○
中曽根国務大臣 まず、
数字が
新聞に出たことでございますが、
通産省試算として九千百六十四円というのは、
総理大臣が
参議院でしゃべってしまった、それで
新聞にも出た。これはしかし
試算として表明しておるわけで、それで固まっておるわけではございません。その後、
各省で
最後の詰めをいろいろやりまして、特に
農林省や
運輸省等からは、
軽油やそのほかの
石油製品の値を下げろ、もっと
政策的考慮をしろ、そういう強い
要望があって、
ゆうべもおそく、
けさ方まで、
通産省でいろいろ詰めたところでございます。
それで八千九百円云々というのは、
新聞が書いたのでありますが、これもわれわれは
責任をもつものでございません。
日本の
新聞記者は非常に腕前がいいですから、
においで、その
においを
新聞に、これはほとんど確実だろうと思って出すぐらい、なかなか
探索力があるというところであろうと思うわけであります。しかし、それも私
たちが
責任を持つ
数字ではございません。
石油の
値段は非常にデリケートなもので、これがいろいろ思惑を呼んだり、いろいろいたしますから、
政府が正式に決定するまでは、厳秘にしておくべきもので、かりに私がいま知っておっても、言うべきものではないと思います。しかし、まだそういう段階にはないので、
けさ閣議の前で
大蔵大臣、
通産大臣、
経企大臣、
官房長官、
総理と相談をいたしまして、そして大体三つの案を、
ゆうべ各省で話し合ったラインを協議いたしました。しかしこれは、結局、
総理大臣にきめてもらうのが一番いいし、ぎりぎりの線で
総理大臣にきめてもらおう、そのほうが外にわからぬし、安全である、そういうことで、
総理大臣にいまお預けしてあるというのが現在の情勢でございまして、正式にきまっておるわけではございません。
それから第二に、きのうの、
石油連盟に
通産省の
課長が行ったという問題でございますが、これは十四日に参りました。これは十三日の夜、いろいろ
政策をやっている間に
農林省や
各省から、どうも
石油が近く上がるということになると、
ガソリンスタンドは売らなくなる。それで、二、三日がまんしていれば高い
石油になるんだから、自動車持っていっても売れなくなる。アメリカにもそういう
現象が、われわれの見ている前で起きているわけであります。そういうところから、そういう混乱を起こしてはならぬ、
各省からも非常に強い
要望があって、その晩に
石油連盟に連絡して、
販売担当の
責任者を集めてくれ、そういうことを
通産省の
要望として申し入れして、そして翌日集まってもらって、十二社の
販売担当の
部長クラスの者を集めまして、そして私のほうの
計画課長の
平林という者が参りまして、ともかくこれから将来
石油が上がるという場合に
便乗値上げをやめなさい、いままでややもすると、この十二月には売り惜しみというようなことがあって
国民に迷惑をかけた、したがってそういうようなことは今度は万一にも起こさないようにしてもらいたい、そういうことを強く
要望すると同時に、それからおのおのの
系列に従って流通がよくなるように、
自分の
系列だけ、特定の
業者にだけ配当して、ほかのほうに配当しないということで、LPGやあるいは
灯油のあの騒ぎが起きました、ああいうことを起こさないようにというような、あらかじめいまから準備して
国民の皆さんに迷惑をかけないような
措置をやれということで、実はその話をしに行ったわけでございまして、
石油の
値段を
幾らにするとか、幅をどうするとか、そういう
価格の問題について行ったのでもなければ、そういう話をしたのでもございません。