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1974-02-28 第72回国会 衆議院 農林水産委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年二月二十八日(木曜日)     午前十時二十八分開議  出席委員    委員長 仮谷 忠男君    理事 笠岡  喬君 理事 坂村 吉正君    理事 湊  徹郎君 理事 安田 貴六君    理事 山崎平八郎君 理事 柴田 健治君    理事 芳賀  貢君 理事 津川 武一君       伊東 正義君    今井  勇君       上田 茂行君    金子 岩三君       吉川 久衛君    熊谷 義雄君       佐々木義武君    島田 安夫君       中尾 栄一君    丹羽 兵助君       島田 琢郎君    竹内  猛君       馬場  昇君   米内山義一郎君       中川利三郎君    瀬野栄次郎君       稲富 稜人君  出席政府委員         内閣総理大臣官         房広報室長   斎藤 一郎君         農林政務次官  渡辺美智雄君         農林省農林経済         局長      岡安  誠君         農林省構造改善         局長      大山 一生君         農林省農蚕園芸         局長      松元 威雄君         農林省畜産局長 澤邊  守君         農林省食品流通         局長      池田 正範君  委員外出席者         農林省農林経済         局統計情報部長 吉岡  裕君         農林水産委員会         調査室長    尾崎  毅君     ————————————— 本日の会議に付した案件  農林水産業振興に関する件      ————◇—————
  2. 坂村吉正

    坂村委員長代理 これより会議を開きます。  委員長が所用のためおくれますので、委員長の指名により、暫時私が委員長の職務を行ないます。御了承のほどお願いいたします。  農林水産業振興に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。芳賀貢君。
  3. 芳賀貢

    芳賀委員 これは農林大臣にただすべき点ですが、きょうは出席がありませんけれども、二月の二十五日に畜産振興審議会懇談会の形で開催されまして、懇談会における協議の結果、農林大臣に対しまして「畜産危機打開緊急対策に関する要望」なるものが建議の形で出されておると思うわけであります。この種の問題は、先般の当委員会でしばしば農林省に対して問題を提起して、質疑をしてあるわけでありますから、政府から進んで委員会に対して報告をするべきと思いますが、緊急を要するので、この際、政府側から、畜産審議会要望内容と、この要望に対して具体的にどういうような対策を講ずるかということについても、できるだけ明確にしてもらいたいと思います。
  4. 渡辺美智雄

    渡辺(美)政府委員 この懇談会には畜産局長が立ち会っておりますから、委細承知しておるので、畜産局長から報告させます。
  5. 澤邊守

    澤邊政府委員 二十五日に畜産振興審議会懇談会を開きまして、いまお尋ねがございましたような要望が取りまとめられましたので、その審議の経過の概要並びに要望内容について御報告をしたいと思います。  午後二時から八時ごろまでかかりまして懇談会が開催されましたが、そこで議論になりました主要な点を申し上げたいと思います。  今回の配合飼料値上がりに伴います畜産経営に対する影響は、畜種別に差異があるものの、全体として非常に大きな影響を与えておる、したがって、ここで畜産経営を安定させるために、また、畜産農家生産意欲を向上させるために何らかの措置をとる必要があるという点につきましては認識が一致をいたしまして、その場合、最近におきます飼料需給価格値上がりというような事情が今後いつまで続くであろうかということ、ことばをかえて申し上げますと、今回の……(芳賀委員「この要望を読んでください」と呼ぶ)  では、要望を読めという御要求でございますので、読ませていただきます。    畜産危機打開緊急対策に関する要望   度重なる飼料等生産資材価格の高騰により、我国畜産は、危機に直面している。更に世界食糧需給は逼迫し、農畜産物自給度向上は、国民的課題となっている。   よって、政府は、畜産農家経営安定と、国民に対する畜産物安定供給を図るため、緊急に、下記対策を講ずるよう要望する。      記  1 飼料値上がりによる生産者負担を軽減するため、緊急の特別の措置を実施すること。  2 加工原料乳保証価格豚肉安定価格鶏卵価格対策などにつき、再生産確保が図れることを基本とすること。  3 畜産物価格安定を図るため、輸入及び需給調整を行う場合には、予め一定方式を設け、これに従って弾力的に措置すること。  4 畜産物卸売価格が適正に形成され、小売価格がその動向を正しく反映し、消費者家計の安定に寄与できるよう、流通合理化を推進すること。  5 恒久対策として、自給度向上内容とする飼料畜産物生産目標樹立飼料生産基盤整備飼料作物生産奨励飼料価格安定の抜本対策樹立牛肉等価格安定制度の確立を図るよう検討すること。    昭和四十九年二月二十五日          畜産振興審議会委員懇談会  それでは、これの主要な内容を御説明しますと、1は、「飼料値上がりによる生産者負担を軽減するため、緊急の特別の措置を実施すること。」となっております。これを取りまとめます過程におきまして、議論として出ましたことは、主として生産者関係委員の方から、年度内に価格を改定すべきであるという議論が出まして……
  6. 芳賀貢

    芳賀委員 きょうは理事会の申し合わせでお互いの時間が限定されておるので、詳しいことはあと説明を求めますが、この際、この五つの要望に対して、農林省としてこの実行について具体的な準備ができておるかどうか、まだ検討中であるということであれば、次回に譲ることもやむを得ないわけですが、要点だけ率直に述べてもらいたいと思います。
  7. 澤邊守

    澤邊政府委員 第一の「緊急の特別の措置」につきましては、これは現在要望趣旨を体して検討をいたしております。まだ結論を得ておりません。この「緊急の特別の措置」といいますのは、主として二月−三月におきます値上がりに伴う特別の措置という趣旨でございます。  二番目の、加工原料乳保証価格豚肉安定価格等について「再生産確保が図れることを基本とすること。」という点につきましては、四十九年度の保証価格なり安定価格をきめます際に、配合飼料価格その他生産費の上昇を適正に織り込んで価格決定するという考えで、現在最終的なデータの整備を待って、鋭意検討を始めておる段階でございます。  三番目の、「輸入及び需給調整を行う場合には、予め一定方式を設け、これに従って弾力的に措置すること。」という条項につきましては、牛肉輸入あるいは鶏卵生産計画化、あるいは生産調整というようなことを行なう場合に、あらかじめ一定ルールを設けて、それのルールにのっとってやるようにという趣旨内容になっておりますが、この点につきましては、今後、そのような方式の設定につきまして早急に検討をしてまいりたいというように考えております。  四番目の内容は、主として小売り価格卸売り価格を「正しく反映し、消費者家計の安定に寄与できるよう、流通合理化を推進すること。」という内容でございますが、これは、先般、すでに、牛肉につきまして、卸価格動向に即して小売り価格を引き下げるよう行政指導を加えておりまして、その実績はある程度出てまいっておりますけれども、さらに今後強力に指導を続けてまいりたいというように考えております。  五番目の「恒久対策」といたしましては、今後の問題として検討をしてまいりたいというように考えております。
  8. 芳賀貢

    芳賀委員 いまの説明で、農林省としては何ら具体的な対策が進んでいないことはまことに遺憾であり、ます。次回の委員会で十分論議することにいたしまして、きょうは畜産局長一つだけ問題をこちらから提起して、次回までに検討をして、その結果を述べてもらいたと思います。   〔坂村委員長代理退席山崎(平)委員長代理着席〕 それは、三月の末には、加工原料乳の不足払い制度あるいは畜肉価格安定のための畜安法に基づいて、それぞれ価格決定して告示することになっておるわけでありますが、加工原料乳保証価格あるいは豚肉等基準価格算定にあたりましては、それぞれ法律に基づいて、政令、省令の定めに従って算定をすることになっておるわけであります。そして、まず、保証乳価関係については、従来から当委員会でたびたび議論しておる点でありますが、大体生産費の六〇%を占める家畜飼料必要経費関係ですが、最近の算定方式によると、経費区分といたしまして、えさ代については、流通飼料費飼料作物費区分しておるわけでありますが、実態は、流通飼料費というのは購入飼料代であるし、飼料作物費というのは自給飼料経費ということになるわけでありますからして、いずれもこれは家畜に投下したえさ代ということに変わりはないわけであります。だから、この点を明確にして、一年間一頭の搾乳牛あるいは豚の生産に対して、飼料が、量的に簡易計算をしてどれくらいのトン数が必要であるか、また、その価格というものは、生乳にいたしましても、豚肉にいたしましても、年度開始以前に決定して告示するわけでありますからして、それから一年間この政府の定めた告示価格によって取引が正当に行なわれるわけであります。この出発の時点経済事情と一年後の経済変化というものは、いまのインフレ下においてはなかなか正確に捕捉することができないわけですが、これは、やはり、物価修正等をできるだけ的確に計算をして価格算定するということが——先ほど局長の言われたえさ値上がり等についてはもう万策尽きたので、すべて生産費価格に反映させるということでありますので、その点にぜひ留意して今後の算定作業を行なうべきであると思うわけであります。きょうの場合は、この飼料代計算について、わざわざ問題をあいまいにした流通飼料とか飼料作物費というような費目区分ではなくて、まず、飼料代としてどれだけかかるか、内容的には購入飼料自給飼料とに区分を明確にするということでなければ、われわれ委員会において審議をする場合においても、いままではこの点について明確な結論が出ていないわけですからして、まずこの点を次の機会に明らかにしてもらう。同時に、他の費目についても根本的な検討を加えて、乳価あるいは畜肉価格というものを不当に押えるために算定をあいまいにするということは厳に慎む必要があると考えますので、この点について、担当の局長から、その方向で検討作業を行なうということについて約束をしておいてもらいたいと思います。
  9. 澤邊守

    澤邊政府委員 飼料費につきましては、四十八年度の生産費調査が間もなく出てまいりますので、それをもとにいたしまして、その原数値を使いまして、最近時の農村物価賃金調査に基づきます物価によりまして修正をしまして生産費をはじき出すというやり方を今年度もやることにしております。ただ、その場合、配合飼料につきましては、すでに二月から一万一千円ないし二千円上がっておりますので、この値上り分は織り込むようにして算定をしたいというように考えております。
  10. 芳賀貢

    芳賀委員 次に、統計情報部長にお尋ねしますが、前の委員会において保留しておきました生産費調査の場合に、農家の投下した自家労働に対する正当な賃金評価については、いままで幾多の機会において指摘して議論をしたところでありますが、基本的な問題として、自家労働賃金評価については、遺憾ながら、いままで農村日雇い労賃というものを農林省生産費調査の中においては用いてきておるわけであります。前回委員会にも申しましたとおり、農家自家労働労働者賃金評価がえするということになれば、労働賃金の構成は常用労働者日雇い労働者に大要区分されておるわけでありますから、農家自家労働というものを常用労働者賃金に合わせるか、あるいはまた日雇い労働者賃金評価がえするかという、この二つの道しかないわけであります。  そこで、前の統計調査部長中沢三郎君の時代においてもこれは議論したことであるが、農家自家労働の様態というものは、当然、経営者にいたしましても、家族従事者にいたしましても、十年、三十年というような経営上の責任と長い農業経営に従事する労働の経験というものを経ておるわけでありますからして、日々または一カ月以内の期間を限って雇われるという状態の農村日雇い労働者賃金に貴重な農家自家労働評価が身するということはまことに不当なことでありますけれども、現実にこれが行なわれてきておる。この是正については、農林省において行なうことができるということがすでに明らかになっておるわけでありますからして、あと実行の問題だけが残されておるわけであります。この際新任された吉岡部長のもとにおいて、もうすでに生乳加工原料乳として保証乳価決定とか、あるいはまた豚肉を中心とした畜肉価格決定とか——それからまた四月にはてん菜の生産者価格等決定されるわけでありますが、この価格算定にあたっては、いずれも統計調査部生産費調査というものを重要な参考資料に用いておることは言うまでもないわけであります。この点は、前回委員会において宿題として保留した課題でありますので、きょうはそれを部長から明確にしておいてもらいたいと思います。
  11. 吉岡裕

    吉岡説明員 ただいま芳賀先生からお話しがございました生産費調査におきます家族労働評価の問題は、先生から、ずいぶん昔から、専門的立場でいろいろ御指摘をいただいているところでございます。私も、過去の先生の御議論議事録等を通じていろいろ読ましていただきまして、先生の御主張の点は理解はしておるところでございます。ただ、御承知のように、農家自家労働生産費評価の問題としてどういうふうに評価すべきかということは、米の生産費調査が始まりました当時から学者間等でも非常にいろいろ議論のあるところでございます。これを生計費で見るべきではないかというふうな意見もございますし、また、いわゆる市価、流通をしている一つの客観的な価格というもので評価をすべきではないかというふうな議論もございまして、今日のところでは、後者の、客観的にその農村地域にある労賃によって評価をすべきであろう、したがって、そういう客観的にある労賃として農村におきます農業労働実態を一般的に反映するものとしては、農村臨時日雇い労賃というものによって評価せざるを得ないのではないかというのが最も多い意見でございまして、農林省統計情報部としましても、そのような意見に従いまして、家族労働の中身を月別に男女別に分けまして、そうしてそれを一人前の労働時間に評価をかえまして、その地域男女別農業臨時賃金というもので評価をいたしておるというのがその実態なのでございます。  そこで、今日、臨時雇い労賃が、客観的に農村に存在をする労働賃金として最も適当であるかどうかということにつきまして、先生の御意見のような、むしろ周辺の工業労賃によって農村労賃というものが規制されておるのではないかという考え方もございますが、やはり、農業工業の問の労働の質の差と申しますか、そういうものがございますし、それから、地域的に生産費というものが、いろいろ地域事情を反映して評価をされるということが必要であるというふうな考え方に立ちますと、たとえば一律の工業労賃というふうなもので評価がえをして、そういう地域性を消してしまうというようなことが生産費を今後経営改善等に利用していく際に適当であるかどうかというふうな問題がいろいろございまして、私どもとしては、評価方法としては、農村の臨時雇い労賃というものによって評価をするのが今日の状況では最も適当なのではないかというふうな考え方でやってきておるわけでございます。しかし、この問題は、いろいろ世の中の移り変わりもございますし、事情変化等もございますので、私どもとしても、最も適切なものは何かということは絶えず検討をしてまいっておりますし、今後ともいろいろ検討はしていきたいというふうに思っておるわけでございますが、今日の時点では、農村臨時労賃というもので評価をすることが最も妥当であろうというふうに考えておるわけでございます。
  12. 芳賀貢

    芳賀委員 きょうは時間の関係議論しませんが、いまの吉岡部長答弁は、いままでの歴代の部長が繰り返したことの記録を原稿に移して読んでいるだけなんです。いままでの部長も、一字一句みな同じことを言っているのです。そういうことをいま議論しているのじゃないのですよ。中沢君が部長のときも、整理された問題は、農業自家労働というものは、賃金評価をする場合には、結局、常用労働者としての位置づけで、その賃金体系による賃金にたよるか、あるいはまた臨時雇用労働者という位置づけで、この臨時日雇い労賃によるかという、そのいずれしか基本としてはないのですよ。だから、農業自家労働というものは、常用労働者日雇い労働者のいずれに共通性を求めるかということが判断の基礎になるわけであって、これはもう常識で、だれが考えても、いや、農業自家労働日雇い労働者と同じですということを明確に断言する者は、政府の役人の中にも、おそらく一人もいないと思うのですね。これははっきりしているわけだ。  それで、いままでは臨時労働賃金によってきたのであるが、それを直す場合には、農林省において、大臣のもとにおいてこれを常用労働者賃金計算に改めるということが農林省内部でできるかできないかという問題をただした結果、それは農林省の中でできますということを中沢部長ははっきり言っておるのですよ。私がそのことを聞いたのは、農林省だけの問題でこれは解決できないということであれば、たとえば政府統計関係所管として内閣統計局があり、あるいは行管統計基準局があるから、そのほうで、政府の行なう統計というものを統計的な一つ体系の中で処理しなければならぬということであれば、率直にそれは言ってもらいたいということなんです。農林省だけではできないというのであれば、内閣統計とかあるいは行管統計所管のほうで十分国会の論議を詰めて、そこで政府見解というものを明らかにさせるべきだと私は指摘したわけです。その場合に、農林省としては、農林大臣所管事項として日雇い労賃常用労賃に改めることは、それは事務的にはできますということになっておるわけです。できますと言いながら、それでは改めるかどうかということについては、いま部長が読み上げたような理由づけを繰り返し繰り返しやっているだけで、実行に入っていないのですね。だから、それをどうするのだということを新しく就任した吉岡部長に私が聞いたわけです。だから、残された問題は、是正するかしないかということだけなんですよ。  ちょうど渡辺次官も来ておられるが、次官、この点はくどくどした問題ではないわけだから聞いているわけですから、役所へ帰ってから、あとでみんなで相談をして、こういう点についてはぜひ迅速に明快な結論を出してもらいたい。これは次官から、促進するかしないかだけを聞いて、あとはきょう議論しないで、それだけで終わっておきます。
  13. 吉岡裕

    吉岡説明員 過去の連続性の問題その他もいろいろございますし、今後ともひとつ検討させていただきたいと思います。
  14. 山崎平八郎

    山崎(平)委員長代理 次に、米内山義一郎君。
  15. 米内山義一郎

    米内山委員 きょうは大臣がお見えになりませんが、実は、去る十三日に、大臣所信表明に対して私は質問したわけです。前段の大部分は私の所信を申し上げ、大臣の所見を伺ったわけですが、後段におきまして、具体的な問題を四つ質問いたしました。そのうちの三つ農地局にかかわる問題、それから四つ目は水産庁にかかわる北洋の漁業資源の問題に関することでありますが、この資源の問題については、大臣は、まだ海上保安庁から詳しいことを聞いていないということでした。ただ、農地局にかかわる三つの問題は、第一は、青森県の東通村に、東京電力東北電力が二千万キロワットの、世界にも例を見ない、現在のアメリカの原子力生産量とほぼ同等なものを立地しようという問題にかかわるのです。これに農林省農地転用許可をした、この問題であります。それから、第二点は、むつ小川原開発地域における三井不動産によるところの、違法というよりも、全く道義に反した土地買い占め実態について質問しました。第三点目は、第三セクターと称するむつ小川原開発株式会社用地取得状況について見解を求めたのでありますが、この三項目はいずれもきわめて重大な事案でありまして、私はもっと内容の伴った答弁を実は求めたのでありますが、速記録を見ましても——これは私の発言の不十分なこともあったかもしれません。なぜかというと、私は青森県人だから、東京の人の耳にはあまりはっきり聞けないことばを使っておるのかもしれぬが、そういうことで、実は、私の求める答弁というものは聞かれず、私の真意というものは全く理解されていない。なぜこういうことになったかということですが、私は政治のベースでものを判断し、主張するわけですけれども官僚というものは、官僚のレベルでものを考え、仕事をしている。この違いじゃなかろうかと、実は思うわけです。ことばの違いじゃなく、ものを考える習性の問題といいますか、われわれはやはり政治の面に立っているから、ものを判断するときは、各論ではなく総論を重視します。技術論よりも原則論を大事にするのが政治の特徴です。したがって、形式論よりも実質を追及するのがわれわれの習性なんだ。あなた方は形式論に出発するんです。こういうふうな違いがあるのだから、ものごと事案によっては、あるいはわれわれの言うことがスムーズにわからない点もあるかもしれないが、そういう点で非常な疑問を持つわけです。  私の東通村の問題の質問に対して、農林大臣は、「東通村の東京電力及び東北電力原子力発電所建設にかかる農地転用につきましては、所定の手続により、転用目的の実現の見通しにつきましても、十分審査の上、昭和四十六年十二月に転用許可を行なったものでありまして、農地法違反の問題は存在しないと思っております。」と、明白に御答弁なすった。私は、法律に違反する、しないは、これは形式論だと思う。しかも、この答弁の際に、うしろのほうからあらかじめでき上がった紙を届けられて、大臣はそれを読むだけなんです。現局長も、あるいは農林大臣も、この事案を審査するにはタッチしていないんです。タッチしているのは、そのうしろ実務官僚なんだ。こういう人がいわゆる既製品みたいな答弁書大臣に読ませる。私は、そのかっこうをここから見ていて、大臣というのは一体これでつとまるのか、まるでインスタントラーメン自動販売機みたいなもんじゃないかという気がする。大臣の耳で聞き、大臣の頭で判断して答えるのじゃなく、下部官僚、属僚の責任のがれの答弁をそのまま言っておる。これじゃ、議会でどのような議論をしたって、ものごとというものは前進するものじゃないと私は思う。全く漫画みたいなものだ。こういう欠陥を是正していくことが議会政治の進歩であり、発展だし、真に国民に信頼を得る民主政治一つの原点でもあろうと思う。  そこで、私は、このやり方に非常な疑義を持っておる。単に法律的な問題じゃないのです。しかし、法律を正しく理解し、特に、この農地法の意義といいますか、第十一条に明記された法律目的というものに出発して、さらにはこれに基づく規則、これを運用するための農地等転用関係事務処理要領というものがあり、さらには農地転用許可基準というものがあり、農林省はこの基準は全国公平に適用しているはずですけれども、そのように、こういう法律規則や通達、事務要領というものが正確に適用、運用されておれば、このような疑義は絶対に生じないと私は思う。読んでみると、これは文章としては抜けのない精密なものですが、ところが、これが説明がない。そこで、この事案は、特に農地の問題は、この委員会にかかっているいまの農振法の問題にも、あるいはいまの開発公団の問題にも直接からまりますし、さらには国総法にもからまる重大な問題なんです。そういうことから、私は、このいろいろな法案審議のためには、この事案こそまことに重大な材料をわれわれに提供してくれているものと思う。  そこで、この事務処理にあたって、転用基準の第二章、第二節には、第一から第九までありますが、大臣は「十分審査の上」と言っておりますが、審査の経過なり、そういうものをこの条項に照らして、どういう方法で審査したのであるか。特に事業目的の確実性ということですが、百万キロの炉を二十、計二千万キロ立地するというから、一千ヘクタールの用地を必要とされたのです。常識的に見ても、こういうものを立地可能性ありと審査したのであるか。これはまことに重大なことです。しかも、原子力発電の立地というものは、同じ政府許可を必要とするものだ。これだけのものが許可の見通しありと結論を出したのであるかどうかということであります。  さらには、用排水の問題にしましても、これは速記録にも明白でありますが、二千万キロの原子力発電が運転しますと、少なくとも利根川の七本分か八本分の温排水が出る。これは周辺の漁業に影響しないという保障はないのです。こういう諸般のことを厳密に調査し、必要あらば現地を調査するということまでこの処理要領には明記されている。農林省内部で科学技術的なことの審査が不能だとするならば、原子力専門家なり、そういう者の意見も徴する必要があったはずだ。それをやっていないとすれば、それはおかしい話だ。だから、十分審査した、調査したと言うならば、その事実経過を明確にしていただきたい。私の主観でありますけれども、二千万キロの立地などということは、これは架空だと私は断言してはばからない。つまり、うそだということだ。申請書の中に架空、虚偽があって、それが審査という手続を経て転用が許可になったとしても、われわれの見解から言うと、そういう許可は効力を有さないと私は思う。国民が権利を行使する場合には、誠実と信義というものが先に立たなければならぬというのは、これはあらゆる法律の大前提なんです。これに署しく反する契約というものがあったとしても、これは法律上無効であることは明白なんです。こういうことを重視するのが政治の観点なんですよ。あなた方はこういうことを軽視して、技術論で、形式論でこれは合法だと言うならば、これは問題は別なんです。おそらく、きょうは、私の要求する諸項目について、私の要望するとおりの答弁はできなかろうと思うから、私は委員長にお願いしておきますが私の要求どおりの項目について、どのように審査したか、あとで資料として提供してもらうことを委員長におはかりをお願いしたいと思います。  これについて構造改善局長、きょうはゆっくりものを言っているからあなたの耳にも届いたし、頭にもしみ込んでいると思うが、農地法というものの重要性を考えた場合に、こういうふうな取り扱いが妥当だと信じているかどうか。大臣は、農林省にもし違法行為等があれば、これを改めるにやぶさかではないという御答弁を私はその際いただいておりますけれども、問題は、主観の問題じゃなくて、事実の問題であるということを私はこの際申し上げて、資料によってわれわれは精密な誤らざる判断をし、この問題の前進的な解決を希望しておりますので、この際、局長の御見解を尋ねておきます。
  16. 大山一生

    ○大山政府委員 東通村におきます原子力発電所にからむ農地の転用許可の問題に関連いたしまして、農地法というものに対するわれわれの姿勢といたしましては、優良農地を確保するという姿勢においてやること、これは農地法の当然の姿勢でございます。そして、他用途転用という問題につきましても、それとの関連において、やむを得ない場合に限って認めるということにおきましては、先生の仰せられることと何ら変わることはございません。  そこで、東通村におきます原子力発電所の建設につきまして、これを事前審査の承認をし、そして、転用許可したときにおきます——これは東北農政局の判断でございますけれども、この土地が、通産省の行ないました基礎調査によりまして、たとえば耐水性なり復水器の冷却水なり、こういったような問題も含めて適地とされているというようなこと、それから、電気事業の増大に対応するための施設であり、やむを得ないものであるということ、それから、土地収用法によります収用該当事業であるというようなこと、そして、また、広大な用地を必要とすること、特に、保安上も広大な用地を必要とするということ、それから地元の協力体制もあるということ、こういうようなことによりまして、これは転用するもやむを得ないというふうに判断したわけでございますがたとえばいま先生の言われましたことに関連いたしまして、通産省の基礎調査なり、それらの資料につきましては、後ほどまた先生のほうに御説明に上がりたいと思います。
  17. 米内山義一郎

    米内山委員 それは許可の根拠にはならぬです。通産省と農林省は違うんだ。農林省農林省としての独自の調査、判断に立つ必要があると思うのです。地元の協力体制と言いますけれども、あの地域青森県の最大の回遊魚、イカあるいはサバの漁場なんです。土地の問題については協力体制があったけれども、水産業の問題については、今日まで何ら技術的な説明がない。説明しないで協力を得たということも、根本的には不合理なんです。こういうふうな社会的な諸条件を調査して、しかる上に法律や政令に基づいて処理すべきであって、問題は、原子力も大事であろうが、それより以上に大事なのは住民の生活なのです。こういうふうなことについて、いまの答弁ではまことに不十分だ。たとえば、知事の意見書はどうであったとか——通産省の調査なんというのは、これは参考でしょう。あなた方の独自の、いま申し上げた転用基準なり処理要領によってちゃんときまっている。このとおりやっていればこういう疑義が出ないのであるから、そこの中で、なぜ、どこがこの疑義を生ずる原因になったかということをわれわれは精密に知りたいから、ぜひともこれは資料を文書で出していただきたい。委員長にお願いしますが、どうかそのようにお取り計らいをお願いします。  以上をもって、私は、質問を終わります。
  18. 山崎平八郎

    山崎(平)委員長代理 関連して、竹内猛君。
  19. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 私は、土地の利用問題に関連をして、若干の質問を通じて要請をしたいと思います。  昨日、江戸川区の日通全共連江戸川倉庫建設反対協議会より、各党に対して、四千名の署名簿を伴って要請がありました。その要請を聞いてみると、この要請に幾つかの理由がある。しかも、それは、この委員会に関連をすることでありますから、農林省も監督庁として厳重に調査をして、後日この問題について報告をしてもらって、そして、この問題が円満に処理できるようにしてもらいたいと思います。  そこで、まず、農林省にお尋ねをしますけれども、江戸川区の篠崎地区に全共連が土地を所有し、その上に倉庫を建てるという計画があることについて承知をされているかどうか、そのことについてまずお尋ねします。
  20. 岡安誠

    ○岡安政府委員 全共連が、江戸川区の東篠崎町でございますか、そこに三十八年に用地を取得いたしたわけでございますが、そこに倉庫を建てまして、これを貸し付けて運用をはかるという計画があることを承知いたしております。
  21. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 そうしますと、その全共連と日通との間で契約をされて倉庫をつくるということについての事実は存在をする。そこで、問題は、全共連の性格といたしまして、農民のとうとい金を預かっているわけでありますから、農家に対して損失を与えるようなことは非常に困るということは当然で、有効にこれは使わなければならないという性格のものであると思います。そのことがまた地域住民の生活権や環境権を侵すようなことがあってはならないわけでありますから、当然、これは表裏一体のものとして、農民にも損失を与えないし、その金がまた地域住民にも迷惑のかからないような、しかも、厚生施設とか社会施設等において役割りを果たしていくということが筋だと思います。そういう立場から、私は、次の九点にわたっていまから要請をいたしますから、調査をしていただきたい。  第一の問題は、土地を取得して以来、建設に至る今日までの段階における経過について十分に調べていただきたいと思います。  第二点は、全共連と日通との間でどういう契約が結ばれているのかということについて、これもやはり関係機関を通じてお調べを願いたい。  第三点は、住宅地内に倉庫をつくるための住民の理解、納得、これをどのように得たかという問題であります。私の調べたところによると、全共連はだいぶ努力をしております。八項目にわたって当初の計画に対して変更も加え、あるいは公園などに対する協力もしておるわけでありますけれども、なお、依然として地元では四千名以上の反対があります。そういう点について、努力のあとは見られるけれども、まだ納得をされておらないということでありますから、この点についての調査をお願いをしたい。  第四点は、これを都が許可をする前段で、江戸川区議会においては、満場一致でここに倉庫をつくることには反対であるという意思統一がされております。そして去年の十一月の十九日、この日まではその土地はまだ工場をつくる地域であったわけでありますけれども、十一月の二十日以降は住宅地域に変更されて、五十メートルの車庫でさえもつくってはならないという地域になっている。その十一月の十九日に許可をとったということは、許可は出たけれども、そのあとで建築をする場合においては、当然非常に問題が起こるということを予想をしながらその許可がおりているわけでありますから、法律許可があればそれはどうでもいいということは、最近の世情から言って問題ではないか、こういうふうに考えられるわけでありますから、このかけ込み許可というものについてはたいへん疑義があるというふうに考えます。区議会が反対をし、都が住宅地域にするという、その一日前に許可を得たということはやはり問題がある。将来に紛糾を残すものとになっている。この点が実は疑問の点でありますから、その点について明らかにしなければならない。これは東京都議会に関することでもあります。  第五点は、日通の倉庫というものは、それだけ住民が反対しているのに、将来住居地域ということがきまっているのに、その中にどうしてもつくらなければならないのかどうか、それをつくらなければならない必要性と科学的論拠というものが一体存在するのかどうか、そのことについて明らかにしてもらわないとなかなか説得力がありません。聞くところによると、流通センターの一環としてこれを考えているようでありますけれども、その流通センターというものの構想があるのかないのか。そういうものがあるならば、それが先に出ていて、そしてそれとの関連でここに倉庫がどうしても必要なんだ、住民が何と言ってもその倉庫はつくらなければならないのだというぐあいに説得力があるけれども、倉庫ができて、その次に流通センターができるということであるならば、それは説得力があまりないという感じもいたします。でありますから、そういう疑問について十分に答えられるようなものがなければいけないと思います。  第六番目。地元でいま要望しているのは、その土地の地価というものはかなり高いわけでありますから、その土地を都あるいは区が買い上げて、あるいは一定価格で農民に損がないように借りて、そうしてそれに病院または学校を建ててほしいという要望をしております。すなわち、その土地の利用の計画の変更を求めておるのであります。でありますから、したがって、そのように土地を売るなり貸すなりして、そして、倉庫を別に被害のないところにつくってもいいのではないか、そういう努力をする必要があるのではないか、こういうぐあいに考えるわけであります。そういう点についての検討も必要じゃないかと思う。   〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕  第七番目といたしまして、全共連と日通が、住民が何千名反対しようとも、これは一たん許可がおりたんだから、法律的に違法でないんだからどうしてもやるんだということであるならば、今後いろいろな反対の運動が続いていくと思います。最近の世情というものは、環境権、生活権というものが尊重されている。その中で、特に首都の中においてこういうことが許されるとするならば、これは将来にいろいろな問題を残すことになるわけでありまして、十年ほど前に買った土地がいまになってからいろいろと問題になるということについては、その種をまくようなことをしたということについて、その経過において何か考慮しなければならない点があるように私は考えます。したがって、その土地を取得した経過の中で問題があるように思いますから、なお検討をしなければならない。  それから、第八の点は、この問題を処理する方法として、私どもは、地元と、関係者と全共連、日通等々との間で話はいたしますけれども、その話をする材料として、農林省のほうのしかるべき報告に基づいて、それを中心としてやってみたいと思います。  そこで、これを円満に処理する方法としては三つしか道はない。第一の問題は、なおその資料に基づいて住民を説得する方法、こういうものが第一としてあります。第二番目は、計画を思い切って変更して、倉庫ではなしに、公共性のある病院なり、学校なり、別なものをそこに建てて、それと関連して、倉庫については、関係機関が協力して別なところに土地をあっせんして、そこに倉庫をつくっていく、こういうような努力が必要だと思う。そういうことでない限りにおいては、農民の金を有効に使い、しかも、その趣旨に沿って、大衆に迷惑をかけないでいい方向に使っていくという意味はなかなか満たされないのではないかと、このように考えます。日通というのは、文字どおり事業団体でありますから、これについては、私はここで触れる必要はないと思うが、問題は、国も一定の監督をし協力をしている共済の金が、住民の多くの反対の中でその事業のために使われているとするならばゆゆしいことになりますから、どうか、その点について誤りのないような指導をしてほしい。そういうことであります。  第九番目は、もしそのようなことがうまくいかないならば、この反対の運動というものは、環境権、生活権を守る運動として今後も必ず続いていくということがほぼ予想されます。そういうような問題は、いまは地域がきまってまだくい打ちをしている段階でありますから、あまり無理をしないで、この際説得の方法をとるか、あるいは計画の変更の方向をとるか、二つの道のどれかを選んでいく方法しかないので、私は、いま申し上げたような方法によってこの問題を円満に解決するように努力をしたいと思いますので、重要な問題でありますから、この際委員会を通じて、特に関係官庁である農林省に対して、そういうことについての努力をぜひしてほしいということと、それについての緻密な調査を要請して、その日にちはおおむね三月の五日ごろまでに、いま言ったようなことについての資料を整理してほしい。三月の六日には、これは委員会の外でありますけれども、それに基づいて懇談をする計画を立てておりますから、そういうふうにしてほしいということを要望をいたしますが、その点についていかがでしょうか。
  22. 岡安誠

    ○岡安政府委員 このケースにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、十年前に取得した土地につきましての運用の問題でございます。いろいろ経過があるようでございますが、結論といたしましては、円満にいくように私どもも努力をいたしたいと思っております。  御指摘の、いろいろ事情等を調べて報告をしろというお話しでございますが、実質的には六点ぐらいだと思っております。この中には、私ども意見というよりは、都庁等他の行政機関の考え方等を聞かなければならない部面もございます。期限を三月の五日とおっしゃいましたけれども、できるだけ努力はいたしますが、間に合わないものがあれば御了承いただきまして、できるだけ五日までには私ども努力いたしまして、経過等を調べて御報告を申し上げたい、かように考えております。
  23. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 以上のことを要請して、私の質問を通じての要請を終わります。
  24. 仮谷忠男

    ○仮谷委員長 瀬野栄次郎君。
  25. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 畜産危機の重大なときにあたりまして、諸問題について政府当局に質問をいたします。  畜産問題、特に飼料問題については、さる二月二十一日、当委員会で、畜産振興審議会懇談会が開かれるということで政府にきびしく追及したところでありますが、二月二十五日、かつてない畜産危機のもとで懇談会が持たれたわけであります。懇談会では、飼料値上がりによるところのコスト上昇は価格で吸収すべきであるという意見が大勢を占めておるようでありますが、さらに、異例のこととして、五項目からなる要望書が、二十六日、農林大臣に手渡されております。この要望書なるものはまさに異例の措置であると私は思うのでありますけれども、政務次官は、この懇談会要望書について、異例の措置であるという認識を持っておられるのか、その点をまず最初にお伺いしたいと思います。
  26. 渡辺美智雄

    渡辺(美)政府委員 懇談会におきましては、懇談ですから、懇談の間に要望等が出されるのが普通でありますが、畜産振興審議会委員懇談会の名において文書で農林省に対して要望したということは、やはり危機を意識した異例の措置である、あなたのおっしゃるとおりだ、と、こう私は思います。
  27. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 私も、今回のこの要望書は、まさに異例の措置であると思うのです。この要望書に対して、政務次官は、当局としてどういうふうに評価をしておられるか、また、どういう見解をお持ちであるか、簡潔にお答えいただきたい。
  28. 渡辺美智雄

    渡辺(美)政府委員 この要望というものは非常に貴重な御意見でございますから、われわれといたしましても、この趣旨をできる限り尊重して、その実現に当たるように万全の努力をしてまいりたいと考えております。
  29. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 次に、畜産局長、その件について引き続きお伺いしますけれども、あなたは今回の懇談会に立ち会っておられ、詳細を承知しておられるわけですが、この懇談会畜産振興審議会を早急に開くべきであるというような意見はどのように出たか、その点はどういうふうに認識しておられるか、明らかにしてください。
  30. 澤邊守

    澤邊政府委員 二十五日の懇談会におきまして、主として生産者関係委員の方から、早急に審議会を開いて価格決定すべきであるという御議論が出ておりました。また、他の委員からは、通常の三月中旬以降に決定することでいいのではないかという御意見があり、こういう御意見と二様に分かれておりました。
  31. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 そこで、かつてない畜産危機でありますが、当局としては、いつをめどに畜産振興審議会を開くというふうに方針をきめていま進めておられるか、明らかにしてもらいたいと思う。
  32. 澤邊守

    澤邊政府委員 御承知のように、四十八年度の生産費調査が三月にならなければまとまりませんので、その最新のデータを使いまして、算定方式に従いまして算出をしたいというように考えております。  なお、算定方式につきましても、前々回の懇談会におきまして、現在の加工原料乳保証価格算定方式について検討をすべきであるという御意見が多かったという点も考慮いたしまして、現在鋭意検討中でございますので、それらの結果をまって、三月中旬以降に審議会を開催していただきまして諮問をしてまいりたいというように考えております。
  33. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 少なくとも、一日も早く開いていただきたいということは、去る二月二十一日の当委員会でも私はきびしく要請しておるところでございますが、いろいろ資料その他の調査もあるということで、政府は三月中旬ということを言っておられますけれども、おおむね三月十五日くらいをめどに開くというようなことも私はいろいろ仄聞しておりますが、その辺をめどにやられる決意であるか、その点を明らかにしていただきたい。
  34. 渡辺美智雄

    渡辺(美)政府委員 総会では基本的なことを諮問いたしまして、具体的な数字はなるべく直近のデータを使うというようなことですから、三月の下旬あるいは下旬以降になると思います。
  35. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 三月の下旬または下旬以降ということですが、いずれにしても、一日も早く開いて、畜産農家が安心をするように、そしてまた再生産ができるような対策をとっていくのが政府の姿勢であり、そういった意味で、早急に開くようにさらに強く要請をしておきます。  そこで、政務次官にお伺いするが、これはせんだって二月二十一日のときにも私は強く申し上げたわけですけれども畜産振興審議会は年に一回開くが、これは普通のときの審議会でありまして、このような激動期の、しかも異例のときでありますから、そういったことを見ましたときに、今後は少なくとも三月に一回くらい開くべきではないか。これはもちろん大蔵省との予算の関係などいろいろありましょうけれども、この激動のときには、少なくとも三月に一回開くか、または、やむを得ない場合でも半年に一回は開くというふうな決意で臨むべきである。これは毎年というわけにいかぬと思いますけれども、こういう重大なときになっておるわけですから、政府はそういう姿勢で腹をきめてかかるべきであると私は思うのですが、政務次官は、今回の畜産危機にあたり、今回の畜産振興審議会懇談会等のいわゆる異例の措置要望書等を見られて、そういうことについてはどういうふうな見解を持っておられるか、この機会政府のお考えをお伺いしておきたいのであります。
  36. 渡辺美智雄

    渡辺(美)政府委員 部会はときどき開いております。審議会につきましては、まあ、通常年一同ということでございます。今回は、十二月以降非常なえさ値上がりというようなこともありまして、懇談会を開き、なおかつ予定をしておった審議会がすぐ間近に迫っておるというようなことですから、続けざまに二回は開いておらないわけでありますが、今後非常な事態の大異変があるというようなときには、その事情に応じて考えていく、こういうように考えております。
  37. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 激動期の畜産問題等については、いま政務次官がおっしゃるように、大事なときには当然開くべきである。こういうことで、今後三月に一回とか半年に一回とか開くことをぜひ努力していただいて、畜産農家危機を打開するために対策を講じていただきたいということを、さらにさらに強く要請をしておきます。  そこで、今回の畜産振興審議会での各生産者代表または中立、消費者側代表等の意見等をいろいろうかがい知るところでは、畜産危機という現状認識では完全に意見が一致したというように私は見ておるわけですが、年度内の価格改定や飼料需給の見通しなど、具体的な問題については、生産者側代表と中立、消費者側委員との意見が若干食い違ったやに聞いておりますけれども、この点はどういうふうに食い違ったのか、その点、この機会に明らかにしていただきたいと思います。
  38. 澤邊守

    澤邊政府委員 畜産が非常な困難な事態にあるという認識におきましては、ほとんど全員の方が一致をされておりましたが、それに対しまして、現在のえさ需給動向あるいは価格が非常に高騰しております状態が今後どの程度続くであろうかということの認識につきまして、これはやや分かれたわけでございますが、これもごく少数の方には、これは一時的なものであり、しばらくすればかなり緩和するのではないかという御意見もございましたが、大勢といたしましては、長期と申しますか、五年、十年先ということではないと思いますけれども、ここ二、三年は若干下がることはあっても、そう大幅に下がることはないのではないかというような世界の穀物需給の見通しについての見解が多うございました。そういうような認識に基づきまして、飼料価格値上がりによりますコストアップを経営上どのように解決していくかという点につきまして、もちろん自給飼料の拡大なり流通の改善ということもございますけれども基本的には販売価格に吸収をするということ以外にないのではないかという点におきましても、これは見解の一致が見られたものと理解をいたしております。そういう前提に立ちまして、四十九年度の保証価格なりあるいは安定価格につきましては、政府がきめる場合、これらの事情を十分反映した適正な決定をすべきであるという点につきましてもほぼ一致を見たというふうに理解をいたしておりますが、四十九年度からそのように対処するといたしまして、現に値上がりしております二、三月の対策につきまして、緊急に特別な措置を講ずべきではないかという意見につきましては、生産者関係の方々はもちろんそのような意見を一致して主張されましたが、その他の委員の中には、えさ価格値上がり農家段階までの浸透のタイムラグと申しますか、あるいは現在価格が上がりまして、それを給与した畜産物が実際に出荷されるのは四月以降あるいは五月以降という場合もあるので、いま直ちに特別の措置を講ずる必要は必ずしもないのではないかというような意見もあり、それが若干の食い違いといえば食い違いで、そのような意見に分かれております。しかし、最終的な文書による取りまとめといたしましては、「記」の1にございますように、「生産者負担を軽減するため、緊急の特別の措置を実施すること。」というふうにまとめられたわけであります。
  39. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 政務次官、いま畜産局長から若干の食い違いの答弁がございましたが、今回のこの要望書、すなわち、「畜産危機打開緊急対策に関する要望」を見ましても、五項目からなっておりますが、一項目から三項目までと、それから四、五項の二項目とを対比してみますと、いま局長答弁したようなことも一応わかるわけでありますが、特に、えさ値上がりによるところのコストアップは価格で吸収すべきだという意見が多数を占めたということはわれわれもうかがい知るところであります。そこで、いま答弁があったような若干の食い違いがあったにしろ、生産者側代表から、飼料問題について、四月から価格で吸収するとしても、吸収できないところの二月、三月分について、農民の負担を軽減するよう補てん等を講ずるべきだということの要請が強く出されたということであります。先般の委員会でも私が指摘しましたように、この二月、三月分の補てんは約三百億ぐらいあればできるということでありますが、政府答弁では、これがまた四月以降上がる気配等も予測されてか、今回の補てんについては全然考えていないようなニュアンスの答弁がございました。いずれにしても、こういう畜産振興審議会を開く段階にありながらも、農家はすでに高い飼料によってたいへんな苦しい経営になっております。農民負担を、二、三月分について軽減してくれという強い要請に対しては、さらに政府はどういうふうに対策を講じていかれる考えであるか、政務次官から御答弁をいただきたい。
  40. 渡辺美智雄

    渡辺(美)政府委員 去年も緊急対策をやったことがございますし、せっかくの御答申といいますか、御要望もあったことですから、この御要望趣旨を体しまして何らかの措置検討したいと思っております。
  41. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 価格問題についても、懇談会でもずいぶん論議されておりますが、コストに見合う大幅な価格引き上げ、年度内改定を求める生産者側代表の強い要請がありましたけれども、消費者側のほうからも価格問題については若干の批判があったやに聞いておりますが、これもこの機会に明らかにしていただきたいと思います。
  42. 澤邊守

    澤邊政府委員 先ほどお答えいたしましたように、えさ値上がりその他生産費の上昇分は基本的には販売価格で吸収をするということにつきまして、おおむね意見の一致を見たということを申し上げましたが、その際、消費者物価等へのはね返り等につきまして、流通の合理化あるいは経営の合理化を慎重にはかることによって配慮する必要もある、ただ、基本的には、やはり適正な範囲内において価格で吸収すべきである、と、このような御意見であったと思います。
  43. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 そこで、政務次官並びに局長、いずれでもけっこうですが、今回の飼料値上がりによっていわゆる畜産価格というものが値上がりするということは、これはもう実態であります。ところが、この各小売り店のいろいろな肉の消費状況を見ますと、最近相当消費が落ち込んでいるという実態が明らかになっております。私の調査によりますと、前年対比で牛肉が一八%、豚肉が一二%、ブロイラーが一三%落ちている。こういうふうに私は試算をしているわけですけれども農林省としては、前年対比現在小売り店の肉の価格等はどういうふうな落ち込み状態で、消費の状況はどうなっているというように見ておられるか、明らかにしていただきたい。
  44. 澤邊守

    澤邊政府委員 畜産物の種類によりまして若干の違いがあるように思いますが、特に問題になっておりますのは牛肉の消費の問題でございます。畜産物の中でも、特に食品として高級といいますか、価格の高い牛肉につきまして、最近の諸物価値上がり等によります消費需要の減退というものの影響が小売り段階においてもあらわれておるというように理解をいたしております。
  45. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 前年対比で牛肉が一八%、豚肉が一二%、ブロイラーが一三%落ち込んでいる。私が調査したところでもこういうふうに出てくるのですが、農林省の資料は何ももらってないけれども畜産局長も就任して日が浅いといっても、こういった実態がわからなければほんとうの畜産危機実態もわからないし、今後の対策も、また、深刻さの理解もないと思うのですが、この数字はどうですか。
  46. 澤邊守

    澤邊政府委員 家計費調査等を見なければ正確にはわからないわけでございますので、私ども、いま、小売り段階でのといいますか、あるいは消費段階での最近の数字は把握いたしておりませんが、傾向といたしまして、われわれが小売り業者その他等から耳にしますところから先ほどお答えをしたわけでございます。
  47. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 歯切れの悪い答弁ですけれども、時間の制約もあることですから次に進みますが、政務次官、いまお聞きになったことを踏まえまして——いま、肉も高い、野菜も高いということで、一般の消費者の中でも特にサラリーマン等は、肉の問題についてはたいへん購入が落ちておる。そしてまた悩んでおる。家計に影響しておる実情であります。それで、最近では、一月の米の配給を見ましても、昨年に比し、一月に入って約一五%米の消費が伸びています。すなわち、何といっても米が安いというふうな認識が国民の中には強く理解されておる証拠でございます。そこで、小売り店としても、肉を売る場合に、高くなると売りにくい、むしろ安定してくれることが大事だ。高くなった場合、安くなった場合の保証はないではないかということで、いわゆる安定値の保証を何とかしてくれと言っているのが肉屋さんの真の叫びであります。そうして小売り店では、肉祭りなどをあちこちで開いて、自分の手弁当で肉を安く売る宣伝をしておるというようなまことに気の毒な状況も見られるわけです。  こういったことを見ましたときに、肉が高い、消費者にまた今度はその価格がはね返って影響してくる。そして、先々飼料も、この間の答弁では秋までには値下げになる見込みはないということだが、飼料は、秋どころか、ずっと今後値上がりをしていく方向で、これは一時的な現象ではないと私は思っているのですけれども、こういったことを踏まえましたときに、消費者にかなりきびしいはね返りがやってくる。そして、結局、サラリーマンも一般消費者も高い肉は食わなくなってくるということで、たいへんな問題になってくるように思っておりますが、この辺の見通しと状況をどういうふうに把握し、検討しておられるか、政務次官から明らかにしていただきたいと思います。
  48. 渡辺美智雄

    渡辺(美)政府委員 肉の消費が伸び悩んでおるということは事実であります。一体何が原因であるか。これは私もなかなか実態をつかめないんだが、たとえば輸入牛肉に例をとりますと、卸が下がっておるのにかかわらず小売りが下がっていない。だから牛肉が高いというような先入主を持っておる。したがって、農林省は、その小売りの値段を下げなさいという行政指導をやっているわけです。言うならば、便乗値上げみたいなものはだめですよ、卸が下がっているんなら小売りも下げなさいという行政指導をやって、これは効果が出てきておるようであります。  それから、もう一つは、いままでの例を見ると、輸入牛肉が売れるときには内地の肉も一緒に売れるという統計上おもしろい数字が出ておるのであります。それはやはり安いものと高いものと両方まぜて食うというようなこともあるんでありますか、現実の問題として、そういう面がある。したがって、消費を伸ばすということが今後非常に大事なことだろうと思います。  また、一つは、米が安いから米を食って肉は食わぬというようなけちけちムードもかなり影響しているんじゃないかと思います。それはデパートの売り上げ等を見ても、六兆円のボーナスが去年出ておりながら、去年の十二月のデパートの売り上げは前年対比よりも少なくなっているというような例なども、やはり、けちけちムードが進んでいるんじゃないかというふうに私は思っておりますが、私は、今後は消費を伸ばすということのために極力行政指導をやってまいりたいと考えます。
  49. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 政務次官答弁されたように、消費を伸ばすということについては格段の農林省の配慮をお願いしたいと思います。  そこで、酪農のことにも一点触れておきたいのですが、酪農の危機についても、その原因が低価格にあるという考えと構造的な問題であるという意見とが若干対立したように聞いております。飼料需給問題でも、一時的な値上がりだというふうな意見を言う委員が若干あったように聞いておりますけれども、私は、まさにこれは不勉強じゃないかというようにも思うわけですが、この一時的な値上がりだとする見方の意見に対しては、農林省はどういうふうにこれを認識をしておられますか。懇談会で、どういうふうな意味で一時的な値上がりだという意見が出たのか、その点もこの機会に私は承っておきたい。
  50. 澤邊守

    澤邊政府委員 ごく少数の委員からただいま御指摘のような御意見が出ておったわけでございますが、その趣旨は、世界的にインフレムードであり、一部に投機的な行為もあるので、そういう点を見れば一時異常の部分もあるのではないかというような御判断が基礎にあったように思います。
  51. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 政務次官、いまの件は、委員に対する農林省の資料の提出とか、いろいろなこういった問題に対する資料に不備があったんじゃないかと思うのですが、その点はどうですか、一時的な飼料値上がりだというような意見を言う委員がおられるということは、こういう重大なときに、新聞とかマスコミあるいはいろいろな状況を見れば、当然こんなことは考えられない。全委員が、構造的にも長期的にこれは値上がりするのだというような意見であるべきだというふうにも私は思うのですが、残念なので、農林省はその辺どういうふうに思っているかということを政務次官に聞くわけです。
  52. 渡辺美智雄

    渡辺(美)政府委員 畜産局長からお答えをしたことも、別に、飼料が一時的に上がったのだという説明じゃなくて、委員の中にそういうことを言った人があるということですが、農林省としても、これは一時的に二倍にもなっても、すぐにばたっと下がるというようには見通しておりません。特に、穀物等の問題とからんで、ことしの漁業交渉でソビエトへ行って帰ってきた農林省の連中の話を聞くと、ロシアはことし雪が非常に少ない。したがって、ここで寒波が訪れると、来年のロシアの作物というものは影響を受けるのじゃないか。寒波が訪れるか訪れぬかわからぬけれども、そういうふうな危険な状態にあるということを考えると、そういうふうに安易に、上がったものがまたばたっと下がるということは、——ロシアの買い付け等もあってこの前非常に上がったわけですから、また同じようなこともあらわれるかもしらぬなというくらいのことを腹に置いてかからなければ、と、そういうふうに私も考えておるわけです。
  53. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 確かに、ソ連では、今日では、雪が少ないために、数年前に起きましたような現象が起きて、いわゆる根が切れる。雪が少ないということは地面が凍るわけですから根が切れるということで、相当生産影響するのじゃないかと思う。その辺がそうであれば、おそらく中国もまたそうじゃないか、ヨーロッパの一部もそうじゃないかということをたいへん危惧しております。そういったことを踏まえて十分対策を立ててもらわなければいかぬと思います。  このことは時間がかかりますので、いずれかの機会に譲るとしまして、もう一点、牛乳の生産量が、四十八年の生産量と四十七年の生産量では相当落ち込んでいるが、農林省はどういうふうに見ておられるか。これはいわゆる乳価問題に相当影響してくる問題でもありますし、昨年の審議会でも、老廃牛にして一頭三十五万円くらいで売って肉用にしたということで相当な問題になりましたが、ことしまた牛乳の生産が相当落ち込んでいる。こういったことを見ましたときに、これは今後相当の問題になります。これに対して局長はどういうふうに分析しておられるか、簡潔にお答えしていただきたい。
  54. 澤邊守

    澤邊政府委員 四十八年の暦年での実績を見ますと、四十七年に比べまして〇・五%全国ベースで生乳生産量が減っておるという速報が出ております。これの原因につきましては、零細飼養畜産農家が脱落をしていくこと。これは一般の他産業に従事するとかいうこともかなりの原因だと思いますが、そういうように零細飼養畜産農家が脱落をするのをカバーする大規模層の頭数の増加、規模の拡大という点が進んでおりますけれども、それを十分にカバーするだけ伸びておらない。これは、酪農をやるための基盤になります土地の拡大がなかなかやりにくいというような点が主要な原因ではないかと思っております。  なお、一時的なものといたしまして、牛肉価格が一時非常によかったために乳牛を肉用につぶしたというような事情もございますが、最近はそういうことはなくなってきておるのではないかというふうに見ております。
  55. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 最後に、政務次官にさらにお伺いして終わりにしますが、今日は異常な激動の中の畜産危機でございます。先ほども答弁がありましたが、きょうは時間の制約があってこまかいことは論議ができませんけれども、いずれにしても、畜産農家を救うために重大なときになっておりますし、このままで行くと、牛にしても、豚にしても、鶏にしても、国民がたいへんな問題を迎えるときがやってくる、まぼろしの産業になるというふうに私は思うわけでございまして、畜産振興審議会を一日も早く開いて、精力的に開いて、畜産農家にこたえていただくと同時に、消費者に対しても不安を与えないような対策をとってもらいたい。これについて最後に簡単に決意を承って、私の質問を終わります。
  56. 渡辺美智雄

    渡辺(美)政府委員 もちろん畜産審議会のこともございますが、皆さんから出された建設的な意見も十分にそしゃくをし、なおかつわれわれの気がつかないようなことでいいことがあれば、実行可能なような問題でアイデアをいろいろ出してもらって、みんなの総意をまとめてこの危機を乗り切っていくというために、農林省は全省をあげて努力をいたします。
  57. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 時間が参りましたので、以上で終わります。
  58. 仮谷忠男

    ○仮谷委員長 中川利三郎君。
  59. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 私は、砂糖の問題で御質問するわけでありますが、砂糖はあらゆる意味で先駆者であると思うわけです。この前のあのつくられた物不足、異常な物価の高騰、砂糖の高騰、あるいは企業のその中での暴利、あるいは政府と企業との癒着の疑惑、何よりも高値安定、こういう問題で砂糖が一応先駆的役割りを果たした、こういう状況でありますが、いま、国民は、何とかこの砂糖を暴騰前の昔に返してもらえないかという気持ちを持っておるわけであります。そういうことで、もし砂糖の値下げができるならば、今度はいい意味でやはり先駆的な役割りを果たすであろう、つまり、砂糖は物価の先兵だと、こういうことまで言われているわけであります。  こういう前提の中に立って、ちょっと二、三数字的なことをお伺いするのでありますが、きょうの砂糖の原糖の輸入の相場は二百四十五ポンドだということで承知しているわけでありますが、これはよろしいかどうか、お伺いします。
  60. 渡辺美智雄

    渡辺(美)政府委員 国際糖価が昨年九月まではトン当り九十ポンド台でいっておりましたが、非常に暴騰いたしまして、本年の二月二十二日には二百七十四ポンド、それからその後この相場が、二十六日以降連日下げまして、二十七日現在で二百四十五ポンドになっております。そのとおりです。
  61. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 砂糖の国際価格がどんどん上がっても、日本には日本なりの糖価安定法によるところの安定基金というものがございますね。ところが、この安定基金も、最近の外糖の暴騰の中で、ほとんどその資金がなくなった。これを凍結しなければならない。さらに、安定資金が枯渇したものですから、あらためて関税を取りはずして、これをそっちのほうへ回さなければならないという状況になったと言われますが、これもそのとおりですか。
  62. 渡辺美智雄

    渡辺(美)政府委員 そのとおりであります。
  63. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 それではお伺いするわけでありますが、幾ら関税を減免したのか、そうして三月からはどのくらい減免するのか、この点を、事務局のほうでけっこうですからお答えいただきたい。
  64. 渡辺美智雄

    渡辺(美)政府委員 関税は四万一千五百円減免をいたしておりますから、もう減免するところはない、こういうことであります。
  65. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 では、もう一つで数字は終わりますが、国内糖価のことでありますが、上白の小袋で工場出し値は一体いま幾らなのか、あるいは小売りは幾らなのか、この点を押えておきたいと思いますので、お答えいただきます。
  66. 池田正範

    ○池田政府委員 ただいま、政府といたしましては、小売り価格が昨年来かなり高騰しておりますので、これを指導価格によって現在指導いたしておりますが、その指導の水準は、消費者の家庭用の小袋一キロ当たりで百八十六円という指導をいたしておるわけでございます。したがいまして、この百八十六円を実現いたしますために、御承知のように、中には、メーカーからさらに特約店、二次卸店といったようなものがございますし、また、中には、スーパーといったような大口の消費店もございますし、一般の小売り店もあるというふうなことで、流れ方は一様ではございませんけれども、最終段階で百八十六円というものが実現できるように、それぞれの段階で卸価格、取引価格をきめるという指導をしているわけでございます。
  67. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 砂糖の輸入原糖の価格は、安定法の中でつくられている上限価格は五万四千円ですね。そうすると、安定資金がなくなったから、それに関税分が全部そっちに回る。上限価格五万四千円と、いま次官がおっしゃった関税分四万一千五百円、これがこっちのほうへ回るわけでありますが、そうすると、合計九万五千五百円ですね。これが保証された値段ということになると思うのですけれども、この九万五千五百円というのはポンドに換算いたしますと何ポンドになるのか、ちょっとお知らせいただきたいと思うのです。
  68. 池田正範

    ○池田政府委員 多少ポンドの対円比価が動いておりますけれども、現在の段階ではほぼ百四十ポンド見当だと考えております。
  69. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 そうしますと、外糖のきょう、きのうの相場が大体二百四十五ポンドで、二百五十ポンド台で、日本の制限されたぎりぎりのものが百四十ポンド台だと、百ポンド以上も違いますね。外糖がどんどん値上がりして……。しかも、三月から、日本で保証された制限以上の高値の外糖がどんどん入ってくるということですね。つまり、日本の場合は、九万五千五百円があらゆる保証をした全部の価格の総体なわけですが、これがポンドに換算しますと百四十ポンド台なんです。しかし、輸入される外糖そのものは二百四十五ポンドぐらいで入ってくるわけで。そうすると百ポンドも違う。しかも、こういうものが三月からどんどん入ってくるということになるのでしょう。そういうことを聞いているのです。そうなるのですね。
  70. 渡辺美智雄

    渡辺(美)政府委員 それは、原糖が上がって、それで安定基金からの支払いが底をついて、そのほかに今度四万一千五百円の税金を差っ引いて、なおかつそう高くなってきておりますから、それは価格に大部分反映せざるを得ない、こういうことになろうと思います。
  71. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 次官、たいへんなことをおっしゃったが、あらゆるものが底をついて、裸になって、価格に反映せざるを得ないということは、砂糖の値段を上げるということですか。あなた、これはたいへんなことですよ。いま、どなたか、百八十六円でやらなければいけないということをおっしゃっていながら、あなたは価格に反映させる、値上げすると言うのですか。はっきりしてください。
  72. 渡辺美智雄

    渡辺(美)政府委員 いままでのやり方をしてやっていきますならば、これは石油の場合も同じであって、原価がそういうふうに高くなって、いままで税金で引き当ててきたが、これもない、それから、安定基金もないということになると——私は便乗値上げは絶対認めませんよ。認めませんけれども、原糖というものは国際的な問題で、日本だけの問題ではありませんから、世界じゅうの問題ですから、それは全然価格に反映しないということは、私はここで断言するわけにはまいりません。
  73. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 だから聞いているのです。いま、百八十六円という指導価格みたいものを農林省が出して、それを守らせると一方で言いながら、あなたは、砂糖はいま高値安定でも安定しているわけですが、それを値上げさせるんだ、それも考えざるを得ない状態だということをおっしゃっているから、明らかに答弁の食い違いじゃありませんか。明らかに現状認識の食い違いだと思いますがどうですか。これはたいへんなことですよ。
  74. 渡辺美智雄

    渡辺(美)政府委員 現在においては、百八十六円という価格でやらせます。しかし、現状その他の違いが出たときはまた別な観点からこれは考えなければならない問題で、価格は全然いじらないということを申し上げることはできません。
  75. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 だから、私が聞くのは、三月から高い原糖がどんどん入ってくるのですね。そうすると、三月はどうするのですか。
  76. 渡辺美智雄

    渡辺(美)政府委員 三月に入ってきましても、安いものも多少あるわけでありますから、そういうものは全部適正な値段で出させる。入ってきたからといって、先を見越して値上げをさせるようなことはやらせません。したがって、三月はいじりません。
  77. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 いま、それでなくても国会が終わるのを待って一斉に手ぐすねを引いているという事態で、これは業者の仲間の常識ですよ。  まあ、それはそれとして、こういうように片方は百八十六円を守らせると言いながら、一方では価格を改定せざるを得ない、このような原糖高の中では、あらゆる保証をなくなしちゃったのだからということは、そこは一つ矛盾でありますが、まさに危機的な状態だが、国民はだれも知らないんだね。そういう状況にあるというこの現状認識についてどう考えているのか、あらためてお伺いしたいと思います。
  78. 渡辺美智雄

    渡辺(美)政府委員 現状認識については、私としては、それは極力上げさせない、特に便乗値上げは絶対に認めない、こういう方針でやっております。
  79. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 あなたの答弁自体は、上げさせないということだが、しかし、上げることを全然否定しておらない。何か、答弁自体がおかしい、食い違いませんかな。ほんとうにそれじゃ上げないわけですな。
  80. 渡辺美智雄

    渡辺(美)政府委員 だから、私が先ほど申し上げましたように、世界的なインフレであって、価格が国際価格で、あなたがおっしゃったようにバンと上がっているのですから、それを全然——そういうふうなものばかりがそろったときにも絶対に動かさないとすれば、それじゃ、その差額はだれが持つのだという話に当然これはなってくる。そこまでまだきめてないのですよ。しかし、そういうようなせっかくの議論の場でありますから、実情というものを私は皆さんにここで報告をしたわけなのです。だけれども、三月中はそういうふうな百八十六円ということを守らせます、ともかく前の安いものだってあるじゃないか、全部はき出しなさい、そういう話をしたわけなのです。
  81. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 それじゃ、お伺いしますが、あなたは、外糖が上がるからしょうがないのだ、しかし、いまのところはささえているけれども、いつかははめがはずされるというような意味の御発言だね。いまいろいろなことを見てみましても、たとえば砂糖の小売り価格でも、百八十六円という末端の小売り価格が問題になって、そこだけきめて、メーカーの出し値だとか、そういうものはほとんど手をつけていらっしゃらないわけです。つまり、メーカーには全く手をつけないで、外糖高のしわ寄せをいま国民がかぶらなければならないというような状況なわけですね。ここのところが問題だと思うのですね。  ところで、農林省指導価格といいますか、工場出し値はキロ当たり百六十六円。これはほんとうの意味の指導価格かどうかわからぬけれども、そういうことですね。ひとつ念を押しておきますが、工場の出し値は百六十六円ですね。
  82. 池田正範

    ○池田政府委員 百六十六円という出し値をとっておるメーカーもあるかと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、百八十六円で小売り価格は成り立つような形でのメーカーの出し値をそれぞれ指導しておりますので、具体的に幾らという形をとっておりません。したがって、百六十六円という一本値をこちらが指導しているわけでもございません。特に、御承知のように、砂糖会社につきましては、企業間においてかなり経営格差もございます。したがいまして、末端における百八十六円以下という形で、さらに安く売れるところはなるべくその方向に指導したいという希望も含めまして、現在百六十六円とか百幾らとかいったような形での一本のメーカーの出し値は指導していないわけでございます。
  83. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 百八十六円だけはやったけれども、とにかく百八十六円に間に合うようにメーカーが出せ、結果的に言えばこういうことになるわけですね。そうしますと、あの百六十三円の時点でさえも——百六十三円の時点だから、その前の時点ですね。一次店の取り分はキロ当たり何ぼあるかと思ったら、一円なんだな。二次店が二円なんだよ。ほんとうに微々たるもので、砂糖というのはそういう商売ですけれども、そういう口銭しかないのです。百六十六円で実際出されているものもあるけれども、それ以外のもっと高いものがあるわけだ。あなたのほうは、体質のいいのはもっと安く出しているかもわからないという言い分をのぞかせていますけれども、そういうものは一つもないでしょう。現状を見ますと百六十六円で、つまり百八十六円の間、二十円のマージンしかないのですけれども、これさえも守っているのは三井と台糖と塩水港、三つしかないでしょう。もうキロ百六十八円なんだ。これは日新製糖と大日本ですね。キロ百六十七円で出しているのは東洋製糖とフジ製糖ですね。そうすると、末端が百八十六円であったら、ほんとうにこれ以上取り分が少なくなるようなこういう状態を押しつけるから、この価格では二次店や三次店や小売り屋はどうしてもやっていかれないわけだ。つまり、下のほうへいけば値上げせざるを得ないような、やみでも何でも高く売らなければならないような仕組みをあなた方がつくっているというのは一つ問題があるわけでしょう。こういう点を何も押えないで、メーカーには手をつけないで、小売り屋を泣かしているというのがあなた方のいまの指導のし方だと思うのですね。この点がやはり一つ問題だと思うのですが、どうですか。
  84. 池田正範

    ○池田政府委員 おことばを返すわけではございませんけれども、先ほど申し上げましたように、いろいろと流通経路がある、工場にも生産性の格差がある、さらに小売り店でも、スーパーのように直接二次卸を飛ばして買う店もあるということでございますから、そこで、私どもとしては、一律にきめることがむしろ逆に硬直性を呼ぶということも考えられます。そういうことから実は一律にきめていないということでございまして、むしろ、現在、協力店と称して、全国で一割以上のものの店をそれぞれ問屋が指定をいたしまして、そこで小売り百八十六円を実現しておるわけでございますけれども、これらは、手をあげてやりたいという者があり次第どんどんふやすという形でございますから、むしろ、ただいまの先生の御指摘とは逆に、それらの店がふえてまいりますにつれて、メーカーの出し値は当然下がっていかざるを得ない。まん中が口銭ゼロでやれるわけがないわけでございますから。もしそれができないという形になって、その原因がメーカーということになれば、それは当然引き合うところまでメーカーの出し値を下げさせる。それは、しかし、あくまでも当該メーカーと当該卸問屋と小売りという形の中で形成される価格が不当に小売りの段階にしわが寄らないかどうかを見きわめた上で指導していくという形でやってまいりませんというと、一律にきめることによって、合わないメーカーから全部その指導価格に協力しないという形、あるいは物が市場から姿を消すという形、それが出てくることがパニック後の状態としては一番最悪の事態であるというふうに考えて、私どもとしては、確かに、御指摘のように、ぴしっとマル標できめて、各段階できめて一律にやれというようなすっきりした形にはなりませんけれども、そのほうがむしろ現実の経済の上では血の通った動きになるんだという、そういう考え方でやっておるわけでございます。
  85. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 原糖がたとえば百ポンド以上上がっておるんだな。あるいはこれからもっと上がるかもわからぬ。あるいは安くなるかもわからぬ。しかし、いまの現実の中で百ポンド以上も上がっているという状況があり、一方で、安定機関もみな底をついた、自給もほとんどこれ以上何ともならないという状況の中で、今後とも、たとえば百八十六円の是否はともかくとして、これを守らしていくという固い決意で行政に当たっている、こういうことですか。
  86. 池田正範

    ○池田政府委員 その点の見通しの問題につきましては、先ほど来政務次官がお答え申し上げておりますように、国際糖価の水準というものはまことに不安定な状態にございます。確かにここで一時二百七十四ポンドまで上げましたけれども、この二日間でたとえば三十ポンド近く一ペンに棒下げで下げてくるといったようなことで、今後買いますところの砂糖の価格というものは、必ずしも当面の当限だけで買っておりません。それぞれの製糖会社が輸入商社に委託して輸入をするわけでございますけれども、それらは、それぞれ輸入の適期の時期をつかまえて、その当限の価格で決済をする、さらに、同時に、取引所に先物の売り買いの申し込みをするといったような、非常に複雑なヘッジングを経て契約をいたしておりますので、したがって、私どもといたしましては、もう少し様子を見ませんと、この当面の二百七十とか二百四十五とかいうものを見て、だから百ポンドの差があるんだというふうにいま直ちにはなかなかきめつけかねる状態に現在ございます。ただ、もしほんとうに二百数十ポンドというものが今後定着し、しかも、それがもうほとんど当面の間動かないということになりますと、これは当然原糖高ということははね返ってこざるを得ませんし、その場合には、四万一千五百円という関税を全部まけましても、現在の段階では、現状よりもコストとしては上げざるを得ないという問題が出てまいりますが、そこいらは全体の物価政策との関連でもう少し総合的な判断を下してやるということが必要であろうということで、現在検討中でございます。
  87. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 いまコスト云々のお話しがありましたから参考に申しますと、これはきのうおたくからもらった「上場九社のコスト価格推計結果」という表ですが、これは昭和四十八年九月期決算、製品トン当たりの推計を書いたものですが、四十八年九月だから、四十七年砂糖年度ですね。これの決算を見ますと、トン当たり十三万七千百三十四円かかる。だから一キロ当たりにしますと百三十七円十三銭かかるね。ところが、これを四十八会計年度、いまの年度に換算してみますと、一キロ当たり百四十一円三十三銭で砂糖ができるという試算が、おたくの試算をいまのあれに換算して引き当ててみますと、出ているわけだな。おたくの試算でえさも百四十一円三十三銭ですね。ところで、あなた方はそういうふうに自分で試算していながら、実際は、メーカーの出し値なんかを見ますと、十二月のあの狂乱時代に、百六十三円の、あなた方の指導価格といいますかな、こういうものをつけたり、十二月には百五十九円につけているんですね。百四十一円三十三銭、あなた方の原価計算でいってもそうなっているものを、あなた方は、メーカーのそこだけは何にも手をつけないで、ベラボウなもうけをふやさせるようなことをやって、あの狂乱時代に百六十三円、百五十九円という指導価格指導しているんですね。いま、あなた方は、次官を含めてどうのこうのとりっぱなことを言いましたけれども、こういう実態で、国民のそういう砂糖の問題についてどう安定さしていくということになるんですか。
  88. 池田正範

    ○池田政府委員 ただいま御指摘の数字は、これは九月期におきまして決算を行なう会社もあり、あるいは行なわない会社もございます。その行なわない会社を除きまして、九月期に決算を行ないました会社について、その決算のベースから一応計算をいたしました有価証券報告書より導出いたしました数字であるわけでございます。ところが、この数字は、いま先生が御指摘になりましたように、すでにその時点におきまして上限価格の改定等がありまして、百三十七円十三銭が百四十  一円三十三銭といったような差が出ておりますと同時に、その後におきますところの諸物価値上がり、動きにつきましては、現段階では、全くこれは入っておらないわけでございます。いまメーカーがいろいろ問題にし、流通コストが問題になり、インフレが問題になっておりますのは、むしろその後の問題でありまして、したがって、現段階においてこの百四十一円三十三銭というものが適合するというふうには考えておらないわけでございますが、しかしながら、いまの段階は、御承知のように、副材料にいたしましても、金利にいたしましても、非常にいろいろの条件が動きつつあります。したがって、正確に計算をいたそうといたしますと、どうしても三月期の決算を待たなければいかぬ。その三月期の決算に基づきますところの有価証券報告書から分析をするということが一番真実に近い形になろうかということでございまして、いま御指摘の点につきましては、現段階では、そのまま当てはめるのはやはり無理があるというふうに考えております。
  89. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 現段階云々といったって、おたくの試算をやってみますと現実に百四十一円三十三銭なのに、もうものすごい値上がりをあなた方は指導価格として、工場出し値で指導しているわけですね。いま聞けば、その後の諸物価の諸掛かりがふえたとおっしゃるわけだが、それなら、その後のふえた諸掛かりの原価構成というか、そういうものをあなたのほうでつかんでものをしゃべっているんですか。それだったら、それを出してください。
  90. 池田正範

    ○池田政府委員 いま申し上げましたように、その後の実情が、すべての価格が全部とは申しませんが、かなり上方向に向いていることはもうそのとおりでございますけれども、それをどういう形で原価構成の中で見ていくかということにつきましては、いま申し上げましたように、三月期の決算に基づきますところの有価証券報告書の中身をチェックいたしました上でないと正確なものは出ないわけでございます。で、百八十六円は、そういったいわゆるメーカーの原価構成から導き出したものではございませんで、十一月における現実に取引をされました小売り価格というものに戻すということに行政の指針を置いたわけでございます。したがって、それが何月がいいかということについての議論はあるかと思いますけれども、私どもは、十月以前のメーカーの出し値が経営上非常に赤字の累積をもたらしたことを考え、かつ、十一月の末から非常に価格が暴騰したことを考えて、現実に取引が行なわれたその百八十六円に戻すということで行政指導の目標を定めたわけでございます。
  91. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 諸経費が上がっているから云々ということをあなたはおっしゃいますけれども、その原価構成自体は三月にならなければわからないという言い方だが、実際にあなた方が指導するならば、百四十一円で、もうちゃんとあなたのほうで試算したコストがここへ出ているのですよ。どうしてこれでまず指導しようとしないのですか。その後の物価実態をつかまないで、推計を三月まで待たなければわからないなんて言いながら、そういう予測を含めて、あの狂乱時代に百六十三円で指導してみたり、百五十九円で指導してみたり、いろいろな状況をつくり上げているところに問題があると私は思うのですね。つまり、メーカーに対しては全く手出しをしないで、小売り屋を泣かせ、国民を泣かせ、そうして、外糖が上がったからしようがないからまた値上げするなんということをいま言い出そうとしているわけなんですね。  ところで、私がお聞きしたいのは、ここに三月十一日号のある週刊誌があるのですが、これを見ますと、「つぎつぎうたれる物価の鎮静剤」といって、総理府がPR広告を出しているのですね。これは総理府が責任をもって出したものだと思いますが、まず、その点をお伺いしておきます。
  92. 斎藤一郎

    ○斎藤(一)政府委員 総理府の名において、総理府が取りまとめて出しております。
  93. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 総理府が取りまとめたということになりますと、農林省が資料を出したということになると思うのですね。これを見ますと、「食品価格の値下げも強力指導」「砂糖二〇%、食用油」云々ということを書いてあるわけですが、とりわけ「砂糖、食用油は当面、東京をてはじめに十店に一店ぐらいの割合の販売協力店で、適正価格でもとめられます。その効果が全国に波及するのはまもなくです。」と書いてありますが、これはそのとおりですか。全国に間もなく波及しますか。
  94. 池田正範

    ○池田政府委員 政府物価鎮静のための宣伝といいますか、広告でございますから、したがって、政府が希望いたしますように、打ちました手がなるべく早く効果をあらわすようにということを民間に向かって、願望を含めて訴えておるわけでございます。したがって、私どもといたしましては、全体の水準が、小袋が百八十六円ですべて売られているというふうにはまだ認識はいたしておりませんけれども、しかし、当時、十二月、一月と、二百円をはるかにこえた小売り価格で売られておりましたものが、政府指導価格の線に沿って急速に鎮静化の方向に向かいつつあるという、この効果は否定できない。したがって、この傾向を見れば、このしんぼう強い政府指導を通じて、やがてそう遠くない将来に、とにかく、いまの政府指導価格の水準のほうへ価格を収斂させていくことができると、こういう決意と努力目標をもってそこにうたい込んだわけでございます。
  95. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 そうすると、メーカーにはおたくではどういうふうな指導をやっていくということなのか、いまちょっと念を押しておきたいと思いますが、協力店制度を広げていくということですから、一番の問題のメーカーの出し値を一応おたくのほうで強く指導しない限り、協力店制度の希望者はいないわけですね。あなた、全国に広めていくと言うけれども、もうからないものはだれもやらないわけでしょう。そういう点で、具体的に、いまの国際原糖のこういう異常な値上がりの中で、メーカーを強く規制していきながら協力店制度を広げていくと、こういうことで理解してよろしいのですね。
  96. 池田正範

    ○池田政府委員 一月の小売り物価指数が二百二十九円を示しましたときに、その二百二十九円の中にはいろいろとバラエティーのあるメーカーの価格もあるし、また、その中間の経費一定したものではなかったわけでございます。したがいまして、だんだんにこれを鎮静させていく過程におきましては、ある場合にはメーカーは大きく引き下がらなければ、その百八十六円の指導価格を守れない場合もございます。また、中間でふくれ過ぎた中間経費を縮めなければならぬ場合もあるわけでございまして、決して一律というわけにはまいらぬわけでございます。したがって、私どもといたしましては、先ほどから申し上げましたように、末端の指導目標を考えながらやっていくということを申し上げておるわけでございまして、一律に百五十何円というふうな、いま御指摘のありましたような、そういう指導方式というものはとり得ないわけでございます。
  97. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 すると、あなたの言うことは、ぼくは頭が悪いからさっぱりわからないのですが、大体これから全国に協力店を広げていくということでありますから、そういう方針をとるためには、それが成功するためには、どうしてもメーカーの出し値が一つ問題になるわけでしょう。メーカーにいろいろな種類があるなんということを言うておってこの問題をぼやかすことはできないと思うのですね。だから、たとえば具体的に、いまどの程度の値段で指導していくのか、ここでひとつ答えていただきたいんだな。ばらばらである、まちまちである、それによって違うとかいうようなことでなくて、ね。それから、中間云々だとか、小売り店がもうけ過ぎるとか言いますけれども、いまメーカーのことを聞いているのですから、そこをしっかり押えなければ、今日この問題ははっきりしてこないと思うんだな。この点をもう一回念を押してお聞きします。
  98. 池田正範

    ○池田政府委員 末端が百八十六円でございますから、したがって、そこで通常取られる中間のマージンというものを差し引いた残りがメーカーの出し値という形にはまればいいわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、中間のマージンにつきましても、大口の小売り店もございますし、つまり、二次店を飛ばす場合もあるわけでございます。また、飛ばさないで全部三段階入っておる場合もある。それから、出し値について、従来から比較的低く出してきているメーカーもある。千差万別でございますので、したがって、メーカーの出し値は一律幾らかというお問いをいただきましても、この場で幾らであるという指導価格はどうも打ち出せないということでございます。
  99. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 それは一般的な状況の中で言うことばであって、いまはまさに危機的なときであって、国民の知らない間にまたこの前の狂乱物価みたいに、砂糖が先兵としてわっと来るような状況にあるわけですね。こういう状況の中で、あれこれといろいろなことをあなたは理由として並べましたが、そういう現状認識でいいのかどうか。それはもうたいへんなことだと私は思うのですね。そういう一般的な答えでこの危機を切り抜けていくという自信がおありの上でのあなたのそういう御発言なのかどうか、お伺いしておきます。
  100. 池田正範

    ○池田政府委員 すでに、適正価格販売協力店といたしましては、全国に三千二百店余りのものを指定してやっておりますけれども、これらにつきましても、それぞれ首都圏は首都圏、あるいは中部圏、近畿圏というように、たとえば総理府の小売り価格指数をごらんいただきましても、常に地域によって価格は違っておるわけでございます。同じものでありましても違うわけでございます。しかも、それは、公定価格で売るわけではございません。全体としての水準を下げたい、だから百八十六円で全部一律に売れ、と言っておるのでございません。百八十六円以下の水準で、それぞれバランスのとれた形で売ってもらいたいという指導をしておるのでございますから、したがって、むしろ、個々のケース・バイ・ケースで、売れない事態が出てくる。たとえばもっと店舗としてふやしたい、もっとおれも参加したいというのがありながら、現実にメーカーの出し値が高くてできないといったような問題は当然出てまいります。出てまいりますときには、具体的にそれをつかまえて、その段階で売れるように指導していくのが私ども考え方でございまして、決して一般論で逃げるとかなんとかいうことではございません。現実の複雑な売買関係というものの上に立って流したら、現実に指導が守れるような形で指導していきたいと思うから、申し上げておるわけでございます。
  101. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 百八十六円以下の指導を今後も強めていくというふうに理解してよろしいですね百八十六円の工場出し値は、メーカーによってはそれ以下で出せるところもあるから、百八十六円の是非はともかくとして、少なくともそういう指導をこれからますます強めていくというふうに理解してよろしいですね。
  102. 池田正範

    ○池田政府委員 当面の条件が変わりません限りは、私どもとしてはそういうふうにやることを続けてまいりたい、そういうふうに努力してまいりたいと考えております。
  103. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 当面の状況が変わらない限りということは、外貨の、外糖の輸入のポンドのやつはものすごく変わっているわけですから、だから、おたくの考慮の中では、そういうものはいまの国内糖の問題については外側にあるということですね。つまり、いまポンドがそれだけ上がっているのですから、当面の状況が変わらない限りということをあなたが今日おっしゃるということは、そうした外貨がどれだけ高くなっても、あるいは安くなるかもわかりませんけれども、そのことを除外した上での御発言だというふうに受けとめてよろしいですね。
  104. 池田正範

    ○池田政府委員 その点につきましては、先ほど政務次官からお答えを申し上げたとおりでございます。
  105. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 私はなぜこういうことを聞くかといいますと、いままさに砂糖は、あなたが一番わかっているとおり、全く危機的な状況だと思うのです。国民は下げるのを待っている。しかし、農林省国民にうそを言っていると言うと語弊がありますけれども、たとえば協力店にしたって、メーカー自体が協力店をつくることをいま実際に渋ってきているでしょう。それでくぎづけをされてはたいへんだという頭があるものですからね。そして、関係者はいま思惑買いまで入っているでしょう。きょうあたりの新聞にも出ていますけれども、もう砂糖は高くなるということですね。私は、砂糖を高くするために、その火をつけるために発言をしているのじゃなくて、私が発言しようと発言すまいと、砂糖はいまそれだけの危機的な状況にあって、思惑買いも入っておって、先ほど言いましたように、国会が終われば一斉に火をふくということが定説になっているのですよ。しかし、国民は知らないのですよ。だから、いまからどう指導するかということをはっきりここであなたから言質をとっておかなければ、何が何やらわからないうちに、国民はまたあの狂乱の渦中に投げ込まれるわけですね。  そこで、もう一回聞きたいのでありますけれども、一体今後どう指導するのか。先ほど政務次官も言いましたけれども、何か具体性がないですね。上げるのか下げるのか。つまり、最低上げることはしないということをおたくは確約できるかどうか。こういう状況が目の前にあって、その点は検討中だとあなた方が言うならば、それは何もしていないということなんだなあ。毎日変わるからわからないということで、手あぐらをかいているのか。どうするのか。国民が納得できるようなかっこうで、あなたのほうの基本的な立場を、ばっちり一言でいいからここに出してください。
  106. 池田正範

    ○池田政府委員 先生の御指摘のように、まさに、国民が納得のできる水準にすべきであろうというふうに私どもも思います。その意味からいたしますと、納得できない値上げは絶対に認めない。納得のできる値上げの条件が出てきた場合にどうするか、これもいろいろ手段があると思います。しかし、これは農林省だけでできない問題も含めて、高度の政策を必要とする場合も含めますというと、いろいろの要件はまだ検討段階であって、しかも、その対象は、砂糖の値段というものが国際的にどうなるかということについては、不安定要素がまだ非常に多い。しかし、当面とにかく砂糖を上げることによってインフレが助長されることだけはぜひとも防ぎとめなければならぬ。その最低のことは何かというと、いままさに先生がおっしゃったように、納得のできない値上げを防ぐこと、そのことが政府としてもとり得る絶対の条件である。私どもはそういうつもりで今後もやってまいりたいと思うわけでございます。
  107. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 先ほど来いろいろ話を聞きましたけれども、問題は、メーカーの原価が全くわからないということです。あなたのほうもそれをつかもうとしない。それだけでなくて、メーカーの利益だけはあなた方のコスト計算以上にたっぷり保証してやるけれども、一次店や二次店や小売り店に対しては利幅が二十円なら二十円しかないもんですから、全く困って、泣いて、まあ、人泣かせだというか、つまり、その百八十六円でさえも守ることができないような状況へ追い込んでいるということが今日の実態だと思うのですね。したがいまして、原価を公開させるということがどうしてもいま必要だと思うのですね。そして、そういうものを明らかにさせないうちは値上げを認めるべきではないとわれわれは考えるのですよね。つまり、あなたから国民の納得できるようなという御発言がありましたが、納得できる条件として、最低、原価を公開させる、それをしない限りは値上げを認めない、これぐらいの強い決意でそういう御発言をしているのかどうかですね。または、メーカーのことについては全く除外して、そうして納得できるなんというようなことを形式的に言っているのか。原価を公開せいということは、いままさに民の声であり、天の声なんですよね。ここの点をはっきりお答えいただきたいと思うのですね。
  108. 池田正範

    ○池田政府委員 原価の管理につきましては、確かに、メーカーの高度の機密であるとはいいながら、そのコストが大幅に離れた形で価格形成が行なわれ、それが市場を支配するという形になれば、これは国民が納得しないということは確かでございましょう。しかし、その場合に行政が介入し得る必要な手段としては、個々のメーカーが幾らのコストでやっておるかということを一々追及することではなくて、日本の現在の供給力全体の水準としてどの程度のコスト水準というものでメーカーが生産せられておるのかということについての追及で、現在の価格行政は十分やっていける。それには、先ほどから申し上げておりますような三月期の決算あるいは九月期の決算からの類推といったようないろいろな手段を講じまして、その水準というものをつかみ、それをベースにいたしまして、今後どの程度の上昇率というものが不可避なのかあるいは不可避ではないのかといったことを含めて、行政の一つの指針にしていくということでやっていけるというふうに考えているわけでございます。
  109. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 そうすると、あなたは、いまの民の声、天の声になっている原価公開の問題はさておいて、値上げする情勢が来れば、納得できれば上げるということに通ずる御回答なわけでありますが、私が言うたのは、あなた方に強い権限があるわけですから、メーカーが値上げしたいというときにこれを認めるか認めないかということで、その際の条件として、原価公開ということを不即不離一体のものとして、これを国民の前に出してこそ国民が納得するものだと思うのですね。その点を除いてあなたが何だかんだ言ったところで、あなたのここで言ったこと自体でさえも、あなたのほうで計算したコスト、価格、この四十八年九月期のこれでさえもそれだけの問題があるわけですね。そういうことではいけないから、私は、断固原価を公開せい、それをやらなければ値上げは今後認めないんだということをはっきりさせられないのかどうかということを言っているのであって、ここをもう一回お聞きします。
  110. 池田正範

    ○池田政府委員 ただいま申し上げましたように、コストの公開問題につきましては、私どもとしては、個々のメーカーのコストを追及して公開をさせるということは、当面の価格政策の中で必ずしも必要ではない、しかし、コストの水準というものがどういう形で現に存在し、今後どう推移するかはつかむ必要がある、それをベースにしてわれわれとしては価格政策の基礎資料にしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  111. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 結局、今日、民の声にさからう、天の声は関係ないんだという、メーカーのそういう態度が続く限り、今日の砂糖問題がいま爆発しても、その責任はあなた方が全部負うんですね。だからこそ、今日これをやれるのは——あなた方政府はどこまでも逃げる。国会に国政調査権というか、こういうものがなきゃならないということもわが党は主張してきたわけでありますが、こうなればメーカーを証人として喚問してもらうか、何か、そういう手段をとる以外にないと思うんだな。あるいは参考人になるか証人になるかは別にいたしましても、ですね。そういう点であなた方の限界というものがはっきりしたわけですから、問題の根本的解決はできないと考えますが、おたくの考えはどうですか。最後にお聞きします。
  112. 池田正範

    ○池田政府委員 この問題に対する先生の非常に熱心な、と言うより、越えたお気持ちというものは私にもよくわかります。その気持ち自身は私自身も変わらないわけでございまして、便乗値上げ、あるいは不当なコスト、極端に離れたような形で全体の物価水準が押し上げられるような要因はとにかく何とかして取り除きたい、そのために行政府としてできる限りの努力はしたい、そういうふうに考えておるわけでございます。
  113. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 私の気持ちはわかるけれども、実際そのとおりやらない、おれも同感だけれども、おれのやり方は別だ、こういうことなわけですね。いま国民に求められているものを、そういう民の声、天の声にさからうというか、結果的にはそれをあなた方はやらないということなんだから、こういう問題は時の問題であり、緊急焦眉の問題であるので、いずれ参考人または証人の問題として、問題をあとに残したいと思いますので、そういう点で、委員長に、しかるべき手続をとるよう、よろしくお願い申し上げます。  以上で終わります。
  114. 仮谷忠男

    ○仮谷委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時五十一分散会