○瀬野
委員 以上、米価問題についていろいろと質問してまいりましたが、いまや、
日本の農業はかつて経験したことのない重大な危機に直面しております。いわゆる亡国農政とまでいろいろ批判されるときにいまは立ち至っておることを当局も十分認識していただきたいと思う。世界穀物価格の暴騰、また石油危機、通貨不安、
日本経済の混乱、さらにはインフレが国民生活に深刻な影響を与えているという
現状を踏まえたときに、農業者は、いま、生産資材の高騰に加えて農畜産物価格の低迷というダブルパンチを受けてたいへんな危機にさらされております。
結論的には、かねがね私が申しておりますように、
日本農業を救う道は基本農政の発想の大転換をはかり、さらに食料自給率の向上をはかること以外にない。こういうぐあいに端的に私は結論づけておりますが、本年度の米価決定が今後の
日本農業の進路を決定するとも言うべき重大なものになるわけであり、さらに、
日本農業の危機を突破するためにも、国民食料
確保の基本農政確立のためにも、今回の米価決定が大きな岐路に立たされておるのであって、それがまた大きな焦点になっているということを当局にも十分認識していただきたい。
先ほど来いろいろと私は当局に質問してまいりましたが、本年度米価を、生産費・所得補償方式によって、六十キロ、六四・七%、一万六千七百四円、農民はこれはびた一文まけられないと言って叫んでおります。この諮問にあたっては十分検討していただきたいし、さらには、四十八年産米の異常物価高に対する追加払い三千二百六十三円の検討をぜひ再度お願いしたい。さらには、いま申し上げた予約売り渡し制度における概算金の千円から三千円の増額についても検討していただきたい。そして、先ほど申しました米価審議会のあり方についても、作付前に早急に開き、また、必要に応じては少なくとも年に二回米審を開くということで農民の期待にこたえていただきたい、かように私は思うわけです。
これが平年のときであれば年に一回でもこと足りる場合もあると私は思いますけれ
ども、こういう異常なときであり、農業危機に直面したときには、米審は当然二回開くべきであると私は言いたいわけです。せんだっても、米価審議会の会長を当
委員会に招致して参考人としていろいろ聞いた際にも、米価審議会の会長も、米審のあり方については、年に数回開くべきだということを私の質問に対してはっきりとここで答弁もされており、われわれもその期待にこたえたいと言っております。しかし、
政府のほうがなかなか諮問をしてくれないのでわれわれは応じられないのだというふうに会長が言っておるわけですから、
政府のかねがねのデータ整理または物価、労賃の検討をせいぜいやられて、農家の必要に応じて米審の開催をやっていただくように重ね重ね強く要請をいたしておきたいと思います。
本日は
農林大臣が参議院のほうの
委員会に出席のために当
委員会に出ておられませんけれ
ども、国会の今後の審議のあり方を見ましたときに、米価シーズンに入り、米審までに農林
委員会のこういうことについての一般質問がはたしてできるかどうかを私は懸念しましたので、
農林大臣の代理として出ておられる政務次官、また、
政府の
食糧庁長官に対して、きのうのあの熱気のこもったところの全国米価大会の血の叫びの零囲気を踏まえて、その意思の一端を伝え、あえて
政府の今後の再検討をお願いするという
意味で私はきょう質問した次第であります。
以上で米価問題についての質問を一応終わりまして、質問通告をしておきましたAF2の問題について、ただいまから
農林省並びに主として厚生省当局に質問を展開してまいりたいと思います。
AF2といいますと、これはニトロフラン系の化合物でございます。主としてとうふ、魚肉、ハム、ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、はんぺんといったものに合成殺菌料としていろいろ入っておりますところの食品添加物でございます。この添加をしていい種類は数種類に限定をされておりますけれ
ども、食品公害が叫ばれておるおりから、AF2の使用について、これが人体への影響に強い疑念を持たれておるということで私は
指摘するわけですが、このAF2を使っているところのこういう種類のものを食べておりますと、染色体及び遺伝子を破壊して催奇性の子供ができるということで、最近は流産がとても多くなったとか、奇形の子供が生まれてくるということで、実は現在社会問題になっておるわけです。また、肝臓ガンの発生地域では、AF2の使用量に比例して起きているという事実がございます。
〔山崎(平)
委員長代理退席、
委員長着席〕
こういったことを思いましたときに、AF2を使用しているいろいろな食品については、国民の健康保全上から私
たちは重大な関心を持って心配をいたしておるところです。神経性の障害が起きたり皮膚炎が起こったという例もたびたび聞いておりますし、過日三年にわたっていろいろと裁判が行なわれてまいりましたが、四月二十五日に一応結審が出ているとはいうものの、この内容についても、これはいろいろとその過程において問題があるわけです。
それらをここで一々やっていたのでは時間も早りませんので、さっそく本論に入ってまいりますが、AF2は去る四十年七月に食品添加物として厚生省から認可されまして、とうふや魚肉、ハム、ソーセージなどの防腐剤として広く使われておりますが、昨年秋国立遺伝学
研究所の学者グループの
研究によって、AF2は、人間の細胞を破壊し突然変異を起こさせる
有害物質であるということが
指摘されたのをはじめ、発がん性や催奇性などのさまざまの毒性が報告されておるわけですが、厚生省に
お尋ねする前に
農林省にお聞きしますが、肉にしても、魚にしても、さらには練り製品等を大量に出荷して市場でせりをしているわけでありますが、そういった
関係から
農林省もこれは全然
関係なしではないわけでありますし、こういう問題についてどういうふうに
農林省は受けとめておられるか。その点、
農林省の検討しておられる認識のほどをまず冒頭に承りたいのであります。