○竹内(猛)
委員 そうしますと、その全共連と日通との間で契約をされて倉庫をつくるということについての事実は存在をする。そこで、問題は、全共連の性格といたしまして、農民のとうとい金を預かっているわけでありますから、
農家に対して損失を与えるようなことは非常に困るということは当然で、有効にこれは使わなければならないという性格のものであると思います。そのことがまた
地域住民の生活権や環境権を侵すようなことがあってはならないわけでありますから、当然、これは表裏一体のものとして、農民にも損失を与えないし、その金がまた
地域住民にも迷惑のかからないような、しかも、厚生施設とか社会施設等において役割りを果たしていくということが筋だと思います。そういう立場から、私は、次の九点にわたっていまから要請をいたしますから、
調査をしていただきたい。
第一の問題は、土地を取得して以来、建設に至る今日までの段階における経過について十分に調べていただきたいと思います。
第二点は、全共連と日通との間でどういう契約が結ばれているのかということについて、これもやはり
関係機関を通じてお調べを願いたい。
第三点は、住宅地内に倉庫をつくるための住民の理解、納得、これをどのように得たかという問題であります。私の調べたところによると、全共連はだいぶ努力をしております。八項目にわたって当初の計画に対して変更も加え、あるいは公園などに対する協力もしておるわけでありますけれ
ども、なお、依然として地元では四千名以上の反対があります。そういう点について、努力の
あとは見られるけれ
ども、まだ納得をされておらないということでありますから、この点についての
調査をお願いをしたい。
第四点は、これを都が
許可をする前段で、江戸川区
議会においては、満場一致でここに倉庫をつくることには反対であるという意思統一がされております。そして去年の十一月の十九日、この日まではその土地はまだ工場をつくる
地域であったわけでありますけれ
ども、十一月の二十日以降は住宅
地域に変更されて、五十メートルの車庫でさえもつくってはならないという
地域になっている。その十一月の十九日に
許可をとったということは、
許可は出たけれ
ども、その
あとで建築をする場合においては、当然非常に問題が起こるということを予想をしながらその
許可がおりているわけでありますから、
法律の
許可があればそれはどうでもいいということは、最近の世情から言って問題ではないか、こういうふうに考えられるわけでありますから、このかけ込み
許可というものについてはたいへん疑義があるというふうに考えます。区
議会が反対をし、都が住宅
地域にするという、その一日前に
許可を得たということはやはり問題がある。将来に紛糾を残すものとになっている。この点が実は疑問の点でありますから、その点について明らかにしなければならない。これは東京都
議会に関することでもあります。
第五点は、日通の倉庫というものは、それだけ住民が反対しているのに、将来住居
地域ということがきまっているのに、その中にどうしてもつくらなければならないのかどうか、それをつくらなければならない必要性と科学的論拠というものが一体存在するのかどうか、そのことについて明らかにしてもらわないとなかなか説得力がありません。聞くところによると、
流通センターの一環としてこれを考えているようでありますけれ
ども、その
流通センターというものの構想があるのかないのか。そういうものがあるならば、それが先に出ていて、そしてそれとの関連でここに倉庫がどうしても必要なんだ、住民が何と言ってもその倉庫はつくらなければならないのだというぐあいに説得力があるけれ
ども、倉庫ができて、その次に
流通センターができるということであるならば、それは説得力があまりないという感じもいたします。でありますから、そういう疑問について十分に答えられるようなものがなければいけないと思います。
第六番目。地元でいま
要望しているのは、その土地の地価というものはかなり高いわけでありますから、その土地を都あるいは区が買い上げて、あるいは
一定の
価格で農民に損がないように借りて、そうしてそれに病院または学校を建ててほしいという
要望をしております。すなわち、その土地の利用の計画の変更を求めておるのであります。でありますから、したがって、そのように土地を売るなり貸すなりして、そして、倉庫を別に被害のないところにつくってもいいのではないか、そういう努力をする必要があるのではないか、こういうぐあいに考えるわけであります。そういう点についての
検討も必要じゃないかと思う。
〔
山崎(平)
委員長代理退席、
委員長着席〕
第七番目といたしまして、全共連と日通が、住民が何千名反対しようとも、これは一たん
許可がおりたんだから、
法律的に違法でないんだからどうしてもやるんだということであるならば、今後いろいろな反対の運動が続いていくと思います。最近の世情というものは、環境権、生活権というものが尊重されている。その中で、特に首都の中においてこういうことが許されるとするならば、これは将来にいろいろな問題を残すことになるわけでありまして、十年ほど前に買った土地がいまになってからいろいろと問題になるということについては、その種をまくようなことをしたということについて、その経過において何か考慮しなければならない点があるように私は考えます。したがって、その土地を取得した経過の中で問題があるように思いますから、なお
検討をしなければならない。
それから、第八の点は、この問題を処理する方法として、私
どもは、地元と、
関係者と全共連、日通等々との間で話はいたしますけれ
ども、その話をする材料として、
農林省のほうのしかるべき
報告に基づいて、それを中心としてやってみたいと思います。
そこで、これを円満に処理する方法としては
三つしか道はない。第一の問題は、なおその資料に基づいて住民を説得する方法、こういうものが第一としてあります。第二番目は、計画を思い切って変更して、倉庫ではなしに、公共性のある病院なり、学校なり、別なものをそこに建てて、それと関連して、倉庫については、
関係機関が協力して別なところに土地をあっせんして、そこに倉庫をつくっていく、こういうような努力が必要だと思う。そういうことでない限りにおいては、農民の金を有効に使い、しかも、その
趣旨に沿って、大衆に迷惑をかけないでいい方向に使っていくという意味はなかなか満たされないのではないかと、このように考えます。日通というのは、文字どおり事業団体でありますから、これについては、私はここで触れる必要はないと思うが、問題は、国も
一定の監督をし協力をしている共済の金が、住民の多くの反対の中でその事業のために使われているとするならばゆゆしいことになりますから、どうか、その点について誤りのないような
指導をしてほしい。そういうことであります。
第九番目は、もしそのようなことがうまくいかないならば、この反対の運動というものは、環境権、生活権を守る運動として今後も必ず続いていくということがほぼ予想されます。そういうような問題は、いまは
地域がきまってまだくい打ちをしている段階でありますから、あまり無理をしないで、この際説得の方法をとるか、あるいは計画の変更の方向をとるか、二つの道のどれかを選んでいく方法しかないので、私は、いま申し上げたような方法によってこの問題を円満に解決するように努力をしたいと思いますので、重要な問題でありますから、この際
委員会を通じて、特に
関係官庁である
農林省に対して、そういうことについての努力をぜひしてほしいということと、それについての緻密な
調査を要請して、その日にちはおおむね三月の五日ごろまでに、いま言ったようなことについての資料を整理してほしい。三月の六日には、これは
委員会の外でありますけれ
ども、それに基づいて懇談をする計画を立てておりますから、そういうふうにしてほしいということを
要望をいたしますが、その点についていかがでしょうか。