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1974-03-15 第72回国会 衆議院 物価問題等に関する特別委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年三月十五日(金曜日)     午後六時十二分開議  出席委員    委員長 平林  剛君    理事 稲村 利幸君 理事 加藤 六月君    理事 木部 佳昭君 理事 橋口  隆君    理事 山下 元利君 理事 松浦 利尚君    理事 野間 友一君       加藤 絃一君    片岡 清一君       三塚  博君    粟山 ひで君       山崎  拓君    吉永 治市君       金子 みつ君    山中 吾郎君       小林 政子君    有島 重武君       石田幸四郎君    和田 耕作君  出席国務大臣         通商産業大臣  中曽根康弘君         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      内田 常雄君  出席政府委員         公正取引委員会         事務局長    吉田 文剛君         経済企画政務次         官       竹内 黎一君         経済企画庁長官         官房参事官   有松  晃君         経済企画庁調整         局長      青木 慎三君         経済企画庁物価         局長      小島 英敏君         通商産業審議官 森口 八郎君         資源エネルギー         庁長官     山形 栄治君         資源エネルギー         庁石油部長   熊谷 善二君         資源エネルギー         庁公益事業部長 岸田 文武君     ————————————— 三月十四日  生活必需品の投機・買占めに対する規制強化等  に関する請願大柴滋夫紹介)(第二五二〇  号)  同外一件(赤松勇紹介)(第二五五六号)  同(大柴滋夫紹介)(第二五五七号)  同外一件(赤松勇紹介)(第二五八六号)  同(岡田春夫紹介)(第二五八七号)  同(阿部昭吾紹介)(第二六三八号)  同(高沢寅男紹介)(第二六三九号)  同(村上弘紹介)(第二六四〇号)  同(岩垂寿喜男紹介)(第二六六五号)  同(庄司幸助紹介)(第二六九二号)  同(津川武一紹介)(第二六九三号)  同(中島武敏紹介)(第二六九四号)  建築資材価格引下げ等に関する請願小川省  吾君紹介)(第二五二一号)  同(清水徳松紹介)(第二五二二号)  同(野坂浩賢紹介)(第二五二三号)  同(八木一男紹介)(第二五二四号)  同(板川正吾紹介)(第二五五八号)  同(小川省吾紹介)(第二五五九号)  同(木原実紹介)(第二五六〇号)  同(清水徳松紹介)(第二五六一号)  同外一件(野坂浩賢紹介)(第二五六二号)  同(八木一男紹介)(第二五六三号)  同(和田貞夫紹介)(第二五六四号)  高物価物不足から国民生活を守るための緊急  対策に関する請願栗田翠紹介)(第二五二  五号)  国民生活防衛に関する請願大柴滋夫紹介)  (第二五六五号)  物価値上げ反対に関する請願瀬野栄次郎君紹  介)(第二六一二号)  同(木下元二紹介)(第二六四一号)  中小業者の経営安定のための物価抑制等に関す  る請願瀬野栄次郎紹介)(第二六一三号)  物価暴騰及び物不足についての証人喚問に関す  る請願中路雅弘紹介)(第二六一四号)  国民生活緊急安定対策に関する請願諫山博  君紹介)(第二六九五号)  同(谷口善太郎紹介)(第二六九六号)  同(津金佑近君紹介)(第二六九七号)  同(松本善明紹介)(第二六九八号)  同(山原健二郎紹介)(第二六九九号)  同(米原昶紹介)(第二七〇〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  物価問題等に関する件(石油価格問題等)      ————◇—————
  2. 平林剛

    平林委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。稲村利幸君。
  3. 稲村利幸

    稲村(利)委員 いよいよ石油値上げ決定があすに迫った感のある中で、実は、昨日の夕刊には八千九百円という数字が発表され、その前に通産省のほうから流れていた数字は九千百六十四円。私は、この石油値上げ価格決定に際しては、慎重の上にも慎重にという総理のおことばのある中で、こうした数字閣議決定もされない前から出るということは、非常に行政官庁にたるみがあるんではないか、こう思います。  それと、昨日はエネルギー庁の課長石油連盟会議に出て、国民が非常に不安を抱いているということで、その辺のところを中曽根大臣参議院予算委員会では、あり得ないことだということで答弁されていて、これはあり得ないことが当然なことだったのですが、それが出ておられた。こういうことで、実は山形長官に、そういう数字の点、また出席したそういう姿勢について私はただしたかったのでございますが、中曽根大臣山形さんにかわってということでございますので、その辺のところをまずお聞きしたいと思います。
  4. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 まず、数字新聞に出たことでございますが、通産省試算として九千百六十四円というのは、総理大臣参議院でしゃべってしまった、それで新聞にも出た。これはしかし試算として表明しておるわけで、それで固まっておるわけではございません。その後、各省最後の詰めをいろいろやりまして、特に農林省運輸省等からは、軽油やそのほかの石油製品の値を下げろ、もっと政策的考慮をしろ、そういう強い要望があって、ゆうべもおそく、けさ方まで、通産省でいろいろ詰めたところでございます。  それで八千九百円云々というのは、新聞が書いたのでありますが、これもわれわれは責任をもつものでございません。日本新聞記者は非常に腕前がいいですから、においで、そのにおい新聞に、これはほとんど確実だろうと思って出すぐらい、なかなか探索力があるというところであろうと思うわけであります。しかし、それも私たち責任を持つ数字ではございません。石油値段は非常にデリケートなもので、これがいろいろ思惑を呼んだり、いろいろいたしますから、政府が正式に決定するまでは、厳秘にしておくべきもので、かりに私がいま知っておっても、言うべきものではないと思います。しかし、まだそういう段階にはないので、けさ閣議の前で大蔵大臣通産大臣経企大臣官房長官総理と相談をいたしまして、そして大体三つの案を、ゆうべ各省で話し合ったラインを協議いたしました。しかしこれは、結局、総理大臣にきめてもらうのが一番いいし、ぎりぎりの線で総理大臣にきめてもらおう、そのほうが外にわからぬし、安全である、そういうことで、総理大臣にいまお預けしてあるというのが現在の情勢でございまして、正式にきまっておるわけではございません。  それから第二に、きのうの、石油連盟通産省課長が行ったという問題でございますが、これは十四日に参りました。これは十三日の夜、いろいろ政策をやっている間に農林省各省から、どうも石油が近く上がるということになると、ガソリンスタンドは売らなくなる。それで、二、三日がまんしていれば高い石油になるんだから、自動車持っていっても売れなくなる。アメリカにもそういう現象が、われわれの見ている前で起きているわけであります。そういうところから、そういう混乱を起こしてはならぬ、各省からも非常に強い要望があって、その晩に石油連盟に連絡して、販売担当責任者を集めてくれ、そういうことを通産省要望として申し入れして、そして翌日集まってもらって、十二社の販売担当部長クラスの者を集めまして、そして私のほうの計画課長平林という者が参りまして、ともかくこれから将来石油が上がるという場合に便乗値上げをやめなさい、いままでややもすると、この十二月には売り惜しみというようなことがあって国民に迷惑をかけた、したがってそういうようなことは今度は万一にも起こさないようにしてもらいたい、そういうことを強く要望すると同時に、それからおのおのの系列に従って流通がよくなるように、自分系列だけ、特定の業者にだけ配当して、ほかのほうに配当しないということで、LPGやあるいは灯油のあの騒ぎが起きました、ああいうことを起こさないようにというような、あらかじめいまから準備して国民の皆さんに迷惑をかけないような措置をやれということで、実はその話をしに行ったわけでございまして、石油値段幾らにするとか、幅をどうするとか、そういう価格の問題について行ったのでもなければ、そういう話をしたのでもございません。
  5. 稲村利幸

    稲村(利)委員 大臣からの御答弁で大体を了解できますが、いずれにしても、疑惑というか不安を少しでも国民に与えないように、私は所管庁のえりを正して、ぴしっとひとつしていただきたいということを強く要望いたします。  次に石油製品値上げ指導のあり方について、公取政府特に通産省側のほうで、公取はこの値上げに関しては法によらなければ独禁法に違反する、片一方は値下げのときには行政指導のほうがいいというようなことで、産業界国民政府見解の不統一について私は不安を抱いていると思いますので、この辺のところを時間が限られておりますので簡潔に、公取委員長——きょうは事務局長が出ておられますが、事務局長通産大臣からひとつ簡潔にお願いします。
  6. 吉田文剛

    吉田(文)政府委員 行政指導カルテルとの関係、特に価格カルテルとの関係につきましては私ども委員長からもたびたび申し上げているとおりでございまして、基本的な考え方といたしましては、価格というものは本来市場におきまして需給関係に基づいて事業者によって自由に決定されるべきものであります。したがって、事業者カルテルを行なうということは、それが行政指導に基づくものであろうとなかろうと独禁法違反になるというのが基本的な考え方でございます。  しかも価格行政指導、特に価格カルテル行政指導関係につきましては、行政庁価格について行政指導をする場合は、価格設定行政庁が行なうというものではなくて事業者自身が行なうものである、価格事業者自身がつけるものである。したがって、行政庁行政指導によって価格の引き上げを認めた場合には、事業者間に話し合いとか談合の事実が全くないという仮定の論理を用いれば別でございますが、通常の場合、実際問題としてはそのようなことはほとんどあり得ない。したがってカルテルの存在を認めざるを得ないであろうということでございます。  もし行政指導による価格設定という考え方を是認しますと、結局指導によるカルテルを容認するということになりますが、そういうことではカルテルに対する独禁法適用除外を規定している法律は不必要になるのではなかろうかというのが私ども根本的考え方でございます。ただし、価格の引き下げの指導につきましては、これは応急措置として行き過ぎた値上げを抑制する目的で行なわれるものであれば、まあ緊急避難的意味で認めるのもやむを得ないのではなかろうか。しかしその後は可能な限り標準価格等法律に基づく措置に切りかえるべきである、こういう考え方でございます。
  7. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 公取とわれわれの考えはそんなに違ってないと思います。実態認識に関する部分が少しニュアンスの差があると思います。  まず、根本的にはあれは私的独占の禁止の法律でありますが、公権力公共福祉のために行なうことと私的企業自分たちの利益のために行なうこととは根本的に違っております。それから公権力が介入してやる場合でもこれは個別に企業に対しておのおの行なう。企業がその後お互いが意思を連携し合って取引制限をやれば、たとえ行政指導があってもこれはカルテルになると思いますが、しかしそうでなくて、行政指導でストレートに企業にそういうこちらの意思を伝達してそれに企業が従うという場合にはこれはカルテルになるはずはない、そう私は思います。その点で行政庁が個別的に指導した場合でも、それを受ける場合に企業は横目でにらみながらあうんの呼吸とか、あるいは何か黙示のあるいは表示の連絡みたいなもので一ちょういこうかとか、そういうことでそれがきまるとカルテル危険性が発生しやすいということを公取は警告されておるんだろうと思います。これはやり方を非常に慎重に注意して私たちはやらなければならぬと思っております。  それから行政指導価格というものは公取のお目こぼしにあずかってわれわれがこそこそやるものではありません。これはやはり行政権の発動として堂々とやるべきものであって、公取のお情けでやるものじゃないと私は思っております。それだけの根拠——立法、司法、行政という三権があるわけですから、そして通産省なり大蔵省というものが設置されている限りには、その設置法に基づいて国民生活のために行政力として最良の範囲内でこれこれのことをやれということが根拠法で示されておるのでありますから、その範囲内で行なうということはむしろ責任であって、それを行なうことが越権であるとはわれわれは考えない。われわれはともかく公取のお目こぼしにあずかってこそこそ行政権を行使するものではないということだけは、ここではっきりいたしたいと思います。ただしわれわれの政策的な考え方からして、いまのような法律がちゃんとできてきておりますと標準価格に移行することが望ましいと私は思うのです。わざわざ国会でも法律をつくっていただき、われわれもその法律必要性をお願いしてつくっていただいたわけでございますから。ただ標準価格に移行することが不適当なものもあります。またできないものもあります。ある一定の期間たったら、できるように熟成してくるものもあります。だから、それが適当であるもの、あるいはそれが熟成してきてやれるというものはなるたけ標準価格に移行するように私たちは努力していきたい、そう思います。  たとえばいま一番問題になっているA重油の問題がありますけれども元売り仕切り価格をある程度きめましても、具体的に価格として出てくるのはガソリン幾らA重油幾らという相場値段の問題になってきます。ところがA重油になりますと、全農とか全漁連はソ連から自分で直接入れておる。この値段はメジャーから入っておるのとまた違ったりいたします。それから気仙沼の岸壁渡しと銚子の沖渡しとではまた相場が違う。またA重油の品質も千差万別です。そういう意味から標準価格のように全国一律に同じ値段できめにくいというものがあるわけです。もしそれを強行するとその場所にはA重油が出てこなくなっちゃう、店頭から姿を消す、そういう現象が出てくるわけです。  われわれは生きている経済に取り組んでいるのですから、その生きている態様に応じて国民福祉に少しでも沿うような措置をしていかなければやれないわけです。そういうことをひとつ公取にも御理解願って、先ほど申し上げましたような考えで私たちはやるということを申し上げた次第でございます。
  8. 稲村利幸

    稲村(利)委員 ただいまの大臣のおことばを聞いて、実は十二日の総理高橋委員長との差より非常に理解できるような気がするのです。こういう公取政府との意見があまりにも違うような印象を与えると、ほんとうにどうなっているのだろうかというようなことで国民が非常に心配する。この点、いまのような意見だと理解できると思いますので、今後ともひとつよろしくお願いしたいと思います。  次に、石油製品値上げ幅について通産省案としてキロリットル当たり八千九百円台とされているようでありますが、その算定の根拠を、簡単にといってはあれでしょうが、ひとつ示していただけたらと思います。  それと、何といってもこれは政府国民の理解、協力を得なければならないことですので、石油業界の過去の経理状況も、これは国民に堂々と示せると思いますが、その点をどう考慮されているでしょうか。
  9. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 まず値上げ根拠はもう申し上げる必要ないと思いますが、どういう積算の基礎かという点につきましては、これは十二月時点における原油、FOBとCIF、それに対して精製加工経費幾らくらい、販売経費幾らくらい、それから関税が幾ら、あるいはそのほかの諸掛かり、適正利潤、そういうようなものを入れて十二月の元売り仕切り価格平均が一万四千四百四十円でございましたか、その程度であったと思います。その後一月以降になりまして平均的にOAPECが、アラビアンライトでございましたか、一バーレル十一ドル六十五セントという相場をつけまして、パーティシペーション・オイルの中のDD原油とかあるいはバイバックオイルは、それの九三%ということでやって、したがって、DDオイルとかバイバックオイルは高いわけですが、メジャーズが長期安定契約で買っている分はそれよりも実勢価格として低い八ドル五十とか九ドルとか、そういう相場で出てきているわけです。それで大体一月以降につきましては、日本に入ってきている各石油について油種、それから産出地値段、そういうものを全部集計しまして、そして総平均をつくるわけです。そしてそれが一月とどれくらい開いているかということも調べ、その総平均価格元売り仕切り価格としまして、その総平均価格石油を今度はガソリンにした場合、A重油になった場合、ナフサになった場合、あるいはC重油になった場合、それはおのおの得率で出てまいります。その得率で出てくる分に比重、ウエートをかけまして、そしてそれがおのおの幾らくらいに大体なる、そういう計算をして、そして元売り仕切り価格とそれからいまの油種別価格指導価格ともいうべきものを計算しているということでございます。
  10. 稲村利幸

    稲村(利)委員 その場合ちょっと気になりますのは、高い原油を買っている会社が輸入を押えるということが具体的に出てきているわけでありますが、日本全体として原油供給に今後不安を生ずることがないだろうか。たとえば二月の原油輸入量が、通産省指定統計では二千百十一万キロリットル、当初の計画では二千二百七十万キロリットル、現に百六十万キロリットルの落ち込みになっておりますので不安を感ぜざるを得ないと思いますが、そこのところを御説明いただきたい。
  11. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 その不安はなきにしもあらずであります。また、われわれが将来きめようとしている石油価格についても、供給者がどういう反応をそれに対して持つか、これまたわれわれとしては一つのかけでもありまして、非常に慎重にやっておるところでございます。ただ、二月の数字は、通産省速報でいまお示ししたのがその数字であると思いますが、税関のインプットと速報とにはいつもズレがございます。それで一月の入荷を見ると、速報はかなり多い、税関のほうが少ない。今度は二月になると、速報が少なくて税関のほうが多い。これは月末に入ってきたものをどっちの分にするか、一月分にするのか、二月の分にするのか。近ごろはタンカーが五十万トンタンカーという大きいタンカーですから、二はいをこっちへ持ってくれば百万トン違ってしまうわけです。そういうところで、これは数値のとり方にもよるのでありまして、一月、二月両方を合併していて平均して考えてみますと、われわれが期待しているよりも少し少ない、そういう程度であります。しかし、二月というものがそういうふうになってきたことは三月にどういう影響をつらなってくるかどうかという点で、実は非常に深甚な関心を持っているところであります。
  12. 稲村利幸

    稲村(利)委員 もう一点。本来、こういう石油価格決定等経済原則で判断すべき問題ですが、このところ、これは政治を意図として、特に参議院選挙前に三月一ぱいはできる限り値を上げないというような意図考えられる。そこで、これはもうすでに期間においても幅においても限界というものがおのずとあるし、良識ある国民値上げ考えられることだという判断に立っていると思います。そこで私は、無理をして押えて、経済物価的見地から見て、かえって将来大きなひずみを起こさないように特に注意をしていただきたいと思いますが、この辺のところを内田企画庁長官、簡潔にひとつ……。
  13. 内田常雄

    内田国務大臣 私のほうは経済企画庁でございますので、経済運営がストップしてしまって産業が動かなくなる、あるいは国民経済が危殆に瀕するということがあってはならないと考えますと同時に、これまた国民生活を守る立場から、いま入っておる原油とそれから通産省が現在押えておる石油製品価格が逆ざやである状況にかんがみまして、値上げをせざるを得ないことも認めなければならない。しかし、その値上げの幅というものは、これは国民経済を守るということからすると、できるだけ大きくないほうがよろしいし、また平均値段をきめましても、それを各種油種価格を開く場合に、たとえばガソリンとか灯油とか軽油とか、あるいはA重油とかいろいろの種類の油種に開く場合に、やはり日本経済運営とか国民生活に支障を来たさないように、政策的に価格を開いていくことについてもある種の考え方を持つ。それと、さらに大切なことは、石油製品価格を引き上げました影響が、各種生活関連物資経済基礎物資にはね返りまして、そして国内の多くの物資が値上がりをして再び物価狂乱が起こるようなことがあってはたいへんでございますから、石油製品の値幅というものをできる限り関連企業あるいは関連製品のコストの中に吸収してしまうような措置を、これは通産省ばかりじゃなしに、農林省にも厚生省にも大蔵省にもとってもらう、こういう見地をもちまして、通産省石油に関する価格対策に協力しながら、また助言をしながらやってまいってきておるわけでございますので、そのような見地から一つの結論を得つつありますので、ごく近い間にそれを発表できる機会があることと考えております。
  14. 稲村利幸

    稲村(利)委員 限られた時間があと一分ちょっとですので、中曽根大臣最後要望ということでありますが、きょう日本経済新聞石油価格値上げに伴い、当然電気料値上げということで五月を認めるということが記事にすでになっております。そこで私は、これは当然石油に比例して考えられなければならないことでございますが、大臣にぜひこれは考慮していただかなければならないことがある。家庭用電気値段が、これまで一にすれば工業用が三分の一ということは早くから識者が指摘したところで、ぜひこのバランスをこういう際に改正していただけたらということを要望と同時に、ひとつその辺をちょっと聞かしていただけたらと思います。
  15. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 電気料金その他公共料金は、従来の政策どおり、極力抑制する、そういう方針で、今回の石油の問題を通じてわれわれとしては政策を進めていきたい、極力抑制するというのが、従来の政府方針であります。電気についても同じであります。  料金については、いま通産省審議会電気事業法に基づくいままでの原価主義をどう改めるかということで審議をしておりまして、われわれも工業用産業用電力代家庭用民生用電力代というもののいままでの不均衡を改正しなければならぬのじゃないか。そういう意味で、いままで安かった産業用工業用はもう少し高くなり、家庭用は安くなる、そういう方向にいくことを期待しております。それによってまたいわゆる省エネルギー産業の省資源省エネルギー化を促進していこう、こう考えております。
  16. 稲村利幸

    稲村(利)委員 これで終わります。ありがとうございました。
  17. 平林剛

    平林委員長 次に、松浦利尚君。
  18. 松浦利尚

    松浦(利)委員 私は、主として通産大臣、それから経済企画庁長官にお尋ねをしたいと思います。  その前に、いま稲村委員が指摘をいたしました行政介入による価格指導の解釈の問題、公取通産意見あるいは総理意見が違っておる。いまの御発言を聞いておっても違っておるわけでありますが、現にもう明日新価格というものが決定をされる。そのことは明らかに行政が介入をしているという事実が明らかになるわけでありますが、そうした場合に、公取はどういう態度をとられますか。まず吉田事務局長にその点を明確にお聞きをしておきたいと思う。
  19. 吉田文剛

    吉田(文)政府委員 あしたでございますか、石油指導価格がきまるということでございますが、近いうちにきまるということでございますが、そのきめ方が、どういうふうなきめ方をなさるのか、これはまだ内容的にはっきりいたしておりませんので、私どもとしてそれがいわゆるカルテルを伴うものであるかどうかという点は、まだ明確に御返答はいたしかねます。
  20. 松浦利尚

    松浦(利)委員 仮定の問題でもけっこうですが、おそらく行政指導で行なうだろうと思う。押し切った場合に、公取はどういう態度をとりますかということですね。
  21. 吉田文剛

    吉田(文)政府委員 もしそこに業者の共同行為によるカルテルがあるというふうに認めれば、それは独禁法上問題にするということでございます。
  22. 松浦利尚

    松浦(利)委員 それでは、この際公取の見解を、今度の行政指導による新価格体系に対しての公取の見解ですね。行政指導による価格指導についての公取の見解、これを文書その他によって関係各庁あるいは業界に対して明確にするというお考えはありませんか。混乱を避ける意味で、そういう点を明確にするというお考えはありませんか。
  23. 吉田文剛

    吉田(文)政府委員 そういうふうにいたしたいというふうに思います。
  24. 松浦利尚

    松浦(利)委員 それで、通産大臣にお尋ねをするのでありますが、公取通産大臣との見解ということになりますと、近似点というと、緊急避難の場合の行政指導は認める、こういうことを公取委員長も言っておるし、いま事務局長も言ったわけでありますが、あくまでもこれは緊急避難である、そのことが前提ですね。そうすると、緊急避難で行政指導するということが許容されるとすれば、その次には法による標準価格なりというものが前提にあって、その緊急避難行為というのが公取と接近しておるとすれば公取が許容する範囲だと思う。だとすれば、行政指導から標準価格へ移るというそういうお考え方は持っておられるのですか。
  25. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 石油の場合には、石油需給適正化法という法律がございますし、また生活安定法によって標準価格制度というものは指定されてきめられております。そういう面から見て、標準価格制度に移行するほうがより安定的であり好ましいと私は思います。ところが、それに品種的にあるいは時期的に適当でない、そういうものはあり得るわけです。いまさっき申し上げたようなA重油のような場合ですね。そのために品物が出なくなってしまう、全国の漁民がまた騒ぎだす、そういうような場合にどうするか、非常にむずかしい生きている経済を相手にする、これが行政の裁量と役人の腕前のふるいどころであります。そこに行政権というものの独特の世界があるわけです。ですから、私は行政権というものが立法権、司法権に対してあるにはそれ相当の理由があって、行政裁量の余地が認められているがゆえにそういう余地があるのであって、それでちょうどホルモン剤みたいに国民経済の体質をうまく調整していく力を持っているんだろうと思います。法律だけになると動脈硬化症状になる、そう思いますね。そういうような現実を踏まえた考えで見ると、A重油のような場合に、じゃ、すぐ、あるいは必ず将来標準価格に移行をしますといえるものかどうか。これは性格的に検討を要するものはありますよ、定性的に。そういうようなもの。しかし、移行できるものはあると思うのです。たとえばLPGにしても灯油にしてもやりましたね。ですから、移行できるものはできるだけ移行することが望ましい。特に二つの法律をおつくり願って、そういう背景もあることでありますから、だから可能なものはできる限り早く移行させたい、これが二つの法律を持っておる今日において適当な措置であると思います。
  26. 松浦利尚

    松浦(利)委員 そうすると事務局長、いま通産大臣が言われたように緊急避難的行為として許容できる範囲として行政が介入する、しかしそれはあくまでも将来は法的根拠に従った標準価格なら標準価格に移るという前提があってそのことが許容されるのですね。ところが、通産大臣のお話でおわかりのように、あるものはそういうふうに移行するけれどもあるものは指導価格そのままでいく。そうすると、場合によっては行政が介入してまた新しい価格体系とかできるかもしれないですね、将来。そういうものについても緊急避難だ、こういうふうに公取の見解では認めることができますか。そういうものについて、これは緊急避難であるというふうに認めますか。標準価格に移行しないそういう避難行為があった場合、それは許容できますか。
  27. 吉田文剛

    吉田(文)政府委員 緊急避難的行為ということを申し上げたわけでございまして、法律的純粋の意味における緊急避難ということで申し上げているわけではない。これはうちの委員長が申し上げたことばでございますが、ただその場合に、これはやむを得ざるの措置、いろいろ価格も流動的でございます、原油価格も。その他いろいろな事情がございましょうから、価格標準価格に移行するまでのやむを得ないつなぎの措置としてやられることはあえて反対はいたしません、こういうふうに委員長申し上げておるわけでございます。ですから私も、それが一部の品目についてどうもいろいろな点から標準価格に移行することがむずかしいものがあるかもしれないということに対しまして、いまそれがどうであるのか、つまり非常によくないとかあるいはいいとかいうことは、いま直ちにこれはお答えできませんけれども、できれば標準価格になるべく早く移行していただきたい、こういうことでございます。
  28. 松浦利尚

    松浦(利)委員 公取委員長がきょうおられないので残念ですが、文書通達を先ほど明確にする、そう言われましたから、その中でそういったものについても明らかにしていただきたいということを要望しておきますが、よろしいですか。
  29. 吉田文剛

    吉田(文)政府委員 承知いたしました。
  30. 松浦利尚

    松浦(利)委員 その点を明確にしていただいた上で、これから新価格体系に移行したあと一体それがどういうことになるのかという議論はあらためてさせていただきたいと思います。まだ架空の議論ですから。ですから、その点をまた結果が出たときにあらためて議論をさせていただくということにしておきたいというふうに思います。  次に、いよいよあしたと新聞には書いてあるのですが、通産大臣はいや、きめておらぬ、こういうことでありますから、きめていただかないほうが、できるだけ先に先に延びていただいたほうがわれわれとしては都合がいいわけでありますから、国民としては助かるわけでありますから、ぜひあしたではないことを期待するわけですが、どうもあしたらしいということなんで、そういう状況なんで一つ具体的にお尋ねをしておきたいと思うのです。  それは、この前経済企画庁長官通産大臣も言っておられるのですが、便乗値上げした分を吐き出させる、こう言っておられる。ところが、その便乗値上げが一体幾らあったかということについて、通産大臣は六百億あるいは八百億という、いろいろな説がある。ところが、私たちが現実に試算をいたしますと、これは板川委員が商工委員会でも具体的に指摘をしたのですが、この商工委員会ではすれ違いになって大臣からの御答弁がないわけなんです。これは二月十五日の商工委員会会議録です。板川委員が発言しておるのでありますが、わが社会党が試算をいたしますと、実は正確に言いますと、便乗値上げでもうかった分というのが一千百九十八億七千万円あるという試算結果が出るのです、われわれの資料でいきますと。そうすると、一千百九十八億七千万円の過剰利得があったという計算をしてまいりますと、実質的には四月十一日まではこの便乗値上げ分で原油価格が引き上がった分はペイできる。ですから、具体的な数字としては、四月十一日までは本来なら値上げをしなくてもいいという数字がわれわれ社会党の計算では出ておるわけです。ところが、政府のほうは、いや六百億しかないんだ、あるいは八百億しかないんだ。私はその点は非常に重要な問題だと思う。石油業界の過剰利得というものを具体的に計算して、六百億ないし八百億という数字に絶対間違いない、そういう自信を持っておられる資料でございますか。通産大臣どうですか。
  31. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 板川委員の千百九十億というのは私もお聞きをいたしました。その根拠を、板川委員も計算なさって、われわれの委員会で表明なさいましたが、われわれがその根拠を拝見いたしまして、ちょっと弱い線があるなと思った点が一、二ございます。それで数がふくれてきておる。しかし国会議員の先生がお調べになったことですから、われわれがそれがどうでとその場であげつらうのは失礼ですから、われわれはそういう感じを持っておるということで、黙ってお聞きしておったところでございます。通産省試算し検証した結果では、十二月末に大体六百億弱の先取り値上げをしてもうけておる。それに対して二月の末までに約五百四十億すでに吐き出した。そして三月末までには、荒い計算ですが、いま申し上げたのはみんな荒っぽい計算ですが、大体二千八百億程度の赤字が石油関係業者、精製業者等に出る、大体これがわれわれの荒い計算でございます。
  32. 松浦利尚

    松浦(利)委員 この際わが党は、弱い線があるかもしれないが、こういうふうに計算を出したのです。政府自体もこういう資料があったら明確にしていただきたいと思うのです。国民は疑いを持っておるのです。通産大臣は六百億と言っておるけれども、あれは業者のペースだ、こういう感覚を持つ。だからわれわれは、荒い試算だけれども、ちゃんと具体的に数字を出しておる。ですから、そういった意味では、一体ほんとうに幾ら便乗値上げがあるのか、その点を具体的に資料として出していただかないと、国民は納得しないと思うのですね。その点ひとつもうけを出していただけるかどうか、明確にしていただきたいと思います。
  33. 山形栄治

    山形政府委員 現在まだ政府内部の最終決定が済んでおりませんので、申し上げることは差し控えますけれども、決定の暁におきましては、先生のおっしゃいますように、その根拠等につきましてできる限り明確にいたしまして、国民の前にこれを明らかにするつもりでございます。
  34. 松浦利尚

    松浦(利)委員 私は幾ら値上げするか教えていただきたいと言っておるのじゃないのです。これだけ過剰利得があるからこれまでもちますよという資料を出したらどうですかと言っておる。過剰利得をきめたあとというのは価格をきめたあとですから、そうじゃない、ここまでは繰り延べられますよという資料なんだから、過剰利得が幾らあるかというのは価格関係ないんですよ。どのくらい食いつなげるかというのは関係ないんですよ。その資料をなぜ価格決定前に出せないのですか。われわれは出したんですよ。その点をひとつ、長官どうなんですか。
  35. 山形栄治

    山形政府委員 厳密な姿におきましては、現在はっきりできない段階でございます。これは必ず明確にいたします。
  36. 松浦利尚

    松浦(利)委員 通産大臣、どういう意味でそういうことを言われたのか知りませんが、明確でないのになぜ六百億という荒い数字が出るのですか。しかも六百億を食いつないだから、におう、におわぬは別にして、おそらくもうあしたからこういうところに値上げするということはきておるわけでしょう。しかもこの前通産大臣経済企画庁長官も、いや便乗利得は全部吐き出させるんだ、だからできるだけ引き延ばすんだ、こう言っておられるんだから、その点を明らかにするために資料を出してもらいたい、こう言っておるのに、いま言ったように、明らかでないからこれから精査するということになれば、一体この六百億の根拠はどういうことになるのか、こうなると思うのです。
  37. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 大体計算はしております。そういう報告を聞いておるのは、私も目を通した資料があるからであります。これは油種別に一々日本に入ってきた全石油についても計算をして、そして平均値を出してやっておるわけであります。これは新価格の決定後明らかにいたしまして、われわれの考え方国民に御理解願うようにいたしたいと思っております。
  38. 松浦利尚

    松浦(利)委員 出さないというものを出せ出せと言ったって時間がたつばかりなんで、これ以上議論するつもりはありませんが、やはり値上げをする前に、価格を教えろといっておるのじゃありませんから。要するに、もうかった分はこれだけあるのですよということは、より具体的に国民に知らすべきだ。そうしなければ国民のコンセンサスなんか得られないですよ。私はそういった意味でそういう点は通産大臣にぜひ考慮していただきたい。国民のコンセンサスを得るならば、国民にわかりやすくそういう事実を、価格を決定する前に教えてもらうほうが親切だと私は思いますけれども、もう一ぺん、御答弁は要りませんが、私の希望として申し上げておきたいと思います。
  39. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 私も松浦さんと同じ考えに立っていろいろ行政をやらせ、資料も整え、そういう考えで明らかにしますということは、商工委員会でも予算委員会でもあなたにも前に御答弁申し上げたのじゃないかと思います。
  40. 松浦利尚

    松浦(利)委員 いや、そう言われても、出てこないから質問しておるので、出てくれば何も私は質問する必要はない。わざわざむだな時間を費やす必要はないので、その点はひとつ明確にしていただきたいと希望申し上げます。もう一回再考してください。  それから次に、国民が納得できないもう一つの理由は、行政指導価格をきめていって法的な拘束力があるのか。ですから、逆に言うと、あなた方が行政指導をやってみたが、言うことを聞かなかった企業に対してはどういう措置が残るのですか。行政指導というもので行なわれた場合、いじめるわけですか、その点をひとつ明確にしていただきたいと思うのです。
  41. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 法的拘束力もないし、強制力もございません。しかしいまの企業は、この間の十二月末のいろいろな経験にかんがみて、かなり社会的責任ということに目ざめてきつつあります。特に集中審議にあって、いかに世論というものがこわいものであるかということが身にしみてわかってきたと私は思うのです。ですから、人間が行動するという場合には、単に利潤追求のためだけではなくして、社会的責任とか良心のささやきとか、そういうものに応じて行動するということも、現代では非常に世論の力によって出てきていると思います。でありますから、たとえ道徳的な説教あるいは国民経済全般の見地に立って行動されたいというようなことでも、企業は社会世論の制裁や報復、名誉の失墜ということをおそれて、それが正しいと思って協力するという面が非常に最近は出てきておる。これは皆さん方のお力にもよるところが非常に大きいわけです。したがって、単に利潤追求で動物としてのみ扱うということは私は間違いであると思います。
  42. 松浦利尚

    松浦(利)委員 いや、そのことはわかるのです。しかし現実に企業側が行政指導に従わない、法的根拠はないわけですから。これは極端に言うとやむを得ないという結果になるのではないか。具体的に言うと、あとは商道徳の問題が残るだけで、実質的にやむを得ないという考え方なんでしょう。それはそのとおりでいいのでしょう。
  43. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 われわれは期待するけれども、期待にはずれたものはやむを得ない、そういうことになると思います。
  44. 松浦利尚

    松浦(利)委員 そこでお尋ねをしておきたいのですが、これは経済企画庁長官にお尋ねしたほうがいいと思うのですが、実はいま基礎資材で四十品目、生活関連物資で百六十品目の価格凍結を指示していますね。これは通産省経済企画庁との間でお話しになられて凍結をする。ところが、原油価格が上がると石油製品が上がるというコストプッシュがありますから、当然凍結しても値上げをしようという動きになるのは当然だと思うのです。現に鉄は四月一日から値上げをすると新日本製鉄の永山社長がすでに発表しておられますね。四月一日から基礎資材の鉄を値上げするということは、もう新聞に出しておるのですね。ところが、価格凍結を頼んでおるけれども、実際にコストプッシュによる値上げをせざるを得ない。そういう場合にかってに値上げをしている。これも法的拘束力がありませんから、やむを得ないのでしょう。その点、通産大臣ばかりじゃいけませんから、経済企画庁長官どうですか。
  45. 内田常雄

    内田国務大臣 鉄鋼業を管理するのは通産大臣でありますから、通産大臣と相談をして、鉄のようなものあるいはほかの品種につきましても、石油製品がある程度上がると、それはコストプッシュになって、その製品の価格をほうっておけば計数上上げざるを得ないようなものもあるようでございます。これはいわく言いがたしでありますけれども、いまあなたがお触れになったこと、またわれわれが言ったことにも関連いたしますけれども、昨年の年末等のいわゆる狂乱物価の時代に先取りしたと客観的に考えられる、そういう所得もあるわけでありますから、たてまえとしては、その中に石油製品値上げもはめ込まれるはずではないかということで説得することが第一であります。  ところが、それでもはまらぬものがあります。たとえば産業連関表というようなものを用いて計算をいたしましても、たいがいのものは産業連関表によって、石油製品が上がればへその連関産業の製品は幾ら幾ら上がるはずだというもの以上の値上げの今日実勢にありますものは、それへ押し込めますけれども、そうでないものもあるわけです。鉄のごときはあるいはその例の一つかもしれませんが、これはまた、鉄というものは総需要抑制等に関連して、購買力がつかない場合には一番値くずれのする品物でもありますので、鉄鋼業者考えるとおり建て値を直しましても、値段が上がらぬという要素もございましょうし、何しろこれはまたわが国経済指導産業であり、またシェアからいいましても大きな割合を占める指導企業もございますので、通産省も含めた話し合いで、とにかく当分の間は右へならえで値段を上げない、こういうことでやっていただくことになっております。しかしその後いろいろな事態が、国際的にも世の中変わりますから、どうしてもやれない場合には、これも新聞等の一部が伝えておるわけでありますけれども、事前の相談を持ち込んできて、納得がいくものはそれは例外として、ある時期を選んで値上げを認めるという場合もなきにしもあらず、こういうものも出てまいると思います。
  46. 松浦利尚

    松浦(利)委員 価格凍結を指示する、これも法的根拠がないですね。価格凍結を頼むだけですね。価格凍結を依頼をした、これも法的根拠によらざる行為ですね。ですから逆にいうと、コストプッシュがあったからといって、値上げすることも自由だ。ところが問題は、そこで通産省のほうは事前通告制というものを持ち込まれたのですね、その場合に。だから価格凍結はいたしましたよ。しかし、値上げをする分については事前通告して許可をもらいなさい、こういう行政指導をなさった。これは事実でございましょう、通産大臣
  47. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 品目によりましてそういうことをいたすことにいたしております。
  48. 松浦利尚

    松浦(利)委員 法的によらざる事前通告制、ここに一つ問題があると思うのです。これは公取委員長の見解をお尋ねしたいのですが、この基礎資材四十品目、生活物資百六十品目といったらたいへんな数ですね。業者の数もものすごく多いのです。当然やる行為というのは団体ですね。それぞれの事業団体に対して凍結を依頼し、そしてかりに値上げをしたい場合には、そういう団体からまとめて事前に値上げを申請してくる、やりたいがどうだろうか。あるいは団体自身がプライスリーダーをやって、そのプライスリーダーだけが行って頼む。そういった行為が行なわれるおそれが多分にあると思いますね。法的根拠によらない事前届け出制というものについて、独禁法の立場から公正取引委員会はこれをどのように判断されますか。
  49. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 その前に……。  いまのような措置をするという場合には、これは企業別にやっております。もしそういうことがある場合には、社長あてに通産大臣あるいはしかるべき局長から手紙を出して依頼をする、そういうことがまず第一であります。  それから、いま言った生活物資というものの数が非常に多いのでありますが、それは社によってみんな値段が違うわけです。フライパンの値段は、東京、大阪で違いますし、東京でもまた三多摩とこちらでは違いますし、したがって、おたくの社のいつにおける値段を守ってくださいということで、横ににらんで一律に同じ意思の連携をとってやれというのじゃないわけです。ですから、かりに団体でやったとしても、いまのように千差万別のものですから、これは私は、独禁法に触れるような、同じ値段取引制限をしようというようなものとは性格が違うと思います。
  50. 吉田文剛

    吉田(文)政府委員 個々具体的な場合は私よく存じませんが、一般的に行政庁価格について行政指導を行ないます場合に、業界の団体を対象にする場合、これは価格についてのカルテルが生ずるおそれがきわめて強くて、問題であろうかと思います。ことに事前通告制というのを団体を通じてやるというのは、問題があるのじゃないかというふうに考えます。
  51. 松浦利尚

    松浦(利)委員 先ほど稲村委員も指摘しましたが、現にエネルギー庁の課長が石連の会議に出席しておって誤解を生んでおる。まだいま政府のほうで具体的に調査をして参議院予算委員会に報告するということになっておるのですが、常識的に考えまして、価格も違う非常に広範なもの、一つなら一つのものをつくっておるのに価格凍結をした場合、その製品をつくっておる会社というのは無数にあると思うのですよ。それを企業ごとに通産省が、それでは文書をどういう形で出し、それではその一件一件来る事前予告というものをみんな受け付けて、それで実質的に利潤その他の計算をして、許可するとかどうするかという、そういう許可まで具体的にいまの通産省の機能でできると私は思わないのですが、現実にそういうシステムを大臣とっておられるのですか。
  52. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 やはりスーパーとかデパートがプライスリーダーをやっております。それはおのおのみんな自分値段でやっておるわけです。ですから大体プライスリーダーの協力を求めてやれば、ほかの社も自粛して自分の値を守る、そういう形になるのじゃないかと思います。
  53. 内田常雄

    内田国務大臣 私ちょっと補足させていただきますが、それは流通段階にある価格の抑制あるいは小売りの抑制というものについては、中曽根通産大臣からいまスーパーやあるいは百貨店の例をとられたとおりでございますけれども、メーカーの出し値につきましては、松浦さんがおっしゃるように、全企業に対して出すということはできないと思います。そこで、企業のうちシェアの大きいもの幾つか、それでそのシェアの過半数を占めるというようなものを対象として、通産省、あるいはこれは通産省ばかりではありません、農林省もございましょうし、大蔵省もございましょうし、あるいは厚生省物資もございます。そういうような形でやることによって目的を達し得るであろうということで、まあこれは経済企画庁のほうからも、関係物資担当官庁を押え込んでというとたいへんことばは悪いのでありますが、強く要請をして、やっていただいておりますので、そういうことである程度いけると考えます。
  54. 松浦利尚

    松浦(利)委員 極端にいいますとやはりプライスリーダーだけを、いま言われたようにシェアの大きいものを指導していく……(内田国務大臣「幾つか……」と呼ぶ)幾つかを指導していく、こういうことですが、それが引き金になって、結果的にそれが業界全体に波及効果をあげるということを言われましたね。だとしますと、私は、原油価格が現に引き上がったあと、それでは凍結期間を何カ月間置くかということが、行政指導の場合問題になると思うのです。たとえば鉄なら鉄が、永山さんが、もう四月一日からやってくれ、こう事前通告で来ると思うのですよ。ですから、いま政府に姿勢が問われることは、原油価格に伴う石油製品価格を上げたが、この凍結した価格をそれではいつまで当面凍結をするのか、大体何カ月間ぐらいを済度として見るのかということは、これからの価格政策上非常に重要な意味を持ってくると思うのですね。ただばく然と凍結しておる、事前通告があればいいんだということでは意味のない凍結になるわけですから。物価政策上、最低これだけは凍結しなければならぬという根拠がなければならぬと思うのですね。それはいつまでと想定しておられるのか、その点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
  55. 内田常雄

    内田国務大臣 たいへん肝心なお尋ねでございまして、私ども関係閣僚の間でもそのことはほんとうに問題になりました。そこでこれから遠からずそれは閣議の問題にもいたしますが、おそらくその場合の表現は、私に書かせれば当分の間と書くつもりでございまして、当分の間とは三月中であるとか四月末であるとかいうことでなしに、その物の状態、また卸売り物価、小売り物価等のここしばらくの状況との関連においてなるべく長くきめてまいる、こういう意味に解しよう。一律ではない。また、いま申しますような物価全体の情勢で物価が非常に安定をしてくるというようなことになれば、それは当分というのは短くて、物価が下がったところへはめ込んでもよろしゅうございますし、なかなか物価の上昇が鎮静しないというような場合には、それはいろいろ積み立て金をくずしてもやってくれというようなことで持ち込むものもあろうかと思います。
  56. 松浦利尚

    松浦(利)委員 それじゃ、もっと掘り下げてお尋ねをいたしますと、現状のような狂乱的なものじゃなくて、物価がある意味で安定をしてくる、指数が安定をしてくるという段階までは凍結をしておくんだぞ、そういうふうに理解してよろしいですか。
  57. 内田常雄

    内田国務大臣 経済企画庁長官はそういう主張をしようと思っております。しかし、物資の担当官庁がぐずぐず言うかもしれませんが、これは私の言うことをぜひ聞かせようと思います。
  58. 松浦利尚

    松浦(利)委員 それじゃ、物資担当の大臣からぐずぐず言わずに明確に答えていただきたいと思います。
  59. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 できるだけ内田長官の御期待にこたえたいと思います。
  60. 松浦利尚

    松浦(利)委員 われわれはここで笑いごとで聞いていますけれども国民はそのことは非常に真剣だと思うのです。ですから、いま長官が言われて、それに協力すると物資の担当大臣が言われたわけでありますから、少なくとも閣議内における物価に関しての発言力の強いお二人がわれわれの前で意見が一致したわけですからね。ということは、私が指摘したように、物価が安定をする段階までは凍結が続く、そういうふうに私は理解をさしていただいた、お二人の意見も一致した、こういうふうに思いますが、よろしいですね。
  61. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 できるだけ御期待に沿いたい、こういう意味であります。
  62. 松浦利尚

    松浦(利)委員 さっき内田長官がぐずぐずと言ったのは、そのできるだけということばをぐずぐずと言ってさしたのだと思うのですよ。それはひとつぐずぐず言わずに長官に協力をすべきだ。それほどまた、便乗値上げというのは持っておるわけですからね。便乗値上げで吸収できるはずなんです、もうすでに織り込み済みですから。だから、そういった意味で、物資担当の大臣もぜひ御協力をいただきたいと思います。  それから、もう時間があと七分ぐらいしかありませんから、続いてお聞かせいただきたいのでありますが、先ほど稲村委員が言われた電気料金の問題ですね。要するに、公共料金関係について、現にタクシー、こういった公共料金について電力と同じように当分の間は値上げを認めない、当分の間とは物価が安定するまでは認めない、そういう考え方で私たちは理解をしてよろしいかどうか、その点を長官からお答えいただきたいと思います。
  63. 内田常雄

    内田国務大臣 公共料金につきましては、現内閣の一つ考え方がございまして、それは御承知のように極力抑制するということでございます。しかし、公共料金の対象になる事業にはいろいろなものがございまして、たとえば米価でありますとか国鉄料金とかいうものはとにかく半年間引き上げを押え込んでおりますが、これは財政との関係のある問題でございまして、財政の措置と関連がある。これは私は六カ月たったらもう一ぺん延ばすということを言うわけじゃございません。しかし、全く財政と関係のない公共事業もございまして、それは財政でめんどうが見られない、放置すればそれに対する資源の配分というものがなくなって、そして全く公共事業が壊滅するというような性質のものもございましょうし、これは千差万別であります。油を上げれば電気の問題に来る。電気の問題に来るとそれがまた私鉄の問題に来るとか、あるいは航空料金でも国内に関係のない国際条約の関係で——これも公共料金だと思います、の問題もありまして、その辺は企業の性格がいろいろ違いますし、また国民経済に与える影響等も違いますので、冒頭に申しましたように、極力抑制するという大原則の中でこれは個別的に国民経済というもの、国民の生活を考えつつやってまいるということ以外にないと私は思います。
  64. 松浦利尚

    松浦(利)委員 その当分の間がきわめて短絡になりまして、当分の間が当分の間でなくなる場合も過去には例があるわけでありますから、そういうことのないように、これも結果が出てみなければ、幾らここで議論しても水かけ論でありますが、ぜひそういったことで御協力をいただきたい。そうすることが私は狂乱物価を押える道だと思います。そういった意味では、ぜひ物資担当大臣と協力して国民にこたえていただきたいというふうに思うのです。  そこで、最後になりましたが、私たちはどうしても三月は石油製品値上げをしなくてもいい、四月の中旬ごろからでいいという理解のしかたをしておるわけですけれども、この点はくどいようですが、結果が出てから議論しなければ、資料がないわけですから、できないわけですが、ただ一つ非常に不可解に思いますのは、今度のこの一連の石油製品値上げ問題をめぐりまして、メジャーからの外圧的なものがあったやに新聞等で報道されておるのです。たまたまこの前の物特の委員会で、石油部長は通産大臣に陳情書が来ておるという御発言をなさったわけでありますが、通産大臣の手元にメジャーからそういう陳情が来ておるわけでありますか。
  65. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 私あてになっておるか、通産省あてになっておるか、山下次官あてになっておるか、忘れましたけれども、ともかくそういう陳情めいた文書が来ておることは事実であります。
  66. 松浦利尚

    松浦(利)委員 その会社はどこの会社でありますか。
  67. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 二、三ありますけれども、それは表に出さぬほうが国際的にいいと思います。
  68. 松浦利尚

    松浦(利)委員 そのことも国際的な信用云々、こう言われましたけれども国民にとっては非常に不可解なんです。なぜかといいますと、ずっと新聞の報道でありますから、私自身が通産省その他から聞いた内容じゃありません。ある意味では若干の食い違いがあるかもしれませんが、実は三月の五日、政府首脳会談の後、記者会見で中曽根通産大臣が、国際石油資本から三月から原油の対日供給をカットするということを伝え聞いた、そういうことがあったと新聞記者に発表をされた。ところがその夕刻、そういう事実はないとメジャーが否定をしておるのですね。そういうことはありませんでしたと言ってメジャーが新聞に発表しておる。ところが今度は、やはり三月五日の夕刻に、エネルギー庁長官がエッソ・スタンダード石油の代表から一五%ぐらいのカットをするという通知があった、これはエネルギー庁長官が発表しておるのですね。ですから、メジャーズのほうはそれぞれそういう事実はなかったという発表をしておりながら、日本通産省なりエネルギー庁長官はあった、あった、こう言っておるのですね。その点が非常な食い違いとして国民の目に映っておるのです。そして決算を発表したときに、一部の極東支配人がもうかったということで発表しておりますけれども、それはずっとあとのこと。ところが、この一連の石油製品値上げの問題をめぐっての政府と国際資本との関係が、非常に奇々怪々に国民の目に映っておるのですよ、具体的にいうと。ですから、その陳情書というのは、国民の前に明らかにする必要がある。事実こういうのがあったのですよというその内容を、だれから、どこの資本から出たという文書を発表する必要はないので、その名前を伏してでも、こういうのが現実にあったならあったということを、私は明らかにする必要があるのじゃないかと、そういうふうに大臣思うのですがね。
  69. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 私の言動が新聞に出て、二五%云々というのが出たのは、閣議後の記者会見で私が言ったので、そのときは明確に二五%なんて言ってないのです。それはたしかエネルギー庁長官とも立ち話で聞いた話で何とかパーセンテージ、よく覚えてないが、そういうことを言ってきたということを聞いておる。そしたらけさの新聞に、二五%というのはそのとおりかという質問がありまして、いや二五%かどうかわからぬが、その辺の見当じゃないかと思うというようなことを言った。それは一五%というのを聞いておりましたから、だから一五%か二〇%ぐらいのものはたしか来ておったはずだという頭があったですから、その辺の見当で、それもはっきりしない。そういってお答えしたのが、二五%を肯定したような表現になっておったのは事実です。私はああいうふうに出ると実は思わなかった。ある一部の、朝日新聞ははっきりしないがとちゃんと書いてありましたね。わりあいこれは正確であったと私は思うのです。それが真相であります。しかし、エクソンの件は否定して——ちょっとこれはひきょうな感じがしましたから、私はエクソンの名前を出して、一五%うちの石油部長に言ってきた、そういうことは国会でも表明いたしました。それに対してエクソンが否定したかどうか知りませんが、これは直接報告を聞いた数字でありますから、事実であります。  しかし、ほかの石油会社がどうだこうだいってきたということを、一々出すことはやはり将来の問題も考えてみておとなげないと思うので、その点はひとつ御理解を願いたいと思います。
  70. 松浦利尚

    松浦(利)委員 おとなげないということばは、それはそれでいいですけれども、私はあえてここでまた出せ、出せという要求はしませんが、ただそういう一連の、今度の石油製品値上げをめぐる動きというのが、きわめて国民の間に不明朗に映っておる。逆にいうと、外圧を利用して民族資本を助けるための手だてを一生懸命やっておる、走り回っておる、通産省は。企業のお先棒をかついで走り回っておるという印象を与えてはいけないので、そういう事実を具体的にお聞きをしておるわけです。ですから、発表できるものなら発表なさったほうが、逆に通産行政にプラスになるという親切心で言っておるわけでありますから、もうこれ以上時間がありませんから打ち切りますが、あとの御判断は通産省当局がお考えになってけっこうだというふうに思います。  いずれにいたしましても、この問題はまた後刻時間をあらためて質問さしていただきたいということだけ申し上げまして、質問を終わります。
  71. 平林剛

    平林委員長 次に、野間友一君。
  72. 野間友一

    ○野間委員 最初に、先ほどから出ております十四日の平林課長の石連の会議出席の件についてただしたいと思いますけれども平林課長があの会議に出席するようになった目的、経過、これについてお答え願いたいと思います。
  73. 山形栄治

    山形政府委員 三月の十四日、十二時半から会合が開かれたわけでございますが、実は現在考えられております石油価格値上げといいますか、それに関連いたしまして平林計画課長は、関係各省との調整を主たる任務といたしておるわけでございます。それで関係各省の中には当然農林漁業及び運輸部門等、非常に広範な分野がありまして、それぞれの所管省からかつてこれで起こりましたような末端における混乱及び便乗値上げ、また売り惜しみ等が起こったらこれは大問題である。したがってこれを事前に通産省としても指導していただきたいという要請が各省からも出たわけでございます。これは当然のことだと私は思うわけでございますが、当然末端までの問題でございますので、少し早目に通産省の基本的な考えを申し述べて、元売りから特約店及び系列の小売り店、ガソリンスタンド等にこの趣旨を徹底するのが、国民生活の確保という観点からも必要であるという判断に立ったわけでございます。  それでこまかいことは省略いたしますが、これは石連の会合に出たのではございませんで、一昨日の夜に通産省のほうで、いま申し上げましたような判断から、急遽元売り十二社の販売担当の部長の招集をかけまして、これを全員集めまして、そこで平林課長から、今後考えられる価格凍結の解除に関しまして種々の憶測、情報が乱れ飛んで、これに関連して元売り段階、流通段階での売り惜しみ傾向が懸念される、これは非常に大問題である。したがって元売り各社においては製品価格解除を見越した売り惜しみは厳にこれを慎むとともに、流通段階でもこのような傾向が出ることのないよう、特約店の指導に当たられたいというのが第一点でざいます。  それからもう一つは、末端の小売り段階で一時的に相当の混乱が予想されることが考えられるわけであるけれども、今回の価格凍結の解除措置が発表されましても、直ちに価格の引き上げが正当化されるというものではなく、それぞれの流通段階でできるだけ値上げの時期、幅をずらすよう特約店を指導すべきである。このような適切な指導があってこそ初めて流通段階での混乱を最小限に防止し得るものである。この二点を強く要請、指示いたしたわけでございます。  なお、質問に答えまして、家庭用灯油及びLPGにつきましての標準価格は、当面これを据え置くという方針通産省は持っておるということと、ガソリン軽油A重油につきましては、これは国民に直結する部門が非常に多いものでございますので、そういう国民生活上の政策的な配慮から、指導上限価格設定を考慮しておる。特にこういう国民生活関係するものについては、便乗的な値上げは絶対に起こらないように、元売り各社から下部に対して指導を徹底せられたいということを指示いたしたわけでございます。  そういう趣旨の会合であったわけでございまして、通産省のほうからこれを招集した会合でございます。
  74. 野間友一

    ○野間委員 そうしますと、具体的な価格問題についてはその場で討議をしたのかしないのか、通産省はそういう話を出したのか出さなかったのか、その点についての答弁なかったのですけれども、それはどうなんですか。
  75. 山形栄治

    山形政府委員 価格の幅と時期につきましては、この十四日の段階では未決定でございます。極端にいいますと、私自身これを知ってないわけでございます。ましていわんや平林課長は全然知りません。また知る、知らないに関係なく、こういうことを業界の段階で言うことは絶対あり得ないわけでございまして、価格の時期、幅等につきましては何ら申しておりません。  なお、先ほどちょっと落しましたが……(野間委員「簡単にしてください」と呼ぶ)製品の価格引き上げの幅、時期については現在未決定である。もちろん公式の公表の段階ではない。これは政府として正式に決定の上、そのとき、それから以後に発表するものであるということは、平林君は一番最初に断わりとして言っておるわけでございます。
  76. 野間友一

    ○野間委員 いま国民石油に関する一番大きな不安とおそれは価格が上がるのか上がらないのか、上がるとすれば、いつごろ、どれだけの幅で上がるのか。このことなんですね。いまあなたの答弁を聞いておりますと、その程度のことならことさら石連の中へ出向いて行って、そしてそこで、非公開ですよ。非公開かどうかについてはなかったんですけれども、マスコミ等によりますと秘密会というふうにいわれておりますが、わざわざあそこへ出向いて行って、その中でその程度のものを話しするなら、どうして通産省の中へ呼んで、公開の場でそれをやらなかったのですか。時期が時期でしょう。こういう時期の中で、わざわざ営業部長クラスを石連に集めてやったということになりますと、これは具体的な価格の問題ですね、この点について、業界とそれから通産省、これらが共同行為をしたのじゃないか、客観的なこのことだけでもそういう疑惑を招くのに十分なわけですね。これはあたりまえだと思うのです。ですから、なぜ通産省へ呼んで、そこで公開の場でやらなかったのでしょう。あるいはいま指導方法を聞きますと、その程度のことならたいしたことないわけでしょう。なぜそのような処置をとったのか、疑惑を晴らすようなお答えをひとつ願いたいと思うのです。
  77. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 石連の会議室へ集めたことは不適当であったと思います。その点は思慮が足りなかったとわれわれも戒めたところであります。しかし、いま野間先生おっしゃったように、その程度のことであるならたいしたことなかったと、私も全く同感に思っています。
  78. 野間友一

    ○野間委員 しかし、それが国民の目から見ればどういうふうにとられるかということですよ。いま大臣お答えありましたけれども、私は、価格の問題について業界との話し合いをなされたということについては疑惑を晴らすことはできません。  時間がありませんので続いて質問したいわけですけれども、その値上げについても、マスコミ等の話によりますと、あしたの朝の八時半の閣議に云々、こういう話が出ております。そこでいま国民が一番関心を持っておりますのは、これは集中審議の中でも明らかになりましたけれども、いわゆる石油危機、それから一月一日のこの原油価格値上げ、これがどういうふうにわれわれの暮らしに響いてくるのかということだと思うのです。私、考えますのに、この石油危機に関して言いますと、確かに中東戦争を契機にしてこれはOAPEC諸国が量もあるいは価格の問題についてもきびしく規制したという事実はそのとおりだと思うのです。ただ、ここで問題にしたいのは、これを契機にして、いわゆるメジャー、これらが量の規制あるいは価格の不当な値上げ、さらにそれに輪をかけて日本の元売り会社がこれらの便乗値上げやあるいは売り惜しみ、これをやった、こういう事実ではなかろうかと思うのです。このことについて、国会の中でこれを明らかにするということが最も大事な問題で、今日までいろいろと論議がされておるわけであります。  そこでお聞きするわけでありますけれども、いま指摘申し上げたように、諸悪の元凶は石油会社であるというのが事務次官の話でありますけれども、私はもう一人の犯人はやはりメジャーである、このように思うわけです。ところで一体FOBあるいはCIF価格幾ら原油がメジャーを通して入ってきておるのか、これについては通産省からいろんな資料をもらいますけれども、これは平均価格ですね、それについては若干の資料をわれわれは入手しておるわけです。ところがよくいわれておりますように、メジャーの系列石油元売り会社、それから民族系の石油元売り会社、これについては、量の問題もそれから価格の問題もかなり違う、こういうことがいわれておりますし、私も直接元売り会社へ行きまして、民族系の元売り会社がメジャー系列に比べてかなり差別と申しますか、区別をされておる、こういうことをよく聞くわけです。こういう実態についてわれわれ知りたいのは、一体どのメジャーが幾らで入れておるのかというそういう個別的な価格を知りたいわけです。とりわけいま申し上げたように民族系とメジャー系、これらが具体的にどの程度違うのかということを知りたいわけでありますけれども、この点についてひとつ答弁を願いたいと思うのです。
  79. 山形栄治

    山形政府委員 メジャーズといわゆる直系の会社及び民族系の会社との取引の業態でございますが、大体直系のものにつきましては長期契約を結んでおりまして、これを大体四半期ごとに確認しながら数量、価格を決定いたしております。それから民族系のものにつきましては、もうちょっとこまかい期間でこれを運用するようなかっこうになっておるわけでございます。もちろんこの場合には、産油国の価格のアップ等は当然のエスケープクローズまたはエスカレーションクローズみたいなものがついておりまして、それは当然適用されておるわけでございます。  いま先生の御指摘がございましたように、どこのメジャーのものが幾らで入っておるかということは私ちょっとつまびらかにしない点があるわけでございますが、総じて契約上の輸入購入代金価格というものにつきましては、それほどの差が出ておらないのが現状だと思います。ただしメジャーにおきましても、同じアラビアンライトにおきましても、同じ油で同じところから積み出すのに価格が違っておるのが現状でございます。これは同じメジャーの中でも違っておるというのが現状でございます。  一般的に申し上げますと、現時点でアラビアンライトでメジャーズは自分の固有の取り分が大体バーレル当たり五十二セント程度といわれておるわけでございまして、これはいろいろな資料からわれわれのほうでチェックいたしましても、ほぼその点は確認されるわけでございます。  五十二セントでございますが、最近これに対しまして追徴分というのが部分的に通告が参っておるわけでございます。これはどういうことかといいますと、こまかいことで恐縮でございますが、バイバックの分の原油価格が非常に上がってまいりまして、これは結局一回は産油国の取り分になるわけでございますが、契約上メジャーズに売り戻すというかっこうをとっております。これがアラビアンライトの例でございますと表示価格の九三%ということで、一般のメジャーの原油より非常に高い価格になっております。これが最近高値で改定されております関係から、バイバック分の上のせ分ということで追徴分がいま通告になっておりますが、一応メジャーズの利益としましては、バーレル当たりアラビアンライトの場合で五十二セントであるということであるわけでございます。
  80. 野間友一

    ○野間委員 その点についてはまたあとで触れることにいたしまして、同僚の和田議員のほうからもよく指摘をされておるのですけれども、今度の石油危機についてはメジャーに引っぱり回された。これは通産省は、業界やメジャーあたりの情報をもとにしていろいろな手だてをした、そこに大きな誤りがあるということを常に指摘されておるわけでありますけれども、私もまさにそのとおりだと思うのです。  そこで関連して聞くわけですが、昨年の見込みより入った量が多いということは、十一、十二月を通じてずっと言えるわけでありますが、昨年の十一月の時点で通産省が立てた十二月の原油輸入の見通しですね、これは実際どうであったか。実際の輸入の見込みと量、これですが、私は通産省からいろいろ聞いたり通関統計で調べてみますと、十一月の時点での十二月の見通し、これが二千二百七十三万四千キロリットル、実績は二千五百三十一万キロリットル、このように理解をしておるわけです。この事実に誤りがないのかどうか。
  81. 山形栄治

    山形政府委員 十二月でございますか。
  82. 野間友一

    ○野間委員 十一月の時点で立てた……。
  83. 山形栄治

    山形政府委員 申し上げます。  十一月の十六日に石油緊急対策閣議決定いたしたわけでございますが、そのときに見込みました十二月の数字は二千百七十万キロリットルでございます。これに対する実績が二千五百万キロリットルでございます。ただ、ちょっと補足いたしますと、同じその十一月に閣議決定しましたときのわれわれの想定では、十一月が二千六百五十万キロリットルという想定をいたしたわけでございます。これは当初の計画に対して大体七%くらいしか減らないんじゃないかという見通しを立てたわけでございますが、実績が二千三百三十万キロリットルと非常に落ちまして当初計画に一六・七の減少が行なわれたわけでございます。ちょっと補足的に御説明申し上げました。
  84. 野間友一

    ○野間委員 結局その見通し、これが実績から考えますと誤っておった。これについてはいま申し上げたようにメジャーズとかあるいは日本の元売り会社、つまり業界のそういう情報だけをもとにしてこういう見通しを立てたというところに私は誤りがあったと思う。しかも、こういう見通しの上に立って石油の消費規制をやったわけでありますけれども、これについては大口の需要の規制が一〇%。ところが、これについて業界では通産省のこの一〇%の消費規制、これでは甘い、どんな客観的データからこういうことをいうんだ、こういうことすら、石連からも通産省の見方が甘いというふうにいわれる始末であるわけです。このことからいたしますと、いかに日本の元売り会社がこのような石油危機に便乗して、そしてメジャーズと一緒になりまして、そして不確かな情報を流し、そして一〇%の削減をやるという通産省をあざ笑い、甘い甘いといいながら危機感をあおった、こういうことがこのことから私は明らかになったと思うわけです。そしてこのようなことをしながらやみカルテルを結んで、この石油製品の大幅なつり上げを行なう、これはとんでもない話だと思うのですね。しかも、ここで先ほどから申し上げておりますように、やはり一番重要な問題はこのメジャーの問題であると思うのです。メジャーについてはなかなかこの実態がつかめないというのが真相でありますが、ことしの一月二十三日にエクソンのジェーミソン会長が記者会見をして、ぼろもうけをした、その中で日本を含んだ東半球で前年比八三%の増加でこの利益を得た、こういうことをいっておるわけでありますが、このことは単にエクソンだけじゃないと思うのです。これはいろいろと資料が出ておりますけれども、ほかのメジャーも同じようにべらぼうなもうけをあげておる。しかもこれが日本を含んだ東半球でこれらのぼろもうけを展開しておる。その結果が、いかにぼろもうけをしておるかということについてはいろいろとマスコミに発表されておりますけれども、エクソン一社で七千億円ですね。これは昨年年間を通じての利益でありますが、七千億円、こういうことが発表されております。七千億円、これはドルにいたしますと二十四億四千万ドル、年間利益が前年対比六〇%増加ですね、このようにぼろもうけをしておるということ。ですから、われわれは、やはりどうしても石油元売り会社に対する根本的なメスを入れるということと同時に、このメジャーの実態を明らかにしなければならぬというふうに考えるわけでありますけれども、この点について大臣はどのようにお考えでしょうか。
  85. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 メジャーのエクソン氏がいまのように言ったことは新聞で承知しておりまして、私は非常に不愉快な気持ちがしましたから、大平さんと森山さんがワシントンの石油消費国会議に行くときに、あの問題を糾明してくれ、東半球でもうけたとはけしからぬじゃないか、したがってメジャー問題というものを一つの議題にのせてくれ、そういうことを要望した。それによって、あの幾つかの研究アイテムの中にメジャーの配給問題がたしかのってきたと思います。メジャーの行為については功罪いろいろあると思います。世界じゅうからもそう思われていると思いますが、しかし日本のような場合は長いつき合いで安定供給を得て、それによってこれだけ経済成長したという面もまた忘れてはならぬのじゃないか。日本のような後発の国と先発の国や資源が自給できる国とは条件がまるきり違いますから、そういう点はいろいろさまざまな反応を考えて、国民に迷惑をかけないようにやるのが外交のまた重要なところではないかと思います。
  86. 野間友一

    ○野間委員 お聞きしたのはメジャーの実態についてこれは政府は正確に把握しておるのかどうか、その点はどうですか。
  87. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 これは一種の多国籍企業でして、多国籍企業というものはアメリカ政府でもなかなか把握できない、それ自体が一人立ちして歩いてしまうというところがありまして、日本でも商社のようなものは将来多国籍企業になった場合にそういう一人立ちして歩いてしまわないようにいまからも注意しなければならぬ、そう思っているので、なかなかメジャーの実態というものを知っている人は少ないだろうと思います。いわんや経理の内容というようなものは世界各国に支店網をめぐらしてどっちへでも帳簿は動かせるし、なかなかよくわかるものじゃないと思います。
  88. 野間友一

    ○野間委員 ただしかしエネルギーの七四%ですか、それは石油に依存し、しかも大体メジャーを中心として八〇%が、これは独立系も入れてです。けれども、それに依存しておる。つまりメジャーと日本の元売り会社とのこの密接な関係ですね、メジャーのさじかげん一つ日本石油元売り会社をはじめとして日本国民の生活の生殺与奪の権を握る、そう言っても過言じゃなかろうと思うのです。そういう意味におきまして、全貌をつかむことはともかくとして、とりわけ元売り会社との関係ですね、これについては私は正確に実態を把握しなければ将来においても大きな問題がやはり出てくるのじゃないか、こういうふうに思うのですけれども、それでは日本の元売り会社とメジャーの関係ですね、これについては政府は十分実態を把握しておられるのかどうか、その点はどうですか。
  89. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 これは契約自由の原則がありまして、その契約について政府がいろいろ介入するということは法律根拠がなければできないと思う。そういう場合にもし介入すると非常に保護貿易とか保護主義という批判を受け、あるいはいわゆるNTBといわれる国際競争上の問題点がありますから、そういうことがあるからこれはよほど慎重にやらぬといかぬのです。ソ連や中国のように自給自足できる国と日本は違いまして、しかもちょっとでも異変があると心理的パニックを起こすという民族性、トイレットペーパーでもよくあなたも御経験なすったとおりです。やはり非常にそういう点は慎重にやらなければならぬ点があると思います。しかし日本が不利益な扱いを受けている、不公正な扱いを受けているということは政府としては監督しなければならぬと思いますから、そういう点についてはいろいろ契約の内容その他についてあとう限り調べておるわけであります。
  90. 野間友一

    ○野間委員 公取事務局長にお伺いしますけれども、元売りとメジャーとの原油供給契約、この内容についてはすべて把握されておると思いますけれども、いかがですか。
  91. 吉田文剛

    吉田(文)政府委員 ただいま手元に資料を持っておりませんので、おそらくそれは国際課でつかんでおると思います。
  92. 野間友一

    ○野間委員 これは通産省も同じようにつかんでおられると思うのですが、その点はいかがですか。
  93. 山形栄治

    山形政府委員 通産省といたしましても相当程度つかんでおります。
  94. 野間友一

    ○野間委員 その契約の内容について、これは原油供給契約の内容が普通の売買契約と違うような形のものがあると私は考えておるのですけれども、この点について、どちらでもけっこうですけれども、ひとつどうですか、特徴をお伺いしたいと思う。といいますのは、昭和二十四年ごろのものを見ますと、これは委託販売契約になっているわけですね。そしてこれはメジャーのさし値によってものを売る、こういう契約の内容になっておるわけですね。それはおそらくいまでも続いておると思うのです。そして利益は折半とかいろいろあるわけですけれども、そういう状態で、すべてメジャーのさし値によってきまるというような契約はとんでもないことだと思うのですね。先ほど大臣は契約自由の原則のようなことを言われましたけれども、実際メジャーズと日本の元売り会社との間でそのような契約自由の原則に基づいた契約がなされておるのかどうか、私はそうじゃないと思うのです。公取どうですか。昭和二十四年ごろですが、委託販売契約という形でその契約そのものが今日に至るも続いておって、すべてメジャーのさし値によって価格がきめられておる、こういうふうに思いますが、どうですか。
  95. 吉田文剛

    吉田(文)政府委員 ただいま私も記憶いたしておりませんですが、あとでお調べして報告いたします。
  96. 野間友一

    ○野間委員 長官どうですか。
  97. 山形栄治

    山形政府委員 私も先ほど相当程度つかんでおるということを申し上げたわけですが、契約上、いま先生のおっしゃいましたような一方的なるさし値といいますか、そういうことにはなっておらないと思います。ただ、先生先ほどから御指摘のとおりメジャーは原油供給面で非常なる力を持っておるわけでございまして、その辺が実際の運用面でどう行なわれておるのか、この辺につきましてはつまびらかにいたしませんが、契約面におきましては、たとえば民族系の場合には油種ごとにメジャーと毎年の総量を明記した契約を結んでおります。最近はこれが一、二年の期間のものがほとんどでございますが、これが油種ごとでございますので非常にこまかく、一社当たり二十ないし四十の契約に分かれております。価格設定につきましては、これも先ほどのエスケープクローズを除きまして、そのつど設定するということになっておると私のほうではつかんでおるわけであります。
  98. 野間友一

    ○野間委員 公取のほうから原油供給契約一覧ということで、どことどこが何年に契約を結んでおるかというリストはもらいましたけれども、この中身は全くわからない。これはいまのところまだ聞くわけにいかぬわけですけれど、私はそれはやはり非常に日本の元売りが不利な、そういう契約の内容がずいぶんあるのじゃないかと思うのです。そのメジャーは日本の市場になぜ魅力を感ずるのか。これは東半球でこれだけもうけた、そういうエクソンの会長の話もありますけれども、やはり一方的なメジャーのふるまいによってどのようにでもすることができるということがあるのじゃないかと思うのです。だからこそ、不遜にも通産省に対してあのような供給削減の通告をする、通告と申しますか陳情という表現をされましたけれども、これをやってくる。私はやはりメジャーに対してはき然とした態度をとるということが、いまこのメジャーに依存しておる率の非常に高い日本においては、当然必要欠くべからざるものだと思うのです。この点について通産大臣、ぜひともこの元売りとメジャーの関係を具体的に調べて、そしてこの中でほんとうに改善するものは改善するという方向でやらなければ、き然とした態度をとらなければ私はだめだと思うのですが、いかがですか。
  99. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 歴代通産大臣の中で、ワシントンへ行ったらメジャー問題を議題にしてくれと言った通産大臣は私以外にないだろうと思います。もっともいままではこういう会議はなかったようですけれども。しかし、それくらいやはりエクソンの社長の発言というのはけしからぬ発言である、そう思ってアメリカ議会の速記録まで取り寄せて調べたところであります。したがって、日本石油業者たちが他国に比べて不利益な扱いを受けないように、公正な取引が行なわれるように、われわれもできるだけ監督するつもりです。
  100. 野間友一

    ○野間委員 もう時間が来ましたが、陳情が来た、差し出し人はこれは石油部長のお話によりますとたしか極東総支配人というふうに聞きましたけれども、この点について誤りがあるのかないのか。
  101. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 社によっていろいろ名前が違っておりまして、支社長という社もあればあるいは日本法人の社長という場合もあれば、いろいろ扱いが違うんだろうと思うのです。来ているのは二、三でしたから、社によってある場合には支社長でもあり、ある場合には極東総支配人でもあり、ここでちょっとどうだということをいま申し上げるすべを知らないわけです。
  102. 野間友一

    ○野間委員 私はこのメジャー問題は、今後も引き続いてこれを追及して、これにメスを入れて、そして石油の安定的な供給、これをどうしてもやはりわれわれの力でなさなければ、DD原油との関係についてもいろいろ時間があればお話ししたいと思ったのですけれども、この点の問題等についても、やはり何といいましてもメジャーズ問題、これについての根本的な解決をはかるために、今後も引き続いて私たちはこれを追及していきたいということを申し添えまして、質問を終わりたいと思います。
  103. 平林剛

    平林委員長 次に、石田幸四郎君。
  104. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 まず公取事務局長にお伺いをするわけですが、先ほど、十四日に通産省平林計画課長が石連の営業委員会通産省指導方針的なものを発表された、こういうことが問題になっておるわけでございます。先ほどエネルギー庁長官の説明によりますれば、プロパン、灯油、その標準価格を据え置く、あるいはA重油等は国民生活に与える影響が大きいので、指導的な上限価格考えているのだというようなことが、概略報告があったわけでございます。  公取委員長は、こういうような行動は、いわゆる元売り業者にある程度のそういった価格形成の示唆を与えたというような立場から、カルテル行為だ、こう確認をされているようでございますが、公取公取の立場で独自の見解を持ち、独自の行動をしていくわけでございますが、これだけの、カルテル行為ではないかと公取委員長は確認をされておるわけでございますから、現在その調査を開始しているのか、あるいはしていないとすればいつごろから始めるのか、そしてその結論はいつごろまでに出てくるのか、まずその点をお伺いしたいと思います。
  105. 吉田文剛

    吉田(文)政府委員 私ども委員長は、本日の参議院予算委員会で、上田哲議員の質問に答えまして、先生おっしゃいました石連での会合の件については、カルテルの疑いがないかどうか独禁法第四十条に基づいて調査をしたい、こういうふうに申しておりますので、これに基づきまして調査をいたしたいと思います。  ただ、それがあしたになるかあさってになるかということはまだきめておりませんけれども……(石田(幸)委員「いつごろまでに結論が出るのですか」と呼ぶ)いつごろまでかかりますか、これは四十条に基づく調査でございますので、いつごろまでに調査が終わるということは申し上げられませんが、できるだけ早く調査を開始して早く終わりたいと思っております。
  106. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 先ほど松浦委員も触れられたわけでございますが、通産大臣にお伺いをしたいわけでございますけれども、いわゆる便乗値上げによります各業者の不当利益といいますか、そういう取得額について、約六百億であるというようなお話がございましたが、私はこの問題はやはり予算委員会で多少取り上げまして、十月と十二月分と比較して、各油種別に、各会社別にどれだけの売り上げ高の増加があったのか、こういうことを実は資料要求をいたしたわけでございます。  その資料要求によりますと、たとえば日石の場合が十月と十二月の比較におきまして百五十六億九千八百万円、それから共同石油が八十三億円、大協石油が四十九億八千五百万円、それから出光興産が百二十七億五千四百万円、ゼネラル石油が四十二億八千七百万円、こういうことになっております。この五社だけの累計を見ましても四百六十億二千四百万円になるわけでございます。これは十一月分が入っておりません。またそのほかに石油元売り業者は丸善、昭和、三菱あるいはシェル、モービルといろいろあるわけでございますので、そういうことを換算して考えてみますと、少なくとも売り上げ増加額というものは、われわれの場合で試算をいたしましても、千億はこえておる、こういうふうに思うわけでございます。  そこで、やはりどれだけの不当利益があったかという問題を考えてみますれば、その間におきますところの経費の増大、その他の問題があろうかと思います。しかし何といっても基準になるのは、十一月、十二月におきますところの石油各製品の売り上げ総額がどのくらいであったかということを把握するところから始まるであろうと思います。その問題を通産省としては正確に把握をしていらっしゃるのですか。この点をお伺いします。
  107. 山形栄治

    山形政府委員 ちょっと厳密を欠くかもしれませんけれども輸入いたしました原油、これがロス換算が三・五ぐらいございます。しかし、別途在庫の払い出しをこの辺はしておりますので、ほぼそれが相殺勘定になるという前提でございますと、十月から十二月までの合計は七千三百万キロリットルぐらいでございます。
  108. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 そんな数量を私は聞いているのじゃないのでございまして、先ほども問題になりましたように、通産省としては不当利益が約六百億、まあ先取り値上げといってもいいですが、それによって得た所得は六百億ぐらいであろうというふうに試算をしていらっしゃるわけでしょう。その前提条件になるのは、やはり十一月、十二月の各元売り業者の総売り上げ高がどのぐらいになるか、ここから算出をされなければならないということを私は申し上げているのであって、それが一体総売り上げ額がどのくらいになるのかということを伺っているわけです。それがなければ、この六百億のあれは出てこないでしょう。——いますぐ数字がないようでございますので、後ほどひとつこの問題は御報告願いたいと思います。  それから同時に、その間の経費増大というのがそれぞれいろいろな項目別にあると思うのでございますけれども、そういったことがまた一つの六百億という資産のめどになっておるはずでございますので、その経費増は個別的にどのくらいになるか、これもお出し願いたいと思いますが、提出していただけますか。
  109. 山形栄治

    山形政府委員 これは、先ほども御答弁申し上げましたように、きまりました暁には明確にお出しいたしたいと思います。
  110. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 その総売り上げ高の問題は、そういった原価計算をするとかしないとかに関係なく出てくるはずでしょう。お出しいただけますか。
  111. 山形栄治

    山形政府委員 それは提出いたしたいと思います。
  112. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 それでは話題を変えまして、通産大臣にお伺いをするわけでございますが、今回の石油製品値上げについては、われわれが知るところによりますれば、値上げ幅というのは全油種平均で九千円以下というようなことで発表されておるわけでございますが、平均値では、これらの通産省方針は、われわれ明確にわからぬわけでございます。また、先ほど平林計画課長石油連盟の営業委員会へ出ての灯油、プロパンガスの標準価格の据え置き、あるいはまた、重油等に関する影響の大きさから見て上限価格考えているというような、そういうような発言があったようでございますけれども、これはいわゆるいままでの石油業界がとってきました値上げのとき等価比率方式というものを採用しますれば、これは非常にいろいろな問題が出てくるわけでございます。いわゆるガソリン等は極端に値上げ幅が大きくなるし、またナフサやC重油は相対的に小さくなる、いままでの例ではそうなっておったわけでございます。そういうことを考えますと、それを操作することによっていろいろ国民生活影響を与えることはできるわけでございまして、先ほどもお話しがありましたいわゆる電力料金等に大きく影響するC重油、そういうような問題の価格はできるだけ抑制をすべきであるという話もありましたけれども、そこら辺のところは一体どういうふうに通産省としては方針考えておられるのか、明快にひとつお答えをいただきたい。
  113. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 大体中小企業とかあるいは一般大衆交通手段とか、そういうものは大いに政策的に考慮するということは、石油規制及び国民生活安定のための緊急対策を実施してから、自民党の一貫してとっている政策でございまして、そういう線に沿っていまの電気石油の規制も行なっておるわけであります。新価格に移行する場合も、そういうような政策的考慮は当然党からもきつい御要望がありますから、実行することになるだろうと思いますが、具体的なことは価格決定の上で御報告いたしたいと思います。
  114. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 それでは、その内容をそれ以上突っ込んでもお答えはいただけないようでございますので、これは発表後の問題にしたいと思います。  私は先般の委員会で特に問題にいたしましたのは、石油業界のそういったカルテル行為を行なう本質的な成果、そういう問題と同時に、実は今回の石油不足による価格の高騰によりまして、いわゆる一般の末端商社、特に企業でございますけれども、そういったものが代理店あるいは特約店から特定のそういった優越的な条件を利用されて、支払いサイトの極端な短縮をさせられておった問題について予算委員会で実は言及をしたわけでございます。これは通産大臣も当然御存じだと思いますけれども、たとえば百二十日の手形が三十日になった、九十日の手形が現金になったというようなことで、いわゆるそれぞれの業界に大混乱を来たした大きな原因になっておるわけでございます。そこで私は、日銀の発表等にもそういう傾向が顕著にあらわれているという発表がありましたから、そういう問題を基礎にいたしまして、メーカー側を、元売り業者を追及したわけでございますけれども、それに対して明確な御答弁はなかった。このようなことを野放しにしておいたのでは、何ぼ総需要抑制といいましても、総需要抑制の効果というものは単に中小企業のほうにしわ寄せがいくだけであって、そういうような元売り業者あるいはまた大企業、そういうような力のある企業のみがこういうような総需要抑制の影響を受けずにぬくぬくと商売ができる、下のほうは極端なそういったしわ寄せを受けていまにも倒産しそうになっている、こういうような問題は現実に幾らでもあるわけです。おそらくカルテル行為をやった業界には全部そういう問題がつきまとっているわけです。値段を上げますと、同時にいままでの分は全部現金にしてください、そういうようなことがひんぱんに行なわれているわけです。これでこのまま需要抑制を続けてもやはりそういうような傾向が強まってくるかもしれない。少々中小企業に対する融資ワクを広げても何にもならぬ、こういう問題に対して通産大臣はこれからどのように対処していかれようとするのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
  115. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 あのときもお答え申し上げましたが、そういう危機に臨んでポジションの強いものがその地位を利用して弱いものに対して不公正な扱いを与えるようなことをやることは許すべきでない。そういう点につきましては行政指導を強化いたしまして——現にあの当時におきましても、プロパンの流通あるいは灯油の流れ、ガソリンの流れ等についてそういうケースがございまして、自分系列にばかり流していままでのお得意でも無情にぶった切ってしまうという例があったり、そのほか現金でなければだめだとか、あるいは先にこれだけ金を供託みたいに出しなさいとか、いろいろそういう行為があったということを聞いておりまして、それらは一々具体的に通産局等を通じて指示して矯正せしめてきたところであり、今回もそういうことが起きてはなりませんから平林君はああいうふうに各企業の者を集めて行政指導を積極的にやったので、私はあの中身というものはよくやったと思っております。
  116. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 これからの問題についてはそういう姿勢で臨んでいただきたいと思いますが、すでにあの十二月という極端な石油不足の状態の中でそういうようなことが各業界ほとんど行なわれております。特に石油業界ではそういう問題が強いわけであります。それが現実問題は回復しておりませんね。そうしますと、そういう優越的な立場を利用して資金集めをしてしまったほうが何らのそういった重罰を受けることなくぬくぬくと商売をやっている、こういうようなことが何回も続くのではないか。何らかのそういったものに対する措置をしなければ、今後そういう行政指導を強めていくといっても、私は何の効果もないように思いますけれども、いかがでしょう。
  117. 内田常雄

    内田国務大臣 これは実は独禁法の課題になっている問題でございまして、優越せる地位を利用して不公正な取引を相手方にしいるということはやるべからずという条項がきめられておるわけでございます。でございますから、石田さんが言われましたように、これからの問題につきましては、独禁法の第二条の第七項による不公正な取引方法による一般指定というのがございまして、その中に第十というのがございます。「自己の取引上の地位が相手方に対して優越していることを利用して、正常な商慣習に照して相手方に不当に不利益な条件で取引すること。」これはまかりならぬということになっておりますので、これは公正取引委員会のほうからもぜひ目を光らしてもらうように、私のほうからも石田さんの旨を体して要望いたします。  と同時に、これはよけいなことになるかもしれませんが、私が心配をいたしておりますのは、メーカー段階におきまして新しい出荷価格をきめることになりましても、流通過程あるいは末端の小売り商において水増しのマージンのようなものを乗せている、そういう事例もなしとしないわけでございますので、今度私ども四閣僚の打ち合わせの中におきましても、単に精製業者あるいは元売りの仕出し価格をきめることをもって済んだことにしないで、特に一般大衆に影響のある油の処理につきましては末端の小売り価格等についても規制をする、こういうことにもなっておりますので、これは上り、下り、両方の面から——上り、下りというのは、上のほうから下をいじめるものと、それから上のほうに便乗して下のほうが消費者に迷惑をかけるということがないようなことをぜひやってまいりたいと考えます。
  118. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 長官、そういうふうにおっしゃいますけれども、これは公取委員長にも確認をしたことでございますけれども、いま公取委員会としましてはいわゆるカルテル行為の摘発のほうに手一ぱいでございますので、この独禁法十九条違反の問題については全く手がつけられません、そういうことを言うておるじゃないですか。ですから私は伺っておるのであって、いま公取はほかの仕事で手一ぱい。しかし現実に最も力の弱い中小企業の人たちがそのことによって大きな打撃を受けておるわけです。そういうものを回復させる措置をしなければ何にもならぬじゃないですか。そういった意味におきまして、今後の行政指導を強めてもらうと同時に、とりあえず中小企業向けのいわゆる期末手当的なそういう融資を大幅に拡大するとか何らかの行政措置をしなければ、そういった行政の効果があがったというふうにはならぬのじゃないですか。
  119. 内田常雄

    内田国務大臣 それは公取は手一ぱいで、特にやみカルテル等の廃棄の勧告について活発な活動をしておること御承知のとおりでありますが、しかし独禁法上やっていけないことは、このことにつきましては公取でなければ手が出せないということではございませんので、石油という物資を管理されておりまする通産省が末端の販売価格等につきまして管理をされる際におきましても、通産省のたとえば価格調査官あるいは地方の価格調査官、私ども価格調査官のほうも、中小企業をいじめるだけでなしに、当然中小企業のために守ってやらなければならないこともこの独禁法の精神を体してやってやろうと思います。というのは、これは私どもも中小企業の味方でありますことは石田さんと同じ立場にございますので、やろうと思います。
  120. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 通産大臣最後一つだけお伺いします。  先ほどのお話によりますれば、今回の石油製品値上げに伴ってもいわゆる灯油、プロパン等の標準価格は据え置くのだ、こういうようなことを御確認なされたと思うのですが、私はこの前物価委員会でプロパンガスの標準価格の問題をやったんでございますけれども、御存じのとおり家庭用のプロパンガスというのは産気率によって非常に大きく値段が変わってくるわけであります。今回の通産省指導によりまして東京都がいま試算をいたしております十キロ当たりの換算率でいきまして、たしか千四百二十円ぐらいになっております。たとえばこれは愛媛県会、宮崎県会でも、プロパンガスは産気率によって非常に大きく値段の格差が出てきてしまうということで、各県でどういうように標準価格をきめていくのだ、千三百円よりはるかに高くなってしまうじゃないか、これから夏場に向かってますます産気率が高くなっていくわけですから、この千三百円の標準価格というのは千四百五十円にも千五百円にもなりかねない状況になっておるのでありますけれども、そういうようないいかげんな標準価格をきめられては困るということをさんざん実はデータをもってお示ししたわけです。当然これは今回の石油製品値上げの問題と同時に、いわゆる冬場と夏場とは大きく違うわけでございますから、標準価格の見直しをどうしてもしてもらわなければならぬ、そのように私は感じておるのでございますけれども、いかがでしょう。
  121. 熊谷善二

    ○熊谷政府委員 先回先生からその問題を指摘されまして、私どもも現在各府県に産気率の決定につきまして一任をいたしておりますので、府県側と本件につきまして現在打ち合わせを進めておる次第でございます。しかるべき結論に達しました場合には調整いたしたいというふうに考えております。
  122. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 それだけでは問題は片づきませんけれども、もう時間がありませんので、終わりにいたします。  最後通産大臣に、ぜひとも先ほど申し上げました中小企業の融資のワクについて拡大を御努力をお願いをしたい、これだけ申し上げまして終わります。
  123. 平林剛

    平林委員長 次に、和田耕作君。
  124. 和田耕作

    和田(耕)委員 最初に、行政指導の問題についてお伺いしたいのですが、先ほどからいろいろと公取のほうと通産大臣の御答弁を聞いておりますけれども公取委員長の高橋さん、それからいまの事務局長さんの話もそうですが、価格企業がきめるもの、法律できめられた以外のものについての行政指導は違法である。——違法であるとまで最近高橋さんは言い切っておると思うのですが、そういう立場と、いま中曽根通産大臣がおっしゃいましたように公権力として国民福祉公共の利益にという目標をにらんで必要があれば価格指導をするということは政府の責務である、つまりこういふうな立場を言明されたわけですけれども、この二つの考え方はやはり中曽根大臣は案外接近しているというようなことも言われたのですが、確かに石油の問題については、どうも公取のほうの屈服した形で接近をしておるというふうに私には判断をされるのです。しかし、その他の物資についてこの問題についての見解の調整といいますか、何とかの解決をはからないといつまでたっても問題が残ってくる、こういうように考えるわけですけれども、その立場からお伺いしているのですが、石油の問題、石油関連物資値上げについて妥協点といわれるのは、緊急避難だという考え方と、将来できるだけ近い機会にその必要があれば標準価格に移行していくというところで妥協しておるように思うのですが、私のこの見解は誤りでしょうか。大臣公取のほうから伺いたい。
  125. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 妥協ということばがこういう場合に適正であるかどうか私は疑問であると思いますが、われわれは公取意見も尊重して、そして行政を円滑にやらせる、そういう意味もあって——これが裁量の余地がある行政の一番いい長所である、そういう調整作用という行政の長所を発揮しつつやっていく、そのような見解を持っておるわけでありますが、しかし行政権の固有の分野というものについてはやはり厳然たるものがあるのでありまして、立法、司法が独立して厳然とあるように行政権というものもやはり厳然とある、公取のお目こぼしにあずかってごそごそやるようなことではないのだということを大いに声を大にして申し上げたい。それで、標準価格に移行することが適当なものがあり、そういう適当な時期が来れば、法律がある場合にはそっちへいくことが法を尊重する上からも穏当な、行政の上からも、安定性の上からも、それは適当であるとわれわれは認めてそういうことはやったほうがいいと思います。そういうことに熟成しないものやなじまないものについてやらせようたって無理であって、生きている経済を相手にして取り組んでおる行政官庁と静かに冷たい目で客観的にものを見ている公取との立場が違いますけれども、これはやはりおのおのがおのおの立場を尊重し合いながら国民本意の立場に立って考えていただくことが適当であると思います。
  126. 吉田文剛

    吉田(文)政府委員 委員長は確かに先生おっしゃったようなことでございまして、やはり根本的な考え方としましては、行政庁価格設定することができるのは法律に特別の定めある場合に限られる、ただし、行政指導による価格設定ということはこれは好ましくないし、やめていただきたいということでございますが、委員長もこの前物特でございましたか先生の御質問に対しまして、行政庁価格の引き下げを指導するということは適当ではないけれども応急措置として行き過ぎた値上げを抑制する目的で行なわれるものであればしゃくし定木の法律論をたてに反対する意向はない、しかし可能な限り標準価格など法律に基く措置に切りかえるべきであるということを申しておりますし、まあ価格引き下げ、価格値上げを抑制するという目的であれば一般消費者の利益にもつながることでございますので、しいて反対はしないという趣旨のことを申しております。ですから、必ずしもこれを妥協と言えるかどうか疑問でございますけれども、そういうことは委員長も認めているわけでございます。
  127. 和田耕作

    和田(耕)委員 私何ぼ聞いてもいまの中曽根大臣公取事務局長の言明あるいは公取委員長の言明は食い違っておると私は思うのですけれども、つまり法律に基づかない行政指導は望ましくないということばをいまお使いになったんですが、高橋長官は違法であるということばを使ったことを記憶しておるのですけれども石油の問題では先ほど言ったように標準価格に移行するあるいは緊急避難だということで一応の——私はこれははっきり妥協だと思うのですが、妥協ができておる。つまり、公取が屈服する形で妥協になっておるというふうに私は思うのです。ただ、石油の場合は確かに緊急避難的な要素があるからあれですけれども中曽根大臣の言明からすれば、これは緊急性があるから行政指導をやるということもありますが、石油ほどひどくなくても、とにかく政府としての行政指導を今後も必要があればやるというお考えなんですか。
  128. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 行政権には行政権としての責任を国会に対し持ち、国民に持っておるわけでありますから、正しい運用を期して実行しなければならぬと思います。それで行政指導による価格という場合、そういうもののない場合の自由な、全く自由な私的な価格と違うと思うのです。なるほど企業の自由意思が前提になければできないことは両方同じです。しかし、行政指導の場合には公権力による影響力が入ってくるわけです。公共のためにこういうことに従ってくださいという要請が入ってくるわけです。しかし、私的な自分でかってにきめるという場合には自分の利潤ばかりをある程度目的にしたり、企業本位の考えに立った主体的な意思の決定というものがあるわけで、その公共性を持った指導に従ってできる価格というものと、全く企業が自由な意思に基づいてきめられる価格とは性格が違うところがある。それでその性格の違うところは公共性の名前においてこれは尊重さるべき要素が私はあると思うのです、国民の幸福のために。これはもう法律でも、公取でも、国会でも国民の幸福のためにあると思うのです。それでかりにいまの事態考えてみましても、かりに石油値段を凍結しないでおいたら、一月から一万三千円とか一万二千円に業者がかってに上げるでしょう。そのときには国民経済はまるで阿鼻叫喚の状態になる危険性があると思うのです。いまでもそういうことは潜在的にあると思うのです。しかし、いまは原油値段も追徴金を取られてきておるように不安定であるし、それにまた標準価格という形できめるとすれば、ある程度の生産費とかその他のものが基礎に出てくる。そうなると春闘で二〇%、三〇%と賃上げが出てきた場合には、これだけ賃上げで労務費が上がったんだから標準価格を上げろという権利が企業のほうに出ますね。そうするとまたすぐ標準価格を変えなければいかぬのだろうか、それでもまた国民に迷惑が出てくる。そういうような諸般の情勢を考えてみて、あらゆる要素を湖の中にぶち込んでこの辺が穏当だという線できめるのが行政の味であります。そういう面をやはり生かしてくださらなければ生きた経済を相手にした行政というものはできない。そういう点について私は理解をいただきたいと思っているのであります。
  129. 和田耕作

    和田(耕)委員 中曽根大臣のおっしゃることも私よく理解ができる。しかし、公取がよって立っておる法律をすなおに解釈すれば、やはり公取委員長がおっしゃるような解釈をするのがあたりまえのことです。つまりこの二つの問題を今後国民としても何だかおかしいよ、わけがよくわからぬなという感じで、政府のほうが力が強そうだから政府に押しまくられてあれされたという印象を残すだけではいけないのであって、この二つの問題は何らか納得できるような形で解決する必要がある、そう私は思うのです。そのことについて、今後ともひとつ御検討をお願いしたい。これはどっちの肩をもつというわけじゃないのですけれども、私はもともと行政指導は必要だという立場をもっている男です。いままでもこの委員会で何回か言ってきました。しかし、公取委員長の高橋さんのおっしゃることは、法律を厳密に解釈するとそのとおりですと私は思う。そういう問題にいま直面していると思う。この問題はぜひとも両者で解決していただかないと困ると私は思います。  それから、それと関連して、今度の石油の関連物資は一応行政指導価格というものができる。しかし、できるだけ早く、必要があれば標準価格の方向に移行するということを大臣は思っておられる。先ほど松浦君の質問に対して、守られないときはどうするのだ。しかし、それは守られるはずだ。もし守られなかったら、これはしようがない。その感じ、これは大臣いただけないと私は思うのです。守られない場合は標準価格に移行する、強制力を持ったものに移行することが当然だと思うのですけれども、その点いかがでしょう。
  130. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 移行することがより妥当であると思う場合には、移行することがいいでしょう。しかし、移行することによってさらに混乱がひどくなる場合には移行しないほうがよろしい。野放しにしたほうがいいという場合もあり得ます。ですから、あらかじめきめることはできない。ケース・バイ・ケースで判定しなければならぬと思います。
  131. 和田耕作

    和田(耕)委員 いま御答弁の中にあったことですけれども、春闘の問題でございます。先ほど来、価格凍結というのは、相当長期に実施する必要があるという企画庁長官の言明のように、私聞いておったのですけれども、相当長期に価格を凍結するということは、いわゆる政府の短期決戦的な考え方とかなりニュアンスの違ったものを私は感じておるのですが、その点いかがでしょう。
  132. 内田常雄

    内田国務大臣 これはほうっておきますと、石油製品が上がったからという理由で、また再び物価便乗値上げ、悪くすると第二の狂乱のようなことが起こらないとは限らないということを私どもは心配いたしますので、関連物資等におきましても先取り値上げもあったでございましょうし、また石油その他の重要産業、ことに公益事業等につきましては、相当の犠牲もしいるわけでございますので、生活関連物資の重要なものあるいは経済上の基礎物資等につきましては、先ほどからだんだん申しますように、石油製品値上げにもかかわらずそれを吸収し、さらに余りがありました場合には、その上値下げまでもさせるような措置をする、こういうことをしなければ物価の短期決戦どころではなくなる。それはそうしておきまして、総需要の抑制というものはさらに強化をいたしますので、これは欲のようなことになりますけれども石油製品が上がりましても下げるべきものは下げて、そして夏ごろまでには、いまのような物価の毎月の上昇水準というものが——幸い卸売り物価につきましてはここのところとまっておりますけれども、消費者物価のようなものにつきましてもそういう状況をとめ、さらに上げぐあいをフラットにするということをぜひやりたい。こういう強い決意をもって手段を講ずる、こういうことを申し上げておるわけでございます。
  133. 和田耕作

    和田(耕)委員 今回もう展開されております春闘で、二五%以上の賃上げは避けられないということが、大体国民の常識的な感じ方になっているような感じがするのですけれども、ものによっては三〇%をこしていくということがあるかもわからない。こういう事態を前にして、価格の凍結というものが守られるとお考えになっておられるのかどうか。
  134. 内田常雄

    内田国務大臣 これはたいへんむずかしいことになりますが、それは函数関係といいましょうか、相関関係といいましょうか、価格を凍結し、あるいは引き下げる等のことによりまして、異常なと申しますか、幅広い賃上げを必要がないようにする客観情勢というものもできればそうしたいと思いますし、また賃金上昇の幅というものも、日本経済が昭和四十九年度におきましては実質的にも幅広く成長することはおそらく不可能でございましょうから、そういう事態のもとにおいて異常な賃上げが起こらないように、これは政府が所得政策をもって干渉するという意味ではございませんけれども、両当事者とも経済の実態をよく御認識をいただいて、モダレートのところできめていただきたいということを私どもは祈るような気持ちで念願しておる、こういうことでございます。
  135. 和田耕作

    和田(耕)委員 中曽根大臣いかがですか、いまの問題。
  136. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 内田長官と同じであります。
  137. 和田耕作

    和田(耕)委員 電気料金の問題についてお伺いしたいのですが、きょうの新聞等によりますと、政府は、電気料金はそう遠からぬ時期に上げざるを得ないという腹をきめられたように判断をされるのですが、この問題の審議会の答申はいつごろありますか。
  138. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 まだ申請が出ておりませんが、その前に電気事業法による現行の原価主義についてどうしたらいいかという諮問を出しておりまして、その答申はもうそろそろ出てくるころじゃないか。三月末を目途にやっておるはずでございます。それが出てまいりまして、われわれは検討してみたいと思います。
  139. 和田耕作

    和田(耕)委員 それでは四月中ということもあり得ますか。
  140. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 それは何があり得るというのですか。
  141. 和田耕作

    和田(耕)委員 電力料金値上げがあり得るかどうか。
  142. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 電力料金値上げには、申請があって、それに対するいろいろな手続たとえば公聴会とかそれからこちらの審査というものがありますから、そう簡単にできるものじゃないと私は思います。
  143. 和田耕作

    和田(耕)委員 じゃ四月一ぱいはないと見ていいわけですか。
  144. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 極力抑制するというのが政府方針で、いつというふうに時期は限っているわけじゃありません。しかし抑制する時期を長引かせるというのがわれわれの目標でございますから、できるだけ長引かせる、そういうふうに申し上げたいと思います。
  145. 和田耕作

    和田(耕)委員 当初考えておったよりは早くしなければならないという御判断に傾いておることは事実でしょう。
  146. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 私はこの問題には私流の考えがありまして、適当なときに国民経済の新しい均衡水準をできるだけ摩擦なくつくって、そして国民に努力目標を与えて一汗かくほうがいい。おくれればおくれるだけ国民経済がいびつになっていく。和田さんもそういう御意見をお持ちでしたね。私は非常に共鳴いたしました。私は、それをお聞きしておって、非常な卓見で、わが同志を得た、そう思ったわけであります。
  147. 和田耕作

    和田(耕)委員 問題をそらしては困ると私は思うのですけれども、この問題を聞きますのは、つまり石油関連物資価格を上げるということになると、いますでに起こっておる例の飼料の引き上げで畜産関連の物資を上げざるを得ないということに当然なる。企画庁長官はそうお考えになりませんか。
  148. 内田常雄

    内田国務大臣 海外からの要因の最大なるものといたしまして原油値上げ、これが今日私どもの非常な頭痛の種になり、またいろいろ苦労いたしておるところでございますが、趣は違いますけれども、飼料の海外からの輸入価格の値上がりでございますとか、あるいは他の食糧物資等の輸入価格の値上がりというものも私どもは心配をいたしております。それが直ちに国内の、たとえば畜産農業でありますとかあるいは酪農の製品価格とかいうようなもの、さらには加工食料というようなものにも影響が及ぶことも、これは実は頭痛の種でございまして、これも下げれば下げるだけいいわけでございましょうけれども、しかし世の中には消費者と生産者、ことに生産農民等もたくさんおるわけでございますので、そういう畜産農業とかあるいは酪農とかいうようなものが壊滅してしまうということは、これまた国民経済を非常に不安定におとしいれますので、そこにいろいろの施策を介入をさせていかなければならないわけでございます。実はこの石油問題が一段落をいたしましたら、経済企画庁はそちらのほうにも参画をいたしまして、ここに農林大臣にすわっていただいて、ここに私がすわって問答をして、あるいはここにすわらなくても、政府の中において同じような流儀の措置をとらなければならないことになるだろう、こういうふうに私はいろいろ心配をいたしております。
  149. 和田耕作

    和田(耕)委員 これで最後にいたしますが、どうも政府物価政策に対する考え方あるいは対処のしかたというのが大きな目標が正しくとらえられていないので、その日暮らしになっている感じがしてならない。つまり石油関連物資の問題は、これは引き上げ必至ということになってきている。あるいはいまのこの食料関係の飼料に基づくかなり広範な畜産関係物資も上げざるを得ないということになる。あるいはまた電気料金の問題も、中曽根大臣は何かはっきりしたようなことは言っておりませんけれども、これももうおそらく上げざるを、それもあまり遠くない状態で上げざるを得ないというようにお考えになっておるのではないかと思う。これにまだ春闘もある。こういうふうな時期ですから、その日暮らしでいいかげんな——まあ、いいかげんなことと言ったら失礼ですけれども、その場その場の答弁ではなくて、新しい状態を前提にしながら新しい物価水準というものを考える時期に来ていると私は思うのですけれども、この問題について両大臣から御所感を承って私の質問を終わりたいと思います。
  150. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 その点は和田委員のお考えに同感であります。
  151. 内田常雄

    内田国務大臣 同感でございますが、しかし物資の消費というものは一億の国民がいたすものでございますので、外的要因その他から上がるべきものを上げて価格体系というものを一日も早く直せばそれで国民が納得するというものでもないところにお互い政治家の苦労もあり、また進むべき道もあると思いますので、だんだんやはりそういうふうにならさなければならないこと、同感でございますけれども、それは海外からの石油が上がればほかのものも上がり、価格体系が変わってくるのはあたりまえだということで済ませる問題では私はないと思いますので、そういうことを、おっしゃるようなことを頭に置きながら、私はでき得る限り物価上昇の影警が避けられるような苦労を買ってまいりたい、こう思うわけでございます。
  152. 和田耕作

    和田(耕)委員 この際、ひとつ短期決戦とかあるいはいろんなすぐ政府が一生懸命やれば大体よくなるのだとかいうような物価の問題についての安易な見通しを捨てて、実情を国民にもっと説明をして、そして参議院選挙なんということはあまり考えないで、この問題についてひとつ真剣に取り組んでいただきたいと思います。  終わります。
  153. 平林剛

    平林委員長 ちょっとこの際、私から政府に対して一つだけお尋ねしたいことがあります。  一つ要望ですが、石油の値上がりによる製品の再値上げ政府はやむを得ないと見ておるようでありますけれども物価に与える影響は当委員会としてもきわめて重視をしておるわけであります。また本日の質疑から見ても、国民の側にはいろいろ疑問があることはお聞きのとおりでございます。特に石油企業の赤字につきましては、かなりはっきりした情報が伝えられておりますが、便乗値上げによる黒字はあまりはっきりしておりません。これは何となく国民の納得し得ない一つになっています。たとえば、先ほど赤字についても総平均ではじけば六百億、しかし先入れ先出しという要素を加味すれば幾らになるのかということや、石田委員の質疑で提案されたような問題も考えまして、今日までの累積の黒字については総理もこれは吐き出させると言われておりますように、決定をする場合にはこの点を明確にして国民の理解を得るように十分な措置をとるよう私からも要望しておきたいと思います。  なお、いつになるかはっきりしませんけれども石油製品あるいは油種別の価格政府がきめようとしておりますが、この場合石油企業によっては在庫量も違うし、それから輸入価格も違う。そうすると、今後の問題として企業の利潤率が高いものとそれから非常に苦しいものと出てくると想定されるわけであります。こういうアンバランスはどうするつもりか、これが私がお聞きしたい点であります。  同時に、こういうことを考えますと、油種別の価格をきめる際に高水準になるというおそれを抱いておるわけであります。政府としては、これは物価にはね返ってくるという影響になるわけであります。この場合にひとつ石油企業の実情を中心にきめるのか、国民生活あるいは物価に与える影響を重点に考えてきめるのか、こういう基本的な考え方についてひとつ政府の御見解を承っておきたい、こう思うのであります。
  154. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 まず第一点につきましては、委員長の御趣旨を体しまして、関連物資にできるだけ波及しないように目張りをやって、全力を尽くして国民の皆さま方に御迷惑をかけないように努力をいたしたいと思います。  第二の点は、国民生活が一番重点でございますが、といって石油企業、特に民族系の企業が採算が不可能になって壊滅するということは、メジャーズの影響の大きい日本にあって営々として日本の民族系を育てて自主性を回復しようとしてきた日本の努力を無にすることでもあって、これもまたやり過ぎはいけないと思います。その辺の調和点をどこでとるかという点でいろいろ努力もし、また各省でも議論が分かれたところでありまして、それらの点については今後とも大いに検討してみたいと思っております。
  155. 平林剛

    平林委員長 これにて本日の質疑は終了いたしました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後八時四十九分散会