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1974-03-15 第72回国会 衆議院 文教委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年三月十五日(金曜日)     午後六時十一分開議  出席委員    委員長 稻葉  修君    理事 坂田 道太君 理事 塩崎  潤君    理事 西岡 武夫君 理事 松永  光君    理事 森  喜朗君 理事 小林 信一君    理事 山原健二郎君       越智 伊平君    久野 忠治君       河野 洋平君    田中 正巳君       楢橋  進君    三塚  博君       宮崎 茂一君    森  美秀君       山崎  拓君    嶋崎  譲君       栗田  翠君    有島 重武君       高橋  繁君    安里積千代君  出席国務大臣         文 部 大 臣 奥野 誠亮君  出席政府委員         内閣法制局第二         部長      味村  治君         文部政務次官  藤波 孝生君         文部大臣官房長 井内慶次郎君         文部省大学学術         局長      木田  宏君  委員外出席者         自治省財政局指         導課長     高田 信也君         文教委員会調査         室長      石田 幸男君     ————————————— 委員の異動 三月十四日  辞任         補欠選任   高見 三郎君     田中 正巳君 同月十五日  辞任         補欠選任   上田 茂行君     越智 伊平君   床次 徳二君     森  美秀君   林  大幹君     宮崎 茂一君 同日  辞任         補欠選任   越智 伊平君     上田 茂行君   宮崎 茂一君     林  大幹君   森  美秀君     床次 徳二君     ————————————— 三月十四日  兵庫県に教員大学設置反対に関する請願小林  信一紹介)(第二四九五号)  私学に対する公費助成増額等に関する請願外一  件(木島喜兵衞紹介)(第二四九六号)  同(小林信一紹介)(第二四九七号)  同(柴田睦夫紹介)(第二四九八号)  同外一件(長谷川正三紹介)(第二四九九  号)  同(馬場昇紹介)(第二五〇〇号)  同(米原昶紹介)(第二五〇一号)  同外一件(有島重武君紹介)(第二五三六号)  同(小林信一紹介)(第二五三七号)  同外一件(小林信一紹介)(第二五七〇号)  同(佐野進紹介)(第二五七一号)  同(土橋一吉紹介)(第二五七二号)  同外一件(山本政弘紹介)(第二五七三号)  同外一件(佐野進紹介)(第二六〇〇号)  同(山本政弘紹介)(第二六〇一号)  同(青柳盛雄紹介)(第二六二三号)  同(和田耕作紹介)(第二六二四号)  同外一件(高沢寅男紹介)(第二六二八号)  同(清水徳松紹介)(第二六四七号)  同(金子みつ紹介)(第二六七一号)  同(佐々木更三君紹介)(第二六七二号)  私立小・中・高等学校振興法制定に関する請願  (土井たか子紹介)(第二五〇二号)  同(土井たか子紹介)(第二五三八号)  同外十三件(三原朝雄紹介)(第二五三九  号)  同(島村一郎紹介)(第二五七六号)  同(野坂浩賢紹介)(第二五七七号)  同(内海英男紹介)(第二五九九号)  同外二件(高見三郎紹介)(第二六二九号)  私立幼稚園教育振興に関する請願上村千一郎  君紹介)(第二五四〇号)  同(海部俊樹紹介)(第二五四一号)  同(灘尾弘吉紹介)(第二五四二号)  同(島村一郎紹介)(第二五七五号)  同(渡海元三郎紹介)(第二五九八号)  東京大学医学部付属病院精神神経科小児部の診  療制度確立に関する請願木島喜兵衞紹介)  (第二五七四号)  学費凍結法制定等に関する請願木島喜兵衞君  紹介)(第二五七八号)  青梅市に国連大学本部誘致に関する請願(大野  潔君紹介)(第二五九七号)  公立文教施設整備に関する請願吉田法晴君紹  介)(第二六七〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国立学校設置法の一部を改正する法律案内閣  提出第二三号)      ————◇—————
  2. 稻葉修

    ○稻葉委員長 これより会議を開きます。  国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。栗田翠君。
  3. 栗田翠

    栗田委員 私は、今度の国立学校設置法によってつくられます三つ医大参与の問題を最初に伺います。  これはいままでの審議の中で幾人かの委員の方が質問していらっしゃいますが、去年の筑波大学法案審議経過もありますし、この参与が置かれるということがいま非常に大きな世論を呼び起こしておりますので、この内容をはっきりさせていくということはやはり国民に対する責任だと思っております。  それで、まず伺いますが、先日以来の御答弁の中で、この参与というのは筑波大学に置かれている参与会とは別のものであるということを幾度かおっしゃっておりますが、そのとおりでございますね。
  4. 木田宏

    木田政府委員 そのとおりでございます。
  5. 栗田翠

    栗田委員 参与会ではなく、参与であるということをおっしゃっています。法制局に伺いたいと思いますが、参与会参与の最も大きな違いというのはどういうところなのでしょうか。
  6. 味村治

    ○味村政府委員 私、従来の審議経過を実は存じませんので、はっきりしたことを申し上げかねますが、参与会と申しますれば一種の合議体でございますし、参与と申しますのは単独職務であろうかと思います。
  7. 栗田翠

    栗田委員 参与会合議体であって、参与単独職務だということになりますと、たとえば学長などが意見を聞くような場合に、単独でその意見を述べられるということが出てくるわけですね。
  8. 木田宏

    木田政府委員 いろいろな聞き方ができると考えております。
  9. 栗田翠

    栗田委員 法制局に伺います。いまの点でいかがでしょうか。合議体と単議体といいますか、単独職務の場合ですが、意見を聞く場合に単独で答える、協議せずに自分で判断してお答えになるということが出てまいりますね。
  10. 味村治

    ○味村政府委員 合議体でございますれば、合議体としての意思を表示するということに相なりましょうし、単独体でございますれば、単独機関といたしまして学長に対してその学長諮問に応ずるなり何なりいたしまして意見を述べるということになろうかと存じます。
  11. 栗田翠

    栗田委員 続けて法制局にもう一度伺いますが、合議体である場合、合議制である場合、それから単議制である場合、おのずからその諮問内容というものは変わってくると思うのですが、いかがでしょうか。それにふさわしい内容になってくるのではないだろうかと思いますが、いかがでしょうか。
  12. 味村治

    ○味村政府委員 これは合議体であるか単独体であるかということによりましてそのような区別があるかどうかということについては、必ずしもそのような区別は私は論理的にはないのではなかろうかと存じます。ただ、合議体であるということを考慮いたしまして、学長がその合議体にふさわしい諮問をする、単独体であれば単独体にふさわしい諮問をするということはあるかと思いますが、理論的に絶対に諮問事項が異なるということはないように考えます。
  13. 栗田翠

    栗田委員 文部省に伺います。いままで参与会というのが筑波大学へ置かれたけれども、今度は参与という単議体の形にされたその一番おもな理由は何でしょうか。
  14. 木田宏

    木田政府委員 大学がいろいろな形で学外者意見参考にする、そういう大学のやりやすいような形を考えておきたいということでございます。
  15. 栗田翠

    栗田委員 合議体ですとやりにくいわけですか。その辺をもうちょっと……。筑波の場合は合議体であったわけですが、それをわざわざ単議体になさった、それがやりやすいとおっしゃいますが、その内容をもう少し具体的にお話しください。
  16. 木田宏

    木田政府委員 筑波大学の場合には、昨年御審議いただきました際にも、筑波大学創設以来のいろいろな経緯がございまして、参与会というものに関係者考え方がこめられておりまして、そういう参与会としての組織大学組織一つとして置きたいという関係者意向を受けまして、人事委員会評議会等とあわせて参与会というものを構成させていただきました。しかし、今回の場合には、いろいろな意見の聞き方は大学考え方にゆだねてよろしい、こう考えておるわけでございます。
  17. 栗田翠

    栗田委員 筑波の場合、参与会を置かれたのはあくまでも大学意向に沿ったものであるからだ、それが理由だとおっしゃるわけですね。
  18. 木田宏

    木田政府委員 東京教育大学が用意いたしましたいろいろな考え方を尊重したものでございます。
  19. 栗田翠

    栗田委員 それでは次の点で伺いたいと思います。  先日、嶋崎委員の御質問があった中で、今後新設される医科大学には参与を置きたいとおっしゃったと思いますが、もう一度確認させていただきます。そのとおりでしょう。
  20. 木田宏

    木田政府委員 医学の特質考えて、そういう職を考えて置くことの意義があろう、こう思っております。
  21. 栗田翠

    栗田委員 医科大学でない大学が新設された場合はどうでしょうか。
  22. 木田宏

    木田政府委員 今後具体のケースにつきましてまた考えたいと思います。
  23. 栗田翠

    栗田委員 それでは、今回三医大参与を置くことは医科大学という特質から出ているというお話ですが、特にどのような特質から出ているのか、参与を置く必要をどういうところにお考えになったのか、その御説明をお願いいたします。
  24. 木田宏

    木田政府委員 すでに各地域の方々が、医科大学地域医療のあり方とも関連して待望をしておられるのであります。私は、地域医療関係医科大学の間には緊密な関係がある、その意思の疎通をはかっていく必要があろう、こう考えた次第でございます。
  25. 栗田翠

    栗田委員 地域医療との関係地域意見を広く聞きたいとおっしゃっております。それでは今度置かれる参与メンバー構成ですが、大体どんな構成にしようと考えていらっしゃるのでしょうか。
  26. 木田宏

    木田政府委員 大学考え方にゆだねたらよかろうというふうに思っております。また、先ほど地域医療との関係が緊密だというふうに申し上げましたけれども、医療だけに限ることはございますまい、医科大学教育、研究、いろいろな面を含めてお考えいただいたらいいかと思います。
  27. 栗田翠

    栗田委員 私も地域意見を取り入れるということは必要なことだと思います。モニター制度というのがよくありますが、そうやっていろいろ意見を広く聞くということもできますけれども、こんなふうな精神だと考えてよろしいでしょうか。
  28. 木田宏

    木田政府委員 いろいろな聞き方があるであろう、どれでなければならぬというふうには考えません。
  29. 栗田翠

    栗田委員 人数についても大学判断にゆだねると前回おっしゃったように思いますが、そのとおりでございますか。
  30. 木田宏

    木田政府委員 基本的にはそれでいいんだろうと考えます。
  31. 栗田翠

    栗田委員 参与の持っております権限ですけれども、筑波大学のときには、学長諮問に応じ、また助言勧告をするということになっておりました。今度置かれます参与はどんな権限を持つものだとお考えでしょうか。
  32. 木田宏

    木田政府委員 それも大学考えるところで、かなり幅のある扱いができるようにしておきたいと思っております。
  33. 栗田翠

    栗田委員 それでは、その諮問する内容ですね、どんな問題について参与が発言するかということですが、筑波大学のときには「大学運営に関する重要事項」となっておりました。今度の場合はいかがでしょうか。
  34. 木田宏

    木田政府委員 学長判断にゆだねてよいと考えます。
  35. 栗田翠

    栗田委員 任命権者はどうなるでしょうか。だれが任命いたしますか。参与をだれが任命しますか。
  36. 木田宏

    木田政府委員 国立大学に置かれます職の任命権者文部大臣でございます。
  37. 栗田翠

    栗田委員 そうしますと、参与職員でございますね。公務員になるのでしょうか。その辺の身分はどう考えていらっしゃいますか。
  38. 木田宏

    木田政府委員 非常勤の職でございます。
  39. 栗田翠

    栗田委員 任命の手続はどうなるのでしょうか。
  40. 木田宏

    木田政府委員 今後大学との御相談でそれもいろいろに考えることができると思いますが、文部大臣任命権に留保するか、あるいは学長任命権をゆだねるか、いろいろなやり方があるのではないかと思っております。
  41. 栗田翠

    栗田委員 参与の任期についてはどう考えていらっしゃるでしょうか。
  42. 木田宏

    木田政府委員 これも現在の段階で特にどのようにというふうに考えておるわけではございません。今後十分いろいろなことを検討してみたいと思っております。
  43. 栗田翠

    栗田委員 筑波大学の場合は、年次計画、それから実施状況の報告を受けるということになっておりましたが、こんなことについてもそれではまだきまっていないわけですね。
  44. 木田宏

    木田政府委員 医科大学ができました際に大学関係者がいろいろと意義のある運用をお考えくださる、こういうことになろうと思います。
  45. 栗田翠

    栗田委員 それでは基本として、文部省のお考えは、今度の参与についての細目はすべて大学の自主的な考えにまかせるというお考えですか。
  46. 木田宏

    木田政府委員 そのとおりに考えております。
  47. 栗田翠

    栗田委員 参与を置くか置かないかという判断大学におまかせになりますか。
  48. 木田宏

    木田政府委員 非常勤の職として省令設置すべきものと考えております。
  49. 栗田翠

    栗田委員 いまのお答えですと、それでは、置くということになるのであって、置く必要がないと大学判断した場合でもこれは置かせるということですか。
  50. 木田宏

    木田政府委員 職の設置でございますから、国立学校設置法の定めに従いまして文部省令でそのことを明らかにしたい、こう考えます。
  51. 栗田翠

    栗田委員 そうしますと、省令で定めるということは、つまり置かせるということをきめる、職をきめるというところに文部省目的があるわけですね。
  52. 木田宏

    木田政府委員 法律の十条でございますか、職の種類は文部省令で定めると、こう書いてございます。
  53. 栗田翠

    栗田委員 以前、筑波大学参与会法律できめてありました。今度は省令で定めることになっております。  法制局に伺いますが、一般的、常識的に考えて、法律できめられたもの、その機関の持っている職務内容省令で定められているものの職務内容が同じであるということはありますか。それとも常識的にいえば、法律できまっているものより省令で定められているもののほうが軽いといいますか、責任が軽いということになるのでしょうか。
  54. 味村治

    ○味村政府委員 これは私もはっきりいたさないことでございまして、一般論として法律で定まっている職と、それから省令で定まっている職との重要性ということを論ずるならば、一般的にいえば法律で定まっている職のほうが重要だということがあるいは言えるかと存じますが、ただ、職の重要性ということは非常にいろいろな要素を考えなければなりませんので、一がいにどちらが重要、どちらが軽微だということはなかなか言えない場合も多いのじゃなかろうかと存じます。
  55. 栗田翠

    栗田委員 では、重ねてもう少し具体的に伺います。  すべての内容大学にまかせるというお話でした。置くこと以外は全部まかせる。それならば、たとえば参与権限について、筑波大学と全く同じように、諮問に応じ、また助言勧告権限も持っているようにしたいと大学がおきめになる、しかもその内容は、大学運営に関する重要事項についてまで参与関与するということになった場合、これは一番基本的な権限とその内容が、筑波大学できめられている参与会と全く同じものになるわけですけれども、こういう場合、筑波参与会法律できめられています。それ以外のものを省令できめる、こういうことは普通できるのでしょうか。やっている例があるのでしょうか。法制局に伺います。
  56. 味村治

    ○味村政府委員 そのような例があるかどうか、私は、不敏にして存じないわけでございます。先ほど木田局長も申されましたとおり、設置法の十条で職は省令できめることになっておりますし、組織運営及び細目は、これも文部省令で定めることができるようになっておりますから、その範囲内におきまして文部大臣文部省令でおきめになるということは当然許されることであろうかと存じます。
  57. 栗田翠

    栗田委員 省令で定められるのは国立学校組織とその運営細目だと思いますが、そうしますと、この参与というのは国立学校内部組織になるわけですか。
  58. 木田宏

    木田政府委員 国立学校に置かれる職でございます。
  59. 栗田翠

    栗田委員 いろいろと伺ったところ、ほとんどの点は大学考えにまかせるとおっしゃっておりました。しかし、いま内部の職であるというふうにおっしゃいます。参与は、これは学外者によって構成されるものですか。
  60. 木田宏

    木田政府委員 非常勤の職でございます。どういう人を採用するかは発令をするときの問題だと思います。
  61. 栗田翠

    栗田委員 それでは、採用されれば学内者になるのだというお考えですね。
  62. 木田宏

    木田政府委員 たいへん恐縮でございました。ちょっとお尋ねを聞き漏らしました。
  63. 栗田翠

    栗田委員 採用するまでは学外者であっても、採用されたらこれは学内者であるというお考えですね。
  64. 木田宏

    木田政府委員 非常勤講師もそういうことでございまして、同じようなことだと考えます。
  65. 栗田翠

    栗田委員 非常に重要なところで文部省はきめていらっしゃるのですが、大体省令でおきめになるといいますけれども、いろいろな学校三つ大学参与というのがそれぞれいろいろな違った内容を持ってくるということが、いまのようなやり方ですと、出てまいりますね。そのときにそれを一つ省令できめるということが一体できるのでしょうか。文部省考えていらっしゃる省令というのはどういう省令なのか、その内容お話しいただきたいと思います。
  66. 木田宏

    木田政府委員 非常勤の職を設けまして、いろいろ関係者意見を聞き得る、こういうふうにするという点ば共通でございまして、それをどのように運営するかというのは大学のお考えにゆだねてよろしいと思っております。
  67. 栗田翠

    栗田委員 私がいま伺ったのは、もう少し具体的なことを言っていただきたかったわけです。そういう非常勤の職だとおっしゃいますが、参与の持っている権限、それから諮問だけかどうか、それもはっきりしないのですが、関与していく内容人数構成メンバー、いろいろみんな違うわけなんですね。それを一つ省令で規定していくということがどういう形でできるのかということです。相当包括的なものでなかったらこれはできないだろうと私思いますが、一体文部省はどういう省令をつくろうとしていらっしゃるのか、その内容を具体的にお聞かせいただきたいのです。
  68. 木田宏

    木田政府委員 大学の定めるところによりまして、学長参考にするためのいろいろな意見を聞く職として参与を置く、こういうふうに考えております。
  69. 栗田翠

    栗田委員 すみません。もう一度言っていただけませんか、私よく理解できませんので。
  70. 木田宏

    木田政府委員 当該大学の定めるところによって参与を置く、こういうことに考えております。
  71. 栗田翠

    栗田委員 当該大学の定めるところにより参与を置く、これだけになるわけですか。参与という職を置くというそのことだけが省令できまるわけで、参与内容については一言も触れない。当該大学の定めるところにより参与を置く、これだけの省令になるわけですか。
  72. 木田宏

    木田政府委員 大学のいろいろな幅広い運営に関しまして有識者の意見を聞くというのが参与目的でございますから、そうした目的設置のことを書くことになる、こういうことでございます。
  73. 栗田翠

    栗田委員 先ほど、参与を置かれる精神というのは、広く地域意見を聞くということだとおっしゃっていました。私、精神としてモニターのようなものですねというふうに申し上げたのですけれども、もしそういう目的だけで参与を置くのでしたら、わざわざ非常勤職員という形で置かなくても、幾らでも方法はあるのではないかと思うのです。総理府モニターというものを置いていますけれども、あれはどういう形で置かれておりますか。
  74. 木田宏

    木田政府委員 詳細を私承知しておるわけではございませんが、総理府の職として置いているものではないと思います。いろいろな関係者意見を、御協力を得て、得ておるものだというふうに考えます。
  75. 栗田翠

    栗田委員 私が調べましたところでは、大臣の訓令で置かれておりまして、謝礼は出ているのですけれども、これも公聴経費という形で出ておりますから、非常にゆるやかな形で出されていると思うのです。こういうやり方をしても広く意見を聞くということはできるわけです。またNHKがモニターというのを置いております。多少違いますけれども、これも私調べてみました。これはやはり放送法番組基準というのできまっていますけれども、「モニター運用基準制定について」これは会長名で出されている。つまり例規というのに書いてありますけれども、社内規則と同じようなものですね。それに書かれているわけなんです。ですから、もし広く地域意見をくみ入れるという目的だけでしたら、たとえば学内規則できめて学長が依頼をする、お願いをするというような形でも目的が果たせる場合もあると思うのですが、そういう形もあり得るとお考えになりますか。
  76. 木田宏

    木田政府委員 いろいろな人の意見を聞く聞き方はいろいろあろうと思います。参与を置いたら参与からだけで、ほかの人の意見が入らないということはあり得ないことだと思います。しかし、非常勤の職として関係者意見を聞くために参与を置くということは、それ自体意味のあることだと思っております。
  77. 栗田翠

    栗田委員 いろいろと意見の聞き方はあるとおっしゃいます。そうだと思います。目的地域社会意見を広く聞くところにあるならば、方法もいろいろあると思うのです。それにもかかわらず、参与という職を置かれるということ、大学で置きたくないと言おうとも置きたいと言おうとも、職を置くということになっているわけですね。なぜ参与という職が職として必要であるかということを、単に意見を聞くという意味ばかりでなく、参与という職を置いたその目的をはっきりともう一度おっしゃっていただきたいと思います。
  78. 木田宏

    木田政府委員 大学運営につきまして学外者意見というものを徴し得る、そういう職を置いておくことは意味があると考えるからでございます。
  79. 栗田翠

    栗田委員 それなら、参与は場合によったら大学管理運営に対して非常に大きな関与をする役職になるかもしれないわけですね。さっきからいろいろおっしゃっていますが、内容は非常に弾力的だとおっしゃいます。それでは、学校意向による場合もあるけれども、助言だの勧告だのいろいろなことをしていく、大学運営などの重要な点の細目にわたってまで意見をいろいろ言うような場合が出てきますと、これは大学内部に非常に大きな関与をしていくことになるわけだと思います。そういう場合も出てくるわけですね。
  80. 木田宏

    木田政府委員 大学のお考えにゆだねていいと思っております。
  81. 栗田翠

    栗田委員 それでは、参与は置くことをきめるけれども、あくまでもその参与の活用のしかたは大学考えにまかせるのだ、そういうことをもう一度確認させていただきます。いかがでしょうか。
  82. 木田宏

    木田政府委員 そのように考えております。
  83. 栗田翠

    栗田委員 それでは次の問題に移らせていただきます。  今度は単科大学の問題です。これも先日以来質問がされておりました。大臣が十二日の閣議後の発言で、単科大学に今度は重点を置いていくということをおっしゃった。そのとおりであると先日大臣は言っていらっしゃいます。  そこで伺いますけれども、今後つくられる大学は全部単科大学にするおつもりですか、それとも総合大学も今後つくっていらっしゃるおつもりでしょうか。大臣に伺います。
  84. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 学校設置します以上は、それぞれの学校十分特色を発揮して効果をあげてもらいたい、こう考えているわけでございます。しかし、だからといって全部単科大学考えているというわけじゃございません。場合によりましては、いまあります学校学部を置いたほうがいい場合もございましょうし、また新しく学校をつくります場合にも、幾つかの学部を持った大学をつくることがいい場合もあるかと思います。基本的には、私がいま申し上げましたように、せっかく学校をつくるのですから、その学校の特色が十分生かされるような仕組みを考えていかなければならない、こう思っているわけでございます。
  85. 栗田翠

    栗田委員 去年の国立学校設置法審議のときにやはりこれはかなり問題になりました。学校教育法の五十三条の中で「数個の学部を置く」という「数個」を取りはずした。いままでは総合大学が常例であって、例外として単科大学があったけれども、今度は単科大学が例外ではなくなったということで論議をいたしました。今度の大臣の十二日の御発言は、それをまたさらに一歩進めたものだと私は思います。つまり、例外ではないというだけではなく、単科大学を主としていくとおっしゃったように新聞には出ております。その辺はそうおっしゃったのか、そういうお考えなのかを伺いたいと思います。
  86. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 この間、嶋崎さんにお答えをしたわけでございましたけれども、医学とか工学とかといった部門は非常に金のかかる分野だ、同時にまた、他の人文系の学問とは若干違った面もある、だから、それぞれが特色を発揮していく場合には単科大学のほうがいいんじゃないだろうかという総理のお話があって、それから話が発展をしていったのです、こうお答えをしたわけでございました。やはり単科大学のほうが望ましい学問分野につきましては、なるべくその方法を選んだほうがよろしいんじゃないだろうかというふうには考えております。
  87. 栗田翠

    栗田委員 単科大学が望ましい分野というのはどういう分野でしょうか。
  88. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 研究、教育につきまして特別な組織、施設等を要するようなものにつきましては、おおむねそういうことが言えるのじゃなかろうか、こう思います。
  89. 栗田翠

    栗田委員 たとえば医学などの場合ですけれども、入るわけですね。——そうだとおっしゃっていますが、医師を養成する場合に、医師というのはたいへん広い教養が必要だと思います。倫理的な考え方、社会的なものの見方、そういう幅広い教養の上に立った専門的な知識が必要だと思いますが、そうお考えですね。
  90. 木田宏

    木田政府委員 私どももそう考えます。
  91. 栗田翠

    栗田委員 以前、戦後間もなく新制学校がつくられましたときに、新制大学の理念ということがいわれました。戦前と戦後の大学考え方が変わったわけです。その新制大学の理念のおもな点はどういう点だったのでしょうか。
  92. 木田宏

    木田政府委員 旧来の専門学校の専門教育を主眼とした体制だけではなくて、幅広い教養というものを大学教育の中で取り入れよう、こういう趣意でございます。
  93. 栗田翠

    栗田委員 学校教育法の五十二条にそのための理念が述べられております。これも昨年の論議の中で私かなり申し上げたことです。私は、新制大学の理念というのは、いまおっしゃったように、豊かな人間形式としての一般教養を非常に重視していくということ、単なる専門的な職業教育だけをやるのではないという理念であって、それを保証する制度として総合大学をつくっていくという考え方があったと思いますが、その点いかがでしょう。
  94. 木田宏

    木田政府委員 一般教育大学教育の中で取り入れなければならぬという考え方は、単科であると総合大学であるとを問わず通じたものでございまして、今日までも大学の数ある中で単科大学のほうが現実には多いわけでございますが、それらの大学も一般教育というものを重要視してきた。大学基準もそのようにつくられておるわけでございます。
  95. 栗田翠

    栗田委員 大学設置基準がございます。今度つくられる三つ医大は、それぞれ百人を定員にしていると思いますが、では、たとえば百人を入学の定員にした単科大学で一般教育に何人の教員数が配置されるのか、これをお答えください。
  96. 木田宏

    木田政府委員 大学設置基準の上からは八人でございますが、今回の三大学につきましては十二名の予算措置をしたい、こう考えております。
  97. 栗田翠

    栗田委員 設置基準を上回る措置をされたその意図はどういうところにありますか。
  98. 木田宏

    木田政府委員 充実した一般教育を施したいと考えるからであります。
  99. 栗田翠

    栗田委員 それはたいへんけっこうなことでございますが、さて、そこで、たとえば、私、静岡県の出身ですので、今度つくられる浜松医科大学についてはたいへん関心を持っております。また、この医大の形態というのは、浜松ばかりでなく、滋賀、宮崎、みんな同じような形で、単科大学として今度つくられますので、浜松の問題で論じればほかの大学の問題にまで同じように関連していくと思うのです。私、調べてみました。静岡にも静岡大学という総合大学があります。なぜ総合大学の医学部という形で設置しなかったか。先日、滋賀大のことで上田委員質問していらっしゃいましたが、静岡大学の医学部となぜなさらなかったという理由を伺いたいと思います。
  100. 木田宏

    木田政府委員 静岡県内のいろいろな地域的な状況を勘案いたしまして、また関連したいろいろな施設との関係を勘案いたしまして浜松に医科大学をつくりたい、こう考えるようにいたしたわけでございます。大臣も先ほど来答弁いたしておりましたように、医科大学を新たにつくる際に、それ自体まとまったものとして少しでも新しいくふうを取り入れるようにしてみたい、そのためには医科大学そのものが一つの独立の大学として構成されるほうが教育、研究の改善のためにいいというふうに考えたからでございます。また静岡大学関係等もいろいろありますけれども、静岡の場合には、静岡大学関係者も必ずしも静岡大学の医学部という形を強く要請しておったわけでもございません。いろいろな四囲の事情を考えまして、浜松の場合に単科の医科大学にいたした次第でございます。
  101. 栗田翠

    栗田委員 地理的な条件とおっしゃいますが、静岡大学は静岡市におもに学部を持っていますが、工学部は浜松にありまして、浜松に医学部を置いても、別に地理的な条件でぐあいの悪いことはないと私は思うのです。地理的な条件とおっしゃるのはどういう条件なのでしょうか。その点が一つ。  それからもう一つ伺いますが、医科大学の場合、総合大学から切り離したほうがやりよいという中身、そこがよくわかりません。御説明をお願いします。
  102. 木田宏

    木田政府委員 地域の関連病院との関係その他いろいろなことを総合的に考えまして浜松に設置することにいたしたのでございます。医科大学は、御案内のように、他の学部と違いまして、修業年限も六年でございます。その一般教育のあり方も、医学進学課程二カ年、専門課程四年、場合によると、これを六年間を通じたものとして運営してもいいというようなことに昨年度法律の改正もしていただきました。いろいろな意味で一般教育、専門教育の取り扱いが他の学部と違っておるのでございます。
  103. 栗田翠

    栗田委員 豊かな一般教養を与えるために設置基準を上回る十二人の教官を配置したとおっしゃいました。しかし、いま豊かな一般教養を与えるという立場から考えるならば、総合大学一つ学部として置いたほうがはるかに豊かな教員、そして専門的な方たちの教育を受ける機会が得られると私は思います。静大の場合を調べますと、こうなっております。まず一般教育の科目ですと、人文系列、哲学、倫理学、宗教学、日本史、東洋史、西洋史、国語学、国文学、外国文学、漢文学音楽、美術、これだけの講座がございます。社会系列で申しますと、法学、政治学、経済学、社会学、地理学、心理学、教育学、これだけがございます。自然系列を見ますと、数学、物理学、化学、生物学、地学、統計学、これだけがあるわけです。その他外国語でもその文学部もありますので、外国語の専門の教授が多数おられますし、保健体育の先生方もいらっしゃる。こういうふうになっているわけです。この数だけ見ましても、はるかに十二人を上回るものだし、講座の内容は実に豊富な中身になっておりまして、一般教育、外国語、保健体育の専任の教官数だけで五十三人います。こういう総合大学の中の学部として置かれたならば、その一般教育を受ける場合に実に選択の範囲は広く、しかも専門家が十分に配置されているという状態になるわけです。やはり学校をつくっていく立場で考えていったら、ほんとうに教育目的、新制大学であれば、その大学の理念を貫けるような状態に置いておくということ、そこのところにまず中心を置かなければいけないと思いますが、これだけ豊かな教官陣があって、そこへ学部として置かれたならば、十分な選択の範囲を持って一般教養を受けることができるのに、わざわざこれを単科大学にして、ふやしたといったって十二人しか配置されていない。こういう状態のところに置かれるわけなんです。一体この二つを比べてみた場合に、どちらにしたほうが豊かな一般教養が保証できるとお考えでしょうか。
  104. 木田宏

    木田政府委員 総合大学にいろいろな教官がおられるということと、現実に特定の専攻の学生がどれだけの教官の講義を聞けるかということは別のことでございます。そうして、それぞれの専門とする履修内容に対してどういう講義を組み立てて聞いていくかということは、専門分野別にそれぞれ別個に考えなければなりません。現実に今日の大学の一般教育、各学部の学生が全部集まりまして幅広い教養を得るというシステムになっておりますが、その一般教育が理念のとおりに必ずしも運営されていない、そこから大学教育についての大きな問題が起こっていることは御存じのことだと思うのでございます。まして医進課程の教育というのが、他の学部の一般教育とも、また学生の扱いその他も異なっておりまして、いろいろな意味で問題もあるわけでございます。ですから、新しく医科大学をつくり、医学教育のあり方を考えます際に、ひとつ六年一貫のものとして、あるいは医学関係者がかくあることが望ましいという考え方を医学関係者の構想で組み立てていくということができるというのは、一つの新しい試みとして大事なことだと思います。  いま御指摘になりました必要な講義内容、専任の教官数で整わないところは、いろいろと非常勤の講師も配置することができるわけでございまして、実質的にそのような大きな差が起こるとは考えておりません。むしろ医科大学としてそれ自体一貫のものとして、専門教育に合わせた一般教育をどう与えていくかということを、医学の立場から十分に考えていくということは、新しい試みとして意味があると考えております。
  105. 栗田翠

    栗田委員 一般教育医科大学にふさわしいものにするとおっしゃいますが、一般教育というのは、広く知識を得て、それからまた深く専門の学芸を受けていくための、その土台としてあるもので、医学関係の一般教育だから、これとこれとこれで、その他はやらない、あまり履修しないでよいというふうにはなっていないと私は思うのです。教官がたくさんいても、それぞれ専門によって一般教育が違うとおっしゃっていますけれども、実際に大学の中で一般教養課程をとる場合に、自分の必要な単位をとりながら、同時に時間さえあればほかの講座を聞けるようになっております。ほかの科目はとれるようになっているはずです。ですから、私が言っていますのは、そういうふうにかなり自分で意思があれば、広く選択して興味のあるものは聞くことができる状態が、総合大学のほうができるだろうと言っていることなんです。いかがでしょうか。
  106. 木田宏

    木田政府委員 いま御指摘のようなたてまえがそのとおりうまくいくとばかりは限らないのでございまして、大きい大学のそのたてまえと現実が必ずしもしっくりいかない。一般教育が専門教育とどうかみ合うかということについて、必ずしもしっくりいっていない。そこに今日の大学教育考え直してみなければならない課題の大きい領域が一つあるわけでございます。でございますから、一般教育のあり方、これは医学の立場から見ても必要なのでございますけれども、それを六年間の医学教育のワクの中で考えていくということがこの際いいことではなかろうか、こう思っておるのございます。
  107. 栗田翠

    栗田委員 いま医学進学コースという課程で二年間一般教育を受けるようになっていると思いますが、六年間の中で一般教育課程を選んでいくようにするおつもりなんですか。
  108. 木田宏

    木田政府委員 昨年学校教育法の改正で、どちらの方式をとることもできるように改めさせていただきました。改めていただいたわけでございまして、今後、今回浜松その他の医科大学をつくります場合にも、その一般教育、専門教育のあり方は、個々の大学にそれぞれくふう改善を考えてみていただきたいと思っておるところでございます。
  109. 栗田翠

    栗田委員 理念どおりの一般教育になっていないとおっしゃいましたが、その内容を詳しく御説明ください。
  110. 木田宏

    木田政府委員 一般教育につきましては、三十六単位、人文、社会、自然の領域にわたって幅広く教えていきたい、これが大学教育一つ考え方でございます。その一般教育教育内容と、それから各学部の専門教育のあり方と、この関係の連携というものをもう少し円滑にしていきたい。また学生の学内における扱いにいたしましても、そうした両者の関係を、初期の段階で一般教育一年半あるいは二年与えるというだけでなくて、専門教育の後期の段階でも一般教育が与えられるようにしたい、いろいろな御要請がございます。  それらを先ほどの静岡と浜松の例でお考えいただきますならば、一般教育は静岡地区のキャンパスで行なう、浜松に医学部をつくって両者の間を緊密にやるということよりは、浜松に位置づけた場合に、一般教育、専門教育ともに医科大学としてまとめたものとして構想するということのほうが、学生の教育の上からもより便宜であるというふうに考えております。
  111. 栗田翠

    栗田委員 現在でも工学部は、一般教育は静岡のキャンパスでやりまして、そのあと専門は浜松へ行ってやっているわけなんです。こういう形で学ぶことにさして支障は現在ございません。工学部の場合も、特に専門的な、大臣がおっしゃった単科大学にしたほうがよい内容のものだと思うのですけれども、それがこういう形でいままで学ばれていますけれども、一般教養科目、非常に広く総合大学の中でいままで学んできているわけなんです。そしていま局長は、たてまえとしてはそれはいいけれども、実際にはうまくいってないのだとおっしゃいますけれども、たてまえがよかったらば、たてまえがそのまま有効に効力を発揮するような教育をもっともっと広く深く進めていけるような状態に改善すべきであって、うまくいってないからわざわざかつての大学の理念を変えまして単科大学にしていくという改革をする必要はないのじゃないかと思うのですけれども、たてまえと実際がうまくいってないというあたりと、それからわざわざ単科大学にするというその点ですね、そこをもう一度よくわかるように説明していただけませんか。私はまだちっともわかりません。
  112. 木田宏

    木田政府委員 現実に即して改善できることを少しずつ改善していくということが実際的だと思うのでございます。キャンパスが幾つかに分かれております大学にありましては、総合大学とはいいながら、その大学運営にいろいろな努力とまた困難が伴っておるということも否定できません。そして、実際的には、総合大学ということでありましても、キャンパスが分かれてしまいますと、現実にはそのキャンパスごとの運営ということに充実した中身を盛り込んでいくというくふうをすることが実際的だと思うのでございます。いま工学部の学生は、一般教育の段階にありましては静岡で学んでおる。できるだけ早く専門の工学教育をしたいという場合には、また浜松へ来なければならない。学生が浜松と静岡を行ったり来たりするということは、現実の問題としてたいへんな困難の伴うことでございます。またそのことからも教育のあり方にいろいろな制約が加わることになるわけでございます。でございますから、医科大学がそのキャンパスの中でまとまったものをくふう努力できる、こういう体制にしておくことのほうが現実的にはいいのではないか、こう思っております。
  113. 栗田翠

    栗田委員 そうしますと、たてまえとしてはそうだけれども、現在学部と一般教養課税との間が理想的にいっていないから総合大学でなく単科大学にしていくというところに一番おもな目的があるわけですか、理由があるわけですか。
  114. 木田宏

    木田政府委員 新しくつくります医科大学の医学教育そのものを少しでも改善くふうしてみたい、そういうことのためには、それ自体で医学の関係者が努力できるようにしておくほうがこの際よかろう、こういうふうに考えておるからでございます。
  115. 栗田翠

    栗田委員 改善くふうとおっしゃいますが、一体どういう目的で改善くふうをされるのでしょうか。改善くふうをしていく内容というのは、何といっても教育と研究が円滑に進んでいくということ、教育内容大学の理念に沿ったものとして、ほんとうに広い知識と深い研究ができるように充実していくことだと思いますが、その立場に立って改善するのじゃありませんか。いかがですか。
  116. 木田宏

    木田政府委員 医学教育と医学の研究が充実していくように考えておる、こういうことでございます。
  117. 栗田翠

    栗田委員 それじゃ、一般教養はどうなるのですか。
  118. 木田宏

    木田政府委員 その中に幅広い一般教育を取り入れるということは当然のことだと考えます。
  119. 栗田翠

    栗田委員 幅広く取り入れるとおっしゃいますが、さっきから言っていますように、単科大学だったら十二人しか配置できない。ほんとうは八人だけれども、それを十二人にふやしたんですよとおっしゃっています。非常勤講師を置くとおっしゃいますが、非常勤講師だってそうたくさんは置けるものじゃないと思います。大体いま予定していらっしゃるのは、どのくらい置くつもりでいらっしゃるのですか。
  120. 木田宏

    木田政府委員 非常勤講師の必要な人員その他は、具体的に大学が発足した段階で手を打っていくことになろうかと考えます。一般教育を教養部に託して行なった場合と比べまして、そう見劣りのするものにならないというふうに考えておりますし、医学教育の観点からは、よりまとまった一般教育を六年間なら六年間を通じて配置できるというよさもまた出てくるかと考えております。
  121. 栗田翠

    栗田委員 それは、局長が見劣りしないと思うとおっしゃいますけれども、さっきも言いましたように、総合大学、一例として静岡大学ですが、静岡大学の医学部とすれば、いまざっとあげただけで五十三名の一般教育を担当される教官がいらっしゃるわけです。幾ら非常勤講師をふやしたって、そんなにはふえないと思います。しないとおっしゃっても、それは局長のお考えでありまして、実際に幅広い教養をつけさせる条件というのは、やはり豊かな講座数と数多い教官だということになると思うのですけれどもね。そういう立場から見て、いかがなんでしょうか。私は、幾ら見劣りしないはずであると思うとおっしゃったって、実際にはそれを保証していくだけの教官の人数というものは総合大学のようにはそろえられないと思います。  それからもう一つ、医学教育の観点での一般教育をやっていくとおっしゃいます。そうしますと、これは医学教育用の一般教育、これは工学用の一般教育、これは教育学部用の一般教育というふうに、一般教育の中身というのがかなり限定されてくるのでしょうか。新しい試みというのはそういうことになっているのですか。
  122. 木田宏

    木田政府委員 五十数名とおっしゃいますが、これは静岡大学一千人の学生に対しまして五十数名の専任の教官が一般教育を担当しているということでございます。すべての学生が五十数人の講義が全部聞けるわけのものでもございません。また、現実の講義は、それぞれ授業科目を組みまして、それに従って必要な講義を履修するということになるわけでございますから、医学教育につきましてもそれに必要な一般教育の講義を履修していくという実質はほとんど変わらないというふうに考える次第でございます。  また、一般教育というものが各専門領域を通じて抽象的に一般教育としてあるかという点につきましては、これまたいろいろな考え方が成り立ち得ると思っております。法学を専攻いたします学生に一般教育で憲法を教えるというようなあり方を、いつまでも続けていいかどうかというような論議もあるわけでございまして、一般教育であるか専門教育であるかは、それぞれの学生の専攻内容との関係考えていいではないかという意見もあるわけでございます。その点は大学の一般教育の指導に幅広くゆだねておいてよろしい。先般大学設置基準の改正をいたしました。これは学生の専攻領域との関係で一般教育科目をいろいろととり得るようにする、他の学部の専門科目でありましても一般教育としてとり得る場合もあり得る、その辺の扱いも大学に幅広くゆだねたところでございます。
  123. 栗田翠

    栗田委員 五十三人の教官の講座が全部聞けないとおっしゃいますが、それはそうでしょう。ただ、私が言っているのは、選択の自由がはるかに広いということなんです。医学を学ぶ学生であっても、社会学、人文系の一般教養だって身につけなければならない。そういう意味で、いろいろ局長おっしゃいますけれども、やはり講座がたくさんあり、選択の余地がはるかにある場合のほうが幅広い教養をつける機会が得られると私は思います。  次に、もう一つ伺いますが、たてまえはそうだけれども学部と一般教養との関係がうまくいかないと、そうおっしゃっています。では、そういう状態があるから、今後は医学、工学などの場合は、そういう支障があることを前提にして、みんな単科大学にしていらっしゃるというお考えですか。
  124. 木田宏

    木田政府委員 大臣も先ほどお答え申し上げておりましたように、今後新たな大学をつくります際に、そのつど考えてみたいと思っておるのでございます。いろいろな諸条件を勘案する必要があろうかと思います。でございますから、これからどういう学部をつくるときにどうだということを一般的にきめておく必要はなかろうというふうに考えます。現実に即して意味のあるものを考えてみたい。  医科大学につきましては、これまでの医学教育は、国立につきましては二つを除きまして学部でございます。私立につきましては単科の医科大学がたくさんございます。国立につきましても単科の医科大学という形で数校考えていくということは、それ自体また意味のあることだと思っております。   〔委員長退席、森(喜)委員長代理着席〕
  125. 栗田翠

    栗田委員 学校教育法の五十二条で、「大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。」こういう考え方がありますが、では、この考え方は、この理念はいまだに変わらず、それに沿って考えても、単科大学で十分だというふうにおっしゃっているわけですね。
  126. 木田宏

    木田政府委員 そのように考えております。
  127. 栗田翠

    栗田委員 局長の主観的なお考えでは、十分に一般教養を授けられるとおっしゃる。しかし、その講座の数、教員の数からいっても総合大学のほうがはるかに豊かだ、こういうことになっております。私はそうだといまも考えておりますし、あくまで五十二条の考えに沿って総合大学というものが新制大学の理念としてつくられてきたというふうに考えているわけです。この点は非常に重大な問題ですが、私のこの考え方を述べて、次の点に進まさせていただきます。  次に、関連教育病院の問題について伺います。  関連教育病院に指導医を置くというふうになっていると思いますが、この指導医というのはどういう方を指導医にするのですか。
  128. 木田宏

    木田政府委員 学生の教育実習を指導できるだけの能力のある方を指導医にお願いをする、こういう考え方でございます。
  129. 栗田翠

    栗田委員 関連教育病院にいらっしゃる医師のうち、全部でなくて、何人かの方たちを指導医とするわけですね。
  130. 木田宏

    木田政府委員 ふさわしい方を指導医としてお願いしたい、こう考えます。
  131. 栗田翠

    栗田委員 指導医の教育上の身分はどうなるのでしょうか。
  132. 木田宏

    木田政府委員 これからその辺は関連病院の関係者大学関係者とがよく今後の相談を詰めていかなければなるまいかと思います。一般的には、非常勤職員としてお願いをするというふうなことが起こり得るのではないかというふうに思います。
  133. 栗田翠

    栗田委員 そうしますと、任命はだれになりますか。
  134. 木田宏

    木田政府委員 大学のほうで指導をお願いできる職員を明確にしておく必要があります。ですから、その意味では非常勤講師に準じた取り扱いをして明確にすることになろうかと考えます。
  135. 栗田翠

    栗田委員 授業料といいますか、教授料といいますか、指導されるわけですから、その授業料または教授料というのですか、謝礼ですか、これはどういう形で出るのですか。
  136. 木田宏

    木田政府委員 学生の教育実習等に御協力をいただくということにつきましては、それに即した報酬を考えなければならぬと思います。
  137. 栗田翠

    栗田委員 職員ですから給与ということになりますね。
  138. 木田宏

    木田政府委員 どのような名目でどういうふうにするかというのは今後の課題でございまして、いまきめ込んでいるわけではございません。
  139. 栗田翠

    栗田委員 多くの場合、関連病院は公立の病院が多いと思います。公立の病院の医師であった方というのは公務員だと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
  140. 木田宏

    木田政府委員 県立病院あるいは市立病院、あるいは日本赤十字の病院といろいろありますから、その医師がそれぞれの身分を持っていらっしゃると思います。
  141. 栗田翠

    栗田委員 非常勤講師の場合、公務員であって、その関連病院の医師という仕事と、医科大学非常勤講師という仕事を併任したり、また給与を両方からもらうということはできるのですか。
  142. 木田宏

    木田政府委員 いま大学非常勤講師というのは、他の大学の教官であったり、あるいは場合によれば医師であったり、いろいろな方があるわけですから、同じように考えておいていいのじゃないかと思います。
  143. 栗田翠

    栗田委員 そうしますと、非常勤講師でありますが、大切な学生の臨床実習などの指導に当たるわけですが、教授会などとの関係はどうなりますか。指導にあたってのいろいろな意見を交流させたりする必要も出てくると思いますけれども、その関係はどうなるでしょう。
  144. 木田宏

    木田政府委員 どのような教育指導をするかということにつきましては、大学と関連病院のそういう関係者との間で、大学の教官とその関連病院の指導医との間で緊密な連絡をとってもらわなければなりません。いわゆる教授会と称しておりますものは、常勤の教授をもって構成しておりまして、非常勤職員が入ってないことは御承知のとおりでございます。
  145. 栗田翠

    栗田委員 そうしますと、教授会の一員にはなれないわけですね。
  146. 木田宏

    木田政府委員 これも大学考えるところでございますが、通常の例でいえば、そのようなことだろうと思います。
  147. 栗田翠

    栗田委員 指導医になりますと、やはり臨床実習などの評価、採点もしなければならないと思いますが、これは指導医が採点するわけですか。
  148. 木田宏

    木田政府委員 指導の責任を持っている限りにおいての評価は、当然その人が行なうことになると思います。
  149. 栗田翠

    栗田委員 学生の評価というのは大学管理機関が行なうということになっておりますが、非常勤講師は教授会の一員ではないというわけですけれども、こういう評価というのはできるのでしょうか。
  150. 木田宏

    木田政府委員 多くの大学非常勤の講師がやっておることとその限りでは同じであろうかと思います。
  151. 栗田翠

    栗田委員 関連教育病院の病院長の身分はどういうようになりますか。
  152. 木田宏

    木田政府委員 お尋ねの意味がよくわかりませんが、病院長は病院長かと考えます。
  153. 栗田翠

    栗田委員 病院長が非常勤講師を兼ねられる場合もありますね。
  154. 木田宏

    木田政府委員 病院長の御専門によって、そういうことも起こり得るかと思います。
  155. 栗田翠

    栗田委員 謝礼などの問題がありますが、たとえばその大学教育職の給与とその病院での医師としての給与は非常に差がございます。非常勤講師ですから、こういう給与体系には沿わない形で出されるわけですね。
  156. 木田宏

    木田政府委員 この教育指導に御協力を願う願い方というのは、実際に大学病院も開設され、学生が六年間の後年次に至りまして、どのような教育実習を病院でお願いするかという際に具体的にきまってくることになろうと思います。現在、輪郭としては、一般的な協力のあり方をいろいろと考えておりますけれども、現実には、個々の大学と個々の地域の病院との間で十分な御相談をしてみないとわからないことでございますから、いまお尋ねをいただき、私が答えておりますことも、個別にそれぞれ具体の御相談をしてきめていく、そこまでははっきりしたことを申し上げるわけにいかぬので、現在の段階ではきわめて一般的な抽象的なことを申し上げるよりほかはなかろうかと思います。
  157. 栗田翠

    栗田委員 次に予算の問題について伺いますが、関連教育病院になったために多くの経費が要るという場合が出てくると思います。どのような予算措置を考えていらっしゃるでしょうか。
  158. 木田宏

    木田政府委員 現在の段階では、病院の設備費の補助を初年度千三百万円ほど二分の一の補助で考えておるわけでございます。私どもの考え方からいたしますならば、病院自体が、本来は基本的に、医師を志す者に対して、あるいは若い医師の教育、研修の施設を十分持っておってほしいものだというふうに考えております。しかし現実には、大学教育に協力をしてもらいますための体制が必ずしも十分に整ってないという点もありますから、設備についての補助金等をあわせて計上いたしまして、設備等の整備をお願いをしたい。また、病院の医師の充実につきましても、病院自体として御努力を願いたい、こう考えております。
  159. 栗田翠

    栗田委員 考えていらっしゃるのは設備費の補助だということですが、愛媛の松山市立病院でこういう不安が出ております。たとえば、一人の内科なら内科のお医者さんが学生の指導もなさる。そうすると、いままで一日に四十人ぐらいの患者さんを処理していたのがどうしても数が減ってくるだろう。三分間診療なんてよく言いますが、そういう形であるかないかは別としても、一々学生に説明をしたりということもあるから時間がかかります。そうすると、一日に処理できる患者さんの数が非常に減ってくるのではないだろうか。そうなりますと、病院としての診療報酬がずいぶん減るのじゃないか。松山病院はいまでも二十億の赤字を出しているといいますが、関連病院になったことによって、こういう赤字がまた累積するのではないだろうか、こういう心配がいま出てきています。教育を担当することで診療する数が減る問題などについてどう考えていらっしゃいますか。適当な措置をとられるお考えでいらっしゃいますか。
  160. 木田宏

    木田政府委員 病院自体が後継者の教育、指導ができるほどの内容のものである、こういう水準に高めたいということは、厚生省も、研修病院の充実という課題として考えておるところでございます。でございますから、そういうふうに病院の整備、充実をし、また病院自身が後継者の養成に協力をするということは、大きな目で見まして、病院の能力をふやしていくことになる、ですから、そのことは病院自体としても考えておいていただいていいことではなかろうかというふうに考えるのでございます。今回、地域の病院と大学の付属病院との間で緊密な協力、連携をとりたいということは、大学がそこにできることによって地域の病院の医療水準も高めていく、ひいては、それは地域住民の医療の充実にもつながる、こういう考え方から出ているものでございまして、そういう意味での御協力は、地域関係病院にも十分していただきたいというふうに考えます。
  161. 栗田翠

    栗田委員 しかし、いま出ている問題は、現実に現在そういうことになったら診療報酬が減るだろう、赤字が累積するだろうという心配です。病院の赤字問題というのは非常に大きな問題になっていますが、長い将来を見れば、それは病院にとって後継者を育てるというプラスの面はあるのですけれども、現在の赤字をどうしていくか、それに対する何かの配慮はないだろうかという内容なんです。ここで学生の教育を一部分担するわけですから、文部省として予算的な措置をお考えになっていないのだろうか、そういうことを伺っているわけです。
  162. 木田宏

    木田政府委員 どのようにその協力の関係を進めるかというのは、もう少し、数年たちまして現実の課題になりました場合に、私どもも大学教育の観点から、病院側に処置をすべき中身というものも、具体の内容として考えてみたいと思っております。一般的には、それぞれが協力をして学生の教育に当たる、病院は病院で研修病院としての実を高め、その内容を充実させる、こういう方向に進んでまいりたいと思います。
  163. 栗田翠

    栗田委員 まだ細目があまりきまっていないというお話ですが、いま申しましたように、現実にこういう不安の声が出てきているわけです。少しでも早く負担区分などについて細目をきめていく必要があると思いますが、その辺の御努力の姿勢を大臣から伺いたいと思います。いかがでしょうか。
  164. 奥野誠亮

    奥野国務大臣 たいへんごもっともなことでございますので、そういうように努力をしてまいります。
  165. 栗田翠

    栗田委員 次に私は、医科大学設置についての地元負担の問題について伺いたいと思います。  まず自治省に伺いますが、自治省は、「昭和四十九年度の地方財政措置について」という自治事務次官の各省庁事務次官あて文書を出しておられます。この中で、八ページですけれども、「国、地方公共団体間の財政秩序の確立」というところがあります。「国、公社、公団等の施設の設置にあたり、地方公共団体の負担を前提とする事例がみられるが、形式的にはもちろん実質的にも地方公共団体に負担を求めることのないよう、用地費等について所要経費の全額をその予算に計上されたいこと。」こうなっております。この「形式的にはもちろん」それからその次の「実質的にも」という中身を少し具体的に御説明いただきたいと思います。
  166. 高田信也

    ○高田説明員 国立医科大学設置されますと、当該地域の開発あるいは地域の住民の方々の福祉の向上に非常に寄与するわけでございます。そういった点から、受け入れの地元側ができるだけの御協力を申し上げるということは当然のことであろうと思います。また、国と地方公共団体との円満な協力関係なくしては、なかなか推進されないわけでございます。  一方、国と地方団体との間には、財政秩序の問題がございます。地方財政法あるいは地方財政再建促進特別措置法の規定によりまして、国と地方との間の負担、財政秩序の明確化が規定されておるわけであります。  この各省にお願いを申し上げました事務次官の文書の中の「形式的」「実質的」ということでございますが、要するに国、公社、公団等の施設の設置にあたりまして、地方公共団体に負担を課すべきではない、こういう地方財政法の趣旨に基づきまして、形式的には、たとえば地方公共団体が国に直接的に寄付金、負担金を支出するとか、あるいはまた用地なり施設について所有権を移転するとか、こういったものは形式的であろうかと思います。実質的にと申し上げますのは、たとえば無償で用地を提供するとか、あるいはまた団体等を通じまして間接的に寄付金なりが流れていく、こういう場合を考えております。
  167. 栗田翠

    栗田委員 浜松医科大学設置するについて、関連事業費として静岡県と浜松市がどのくらい負担しているか、御存じでいらっしゃいますか。
  168. 高田信也

    ○高田説明員 金額的にどの程度の負担になるかは承知いたしておりません。
  169. 栗田翠

    栗田委員 三十九億円でございますが、これは関連病院の充実、整備その他も全部含まれた費用として、三十九億円になっております。  そこで、いま幾つか、こういう場合はどうだろうかという点で私は伺いたいと思います。  文部省に伺いますが、いま医学進学コースの校舎はまだできておりません。これはどのようにことしはやられるつもりですか。
  170. 木田宏

    木田政府委員 浜松にあります県立の短期大学のあいた校舎を暫定期間借用するというようなことで御協力をいただいております。
  171. 栗田翠

    栗田委員 その借用は有償ですか、無償ですか。
  172. 木田宏

    木田政府委員 ただで貸していただけるそうでございます。
  173. 栗田翠

    栗田委員 これは議決を経ておりますか。ただにしてよいという県議会の議決を経ておりますか。
  174. 木田宏

    木田政府委員 県の手続は県のほうでおとりになっていることだろうと思います。条例の定めに従ってそのような措置がとれるというふうに私ども承知いたしております。
  175. 栗田翠

    栗田委員 この仮校舎は女子短大の旧校舎ですが、ここを使うために県は三千万円かけて改築をしております。私が調べておる範囲では、まだ、静岡県議会で無償でよいという議決をしていないと思うのですけれども、こういう場合に、自治省に伺いますが、ただで貸すということになったら、さっき言いました「形式的」また「実質的」のどちらかに触れるのじゃないでしょうか、いかがでしょうか。
  176. 高田信也

    ○高田説明員 県立短期大学の旧校舎を改築をいたしまして医大の仮校舎として使用する、こういうふうに伺っております。したがいまして、その期間は、せいぜい私どもは一、二年の暫定的な期間であろう。将来はこの改築された建物は県立短期大学の施設として使われるわけでございます。しかしながら、先ほど申し上げました地方財政法、地方財政再建特別措置法等の関連もございますので、その使用によって生じますところの経費、たとえば光熱水費であるとか、こういった需要費等につきましては、法の趣旨に従って医大の適正な負担をお願いする、こういうふうに地方団体に指導をいたしております。
  177. 栗田翠

    栗田委員 使用によって生じる経費といいますと、建物を借りるための借用料ではなく、その他の部分をおっしゃるわけですか。
  178. 高田信也

    ○高田説明員 ただいま申し上げましたように、非常に暫定的な期間でございます。長期にわたって無償の貸し付けではないわけでございます。そういった点も配慮をしながら、直接的に医科大学の施設として必要な経費につきましては、これは当然国と地方公共団体の負担区分ということで国に御負担をお願いする、こういうことでございます。
  179. 栗田翠

    栗田委員 私、ちょっとよくわからないのですけれども、そうすると、暫定的ならば無償でよいとおっしゃっているのか、それとも建物を借用する借用料は払うべきであるとおっしゃっているのか、ちょっとわからないのですけれども、もう少し御説明ください。
  180. 高田信也

    ○高田説明員 地方財政法の規定では、ただいまおっしゃいましたように、地方公共団体の議決があれば無償で、あるいは減額をして貸し付けることができるわけでございます。本件の場合には、長期にわたって無償貸し付けとするというのではなくて、真にやむを得ない、医大が建築されるまでの間ということでございますので、地方公共団体がそういう御判断に基づきまして議決をされますならば問題はないのではないか、こう考えております。
  181. 栗田翠

    栗田委員 まだ議決はしていないと思います。しかも、この女子短大の校舎というのは旧校舎で、新しい校舎が建ててあったのです。取りこわすつもりであったけれども、医大が来るためにわざわざ三千万円をかけて手入れをしたというものなんです。私が聞いた範囲では、終わったらまたこわすでしょう、こういう返事でした。その辺ちょっと確かでないのですけれども、こういうことを言っていたわけなんですが、その医大の進学コースの教室として使うためにわざわざ三千万円かけて手入れをしているのですね。こういう場合、本来だったら、こういう手を入れる費用は、少なくとも国の事業で使用するために手入れをするわけですから、国が出すべきではないかと私は考えるのですけれども、いかがなんでしょうか。
  182. 木田宏

    木田政府委員 医科大学をつくりますことにつきまして、地元の地方公共団体の御関係の方々と一緒になってつくっていきたいというふうに考えております。医科大学ができることがその地域医療の向上に寄与するということを期待して強い誘致の御希望があり、また御協力があるのでございますが、その御協力に決して甘えるということではございません。しかし、国立の医科大学だから全部国がかってにつくるのだということでできるものでもございませんので、いろいろと御協力をいただける点は御協力をいただきながら、一緒になってつくっていきたい、あいた校舎を使って一刻も早く医科大学を開設しろというような地元の御希望があり、そうした便宜の供与というものがございますならば、それにこたえて私どもも努力をしていく、こう考えておるのでございます。
  183. 栗田翠

    栗田委員 一緒になってつくることはそうなんです。あたりまえなことだと思いますし、そのために関連教育病院を充実させたり、また市は道路を直してみたり、水道を引いてみたり、いろいろやっておるわけですね。だから、それは当然一緒になってつくるというのはいいわけなんですけれども、しかし国として、だからといって、地元がこれもしましょう、あれもしましょうという状態を全部そのままにしていたならば、地元負担が非常にふえていく状態だと思います。静岡県でそれならそれでよろしいと初めから言っているのならいいですけれども、わざわざそのために三千万円をかけて改築するというような場合、私、一般的にいま伺いますが、そういう場合に、本来これは国が出すべきものではないのだろうか。自治省に伺いたいと思いますが、本来こういうものは国が出すべきものではないのでしょうか。出さなくていいよ、地元で出しますよとあえておっしゃる場合は別として、本来は国が出すべきものだと私は思うのですが、いかがでしょう。
  184. 高田信也

    ○高田説明員 おっしゃるとおりだと思います。しかしながら、この県立短大の旧校舎の改修がはたして今回の医大のためだけに必要なものであるのか、あるいは長期的に判断をして県立短期大学としても改修が必要であるのか、その間の事情は私ども十二分に承知しておりません。しかし、国立の医大に伴って純粋に必要であるならば、それは当然国のほうに御負担を願うべきもの、こう考えております。
  185. 栗田翠

    栗田委員 私が聞いた範囲では、そういう必要がなければこわすはずだったけれども、必要が出たから改築したのだと聞いております。御存じのように、この医科大学誘致については、浜松市か静岡市かというたいへんな誘致合戦がやられまして、浜松市はそのためにありとあらゆることをやったような感じが私は見ていてするわけなんです。  では、次に伺いますが、関連教育病院の中で、たとえば学生控室、研究施設、教官室など、こういうものは、教育病院の中にあるとはいっても、その教育のために必要な施設だと思いますが、こういうものは国が出すべきものではないでしょうか。自治省、いかがでしょうか。
  186. 高田信也

    ○高田説明員 純粋に教育目的に使われます施設につきましては、これは国で御負担を願うべきものだと考えます。
  187. 栗田翠

    栗田委員 文部省に伺いますが、この場合、これは国が負担しておりますか、それとも関連病院の改築費の中に全部まとめて県、市が負担しているのでしょうか。
  188. 木田宏

    木田政府委員 そうした施設につきましては、地域病院のほうで整備をしていただきたいというふうに考えております。また、そのことが研修病院としての充実を見ることにもなるであろう。多少、多言になって恐縮でございますけれども、一般の公的な病院が研修の体制を十分に持っておりませんために、いままで研修医療の病院としてのいろいろな機能が思わしくなかった、それがまたインターンの学生その他があまり近寄らないというようなことにもなったわけでございます。ですから、病院自体が後継者の研修ができるような充実した体制を持っていただく、そしてお互いに協力しながら学生あるいはインターンの教育に当たっていく、こういうことが双方にとって意味のある仕事だと思っておりまして、学生あるいは研修医等の控室がありますこと、そのことは病院として御整備をいただいていいことだというふうに私は考えております。
  189. 栗田翠

    栗田委員 自治省のお答えと文部省のお答えが違っておりますね。純粋に教育のために必要な施設は国が負担すべきだと自治省はおっしゃる。文部省は、地域医療水準を充実させていったり、病院の水準そのものをよくしていくためだから病院がつくればいいじゃないかとおっしゃいますが、そういうふうにしていきますと、だんだんこれは地域に返るものが多いのですから、みんな自治体が負担しなければならない点が多くなっていくと思いますが、いまの文部省の見解について自治省はいかがお考えですか。
  190. 高田信也

    ○高田説明員 こういった教育関連病院が、地元の方々の医療水準の向上なり、そういった面に非常に寄与することは当然でございます。いま二つの側面があろうかと思いますが、私がお答えいたしましたのは、純粋に教育、研究の施設、この場合には国で御負担をいただくべきであろう。大学局長さんがおっしゃいましたのは、地域医療水準の向上あるいは地域医療需要のための必要、これをどう明快に区分するか、非常にむずかしい問題であろうかと思いますが、できるだけそういった観点から区分をして適正な負担をお願いをするということだと思います。
  191. 栗田翠

    栗田委員 具体的に私はさっき申し上げました。学生控室、それから研究施設、教官室、これは、こういう教育がやられなかったら必要のないところです。関連教育病院でなければ、教官室だとかそれから学生の控室なんというものは必要のないものです。しかし、それが関連病院の中で自治体の負担でつくられているという問題です。そうしますと、いまの自治省のお答えによれば、これは本来国が負担すべきものだと私は思います。地域に戻されるから、そうおっしゃいますけれども、そうやって広げていったらば、地方自治体の負担はふえる一方だし、国が病院をつくったり、また学校をつくったりするというのも、国全体のためであるのと同時に、ますます地方の医療水準、また教育水準、文化水準を高めるということに必ず資するためにやっているわけですから、だんだん拡大していったらば、地方の自治体の負担というのはうんとふえるわけだと思いますが、いまの自治省のお答えとあわせてもう一度局長のお考えを伺います。
  192. 木田宏

    木田政府委員 一般的に申しまして、地域の公的な病院が、ただ単なる診療機関だけではなくて、充実した研究の体制あるいは研修医を十分勉強させられるだけの体制というものを持っていただきたい。そうすることによって地域の公的な病院と大学とがより緊密に提携協力して後継者の養成あるいは地域医療水準の向上ということに立ち向かえるのでございます。残念ながら、私どものいま見ておりますところ、日本の公的な病院のそうした研究あるいは医師の研修のための体制というものはきわめて貧弱でございます。厚生省の指導によりまして研修病院というのが逐次整備されております。そういう研修医療病院としての整備が十分行なわれてまいりますならば、その状態で大学の関連教育病院としての協力も進んでいくことになろうと思います。ですから、私どもは決して大学のためだけに無理をお願いしているというつもりはございません。地域の病院が、病院の診療体制を整備するために研究と研修の体制を整えていく、そして大学と一体になって後継者の養成に当たってくださるようになる、そのために大学もお手伝いもしなければならぬ、必要な御協力も大学側からしていく必要があろう、こう考えておる次第でございます。
  193. 栗田翠

    栗田委員 今後充実していく必要は、それはあるでしょう。当然あると思いますけれども、現在、現実の問題として、この関連教育病院になったために、地方自治体が負担をしなければならない施設があるのだと私は繰り返し言っているわけです。   〔森(喜)委員長代理退席、委員長着席〕  さっき自治省のお考えを伺いましたけれども、それからいっても、こういうものは本来国が出していくべきだ、いまの現状のもとでは出していくべきじゃないか、それをみんな自治体の負担にすべきではないかと私は考えます。いかがでしょうか、お出しになる意思はないのでしょうか。
  194. 木田宏

    木田政府委員 私どもは、公的な病院が研修医療病院として整備できているということが願わしいことだと思っております。そういう施策は厚生省のほうでもいろいろと進めておられるわけでございます。今度、医科大学ができるにつきまして、大学との間で関連教育病院としての御協力をお願いするということは、その病院の整備充実の望ましい方向により刺激を加えることになろうかと考えております。その間にいろいろ起こってまいります問題、また教育上だけの観点から考えなければならぬこともございますから、設備費等につきましての補助等は考えていきたい。また運営上、大学側から運営費について考えなければならぬ点は将来の課題として検討をいたしてまいります。しかし、基本的な方向は、病院そのものとしての整備をはかってくださるということが願わしいことでございまして、これは医療行政の観点から御整備を願っておきたい、こう思う次第でございます。
  195. 栗田翠

    栗田委員 たいへん問題だと思います。そういうやり方で進めていったら、予算のない自治体なんかは大学病院をつくることもできない。経済的な、財政的な負担のためにますますおくれていくということになるじゃありませんか。しかも、いまのように地方財政の緊縮ということがいわれて圧迫されているわけです。特にことしは、石油危機で地方財政は節約していかなければいけないということがいわれている。こういう中でこういう負担を負わなければ大学を誘致することができないという実態になっている。自治省がこういうふうに言っていらっしゃるのに、文部省はまだ出さないというふうにおっしゃるのです。これはたいへん大きな問題だと私は思います。  それから、次に医師の住宅建設の問題ですが、附属病院のほうの医師の住宅です。県の事業として建設していますけれども、これは有償で借りる方針でいらっしゃいますか。
  196. 木田宏

    木田政府委員 大学の教官あるいは病院の職員等が住宅に入りました場合には、当然家賃を払うことになろうと考えております。
  197. 栗田翠

    栗田委員 その家賃はどういう金額でお払いになるわけですか。
  198. 木田宏

    木田政府委員 御相談によってきまった家賃を払うことになろうと思います。
  199. 栗田翠

    栗田委員 常識的な額でお払いになるということですね。
  200. 木田宏

    木田政府委員 御相談によってそういうことになるだろうと思います。
  201. 栗田翠

    栗田委員 次に、用地の問題で伺います。  医大の用地を先に県が造成して、そしてこれに医大をいま建てているわけです。ここにかかっている費用が約十三億円です。この用地については今後どういうふうにしていらっしゃいますか。有償で借りられますか。
  202. 木田宏

    木田政府委員 有償で借用する予定でございます。
  203. 栗田翠

    栗田委員 大体どのくらいの額を考えていらっしゃいますか。
  204. 木田宏

    木田政府委員 相続税の評価額の百分の二というふうに承知しております。
  205. 栗田翠

    栗田委員 わかりました。  それでは次に、設置協力会の問題について伺います。  この設置協力会というのは、最近、医科大学、また医学部がつくられたところで大体みんな持っている組織です。これは医大設置のために協力するというたてまえで寄付金を集めているわけです。静岡のこの浜松医大設置協力会、これがいまどのような募金目標でやっているかということを御存じでいらっしゃいますか。
  206. 木田宏

    木田政府委員 詳細には承知いたしておりませんが、一億余の御協力があるというふうに聞いております。
  207. 栗田翠

    栗田委員 竹山県知事が会長となりまして、名目一億、実質二億円を集めようということでいまやっているわけです。この募金の目標ですが、割り当てられております。募金を割り当てるということについていかがでしょうか、自治省のお考えを伺いたいと思います。集める前に割り当てられているのですね。
  208. 高田信也

    ○高田説明員 地方財政法の四条の五には割り当て的寄付の禁止の規定がございます。
  209. 栗田翠

    栗田委員 割り当ての禁止がされているというお話です。しかもその内容はこんなふうになっております。まず浜松市内の会社に二百万円ずつ二十口、これは必ずしも金額の強制割り当てとはなりませんね、二十口ですから。日楽、鈴木自動車、遠州鉄道、河合楽器、薬品グループ、西武百貨、松菱、大体こういうところから募金をいただこうということになっております。そうしてあとの一億円はこうなっています。浜松オートレースから三千五百万円、浜名湖競艇三千万円、静岡競輪と伊東競輪で三千五百万円というふうに割り当てられているわけです。  ここで自治省に伺いますが、このオートレースとか競艇だとか競輪だとか、これは公益事業団になっているのですけれども、こういうところにこういう割り当てをするということは地方財政法違反ではないでしょうか。
  210. 高田信也

    ○高田説明員 ただいま地方財政法四条の五で割り当て的寄付の禁止があると申し上げましたのは、国が地方公共団体に対し割り当てをすることを禁止する、あるいは地方公共団体が他の地方公共団体に割り当てるのを禁止しておるわけでございます。協力会といまおっしゃいました施行者協議会との関連については、これは地方財政法で規定しておるところではございません。
  211. 栗田翠

    栗田委員 この協力会の募金趣意書にはこう書いてございます。「とくに、早期開学をめざすためには、開学時における教育研究用の図書及び備品の整備が不可欠の条件とされております。国立医科大学設置協力会は、これらの図書、備品の整備事業を募金活動を通じて達成」するというふうになっておりまして、そのあと「なお、募金により取得した図書、備品は遅滞なく国へ寄贈します。」こうなっているわけです。つまり、図書とか備品などのために募金を集めて、集まったものはそのまま国に遅滞なく寄贈するということになっております。  それで、オートレースだとか競輪だとかいうのは、さっきも言いましたように市の特別会計に収益を入れている団体でありますけれども、これが募金を求められて、割り当てられて出して、しかもその募金の目的が初めから国へ寄贈するということがはっきりとわかっている、そういうものに対して出すということになるわけですが、こういう場合はどうなんでしょうか、自治省の御意見を伺いたいと思います。
  212. 高田信也

    ○高田説明員 協力会がお集めになりました金で国へ寄付をされるのか、あるいは市立病院へ寄付をされるのか、その間の事情は私ども聞いておりません。
  213. 栗田翠

    栗田委員 いま私が読みましたように、協力募金の趣意書には「遅滞なく国へ寄贈します。」というふうに書かれております。
  214. 高田信也

    ○高田説明員 地方公共団体が負担をいたしまして、それに伴いまして備品なりそういったものが直接国のほうへ寄付をされるということになりますと、地方財政法上の問題が出てまいります。
  215. 栗田翠

    栗田委員 わかりました。オートレース、競輪などというところからの寄付金がいまのような形で協力会にされておりまして、これは、自治省のお答えですと地方財政法違反ということだと確認いたします。ない中でいろいろな負担をするために地方自治体は苦労して、何とか学校を誘致しようということであらゆる方法考えております。その中でこういう形が出てきてしまっているということはたいへん大きな問題だと思います。さっき局長は、地方の医療水準を上げるからよいのだとか、そのために協力をすることは拒まないとおっしゃいますが、それは協力はもちろん拒まないでしょう。しかし、表面上は寄付をしろ、お金を出せということにならないけれども、実際には条件が整ったところでなければ大学が持ってこられない。地域では、何とか持ってこようと思うその立場から、いろいろな無理を重ねてこういうことになっていっていると思います。さっきの文部省の御発言は、ある意味では国が地方自治体に非常に大きな負担をかけてやらせているということになると私は思います。  このことだけを申し上げまして、きょうのこの質問を終わらせていただきます。
  216. 稻葉修

    ○稻葉委員長 関連質疑の申し出がありますので、これを許します。山原健二郎君。
  217. 山原健二郎

    ○山原委員 先ほど栗田さんの質問の中で出た今度省令できめるという参与の問題ですが、質疑応答を聞いておりまして、だんだんわからなくなってくるわけですね。たとえば地域社会意見を聞くためにというのは、それはどこかに書いてあるんですか。
  218. 木田宏

    木田政府委員 省令で職を設ける際に、その趣旨を必要な範囲で規定することになろうかと思います。
  219. 山原健二郎

    ○山原委員 先ほど法制局のほうもあまり例がないというお話でございまして、これは初めて——完全な初めてではないかもしれませんが、省令非常勤の職をきめるということは、これはまさに新しいことをやろうとしておると思うのです。それで、くどくど言いませんが、この国立学校設置法の採決の時期までにその中身を、大体どれだけの原案を持っておるかということ、これはこの法案の審議にあたって非常に重要な問題ですから、その辺はどういうふうにお考えになっておるか、私はぜひ採決までにはその原案、構想というものを示していただきたいと思いますが、いかがですか。
  220. 木田宏

    木田政府委員 考えておりますところを御説明できるようにしたいと思います。
  221. 山原健二郎

    ○山原委員 採決までに、委員長、大体構想を、省令できめられるというお話ですから、それをきめることがいいかどうかは別にして、構想を出していただかないと審議は非常に困難だと思います。というのは、参与というのが非常に幅の広いかっこうになっているわけです。たとえば、いまここでも小林先生と話しておったんですが、守衛というかっこうの場合もあるだろうし、あるいは副学長的なたいへん重要な仕事になる場合もあるであろうし、そういうことを考えますと、この性格によって非常にこの法案の審議が変わってくると思いますので、ぜひ法案に基づく省令の原案というのは、これはなるべく早く出していただかないと、審議がたいへんやりにくいものですから、いま出されるというお話がありましたので、その点、委員長、よろしくお願い申し上げます。よろしいですね。——終わります。
  222. 稻葉修

    ○稻葉委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後八時一分散会