日
理事大野明
君及び
阪上安太郎
君
昭和
四十八年十 二月十日
委員辞任
につき、その
補欠
として
澁谷
直藏君及び
田中武夫
君が
理事
に当選した。 同日
理事中島武敏
君一月十六日
委員辞任
につき、そ の
補欠
として林百郎君が
理事
に当選した。 同日
理事辻原弘
市君同日
理事辞任
につき、その
補欠
として
小林進
君が
理事
に当選した。
—————————————
一月二十一日
昭和
四十九年度
一般会計予算
昭和
四十九年度
特別会計予算
昭和
四十九年度
政府関係機関予算
は本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
理事
の
辞任
及び
補欠選任
公聴会開会承認要求
に関する件
昭和
四十九年度
一般会計予算
昭和
四十九年度
特別会計予算
昭和
四十九年度
政府関係機関予算
————◇—————
荒舩清十郎
1
○
荒舩委員長
これより
会議
を開きます。 まず、
理事辞任
の件についておはかりいたします。
理事辻原弘
市君より
理事辞任
の申し出があります。これを許可するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
荒舩清十郎
2
○
荒舩委員長
御
異議
なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 引き続き、
理事
の
補欠選任
についておはかりいたします。 ただいまの
理事辞任
並びに
委員
の
異動
に伴い、現在、
理事
が四名欠員となっておりますので、その
補欠選任
を行ないたいと存じますが、これは先例によりまして、
委員長
において指名するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
荒舩清十郎
3
○
荒舩委員長
御
異議
なしと認めます。 それでは、
澁谷
直藏君
小林
進君
田中
武夫
君 林 百郎君 を
理事
に指名いたします。 ————◇—————
荒舩清十郎
4
○
荒舩委員長
昭和
四十九年度
一般会計予算
、
昭和
四十九年度
特別会計予算
及び
昭和
四十九年度
政府関係機関予算
、以上三案を一括して議題とし、審査に入ります。
—————————————
昭和
四十九年度
一般会計予算
昭和
四十九年度
特別会計予算
昭和
四十九年度
政府関係機関予算
〔本号(その二)に掲載〕
—————————————
荒舩清十郎
5
○
荒舩委員長
まず、三案の趣旨について
政府
の
説明
を求めます。
大蔵大臣福田赳夫
君。
福田赳夫
6
○
福田国務大臣
昭和四十九年度予算の編成の
基本方針
及びその大要につきましては、先日、本会議において申し述べたところでありますが、
予算委員会
での御審議をお願いするにあたりまして、その概要を御説明申し上げます。 昭和四十九年難度予算の編成にあたりましては、内外の諸情勢に顧み、政府が率先して総需要の抑制につとめ、物価の
異常事態
を克服する決意を明らかにすることとし、このため、予算及び
財政投融資計画
を通じその規模を厳に抑制することといたしております。 すなわち、昭和四十九年度における
一般会計予算
の総額は十七兆九百九十四億円、
財政投融資計画
の規模は七兆九千二百三十四億円となっておりますが、その前年度当初
予算額
及び当初計画額に対する伸び率は、いずれも前年度におけるそれを大幅に下回っております。 また、以下に申し述べますとおり、
国民負担
の軽減、
適正化
を推進する見地から
所得税
について大幅な減税を実施する等、
税制全般
にわたり負担の
適正化
を推進することとするとともに、
国民福祉
の向上に直結する
施策等
については、特にその充実をはかることといたしております。 なお、現下の
経済情勢
に顧み、その推移に適切に対処するため、予算及び
財政投融資計画
の
弾力的運用
に配意することといたしております。 まず、
一般会計
を中心に、その概要を御説明申し上げます。
歳入予算
の内訳は、租税及び
印紙収入
十三兆七千六百二十億円、
税外収入
七千二百二十億円、公債金二兆一千六百億円及び前年度
剰余金受け入れ
四千五百五十四億円となっております。
歳入予算
のうち、租税及び
印紙収入
について申し上げます。 昭和四十九年度の
税制改正
におきましては、
所得税
について、特に
給与所得者
の
負担軽減
を中心とし、
給与所得控除
の
抜本的拡充
、
人的控除
の
引き上げ
及び税率の緩和を行なうことといたしております。その結果、夫婦子二人の
給与所得者
について見ますと、平年分において
課税最低限
は、現行百十五万円から百七十万円に
引き上げ
られますし、独身の
給与所得者
の
課税最低限
は四十五万円から七十七万円に
引き上げ
られるのであります。同時に、中堅以上の
所得者
についてもかなりの程度の軽減が行なわれ、全体としてバランスのとれた
所得税負担
の軽減がはかられることとなります。これにより、昭和四十九年度における
所得税
の
一般減税
の総額は一兆四千五百億円と空前の規模のものとなるのであります。 このほか、最近における
社会経済情勢
の変化に即応し、法人税、印紙税及び
自動車関係諸税
の税率の
引き上げ
をはかることとし、また、既存の
租税特別措置
の
整理合理化
を行なう一方、貯蓄の奨励、
勤労者財産形成
・
住宅対策
、
公害対策等
の諸施策を一そう推進するため所要の措置を講ずることといたしております。 以上の
税制改正
による増減収を調整した昭和四十九年度における減収額は、一兆二十億円となる見込みでありまして、これを
税制改正
前の
収入見込み額
十四兆七千六百四十億円から差し引いた十三兆七千六百二十億円を昭和四十九年度の租税及び
印紙収入予算額
といたしておるのであります。これは前年度当初
予算額
に対し、二兆六千八百三十四億円の増加と相なっております。 次に、公債について申し上げます。
一般会計
における
公債発行額
は、前年度当初
発行予定額
より千八百億円縮減し、二兆千六百億円となっておりますが、これにより
公債依存度
は、前年度当初予算の一六・四%から一二・六%に低下することになります。 なお、
財政投融資計画
における
政府保証債
につきましても、前年度当初
発行予定額
より五百億円縮減し、四千億円とすることといたしております。 次に、歳出のおもな経費につきまして、順次御説明申し上げます。
社会保障関係費
といたしましては、前年度当初予算に対し七千七百六十三億円、三六・七%増の二兆八千九百八億円を計上いたしております。 まず、最近における物価の動向に顧み、その影響を受けやすい老人、
心身障害者
、
生活保護世帯等
の生活の安定と福祉の向上をはかることとし、
福祉年金
につき、その
支給月額
を
老齢福祉年金
において五千円から七千五百円に五〇%
引き上げ
る等大幅な改善を行なうとともに、新たに二級
障害福祉年金
を支給する等制度の充実をはかるほか、
厚生年金
及び
国民年金
における
物価スライド制
による
年金額
の
引き上げ
、
生活扶助基準
の
引き上げ等
を行なうことといたしております。 また、
社会福祉施設
の整備の促進をはかるとともに、
老人福祉対策
、
身体障害者対策
、
母子福祉対策等各般
にわたり、きめこまかい施策を一そう推進することといたしております。 文教及び
科学振興費
といたしましては、前年度当初予算に対し三千九百三十億円、二五%増の一兆九千六百三十三億円を計上いたしております。 文教につきましては、
教員給与
及び
教員定数
の改善、
私学助成
の強化、
医科大学
の
創設等
、
高等教育
の充実、
公立文教施設
の
整備等各般
の施策を講じております。
科学技術
の振興につきましては、原子力、宇宙、新
エネルギー技術等
の
研究開発
を推進するなど、時代の要請に即応した諸施策を講ずることといたしております。 以上のほか、
社会教育
、体育、
芸術文化
の
振興等
の施策につきましても、十分配意いたしております。 国債費につきましては、
一般会計
の負担に属する国債の償還及び利子の
支払い等
に要する財源を
国債整理基金特別会計
へ繰り入れるため、八千六百二十二億円を計上いたしております。
恩給関係費
につきましては、
恩給金額
を二三・八%
引き上げ
るとともに、
老齢者等
に対する優遇、
最低保障制度
の
改善等
の措置を講ずることとし、五千八百四十三億円を計上いたしております。 次に、
地方財政関係
について申し上げます。
地方財政
につきましては、国と同一の基調により、
公共投資
をはじめとし、歳出を極力抑制することといたしており、また、
地方交付税交付金
につき、昭和四十九年度の
特例措置
として、国税三税の三二%
相当額
から千六百八十億円を減額調整することといたしております。 これにより、
地方交付税交付金
として三兆三千八百二十三億円を計上いたしております。 なお、
補助事業
にかかる
超過負担
の解消、
地方債計画
における
政府資金比率
の
改善等
については、特に配意しておりますが、
地方公共団体
においても、
地方財政
の適切な運営を確保するため、財源の重点的かつ効率的な配分を行なうよう強く期待するものであります。
防衛関係費
につきましては、最近の
経済情勢等
を考慮して極力抑制することとし、自衛隊の
維持運営
、
基地周辺整備事業等
に必要な経費として総額一兆九百三十億円を計上いたしております。 総
需要抑制
のため、
公共事業
をはじめとする
公共投資
につきましては、きびしく抑制することとしており、これに伴い、既定の
長期計画
につきまして進度の調整をはかるほか、
長期計画
の改定は行なわないこととするとともに、巨額の経費を要する事業につきましては、極力これを繰り延べることにいたしました。 このような考え方に基づき、
公共事業関係費
につきましてはその規模の圧縮をはかることとし、前年度当初
予算額
を下回る二兆八千四百七億円を計上いたしておりますが、その中にありましても、
住宅対策
及び
生活環境施設整備
につきましては、特に配意いたしております。 すなわち、
住宅対策
につきましては、一戸
当たり規模
の
拡大等質的向上
につとめることとしており、また、
生活環境施設整備
につきましても、
下水道事業
について補助率の
引き上げ
を行なうほか、上下水道、
廃棄物処理施設
、
公園等
の整備を推進することといたしております。 また、治山、
治水等
の
国土保全事業
及び道路、港湾、
農業基盤等
の整備につきましても、予算の重点的、効率的な配分をはかっております。
公共投資
につきましては、以上のほか、
文教施設
、
社会福祉施設等
の整備の充実につとめております。 また、
日本国有鉄道
及び
日本電信電話公社
につきましても、
公共投資抑制
の
基本方針
に沿って、
工事規模
の抑制をはかりつつ、所要の
施設整備
を行なうことといたしております。
経済協力
につきましては、現下の
国際経済環境
に対処し、これを推進する体制の整備をはかるため、新たに
国務大臣
を設けるとともに、
海外技術協力事業団等
の統合により
国際協力事業団
を新設するほか、
国際機関
を通ずる
経済協力
、
発展途上国
の
経済開発
に対する
援助等
の充実をはかることといたしております。
中小企業対策
につきましては、小
企業経営改善資金融資制度
の拡充、改善、
経営改善普及事業
の
充実等小規模事業対策
について重点的に配意するほか、商工組合中央金庫、
中小企業信用保険公庫等
に対する出資の増額、
政府関係中小企業金融
三機関及び
中小企業振興事業団
の
融資規模
の
拡大等
、各般にわたる施策を推進することといたしております。
農林漁業関係予算
におきましては、最近の国際的な
食糧需給
の
動向等
に顧み、新たに麦、大豆及び
飼料作物
の
生産振興対策
を実施するほか、大豆、
飼料穀物
及び木材の
備蓄対策
、
農業団地
の育成、
農林水産物
の
流通改善等
の措置を講ずるとともに、畜産を軸とする大規模な
農業開発
を推進するため、
農地開発機械公団
を廃止して、
農用地開発公団
を発足させることといたしました。 また、
食糧管理費
につきましては、
主要食糧
の確保に資するため、米について在庫の積み増しを行なうほか、米の
政府売り渡し価格
の改定時期の
延期等
の措置をとることとして所要の経費を計上し、また、過年度における
政府保有過剰米
の処分に伴う損失を計画的に補てんすることとして、総額で七千百三十二億円を計上いたしております。 次に、以上の説明と重複するところもありますが、
物価対策
、
公害対策
並びに資源及び
エネルギー対策
について総括的に申し述べます。
物価対策
といたしましては、現下の物価の状況に顧み、
公共料金
を極力凍結することとし、
国有鉄道運賃
及び米の
政府売り渡し価格
の改定時期をそれぞれ六カ月延期するとともに、
郵便料金
につきましても、
通常郵便物
の料金の
引き上げ
を織り込まないことといたしております。また、
国民生活安定緊急措置法
及び
石油需給適正化法
の
執行体制
の整備をはかるとともに、引き続き低
生産性部門
の
生産性向上
、
流通対策
、労働力の
流動化促進
、
生活必需物資等
の
安定的供給
、住宅及び地価の
安定等
の施策を実施することとしており、
一般会計
、
特別会計
を通じ、一兆五千八百十八億円の
物価対策関係経費
を計上いたしております。 特に、
生鮮食料品
の価格の安定と円滑な流通をはかるため、
卸売り市場施設
の整備、
総合食料品小売りセンター
の拡充、野菜、果実等の
流通合理化
のための施設の設置等の施策を推進することといたしております。 また、
地価対策
につきましては、
宅地供給対策
として、三
大都市圏等
の
大都市地域
において大規模な
宅地開発事業
を積極的に推進するため
宅地開発公団
を新設する等、
公的機関
による
宅地開発事業
の充実をはかるほか、
土地利用
の高度化、
合理化対策
、
地価公示地点
の
拡大等
の施策についても配意いたしております。
公害防止
及び
環境保全対策
につきましては、引き続き、
生活環境施設
の整備、
大気汚染
、
水質汚濁等
に対する対策、
自然環境
の
保護等
の各般にわたる施策の推進につとめるほか、
公害健康被害補償対策
を一段と充実することといたしております。 資源及び
エネルギー対策
につきましては、わが国が新たに直面している石油をはじめとする資源問題の現状に顧み、
石油資源
の調査及び開発の促進をはかるとともに、
太陽エネルギー等
新
エネルギー技術
の
研究開発等
の施策を推進するほか、
発電用施設等
の立地の円滑化に資するため、
電源開発促進税
を創設し、これを財源といたしまして、
電源開発促進対策特別会計
において、
発電用施設等
の
周辺地域
における
公共用施設
の整備の費用等に充てるための
交付金
を
地方公共団体
に交付することといたしております。 以上、主として
一般会計
について申し述べましたが、
特別会計
及び
政府関係機関
の予算につきましても、
一般会計
に準じ、資金の
重点的配分
と経費の
効率的使用
につとめ、事業の適切な運営をはかることといたしております。 なお、
特別会計
につきましては、さきに申し述べました
電源開発促進対策特別会計
を新たに設けることといたしておりますが、他方、木船再
保険特別会計
がその目的を達成し、四十九年度限りで廃止されることとなっております。
財政投融資計画
につきましては、以上それぞれ関係する項目において説明したところでありますが、現下の
経済情勢
に顧み、その規模を極力抑制するとともに、資金の配分にあたりましては、
住宅対策
及び
生活環境
、
厚生福祉関係等
の
施設整備
に特に配意したほか、
中小企業金融
の充実に重点 まず、
税外収入
は七千二百二十億円でありますが、その内訳は、
専売納付金
三千四百四十二億円、
官業益金
及び
官業収入
二十三億円、
政府資産整理収入
三百一億円及び雑収入三千四百五十四億円となっております。 前年度
剰余金受け入れ
四千五百五十四億円は、昭和四十七年度決算の結果生じた剰余金であります。このうち、千六百九十七億円は
地方交付税交付金
、
交通安全対策特別交付金等
に充てられ、これらを差し引いた残額の二分の一
相当額
千四百二十九億円は、財政法第六条の規定により、
国債償還
の財源として、
国債整理基金特別会計
へ繰り入れることとしております。 次に、歳出について御説明いたします。
老人対策
につきましては、
老齢福祉年金
の改善並びに
厚生年金
及び
国民年金
における
物価スライド制
による
年金額
の
引き上げ
を行なうことといたしておりますほか、ねたきり
老人家庭奉仕員
の増員、
特別養護老人ホーム
をはじめとする
収容施設
の
運営費
の増額、
老人クラブ
に対する助成の
拡充等
を行なうこととしており、
一般会計
、
特別会計
を通じ、
老人対策費
として前年度当初予算に対し六三・一%増の四千八百九十九億円を計上しております。
心身障害者対策
につきましては、
障害福祉年金
及び
特別児童扶養手当
を大幅に
引き上げ
るとともに、新たに、
重複重度心身障害者
に対し手当を支給することとしておりますほか、
各種施設
の
運営費
の増額、
身体障害者家庭奉仕員
の増員、医療の
充実等
を行なうこととしております。
生活保護
のうち、
生活扶助
につきましては、
扶助基準
の二〇%
引き上げ等
を行なうとともに、本年十月から予定されている
米価引き上げ
に伴い、
扶助基準
を改定することを織り込んでおります。
社会福祉施設
の整備につきましては、老人、
心身障害者
の施設等緊急に整備を要する施設を中心として
施設増強等
を行なうこととし、前年度当初予算に対し四一・〇%増の三百八十九億円を計上しております。 このほか、
児童手当
及び
児童扶養手当
の
引き上げ
、
原爆被爆者
に対する諸手当の増額、
失業対策事業就労者
の
賃金日額
の
引き上げ等
を行なうとともに、休日、夜間、僻地等における
診療体制
の整備、難病、ガン等の研究及び医療の推進、看護婦、保母等の
養成確保等
の諸施策を講ずることとしております。
教員給与
及び
教職員定数
の改善につきましては、前年度当初予算に計上された
義務教育教員給与
の改善をはかるための
財源措置額
の平年度化に要する経費を計上するほか、さらにその改善をはかるための
財源措置
として、
一般会計
、
国立学校特別会計
を通じてその給与の一〇%の三カ月分に相当する金額百六十一億円を計上するとともに、昭和四十九年度からの第四次
教職員定数
五カ年計画の初年度として、
義務教育
諸学校の教職員の
定数改善
をはかることとしております。 私学の助成につきましては、
経常費補助
をさらに拡充することとし、前年度当初予算に対し四七・五%増の六百四十億円を計上しております。 また、
高等教育
につきましては、
国立医科大学
三校の創設を行なうとともに、
国立大学
の
医学部等
、歯学部及び
看護学部
、新構想に基づく
教員大学
・大学院並びに
技術科学大学院
を創設するための準備費を計上しております。
公立文教施設
の整備につきましては、
小中学校校舎
及び
屋内運動場
、
特殊教育施設等
を重点として拡充をはかり、前年度当初予算に対し四〇・三%増の千五百六十九億円を計上しております。
科学技術
の振興につきましては、時代の要請に即応した諸施設を講ずることとし、前年度当初予算に対し二四・八%増の二千六百十九億円を計上しております。
公共事業関係費
の内訳は、
一般公共事業費
二兆六千六百八十八億円及び
災害復旧等事業費
千七百十九億円であります。 まず、
住宅対策
につきましては、一戸
当たり規模
の拡大をはかる等住宅の質の向上につとめるほか、新たに、
住宅建設
を円滑にするため、
公的住宅用地
の確保と
周辺地域
の
環境整備
を一体的に行なうことを目的とした
特定住宅地区整備促進事業
を実施するとともに、その他の施策についても引き続きその充実をはかることとし、前年度当初予算に対し二〇・七%増の二千四百五十五億円の計上しております。
生活環境施設
の整備につきましては、特に重点を置くこととし、前年度当初予算に対し二一・六%増の二千七百五十億円を計上しておりますが、
下水道事業
につきましては、
公共下水道
の補助率を十分の四から十分の六ないし三分の二に改める等補助率の
引き上げ
を行なうとともに、起債充当率の拡充を行なっており、地方
負担軽減
の実現をはかっております。
経済協力
費につきましては、前年度当初予算に対し二八・九%増の千六百六十億円を計上いたしておりますが、このうち、海外技術協力実施委託費は百四十六億円、海外
経済協力
基金に対する出資は六百五十億円、
国際機関
に対する分担金、拠出金及び出資は二百七億円、
経済開発
等援助費は百七十億円となっております。
中小企業対策
費につきましては、前年度当初予算に対し二七・一%増の千二十一億円を計上いたしておりますが、このうちおもなものは、小企業経営改善資金融資の原資に充てるための国民金融公庫に対する貸し付け金百億円、
経営改善普及事業
等小規模事業対策費百十二億円、商工組合中央金庫に対する出資五十億円、中小企業信用保険公庫に対する出資百九十五億円及び
中小企業振興事業団
に対する出資四百二億円であります。 次に、農林漁業関係につきましては、農業基盤整備費三千四百七十六億円をはじめとし、麦、大豆及び
飼料作物
の
生産振興対策
費百二十五億円、大豆、
飼料穀物
及び木材の備蓄等対策費十億円、高能率生産団地育成事業費百二十八億円等を計上しております。 また、
生鮮食料品
流通等対策費といたしましては、二百六十六億円を計上し、卸売り市場の整備、野菜をはじめとする生鮮食品の価格安定策等を充実することとしております。
食糧管理費
につきましては、食糧管理
特別会計
調整勘定への繰り入れ五千百八十億円及び過年度における
政府保有過剰米
の処分にかかる同
特別会計
国内米管理勘定への繰り入れ六百六十九億円を計上しておりますほか、最近における国際穀物事情等にかんがみ、六十万トンの米の在庫積み増しを行なうこととし、稲作転換目標数量を百三十五万トンにとどめることとして稲作転換関係費千二百七十九億円を計上しております。 新たに設置される
電源開発促進対策特別会計
におきましては、新たに設けられる
電源開発促進税
収入百一億円等を財源として、発電所等の設置の円滑化に資するため、発電用施設の所在市町村等に対し、
公共用施設
の整備の費用等に充てるための
交付金
を交付することとしております。 以上をもちまして、所管する事項についての補足説明を終わらせていただきます。
荒舩清十郎
7
○
荒舩委員長
次に、高木主税
局長
。
高木文雄
8
○高木(文)
政府
委員
昭和
四十九年度
予算
のうち、
租税
及び
印紙収入
につきまして御
説明
いたします。
昭和
四十九年度の
一般会計
歳入予算
のうち、
租税
及び
印紙収入
の額は、十三兆七千六百二十億円でありまして、
昭和
四十八年度の当初の
予算額
十一兆七百八十六億円に対しまして、二兆六千八百三十四億円の増加となっております。なお、これを補正後の
予算額
と比較いたしますと、増加額は一兆一千七百五十四億円でございます。 この
租税
及び
印紙収入予算額
は、
昭和
四十八年度の当初の
予算額
に、
昭和
四十九年度の増収
見込み
額三兆六千八百五十四億円を加算した現行法による
収入見込み額
十四兆七千六百四十億円を基礎とし、この
見込み
額から、
昭和
四十九年度の
税制改正
による減収
見込み
額一兆二十億円を差し引いたものであります。 なお、この
一般会計
租税
及び
印紙収入予算額
に、交付税及び譲与税配付金
特別会計
の歳入となります諸税二千百五十五億円、石炭及び
石油
対策
特別会計
の歳入となります原重油関税一千三百六十三億円、さらに、新設につき御審議をお願いしております
電源開発促進対策特別会計
の歳入となります
電源開発促進税
百一億円を加えました
昭和
四十九年度の国の
租税
及び
印紙収入
予算
の
総額
は、十四兆一千二百三十九億円となっております。 以上が、
昭和
四十九年度の
租税
及び
印紙収入
予算
の
規模
でありますが、次に、その内容につきまして御
説明
申し上げることといたします。 まず、
昭和
四十九年度の収入見込額の基礎となっております現行法による
収入見込み額
十四兆七千六百四十億円の見積もりについて御
説明
いたします。この見積もり額は、
昭和
四十九年度
政府
経済見通しによる経済諸指標を基礎とし、最近までの課税実績、収入状況等を勘案して見積もったものでございます。 わが国経済は、
昭和
四十九年度においては、
昭和
四十八年度後半に発生した
石油
問題の影響等により、年度当初において経済活動が停滞するものと見られますが、年度後半には回復、安定に向かうものと見込まれております。このような経済事情を背景として、税収も
所得税
、
法人税
を
中心
に相応の増収が見込まれ、
所得税
の増収額は一兆九千九百八十一億円、
法人税
の増収額は一兆一千七百八十六億円と見込まれます。その他、各税日ごとに、経済
動向
、課税実績、収入状況等を勘案して積算し、合計三兆六千八百五十四億円の現行法による増収額を見込んでいる次第でございます。 次に、
昭和
四十九年度の
税制改正
につきまして、その主要な内容を御
説明
いたします。 第一は、
所得税
の
減税
であります。
所得税
につきましては、特に
給与所得者
の
負担軽減
を
中心
とする趣旨から、
給与所得控除
の
抜本的拡充
を行なうとともに、
人的控除
の
引き上げ
及び
税率
の緩和を行なうことといたしております。 まず、
給与所得控除
の
拡充
につきましては、定率控除の控除率を大幅に
引き上げ
るとともに、現行の年収六百十六万円で控除が頭打ちとなる
制度
を改めることといたしておりますまた、控除の大幅な
拡充
に伴い、現行の定額控除
制度
を廃止し、別途低額所得階層について最低五十万円までは必ず控除する
制度
を設けることといたしております。 次に、
人的控除
の
引き上げ
につきましては、基礎控除及び配偶者控除をそれぞれ三万円、扶養控除を八万円
引き上げ
て、各控除一律同額の二十四万円とすることといたしております。 これらの結果といたしまして、たとえば、
夫婦子
二人の
給与所得者
の
課税最低限
は、初年分百五十万円程度、平年分百七十万円程度に、また独身の
給与所得者
の
課税最低限
は、初年分七十万円程度、平年分七十七万円程度となります。 次に、
税率
の緩和につきましては、
税率
の適用所得階級区分を現行の課税所得二千万円までの部分についてはおおむね一・五倍にそれぞれ
引き上げ
、それ以上の部分については現行のまま据え置くことといたしております。 また、
福祉
政策等の見地から、障害者控除、特別障害者控除、老年者控除、寡婦控除、勤労学生控除等を
引き上げ
ることとしております。 以上の
所得税
の
一般減税
による
減収額
は、初年度一兆四千五百億円、平年度一兆七千二百七十億円の
規模
に達しております。 なお、これらの改正にあわせて退職所得の特別控除の
引き上げ等
の
措置
を講ずることといたしております。 第二は、
法人税
負担
の
適正化
であります。 法人に適正な税
負担
を求めるため、いわゆる法人の実効税
負担
水準をおおむね一割程度
引き上げ
ることを目途といたしまして、
法人税
率につきまして、基本
税率
を四〇%に、配当軽課
税率
を三〇%、ただし、最初の一年間は二八%に
引き上げ
ることといたしております。なお、中小法人に対して適用される
軽減
税率
は現行のまま据く置くとともに、その適用所得の範囲を七百万円、ただし最初の一年間は六百万円に
拡大
することとしております。 以上の改正による増収額は、初年度二千百十億円、平年度三千二百八十億円と見込んでおります。 なお、これらの改正にあわせて、貸し倒れ引き当て金の縮減及び賞与引き当て金の合理化等の
措置
を講ずることといたしております。 第三は、
印紙税
の
税率
引き上げ
であります。 最近における経済取引の推移等に顧み、
印紙税
負担
の
適正化
をはかるため、
税率
の
引き上げ等
の
措置
を講ずることといたしておりまして、これによる増収額は、初年度九百億円、平年度一千二十億円と見込んでおります。 第四は、
自動車関係諸税
の
税率
引き上げ
であります。
資源
の節約、消費の
抑制
、道路
財源
の
充実等
の観点から、二年間の暫定
措置
として
自動車関係諸税
のうち、揮発油税及び自動車重量税の
税率
の
引き上げ
を行なうことといたしております。なお、自動車重量税につきまして、
現下
の
物価
動向
を勘案して、営業用自動車については
税率
を据え置く等、政策的配慮をいたしております。 以上の改正による増収額は、初年度一千七百八十億円、平年度二千百四十億円と見込んでおります。 なお、以上のほかに
租税特別措置
について
所要
の
措置
を講ずるほか、電源
開発
促進
対策
の
財源
に充てるため、
電源開発促進税
を
創設
することといたしております。 次に、
昭和
四十九年度の国税収入全体の構成を、
専売納付金
をも含めてみますと、
税制改正
の影響により、
所得税
収の割合は四十八年度当初
予算
よりも低下し、三二・九%となり、
法人税
収の割合は、四十八年度当初
予算
よりも上昇し、三四・〇%となるものと見込まれます。 また、
昭和
四十九年度におきましては、国税収入全体に占める直接税と間接税等の割合、いわゆる直間比率では、直接税の割合が四十八年度当初
予算
に比べ若干の上昇にとどまり、六九・九%になるものと見込まれます。 以上述べました
昭和
四十九年度の
租税
及び
印紙収入予算額
を基礎として、国民所得に対する
租税
負担
率を推計してみますと、国税につきましては 一三・三%程度になるものと見込まれます。なお、この
租税
負担
率は、かりに
税制改正
を行なわなかった場合には一四・二%程度の高さになったものと見込まれる次第でございます。 国税、地方税を合わせての
負担
率は、地方税の
収入見込み額
が確定しておりませんので、一応の推算ではございますが、二〇%程度になるものと思われます。 以上をもちまして、
租税
及び
印紙収入
につきましての補足
説明
を終わることといたします。
荒舩清十郎
9
○
荒舩委員長
次に、竹内理財
局長
。
竹内道雄
10
○竹内(道)
政府
委員
昭和
四十九年度
財政投融資計画
及び財政
資金
対民間収支
見込み
について補足
説明
を申し上げます。
昭和
四十九年度の
財政投融資計画
は、総
需要抑制
の見地から、厳にその
規模
を
抑制
し、
総額
七兆九千二百三十四億円といたしました。これを
昭和
四十八年度当初
計画額
六兆九千二百四十八億円と比較いたしますと、九千九百八十六億円の増加であり、その
伸び率
は一四・四%であります。 このように全体の
規模
を
抑制
した中にあって、運用面では
資金
の
重点
的な
配分
につとめ、国民
生活
の安定と
福祉
の
充実
に特に配意いたしております。 まず、原資について御
説明
申し上げます。
資金
運用部
資金
は、前年度
計画額
に対し、一兆二千五百四億円増の六兆八千七百四十三億円を見込んでおります。その
内訳
としては、郵便貯金三兆五百億円、
厚生年金
一兆五千九百億円、
国民年金
二千四百億円、その他一兆九千九百四十三億円をそれぞれ見込んでおります。なお、「その他」の
内訳
は、回収金一兆六千七百十五億円、船員
保険特別会計
その他の
特別会計
等の預託金の増加三千二百二十八億円であります。 次に、簡保
資金
につきましては、前年度
計画額
に対し二千五百九十五億円増の一兆円を見込んでおります。 また、
政府保証債
、
政府
保証借り入れ金につきましては、前年度
計画額
に対し七百八十億円減の四千二十二億円を予定しております。このうち、
政府保証債
につきましては、前年度
計画額
より五百億円減額し、四千億円を予定いたしております。 なお、産業投資
特別会計
は、前年度
計画額
に対し、百三十三億円減の六百六十九億円を計上いたしております。 これらの
資金
を合計いたしますと、原資の
総額
は八兆三千四百三十四億円となりますが、このうち、七兆九千二百三十四億円を四十九年度
財政投融資計画
の原資に、また、四千二百億円を四十九年度に新たに発行される
国債
の引き受けに充てることといたしております。 四十九年度の運用につきましては、さきに申し述べました基本的考え方にのっとり、道路、鉄道等の
公共事業
部門を厳に
抑制
するとともに、民間設備投資に充てられる
資金
についても
抑制
につとめておりますが、
住宅
、
生活環境施設
、厚生
福祉
施設
等の
整備
及び
中小企業金融
につきましては、
重点
的に
資金
を
配分
いたしております。 各
機関
に対する運用につきましては、財政投融資
資金
計画
表に掲げてございますが、ここでは概略を使途別分類表によって御
説明
申し上げます。 使途別分類のうち、
住宅
、
生活
環境整備
、厚生
福祉
施設
、
文教施設
、中小企業及び農林漁業は、国民
生活
に最も密接に関係する分野でありますが、これらに対する財政投融資の額は四兆八千五百三十六億円でありまして、財政投融資
総額
の六一・三%を占めております。特に
住宅
関係につきましては、
住宅
金融公庫の貸し付け限度を
引き上げ
る等の
措置
を講ずるとともに、
宅地開発公団
を新設し、
大都市地域
における
宅地開発事業
を一段と
推進
することといたしております。また、
中小企業対策
につきましては、
政府関係中小企業金融
三
機関
の貸し付け
規模
の
拡充
に特に配意いたしております。 次に、国土保全・災害復旧、道路、運輸通信及び地域
開発
に対する財政投融資の額は二兆一千三百四十八億円でありまして、前年度
計画額
に比べ七・三%の増加にとどまっております。なお、
日本国有鉄道
の運賃
改定
を延期することといたしましたこと等に伴いまして、九百九十五億円の財政投融資を予定いたしておりますが、これを除きますと、この分野に対する財政投融資額の前年度
計画額
に対する増加率は二・三%となります。 また、基幹産業、貿易
経済協力
につきましては、それぞれ二千四百十五億円、六千九百三十五億円を予定いたしております。 以上で
昭和
四十九年度
財政投融資計画
の補足
説明
を終わります。 次に、財政
資金
対民間収支
見込み
について御
説明
申し上げます。
昭和
四十九年度の財政
資金
対民間収支
見込み
でありますが、
予算
を前提として推計いたしますと、三千五百億円の引き揚げ超過と見込まれます。 すなわち、
一般会計
におきまして、前年度
剰余金
を使用することにより、四千五百五十億円の散布超過、食管会計におきまして、食糧証券の発行残高増加により、千二百十億円の散布超過、外為
資金
におきまして、
昭和
四十九年度の国際収支の
動向等
から見て、五千五百五十億円程度の引き揚げ超過がそれぞれ見込まれます。その他、
特別会計
等の収支で三千七百十億円の引き揚げ超過が見込まれますので、これらの要因を差し引きいたしまして、財政
資金
対民間収支全体といたしましては、三千五百億円の引き揚げ超過を見込んだ次第であります。 最後に、
昭和
四十八年度
予算
の御審議の経緯にかんがみまして、
国債
の
償還
年次表につき、
財政法
第二十八条による
予算
参考書類の一部を
改善
し、その内容をより明確にいたしますとともに、これまで提出いたしておりました「
予算
の
説明
」を「
予算
及び
財政投融資計画
の
説明
」と改め、財政投融資に関する
説明
の一そうの
充実
をはかることといたしておりますので、あわせて御参照賜わりますようお願い申し上げます。
荒舩清十郎
11
○
荒舩委員長
以上で大蔵省関係の
説明
は終了いたしました。 次に、青木
経済企画庁調整
局長
。
青木慎三
12
○青木
政府
委員
予算
案の参考としてお手元にお配りしてあります「
昭和
四十九年度の経済見通しと経済
運営
の基本的態度」について、その
概要
を御
説明
いたします。 まず、四十八年度の経済について見ますと、需給の逼迫基調のもとで根強い
物価
上昇が続いてきましたが、
石油
問題が発生するに至り、きびしい事態を迎えるに至っております。国内経済は個人消費支出や設備投資等を
中心
に、四十八年度前半にはかなりの
拡大
を示してきましたが、総
需要抑制
政策の効果や
石油
問題による先行き見通し難等もあって、後半には経済成長は鈍化し、四十八年度の経済成長率は、実質六・四%、名目二一・九%程度となるものと見込まれます。また、国際収支については、輸出はかなりの伸びを示しているものの、輸入が、輸入
価格
の異常な上昇もあって輸出を上回る大幅な増加を示しており、貿易収支の黒字は前年度に比べ大幅に縮小し、経常収支で九億ドル程度の赤字となる見通しであります。 他方、
物価
については、海外
価格
の高騰と国内需給の逼迫を背景に根強い騰勢が続いており、
石油
問題の発生もあって、前年度比卸売り
物価
は二〇・二%程度、消費者
物価
は一四・〇%程度の上昇は避けられないものと見込まれます。 このような四十八年度の動きを受けて、わが国経済は、四十九年度においては
石油
価格
の上昇やその供給削減の影響などにより、物資需給、
物価
、雇用等の面で国民
生活
に少なからざる影響が及ぶことが懸念されます。このような
情勢
にかんがみ四十九年度の経済
運営
にあたりましては、適切かつ機動的な政策運用により、国民
生活
の安定と国民経済の円滑な
運営
を
確保
することとし、このため、第一に、総
需要
の
抑制
その他
物価
抑制
諸
施策
の強力な実施、第二に、
生活
必需物資を
中心
とする物資需給の均衡の
確保
及びエネルギー消費の節減、合理化の
推進
、第三に、社会保障の
充実
その他
国民福祉
向上
のための諸
施策
の
推進
、第四に、
資源
エネルギーの安定
確保
、農業の近代化等長期的諸
施策
の
充実等
を
重点
的に講ずることとしております。 このような経済
運営
のもとで、四十九年度のわが国経済の
規模
は約百三十二兆円、成長率は実質二・五%、名目一二・九%程度になる
見込み
であります。 その
内訳
を見ますと、個人消費支出はかなりの増加が見込まれるものの、設備投資を
中心
に投資活動は大幅に
伸び率
を鈍化させるものと見込まれます。 このような
需要
の
動向
に伴い、鉱工業生産は前年度に比べ一・〇%程度の伸びにとどまろうと見込まれます。
物価
面につきましては、総
需要抑制
策の効果の浸透、海外
価格
の騰勢の鈍化が期待されるものの、
石油
価格
の急騰等、困難な問題をかかえております。しかし、
政府
としましては、総
需要抑制
策その他諸般の
対策
を講ずることにより、年度中上昇率としては、卸売り
物価
で四・八%程度、消費者
物価
で五・二%程度の上昇にとどめるようつとめることとしております。 他方、国際収支面では貿易収支の黒字は三十四億ドル程度にとどまり、経常収支は四億五千万ドル程度の赤字になるものと見込まれます。また長期資本収支については、流入
抑制
の緩和等の
措置
により、四十四億ドル程度の赤字にとどめるようつとめることとし、その結果、四十九年度の基礎的収支は四十八億五千万ドル程度の赤字になるものと見込まれます。 以上、「
昭和
四十九年度の経済見通しと経済
運営
の基本的態度」につきまして御
説明
申し上げた次第であります。
荒舩清十郎
13
○
荒舩委員長
以上をもちまして補足
説明
は終わりました。
—————————————
荒舩清十郎
14
○
荒舩委員長
この際、公聴会の件についておはかりいたします。
昭和
四十九年度総
予算
について、議長に対して公聴会開会の承認要求をいたしたいと存じますが、これに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
荒舩清十郎
15
○
荒舩委員長
御
異議
なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、公聴会の開会に関する諸般の手続につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
荒舩清十郎
16
○
荒舩委員長
御
異議
なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ————◇—————
荒舩清十郎
17
○
荒舩委員長
次に、総
予算
の審査に関し、総括質疑における当初の各党の発言順位につきまして、先般来
理事
会におきまして種々御協議を願ってまいりましたが、本件につきまして、日本社会党は、本
会議
における
国務大臣
の演説に対する質疑の順序に準じて、発言順位表に基づいた順序で行なうべしとの御主張であり、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党は、議会制民主主義及び政党政治の立場から、少数意見を尊重する意図は国会法でも明確である、よって、総括質疑につきましては、各会派から各一名ずつ順次発言するとの御主張でありました。自由民主党は、各党間において話し合いがととのった場合は別として、意見が一致しない場合は、発言順位表による自由民主党の第一順位を野党第一党の日本社会党に譲り、社、自、社、共、公、民の順序とすることはやむを得ないとの御意見であり、
理事
会におきましては、各党の御意見は一致いたしませんでした。 そこで、
委員長
といたしましては、まことにやむを得ませんが、採決いたします。 総括質疑の当初の発言順位は、まず日本社会党、次に自由民主党、日本社会党、日本共産党、革新共同、公明党、民社党の順序で行なうこととするに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
荒舩清十郎
18
○
荒舩委員長
起立多数。よって、さよう決定いたしました。 次回は、来たる二十八日午前九時より開会し、総括質疑に入ります。 本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十五分散会