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沖本委員 今
国会の
予算委員会でも、
企業の
モラルなり何なりということが非常に問われておるわけですね。そういう観点から見ていきますと、おそらく
考え得るということになりますし、あるいは公取でもいままでがまんしてきたけれ
ども、この際だから一罰百戒でやるということで告発しているというふうな非常に流動的な
内容があるわけですね。ですから、そういう点をにらみ合わせていきますと、おっしゃるとおり、ただ
数字だけ見たんでは
答えは得られないというお
答えなんですけれ
ども、その辺にやはり科学的な
データなり何なり、
数字から、よってくるところの
効果とかいろんなものの中から、十分この
公害罪が
役割りを果たしておるというふうなものが出てこなければならないんじゃないだろうか。胸を張って、この
法律は
十分効果が出ておる、こういうふうなことでなければならないと思うわけです。この
法律をつくるときに、私
たちはそういう
効果を十分
考えながら、「おそれ」の字を入れてもらわなければ困るということを申し上げたわけなんですね。そういうものがないから、われわれはこういう結果に終わるんではないだろうかというふうに
考えられるわけです。したがって、
現実にある問題は、決して自然的な
環境がよくなっているということは
考えられないということにあるわけですから、
モラルの低下しているときですから、やはり、そういうふうな
内容のものも厳密に
考えてやっていただく必要があるんじゃないか、こういうふうに私は
考えておるわけでございます。
さらに、この
公害罪の
法律をつくる
段階において、
薬品とか食品とか
農薬あるいは騒音とか
複合公害の
防止についても入れるべきであるということで、入れないでいいとか入れるほうがいいとかという議論が盛んに行なわれたわけです。そして、結果的には
公害罪の
適用から除外されたというのが事実なんです。現在は、
国会においても、社会においても、先ほど申し上げたとおり、
企業の
モラルというものが、いま
予算委員会でも問題をどんどん追及していっているというふうになっておりますし、大きな問題になり、
国民が一番関心を寄せておるということになるわけです。ですから、片一方では、
物不足とかあるいは
物価が狂いまくっておるという裏には、いろいろな
企業の
働きがあって、そういうつくられた
物価とか、何かこれは
関係ないような話をしておりますけれ
ども、同じようなことがやはり、製品をつくる
段階においては、
モラルの低下というものは結果的には
水質をよごしていったり
大気を汚染したりする
内容のものが出てくる。極端な例をいいますと、
セメント製造業者は、昼間は目で見えますから、あまり
作業をしないけれ
ども、夜になると猛然と
作業を開始していくということは、
セメントを積んでいる
運転手が言っているわけです。車で入ってヘッドライトが全然届かなくてクレーンの柱にぶつけそうになることは幾らでもある。こんなものは、完全にこういう問題を除外している一つの例でもあるわけなんですね。そういうふうに、実際に
モラルというものが落ちておるということは事実なんです。
これは先ほどの話に戻りますけれ
ども、
日本で禁止された
農薬の
DDTあるいは
BHCが海外、特に
東南アジアに
輸出されておるという点につきまして、
三木環境庁長官は、害になるものは
輸出すべきでない、こういう
答えをしておりますし、
田中総理も、
東南アジアを訪問したときに、
タイの
学生との間の
やりとりで、
公害は絶対
輸出しない、こういうふうな言明もしてきておるわけです。
日本で禁止された
農薬は
残留性が非常に強くて人畜に
毒性が非常にある。また
生態系の破壊とか
環境汚染、
慢性中毒、
発ガン性の疑いがあるからというような理由から、これは禁止されておるわけです。公衆の
生命または身体に危険を生ぜしめるような
農薬に対しては、結局
法務省としては、あるいはこの
法律を担当しているところの
刑事局としては、どういうふうなお
考えを持っておられるか。この
農薬を
輸出してもいいかどうかという点について、これは人道的な問題にもなってくるわけで、そのために
人権擁護局長をお呼びしているわけですけれ
ども、まず
大臣にこの問題についてお伺いしたいと思うのです。