○大出
委員 いまの最後の、今回のようなことになりましたから、こういう質問をしているわけなんですが、それはなぜかというと、ここにさっき木の名称をあげましたから申し上げますが、佐藤さん書いておられる中に、「鹿島
開発は
地域住民と直接接触する地方自治体(町村)からの発意によるものでなく、事実上の経緯においてナショナルプロジェクトのミニ版として天下ってきたものであり、新産
都市などと異なり、
実施過程において鹿島町に見られるごとき強い住民抵抗に遭遇する。」、ここから始まるわけですね。そういう意味で、ほんとうに詰まってないわけですから。「また農工両全」、つまり農業、工業の両方がうまくいくのだということ。「農工両全が声高に慫慂され、均衡ある発展が強調されたにもかかわらず、農業への影響はきわめて破壊的であり、また地方自治体の財源増加による新たな
都市づくりが求められながらも、その
都市形成はきわめて跛行的にしか展開せず、無公害が強調されたにもかかわらず、完全操業に至らない
時点で公害化と工場事故を生み出すなど、種々の意味でナショナルプロジェクトとして推進される大規模
開発を先取りするごとき形での問題点を
提出している。」、だから、新全総以来、このままで大規模
開発に入っていくという筋道を通っているんですけれ
ども、そこまでいく前の試験的な段階でこれだけの問題が出ている。
だからこそ、皆さんが二十五年の
国土総合開発法の
改正案をお出しになったが、それが通らないということになっているわけですよ。もちろん、そこに田中総理の言う「日本列島改造論」が出てまいりましたが、あれを読んでみて、別に二十五年の総合
開発法、新全総等とそう変わったことを書いているのじゃない、実際問題としては。新全総だの、二十五年の総合
開発法をお読みになっていない方が国民の大多数だから、騒ぎが起こるだけであって、そこに角さんの癖か、あれをお書きになったどっかの官僚の方の癖か知らぬけれ
ども、その癖が顔を出すからよけい——きのう総理が、どうもいろいろ
答弁にあたっては
考えなければならぬことはたくさんあったのだというようなことを言いましたが、そうなっているわけでありまして、別に変わっているわけじゃない。だから、そういう抵抗が出てきて、住民の抵抗みたいなものが野党間にも出てきて
改正案がすなおに通らない。
国土利用法案になってきているという事情がある。ならば、そこは、やはりすなおにその
方向を向いていただけぬかということ。そうしないと、修正してまとめるということも、なかなかうまくいかない、こういう気がするのであります。
ここに数字がありますけれ
ども、鹿島
開発で大きな工場ができる。そのすぐそばの町、神栖町というのですか、ここなどは、これは農林省の調査なんですが、農林省所得統計など、三十八年からまず始まっているのですけれ
ども、これをずっと見てきますと、農民の農地への意識調査というのがある。大体他の
地域、県北であるとか県南であるとか県の西であるとか、いろいろ分けられていますが、波崎であるとか鹿島であるとか、こうなっているんですが、財産として
土地を持ち続けるつもりの農民、何と神栖という町は四三・五%しかないですね。残りの五七%近い
方々は、これは、うまい条件で売れれば売りたいという。これは完全な
農業地域ですね。ここを集約的ビニール栽培だとか何とかいってみんな補助金を出していったんですね。それは、つまり農工両全ということをねらったからなんですね。机上プランにあるとおり進めたわけですね。ところが、そこに工場がどんどんできてしまったから、
地価がどんどん上がってしまう。上がってしまうと、もう農業なんというものは完全にやる気がなくなってしまっているわけですよ。やむなくやっている。補助金をもらったほうが得だということでやっている。だが、まだまだ上がる傾向だから持っているが、条件のいいところでいい仕事を見つけてぽんと売りたい、ほとんどそういう傾向になってしまう。全くもって農工両全どころじゃない。
それでは、そこを出ていった人は帰農するか。しないですね。沖繩だって、万博でサトウキビの畑をぶん投げて出ていった人は帰農しない。そうすると、万博が終われば、三万人ばかりの帰農しない労働者集団ができてしまう。五月二日に私は、連休のさなかですが、三日ばかり沖繩へ行って、一回り回ってきた。きのうここで質問をしていたVFWなんかのすわり込んでいる
方々のところを、全部回ってみてきました。これは、たいへんなことが起こるという気が、この沖繩についてはするんです。離島問題もそうだ。もう本土の観光業者がみんな買ってしまって、この
計画でいう離島対策なんというものは、どうにも手のつけようがないということに片っぱしからなってしまった。そこらのことをほんとうに
考えて、
土地利用計画法案をつくるならつくる、それを入れものとしてどう運営するかという機関をつくる、そういう現実をとらえてつくるのでなければ、私は、その点は意味がないと思うのです。
したがって、時間をあまりかけたくないので、連日どうも皆さんおそくまでかかっておりますから、たまには医者の言うことを聞かなければいけませんので、休養が必要でございます。そういう意味で長くしゃべりたくないのですけれ
ども、まず承りたいのは、
国土総合開発庁設置法、この名称の変更というのは、
国土総合開発法が通らぬかもしらぬと私、思ったときに、
関係の皆さんがお見えになって、私は、
国土総合開発法が通らなければ通らないで、
土地を所管する省庁というのはないのだから、沖繩の
土地問題を含めて
土地問題を片づける新しい
法律もつくらなければならない、沖繩の解放
土地を含めまして、はめ込み測量形式の
土地というのは、いまだに所有権の確定ができない。つまり登記ができない。これは私、
経済企画庁長官おいでにならぬけれ
ども、木村俊夫さんが
経済企画庁長官のときに、
関係省庁みんなおいでいただいて、三時間近くここで
土地問題を詰めた。
土地問題をこまかく詰めた。ついに
経済企画庁長官も
答弁のしょうがない。いまの
法律、いまの日本の
行政システムでは、沖繩のこの
土地の、解放
土地を含めて所有権の確定ができない、
国土調査法では手の打ちようがない、新しい
立法が要るとお答えになった。法務省と相談して、そういうふうに
考えます、山中防衛庁長官もそう答えた。答えたんだが、いまだに何の気配もないんですね。
沖繩へ行って聞いてみましても、全く
土地の所有権確定問題というのは、争いの連続のままであって、読谷近辺から始まって、天願、安慶名
地域から始まって、至るところそうです。所有権の確定をしないんだから、これだけどんどん沖繩までいろんな人が入ってきて、こうなってきて、自分の
土地の権利を使って何かやろうと思ったって、やりようがない。そうすると、その意味では、新しい官庁をつくって、
土地を確実に所管する、そういう省庁をつくって、いまの問題などを含めて何とかしなければならぬという意味で、この総合
開発法が通る、通らぬは別として、これを直せるものは直して、
一つ官庁をつくる、こうしたいと思って、そのときに皆さんに聞かれて、どうすればいいのですかというから、まず
国土庁にしようじゃないか、こう私が口を切りましたら、いつの間にか
国土庁という名前はなかなかいいじゃないかと総理が言ったとか、はね返ってきまして、何となく皆さんがもう
国土庁にきまってしまったようなことをおっしゃっているわけですね。そうなるかならぬかわかりませんけれ
ども、私が言い出したのですから、反対はしませんけれ
どもね。そこで、まず名前は、だから
国土庁
設置法であろう。
そこで、二十五年法である
国土総合開発法というのは、そのにおいのするものは実は私は全部切ってしまいたい。先ほどの御
答弁が、新しい
法律ができた、われわれは
改正案を出したがどうもそうはいかなかった、ならば、できたものについて勉強して新しい
計画を
考えてみなければならぬ、こういうお話なんだから、その筋に沿うということになるとすれば、なかなか私
どもの背景も通しにくい部門がありますので、二十五年の
国土総合開発法という
法律の残影みたいなものは、一切この中から除きたいという気持ちなんです。
あわせて、さて
国土利用計画法案という
法律のほうには、二十五年法の
国土総合開発法の幻影はないのかというと、なくはない、ある。
利用なら
利用ということば自体にある。ありますけれ
ども、それは別な論議にするとして、二十五年法といわれるものの形はこの条文から抜きたい。
一つ残らず全部抜いてしまいたい。ただ、
一つだけ認めなければならないのは、この
法律の六ページの二十二の中の「次に掲げる
法律(これらに基づく命令を含む。)に基づく
内閣総理大臣の権限に属する
事項について
内閣総理大臣を補佐すること。」、補佐権限という形でこれは所管がきまってきているわけですね。この中に、「イ
国土総合開発法」から始まりまして、イ、ロ、ハ、ニ、ホ、ヘ、ト、チ、リ、ヌ、ル、ヲ、ワ、カと、こうなってずっと並んでいる、この中に、
国土総合開発法、つまり二十五年法が入ってくるという、これだけは認めよう。これは
現行法ですから、この
法律をなくすわけにまいらない。もし、これをこの中に認めないとすれば、これは別な官庁にそのまま残しておかなければならぬ、スタッフはそっちに置いておかなければならぬ、こういうことになりますから、これだけは認めるということにするとしても、この
法案全体の中での二十五年法にかかわるものは、実は全部これはなくしてしまいたいという気がするのであります。
ずばり聞きますが、そこらについての御見解を聞きたいのであります。