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1973-12-11 第72回国会 衆議院 農林水産委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年十二月十一日(火曜日)     午前十時四十五分開議  出席委員    委員長 仮谷 忠男君    理事 笠岡  喬君 理事 熊谷 義雄君    理事 坂村 吉正君 理事 安田 貴六君    理事 山崎平八郎君 理事 柴田 健治君    理事 美濃 政市君 理事 津川 武一君       愛野興一郎君    伊東 正義君       今井  勇君    小沢 一郎君       吉川 久衛君    佐々木義武君       丹羽 兵助君    本名  武君       竹内  猛君    野坂 浩賢君       芳賀  貢君    馬場  昇君      米内山義一郎君    瀬野栄次郎君       林  孝矩君    稲富 稜人君       神田 大作君  委員外出席者         林野庁林政部長 平松甲子雄君         農林水産委員会         調査室長    尾崎  毅君     ————————————— 委員の異動 十二月七日  辞任         補欠選任   吉川 久衛君     松浦周太郎君 同日  辞任         補欠選任   松浦周太郎君     吉川 久衛君 同月十日  辞任         補欠選任   湯山  勇君     芳賀  貢君 同月十一日  辞任         補欠選任   不破 哲三君     中川利三郎君     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  農林水産業振興に関する件(森林保全状況  並びに森林組合運営等の問題)      ————◇—————
  2. 仮谷忠男

    仮谷委員長 これより会議を開きます。  農林水産業振興に関する件について調査を進めます。  この際、森林保全状況並びに森林組合運営その他林業実情に関し、発言を求められておりますので、順次これを許可いたします。山崎平八郎君。
  3. 山崎平八郎

    山崎(平)委員 福島栃木及び群馬三県における森林保全状況並びに森林組合運営、その他林業実情調査のため、私のほか六名の委員及び一名の現地参加委員をもって第一班を編成し、去る十一月十二日から十四日までの三日間にわたり現地実情調査してまいりましたので、その概要について御報告を申し上げます。  まず、簡単に調査日程について申し上げます。  第一日目の十一月十二日は、福島県庁において、県副知事等当局から、県の農林業、なかんずく林業概況自然環境保全状況等説明と、県及び県森林組合連合会関係者から要望を聴取しました。引き続き、白河市を経て、東白川棚倉町に参り、目下建設中のゴルフ場棚倉田舎クラブ工事現場視察の後、東白川森林組合で事情聴取し、同組合良質材展示林現地視察いたしました。  第二日目の十一月十三日は、栃木那須町に参り、同町役場において、栃木林務観光部長等から同県の大規模開発現況等を聴取した後、同町にある日拓ホーム等別荘用分譲地二カ所を視察しました。引き続き黒羽町に参り、那須黒羽カントリークラブ工事現場と、同町須賀川森林組合に属する八溝林業地美林視察し、さらに喜連川町に参り、紫塚ゴルフ倶楽部工事現場視察した後、栃木県庁において、横川県知事以下県当局から、県勢概要県林業概要等を聴取し、県及び県森林組合連合会等関係者から要望を受けたのであります。  第三日目の十一月十四日は、金精峠から群馬県に入り、群馬県利根郡白沢村に参り、椎坂峠にある緑営開発会社別荘分譲地視察した後、沼田市の群馬県合同庁舎において、県林務部長等から、群馬県林業概要、大規模開発現況等を聴取し、県及び県森林組合連合会等関係者から要望を聴取いたしました。引き続き、中之条町に参り、美野原カントリークラブ工事現場視察いたし、以上をもって調査の全日程を終わったのであります。  次に、調査概要と、その所見について申し上げます。  今回、われわれの調査に与えられました主要命題である森林保全状況並びに森林組合運営状況等実情把握につきましては、現在本委員会継続審査に付されている森林法及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案に盛り込まれた重要事項に密接に関連するものであり、この調査結果が本法案審議参考かつ促進に資するという見地に立って調査に臨んだ次第であります。  今回の調査目的の第一の森林保全状況について申し上げます。  すでに御承知のとおり、近年におけるわが国経済高度成長は、国民生活の上に、ゴルフの愛好、別荘購入等のブームを呼び、レジャー産業の著しい進展を見ているところであります。このような趨勢に加え、鉄道新幹線及び高速自動車道建設着工される中で、一昨年来のドルの大量流入金融緩和等による過剰流動資本土地投資に向けられ、全国至るところ、土地乱取引乱開発が行なわれてきたことは周知のとおりであります。われわれの調査した三県におきましても、これが例外ではなく、首都圏に近接する福島県及び栃木県では、東北新幹線及び東北縦貫自動車道建設計画が具体化されると、一気に過熱し、両道の周辺中心として全県的に土地買い占めが進行し、また、群馬県は、上越新幹線及び関越自動車道周辺中心に同様の事態を招いているのであります。  最近のこれら概況につき、各県の報告によれば、福島県では、本年三月施行の大規模開発行為指導要領によるゴルフ場等届け出等計百十八カ所であり、何と、ゴルフ場だけで、既設も合わせ九十七カ所、その面積は約一万二千ヘクタールに達するというのであります。次いで栃木県では、昭和四十二年までの五カ年間に七千二百ヘクタール、四十三年から四十七年の五カ年間に一万二千ヘクタールの森林開発され、その内訳は、ゴルフ場三二%、宅地二七%、農地一六%、その他二五%となっており、特に、ゴルフ場については、既設十五カ所、昨年十月施行の大規模開発事業指導要綱の承認八十四カ所、同保留三十カ所と、百三十カ所に近いゴルフ場建設ラッシュとなっているというのであります。さらに、群馬県では、昨年十一月施行の大規模土地開発指導要綱に基づき計画造成中等六十一カ所で、その面積は五千五百七十一ヘクタールとされ、それ以外に、情報によるもの六十七件を合わせると、ゴルフ場だけで百四十件に及び、その面積一万二千九十一ヘクタール、うち、森林面積が一万一千九百六十九ヘクタールであるというのであります。  これら大規模開発事業については、それぞれ条例等届け出制によって現況の掌握ができるとしても、土地買い占めについては、これらの土地の大部分が、諸法令規制の及ばない、いわゆる白地地域とされる民有林によって占められているので、その実態把握が著しく困難であり、県のつかんでいる数字は氷山の一角にすぎないとの意見表明すらあったほどであります。このように土地乱取引乱開発が無秩序に進行するときは、地域開発、住民の福祉自然環境保全はもとより、森林機能保全を期待する上に大きな障害をもたらすことが憂慮され、これがため、各県は、四十七年以来、一定規模以上の開発行為に対し、事前協議事業届け出開発業者との協定締結開発事業に対する一般的基準及び事業施行基準等を骨子とする条例あるいは指導要綱等を制定し、対処しておりますが、これらをもってしても、法令の規制を受けるもの以外は、あくまでも指導的役割りを果たす以上のことはむずかしく、特に、民有林開発規制を法制化する森林法改正法案の早急な成立を希望する意見が各県から強調されたのであります。  以上のような三県下の開発概況を踏まえてわれわれは現地視察をいたしましたが、その際特に感じた点について申し上げます。その一は、ゴルフ場等規模開発事業等に対する行政指導は、県、町村及び企業者間で円滑に行なわれ、特に、防災及び環境保全等措置に配慮が払われていることが認められました。その二は、開発以前の土地買い占めについては、山林原野が大部分を占めていることの実態が明らかになるとともに、買い占めの特徴として、共有林入り会い林等対象となって、その有力者現金攻勢をかけ、これを拠点は逐次同意させて全部を買収するという方法が多いとのことであります。山林買い占めに関し、棚倉町において、現地林業事務所長から、棚倉地区は優秀な奥久慈林業地域に属しているのに、さらに八カ所のゴルフ場設置のうわさがあり、これを放置することは問題である、林業施策を一段と強化して乱開発の防止に当たるべきであるとの意見が述べられたのであります。その三は、現地調査したゴルフ場等土地買収価格は、十アール当たり十五万円から二十五万円程度とされていますが、その後の買い占めで高騰し、百万円から百五十万円、高いところで二百万円にもはね上がっており、特に、栃木県の八溝山系広域畜産団地構想は、用地取得難等からその実現性が困難になってきており、地価高騰を呼ぶとともに、農業施策の面に悪影響を及ぼしているのであります。その四は、栃木喜連川町の例では、ゴルフ場が三カ所、他町村にまたがるもの四カ所計七カ所もできるといわれ、町として、地権者が売るのは防ぎようがなく、一面、生産性の低い天然林のまま置くよりも、ゴルフ場によって、三百人程度地元雇用の増大、固定資産税及び娯楽施設利用税増収等のメリットが生ずるとの意見開陳すらあり、開発に対する行政の対応のあり方に若干の問題があるように思われました。  これらを要するに、土地乱取引乱開発を防止し、秩序ある地域開発森林保全の調和をはかるために、民有林開発規制を法制化することが最も有効な手段であることの認識を深めるとともに、他方、たとえば栃木県では、指導要綱により、三十カ所のゴルフ場建設を二年間保留し、凍結しておりますが、このようなもの及び指導対象となっていない小面積もの等について、森林法改正法案成立施行され、地域森林計画対象となる一ヘクタール以上の民有林開発行為知事許可が発動され、これが不許可になった場合、すでにゴルフ場等買収された林地に対し森林法はどう対処するのか等、新たな問題を提起されたのであります。  次に、調査目的の第二の森林組合運営状況について申し上げます。  三県とも、林野面積のうち、民有林はおおよそ五〇%余を占めておりますが、これについての森林組合は、福島県では四十四組合栃木県では四十七組合群馬県では四十九組合が設けられております。しかし、これら組合の多くは、事業収益等が低く、常勤者も数人という程度であり、その経営基盤も零細弱体であるのが実態となっているようであります。今後、民有林の発展のためには、森林組合育成強化が不可欠であり、合併の積極的な推進をはかる必要があります。このために、福島県では、四十四組合を十四組合に、栃木県では、四十七組合を二十五組合に、群馬県では四十九組合を十三組合にそれぞれ合併する方針を持っているのであります。  森林組合合併については、すでに昭和四十二年までの合併助成法によって推進されてきましたが、今日合併する場合においても、先ごろと同様、組合間の経営基盤出資金財務状況執行体制あるいは地縁的関係等に種々問題があるようであります。県等の積極的な指導及び支援が必要であると痛感した次第であります。  今回の調査でわれわれがたずねました福島東白川森林組合は、広域合併模範的組合であり、早くも、昭和三十七年に合併の気運が盛り上がり、四十年に具体化され、四十二年九月に合併という長期間をたどって完了されたものでありまして、四カ町村内の六森林組合が大同団結し、一組合になったのであります。以来、合併後の経営困難を克服し、努力の結果、四十七年度では、合併当初に比して出資金及び事業収益は確実に伸長し、また、常勤役職員四十二名、労務班四十二名を擁するに至っております。  この組合は、同地域民有林二万六千六百五十九ヘクタールのうち二万三千九百二十五ヘクタールをおさめ、人工林率六一%に達した造林事業をさらに推進するとともに、量より質への林業経営をスローガンに良質材育林中心運営されており、特に、良質材育成のため、枝打ちの展示林が十六カ所も設けられ、管内の森林の五〇%が枝打ちされているというのであります。  また、一方、組合は、最近組合員要請が多様化したため、系統木材会社の設立、住宅建設部門への進出など、積極的に活動しているのであります。  しかし、このような組合活動の中で、現地において最も問題となっている点は林業労働力の不足のことであります。賃金はこの地域の他産業に均衡させ、かつ、退職金制度をも本年より設置するとしておりますが、これを確保することが困難な状態にあることが強く訴えられました。また、森林法による森林組合事業拡大等及び森林組合合併助成法延長措置等改正法案については、組合運営の上から適切であり、その早期成立が強く要請されたのであります。  最後に、今回の調査にあたり、県当局及び森林組合等関係者から各種陳情を受けましたので、その概要を御報告いたします。  すなわち、すでに申し上げましたように、森林法及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案早期成立要請されたことをはじめとして、森林組合協業体制確立大幅助成造林事業補助政策強化民有林労働者に対する保障制度確立農林漁業金融公庫林業関係資金等貸付条件大幅改定治山林道等公共事業拡充強化木材流通機構近代的整備等について国が積極的に施策を講ずるよう要望されました。このほか、福島県からは、最上会津山地の大規模林業圏開発事業早期着工及び阿武隈地域広域農業総合開発事業促進と、群馬森連から、森林組合の信用及び共済事業能力付与等要望されました。これらの要望事項については、われわれとしてはしごくもっともなものばかりであり、本委員会としても、その実現努力されることを希望する次第であります。  以上をもって第一班の調査報告を終わるのでありますが、この調査に際し、三県の県当局及び林業団体等関係各位から寄せられた多大の御協力に対し深甚の敬意を表し、私の報告を終わります。(拍手)
  4. 仮谷忠男

    仮谷委員長 次に、柴田健治君。
  5. 柴田健治

    柴田(健)委員 派遣委員第二班、兵庫県、鳥取県、岡山県の調査報告をいたします。  兵庫鳥取及び岡山三県における森林保全森林組合運営状況等林業に関する実情調査のため、私外六名からなる調査団を編成し、去る十一月十二日より十四日までの三日間にわたり、現地実情調査してまいりましたので、その概要について御報告申し上げます。  まず、調査日程について申し上げますと、第一日目は、姫路市の兵庫姫路総合庁舎において、兵庫農林部次長及び林政課長から、兵庫県の農林水産業概要及び林業現況、特に森林に対する開発状況森林組合現状等説明を聴取し、これらについて意見交換を行なった後、相生市の東亜相生カントリークラブ造成中のゴルフ場及び赤穂郡上郡町の大和団地株式会社造成している宅地分譲予定地現地調査した後、鳥取県に入り、有名な智頭林業視察して鳥取県庁に至り、鳥取県副知事農林部長等から、鳥取県における農林水産業概要及び林業現況、特に森林開発状況及び森林組合現況と、合併目標及び問題等について説明を聴取し、これらについて意見交換を行なった次第であります。  第二日目は、鳥取県内森林状況視察し、人形峠を越え、岡山県に入り、奥津町の森林組合活動状況視察した後、柵原町の興国津山カントリークラブ現地調査を行ないまして、最後に、岡山県庁におきまして、岡山県知事企画部長農林部次長等から、岡山県の農林水産業概要土地開発並びに規制状況マツクイムシ被害と駆除の状況等についての事情を聴取いたしました。  第三日目は、岡山周辺マツクイムシ被害状況調査いたし、全日程を終わったわけであります。  以上が調査日程の大要でありますが、以下調査概要と、その所見について申し上げますと、今回われわれに与えられました主要命題であります森林保全状況並びに森林組合運営状況等実情把握につきましては、現在本委員会継続審査に付されております森林法及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案に盛り込まれた重要事項と密接に関連するものであり、本法案審議参考促進に資するという観点に立って、三県のゴルフ場宅地造成状況森林組合合併についての目標やその問題等について重点的に調査をいたした次第であります。  まず、この調査を通じまして強く感じられたことは、第一に、兵庫鳥取岡山の各県とも、民間企業による森林開発ないし開発計画が予想以上に多く、特に、中国縦貫道建設の進行に伴って、この周辺林地買収相当に行なわれていること、第二には、現在西日本一帯に広がりつつあるマツクイムシ被害相当にひどいものであるということであります。  まず、民間企業による土地買収状況から見ますと、兵庫県が約一万八千ヘクタール、県土の二・二%、鳥取県が交渉中のものを含めて約五千六百ヘクタール、県土の一・五%、岡山県が約二万五千ヘクタール、県土の三・六%にものぼっており、しかも、その対象となっている八割ないし九割以上が森林で、特に、普通林でかつ共有林買収目標にされている例が多いようであります。また、これらの買収地開発計画を見ますと、宅地造成ゴルフ場レジャー用地が大半を占め、これらの開発計画に対し、兵庫県、鳥取県では指導要綱で、岡山県では条例をもって規制を行なっているところでありますが、事が私有財産権にも及ぶこと等から、条例等をもってしては十分対処し得ない面もあり、このことから、三県とも、その裏づけとなる森林法改正案早期成立とともに、森林法第十条の二にいう開発許可基準の具体的な明示を強く要望いたしておった次第であります。  たとえば、相生市の場合、約六百ヘクタール、森林面積の九%がレジャー関係施設利用のために買収され、水源確保環境保全林業振興上憂慮されているのでありますが、現に造成しております東亜相生カントリークラブ現場について見ましても、もともと雨量の少ない地方とはいえ、この着工指導要綱の施工前であったこともあり、各種防火工事を実施しているにもかかわらず、造成中あるいは造成後におきましても、一度集中豪雨等に見舞われた場合には、必ずしも防災上問題がないとは言い切れない状態にあると感じた次第であります。  これらの開発は、一面では、過疎地振興にもつながるものであり、その点から、地元では開発を希望する面もありますので、このような開発乱開発とならないようにするためにも、何らかの法的規制が必要であることを痛感した次第であります。  次に、森林組合運営状況につきましては、三県とも経営基盤の弱いものが多く、今後民有林業のにない手として育成強化していくために合併推進をはかっており、たとえば鳥取県におきましては、現在の三十組合を五カ年計画で七組合合併すべく指導をしており、岡山県でも、五十五組合を十六組合に集約することを計画しているようであります。  合併推進していく上で、赤字組合赤字解消合併執行体制等種々問題があるようでありますが、われわれが調査いたしました岡山奥津森林組合は、昭和四十年、森林組合合併助成法によって、奥津、羽出、泉及び久田の四森林組合合併してできた組合であり、岡山県の一組合当りの平均が常勤役員〇・六人、職員三人、労務班員三十三人に比べて、常勤役員三名、職員二十八名、労務班員三百九十二名を擁し、造林事業を主体に活発な運営を行なっている。いわば模範組合であります。  この組合も、合併以前は、赤字弱体組合とのことでありましたが、合併後、執行部に人を得たこともありまして、目ざましい業績をあげ、今日では、労務班員退職金制度を設置し、職員の週休二日制を実施する等、従業員福祉の増進にも積極的に取り組んでいるようであります。また、当組合は、戦後、組合員の持ち山に積極的な造林推進してきており、すでに人工林率も六五%に達しておりますが、幼齢林がほとんどであるため、伐採、販売事業の占める割合は低く、労務雇用が季節的になりやすいことから、組合員緑化事業推進等労務年平準化につとめており、その一環として、組合員の生産した緑化樹木その他を販売する花木センターを経営する等、各種附帯事業を積極的に実施しており、この面から、森林組合事業範囲拡大をはかろうとする森林法改正案早期成立要望された次第であります。  当森林組合は、合併によって成果をあげたよい実例と言えますが、森林組合活動も、経営基盤強化とともに、何よりも、それを運営する人材のいかんによるものとの感も強くした次第であります。  次に、マツクイムシ被害につきましては、戦後、昭和二十四年に大発生したのをピークに、その後減少していたのでありますが、昭和四十六年以降、西日本、特に瀬戸内海沿岸九州地方において急増傾向を示しており、四十八年は、高温寡雨等の影響もあって、異常にその被害が発生している状況であります。われわれが調査いたしました時期は、すでに紅葉も終わりに近い時期で、紅葉の中に松の枯損が埋没して、被害の激しさをいささかカバーした感がありましたが、それでも被害の大きいことは十分に納得し得たところであります。  マツクイムシ被害の原因につきましては、つい最近まで究明されず、その対策としては、枯損木を伐倒焼却することが唯一の手段となっていましたが、昭和四十三年度から、農林水産技術会議特別研究として、四カ年計画で、国立林業試験場において研究が進められてきました。その結果、松の枯損原因は、マツノザイセンチュウであり、これを伝播、媒介するものがマツノマダラカミキリであることが明らかにされ、防除対策マツノマダラカミキリのふ化時期に有機燐系薬剤空中散布することが有効なことが実証されたところであります。  瀬戸内海沿岸は、いわゆる瘠悪林地帯でありまして、松以外の造林は不適な土地であり、この際、マツクイムシの徹底的な防除をはかることが必要なことは言うまでもありませんが、このためには、薬剤空中散布に対する地元受け入れ体制整備空中散布に対する理解と協力をお願いいたしてまいった次第であります。  なお、マツクイムシ被害防除につきましては、森林病虫害等防除法に基づいて国が種々の助成を行なっており、保安林等施業制限林に対しては国営の防除も行なっておりますが、一般には、都道府県が三分の一ないし六分の一の費用負担をしており、不採算木以外の立木については、森林所有者が六分の三の費用負担をすることになっており、これが結局地方公共団体に肩がわりさせられる場合が多く、各方面から要望がありました補助制度改善強化につきましては、今後われわれといたしましても強く政府を督励してまいる必要があろうかと存ずる次第であります。  また、智頭林業についての所感を一言申し上げますと、智頭地方が比較的雨量が多く、杉の生育に適した土地柄とはいえ、林地利用施業方法ともみごとなもので、ここまで育て上げた先人の努力敬意を表した次第であります。  最後に、各県及び団体から出されました要望または陳情につきまして申し上げますと、森林法及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案早期成立につきましては、三県及び兵庫鳥取県の森林組合連合会から強く要望された次第であります。  次に、マツクイムシ防除対策事業促進ないし拡充国庫補助率の引き上げにつきましては、兵庫県、岡山岡山市及び中国地区森林組合連合会岡山、広島、山口、鳥取、島根の五県)から強い要請があったところであります。  その他、兵庫県からは、海洋汚染公害による漁業者救済基金制度確立について他、鳥取県からは、林道事業拡充強化造林補助制度改正保安林制度改正及び大規模林業圏開発事業の実施についても要請があった次第であります。  終わりに、今回の調査にあたり御協力いただいた県、市町村、営林局署をはじめ、関係諸団体の各位に対し、深甚なる謝意を表しまして、御報告を終わることといたします。      ————◇—————
  6. 仮谷忠男

    仮谷委員長 この際、参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  農林水産業振興に関する件、すなわち、石油不足に伴う農林水産業に及ぼす影響問題等について、参考人の出席を求め、その意見を聴取することとし、参考人の人選、日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 仮谷忠男

    仮谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、明十二日水曜日、午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午前十一時十九分散会