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1973-12-18 第72回国会 衆議院 本会議 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年十二月十八日(火曜日)     —————————————  議事日程 第五号   昭和四十八年十二月十八日    午後一時開議  第一 石油需給適正化法案内閣提出)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  議員請暇の件  日程第一 石油需給適正化法案内閣提出)  国民生活安定緊急措置法案内閣提出)    午後四時三十五分開議
  2. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————  議員請暇の件
  3. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 議員請暇の件につきおはかりいたします。  島田琢郎君から、海外旅行のため、十二月二十六日から昭和四十九年一月十四日まで二十日間、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。      ————◇—————  日程第一 石油需給適正化法案内閣提出
  5. 前尾繁三郎

  6. 前尾繁三郎

  7. 濱野清吾

    濱野清吾君 ただいま議題となりました石油需給適正化法案につきまして、商工委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、最近の国際的な石油需給動向にかんがみ、わが国への石油の大幅な供給不足が生ずる事態に対処し、石油の適正な供給確保し、使用を節減するための措置を講じようとするものでございます。  そのおもな内容は、  第一は、内閣総理大臣は、わが国への石油供給が大幅に不足する等の場合において、その事態に対処するため、この法律に規定する措置を講ずる必要があると認めるときは、閣議決定を経て、その旨を告示することとし、事態が消滅したと認めるときは、直ちに閣議決定を経て告示すること。  第二は、通商産業大臣は、石油供給目標を定め、閣議決定を経て告示しなければならないこと。  第三は、石油精製業者等は、石油生産計画等通商産業大臣に届け出て、通商産業大臣は、生産計画等の変更を指示し、指示に従っていないと認めるときは公表することができること。  第四は、石油使用する者は、主務大臣政令で定める数量をこえて使用してはならないこととし、また、ガソリンスタンドに対し、その販売方法制限実施すべきことを指示することができること。  第五は、通商産業大臣は、特定石油販売業者に対し、国民生命、財産の保護または公共利益確保のために不可欠な事業等に対する石油供給するため、石油の保有、売り渡し指示を行なうとともに、一般消費者中小企業者農林漁業者並びに公益性の強い事業に対し、石油供給するため、石油販売事業者団体に対し、石油供給あっせん等を指導するものとすること。  第六は、以上の措置をもってしては事態を克服することが著しく困難であると認められる場合には、必要な限度において、政令で、石油割り当てまたは配給等に関し必要な事項を定めることができること。等でございます。  本案は、十二月七日当委員会に付託され、翌十二月八日中曽根通商産業大臣から提案理由説明を聴取し、以来、参考人から意見を聴取し、さらに関係委員会連合審査会を開く等、連日深夜にわたり慎重に審査を重ねました。  質疑のおもなるものは、今後のエネルギー政策政府方針便乗値上げの防止と独占禁止法の厳正な運用、大幅な政令委任官僚統制の排除、石油供給優先順位割り当て配給具体的方法監視体制等々でございます。これらの詳細につきましては、会議録に譲りたいと存じます。  かくて、昨十七日質疑を終局いたしましたところ、自由民主党日本社会党日本共産党革新共同、公明党及び民社党の共同提案にかかる、本法運用方針石油売り渡し命令国会への報告石油需給調整審議会設置検討条項等々を加えることを内容とする修正案が提出され、採決の結果、本案全会一致をもって修正案のとおり修正議決すべきものと決した次第でございます。(拍手)  なお、本案に対し、割り当てまたは配給等の公平な実施等内容とする附帯決議が付され、また、独占禁止法運用強化に関する件について決議が行なわれましたことを申し添えておきます。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  8. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 採決いたします。  本案委員長報告修正であります。本案委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————  国民生活安定緊急措置法案内閣提出
  10. 森喜朗

    森喜朗君 議事日程追加緊急動議を提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出国民生活安定緊急措置法案議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  11. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 森喜朗君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  国民生活安定緊急措置法案議題といたします。営を確保するため、国民生活との関連性が高い物資及び国民経済上重要な物資について、標準価格等設定及びこれらを遵守させるための措置生産輸入及び保管に関する指示等措置その他の価格の安定及び需給調整等に関する緊急措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。     —————————————
  13. 前尾繁三郎

  14. 平林剛

    平林剛君 ただいま議題となりました国民生活安定緊急措置法案につきまして、物価問題等に関する特別委員会における審査経過並びに結果について御報告申し上げます。  本案は、物価高騰その他、わが国経済の異常な事態に対処するため、生活関連物資等価格及び需給調整等に関する緊急措置を定めることによって、国民生活の安定と国民経済の円滑な運営確保しようとするものでありまして、そのおもな内容は次のとおりであります。  第一は、生活関連物資等価格が著しく上昇し、または上昇するおそれがあるときは物資政令で指定し、その標準価格を定め、この価格を越えて指定物資を販売したときは、価格引き下げ指示することができるものとし、正当な理由なくこれに従わなかったときは、その旨を公表することができることとしております。  第二は、指定物資のうち、特に価格の安定を確保することが必要な物資特定物資として政令で指定し、その特定標準価格を定めるとともに、これを越えて販売したときは、特定標準価格販売価格との差額課徴金として徴収することとしております。  第三は、生活関連物資等供給が不足することにより、国民生活の安定または国民経済の円滑な運営が著しく阻害される場合、またはそのおそれがある場合においては、物資政令で指定し、生産輸入保管に関する指示をすることができるものとし、それに従わなかったときは、その旨を公表することができることとしております。  また、生活関連物資等の地域的な需給の不均衡に対しては、緊急に不足物資をその地域に供給するために、売り渡し輸送及び保管指示できるものとし、この指示に従わなかったときは、その旨を公表することができることとしております。  第四は、国民生活の安定または国民経済の円滑な運営確保のため設備投資に関する需要抑制をする必要があるときは、設備投資計画等実施について抑制措置指示できるものとし、正当な理由がなくこれに従わなかったときは、その旨を公表することができることとしております。  第五は、物価が著しく高騰し、または高騰するおそれがある場合で、生活関連物資等供給が著しく不足し、需給均衡回復が相当期間きわめて困難な事態においては、政令で、割り当て配給使用制限等措置をとることができることとしております。  さらに、附則において、物価統制令発動要件等改正を行なうとともに、生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律についても、特定物資の範囲の拡大売り渡し命令創設等所要改正を行なうこととしております。  本案は、去る十二月七日本委員会に付託され、翌八日内田経済企画庁長官から提案理由説明を聴取した後、質疑に入りました。  本案は、緊急かつ国民に重大な影響を与える内容を持つものであり、このため、参考人からの意見聴取商工委員会をはじめ関係委員会との連合審査会開会等、連日にわたり慎重な審査をいたしたのであります。  その質疑のおもな内容を申し上げますと、まず、「標準価格はいかなる方法決定するのか。本案は、物価の高位安定をもたらさないか。政省令に委任する部分が多く、国会白紙委任を求めるにひとしいではないか。本案は、所得政策関連があるか」などについてであります。  これに対し、政府から、「標準価格は可能な限り資料を集め、迅速かつ公正に決定する。便乗値上げ等をチェックして物価の低位安定につとめる。政省令内容については、できるだけ国会説明する。本案は、所得政策前提としたものではない」などの答弁がありました。  なお、詳細につきましては会議録に譲ることといたします。  かくして、本日質疑を終了いたしましたところ、本案に対し、自由民主党から、国民生活必需物資優先的確保及び価格の安定につとめる等のこの法律運用方針中間卸売り価格についての標準価格決定本法運用に関し、重要事項を調査審議し、また建議する機関として国民生活安定審議会設置国会に対する報告義務等内容とする修正案が提出され、趣旨説明を聴取した後、討論採決の結果、多数をもって本案修正案どおり修正議決すべきものと議決した次第であります。  なお、本案に対し、生活必需物資安定的供給確保標準価格決定にあたって高位安定とならないような配慮、及び独占禁止順守等内容とする附帯決議全会一致をもって付されましたことを申し添えます。  以上、御報告申し上げます。(拍手)るものとする。     —————————————
  15. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。中村茂君。   〔中村茂登壇
  16. 中村茂

    中村茂君 私は、日本社会党を代表して、国民生活安定緊急措置法案について、国民消費者立場に立って、反対討論を行なうものであります。(拍手)  インフレは、政策の貧困による社会病気であり、強者を潤し弱者を苦しめる体制的な差別であります。病気は正しい診断が必要であります。診察を誤れば生命を失うことになるからであります。インフレの病原を明らかにし、それに対応した処方せんをつくらなければ、病気をなおすことはできません。そのためには、社会を正しく診断する名医が必要であります。  田中総理は、診断のあやまちをおかそうとしております。インフレ国民が苦しんでいることを物価異常事態と言い、物価暴騰の元凶は、日本列島改造という資源浪費政策であり、日本インフレ列島にしてしまったということを、なぜ国民の前に診断の誤りを明らかにしないのか。(拍手)これでは物価の安定をはかり、石油危機を乗り切ることのできるりっぱな、国民の納得のいく処方せんをつくることはきわめて困難であります。  世界の資本主義諸国が、その体制的矛盾を露呈し、危機的状況を深化させている中で、日本国家独占資本主義経済はますます経済的矛盾拡大させ、爆発的な物価高騰、公害の拡大資源浪費等になって国民生活に襲いかかってきているこの事実、独占資本政府自民党一体となって高度経済成長政策を推し進め、インフレ金融財政政策公共料金引き上げ独占価格管理価格設定による高価商品の売りつけ、あるいは買い占め売り惜しみなどの反国民的諸行動により、物価騰貴を進行させ、独占資本利潤の増大と対外競争力強化に全力を注いできた事実を見のがすわけにはいかないわけであります。(拍手)  現在進行しているインフレは、これまでいわれてきたような物価高、消費者物価の値上がりとは性質の違った悪性インフレに進行してきている事実であります。卸売り物価はまるで機関車のように消費者物価を引っぱり、ウナギ登りに上昇を続け、その卸売り物価上昇率は、十一月、三・二%と急騰し、終戦直後の混乱期を除けば、わが国の歴史始まって以来の暴騰となり、これが十二月には六%に達するといわれております。卸売り物価は必ず消費物価影響し、石油危機の追い打ちと相まって、高物価物不足、不況の中のインフレーションとなることは必至であります。インフレ投機とギャンブルの渦巻く混乱の世相の中で、国民はいまほど不安と焦燥にかられているときはないと思うのであります。(拍手)  このような状況の中で、国民生活安定緊急措置法案審議が続けられてきました。  わが社会党は、国民生活を守る立場から幾つかの野党四党修正案を提起したのでありますが、そのほとんどが解決されておりません。この際、この法案問題点について指摘して、国民消費者の皆さんの御理解を得るものであります。(拍手)  その一は、標準価格決定する物資の選別も、価格決定も、政府、すなわち官僚の手によって、産業界資料に基づいて国民消費者が不在の中できめられ、その結果は実質的な価格カルテルとなり、大企業の意向を反映した高い水準の高値安定価格になるおそれがあるからであります。(拍手)そして、その標準価格を業界の協力を得て守らせるということは、そのこと自身、官僚産業界共同行動が成立し、官産一体の、国民生活消費者を無視した官僚統制に発展する危険が含まれていることを指摘しなければなりません。(拍手)  第二は、標準価格特定標準価格価格決定の基準に、利潤を加えて得た額として、独占と大企業利潤確保を優先させている点であります。また、配当制限を考えているともいわれております。利潤配当確保を認めることになり、その結果は、労働者の賃金が経営者によって抑制されることは明らかであります。まさに、この利潤導入政策は、所得政策への地ならしとしての役目を果たす結果になりかねないことに注意しなければならないと思うわけであります。  その三は、課徴金制度の取り入れであります。税金でも罰金でもないというこの制度は、公表するという社会的制裁と同じように、金で済むことなら何でもという悪徳商人には通用いたしません。有名無実になる危険性をはらんでおります。しかも、課徴金で得た収入は物価対策使用するなどに至っては、全くナンセンスといわざるを得ないのであります。  その四は、生産保管輸入売り渡しまたは輸送に関し勧告制を採用していることであります。操業短縮という美名のもとに行なわれる生産サボ買い占め売り惜しみなどの流通操作による物不足情報操作による物価つり上げなど、大企業総合商社悪徳商法に対しては、勧告公表程度では対処できないことは、これまた明らかであります。(拍手)この点は、命令規定によって消費者保護立場から安定供給確保すべきであります。  その五は、割り当て配給制の採用であります。この制度を採用する事態は、国民にとっても、その消費生活の面からも、経済産業の分野からも非常事態であり、統制経済に道を開くことになります。その実態緊急事態であるとか、運用は慎重にするということで政令にゆだねることはできない内容のものであります。国民日常生活優先の原則に立って、国会の議決を経て実施することが不可欠の条件であります。(拍手)  その六は、この法案実施になった場合、一番苦しむのは小売り販売業者であることであります。消費者の苦情を一身に受け、その上に販売費は一方的に切り詰められ、官僚の介入がきびしくなるということであります。抜本的な小売り業者保護策が必要であることを銘記しなければなりません。(拍手)  その七は、このような国民生活に最も関係のある法案は、国民の深い理解協力がなければ成果をあげることは困難であります。ところが、その配慮が全然ありません。官僚産業界共同行動実施されるということであります。価格決定を含めて、国民意見が十分反映できる民主的な審議会制度を取り入れるべきであります。価格決定の伴わない形だけの審議会では、官僚統制の歯どめにならないことは、これまた明らかであります。  その八は、公正取引委員会経済企画庁で締結した国民生活安定緊急措置法実施に関する覚書で、事業者または事業者団体協力措置によってこの法律実施することはカルテルを意味しないと一方的な覚書になっているが、みずからカルテル行為に介入することを意味しており、絶対に納得できないものであります。(拍手)  以上、八点にわたって問題点を指摘しましたが、いずれも法律の根幹に触れる問題であり、国民立場に立った重要な課題であります。法は運用次第といわれるが、その運用官僚業者協力関係実施するに至っては、問題の本質である物価の安定をはかり、国民生活の真の安定と勤労に希望を持つ社会をつくることは困難であります。(拍手)  わが党は、これまで一貫して政府自民党独占資本擁護政策に強く反対し、国民生活を優先し、実質的な生活向上をはかる政治を要求してきました。大資本と大地主の利益をふくらませる日本列島改造浪費型路線をやめ、大型予算の縮小と公共事業費削減、大企業への法人税増加受け取り配当非課税など税制上の優遇措置の廃止、国鉄運賃健保料金消費者米価等公共料金という名の大衆収奪料金値上げ反対独占価格買い占め売り惜しみのきびしい規制措置流通機構の整備、独禁法の改正公正取引委員会強化日本農業再建による農産物価格安定等国民生活の安定をはかるために必要不可欠な政策を具体的に提示して、その実行を主張してきたのであります。  政府は、本法案を制定する前提として、このようなわが党の正当な主張と政策実施に移す必要があるのであります。そして、いま、石油危機、総需要抑制の名のもとに、いままでの政策の失敗を勤労国民に押しつけようとしております。  わが党は、国民の名において、高値安定、独占と大企業擁護官僚統制に道を開く本法案について反対するものであります。(拍手)  最後に申し上げます。  いま政治にとって一番必要なことは、政府みずからが政治姿勢を正し、田中総理の決断と実行が独善と欺瞞の政治にならないよう警告して、私の討論を終わりといたします。(拍手
  17. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 片岡清一君。   〔片岡清一登壇
  18. 片岡清一

    片岡清一君 私は、自由民主党を代表いたしまして、国民生活安定緊急措置法案について、賛成討論を行なうものであります。(拍手)  本法案は、今日までの質疑応答を通じて明らかにされましたとおり、物価高騰その他のわが国経済異常事態に対処し、生活関連物資及び国民経済上重要な物資について、価格の安定及び需給調整に関する緊急措置を定めており、これらの諸措置の適時適切なる運用により・国民生活の安定と国民経済の円滑な運営確保しようとするものであります。  現下の物価高騰は、まさに異常であります。昨年末以来、木材価格高騰に始まって、鉄鋼、繊維、大豆へと価格上昇は波及してまいりました。当初の価格上昇は、農産物の世界的な不作に触発された海外物価高騰という一時的要因によるもの、及び国内過剰流動性の存在など、総需要抑制策強化により抑制し得るものと考えてまいったのでありました。しかし、物価高騰の炎はおさまる様相を示しません。特に、最近に至っては、石油供給削減影響を受け、物価は一段と暴騰するに至っております。  本年十一月の卸売り物価指数は対前年比三・二%、前年同月比では二二・三%上昇となり、現在はまさに憂慮すべき事態に直面しているといわねばなりません。このような異常事態に対処し、物価高騰を押えるためには、もちろん総需要抑制がはかられなければなりません。財政投融資規模の思い切った圧縮と、金融の引き締めをさらに強化し、石油削減による総供給の縮減に見合った総需要政策に加えて、国民生活の安定のためには、個別物資に対する対策も不可欠であります。きめこまかく個別物資需要動向を把握し、必要に応じ特定物資につき価格標準を定め、その安定をはかることはもとより、生産が不十分な場合には生産促進を、輸入輸送促進をというように、価格需給両面に適時適切なる措置が求められなければなりません。  本法案は、このような要請にこたえ、経済異常事態程度に応じ、緩急それぞれの手段により適切なる対処ができるよう措置されているところであります。  すなわち、価格調整面においては、まず標準価格設定し、これをこえて販売する者に対しては価格引き下げ指示及び公表措置がとれることとしております。  次に、標準価格制度によってもなお指定物資価格安定がはかられないような事態に対処しては、特定標準価格設定し、これを越えて販売した場合には、その差額課徴金として徴収することとしております。  さらに、緊急事態に直面しては、物価統制令による統制額設定と、これをこえて販売した場合の罰則の適用という強い措置が講ぜられることとされております。  一方、需給調整の面では、総需要抑制策の一環として、設備投資抑制指示公表を行ない得るとともに、供給確保の見地から生産輸入輸送等指示等ができることとされております。さらに、供給が著しく不足する等きびしい事態に対応いたしましては、割り当て配給等措置をとり得ることとしております。  以上のように、本法案はまさに経済変動実態に即応して、適時適切なる手段を講じ得るよう、万全の措置をとっているものと評価できるところであります。(拍手)  もちろん、本法は乱用されてはなりません。その運用にあたっては広く国民の声を徴し、その理解協力を仰ぎ、直面する事態を的確に判断し、いたずらに弱い者いじめにならないよう適切な措置を講じなければなりません。また、いやしくも本法の乱用により官僚統制の弊におちいることは、厳に戒めるべきものと信じます。  政府本法の期するところを真に生かし、適切なる運用をはかることを期待しつつ、経済異常事態に対処するための本法必要性及び緊急性を認識し、賛成を表明するものであります。(拍手
  19. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 野間友一君。   〔野間友一登壇
  20. 野間友一

    野間友一君 私は、日本共産党革新共同を代表し、内閣提出国民生活安定緊急措置法案及び自由民主党修正案反対する討論を行ないます。(拍手)  昨年来の物価の異常な急上昇、これと並行してつくり出された物不足は、生活保護者年金生活者はもとより、労働者、農民、漁民、中小零細業者など、すべての働く人々の生活を耐えがたいまでの深刻な状態におとしいれております。今日の事態を招いた政府の責任はきわめて重大であります。(拍手)  田中内閣は、大企業過剰流動性をかかえているまさにそのとき、金融をいたずらに緩和し、列島改造論土地投機商品投機をあおり立て、超大型インフレ予算を組み、国鉄運賃消費者米価をはじめ、次々と公共料金引き上げ決定を行なったのであります。  しかも、大企業による砂糖、石けん、トイレットペーパー、建設資材などの売り惜しみ価格つり上げに対して、買占め売り惜しみ法適用すら行なわず、大企業の火事場どろぼう的な大もうけを放置してきたのであります。  今日の石油危機は、物価高、物不足と再生産の撹乱を一そう促進させていますが、その根本原因がアメリカ系大資本が支配する石油に依存する対米従属的エネルギー政策とアラブ政策に見られるような対米従属外交にあることは、国会審議を通じて明々白々となったのであります。(拍手)  しかも、田中内閣は、これらの失政に何らの反省も加えず、財界、大企業石油危機対策に盲従し、大企業価格カルテルを容認し、一切の犠牲を国民に転嫁する本法案を提出したのであります。  私は、ここに、本法案反対する態度を断固として表明するものであります。(拍手)  その第一の理由は、政府価格決定が必然的に物価上昇を追認するとととなり、価格を値上げ前に戻せという国民の痛切な声を全く無視していることであります。  本法案によって政府がきめる標準価格特定標準価格なるものは、すべて市場の実勢をもとにきめられるもので、今日の異常な物価高をそのまま反映するものとなることは明白であります。これは大企業価格つり上げの追認にほかなりません。価格を値上げ前に戻すただ一つの道は、とれまで国民の目から隠されていた価格形成にメスを入れ、市場をまかり通ってきた大企業生産費、仕入れ価格輸入価格や膨大な利潤にメスを入れ、その原価計算を厳密に行なうことであります。大企業の不当な利潤を押え、国民だれもが納得できる適正な生産費、仕入れ価格利潤を明らかにし、これを指示価格として厳重に守らせることであります。  さらに、この指示価格決定のために必要な資料を提出させる資料提出命令の権限を規定し、原価を広く国民公表することが必要であります。  本法案には、これらの物価安定のための最小限の条件すら欠落しており、とうてい国民の期待にこたえるものとはいえないのであります。  第二の反対理由は、国民生活必需物資の優先的な安定供給が全く確保される保障がないことであります。  国民生活に必要な物資を大量に生産し、在庫を大量にかかえている大企業に気がねをしている政府は、国民のために生産、出荷、輸入輸送、保有などを大企業に命令することができず、わが党の命令権を認めよとの主張に一貫して反対してきたのであります。この態度こそ大企業売り惜しみ買い占めとともに、今日国民生活を深刻な状態におとしいれている元凶であります。  いま国民は、プロパンガスや灯油、砂糖、小麦粉などに困っております。特に心身障害者や老人ホームなどの社会福祉施設や生活保護世帯は塗炭の苦しみをなめております。だからこそ、わが党は大企業に対して命令できる規定を入れ、一般消費者、中小企業、農漁業者公共交通事業、医療社会福祉事業、言論出版に関する事業については、特に必要な物資の優先確保政府に義務づけることを主張してきたのであります。(拍手)本法案は、このような国民の切実な要求に何らこたえるものになっていないのであります。  第三の反対理由は、本法案配給割り当てなど、憲法第二十二条の営業の自由、第二十九条の財産権の保障など、基本的人権にかかわる重大な決定を行なうのに際し、国会の議決を行なわず、政令にまかせようとしていることであります。  今日のような経済危機に際して、国民生活防衛のために配給割り当て制を導入することはやむを得ざる措置でありますが、この決定は、国権の最高機関である国会の議決によってこれを行なうのが当然であります。この当然の措置すら行なおうとしないことは、国民の基本的人権にかかわる重大事態を一片の政令によって行なおうとする田中内閣のファッショ的態度を明白に示すものであります。(拍手)  第四の反対理由は、本法案国民生活安定審議会は、わが党をはじめ野党が一致して主張してきたものとは全く異なり、国民参加のもとに、大企業の横暴や政府の大企業への追随を何ら阻止する機能を持たないことであります。  すなわち、本法案による審議会は、総理大臣または関係大臣の諮問がなければ建議を行なうことができず、現行の物価安定政策会議総会が総理の諮問がないため二年間も開かれなかった前例を踏襲する危険があります。これは、諮問の有無にかかわらず、自主的、積極的に問題を内閣に提起するという、わが党をはじめ、野党各党が主張してきた審議会とは全く異質のものであります。また、消費者をはじめ、国民各層を民主的に代表するという民主的構成も保障されていないのであります。これでは、従来の自民党政府下の審議会と何ら変わらず、大企業本位の自民党政治をおおい隠すイチジクの葉の役割りをになわせられるだけだといわなければなりません。(拍手)  いまや、国民の前には、この重大な経済困難を前にして、大企業利益を優先し、国民生活を犠牲にするのか、それとも国民多数の意思を反映して、大企業の横暴を民主的に規制し、国民生活を防衛するかの二つの道のきびしい選択が迫られているのであります。  日本共産党革新共同は、断固として自民党田中内閣の大企業奉仕の道に反対し、経済政策の根本的転換を目ざして奮闘する決意をここに表明します。(拍手)  なお、この法案委員会審議において、わが党が抜本的修正案を提起する意思を委員長に表明し、  これで私の反対討論を終わります。
  21. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) ただいまの発言中、事実の有無について、速記録を調査の上、善処いたします。  和田耕作君。   〔和田耕作君登壇
  22. 和田耕作

    ○和田耕作君 私は、民社党を代表して、ただいま提案されております国民生活安定緊急措置法案並びにその修正案に対し、賛成討論を行ないたいと思います。(拍手)  現在のわが国経済は、いまさら申すまでもなく、戦後かつてない異常な事態を迎えているのであります。とどまるところを知らないインフレ物価高、灯油、プロパンガス、紙などの各種の物不足、電力の使用制限など、国民生活を非常な混乱におとしいれ、日々の生活を強く圧迫しているのであります。  わが党は、このようなインフレの悪化を憂え、特に田中総理就任以来、政府に対して、新幹線、高速道路など大型プロジェクトの縮小、高度経済成長の転換、そしてまた、政府みずからきめる公共料金の値上げのストップなど、各種の物価抑制政策を強く提言してきたのであります。にもかかわらず、政府はこれを聞き入れず、最近の石油ショックと相まって今日の異常な事態を迎えたことは、きわめて遺憾であり、ここに鋭く政府政治責任を指摘したいと思います。(拍手)  しかしながら、この重大な事態に対して、責任を追及するだけでは対策にはなりません。私は、民社党がなぜこの国民生活安定緊急措置法案という法案と、その修正案に対して賛成するのか、その理由を明らかにしたいと思います。  石油の大幅削減という緊急事態に対処するために急遽提案されてきたものでありますし、したがってまた、その内容はいろいろの問題点を含んでいることは明らかであります。また、自由放任といういままでの経済指導のしかたが現在のインフレを招いたということは否定することはできないし、この根源を突こうと思えば、計画と統制という論理を持ってこなければならないわけでございます。この二つの問題はかなり矛盾し合ったものでございます。また、そこから生まれる政策は、きわめて広範な内容を持つものでございますし、その政策の効果がどのようにあらわれてくるか、不確定な要素を持っておると思うのでございます。  したがって、私どもは、このような法案に対してまず第一に考えなければならないことは、この法案を、緊急事態に対してまずやってみる、できるだけ正しい政策にしてやってみるということだと思います。(拍手)しかし、やってみた結果、いろいろ問題が出てくるわけでございまして、そのような問題については、ちゅうちょなく国民生活安定のために見直すことが必要だと思うのでございます。(拍手)このような意味で、私どもは、この与党との修正の折衝の最後の段階において、一年以内にその問題点を見直すという修正点が出たことを高く評価しておるわけでございます。(拍手)  第二の問題点は、この価格統制は民主的に運用しなければならないわけでございますが、このためには、消費者利益消費者の要望を無視するような結果になりがちな統制でありますから、それに対して格段の配慮が必要だということであります。  この問題について、政府原案には非常に欠けておったと思います。しかし、あるいは価格をきめるという場合に、あらかじめ国民にはかる、各利害の相違う方々に相談をするというような態度はとれないことも理解ができます。そうであれば、政府が責任を持ってやった場合にも、必ずそれを事後に消費者に、国民に納得を求めるというシステムが必要だと思います。(拍手)このような意味で、政府修正に乗ってきた、つまり国民生活安定のための審議会設置ということは、不十分ではありましても、その道を開くという意味で重要な問題だと考えております。(拍手)  私どもは、この国民生活安定のための審議会運用について、特に政府にお願いをしたいと思います。この問題は、政府の責任のがれのために、政府の好む問題だけを諮問するような態度は、絶対に避けなければならないと思います。この修正案の中にはそのことばはありませんけれども、国民に対して、標準価格決定がどのようないきさつで行なわれたか、生産費用はどれくらいなのか、適正利潤はどういうものなのか、あるいはまた、その他の費用について国民の納得を求めるための真摯な努力が必要だと思います。(拍手)このようなことについて、政府の言明を私どもは信じたいと思います。そして、もしそれができなければ、きびしく追及していきたいと思います。  また、この法案について、政府が情報の提供等についてできるだけのことをするという約束をしたことでございます。このような問題については、私は、本法の第二条で政府はそのことをするという修正をしたのでございますけれども、この問題についても審議会を重視すると同じように十分配慮をする必要があると思います。  そしてまた、この同じところにありますように、政府は初め国民生活を最優先にするという配慮が欠けておりました。この問題も修正によって不十分ながら明らかにされたことも大事な点だと思います。  以上、いろいろの問題点を申し述べてまいりましたけれども、このような問題について、私どもは、国会というこの国権の最高の機関国民生活に大きな障害、問題を与えるこの法案に対して絶えず監視をする必要があると思います。最初、この法案運営に対して、政府国会への報告という問題が欠けておったと思います。このようなことでは、この官僚統制におちいりがちな法案運営に対してきわめて不十分であったと思います。その点について、国会への報告という問題が入れられたことも評価される一つだと思うのでございます。(拍手)  以上、このような修正点は、野党四党協力をして、そしてこの一週間ほとんど夜の目も寝ずにがんばってきたわけでございまして、これはむろん民社党の努力ではありません。社会党を中心とした公明、共産を含めての野党四党の真摯な努力であったと思います。しかしながら、この段階においていま私が申し上げた幾つかの修正点について野党四党の評価の違いが出たことは残念に思っております。たぶん野党、他の諸党の方々も一生懸命に修正をして、そして、修正点については、それぞれ多少の程度はあっても、満足あるいは不満足の点があっても、その修正を心の中では評価しておると思います。そういう評価をもっと率直に出していくことが必要だと私は考えております。(拍手)なぜなれば、これはいろんな問題を規定しておりますけれども、この法案の一番大事な点は、政府がやる気になるかどうかということでございます。(拍手政府をやる気にするためには、野党も、その政府の責任を追及しながらも、政府に対して鞭撻をするという配慮が必要だと思うからでございます。(拍手)このような点におきまして、せっかく努力をしてきた野党四党のとうとい努力というものが、最後に評価が分かれたことを遺憾に存じております。  今後とも私どもは、野党諸党とも協力をしながら、政府が責任をもってこの修正の趣旨に沿って国民消費者利益のために一生懸命に責任を果たすことを期待して、私の賛成討論を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手
  23. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 有島重武君   〔有島重武君登壇
  24. 有島重武

    ○有島重武君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました国民生活安定緊急措置法案並びに自民党提出の修正案について、反対討論を行ないます。(拍手)  わが党は、当面するインフレ物価高、石油危機という事態を招来した政府自民党の大企業優先の高度経済成長政策と対米追随の閉鎖的な外交政策の責任に対し、あくまで追及してやまないものでありますが、本国民生活安定法案に関しましては、野党四党共同提案修正自民党が受け入れて、与野党の一致のもとに成立させることを目標にして、努力してまいりました。  これは、今日の事態を招いた政府自民党が、これまでの政策の失敗を反省し、文字どおり国民生活安定に取り組むことを期待したことと、今日の事態を克服するためには、政府、与野党を越えて問題の解決に当たらなければならないということにほかなりません。  政府提出の国民生活安定法の実体は、国民各層から批判のありますように、目ざす目的とは逆に、高価格安定、カルテルの実質的な合法化、国民経済統制という弊害のみ残存させる懸念の多いものであり、その中にあって才知にたけた老獪な者のみが利益をむさぼり、庶民はひたすら乏しく高価な物資を求めて、狂奔と悲嘆の日々を送らざるを得ない内容となっております。  政府原案の、こうした国民に対し安定はおろか、混乱のみを残すおそれのある法案に対し、公明党は、あくまでも国民生活の安定、消費者の擁護の立場から、大幅な修正を強く主張したのでありますが、政府自民党は、これをくみ取ろうとせず、本質的な修正を行なわずして、原案の矛盾を正面から解決する努力を避けたのであります。  わが党は、かかる法律をつくって当面を糊塗しようとするような政府自民党の姿勢こそ、逆に国民生活を破壊的な混乱におとしいれるものであり、国民の要求とはほど遠いものであると判断し、ここに反対を表明する次第であります。(拍手)  われわれが政府案にも修正案にも応ずることができない理由の第一は、この法律によっては物価の安定は絶対にできないというよりも、むしろかえって物価高騰に拍車がかかるからであります。  国民がおそれていることは、政府案及び修正案にある標準価格はどうしてきめられるのか。高値にきめられるのではないか。さらに、一度きめられた価格をどうして守らせるのか。はたして守られるのだろうかということであります。この点について、政府案及び修正案には何らの保証がありません。逆に、従来からの政府の大企業との癒着ぶりから見ても、価格構成等の決定の根拠を公開すること、あるいは価格決定に伴う立ち入り検査などがなければ、企業主導型の高位価格になることは必至と見なければなりません。すでに灯油、プロパンガスの指導価格の例に見るごとく、本法案によって、いままで廉価で販売されていたものまでが、施行当日から標準価格まではね上がり、さらには、当然のごとく標準価格を上回る取引が行なわれるであろうことも十分予想されるのであります。  第二に、課徴金について、その性格は刑事罰ではなく、行政罰の一種であるとされ、政府案においては特定標準価格を越えて販売した差益のみの徴収となっております。  特定標準価格を越えて販売したことが政府に発見されるまでのばく大な利潤は保証されていることから、何ら実質的な企業の損失とはならないのであります。価格高騰の歯どめたる効果をどうして期待し得ましょうか。  いまや、物価は完全に操作されていることは明白な事実であり、物の不足、価格上昇、緊急放出、高値安定、このパターンがいずれの物資についても見られる現状であります。もはや企業の良心に依頼することはできない。明らかに国民生活全般を度外視して、事あるごとに価格つり上げの競争が行なわれているのが現実であります。このような前提からして、微々たる課徴金など、企業が何でおそれるでありましょうか。  第三には、価格を安定させるために最も必要である生産、流通に対し、有効な手段を打とうとしていないととであります。  幾ら価格をきめたとしても、供給が円滑に行なわれないとしたならば、価格は安定しようはずがありません。政府並びに修正案は、生産輸入保管売り渡し輸送等につき、指示に反した場合でも公表程度にとどめているのでありますが、このような及び腰で供給確保されるでありましょうか。私は、指定された物資において、利潤確保のため恣意的に供給を滞らせようとする者に対し、公表は当然のこととし、命令という手段を講ずるべきだと主張するものであります。(拍手)  第四に、修正案は、国民の意向に密着した民主的な措置を意識的に排除し、政府の独善的な措置を講じようとしていることであります。  わが党は、より民主的な方法によって法律運用するために、国民生活審議会並びに住民生活審議会設置を要求したのでありますが、自民党修正案の中には、単に従来どおりの御用審議会程度設置しか認められておりません。  審議会によって厳密な価格設定生産保管輸入売り渡し等が民主的にはかられてこそ、国民の意思を反映させることができるのであります。政府は、行政措置の迅速性のみを強調し、国民の切なる声を聞こうとしないことは納得できないのであります。  さらに問題なのは、割り当て配給における国会の事前議決を無視したのみならず、事後の承認さえも葬り去ってしまったことであります。戦中、戦後に見られた統制が統制を呼ぶという事態を避けるためにも、あるいは割り当て配給が民主的に行なわれるためにも国会の事前議決が必要であり、少なくとも国会の事後承認が必要となるのは当然であります。政府の権限を野方図に拡大しようとする国民無視の姿勢は、絶対に認めることはできません。(拍手)  第五に、買占め売り惜しみ規制法を改正し、おそまきながら野党の主張どおり売り渡し命令規定を設けたものの、実際の売り渡しの段階においては、売り渡し価格を当事者間の協議によって行なおうとし、売り渡し命令によって価格上昇を招くという、大企業擁護の骨抜き措置をとっていることであります。  以上、おもな点を申し述べましたが、当面している異常事態は、単に法律を制定すればこと足りるというものではありません。重要なことは、政府政府の責任において物価を安定さぜるという強い決意に立って、大企業の投資を中心とした総需要抑制政策、あるいは価格つり上げ便乗値上げが大企業の思うままに行なわれている現行の産業構造、市場構造そのものにメスを入れる独禁政策の確立がなされなければなりません。  わが党は、今後とも政府自民党に対し、かけ声だけの物価対策を追及すると同時に、いっときも早く物価の安定が実現できるよう全力をあげることをここに表明し、政府案並びに自民党提出の修正案に対し、反対討論を終わります。(拍手
  25. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。  本案委員長報告修正であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  26. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————
  27. 前尾繁三郎

    議長前尾繁三郎君) 本日は、これにて散会いたします。    午後五時五十一分散会      ————◇—————  出席国務大臣         通商産業大臣  中曽根康弘君         国 務 大 臣 内田 常雄君      ————◇—————