○
島田(琢)委員 どうも聞いておりますと、ますます
大臣の真意が私はわからなくなったんであります。少し私なりに
調査をしたものを申し上げてみたいと思います。
大臣はわかっていない。私は、わかっていないと思うんです。四十九年一月の輸入の
状態を商品別で大きく三つに分けてみました。いかに輸入
価格というものがたいへんな事態になっているかということを調べてみたんであります。食料品というのは前年同月比で二・四倍になっております。それから原燃料、これが二・三倍、繊維品で一・七倍と、おそらく戦後これだけの大幅な値上げになっている時期はないと思います。特に品目別で大きく上がっているのは、銅鉱石が四・七倍と上がっている、原油が三・九倍、そして大事な
肉類や調製品というのは四倍であります。次いで砂糖が非常に高くて二・五倍。こういうふうに、
外国に依存をしようとしても昔と違って安く入ってこないという
状態にいまなっております。これはまだまだ、これから下がる要素がなくて、上がっていくという
状態は引き続いて起こっていくだろうというふうに付帯説明の中で述べられております。
そう
考えてまいりますと、
日本の輸入
政策というものは、すでにこれも昨年の秋から非常に問題になっておりますように、外貨というものはどんどん減っていって、すでに赤字が百億七千万ドルに達したというふうな総合収支の発表がなされているわけであります。こういうふうに
考えてくると、砂糖を買おうにも外貨が一体あるのかという心配が出てまいります。同時にまた、何も長々申し上げる必要はありませんけれ
ども、国際砂糖協定は事実上パンクをした。
生産国においては、いままでのようにいわゆる買い手市場ではありません。ロンドンの市況にいたしましても、仲間相場にしても、ニューヨークの砂糖の動きにしても、もはや国内産の砂糖よりも高いというのが今日の実態であります。
しかも、わずか国内において二〇%しか
自給されていない砂糖が、今日作付段階で、私の
調査によって推測するところでは、昨年北海道において六万一千ヘクタールの耕作がなされていたのが、このままで推移をいたしていきますと、私は六割の
面積確保が非常に困難ではないかとさえ思います。何とか努力をしてみても、五万ヘクタールの
確保は非常に至難な
状態ではないか。もちろんここで
大臣が、思い切ってこの原料
価格について
生産拡大をはかる努力をしようと
政府自体がお
考えになるなら、私は六万ヘクタールの昨年並みの
確保は、これはできると思いますけれ
ども、
現状のままほっておいたら、もう
面積確保はほとんど至難のわざといわなければならぬと思います。
特に、御
承知と思いますけれ
ども、近年のてん菜の耕作法というのは、従来のように五月になってから作付をするとか、あるいは四月の末に種をまくとかというふうなことはほとんどなくなりました。みんな三月に入りますと雪を掘り割って、ビニールハウスを建てて、種まきが始まるのであります。従来、四月十日に
価格決定がなされますと、もうそのときにはビニールハウスの中にビートがこういうふうに青々となっているのであります。幾ら
価格が不満であっても、せっかくできたビートの苗を、どぶに持っていって捨てたり川に持っていって捨てるようなことは、
農家の心情としてそれは絶対にできません。したがって、きめられた値段で、不服不承であっても、しぶしぶでもつくっていかなければならないというのがここ数年来の実態であります。そういうことを見越して、そんなばかげたことをことしはやりたくないから、どうもいまの感触だとさっぱりビートの値段も上げてもらえそうもないというふうな、従来のこの
価格を決定する仕組みから言えば、当然常識的にはそういう判断にならざるを得ないわけであります。したがって、
大臣の手元にも要請が行っているとおり、何としても来月のビートの種をまく以前に、四十九年度の
価格の少なくとも見通しぐらいでもいいからひとつ発表願いたいというのが、これは耕作
農民としては当然の要求だと私は思うのであります。それをパリティがどうの、やれ
法律がどうのなんというようなことでは、国内の重要な甘味資源の柱である北海道の砂糖ビートは、私は地上から消えてしまうと心配している一人であります。六万ヘクタールの
面積確保によって、ようやくいま九工場、これが成り立っているのであります。六割に落ち、五割に落ちるような実態になりましたら、ひとりこれは耕作
農民ばかりではなくて、糖業者
自体にも大きな操業上の問題が出てまいります。せっかくいままで積み上げてまいりました国内産糖というものが、北の一角からくずれてくるわけであります。
こういうふうに
考えますときに、私は、重大なビートのピンチだ、砂糖のピンチだと
考えているわけであります。したがって、従来のそうした
価格決定のパターンを破るという
政策的な思い切った措置というのが今日非常に必要だ、そういう観点に立って私は
大臣に
考え方を聞いたのであります。幾ら聞いてもおそらく前と同じようなことしかお答えにならぬと思うのでありますが、そうした実態について
大臣は現地の声をどのように理解をされているのですか。たいしたことない、だいじょうぶだとお
考えになっておられるのでしょうか。