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青柳委員 例年のごとくに不
採用者が出る、それが最初からのことであればもう恒例のような形になってしまうわけでありますが、四十五年から始まって現在に至っている。したがって五年連続ということになるわけでありますが、いずれも
青法協会員である人が含まれておったということが
一つの
理由になって、いっときは非常に激しい
反対運動までも巻き起こるようになったわけでありますが、いずれにしても毎年毎年不
採用者が出るということはたいへん残念なことでございます。ことしは
希望者も多かったし、また
採用者も多いという点では特色があるようでありますが、それでもなおかつ
裁判官の定員は十分に充足されないという
状況のもとで、せっかく
希望をするにもかかわらず排除されてしまう、拒否されてしまうというようなことがあるのは非常に残念でございます。もちろん
裁判所としては、数ある
司法修習卒業生の中からすぐれた
裁判官になる人を望まれるのはわからないわけではないんだけれ
ども、少なくとも卒業ができた人、つまり
法曹資格は完全に取得した人でありますから、これは人によっては、
裁判官向きとか、
検事向きとか、
弁護士向きとか、中には
学者向きというように、それぞれの傾向の差はあるでしょうが、客観的にそれが評価されて、はたしてそのとおりのものであるか、また主観的に、
本人が
希望するから、それがいいというものでもないでしょうけれ
ども、少なくとも
裁判官になりたいという
希望を持っておられる方が、わずかとはいえ——場合によっては非常に多かったときもあるわけで、七人も不
採用になったこともございますから、排除されるということは非常に遺憾である。また最後までその
希望を撤回しない人が結局は排除になるわけで、それ以前にいろいろの
事情で
希望を撤回する人も相当数あるようであります。その不
採用の
原因は、
本人の
人格というものがおもな
理由になりますけれ
ども、それ以外、やはり
人事の機密という
理由もあって明快にはされない。したがって同じことが毎年繰り返されていくということは制度的に何か欠陥があるのではなかろうか。
一つの関門は、
法曹資格を獲得するという点でもう突破しているわけですね、ところが
採用の点ではそうはいかぬ。これは大学を出たから必ず就職できるというものでないというものとはまた質が違ってくるのではなかろうかというふうに思うわけです。したがって、
希望者は一人も不
採用にならぬというようなことを期待することは現実問題として不可能かもしれませんけれ
ども、何とかできるだけ大ぜいの人が
希望をかなえられるようにする、また例外的にそれがかなわないのは決して
採用者側の恣意的な
やり方ではなくて公正な
やり方でそうなったんだということが保障されるようなそういう
措置というものはとれないものか。たとえば非常にむずかしいことではあろうかもしれませんが、ある種の
選考委員会のようなものができておって、単に
最高裁の
裁判官あるいはその準備をする
総務局ですかの
段階、
人事局などの
段階だけでなしに、他の者も加わるような形の
委員会があって、そこで
選考を行ない、最終的には
最高裁判所の
会議でリストをつくるというようなことはできないものだろうか。そうすれば
一般の信頼をも保障することができるし、また
本人も
十分納得をされるであろうというふうに思うわけです。こういう点は、もうすでに五年もこういう問題が起こり続けておるわけでありますから、ことしこの
人たちが何か公然と訴えを発表するか運動するかどうかそれは知りません、知りませんけれ
ども、少なくともいままではそういう
状況があったわけでありますから、
最高裁判所として前向きに検討されたことがあるかどうか、この点を
お尋ねをしたいと思います。