○山根説明員
お答え申し上げます。まず第一点の、技術的に可能であるかどうか、こういう点でございます。先ほど
先生御
指摘の、現在圃場整備をしてございます北側の橋梁の部分から塚原台地を迂回をいたしまして南下をいたします東側を通るルートが可能か、こういうことでございます。これは高速道路そのものの規格、平面線形、縦断線形、それから高速国道としての安全性を確保するという観点から、やや前後にわたった線形上の調和の問題がございます。こういった観点からいたしますと、いま懸案となっております区域以上の区間についてかなり全面的に検討をし直さなくちゃいけないという問題がまず第一点出てまいろうかと思います。また、かりにそういたしますと、より大きな問題になってまいりますので、これは一応対象からはずすといたしまして、いま
先生の御
指摘の区間だけについて申しますと、線形上の問題ひいては安全性その他の問題からいって、技術的に非常に適切な線形が得られないというぐあいに
考えております。
それから第二以降の問題でございますが、これはかりにルートを変更した場合に、具体性ないし妥当性があるのか、こういう御
指摘であろうかと思います。圃場整備の問題につきましては、四十六年度に用地買収をいたしました段階から、たくさんの
関係者の
方々の御
協力のもとに、現在の高速道路の敷地をいわば生み出していただいたという経緯があるわけでありまして、これを東側にルートを変更いたしますとすると、四十六年までに路線発表いたしましてから用地買収をいたしますまでの間の努力を、さらにこれからいたさなければならなくなるわけでありまして、これには非常にたくさんの
方々の御
協力をあらためて得なければならない、こういう問題が出てまいるわけでございます。
第三に、池の問題がございました。この池をどうする。この点につきましては、すでに土地改良等が進んで、一部には、この用水池そのものはすでに機能を果たしていない、こういうようなお話を承っておりますが、やはりこの用水、いわば用水の池と申しましても、消防用水その他いろいろな観点からの利用もあろうかと思いますし、そういった点の
調査につきましては、現在いたしておりませんが、この点につきましては、むしろこの用水池そのものがいわばあの地域の自然景観の
一つをなしておるといった観点から、われわれとしましては、現段階においてこの池をつぶすという案には、いささか大きな疑問を感じておるところであります。
第四の、この東側に接続のルートの問題としては、家が三軒ばかりかかる、こういう問題がございます。実はこの家屋並びにこの周辺には森が残されておるわけであります。したがいまして、家を含めた塚原台地の東側に展開をいたしておりますいわば自然環境の問題が新たに出てくるわけでありまして、これにつきまして、これはいろいろな評価の問題もあろうかと思いますが、当初路線選定をした趣旨から申しますと、そういった点を勘案をして路線を設定をいたしたという事情がございますので、われわれとしましては、これまた大きな問題が残されておるというぐあいに
考えております。
最後に、用地の単価の問題がございました。単価の問題に、用地の買収を新たにするとしても、四十六年度時点と現在の時点とのいろいろな差額の問題があります。
一体どういうぐあいに負担をしてまいるかといったこともあろうかと
考えるのであります。
以上、圃場整備の問題、用水池の問題家屋移転の問題用地取得の単価の問題といったことを勘案をいたしますと、これは現時点でこの具体性がどうか、こういう判断になりますと、非常に至難のわざではなかろうかという判断をいたしておるわけであります。城南町長さんは、これがある程度のめどがついておるというお話があったのでありますが、われわれこの付近の事情から推察をいたした限りでは、かなり生活環境の問題その他用地の移転等々の問題がございまして、当初用地の取得をいたしましたとき以上の非常に大きな問題が派生をしてまいるという危惧を実は持っておるわけでございます。
こういったような観点から、高速国道の路線を、現在路線発表いたしました中で変更したという事案はないわけでありまして、先ほど局長から答弁申し上げましたように、現在の路線でどう保存の方法等を
考えていくかということを第一義として検討をいたしておるところであります。