○安福
政府委員 お答えいたします。
現在、わが国の海外の基地で補給されております油の総量は、主体は、カツオ・マグロ漁業とトロール漁業でございますけれ
ども、それぞれ約三十万キロずつぐらいで、約六十万キロでございます。いま御指摘の点は、カツオ・マグロ漁業中心でございますけれ
ども、現在問題になっております地帯は、ハワイ周辺と南アのケープタウン周辺の地区でございますが、ここではほとんど油の補給が立たないという問題でございます。
こういった油を従来からどういうふうに
供給しているかと申しますと、いま御指摘のございました日鰹連が持っておりますジャパン・ツナでございますが、これは、主として巡回診療を目的とした船でございまして、それの一部に、いわゆる海外の油を補給する機能もあわせ持たしております。これで補給できます数量は、約三十万キロ必要である約一割くらいの三万キロくらいしか補給する能力がございません。したがいまして、大部分は、やはり在外基地の、主として
メジャーでございますけれ
ども、それと特約契約をしながら補給しているという実態でございます。これが、
世界的ないまのような
事情で、その補給がだんだん窮屈になってきているということでございまして、今回、二隻の船をケープタウンあるいはハワイ周辺に派遣いたしますのは、ある意味では非常に緊急的な措置でございます。今後、こういう
事態が相当長期間続くと見ざるを得ませんので、将来ともこういう緊急措置がとれるかどうかという問題がございます。
したがいまして、いろいろな並行的な措置をあわせやっていく必要があると思いますけれ
ども、やはり、一番基本的には、油の需給が
世界的に緩和するということになりませんと、根本的には解決にならぬと思います。海外で
メジャーと交渉いたしましても、従来どおり補給するということは、簡単には
見通しは立たないのだろうというふうに私
どもは考えております。したがいまして、物を持って、そういう
メジャーとの間でも話し合いを進める必要があるだろう。いま申し上げましたように、カツオ・マグロあるいはトロールを入れまして六十万キロでございます。この
数字が少ないと言いますと、またおしかりをちょうだいするかもわかりませんけれ
ども、
日本全体の二億がらみの消費からいたしますと、コンマ以下の
数字でございますから、ある意味では、
国内で両方確保して、それをてこに
メジャーなんかと交渉する。振りかえ操作と申しますか、やはり、海外基地で補給することは一番能率的でございますから、一々大きなタンカーを
世界の海に派遣するということは、言うべくして、コストの問題もございますし、非常にいろいろな問題があるわけでございます。そういう面で、そういったいろいろな方策を講じながら補給を確保してまいる。やはり、現在では、基本的には、
国内でその分を何らかの形で確保するということが必要だろう、こういうふうに私
どもは考えております。
それから、そういったことのほかに、通産大臣が
メジャーとの交渉もされましたし、これは非常に大きな問題でございますけれ
ども、
国内で必要数量を確保するという前提のもとに、
世界的にそれを振りかえる、
メジャーの全体の数量からすれば、六十万トンというのは、コンマの、またコンマ以下の
数字でございますから、そういう形で話し合いが進められないものだろうか、このように私
ども考えておるわけでございますけれ
ども、非常にむずかしい問題でございます。したがいまして、緊急的な措置には、今回とったような措置もあるいは将来も出てくるかと思いますけれ
ども、そういった
事態を踏まえまして、全体の海外漁業の操業の再編成も、ある意味では必要になってくるのじゃないだろうかということで、日鰹連では、それが一番大きな問題として、現在議論が進められておるわけでございます。あるいは、海外の補給がわりあいにまだ円滑に行なわれているような地区に漁船を回す、あるいは、
国内へ帰ってきた船の出漁をある
程度コントロールしていきまして、そういう立ち往生するような
事態にならぬような一つの操作が必要になってくるのだろう、こういうような一つの問題も踏まえまして、現在、
水産庁が中へ入って、鋭意いろいろ検討いたしている次第でございます。