○瀬野
委員 主計官も答弁のときにすぐに
農林省、
農林省と言うけれども、大臣や皆さんのおるところで失礼だけれども、あえて私は毒舌を言わせてもらうならば、近ごろは大蔵省農林局だとか、あるいは大蔵省農林課だというようなことを言われる。米価にしても、すべての問題について、大蔵省のおかげで農業関係があるとか、あるいは大蔵省がかたいために政治が進まぬというよようなことで、これはまことにけしからぬと思っているんだ。ほんとうに私は大蔵省に対して憤りを感じている。農林大臣がおられるところであえて申し上げるけれども、これは名前を言うわけにいかぬが、ある大蔵省官僚が、
農林省は近ごろは方向性がない、大言壮語はするけれども、ビジョンがない、天気予報ならば、昔はなかなか当たらなかったが、最近はデータ通信でずいぶん当たりだした、天気予報よりもいろいろな示唆が当たらぬじゃないか、
農林省は
農民保護省だと、こういうように言っております。これはけしからぬことで、私は頭にきている。また、
農民社会保障課だというようなことを言う人もおる。それから、農業収穫予想課であると言う人もおる。すべて結果を見てきめる、あと追いである、これじゃ
農林省はだめだと言っておる。ところが、そう言っておる大蔵省自身が、われわれが質問するとすぐに
農林省、
農林省と言う。まあ、こういった重要な問題はそうかもしれないけれども、この際、大蔵省ももっと国民の食料のことを
考えて、ほんとうに
農家がたいへんなことになっているということに思いをいたしてもらいたい。そして、
農林省の言うことをよく聞いて、もっと対処していただかなければならぬ。油は二、三日なくても過ごせるけれども、食料が二、三日なかったらたいへんなんです。これがいまのところ何とか過剰的にあるから一応おさまっているけれども、あとの食料はどうなっていますか。
きょうも全国漁民大会が武道館であって、ぼくもいろいろ言ったのだけれども、もう二百海里説まで出よる。そうなったら、いわゆる動物性たん白質は、六月二十日開かれる第三次海洋法
会議等でいよいよきびしい。来年はウイーンで開かれる。だんだんに魚も狭められていく。二百海里になりますと、これは三百七十キロですから、三〇%から五〇%は公海が縮まります。そうなってくると、一千万トンの漁獲も、五百五十万トンあるいは六百万トンぐらいになってくるわけです。また、畜産もたいへんな問題だ。
こういったことを
考えたときに、国民がひとしく食べている動物性たん白質または米というものについて、もっと
農林省の意見を聞いて、
農林省の
予算等についても十分な配慮をしてもらわないと困る。主計官なんだから、それを十分わきまえて言ってもらわないと困る。大蔵省が、
農林省は農業収穫予想課だなんと言う。われわれもやはり
農林省は追及するけれども、守備分野として、こんなことを言われると全く頭にくる。十分に心して答弁してもらわないと困る。いろいろ申し上げてきたけれども、大蔵省に聞けば、
農林省に云々と言うて、いかにも
農林省からいろいろ言われなければできぬようなことを言われるけれども、実際はそうじゃない。何もこのことでぼくはおこるわけじゃないけれども、全般を通じてぼくはこういった意見をこの機会に申し上げておくわけです。
そこで、この米価問題の締めくくりとして農林大臣にお伺いするけれども、今回は
生産者米価と消費者米価を同時諮問ということになると、われわれがかねがね
指摘しておりますように、これは分断作戦で、まさしくお米は上げることはできないということになる。消費者は据え置けと言うし、
生産者は再
生産に見合うように、物価の高騰、労賃の値上げに伴う
生産費及び所得補償方式で米価をやってくれと言う。こういうふうに要求しているわけですが、ところが、これを同時諮問しますと、いわゆるけんか両成敗で、分断作戦で、これが相当きびしい米価決定になる。ある人に言わせると、参議院選前にきめると
農家の協力がないから、米価を大幅に上げるということを言って大いに協力させて、参議院選が終わったら、その票の出ぐあいでは、君たちの協力が足らなかったから米価はあまり上げられぬというようなことを言ってやるんじゃないかというようなことを言われたりしている。いろいろと巷間、
農民からも批判を受けております。そういったことをなくすためにも、農林大臣から、
生産者は
生産者で守る、食料危機から守る、
生産者米価については、消費者米価と切り離して諮問をする、こういう
考えで
自分は臨みたいと、こういうようなきちっとした決意をぜひ披瀝してもらいたいとぼくは思う。
それについて、私は、農林大臣に、
生産者米価を諮問するにあたって、純粋な計算によって引き上げるということで対処してもらいたい思うが、その決意を大臣に最後に承りたい。