○金子(み)
委員 査定の段階でいらっしゃるから、お願いとして質問申し上げたわけです。きまってしまってから申し上げても改めていただけることはないと思いますので、いままだやっている最中ですから、その点を十分
考えて、配分の場合にも家庭の重荷にならないような
考え方で進めていただきたいと
考えるわけでございます。
時間もございませんので、あと
一つだけお尋ねさせていただきたいと思いますが、それは今回の電灯料金の改定に関しまして、高福祉、省エネルギーの要請にこたえる新しい電灯料金の
制度をつくるというふうなことになっているようでございます。その新しい料金
制度の中に三段階方式というのを立てていらっしゃいますが、その三段階方式の中の一番
最初の段階、第一段階でございますが、ナショナルミニマムというものを
考えておられるようです。このナショナルミニマムの
考え方そのものは私は別に問題はないと思うのですけれ
ども、ナショナルミニマムのきめ方に問題があるというふうに私は申し上げてみたいと思います。第一段階のナショナルミニマムのきめ方が、一軒
当たり一カ月百キロワットアワーということ一になっているわけですね。この百キロワットアワーというのをきめられたそのきめ方に非常に問題があるというふうに
考えるわけでございます。私はいま東京の渋谷の小さな個人アパートに住んでおりますけれ
ども、現在一人でおりますので、いろいろなものをあまり使わないわけですね。それでもこの冬は、燃料はストーブは電気を使いません。ガスを使っておりました。それでいて、十アンペアで一番小さい単位だと思いますけれ
ども、百ワットで済まないのです。百二十出ます。ですから、そうなりますと、家族のおありになる方、ことに小さい子供さんやお年寄りやあるいは病人をかかえた家庭などというものは、百キロワットアワーで押えられたら私は非常に困ると思うのです。この間うちから
消費者の方たちやあるいは生協の
人たちといろいろとこの問題について論議をし、意見を出しておられるのを幾つか伺ってみましたところが、百キロワットアワーでおさまっている家庭というのは、これは生協連の報告でございますが、八%前後だというのですね。一番多いのはやはり百キロから二百キロの間ですね。百キロから百五十が二五%、百五十から二百が三五%、二百以上の家庭も三二%ある。三分の一あるわけですね。そういたしますと、一番みんなが使っていると思われるのが百から二百の間です。ですから、そうだとすれば、一番最低のナショナルミニマムをおきめになるのだったらば、最低百五十でもってきめられるのが妥当ではないかというふうに
考えるわけでございます。
さらにその百をおきめになった内容を拝見させていただきましたところが、非常にびっくりいたしましたのは、どういう家庭を対象にこの百キロワットアワーをナショナルミニマムとしてお出しになったのかということは非常に疑問があります。たとえば照明の場合は二十八使うようになっていますが、これはどういう家か、時間がありませんので質問でなくて私が申し上げますけれ
ども、二DKだというのですね。二DKの平均世帯で、そして電灯はどういうものを使っておるかと申しましたらば、台所の白熱灯六十ワット一個、これは一応いけるかと思います、台所の大きさがわかりませんけれ
ども。それからあとは、居間が二つありますのに螢光灯三十ワット
一つずつなんですね。これは暗いと思いますね。皆さんの御家庭でもそんなふうに電灯を使っていらっしゃるのでしょうか。たいへんにこの照明は私は暗いと思います。それから玄関、風呂場、お手洗いなど合わせて三カ所で六十ワット、これも薄暗いお手洗いになってしまうと思います。さらに驚きましたのは、この百三キロワットと出ております数字の中に電気がまが入ってない。電気炊飯器ですね。このごろどこの御家庭でも御飯をおたきになるのに、まきをたいていらっしゃるところはもちろんありません。ガスかあるいは電気ですけれ
ども、あの電気がまというのは非常に普及しております。これはガスがまよりも早く出ましたから、どこの家庭でもこれを使っていらっしゃる。これとかあるいはテレビですね。カラーでなくて、白黒テレビ一台すら計算の中に入っていない。そういうようなきめ方で百を割り出していらっしゃるということに私
どもは納得がいかないわけです。もちろん電気毛布だとかあるいはルームクーラーだとかいうものはまだぜいたくな部類に属するかもしれませんが、将来はルームクーラーなどは必需品になるかもしれません。一部屋ぐらいはつけるようになるかもしれない。しかしそれは一応おくといたしましても、日常使っているであろう炊飯器とかあるいは白黒テレビすら計算の中に入っていないで、百を無理につくり出したような感じがある。これは非常に不合理だと私は思いますが、この点を改善なさる御趣旨——これはきまったものじゃないでしょうけれ
ども、こういうことできめていこうとしていらっしゃる線が非常に強いと思いますが、これをせめて百五十、最低百五十、それをナショナルミニマムとしてきめられることが、そうでなくても非常に問題の多い今日でございますから、少なくともいま
物価がものすごくはね上がっております時期ですから、せめて
物価が安定する時期がくるまででも百五十をミニマムとして取り扱うというだけの方針をお立てになっていただくわけにいかぬでしょうか。これは
政策だと思いますけれ
ども、御方針を聞かせていただければと思います。