○正森
委員 そういうお話ですが、西田健次郎という男は、赤軍を上回るあらゆる戦術行動を駆使し、屋良を打倒するために立ち上がろう、こういう演説をデモ出発前にしておるのですね。しかも、この西田健次郎という男は、警察ではとくとお調べでしょうが、前の
名前を金城健次郎といいまして、西田というところへ養子に行ったのです。金城健次郎というのは、ここに私は判決を持ってきましたが、一九六八年十月二日判決で、窃盗及び暴力行為等処罰に関する
法律違反ということで判決を受けております。これが自民党のコザ市
会議員だそうです。ですから自由民主党の体質というものがわかるわけですが、こういう人が、赤軍を上回るあらゆる戦術行動を駆使して、屋良を打倒するために立ち上がろう、こういうような
状況だのに、われわれは、琉球大学でそういう事件が発生したから、それに部隊が行かないというのはこれはよろしくないと思いますよ、部隊は回すべきだ。しかし、二個中隊おるうちに、現地の新聞記者から聞いたところでは、制服の機動隊はただの一名もおらない。せめて一個小隊でも残しておくということくらいできそうなものだのに、二個中隊を全部向けてしまうということをやっておるのですね。
しかも、私は、彼らが中へ入ってからのことも聞きましたけれ
ども、
代表五名ということになっておる。ところが、三時四十分ごろですか着きましたときに、先頭の自民党の宣伝カーが、知事室に突撃しろ、突っ込め、寒いからどんどん中へ入れということを、宣伝カー及びその付近の自民党員とおぼしき者がどんどんしゃべっている。宣伝カー自体でそう言ったのを聞いたという人もおる。そして、そういうのに呼応して、自民党の市
会議員の金城重正という男が先頭に立ってなだれ込んでおる。いいですか。何人かの不心得者が言ったのじゃないのです。先導しておった自民党の宣伝カーが、知事室に突入せよとか、寒いから中へ入れとか言い、金城重正という議員が先頭になって入っておる。組織的にこういうことをやったと言われてもしかたがない。
そして、私は警察に伺いたいのですけれ
ども、まず
最初に副知事室に行きまして、副知事室でのやりとりが——それは、「屋良たっくるせ、」だとか、「かあはがれんどう、」とかいうようなことを言うのですから、普通の零囲気じゃないということで、まずその時点で、秘書課長補佐の比嘉さんが那覇警察署の警備課へ電話をしておる。そうすると、間もなく副知事室のガラスが破られた。私はここに証拠写真を持ってきましたが、こういうぐあいに外のガラスを割られているのですね。警察のほうにも証拠が出ているはずです。そこで、これはたいへんだということで再度電話した。それでも来ない。秘書課の職員や総務部長や副知事は知事室で、屋良さんが五名だけなら会いましょうということで待っておられる、その屋良さんを守っておったら、そこへ
代表五、六人が入るのと同時に、あなたのおっしゃったように百名余りがどっと入ってきた。それで知事を守ろうと思って、知事のまわりをこういうぐあいにかばうようにしたら、それをゴボウ抜きしていって、隣の応接室や秘書課へ連れていって、なぐる、けるの暴行を加えておる。知事の執務室に土足のまま上がる、来客用のテーブルの上に上がる、そうしてテーブルがこわれてしまう。その残滓はあなたのほうの那覇署に証拠物件として押収されておるはずです。任意
提出を受けておるはずです。ここに写真があります。これはとにもかくにも決議文を読んでおるところ、決議文を読んでおるときにも「屋良たっくるせ」ということを盛んに言っておる。それがだんだんと喧騒になってきて、この写真ではどうですか、知事室にプラカードまで持っていって、険悪な顔をしてつかみかかっておる。これがテーブルのこわれた現場写真です。いいですか、これを自民党の県連の
代表がやっておる。しかも、この写真を見ますと、どうです、全員自由民主党という日の丸入りのはち巻きをしておる。そしてプラカードがありますが「自民党与那城村支部大いに奮闘」とこう書いてあって、しかもこのプラカードで、たとえば比嘉という秘書課長補佐は頭をぶんなぐられておる。自民党という政党は、大いに奮闘というのは、知事室へこういうものを持って入ってきて、ぶんなぐるのに大いに奮闘する政党か、現地ではみなそう言っている。ここに写真があります。
そういうような
状況になったので、比嘉という秘書課長補佐は、知事を守ろうと思ったけれ
ども、えり首をつかまれて部屋の外へたたき出された。そこで三度目にもう一度電話した。それでも来ない。次々に職員が引っぱり出されて、ほぼ一番
最後に、瀬底という係長が、自分が
最後に引きずり出されたので、大城という参事の指示を受けて、警備課へ何べんも電話したけれ
ども話し中だ、やむを得ず一一〇番に電話をして、それからさらに二十分以上たってからでないと来なかった。
自民党はもちろん悪いです、よろしくない。しかし、警察が、いかに殺人事件が突発したとはいえ、県庁が暴徒によって占拠されて、知事室でこういう乱暴ろうぜきが行なわれており、電話を三べんかけ、四へん目はかからないから一一〇番に電話をして、それからなお二十分たってからでないと来なかったというのは、これは幾ら何でも怠慢のそしりを免れない。
警察法の二条では不偏不党、公平中正なんていっているけれ
ども、やっぱり自民党の国家公安
委員長であり、
法務大臣であるということになれば、警察は自民党の集会やデモには、またこういうように暴徒と化しておっても、遠慮をして出てこないのかどうか。そういうことだったら、警察の
立場としてとんでもないことだと思うけれ
ども、なぜこういうぐあいに出動がおくれたのか、そのことを伺いたい。