○鬼木
委員 保利先生には、私のお尋ねしておるところを全部御了解いただいたのですが、これは結局、
三木先生とお二人いらっしゃるから申し上げるけれ
ども、
三木先生の指揮監督をまた受けなければならぬ。そうすると、八管区の
監察局長は
保利先生の指摘下にある。その点、いま
保利大臣がおっしゃったように、よほど運営をうまくやらないと、どうしてもその間にあるいは感情問題が起きたりいろいろな問題が
——それは
三木先生と
保利先生の間は、そんなことはありませんけれ
ども、実際問題として私はそういうことはあり得ると思うのです。ですから、この点をなお一考あるいは再思三考していただきたいということの要望を申し上げておるわけです。それは、いまおわかりいただいたと思いますが、
三木先生もその点をお
考えいただいておるものと思います。一応そのことは、それで私は了承いたします。
そこで次に、もうあとわずか二、三十分しかございませんのでお尋ねをしたいのでございますが、これは主として
保利先生にお尋ねしたいのですが、四十八年度のおたくからいただいておる
監察事項が十項目、その十項目は読み上げませんけれ
ども、四十八年度実施
監察名一覧表というので十項目になっておりますが、これで
監察をされて勧告をされたのは、わずか二件にすぎない。「四十八年度の勧告わずか二件」、しかも「物価
対策は沈黙」、こう新聞に発表されております。これは相当ひどいので、「行監のメス鈍る」というように出ておるんですよ。
だから、私が
考えますのに、これは
監察をやっただけで、名目上
監察はこのようにいたしております、あるいはそれがたとえ十項目であろうが二十項目であろうが、
監察はこれだけやっております、こういうことでは、
行政監察局の
行政監察としては、目的を果たしたものだとはいえない。あくまで
行政監察は、各
省庁に対して
監察した結果を勧告する、勧告するということにおいて、初めて正式に関係
省庁に対して突きつけることができる、おまえのところはこうだ、ああだということで、そこで結果が出たことになる。何ぼ
監察をやっても、勧告がなければ、各
省庁は痛いこともなければかゆいこともない。ただ調べてもらっただけだ、御苦労妻でした、あなたたちは御迷惑なことですね、それだけのことだと私は思うのです。ところが、四十八年度のは、
監察は十項目以上あるのにわずか二件。ですから、私は、こういうきびしい批判を受けるのだと思うのです。「
監察の集大成である勧告にまでこぎつけられたのは「自動車損害賠償保障制度の運営」と「放射線障害
防止」の二項目だけ。残りの八項目は
事情があって勧告できないか、とっくに勧告を放棄している状態。」である。そうすると、これは
行管庁のほうでは、決して放置しているのじゃない、
監察をしても、勧告までには時日が要るからすぐそのままできない、こう御答弁をなさると思うのです。
時間の経済で、あなた方の答弁することを、私のほうから言っておきます。そうだと思う。しかし、それがとんでもない誤り。それは事と次第では、
監察しても、あとのまとめが半年、一年かからぬとも限らぬ。しかし今日、一番大事なものは物価問題、いま
国民がひとしく解決を望んでおるのは物価問題これより以外にはない。そういう物価問題を、
監察もしないで、あるいはまた
監察をしても、あなた方の御答弁のように、あとのまとめが要りますので半年一年はかかります。冗談じゃありません。物価だなんというものは、日に日に移動しております。日に日に変わっております。ことに、いまの物価の上昇状態はとんでもない。いわゆる悪性インフレだ。それを、一番大事な物価問題にも手をつけないで、しかも
監察というのはそう簡単にはできません、できても、あとのまとめが時日がかかりますなんということを言っておったんじゃ、去年の物価の問題をいまここに適用しようなんといったって話にならぬ。しかも四十八年度の大事な
監察が、物価問題が落ちている。これは私、先ほどから申しますように、お世辞じゃなくて
保利先生のような田中内閣の大実力者の大先生がいらっしゃるんだから、こういう点は
保利先生、もう少し
国民大衆のために、さすがにわれらの
保利先生がこうして
行管長官になられて的確なことをやっていただく、こういうふうに私は望むんですよね。これは、この新聞で、「
国民生活に最も関係の深い物価
対策などは」と書いてある。全然やっていない。
ことに私が最も残念に思いますのは、あの石油危機の問題が起こって、日本はあげて驚愕した、非常な苦しみにおちいった。あの場合に、あの石油危機の前に、通産省だとか経企庁だとか農林省だとか、こういうところになぜ石油危機の勧告をしてもらわなかったか。そうしたならば、ああいうろうばい、ああいう
国民が塗炭の苦しみにおちいるようなことはなかったであろう。私は、まことに遺憾千万だ。この点、
保利先生の御高見を承りたい。